(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロセッサとメモリを備えたコンピュータであって、前記メモリは前記プロセッサに請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法を実行させるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記管理方法は、集計作業に甚大な労力を要し、手作業での集計であるので、集計ミスが発生するといった問題を有している。また、投票結果などを表計算シートにおいて入力および更新するといった作業も発生し、この作業がさらに労力を要するものとなる。さらに、投票結果などのエビデンスを保存することができないといった問題も有している。
【0007】
特許文献1には、マンションの総会を運営する総会運営者用の総会運営者端末と、マンションの区分所有者用の構成員端末と、総会支援サーバとから構成されるマンションの総会支援システムが開示されている。このマンションの総会支援システムでは、総会支援サーバと構成員端末との間で、総会への出欠および投票に関する情報がやり取りされる。
【0008】
しかしながら、特許文献1は、マンションの構成員のそれぞれが構成員端末を保有する必要があり、構成員端末を有しない構成員が議決権の行使をすることができないといった問題を有している。
【0009】
また、構成員端末を保有していても、総会の会場は必ずしも、データ送信ネットワークに接続することができる環境であるとは限らず、やはり、議決権を行使することができない場合が発生する。
【0010】
さらに、特許文献1に係る総会支援システムは、出欠フォームを出力し、当該出力フォームに含まれた、回答情報などが格納されたQRコード(登録商標)を読み取ることによって出欠などを判定しているが、「賛成」または「反対」などのそれぞれの回答情報が格納されたそれぞれのQRコードのいずれかを読み取る必要があるため、読み取るべきQRコードを誤ることによる集計ミスが発生するといった問題を有している。
【0011】
加えて、上述した特許文献1に開示された出欠フォームは、個々の構成員専用のQRコードが記載された用紙になるため、郵送用の封入作業や、ポスト投函時にミスがあった場合、他人が誤った投票をしてしまうという問題を有している。この場合、本人を特定する方法がないので、誰がどこで間違えたのかを追跡することは容易ではない。
【0012】
さらにまた、特許文献1に係る総会支援システムのような電子投票を実施するには、管理規約を変更する必要があり、導入までに住民説明や合意形成が必要であり、導入が困難となる問題を有している。また、総会前や当日に、投票方法(操作方法)などに関する問い合せが発生し、総会進行の妨げになるといった問題も有している。
【0013】
さらにまた、特許文献1に係る総会支援システムは、上述した回答情報が格納された出欠フォームを誤って読み取った場合、読み取りが不十分で、情報を取得できなかった場合等に、容易に修正を受け付ける手段を提供するものではない。
【0014】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、集合住宅などの管理組合で実施される総会などの出欠および議案への投票に使用する出欠用紙および投票用紙を正確かつ効率的に集計し、集計結果を総会および/または集合住宅ごとに変更する投票集計システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明に係る投票集計システムの第1の態様は、総会を管理するための方法であって、コンピュータに接続されたスキャナによって、マークシート用紙の全面を読み取るステップであって、前記マークシート用紙は、第1の構成員識別情報、構成員の出欠識別情報、および前記総会における議案に対する前記構成員の議決権行使識別情報を含む、ステップと、前記コンピュータによって、第2の構成員識別情報および前記構成員の議決権数情報を含む構成員情報を取得するステップと、前記スキャナから、前記読み取られた前記マークシート用紙の画像データを受信するステップと、前記受信した画像データから、前記第1の構成員識別情報、前記出欠識別情報、および前記議決権行使識別情報を判定するステップと、前記議案に対する可決基準情報を受信するステップと、前記判定した第1の構成員識別情報と、前記第2の構成員識別情報とを関連付けることによって、前記判定した第1の構成員識別情報に対応する第1の構成員情報を判定するステップと、前記判定した出欠識別情報に基づいて、前記構成員の前記総会への出欠に対する第1の回答を集計するステップと、前記判定した第1の構成員情報、および前記判定した議決権行使識別情報に基づいて、前記構成員の前記議案に対する第2の回答を集計するステップと、前記受信した可決基準情報、および前記集計した第2の回答に基づいて、前記議案に対する可否を判定するステップと、前記集計した第1の回答、前記集計した第2の回答、および前記判定した可否を含む集計情報を出力するステップとを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る投票集計システムの第2の態様は、本発明に係る投票集計システムの第1の態様において、前記コンピュータは、表示部を備え、前記方法は、前記コンピュータによって、前記受信した画像データから、判定エラー情報を識別するステップと、前記表示部に、前記画像データの前記判定エラー情報に対応する部分と、前記判定エラー情報の修正入力を受け付けるインタフェースとを表示するステップと、前記修正入力に基づいて、前記出力した集計情報を修正するステップとをさらに備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る投票集計システムの第3の態様は、本発明に係る投票集計システムの第2の態様において、前記コンピュータによって、前記表示部に、前記出力した集計情報を表示するステップであって、前記表示した集計情報の前記識別した判定エラー情報に対応する部分が強調表示される、ステップをさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る投票集計システムの第4の態様は、本発明に係る投票集計システムの第3の態様において、前記コンピュータによって、前記識別した判定エラー情報のエラー種別を判定するステップをさらに備え、前記表示した集計情報の前記識別した判定エラー情報に対応する部分は、前記判定したエラー種別に基づいて強調表示されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る投票集計システムの第5の態様は、本発明に係る投票集計システムの第1乃至第4の態様のいずれかにおいて、前記マークシート用紙は、委任先識別情報をさらに含み、前記方法は、前記コンピュータによって、前記受信した画像データから、前記委任先識別情報を判定するステップと、前記判定した委任先識別情報と、前記第2の構成員識別情報とを関連付けることによって、前記判定した委任先識別情報に対応する第2の構成員情報を判定するステップとをさらに備え、前記第2の回答は、前記判定した第2の構成員情報にさらに基づいて集計されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る投票集計システムの第6の態様は、本発明に係る投票集計システムの第1乃至第5の態様のいずれかにおいて、前記コンピュータによって、前記議案に対する集計方法を受信するステップと、前記受信した集計方法に基づいて、前記構成員の前記議案に対して予め集計された回答数を受信するステップとをさらに備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る投票集計システムの第7の態様は、本発明に係る投票集計システムの第1乃至第6の態様のいずれかにおいて、前記コンピュータによって、前記集計した第1の回答、および所定の総会開催基準情報に基づいて、前記総会の開催対する成否を判定するステップを備え、前記出力した集計情報は、前記判定した成否を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る投票集計システムの第8の態様は、本発明に係る投票集計システムの第1乃至第7の態様のいずれかにおいて、前記集計情報は、PDF、表計算シート、またはCSVの形式で出力されることを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る投票集計システムの第9の態様は、本発明に係る投票集計システムの第1乃至第8の態様における方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0024】
また、本発明に係る投票集計システムの第10の態様は、本発明に係る投票集計システムの第9の態様におけるプログラムを記録したコンピュータ可読記憶媒体である。
【0025】
また、本発明に係る投票集計システムの第11の態様は、プロセッサとメモリを備えたコンピュータであって、前記メモリは前記プロセッサに本発明に係る投票集計システムの第1乃至第8の態様におけるいずれかの方法を実行させるプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る投票集計システムによれば、総会への出欠を示す出欠用紙、および議案に対する回答を示す投票用紙を正確かつ効率的に集計することが可能であり、かつ、集計結果の修正を容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る投票集計システムを実現するコンピュータシステム全体の構成の例を示している。本実施形態に係る投票集計システムは、投票集計プログラム提供サーバ1、管理端末2、およびスキャナ3を備えている。投票集計プログラム提供サーバ1は、専用線、またはインターネットなどの公衆回線を含むネットワーク4を介して、管理端末2に接続されている。また、管理端末2は、USBケーブルなどを介してスキャナ3に接続されている。
【0029】
投票集計プログラム提供サーバ1は、本実施形態に係る投票集計システムを実現するプログラム(以下、「投票集計プログラム」と称する)を提供するコンピューティングデバイスである。投票集計プログラム提供サーバ1は、管理端末2からのダウンロード要求に応答して、投票集計プログラムを管理端末2に送信する。なお、投票集計プログラム提供サーバ1は、コンピューティングデバイス、または複数のコンピューティングデバイスで実装されてもよい。
【0030】
管理端末2は、投票集計プログラム提供サーバ1から投票集計プログラムをダウンロードして、ダウンロードした投票集計プログラムを実行するコンピュータ端末である。管理端末2には、表計算ソフトウェアおよび/または文書作成ソフトウェアなどのアプリケーションソフトウェアが格納されており、それらのソフトウェアを使用して、後述する名簿データを作成する。また、管理端末2には、OCR(optical character recognition)ソフトウェアが格納されており、当該ソフトウェアを実行することによって、スキャナ3から送信された画像データの情報を識別する。本実施形態では、管理端末2は、パーソナルコンピュータを想定しているが、そのような構成に限定されず、携帯電話などの携帯型情報端末機器、通信機能を備えるPDAなどの情報端末機器であってもよい。
【0031】
スキャナ3は、管理組合の構成員である組合員に配布にされ、組合員によってマークされた出欠マークシートおよび投票マークシートを読み取り、画像データを生成するための光学式読取デバイスである。スキャナ3によって生成された画像データは、管理端末2に送信され、出欠および回答が集計される。
【0032】
次に、
図2を参照して、本発明の一実施形態に係る投票集計システムを実現する各コンピューティングデバイスの詳細な例を説明する。
【0033】
投票集計プログラム提供サーバ1は、通信部11、制御部12、主記憶部13、および補助記憶部14を備えており、それらの各要素がシステムバスを介して接続されている。
【0034】
通信部11は、ネットワーク4を介して接続された管理端末2から、投票集計プログラムダウンロード要求を受信し、および、管理端末2に投票集計プログラムを送信する。
【0035】
制御部12は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、上記各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部14に格納されている各種プログラムを主記憶部13に読み出して実行する。
【0036】
主記憶部13は、メインメモリとも呼ばれ、投票集計プログラム提供サーバ1が受信した入力データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。
【0037】
補助記憶部14は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、管理端末2に送信する投票集計プログラム14aを格納している。また、補助記憶部14は、制御部12に、本実施形態に係る各種処理を実行させるためのプログラム(図示せず)を格納している。
【0038】
管理端末2は、通信部21、制御部22、主記憶部23、補助記憶部24、表示部25、およびI/Oインタフェース26を備えており、それらの各要素がシステムバスを介して接続されている。
【0039】
通信部21は、ネットワーク4を介して接続された投票集計プログラム提供サーバ1に、投票集計プログラムダウンロード要求を送信し、および、投票集計プログラム提供サーバ1から投票集計プログラムを受信する。
【0040】
制御部22は、中央処理装置であり、上記各構成要素の制御およびデータの演算を行い、投票集計プログラム提供サーバ1から受信した投票集計プログラム、および補助記憶部24に格納された表計算ソフトウェアなどを実行する。
【0041】
主記憶部23は、メインメモリであり、管理端末2が受信した入力データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶している。
【0042】
補助記憶部24は、ハードディスクなどの記憶装置であり、投票集計プログラム提供サーバ1から受信した投票集計プログラムを格納しており、また、表計算ソフトウェアなどのアプリケーションソフトウェア、およびOCRソフトウェアなどを予め格納している。
【0043】
表示部25は、投票集計プログラムを実行することによって、後述する集計設定画面などを表示するディスプレイである。
【0044】
I/Oインタフェース26は、USBまたはSCSIなどのデータ転送規格によって、スキャナ3と接続するインタフェースであり、それらのデバイスとの間でデータを送受信する。
【0045】
次に、
図3に示すフローチャートを参照して、本発明の一実施形態に係る投票集計システムの処理の例を説明する。まず、管理端末2の制御部22は、補助記憶部24に記憶された表計算ソフトウェアなどを実行する。そのような状態で、表示部25に表示される、表計算シートにデータを入力することによって、名簿データ400を作成する(ステップS301)。
図4を参照して、本実施形態に係る、構成員情報を含む名簿データ400を説明する。
【0046】
<名簿データ作成>
名簿データ400は、組合員によって提出される出欠マークシートおよび投票マークシートを集計することによって出力される、集計結果データを生成するためのデータである。集計結果データは、名簿データ400からの情報を補足することによって生成されることになるが詳細は後述する。
【0047】
図4に示すように、名簿データ400は、項目「棟名」、「住戸番号」(「棟ID」および「部屋番号」)、「氏名」、「組合員番号」、「議決権数」、「役職」、および「備考」を備えている。
【0048】
項目「棟名」および「住戸番号」はそれぞれ、組合員が居住する棟および部屋を識別する番号であり、「住戸番号」は、後述する集計結果データを生成する際に、出欠マークシートおよび投票マークシートの「住戸番号」欄と関連付けられる。
【0049】
項目「議決権数」は、各組合員が有する議決権数であり、例えば、組合員が居住している部屋の面積などによって所定の議決権数が予め割り当てられている。項目「役職」は、組合員が議長または理事である場合に、それらの役職が設定される。項目「備考」は特記事項がある場合に、その内容が設定される。
【0050】
上述した内容のデータを表計算シートに入力し、所定のファイル名で補助記憶部24に記憶することによって、名簿データ400が作成される。
【0051】
<出欠マークシートおよび投票マークシート>
次に、出欠マークシートをスキャナ3で読み込むことになるが、
図5を参照して、組合員に配布される出欠マークシートおよび投票マークシートについて説明する。
図5では、総会前に事前に組合員に配布されることになる出欠マークシート501(
図5(a))と、総会当日に組合員に配布されることになる投票マークシート502(
図5(b))とを示している。
【0052】
出欠マークシート501は、出欠記入欄501a、委任状記入欄501b、および議決権行使記入欄501cを備えている。出欠記入欄501aは、組合員が居住する住戸番号(住戸番号によって組合員を識別する)、および総会に出席するか否かをマークする欄である。出欠記入欄501aにおいてマークされた住戸番号が、集計結果データを生成する際に、名簿データ400における項目「住戸番号」と関連付けられる。出欠記入欄501aにおいて「出席」をマークした場合、マークされた住戸番号として識別される組合員の議決権が行使される。
【0053】
委任状記入欄501bは、総会に欠席する場合(つまり、出欠記入欄501aで「欠席」をマークした場合)、議長または代理人に議決権行使を委任するために、議長または代理人の住戸番号をマークする欄である(つまり、被委任組合員を識別する情報である)。委任状記入欄501bにおいて、「代理人」をマークした場合、委任状記入欄501bにおいてマークされた住戸番号として識別される組合員の議決権が代理行使される。委任状記入欄501bにおいて、「議長」をマークした場合、議長の議決権が代理行使される(議長である組合員は、名簿データ400の項目「役職」に「議長」の値が設定されているので、議長である組合員を特定することができ、議長を代理人とした場合は、住戸番号のマークは不要となる)。
【0054】
議決権行使記入欄501cは、総会に欠席する場合(つまり、出欠記入欄501aで「欠席」をマークした場合)、自身の議決権を行使するために、各議案に対する回答(賛成、反対または棄権)をマークする欄である。総会に欠席する場合、委任状記入欄501bおよび議決権行使記入欄501cのいずれか一方のみをマークする必要がある。
【0055】
投票マークシート502は、住戸番号記入欄502aおよび議決権行使記入欄502bを備えている。住戸番号記入欄502aは、組合員が居住する住戸番号をマークする欄であり、マークされた住戸番号が、集計結果データを生成する際に、名簿データ400における項目「住戸番号」と関連付けられる。
【0056】
議決権行使記入欄502bは、組合員が自身の議決権を行使するために、議決権行使の対象となる議案の番号、および当該議案に対する回答(賛成または反対)をマークする欄である。投票マークシート502は、議案ごとに配布されるものであり、すなわち、議案の数に対応した枚数の投票マークシート502が組合員に配布される。
【0057】
<出欠マークシートの集計>
図3のフローチャートの説明に戻ると、
図5で説明した出欠マークシート501が組合員によってマークされた後に、管理組合によって回収されるものとする。まず、管理端末2の補助記憶部24に格納された投票集計プログラムを実行することによって、表示部25に集計設定画面の初期画面(図示せず)が表示される。当該初期画面において、出欠マークシート501を読み取る旨のインジケータが選択され、出欠が集計された結果として出力されることになる集計結果データの出力ファイル名が入力される。このような状態で、組合員によってマークされた出欠マークシート501を、スキャナ3によって読み取ることによって(ステップS302)、読み取られた画像データが管理端末2に送信され(ステップS303)、管理端末2の制御部22が、OCRソフトウェアを実行することによって、画像データのマークされた部分の情報を認識して、出欠(回答)を集計する。
【0058】
ここで、特許文献1に係る発明では、「賛成」または「反対」などのそれぞれの回答情報が格納されたそれぞれのQRコードを読み取るのに対し、本実施形態では、出欠マークシート501をスキャナに通すことによって全面を読み取っている。したがって、特許文献1に係る発明では、誤って所望の回答情報とは別のQRコードを読み取るおそれがあるのに対し、本実施形態は、そのようなおそれがなく、また、出欠用紙をスキャナにセットすることのみによって、連続して出欠マークシート501を自動で読み取ることができる。
【0059】
また、全組合員に対し、共通のフォーマットを有する出欠マークシート501および投票マークシートを配布するので、配布作業が容易であり、記入する部屋番号を間違えていても、名前を記入したりするなど、誰が間違えているのかを容易に把握することができる。
【0060】
さらに、特許文献1に係る発明のように電子投票ではなく、紙媒体によって集計を行っていることから、管理規約の変更は不要となり、導入が容易となる。加えて、組合員がマークシートにマークするだけであるので、どの世代の人間でも書き方(塗り方)を容易に理解することができ、総会のスムーズな進行が可能となる。
【0061】
出欠マークシート501をすべて読み取ると、管理端末2の表示部25には、集計設定画面600が表示される。
図6を参照して、集計設定画面600を説明する。
【0062】
集計設定画面600は、集計結果データ選択欄601、名簿データ設定欄602、および投票方法選択欄603を備えている。集計結果データ選択欄601は、1または複数の総会に関する集計結果データが存在する中で、対象の総会に関する集計結果データのファイル名を選択する欄である。集計結果データ選択欄601において選択されたファイル名として、集計結果データが出力される。
【0063】
名簿データ設定欄602は、
図4で説明した名簿データ400のファイル名を入力する欄であり、選択された集計結果データを作成する際に、入力された名簿データ400が関連付けられる。
【0064】
投票方法選択欄603は、総会における各議案について、マークされた出欠マークシート501および/または投票マークシート502の集計によって議決するか、または、総会において、組合員の挙手を手動で集計することによって議決するかを選択する欄である。挙手による集計を選択した場合は、その対象議案は、出欠マークシート501および/または投票マークシート502においてマークされた対象の議案については集計されないことになる。
【0065】
集計設定画面600において、対象となる集計結果データのファイル名を選択し、および名簿データ400のファイル名を入力して設定を保存する。制御部22は、名簿データ設定欄602において入力されたファイル名に基づいて、補助記憶部24に記憶された名簿データ400を読み込む(ステップS304)。そして、制御部22は、投票方法選択欄603において入力された投票方法に基づいて、ステップS303で受信した画像データのマークされた部分の情報を認識して、出欠マークシートを集計する(ステップS305)。
【0066】
次に、制御部22は、予め定義された総会の開催基準、およびステップS305で集計された出欠に基づいて、総会の開催可否を判定する(ステップS306)。なお、総会の開催基準は、集計設定画面600などのインタフェースから、総会ごとの開催基準(成立/不成立)情報の入力を受け付けるような構成にしてもよい(例えば、全組合員の過半数の出席によって総会の開催成立など)。
【0067】
次に、制御部22は、ステップS305で集計した出欠に、ステップS304で読み込んだ名簿データ400の内容を補足して、集計結果データを出力する(ステップS307)とともに、管理端末2の表示部25に、データ確認・修正画面700を表示する(ステップS308)。データ確認・修正画面700には、集計した出欠および総会の開催可否が表示される。
図7を参照して、データ確認・修正画面700を説明する。
【0068】
データ確認・修正画面700は、出欠集計結果表示欄701、データ詳細表示・修正欄702、エラー検索欄703、選択行削除ボタン704、および行選択チェックボックス705を備えている。出欠集計結果表示欄701は、マークされた出欠マークシート501をスキャナ3によって読み込んで集計した各数字と、出欠を集計した結果、総会の開催の成立可否とを表示する。本実施形態では、出欠集計結果表示欄701における各項目が示す数字は、表1および表2の通りである。
【0071】
データ詳細表示・修正欄702は、出欠マークシート501を読み取ることによって集計された組合員の出欠情報に対応する組合員情報の詳細を、名簿データ400からの情報を補足して出力された集計結果データの各レコードを表示する欄である(本実施形態では、表計算シートの形式で表示される)。管理端末2の制御部22が、出欠マークシート501の出欠記入欄501aにおいてマークされた住戸番号を識別し、識別した住戸番号を、補助記憶部24に格納された名簿データ400の項目「住戸番号」に設定された値と関連付けることによって、対応する名簿データ400を特定する。
【0072】
項目「棟名」および「部屋番号」は、出欠マークシート501のマークされた出欠記入欄501aを読み取ることによって識別された棟名および部屋番号が表示され、項目「組合員番号」、「議決権数」、「役職」および「備考」は、認識された棟名および部屋番号に対応する名簿データ400の組合員番号などが表示される。項目「被委任組合員数」および「被委任議決権数」は、第三者から代理人として委任された場合(つまり、出欠マークシート501において、委任状記入欄501bの「代理人」がマークされ、かつ被委任組合員の住戸番号がマークされた場合、または、被委任組合員の役職が議長である場合に、委任状記入欄501bの「議長」がマークされた場合)、その委任した組合員の総数と、委任した組合員が持つ議決権数の総数とがそれぞれ表示される。項目「委任」については、自身が総会を欠席し、議決権を代理行使する場合に、その代理先となる情報が表示される(出欠マークシート501のマークされた委任状記入欄501bを読み取ることによって識別された情報が表示される)。
【0073】
また、データ詳細表示・修正欄702は、例えば、出欠マークシート501に対するマークが不適切であることを理由に発生した集計エラーを修正するための機能を備えている。
図8に示すように、データ詳細表示・修正欄702において、集計エラーが発生した項目を網掛け表示している。この網掛けする色は、例えば、マークした項目と名簿データの内容の不一致(名簿不一致エラー)、マークした住戸番号の重複(部屋番号重複エラー)、マーク必須の項目のいずれもマークされていない(空欄マークエラー)など、エラーの種別によって異なる色の網掛け表示がされる。
【0074】
網掛けされた集計エラー項目を、マウスクリック、または指などによるタップ操作などを行うことによって、
図8に示すように、修正ウインドウ706が表示される。修正ウインドウ706は、エラーデータ表示欄706a、マークシート画像表示欄706b、およびデータ修正選択チェックボックス706cを備えている。エラーデータ表示欄706aは、データ詳細表示・修正欄702において表示された、集計エラーの対象となる行を表示する。マークシート画像表示欄706bは、読み取られた出欠マークシート501の対象箇所の画像データを表示する。本実施形態では、出欠記入欄501aにおいて、マークが不適切であり、出席または欠席であるかを認識することができない例を示している。データ修正選択チェックボックス706cは、集計エラーを補正するために画面上でチェック入力を受け付ける。本実施形態では、出欠記入欄501aにおいて出席または欠席であるかのマークを認識することができないので、データ修正選択チェックボックス706cにおいて、出席または欠席の選択入力を受け付ける。
【0075】
データ修正選択チェックボックス706cにおいて選択の入力を受け付けると、管理端末2の制御部22は、選択入力に対応する値で、集計結果データを更新する。更新された集計結果データは、データ詳細表示・修正欄702に表示される。
【0076】
ここで、データ詳細表示・修正欄702では、エラーの種別によって異なる色の網掛け表示がされているが、修正ウインドウ706によって修正することによって、修正した箇所を、再度、さらに異なる色の網掛けをしてもよい(例えば、空欄マークエラーに対して、黄色で網掛けされており、その空欄マークエラーを修正ウインドウ706への入力によって修正した場合、緑の網掛けに更新される)。このようにして、エラー種別およびそのエラーに対する修正をそれぞれ異なる色で網掛け表示することによって、エラーの内訳、および修正の内訳を理解することを容易にする。
【0077】
図7に説明を戻すと、エラー検索欄703は、エラー種別ごとに集計エラーを1件ずつ表示するための選択を受け付ける。例えば、エラー検索欄703において、「名簿不一致エラー」のみをチェックすると、修正ウインドウ706に名簿不一致エラーの集計エラーレコードが1件ずつ表示される(「OKボタン」を選択することによって、次のレコードに切り替わる)。
【0078】
選択行削除ボタン704は、データ詳細表示・修正欄702に表示された行全体を削除する場合に使用される。削除する行に対応する行選択チェックボックス705にチェック入力をし、選択行削除ボタン704を押下することによって、集計結果データの選択行に対応するレコードが削除される。
【0079】
<投票マークシートの集計>
図3のフローチャートに説明を戻すと、総会当日に、
図5で説明した投票マークシート502が組合員によってマークされた後に、管理組合によって回収され、投票マークシートが集計される(ステップS309)。
図9を参照して、本発明の一実施形態に係る投票マークシート502の集計方法を説明する。
【0080】
まず、管理端末2の補助記憶部24に格納された投票集計プログラムを実行することによって、表示部25に投票集計設定・表示画面900が表示される。
【0081】
図9に示すように、投票集計設定・表示画面900は、出欠集計結果表示欄901、可決基準選択欄902、投票数入力欄903、投票集計結果表示欄904、およびPDF出力ボタン905を備えている。出欠集計結果表示欄901は、
図7で説明した、データ確認・修正画面700の出欠集計結果表示欄701に対応する。
【0082】
可決基準選択欄902は、対象の議案について、例えば賛成を示す議決権数の合計が出席者の過半数以上である場合に可決するか、議決権数の合計が4分の3以上である場合に可決するか、または団地もしくはマンションなどの建て替え決議において、棟単位の集計に基づいて可決するかなど、議案が可決するための基準を選択する欄である。
【0083】
投票数入力欄903は、投票結果を手動で入力するための欄である。具体的には、対象の議案において、総会に出席している組合員の挙手を集計することによって、組合員数および議決権数を集計する場合(つまり、
図6で説明した集計設定画面600の投票方法選択欄603において、「挙手で投票」を選択した場合)、手動で集計した組合員数および議決権数を入力する欄である。投票数入力欄903は、対象の議案に対し、集計設定画面600の投票方法選択欄603において、「挙手で投票」を選択した場合のみに表示されるようにしてもよい。
【0084】
例えば、総会への出席者が少数であり、手動で集計した方が好ましい場合もある(特に、総会の欠席者の大多数が、出欠マークシート501において、委任状記入欄501bまたは議決権行使記入欄501cにマークしており、ほとんどの回答が集計されている場合)。このような場合、手動で挙手による投票を集計し、その集計した数を投票数入力欄903から入力することによって、集計した投票数(回答)を反映することができる。
【0085】
対象の議案において、投票マークシートをスキャナ3で読み取ることによって組合員数および議決権数(回答)を集計する場合(つまり、
図6で説明した集計設定画面600の投票方法選択欄603において、「マークシートで投票」を選択した場合)、上記説明した出欠マークシート501の読み取りと同様に、マークされた投票マークシート502の全面をスキャナ3で読み取ることになる。可決基準選択欄902において、可決基準を選択した状態で、投票マークシート502をスキャナ3で読み取ると、組合員数および議決権数の集計が開始される。
【0086】
投票集計結果表示欄904は、上記投票数入力欄903から入力された組合員数および議決権数(挙手で集計の場合)、または投票マークシート502を読み取ることによって集計された組合員数および議決権数(マークシートで投票の場合)を表示する。そして、集計した組合員数および議決権数から、可決基準選択欄902において選択された可決基準に基づいて、対象の議案に対する可決/否決を表示する。
【0087】
PDF出力ボタン905は、集計結果データをPDFで出力することのトリガとなる操作ボタンである。集計結果データは、PDF出力のみならず、表計算シートおよび/またはCSVファイルなどで出力するように構成してもよい。
【0088】
以上のように、本実施形態に係る投票集計システムの説明を詳述したが、実施形態で説明した、名簿データ400などの具体的なデータ構造は例示的なものにすぎず、特許請求する事項から逸脱しない範囲で変更がされてもよい。例えば、プログラム提供サーバ1をASP(Application Service Provider)サーバとして機能させ、管理端末2が出力した集計結果データをプログラム提供サーバ1に送信して、データ連携するように構成してもよい。
【解決手段】マークシート用紙の全面を読み取るステップと、第2の構成員識別情報および議決権数情報を含む構成員情報を取得するステップと、マークシート用紙の画像データを受信するステップと、画像データから、第1の構成員識別情報、出欠識別情報、および議決権行使識別情報を判定するステップと、議案に対する可決基準情報を受信するステップと、第1の構成員識別情報と第2の構成員識別情報とを関連付けることによって、第1の構成員情報を判定するステップと、出欠識別情報に基づいて、第1の回答を集計するステップと、第1の構成員情報および議決権行使識別情報に基づいて、第2の回答を集計するステップと、可決基準情報および第2の回答に基づいて、議案に対する可否を判定するステップと、第1および第2の回答ならびに可否を含む集計情報を出力するステップとを備える。