【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下のモデル細胞チップ、該モデル細胞チップによる薬効評価装置、および該モデル細胞チップにより薬効評価することを含む薬効評価方法を提供する。
(1)基板、
該基板上に配置した複数個の細胞よりなる安定した拍動を行う心筋細胞の細胞集団のそれぞれの細胞を保持する複数個の細胞保持部、
該細胞集団の1細胞と連携して前記細胞集団の拍動を伝えられるhERG発現細胞を保持する細胞保持部、
前記基板上に形成され、前記細胞集団および前記hERG発現細胞周辺に細胞培養液を満たすための壁、
前記基板上に設けられ、前記細胞集団の一つの細胞を載置する微小電極、
前記基板上に設けられ、前記hERG発現細胞を載置する微小電極、
前記壁で囲われた領域内に設けられた比較電極、および
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線および前記比較電極に接続された引き出し線、
を有することを特徴とするモデル細胞チップ。
(2)前記細胞集団のそれぞれの細胞を保持する複数個の細胞保持部の形成された領域と前記hERG発現細胞の細胞保持部の配置された領域との間に、前記細胞培養液の流れを阻害するとともに前記細胞集団の細胞の一つと前記hERG発現細胞が連携するための開口部を有する障壁が設けられた上記(1)記載のモデル細胞チップ。
(3)前記細胞保持部が前記細胞が通り抜けることの出来ない間隙を有する細胞非接着性の壁で囲われている上記(1)記載のモデル細胞チップ。
(4)基板、
該基板上に配置した複数個の細胞よりなる安定した拍動を行う心筋細胞よりなる細胞集団を保持する細胞保持部、
該細胞集団の1細胞と連携して前記細胞集団の拍動を伝えられるhERG発現細胞を保持する細胞保持部、
前記基板上に形成され、前記細胞集団および前記hERG発現細胞周辺に細胞培養液を満たすための壁、
前記基板上に設けられ、前記細胞集団の一つの細胞を載置する微小電極、
前記基板上に設けられ、前記hERG発現細胞を載置する微小電極、
前記壁で囲われた領域内に設けられた比較電極、
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線および前記比較電極に接続された引き出し線、
前記細胞培養液を前記壁で囲われた領域内に供給し、および、排出する培養液供給、排出手段、
前記細胞に作用する薬剤を前記細胞培養液に加える手段、および
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線と前記比較電極に接続された引き出し線とを用いて前記微小電極に載置されている細胞電位を計測し記録する手段、
を有することを特徴とするモデル細胞チップによる薬効評価装置。
(5)前記細胞集団の形成された領域と前記hERG発現細胞の配置された領域との間に、前記細胞培養液の流れを阻害するとともに前記細胞集団の細胞の一つと前記hERG発現細胞が連携するための開口部を有する障壁が設けられた上記(4)記載のモデル細胞チップによる薬効評価装置。
(6)前記細胞保持部が前記細胞が通り抜けることの出来ない間隙を有する細胞非接着性の壁で囲われている上記(4)記載のモデル細胞チップによる薬効評価装置。
(7)前記細胞培養液を供給する培養液供給手段に前記細胞に作用する薬剤を添加する手段が付加された上記(4)記載のモデル細胞チップによる薬効評価装置。
(8)基板、
該基板上に配置した複数個の細胞よりなる安定した拍動を行う心筋細胞よりなる細胞集団を保持する細胞保持部、
該細胞集団の1細胞と連携して前記細胞集団の拍動を伝えられるhERG発現細胞を保持する細胞保持部、
前記基板上に形成され、前記細胞集団および前記hERG発現細胞周辺に細胞培養液を満たすための壁、
前記基板上に設けられ、前記細胞集団の一つの細胞を載置する微小電極、
前記基板上に設けられ、前記hERG発現細胞を載置する微小電極、
前記壁で囲われた領域内に設けられた比較電極、
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線および前記比較電極に接続された引き出し線、
前記細胞培養液を前記壁で囲われた領域内に供給し、および、排出する培養液供給、排出手段、
前記細胞に作用する薬剤を前記細胞培養液に加える手段、および
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線と前記比較電極に接続された引き出し線とを用いて前記微小電極に載置されている細胞電位を計測し記録する手段、
を有することを特徴とするモデル細胞チップによる薬効評価装置を使用して、
前記細胞に作用する薬剤が前記細胞培養液に加えられたときに、前記細胞集団の発生する拍動が前記hERG発現細胞の発生する電気信号の振幅を低下させるか否かを評価することを含む、
前記細胞に作用する薬剤のモデル細胞チップによる薬効評価方法。
(9)基板、
該基板上に配置した複数個の細胞よりなる安定した拍動を行う心筋細胞からなる細胞集団のそれぞれの細胞を保持する複数個の細胞保持部を含む心筋細胞集団保持領域、
該細胞集団の1細胞と連携して前記細胞集団の拍動を伝えられるhERG発現細胞を保持する細胞保持部を含むhERG発現細胞保持領域、
前記基板表面と、前記心筋細胞集団保持領域および前記hERG発現細胞保持領域の周囲に形成された壁とによって規定される、細胞培養液を満たすための領域、
前記基板上に設けられ、前記心筋細胞集団保持領域の一つの細胞保持部において、心筋細胞を載置する微小電極、
前記基板上に設けられ、前記hERG発現細胞保持領域の一つの細胞保持部において、hERG発現細胞を載置する微小電極、
前記細胞培養液を満たすための領域内に設けられた比較電極、ならびに
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線および前記比較電極に接続された引き出し線、
を備えるモデル細胞チップ。
(10)基板、
該基板上に配置した複数個の細胞よりなる安定した拍動を行う心筋細胞からなる細胞集団のそれぞれの細胞を保持する複数個の細胞保持部を含む心筋細胞集団保持領域、
該細胞集団の1細胞と連携して前記細胞集団の拍動を伝えられるhERG発現細胞を保持する細胞保持部を含むhERG発現細胞保持領域、
前記基板表面と、前記心筋細胞集団保持領域および前記hERG発現細胞保持領域の周囲に形成された壁とによって規定される、細胞培養液を満たすための領域、
前記基板上に設けられ、前記心筋細胞集団保持領域の一つの細胞保持部において、心筋細胞を載置する微小電極、
前記基板上に設けられ、前記hERG発現細胞保持領域の一つの細胞保持部において、hERG発現細胞を載置する微小電極、
前記細胞培養液を満たすための領域内に設けられた比較電極、ならびに
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線および前記比較電極に接続された引き出し線、
前記細胞培養液を前記細胞培養液を満たすための領域内に供給し、および排出する培養液供給・排出手段、
前記hERG発現細胞に作用する薬剤を前記細胞培養液に加えるための細胞培養液供給手段、ならびに
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線と前記比較電極に接続された引き出し線とを用いて前記微小電極に載置されている細胞電位を計測し記録する手段、
を備える、モデル細胞チップによる薬効評価装置。
(11)上記(10)記載のモデル細胞チップによる薬効評価装置を使用して、
前記hERG発現細胞に作用する薬剤が前記細胞培養液に加えられたときに、前記心筋細胞集団の発生する拍動により前記hERG発現細胞に発生する電気信号の振幅の低下を評価して、前記hERG発現細胞に作用する薬剤のモデル細胞チップによる薬効評価を行うことを含む、薬効評価方法。
【0011】
本発明は、1細胞を特定の空間配置の中に閉じ込めておく構成を利用して、適切なサイズの管理された心筋細胞集団を構成して安定した拍動を行わせ、ペースメーカーとして機能させる。さらに、この細胞集団とインタラクションするhERG発現細胞を一つのみ収納した細胞保持部を隣接して構成する。通常の培養液の下で心筋細胞集団の発生する拍動をhERG発現細胞に伝播させる。この伝播状態を、心筋細胞集団の一つの心筋細胞に対して設けた電極とhERG発現細胞に設けた電極によりそれぞれの細胞電位を計測する。
【0012】
次に、hERG発現細胞に作用する薬剤を添加した培養液の下で、上記と同じ計測、検出を行い、それぞれの計測、検出結果の比較により、hERG発現細胞に対する薬剤の毒性を評価する。
【0013】
本発明はまた、以下の心筋毒性検査装置、心筋毒性検査チップ、および心筋毒性検査方法を提供する。
(1)透明基板、
該透明基板上に配置した複数個の細胞よりなる安定した拍動を行う心筋細胞よりなる細胞集団、
該細胞集団の1細胞と連携して前記細胞集団の拍動を伝える複数個の直列配列された心筋細胞と線維芽細胞よりなる細胞連絡チャネル、
前記透明基板上に形成され、前記細胞集団および前記細胞連絡チャネルの周辺に細胞培養液を満たすための壁、
前記細胞培養液を前記壁で囲われた領域内に供給し、および、排出する培養液供給、排出手段、
前記細胞に作用する薬剤を前記細胞培養液に加える手段、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞集団の一つの細胞を載置している微小電極、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞連絡チャネルの細胞のいくつかをそれぞれ載置している分離された複数の微小電極、
前記壁で囲われた領域内に設けられた比較電極、
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線と前記比較電極に接続された引き出し線とを用いて前記微小電極に載置されている細胞電位を計測し記録する手段、および
前記透明基板上に配置した一つの細胞の状態を光学的に計測する手段、
を有することを特徴とする心筋毒性検査装置。
(2)前記細胞が、前記細胞が通り抜けることの出来ない間隙を有する細胞非接着性の壁で囲われている上記(1)記載の心筋毒性検査装置。
(3)前記細胞集団の形成された領域と前記細胞連絡チャネルの形成された領域との間に、前記細胞培養液の流れを阻害するとともに前記細胞集団の細胞の一つと前記細胞連絡チャネルの端部の細胞が連携するための開口部を有する障壁が設けられた上記(1)記載の心筋毒性検査装置。
(4)前記細胞培養液を還流する培養液還流手段に前記細胞に作用する薬剤を添加する手段が付加された上記(1)記載の心筋毒性検査装置。
(5)透明基板、
該透明基板上に配置した複数個の細胞よりなる細胞集団、
該細胞集団の1細胞と連携して前記細胞集団の拍動を伝える複数個の直列配列された心筋細胞と線維芽細胞よりなる細胞連絡チャネル、
前記透明基板上に形成され、前記細胞集団および前記細胞連絡チャネルの周辺に細胞培養液を満たすための壁、
前記細胞培養液を前記壁で囲われた領域内に供給し、および、排出する培養液供給、排出手段、
前記細胞に作用する薬剤を前記細胞培養液に加える手段、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞集団の一つの細胞を載置している微小電極、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞連絡チャネルの細胞のいくつかをそれぞれ載置している分離された複数の微小電極、
前記壁で囲われた領域内に設けられた比較電極、
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線と前記比較電極に接続された引き出し線とを用いて前記微小電極に載置されている細胞電位を計測し記録する手段、
X−Y方向に駆動されるとともに前記透明基板を載置するステージ、および
前記ステージ上に載置された前記透明基板上の細胞の状態を光学的に計測する手段、
を有することを特徴とする心筋毒性検査装置。
(6)前記細胞が、前記細胞が通り抜けることの出来ない間隙を有する細胞非接着性の壁で囲われている上記(5)記載の心筋毒性検査装置。
(7)前記細胞集団の形成された領域と前記細胞連絡チャネルの形成された領域との間に、前記細胞培養液の流れを阻害するとともに前記細胞集団の細胞の一つと前記細胞連絡チャネルの端部の細胞が連携するための開口部を有する障壁が設けられた上記(5)記載の心筋毒性検査装置。
(8)前記細胞培養液を供給する培養液供給手段に前記細胞に作用する薬剤を添加する手段が付加された上記(5)記載の心筋毒性検査装置。
(9)透明基板、
該透明基板上に配置した複数個の細胞よりなる細胞集団、
該細胞集団の1細胞と連携して前記細胞集団の拍動を伝える複数個の直列配列された心筋細胞と線維芽細胞よりなる細胞連絡チャネル、
前記透明基板上に形成され、前記細胞集団および前記細胞連絡チャネルの周辺に細胞培養液を満たすための壁、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞集団の一つの細胞を載置している微小電極、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞連絡チャネルの細胞のいくつかをそれぞれ載置している分離された複数の微小電極、
前記壁で囲われた領域内に設けられた比較電極、
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線と前記比較電極に接続された引き出し線、
を有することを特徴とする心筋毒性検査チップ。
(10)前記細胞が、前記細胞が通り抜けることの出来ない間隙を有する細胞非接着性の壁で囲われている上記(9)記載の心筋毒性検査チップ。
(11)前記細胞集団の形成された領域と前記細胞連絡チャネルの形成された領域との間に、前記細胞培養液の流れを阻害するとともに前記細胞集団の細胞の一つと前記細胞連絡チャネルの端部の細胞が連携するための開口部を有する上記(9)記載の心筋毒性検査チップ。
(12)透明基板、
該透明基板上に配置した複数個の細胞よりなる細胞集団、
該細胞集団の1細胞と連携して前記細胞集団の拍動を伝える複数個の直列配列された心筋細胞と線維芽細胞よりなる細胞連絡チャネル、
前記透明基板上に形成され、前記細胞集団および前記細胞連絡チャネルの周辺に細胞培養液を満たすための壁、
前記細胞培養液を前記壁で囲われた領域内に供給し、および、排出する培養液供給、排出手段、
前記細胞に作用する薬剤を前記細胞培養液に加える手段、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞集団の一つの細胞を載置している微小電極、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞連絡チャネルの細胞のいくつかをそれぞれ載置している分離された複数の微小電極、
前記壁で囲われた領域内に設けられた比較電極、
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線と前記比較電極に接続された引き出し線とを用いて前記微小電極に載置されている細胞電位を計測し記録する手段、および
前記透明基板上に配置した一つの細胞の状態を光学的に計測する手段、
を有する心筋毒性検査装置を使用して、
前記細胞に作用する薬剤が前記細胞培養液に加えられたときに、前記細胞集団の発生する拍動が前記細胞連絡チャネルを伝播する速度を遅延させるか否かを評価して前記細胞に作用する薬剤の心筋に対する毒性を検査する心筋毒性検査方法。
(13)透明基板、
該透明基板上に配置された、安定した拍動を行う心筋細胞を保持するための複数の細胞保持部(CH
G)を含む心筋細胞集団保持領域、
前記細胞保持部の1細胞と連携して前記心筋細胞集団の拍動を伝えるための、直列配列された複数の細胞保持部(CH
n)を含む細胞連絡チャネルであって、該細胞保持部(CH
n)が心筋細胞または線維芽細胞を保持する、細胞連絡チャネル、
前記透明基板表面と、前記心筋細胞集団保持領域および前記細胞連絡チャネルの周囲に形成された壁とによって規定される、細胞培養液を満たすための領域、
前記細胞培養液を前記壁で囲われた領域内に供給し、および排出するための培養液供給/排出手段、
前記細胞に作用する薬剤を前記細胞培養液に加えるための薬剤供給手段、
前記透明基板上に設けられ、前記心筋細胞集団保持領域の細胞保持部(CH
G)の一つにおいて心筋細胞を載置している微小電極、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞連絡チャネルの複数の細胞保持部(CH
n)において前記心筋細胞または線維芽細胞を載置している複数の微小電極、
前記壁で囲われた領域内に設けられた比較電極、
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線と前記比較電極に接続された引き出し線とを用いて前記微小電極に載置されている細胞電位を計測し記録する手段、ならびに
前記透明基板上に配置した細胞の状態を光学的に計測する手段、
を備える、心筋毒性検査装置。
(14)前記細胞保持部(CH
G,CH
n)の各々が、前記透明基板上に設けられた細胞非接着性の壁で囲まれた空間として規定され、該壁が前記細胞が通り抜けることの出来ない1以上の間隙を有する、上記(13)記載の心筋毒性検査装置。
(15)前記心筋細胞集団保持領域と前記細胞連絡チャネルの形成された領域との間に、前記細胞培養液の流れを阻害するとともに前記心筋細胞集団保持領域の複数の細胞保持部(CH
G)のうち一つに収容された細胞と前記細胞連絡チャネルの端部の細胞保持部(CH
n)の細胞とが連携するための開口部を有する障壁が設けられた、上記(13)記載の心筋毒性検査装置。
(16)透明基板、
該透明基板上に配置された複数個の細胞保持部(CH
G)を含む心筋細胞集団保持領域、
該心筋細胞集団保持領域の細胞保持部(CH
G)の1細胞と連携して前記心筋細胞集団の拍動を伝える複数個の直列配列された細胞保持部(CH
n)を含む細胞連絡チャネルであって、該細胞保持部(CH
n)が心筋細胞または線維芽細胞を保持する、細胞連絡チャネル、
前記透明基板表面と、前記心筋細胞集団保持領域および前記細胞連絡チャネルの周囲に形成された壁とによって規定される、細胞培養液を満たすための領域、
前記細胞培養液を前記壁で囲われた領域内に供給し、および排出するための培養液供給/排出手段、
前記細胞に作用する薬剤を前記細胞培養液に加えるための薬剤供給手段、
前記透明基板上に設けられ、前記心筋細胞集団保持領域の細胞保持部(CH
G)の一つにおいて心筋を載置している微小電極、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞連絡チャネルの複数の細胞保持部(CH
n)において前記心筋細胞または線維芽細胞を載置している複数の微小電極、
前記壁で囲われた領域内に設けられた比較電極、
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線と前記比較電極に接続された引き出し線とを用いて前記微小電極に載置されている細胞電位を計測し記録する手段、
X−Y方向に駆動されるとともに前記透明基板を載置するステージ、ならびに
前記ステージ上に載置された前記透明基板上の細胞の状態を光学的に計測する手段、
を備える、心筋毒性検査装置。
(17)透明基板、
該透明基板上に配置された、心筋細胞を保持するための複数個の細胞保持部(CH
G)を含む心筋細胞集団保持領域、
該細胞集団の1細胞と連携して前記心筋細胞集団の拍動を伝えるための、直列配列された複数個の細胞保持部(CH
n)を含む細胞連絡チャネルであって、該細胞保持部(CH
n)が心筋細胞または線維芽細胞を保持する、細胞連絡チャネル、
前記透明基板表面と、前記心筋細胞集団保持領域および前記細胞連絡チャネルの周囲に形成された壁とによって規定される、細胞培養液を満たすための領域、
前記透明基板上に設けられ、前記心筋細胞集団保持領域の細胞保持部(CH
G)の一つにおいて心筋細胞を載置している微小電極、
前記透明基板上に設けられ、前記細胞連絡チャネルの複数の細胞保持部(CH
n)において前記心筋細胞または線維芽細胞を載置している複数の微小電極、
前記壁で囲われた領域内に設けられた比較電極、および
前記微小電極のそれぞれに接続された引き出し線と前記比較電極に接続された引き出し線、
を備える、心筋毒性検査チップ。
(18)上記(13)〜(16)のいずれか記載の心筋毒性検査装置を使用して、前記細胞に作用する薬剤が前記細胞培養液に加えられたときに、前記心筋細胞集団の発生する拍動が前記細胞連絡チャネルを伝播する速度を遅延させるか否かを評価して前記細胞に作用する薬剤の心筋に対する毒性を検査する心筋毒性検査方法。
【0014】
本発明は、1細胞を特定の空間配置の中に閉じ込めておく構成を利用して、適切なサイズの管理された心筋細胞集団を構成して安定した拍動を行わせ、ペースメーカーとして機能させる。さらに、この細胞集団とインタラクションする心筋細胞および線維芽細胞の複数個の直列配列された拍動細胞連絡チャネルを構成する。通常の培養液の下で心筋細胞集団の発生する拍動を拍動細胞連絡チャネルに伝播させ、この伝播を直列配列された心筋細胞および線維芽細胞で次々に伝播させる。この伝播状態を、心筋細胞集団の一つの心筋細胞に対して設けた電極と直列配列された心筋細胞および線維芽細胞のいくつかに対してそれぞれ設けた電極により細胞電位を計測する。さらに、直列配列された拍動細胞の内の心筋細胞については拍動の状態を光学的に検出する。
【0015】
次に、心筋細胞に作用する薬剤を添加した培養液の下で、上記と同じ計測、検出を行い、それぞれの計測、検出結果の比較により、心筋細胞に対する薬物の毒性を評価する。