(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜12のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物又はその医薬的に許容できる塩を、医薬的に許容できるアジュバント、希釈剤及び/又は担体との混合物中に含んでなる医薬組成物。
【発明の概要】
【0004】
発明の詳細な説明
本発明は、下記式I
【0006】
(式中、
R
1は、ハロ、OH、-CN、C
1-3アルキル、C
2-6アルキニル、OC
1-3アルキル(後者3つの基は任意に、フルオロ、-CN、=O、OH、-OCH
3、-OCF
3から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
R
2、R
3及びR
4は、独立に水素、ハロ、-CN、C
1-3アルキル、OC
1-3アルキル(後者2つの基は任意に、フルオロ、-CN、=O、OH、-OCH
3、-OCF
3から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
R
a、R
bは、独立に水素、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキルを表し、
或いは両者は、それらが結合している炭素原子と一緒にC
3-7シクロアルキレン環、又は4〜6員ヘテロシクロアルキレン環(後者の2つの環は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)を形成し;
Wは、-C(O)-、-S(O)-、-S(O)
2-、-C(O)O-、-C(O)NR
d-(これらの基は、-NH-部分の窒素に炭素原子又はイオウ原子を介して結合している)を表し;
R
dは、水素、C
1-3アルキルを表し;
Mは、C
1-8アルキル、C
2-8アルキニル、C
3-8シクロアルキル-C
0-4アルキル、4〜10員ヘテロシクロ-アルキル-C
0-4アルキル-(後者の4つの基は任意に、
フルオロ、-OH、=O、-CN、-NH
2、C
1-3アルキル、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、-OC
1-3アルキル[後者の7つの基はフルオロ、OH、-CN、OC
1-2アルキル(後者のアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換され得る]、
アリール、ヘテロアリール[後者の2つの基は任意に、ハロ、OH、-CN、C
1-3アルキル、OC
1-3アルキル(後者の2つのアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]
から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい)、
或いは
アリール、ヘテロアリール(後者の2つの基は任意に、
ハロ、-OH、-CN、-NH
2、アリール、ヘテロアリール[後者の2つの基は任意に、ハロ、OH、-CN、C
1-3アルキル、-OC
1-3アルキル(後者の2つのアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]、
C
1-7アルキル、C
2-7アルキニル、C
3-7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクロ-アルキル、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OC
1-3アルキル、-O-C
0-2アルキル-アリール、-SC
1-3アルキル(後者のアルキル、アルキニル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はシクロアルキル基は任意に、フルオロ、-CN、=O、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OH、-OC
1-3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)
から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)
を表し;
R
6は、水素、C
1-5アルキル、C
3-6アルキニル、4〜7員ヘテロ-シクロ-アルキル-C
0-2アルキル又はC
3-7シクロアルキル-C
0-2アルキル(後者の4つの基は任意に、フルオロ、-CN、=O、C
1-3アルキル、-OH、-NH
2、-OC
1-3アルキル、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
R
7は、水素、ハロ、-CN、C
1-5アルキル、C
3-5シクロアルキル-C
0-2アルキル-、C
1-5アルキル-O-、C
3-5シクロアルキル-C
0-2アルキル-O-(後者の4つの基中、アルキル及びシクロアルキル部分は任意に、フルオロ、-CN、=O、OH、-OC
1-3アルキルから選択される1つ以上の置換基又は1つ以上のC
1-3アルキル基(任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)を表し;
Lは、-NH
2、-NHR
10、-NR
10R
11、又は
4〜10員ヘテロシクロアルキル基(この基はベンズイミダゾールに窒素原子を介して結合しており、かつ任意に1つ以上の置換基R
12で置換されていてもよい)を表し;
R
10及びR
11は、独立にC
1-7アルキル、C
3-7シクロアルキル-C
0-4アルキル-、C
4-7ヘテロシクロアルキル-C
0-4アルキル-[後者の3つの基は任意に、フルオロ、-OH、NH
2、-CN、C
1-3アルキル、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OC
1-5アルキル、-OC
3-6シクロアルキル、-OC
4-6ヘテロシクロアルキル(後者の6つの基は任意に、フルオロ、-CF
3、-CHF
2、-CH
2F、-CH
3から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]、
或いは
アリール-C
0-4アルキル-、ヘテロアリール-C
0-4アルキル-[後者の2つの基は任意に、ハロ、-OH、-CN、C
1-3アルキル、C
3-5シクロアルキル、C
1-3アルキル-O-、C
3-5シクロアルキル-O-(後者の4つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]を表し;
各R
12は、独立にハロ、-OH、-NH
2、=O、-CN、C
1-4アルキル、C
3-5シクロアルキル-C
0-2アルキル-、C
4-5ヘテロシクロアルキル-C
0-2アルキル-、C
1-4アルキル-O-、C
1-3アルキル-C(=O)-、-C(=O)-NH(C
1-3アルキル)、-C(=O)-N(C
1-3アルキル)
2[後者の7つの基は任意に、下記:フルオロ、-OH、オキソ、-NH
2、-CN、C
1-3アルキル、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OC
1-3アルキル、-OC
3-5シクロアルキル[後者の5つの基は任意にフルオロ、-CF
3、-CHF
2、-CH
2Fから選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]、
或いは
アリール-C
0-4アルキル-、ヘテロアリール-C
0-4アルキル-[後者の2つの基は任意に、ハロ、-OH、-CN、C
1-3アルキル、C
3-5シクロアルキル、C
1-3アルキル-O-、C
3-5シクロアルキル-O-(後者の4つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]を表し;
Aは、C
1-8アルキル、C
3-8アルキニル、アリール-C
0-3アルキル-、C
3-8シクロアルキル-C
0-3アルキル-、4〜7員ヘテロシクロ-アルキル-C
0-3アルキル-、ヘテロアリール-C
0-3アルキル-(後者の6つの基中、アルキル-、アルキニル-、シクロアルキル-及びヘテロシクロアルキル-部分は任意に、R
14から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、かつアリール及びヘテロアリール部分は任意にR
15から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
各R
14は独立にフルオロ、-OH、-CN、=O、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OC
1-6アルキル、C
1-6アルキル(後者の4つの基中、アルキル部分は任意に、フルオロ、-CN、=O、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)、N(C
1-3アルキル)
2、-OH、-OC
1-3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)
又はアリール、ヘテロアリール[後者の2つの基は任意に、ハロ、OH、-CN、C
1-3アルキル、OC
1-3アルキル(後者の2つのアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]を表し;
各R
15は独立にハロ、-OH、-CN、-NH
2、アリール、ヘテロアリール[後者の2つの基は任意に、ハロ、OH、-CN、C
1-3アルキル、OC
1-3アルキル(後者の2つのアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OC
1-3アルキル、C
1-7アルキル、C
2-7アルキニル、C
3-7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクロアルキル(後者のアルキル、アルキニル、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル基は任意に、フルオロ、-CN、=O、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)、N(C
1-3アルキル)
2、-OH、OC
1-3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表す)
の化合物;
又はその塩、特に生理学的に許容できるその塩
を提供する。
【0007】
或いは、本発明は、
式中、
R
1が、ハロ、OH、-CN、C
1-3アルキル、C
2-6アルキニル、OC
1-3アルキル(後者の3つの基は任意に、フルオロ、-CN、=O、OH、-OCH
3、-OCF
3から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
R
2、R
3及びR
4が、独立に水素、ハロ、-CN、C
1-3アルキル、OC
1-3アルキル(後者の2つの基は任意に、フルオロ、-CN、=O、OH、-OCH
3、-OCF
3から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
R
a、R
bが、独立に水素、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキルを表し、
或いは両者が、それらが結合している炭素原子と一緒にC
3-7シクロアルキレン環、又は4〜6員ヘテロシクロアルキレン環(後者の2つの環は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)を形成し;
Wが、-C(O)-、-S(O)-、-S(O)
2-、-C(O)O-、-C(O)NR
d-(これらの基は、-NH-部分の窒素に炭素原子又はイオウ原子を介して結合している)を表し;
R
dが、水素、C
1-3アルキルを表し;
Mが、C
1-8アルキル、C
2-8アルキニル、C
3-8シクロアルキル-C
0-4アルキル、4〜10員ヘテロシクロ-アルキル-C
0-4アルキル-(後者の4つの基は任意に、
フルオロ、-OH、=O、-CN、-NH
2、C
1-3アルキル、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、-OC
1-3アルキル[後者の7つのアルキル基は任意に、フルオロ、OH、-CN、OC
1-2アルキル(後者のアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]、アリール、ヘテロアリール[後者の2つの基は任意に、ハロ、OH、-CN、C
1-3アルキル、OC
1-3アルキル(後者の2つのアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい)、
又は
アリール、ヘテロアリール(後者の2つの基は任意に、
ハロ、-OH、-CN、-NH
2、アリール、ヘテロアリール[後者の2つの基は任意に、ハロ、OH、-CN、C
1-3アルキル、-OC
1-3アルキル(後者の2つのアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]、
C
1-7アルキル、C
2-7アルキニル、C
3-7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクロ-アルキル、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OC
1-3アルキル、-O-C
0-2アルキル-アリール、-SC
1-3アルキル(後者のアルキル、アルキニル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はシクロアルキル基は任意に、フルオロ、-CN、=O、 -NH
2、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OH、-OC
1-3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
R
6が、水素、C
1-5アルキル、C
3-6アルキニル、4〜7員ヘテロ-シクロ-アルキル-C
0-2アルキル又はC
3-7シクロアルキル-C
0-2アルキル(後者の4つの基は任意に、フルオロ、-CN、=O、C
1-3アルキル、-OH、-NH
2、-OC
1-3アルキル、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
R
7が、水素、ハロ、-CN、C
1-5アルキル、C
3-5シクロアルキル-C
0-2アルキル-、C
1-5アルキル-O-、C
3-5シクロアルキル-C
0-2アルキル-O-(後者の4つの基中、アルキル及びシクロアルキル部分は任意に、フルオロ、-CN、=O、OH、-OC
1-3アルキルから選択される1つ以上の置換基又は1つ以上のC
1-3アルキル基(任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)を表し;
Lが、-NH
2、-NHR
10、-NR
10R
11、又は
4〜10員ヘテロシクロアルキル基(この基はベンズイミダゾールに窒素原子を介して結合しており、任意に1つ以上のR
12で置換されていてもよい)を表し;
R
10及びR
11が、独立にC
1-7アルキル、C
3-7シクロアルキル-C
0-4アルキル-又はC
4-7ヘテロシクロアルキル-C
0-4アルキル-[後者の3つの基は任意にフルオロ、-OH、NH
2、-CN、C
1-3アルキル、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OC
1-5アルキル、-OC
3-6シクロアルキル、-OC
4-6ヘテロシクロアルキル(後者の6つの基は任意に、フルオロ、-CF
3、-CHF
2、-CH
2F、-CH
3から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]、
或いは
アリール-C
0-4アルキル-、ヘテロアリール-C
0-4アルキル-[後者の2つの基は任意に、ハロ、-OH、-CN、C
1-3アルキル、C
3-5シクロアルキル、C
1-3アルキル-O-、C
3-5シクロアルキル-O-(後者の4つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]を表し;
各R
12が、独立にハロ、-OH、-NH
2、=O、-CN、C
1-4アルキル、C
3-5シクロアルキル-C
0-2アルキル-、C
4-5ヘテロシクロアルキル-C
0-2アルキル-、C
1-4アルキル-O-、C
1-3アルキル-C(=O)-、-C(=O)-NH(C
1-3アルキル)、-C(=O)-N(C
1-3アルキル)
2[後者の6つの基は任意に、下記:フルオロ、-OH、オキソ、-NH
2、-CN、C
1-3アルキル、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OC
1-3アルキル、-OC
3-5シクロアルキル[後者の5つの基は任意に、フルオロ、-CF
3、-CHF
2、-CH
2Fから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]、
又は
アリール-C
0-4アルキル-、ヘテロアリール-C
0-4アルキル-[後者の2つの基は任意に、ハロ、-OH、-CN、C
1-3アルキル、C
3-5シクロアルキル、C
1-3アルキル-O-、C
3-5シクロアルキル-O-(後者の4つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]を表し;
Aが、C
1-8アルキル、C
3-8アルキニル、アリール-C
0-3アルキル-、C
3-8シクロアルキル-C
0-3アルキル-、4〜7員ヘテロシクロ-アルキル-C
0-3アルキル-、ヘテロアリール-C
0-3アルキル-(後者の6つの基中、アルキル-、アルキニル-、シクロアルキル-及びヘテロシクロアルキル-部分は任意にR
14から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、アリール及びヘテロアリール部分は任意にR
15から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)表し;
各R
14が独立にフルオロ、-OH、-CN、=O、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OC
1-6アルキル、C
1-6アルキル(後者の4つの基中、アルキル部分は任意に、フルオロ、-CN、=O、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)、N(C
1-3アルキル)
2、-OH、-OC
1-3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)又はアリール、ヘテロアリール[後者の2つの基は任意に、ハロ、OH、-CN、C
1-3アルキル、OC
1-3アルキル(後者の2つのアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]を表し;
各R
15が独立にハロ、-OH、-CN、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)、-N(C
1-3アルキル)
2、-OC
1-3アルキル、アリール、ヘテロアリール[後者の2つの基は任意に、ハロ、OH、-CN、C
1-3アルキル、OC
1-3アルキル(後者の2つのアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]、C
1-7アルキル、C
2-7アルキニル、C
3-7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクロアルキル(後者のアルキル、アルキニル、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル基は任意に、フルオロ、-CN、=O、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)、N(C
1-3アルキル)
2、-OH、OC
1-3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表す、
式Iの化合物;
又はその塩、特に生理学的に許容できるその塩を提供する。
【0008】
第2実施形態では、一般式I中、A、L、M、W、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
a、R
bは先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
R
1は、ハロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキルを表す。
別の実施形態では、一般式I中、A、L、M、W、R
1、R
6、R
a、R
bは先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
R
2、R
3、R
4、R
7は、独立に水素、フルオロ、クロロを表す。
別の実施形態では、一般式I中、I、A、L、M、W、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7は先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
R
a及びR
bは水素を表す。
別の実施形態では、一般式I中、A、L、M、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
a、R
bは先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Wは、-C(O)-、-C(O)O-(この基は、-NH-部分の窒素に炭素原子を介して結合している)を表す。
別の実施形態では、一般式I中、A、L、W、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
a、R
bは先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Mは、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル-C
0-1アルキル-[後者の2つの基は任意に、フルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキルから選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]を表す。
別の実施形態では、一般式I中、I、A、L、M、W、R
1、R
2、R
3、R
4、R
7、R
9、R
a、R
bは先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
R
6は、水素、C
1-5アルキル、C
3-5シクロアルキル-C
0-1アルキル(後者の2つの基は任意に、フルオロ、=O、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)又は-N(C
1-3アルキル)
2から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表す。
別の実施形態では、一般式I中、A、L、M、W、R
1、R
2、R
3、R
4、R
7、R
9、R
a、R
bは先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
R
6は水素又は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-5アルキルを表す。
別の実施形態では、一般式I中、L、M、W、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
a、R
bは先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Aは、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル-C
0-3アルキル-、アリール-C
0-3アルキル-、ヘテロアリール-C
0-3アルキル-(後者の4つの基中、アルキル-及びシクロアルキル-部分は任意にR
14から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、アリール及びヘテロアリール部分は任意にR
15から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
各R
14は、独立にフルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキル又は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいフェニルを表し;
各R
15は、独立にハロ、-OC
1-3アルキル、C
1-3アルキル(後者の2つのアルキル基は任意に1個以上の置換基フッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
別の実施形態では、一般式I中、L、M、W、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
a、R
bは先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Aは、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル-C
0-3アルキル-(これらの基中、アルキル-又はシクロアルキル-部分は任意にR
14から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し、
各R
14は、独立にフルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキルを表す。
別の実施形態では、一般式I中、A、M、W、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
a、R
bは先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Lは、-NH
2、-NHR
10、-NR
10R
11、又は
アゼチジニル-、ピロリジニル-、ピペリジニル-、モルフォリニル又は
【0010】
(全てのヘテロ環式基は任意に1つ以上の置換基R
12で置換されていてもよく、さらに上記基はベンズイミダゾールコアに窒素原子を介して結合している)を表し;
各R
10及びR
11は、独立にC
1-5アルキル又はC
3-6シクロアルキル-C
0-1アルキル-、C
4-6ヘテロシクロアルキル-C
0-1アルキル-[後者の3つの基は任意に、フルオロ、-OH、-OC
1-3アルキル、C
1-3アルキル(後者の2つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]、
又は
アリール-C
0-1アルキル-、ヘテロアリール-C
0-1アルキル-[後者の2つの基は任意に、ハロ、-OH、-CN、C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-(後者の2つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]を表し;
各R
12は、独立にフルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-4アルキル、
又は
任意にハロ、C
1-3アルキル(任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを表す。
別の実施形態では、一般式I中、A、M、W、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
a、R
b は先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Lは、-NH
2、-NHR
10、-NR
10R
11、又は
アゼチジニル-、ピロリジニル-、ピペリジニル-又は
【0012】
(全てのヘテロ環式基は任意に1つ以上の置換基R
12で置換されていてもよく、さらに上記基はベンズイミダゾールコアに窒素原子を介して結合している)を表し;
各R
10及びR
11は、独立にC
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル-C
0-1アルキル-[後者の2つの基は任意に、フルオロ、-OH、-OC
1-3アルキル、C
1-3アルキル(後者の2つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]、
又は
アリール-C
0-1アルキル-(任意に、ハロ、-OH、-CN、C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-[後者の2つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい]から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
各R
12は、独立にフルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-4アルキル、
又は
任意にハロ、C
1-3アルキル(任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを表す。
本発明のさらなる実施形態は、下記式Ia
【0014】
(式中、
R
1は、ハロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキルを表し;
R
2及びR
3は、独立に水素、フルオロ、クロロを表し;
R
6は、水素、C
1-5アルキル、C
3-5シクロアルキル-C
0-1アルキル(後者の2つの基は任意に、フルオロ、=O、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル)又は-N(C
1-3アルキル)
2から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
Wは、-C(O)-、-C(O)O-(これらの基は、-NH-部分の窒素原子に炭素原子を介して結合している)を表し;
Mは、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル-C
0-1アルキル-[後者の2つの基は任意に、フルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキルから選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]を表し;
Aは、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル-C
0-3アルキル-、アリール-C
0-3アルキル-、ヘテロアリール-C
0-3アルキル-(後者の4つの基中、アルキル-及びシクロアルキル-部分は任意にR
14から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、アリール及びヘテロアリール部分は任意にR
15から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
各R
14は、独立にフルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキル又は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいフェニルを表し;
各R
15は、独立にハロ、-OC
1-3アルキル、C
1-3アルキル(後者の2つのアルキル基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)を表し;
Lは、-NH
2、-NHR
10、-NR
10R
11、又は
アゼチジニル-、ピロリジニル-、ピペリジニル-、モルフォリニル-又は
【0016】
(全てのヘテロ環式基は任意に1つ以上の置換基R
12で置換されていてもよく、さらに上記基はベンズイミダゾールコアに窒素原子を介して結合している)を表し;
各R
10及びR
11は、独立にC
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル-C
0-1アルキル-、C
4-6ヘテロシクロアルキル-C
0-1アルキル-[後者の3つの基は任意に、フルオロ、-OH、-OC
1-3アルキル又はC
1-3アルキル(後者の2つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]、
又は
アリール-C
0-1アルキル-、ヘテロアリール-C
0-1アルキル-[後者の2つの基は任意に、ハロ、-OH、-CN、C
1-3アルキル又はC
1-3アルキル-O-(後者の2つの基は、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]を表し;
各R
12は、独立にフルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-4アルキル、
又は
任意にハロ、C
1-3アルキル(任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを表す)
の化合物;
又はその塩、特に生理学的に許容できるその塩
を含む。
【0017】
或いは、本発明のさらなる実施形態は、式Ia中、
R
1が、ハロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキルを表し;
R
2及びR
3が、独立に水素、フルオロ、クロロを表し;
R
6が、水素又は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-5アルキルを表し;
Wが、-C(O)-、-C(O)O-(これらの基は-NH-部分の窒素に炭素原子を介して結合している)を表し;
Mが、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル-C
0-1アルキル-[後者の2つの基は任意に、フルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキルから選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]を表し;
Aが、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル-C
0-3アルキル-(これらの基中、アルキル又はシクロアルキル部分は任意にR
14から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
各R
14が、独立にフルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-3アルキルを表し;
Lが、-NH
2、-NHR
10、-NR
10R
11、又は
アゼチジニル-、ピロリジニル-、ピペリジニル-又は
【0019】
(全てのヘテロ環式基は任意に1つ以上の置換基R
12で置換されていてもよく、さらに上記基はベンズイミダゾールコアに窒素原子を介して結合している)を表し;
各R
10及びR
11が、独立にC
1-5アルキル又はC
3-6シクロアルキル-C
0-1アルキル-[後者の2つの基は任意に、フルオロ、-OH、-OC
1-3アルキル、C
1-3アルキル(後者の2つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]、
或いは
任意にハロ、-OH、-CN、C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-[後者の2つの基は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい]から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいアリール-C
0-1アルキル-を表し;
各R
12が、独立にフルオロ、任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC
1-4アルキル、
又は
任意にハロ、C
1-3アルキル(任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを表す、
式Iaの化合物を含む。
【0020】
別の実施形態では、一般式Ia中、L、M、W、R
1、R
2、R
3、R
6は先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Aは、C
1-5アルキル、フェニル-C
0-2アルキル-、C
3-6シクロアルキル-C
0-1アルキル-、ピリジニル-C
0-1アルキル-、チエニル-C
0-1アルキル-(後者の5つの基中、アルキル-及びシクロアルキル-部分は任意にR
14から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、フェニル、ピリジニル及びチエニル部分は任意にR
15から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
各R
14は、独立にフルオロ、CH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3又は任意に1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいフェニルを表し;
各R
15は、独立にフルオロ、クロロ、CH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3又は-OCH
3、-OCH
2F、-OCHF
2、-OCF
3を表す。
別の実施形態では、一般式Ia中、L、M、W、R
1、R
2、R
3、R
6は先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Aは、C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル-(これらの基中、アルキル又はシクロアルキル部分は任意にR
14から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)を表し;
各R
14は、独立にフルオロ、CH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3を表す。
別の実施形態では、一般式Ia中、A、L、W、R
1、R
2、R
3、R
6は先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Mは、C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル-[後者の2つの基は任意に、フルオロ、CH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]を表す。
別の実施形態では、一般式Ia中、A、M、W、R
1、R
2、R
6は先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Lは、-NH
2、-NHR
10、-NR
10R
11、又は
アゼチジニル-、ピロリジニル-、ピペリジニル-、モルフォリニル又は
【0022】
(全てのヘテロ環式基は任意に1つ以上の置換基R
12で置換されていてもよく、さらに上記基はベンズイミダゾールコアに窒素原子を介して結合している)を表し;
各R
10及びR
11は、独立にC
1-5-アルキル、C
3-6-シクロアルキル-C
0-1アルキル-又はオキセタニル-C
0-1アルキル-[後者の3つの基は任意に、フルオロ、-OH、-OCH
3、-OCH
2F、-OCHF
2、-OCF
3又はCH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]
、或いは
イミダゾリル-C
0-1アルキル-又は1,2,4-トリアゾリル-C
0-1アルキル-[後者の2つの基は任意に、CH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]を表し;
各R
12は、独立にフルオロ、CH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3を表す。
別の実施形態では、一般式Ia中、A、M、W、R
1、R
2、R
6は先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
Lは、-NH
2、-NHR
10、-NR
10R
11、又は
アゼチジニル-、ピロリジニル-、ピペリジニル-、又は
【0024】
(全てのヘテロ環式基は任意に1つ以上の置換基R
12で置換されていてもよく、さらに上記基はベンズイミダゾールコアに窒素原子を介して結合している)を表し;
各R
10及びR
11は、独立にC
1-5アルキル又はC
3-6シクロアルキル-C
0-1アルキル-[後者の2つの基は任意に、フルオロ、-OH、-OCH
3、-OCH
2F、-OCHF
2、-OCF
3、CH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい]を表し;
各R
12は、独立にフルオロ、CH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3を表す。
本発明のさらなる実施形態は、下記式Ib
【0026】
(式中、
R
1はフルオロ、クロロを表し;
R
2は水素、フルオロ、クロロを表し;
R
3は水素又はフルオロを表し;
R
6は水素、CH
3
【0030】
から選択される基を表し;
Aは、下記
【0032】
から選択される基を表し;
Lは、下記
【0034】
から選択される基を表す)
の化合物;
又はその塩、特に生理学的に許容できるその塩を含む。
【0035】
或いは、本発明のさらなる実施形態は、式Ib中、
R
1がフルオロ、クロロを表し;
R
2が水素、フルオロ、クロロを表し;
R
3が水素又はフルオロを表し;
R
6が水素、CH
3を表し;
Mが下記
【0041】
から選択される基を表す、
式Ibの化合物を含む。
別の実施形態では、一般式I、Ia又はIb中、A、L、M、W、R
1、R
3、R
4、R
6、R
7、R
a、R
bは先行する実施形態のいずれかの定義と同じ意味を有し、かつ
R
2は独立にフルオロ、クロロを表す。
【0042】
使用する用語と定義
一般的定義:
ここで具体的に定義しない用語には、当業者が本開示又は文脈を考慮してそれらに与えるであろう意味を与えるものとする。しかしながら、本明細書では、反対に指定されない限り、指示した意味を有し、下記慣例を順守する。
下記基(group)、基(radical)、又は部分中、多くの場合、基に先行して炭素原子数を指定する。例えば、C
1-6-アルキルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。一般に、2つ以上のサブ基を含む基では、最後に命名されたサブ基が、その基の付着点であり、例えば、置換基「アリール-C
1-3-アルキル-」は、C
1-3-アルキル基に結合しているアリール基を意味し、この置換基が付着しているコア又は基にC
1-3-アルキル基が結合している。
本発明の化合物を化学名の形及び式として表してある場合、矛盾があるいずれの場合も式が優先するものとする。
サブ式にアスタリスクを用いて、定義しているコア分子に連結される結合を示すことができる。例えばシクロプロピルメチル基は下記図によって表される。
【0044】
互変異性体/立体化学/溶媒和物/水和物:
特に指定のない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲を通じて、与えられた化学式又は化学名は、互変異性体(例えば1H-ベンズイミダゾールは、3H-ベンズイミダゾールを含む対応化合物と同一ともみなし得る)及び全ての立体異性体、光学異性体、幾何異性体(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体等)及びそのラセミ体並びに別々のエナンチオマーの異なる比率の混合物、ジアステレオマーの混合物、該異性体及びエナンチオマーが存在する前述のいずれかの形態の混合物、並びにその塩(医薬的に許容できる塩を含めて)及び例えば水和物等の溶媒和物(遊離化合物の溶媒和物及び化合物の塩の溶媒和物を含めて)を包含するものとする。
塩:
本明細書では「医薬的に許容できる」という表現を用いて、堅実な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応その他の問題又は合併症なしでヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適し、かつ合理的な利益/危険比で釣り合っている当該化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を表す。
本明細書では、「医薬的に許容できる塩」は、親化合物がその酸塩又は塩基塩を作ることによって修飾されている、開示化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容できる塩の例には、限定するものではないが、アミン等の塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩;カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩又は有機塩等がある。例えば、該塩として、アンモニア、L-アルギニン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、カルシウム ヒドロキシド、コリン、デアノール、ジエタノール-アミン(2,2'-イミノビス(エタノール))、ジエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、2-アミノエタノラ、エチルエン-ジアミン、N-エチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、リシン、マグネシウム ヒドロキシド、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルフォリン、ピペラジン、カリウム ヒドロキシド、1-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピロリジン、ナトリウム ヒドロキシド、トリエタノールアミン (2,2',2“-ニトリロトリス(エタノール))、トロメタミン、水酸化亜鉛、酢酸、2.2-二クロロ-酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-アセト-アミド-安息香酸、(+)-ショウノウ酸、(+)-ショウノウ-10-スルホン酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラム酸、デカン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、エチレンジアミン四酢酸(ethylenediamonotetraacetic acid)、ギ酸、フマル酸、ガラカル酸、ゲンチジン酸、D-グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルクロン酸、グルタミン酸、グルタント酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロホスホン酸、グリシン、グリコール酸、ヘキサン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イソ酪酸、DL-乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、リジン、マレイン酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ガラクタル酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オクタン酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸(エンボン酸)、リン酸、プロピオン酸、(-)-L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸由来の塩が挙げられる。アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛等のような金属由来のカチオンとさらなる医薬的に許容できる塩を形成することができる(Pharmaceutical salts, Berge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977),
66, 1-19をも参照されたい)。
本発明の医薬的に許容できる塩は、塩基性部分又は酸性部分を含む親化合物から通常の化学的方法で合成可能である。一般的に、これらの化合物の遊離酸形又は遊離塩基形を水中或いはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、若しくはアセトニトリル、又はその混合物等の有機希釈剤中で適切な塩基又は酸と反応させることによって該塩を調製することができる。
上記酸以外の酸の塩、例えば本発明の化合物を精製又は単離するために役立つ(例えばトリフルオロ酢酸塩)も本発明の一部を構成する。
【0045】
ハロゲン:
用語ハロゲンは、一般的にフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
アルキル:
単独又は別の基と組み合わせた用語「C
1-n-アルキル」(nは2〜nの整数である)は、1〜n個のC原子を有する非環式飽和分岐若しくは直鎖炭化水素基を意味する。例えば用語C
1-5-アルキルは基H
3C-、H
3C-CH
2-、H
3C-CH
2-CH
2-、H
3C-CH(CH
3)-、H
3C-CH
2-CH
2-CH
2-、H
3C-CH
2-CH(CH
3)-、H
3C-CH(CH
3)-CH
2-、H
3C-C(CH
3)
2-、H
3C-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-、H
3C-CH
2-CH
2-CH(CH
3)-、H
3C-CH
2-CH(CH
3)-CH
2-、H
3C-CH(CH
3)-CH
2-CH
2-、H
3C-CH
2-C(CH
3)
2-、H
3C-C(CH
3)
2-CH
2-、H
3C-CH(CH
3)-CH(CH
3)-及びH
3C-CH
2-CH(CH
2CH
3)-を包含する。
アルキニル:
用語「C
2-n-アルキニル」(nは3〜nの整数である)は、少なくとも2個の炭素原子を有する「C
1-n-アルキル」の定義で規定する基について、前記基の炭素原子の少なくとも2個が互いに三重結合で結合している場合に用いられる。
シクロアルキル:
単独又は別の基と組み合わせた用語「C
3-n-シクロアルキル」(nは>3の整数である)は、3〜n個のC原子を有する単環式、二環式、三環式又は四環式飽和炭化水素基を表す。例えば用語C
3-7-シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが含まれる。
用語「シクロアルキル」は、縮合、架橋及びスピロ環系を包含する。シクロアルキル基がさらにフェニル環又は5〜6員ヘテロアリール環、例えばチエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はピリダジニル環に縮合され得る。
さらに、用語「シクロアルキル」には、シクロアルキル環部分のいずれの原子にも共有結合を介して付着され得るが、アリール又はヘテロアリール部分の原子には付着されないので基(radical)と表現されていない下記典型的構造が含まれる。
【0047】
ヘテロシクロアルキル:
用語「4〜n員ヘテロシクロアルキル」(nは>4の整数である)は、N、O又はS(O)
r(r=0、1又は2)から選択される1個以上のヘテロ原子を含み、4〜n個の環原子から成る飽和又は部分的に不飽和の単環式又は多環式環系を意味する。ヘテロ-シクロアルキル環系は、さらにフェニル環又は5〜6員ヘテロアリール環、例えばチエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はピリダジニル環に縮合され得る。用語「ヘテロシクロアルキル」は、全ての可能な形を包含するものとする。
用語「ヘテロシクロアルキル」には、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル環部分のいずれの原子にも共有結合を介して付着され得るが、アリール又はヘテロアリール部分の原子には付着されないので基(radical)と表現されない下記典型的構造が含まれる。
【0050】
アリール:
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語「アリール」は、6個の炭素原子を含む炭素環式芳香族単環式基を意味し、さらに第2の5員若しくは6員芳香族飽和又は不飽和炭素環式基に縮合され得る。
用語「アリール」は、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラ-ヒドロナフチル及びジヒドロナフチルを包含し、これらは芳香族部分のいずれかの原子に共有結合を介して付着され得る。
ヘテロアリール:
用語「ヘテロアリール」は、N、O又はS(O)
r(r=0、1又は2)から選択される1個以上のヘテロ原子を含み、5〜14個の環原子から成り、該ヘテロ原子の少なくとも1個は芳香環(さらに第2の5員若しくは7員芳香族飽和若しくは不飽和シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基に縮合され得る)の一部である単環式又は多環式環系を意味する。用語「ヘテロアリール」は、全ての可能な異性形を包含するものとする。
用語「ヘテロアリール」には、ヘテロアリール環のいずれの原子にも共有結合を介して付着され得るが、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル部分には付着されないので基(radical)と表現されない下記典型的構造が含まれる。
【0053】
調製方法
本発明の化合物は、例えば下記及び実験セクションで述べるように、或いはWO2010/034796、WO2010/034797及びWO2010/100249に記載の方法と同様に、当業者に周知の技術により調製可能である。本発明のさらなる態様により、例えば下記スキームA〜Cに従って遂行できる式Iの化合物の調製方法を提供する。
スキームA(全ての可変基は請求項1の定義どおりである):
【0055】
フェニレンジアミンXとチオイソシアナートXIとの反応(工程a)は、当業者に既知の標準的条件下、例えばWO2010/034796又はWO2010/100249に記載の方法と同様に、ジエチルエーテル(Et
2O)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル(MeCN)及び/又はテトラヒドロフラン(THF)等の適切な溶媒の存在下で行なうことができる。例えばCH
3-I又はカルボジイミドベース化合物、例えばN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI、又はその塩、例えば塩酸塩)又はN,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)として環化工程を促進する適切な試薬の存在下或いはアミン塩基、例えばトリエチルアミン(TEA)又はジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の存在下で反応を行なうのが好ましい。反応は、0℃〜200℃、好ましくは室温〜100℃のいずれの適切な温度でも進行し得る。工程aは、チオ尿素中間体XIIa及び/又はXIIbを単離しながらの段階的反応或いはワンポット手順で行なうことができる。
或いは式Iの化合物を下記スキームBに従って合成することができる。
スキームB(全ての可変基は請求項1の定義どおりであり、PG
酸は、カルボン酸官能基の保護基である):
【0057】
保護基PG
酸は、例えば“Protective Groups in Organic Synthesis”,第3版, T.W. Greene & P.G.M. Wutz, Wiley-Interscience (1999)に記載されているように当業者に周知のカルボン酸の文献公知の保護基、例えばC
1-5-アルキル、アリル又はベンジル基である。
工程a)をスキームAに記載どおりに行なえるが、XIIIに未保護酢酸部分が存在するときは添加剤(2,2,2-トリフルオロ-N,O-ビス-(トリメチルシリル)-アセトアミド)の存在下で行なってもよい。
工程b)は、既知の鹸化条件下で、例えば水性LiOH、NaOH又はエタノール(EtOH)、メタノール(MeOH)、DMF、MeCN、THF若しくはジオキサン中のKOH又はMeOH中のPd/Cを用いて行なうことができる。
工程c)のアミドカップリングは、1-プロピルホスホン酸環状無水物(PPA)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラ-メチル-ウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチル-ウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチル-ウロニウム-ヘキサフルオロホスファート(HATU)、DCC、EDCI、カルボニル-ジイミダゾール(CDI)、カルボニルジトリアゾール(CDT)、1-クロロ-2-メチル-プロペニル-ジメチルアミン、塩化オキサリルその他の最新技術の活性化剤のような追加のin-situ活性化剤を用いて行なうことができる。
カップリング反応は、好ましくはNaOH、KOH、NaHCO
3、トリエチルアミン(TEA)、N-エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)、ピリジン、N,N,-ジメチルアミノピリジン(DMAP)その他の最新技術及び例えばHouben-Weyl, “Methods in Organic Synthesis”, Vol. E22a, p 425ffに記載の適切な塩基等の塩基の存在下で行なわれる。カップリング反応は、適切な溶媒、例えばDCM、ジオキサン、THF、MeCN、DMF、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリジン(NMP)又は上記溶媒の混合物中、0℃〜100℃のいずれかの適切な温度で行なわれる。
PG
酸がメチル又はエチル基のときは、例えばヘキサン、ジオキサン、THF中20〜80℃でトリメチルアルミニウム又はトリエチルアルミニウムを用いてワンポット手順でXIVのIへの変換を行なうこともできる。
或いは式Iの化合物を下記スキームCに従って合成することができる。
スキームC(全ての可変基は請求項1の定義どおりであり、PG
アミノはベンジリックアミノ基の保護基である):
【0059】
XVの保護基PG
アミノは、例えば“Protective Groups in Organic Synthesis”,第3版, T.W. Greene & P.G.M. Wutz, Wiley-Interscience (1999)に記載されているように当業者に周知のアミノ基の文献公知の保護基、例えばtert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル又はトリフルオロメチルカルボニル基である。
工程a)をスキーム1に記載どおりに行なうことができる。
工程d)のXVIのPG
アミノは、当業者に周知であり、本明細書で後述する技術により除去可能である。例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis”, 3
rd edition, T.W. Greene & P.G.M. Wutz, Wiley-Interscience (1999)に記載されているように適切な薬剤(保護基によって決まる)、例えばトリフルオロ酢酸、HCl又はH
2SO
4溶液、KOH;Ba(OH)
2、炭素上Pd(Pd/C)、トリメチルシリルヨージド等又は他の条件を用いてXVIを脱保護することができる。この工程に適した共溶媒は、0℃〜100℃のいずれかの適切な温度で、例えばDCM、THF、MeCN、DMF、DMA、NMP又は上記溶媒の混合物である。
工程e)のアミド形成は、スキームB、工程cと同様に酸HO-W-M及び追加のin-situ 活性化剤、例えばPPA、TBTU、HBTU、HATU、DCC、EDCI、CDI、CTI、1-クロロ-2-メチル-プロペニル-ジメチルアミン、塩化オキサリル又は最新技術の他の活性化剤を用いて;或いは追加の活性化剤なしで類似条件下で対応酸塩化物Cl-W-Mを用いて直接行なうことができる。
カップリング反応は、好ましくは塩基、例えばNaOH、KOH、NaHCO
3、TEA、DIPEA、ピリジン、DMAPその他の最新技術の例えばHouben-Weyl, “Methods in Organic Synthesis”, Vol. E22a, p 425ffに記載されているような塩基の存在下で行なわれる。カップリング反応は、適切な溶媒、例えばDCM、ジオキサン、THF、MeCN、DMF、DMA、NMP又は上記溶媒の混合物中で行なわれる。
【0061】
構成要素XI及びXV(式中、全ての可変基は請求項1の定義どおりであり、PG
アミノはベンジリックアミノ基の保護基である)の合成は、実験パートで詳細に又はWO2010/100249に例示されている当業者に既知のスキームDの標準的反応条件を利用している。
スキームD(全ての可変基は請求項1の定義どおりであり、PG
アミノはベンジリックアミノ基の保護基である):
【0063】
工程f)は、標準的な文献手順に従い、例えば1,1'-チオカルボニルジ-2-ピリドン、O,O'-ジ-2-ピリジルチオカルボナート、1,1'-チオカルボニルジイミダゾール等の塩基を用いて、又は例えばDCM、ジオキサン又はDMF等の溶媒中でチオホスゲンを用いて、0〜150℃の温度で、必要に応じてDMAP又はTEAのような塩基を添加して行なうことができる。
構成要素XVII及びXVIIIは、下記スキームEに従って調製可能である。
スキームE(全ての可変基は請求項1の定義どおりであり、PG
アミノはベンジリックアミノ基の保護基である):
【0065】
工程c)又は工程e)と同様に工程g)のアミド形成を行なって化合物XVIIを合成することができ、或いはアミノ基保護用の通常の試薬、例えばジ-tert-ブチル-ジカルボナート、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸ベンジル又はクロロギ酸アリルを用いて、“Protective Groups in Organic Synthesis”, 第3版, T.W. Greene & P.G.M. Wutz, Wiley-Interscience (1999)に記載の標準的反応条件下で工程g)のアミド形成を行なって化合物XVIIIを合成することができる。
工程h)で、文献公知の還元条件下、例えばMeOH、EtOH又はTHF中、Pd/C、Pt/C又はRaNiの存在下、必要に応じてHClの存在する酸性条件下での水素付加(好ましくは1〜5バールで)により、或いはSnCl
2/HCl、Na
2S
2O
4、Zn/HCl、Fe/HCl、Fe粉末/NH
4Cl水溶液を用いて、或いは文献、例えばR. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Verlagsgemeinschaft, Weinheim (1989)に記載の手順に従って、前駆体XVIIa又はXVIIIaのニトロ基をアミノ基に還元することができる。この工程に適した溶媒は、0℃〜100℃の間のいずれかの適切な温度で、例えばDCM、THF、MeCN、DMF、DMA、NMP、EtOH、MeOH又は上記溶媒の混合物である。
構成要素XIX及びXXは下記スキームF〜Hに従って調製可能である。
スキームF(R
a及びR
bは水素原子であり、全ての他の可変基は請求項1の定義どおりである):
【0067】
工程i)は、MeOH又はEtOHのような適切な溶媒中、Pd/C、PtO
2又はRaNiのような触媒を用いて、必要に応じて添加剤としてHCl又はNH
3を用いて0〜60℃の温度での水素付加(1〜5バール)により、或いはTHF、MeOH又はEtOHのような適切な溶媒中、LiAlH
4又はBH
3含有試薬を用いて文献公知の条件下での還元によって遂行可能である。
工程e)について述べたアミドカップリング条件下で工程j)を行なうことができ、カップリング相手としてNH
3を使用するときは、例えばTHF中の1-クロロ-2-メチル-プロペニル-ジメチルアミンを活性化剤として使用することができる。
工程k)は、例えばR.C.Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH, 1989, p.432-433で編集されたように文献公知の条件下でLiAlH
4又はBH
3含有試薬を用いて、好ましくは0〜80℃でTHF中のLiAlH
4を用いて行なうことができる。
或いは、WO2010/100249に記載されているように又は下記スキームGにより化合物XIX及びXXを調製することができる。
スキームG(全ての可変基は請求項1の定義どおりである):
【0069】
工程k)は、濃H
2SO
4又はF
3C-SO
3H中、0〜150℃、好ましくは20〜80℃の温度でXXIVをXXVと混合して遂行可能である。
工程l)は、対応するニトロ保護基の文献公知の脱保護手順、例えばヒドラジンによるフタルイミドの処理或いはMeOH若しくはEtOH中のNaOHのような塩基を20〜80℃の温度で用いるか又はHCl水溶液若しくはジオキサン中のHClを20〜80℃で用いる酸性条件下でのアミド結合の開裂を利用して遂行可能である。
或いは化合物XIX及びXXを下記スキームHにより調製することができる。
スキームH(R
b=H、全ての可変基は請求項1の定義どおりである):
【0071】
工程m)は、適切な溶媒、例えばMeCN、DCM、THF中、必要に応じて添加剤としてHClを用いて0〜60℃の温度でXXXをHO-NH
2と混合して遂行可能である。
工程n)は、文献公知の還元条件を適用して、例えばMeOH、EtOH又はTHF中、Pd/C又はRa-Niの存在下、必要に応じて触媒としてHCl又はHOAcを用いるか、或いはSnCl
2/HCl、Zn/HCl、Fe/HCl、Fe粉末/NH
4Cl水溶液を用いるか或いは文献、例えばR. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Verlagsgemeinschaft, Weinheim (1989)に記載の手順に従って水素付加(好ましくは1〜5バールのH
2圧力で)により遂行可能である。
工程o)は、文献公知の還元条件を適用して、例えばアンモニア又はアンモニウム塩(例えば酢酸アンモニウム)及びボラン試薬、例えばNaBH
3CN、BH
3-THF-複合体又はBH
3-SMe
2-複合体を水、MeOH、EtOH、THF又はその混合物中、緩衝条件下、好ましくは5〜9のpHで使用するか、或いは触媒としてPd/C又はRa-NiをMeOH、EtOH又はTHF中で用いて、必要に応じて共触媒としてHCl又はHOAcを用いる水素付加を利用するか、或いは文献、例えばWO2010/100249又はR. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Verlagsgemeinschaft, Weinheim (1989)に記載の手順に従って遂行可能である。
【0073】
構成要素X及びXIIIの合成は、実験パート又はスキーム1に記載のように遂行可能であり、式中、A、L、R
6、R
7及びR
9は、請求項1の定義どおりの意味を有し、PG
酸は、上述したように文献公知のカルボン酸保護基であり、LGは、芳香環上の脱離基(例えばメトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はトリフルオロメチルスルホニル基)である。個々の工程を当業者に周知の標準的な文献手順に類似して、例えば、WO2010/034796、WO2010/034797又はWO2010/100249に記載の方法に類似して行なうこともできる。
スキームI[全ての可変基は請求項1の定義どおりであり、LGは脱離基、例えばCH
3O-、F
2HC-CH
2-O、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、又はCF
3(SO
3)である]
【0075】
工程p)は、構成要素XXXII又はXXXIIIのアミンL-H又はその適切な塩との芳香族置換反応により、文献公知の反応条件を用いて遂行可能である。例えば反応は、構成要素XXXII又はXXXIII(式中、LGは好ましくはフルオロ又はクロロ置換基である)を、K
2CO
3、Na
2CO
3、Cs
2CO
3、TEA、DIPEAのような適切な塩基の存在下、適切な溶媒、例えばDMF、DMSO、DMA、NMP又は上記溶媒の混合物中、0℃〜180℃のいずれかの適切な温度で利用して行なうことができる。
或いは、構成要素XXXII又はXXXIII(式中、LGは好ましくはメトキシ又は2,2-ジフルオロエトキシ置換基である)をK
2CO
3、Na
2CO
3、Cs
2CO
3、TEA、DIPEA又は塩基の混合物のような適切な塩基の存在下、適切な溶媒、例えばMeCN、DMF、DMSO、DMA、NMP又は上記溶媒の混合物中、0℃〜180℃のいずれかの適切な温度で利用して反応を行なうこともできる。
或いは、Pd触媒の存在下で反応を行なうこともでき、この場合、XXXII又はXXXIIIにおいて好ましい基LGはブロモ、ヨード又はトリフルオロメチルスルホニルである。適切な塩基、例えばK
2CO
3、Na
2CO
3、Cs
2CO
3、TEA、DIPEAの存在下、適切な溶媒、例えばTHF、MeCN、DMF又は上記溶媒の混合物中、0℃〜120℃のいずれかの適切な温度で例えばPd(PPh
3)
4を使用することもできる。
工程q)では、文献公知の還元条件下、例えばMeOH、EtOH又はTHF又はその混合物中、Pt/C、Pd/C又はラネーニッケル(Ra/Ni)の存在下、必要に応じてHClが存在する酸性条件下、又はSnCl
2/HCl、Na
2S
2O
4、Zn/HCl、Fe/HCl、Fe粉末/NH
4Cl水溶液を用いて、或いは文献、例えばR. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Verlagsgemeinschaft, Weinheim (1989)に記載の手順に従って水素付加(好ましくは1〜5バール)によりXXXIV又はXXXVのニトロ基を還元してアミノ基にすることができる。この工程に適した溶媒は、0℃〜100℃のいずれかの適切な温度で例えばDCM、THF、MeCN、DMF、DMA、NMP、EtOH、MeOH又は上記溶媒の混合物である。
【0076】
生物学的アッセイ
mPGESタンパク質産生
ヒトmPGES-1を発現するロゼッタ大腸菌(Rosetta E.coli)由来のミクロソームを以下のように誘導することができる。
アンピシリン(Ampicilin)(50μg/ml)及びクロラムフェニコール(34μg/ml)を含む5mlのLB培地に凍結培養からの細菌を接種する。37℃で7時間200rpmでインキュベートする。その後、アンピシリン及びクロラムフェニコールを含む500〜1000mlのLBに5mlの進行中培養を接種して0.8〜1.0のOD640まで成長させる。誘導前に培養を+4℃に冷却する。400μMの最終濃度でIPTGを用いて培養を誘導する。室温18〜23℃で一晩200rpmの振盪によりタンパク質を発現させる。
次の日に下記工程を行なうことができる。
1. 250mlの遠心フラスコ内で15分間7000rpm(Beckmann Coulte Avanti J-E遠心機)で細胞を遠心沈殿させる。
2. 250mlの培養からのペレットを12.5mlの均質化緩衝液に溶かす。
3. (15mM Tris-HCL pH8、1mM EDTA pH8、0.25mMスクロース、2.5mM GSH、50mlの緩衝液当たり1錠のプロテアーゼ阻害薬)
4. 750Wのソニファイアー(sonifier)の48%振幅で5×10秒、超音波処理によって細胞を崩壊させる。
5. 2.5mlのMgCl
2(100mM)とDNA分解酵素12.5μl(0.8mg/ml)を添加して氷上で30分間インキュベートする。
6. 7000rpmで15分間細菌デブリを遠心沈殿させ、上清を保存する。
7. 上清中のタンパク質含有膜を超遠心分離(120000xg、2時間4℃(Sorvall T880ローター))で単離する。
8. 上清を捨て、ペレットを20mMのリン酸カリウム緩衝液pH7.4(KH
2PO
4及びK
2HPO
4)緩衝液に超音波処理(5×10秒、50Wソニファイアーの30%)で溶かし、酵素を等分して一定分量を-80℃で貯蔵する。
各実験を行なう前に、一定分量の酵素を解凍してから、2,5mMのGSHを含む0.1Mのリン酸カリウム緩衝液pH7.4(KH
2PO
4及びK
2HPO
4)緩衝液にそれを溶かすことができる。
【0077】
mPGES-1酵素アッセイ
このアッセイの目的は、試験化合物のmPGES-1酵素に対する親和性を決定することである。
GSH含有緩衝液(0.1mol/Lのリン酸緩衝液pH7.4に溶解した2.5mmol/Lの還元型L-グルタチオン)中の47μlの組換えヒトmPGES-1(約0.5μgのタンパク質/ウェル)含有ミクロソーム懸濁液を384ウェルプレートに分注した後、1μlの試験化合物を添加して室温で25分間インキュベートする。無水ジグリム(Diglyme)に溶かした2μlのPGH2(最終濃度2μM)の添加により酵素反応を開始する。60秒後に、FeCl
2を含む停止溶液(10μL、0.074mol/lのFeCl
2)を添加して反応を終結させる。サンプルをPBS(リン酸緩衝食塩水)で1:25に希釈する。10μlの希釈サンプルを384ウェル低容量プレートに移す。生じたPGE
2の量を数量化するため、PGE
2を検出する均一時間分解蛍光測定(homogenous time resolved fluorescent)(HTRF)をCisbioの市販キットを用いて製造業者の勧告に従って行なった。このHTRFに基づいたアッセイは詳述されている(下記参照:Goedken et al., J Biomol Screen, 2008, 13(7), 619-625)。簡単に述べると、希釈サンプルを5μlのPGE
2-d2抱合体及び5μlの抗PGE
2クリプテート(cryptate)抱合体と混合する。プレートの一晩のインキュベーション時間後、適切なマイクロプレートリーダーを用いて蛍光を測定する。
ユーロピウムクリプテートの蛍光(maxex=307nm、maxem=620nm)及びd2-PGE
2の蛍光(maxex=620nm、maxem=665nm)を測定する。
665nmの発光強度対320nmの励起パルスでの620nmの発光強度の比として特異的HTRFの程度を測定する。定量化プレートは、HTRF比の値からのPGE
2濃度の計算用の較正曲線として、異なる濃度のPGE
2を含むウェルをも含む。
全てのmPGES酵素アッセイからバックグラウンドを減算し、通常のソフトウェアを用いて非線形回帰の下でIC
50を計算する。
【0078】
表A. 酵素アッセイにおける化合物のmPGES-1阻害効果(nMでのIC
50値)
【0079】
A549細胞ベースアッセイ
酵素アッセイはハイスループットアッセイであるが、その自然環境にない組換えタンパク質を使用するという欠点がある。従ってmPGES-1タンパク質を発現するヒト由来の細胞系(A549)を用いる細胞アッセイが確立された。さらに化合物が血漿タンパク質に結合できるヒトの状況を模倣するため、このアッセイでは50%のヒト血清を添加する。細胞環境内でのmPGES-1の試験と50%のヒト血清の存在を併せ持つことによって、このアッセイは純粋な酵素アッセイより高い、mPGES阻害薬の治療可能性を判断するための関連性を有する。
腐植化インキュベーター内37℃及び5%CO
2で、10%のFBSを含むF-12K Nutrient Mixture(Kaighn's Mod. Gibco)内でA549細胞(ATCC:CCL-185)を約90%のコンフルエンスまで成長させる。トリプシン-EDTAを用いて細胞を引き離した。384ウェルコラーゲン(collagene)プレート内7000細胞/ウェル(50μl)の密度でA549細胞を1%のペニシリン-ストレプトマイシン及び50%のヒト血清を含むF-12培地に播種した。細胞を3〜4時間付着させた。その後、50%のヒト血清、1%のペニシリン-ストレプトマイシンを補充し、かつビヒクル又は試験化合物の存在下で5ng/mlの最終濃度でIL-1β及び10nMのアラキドン酸を含むF-12k培地内で細胞を20〜24時間インキュベートした。総体積は100μlである。
Cisbio(前出)からの市販キットを用いて細胞フリー培地(10μl)内のPGE
2の濃度を測定した。試験化合物の非存在下でのPGE
2形成を100%と解釈する。
通常のソフトウェアを用いて6〜8のポイント滴定からIC
50値を導いた。
表Bに列挙する化合物は一般的にPGE
2の生成を遮断するのに有効である。従って式Iの化合物は炎症性疾患及び炎症性/侵害受容性疼痛等の関連状態を治療するための治療可能性を有すると期待される。
【0080】
表B. 細胞アッセイにおける化合物のmPGES-1阻害効果(nMでのIC
50値)
【0081】
表C. 選択したベンズイミダゾールの酵素及び細胞のIC
50(nM)の比較
【0082】
表A、B及びCは、酵素アッセイで測定した場合にmPGES-1酵素に対して同様の親和性を有する化合物が細胞ベースアッセイでは異なる効力を有し得ることを実証する。細胞ベース薬理学的アッセイのデータは、酵素アッセイのデータと比較すると、治療的に有効な濃度/用量のより良い予測可能性及び評価を可能にすると考えられる。本発明の化合物は、両アッセイで高い効力を示す。結果として、本発明の化合物はin-vivo使用に非常に適している可能性がある。
【0083】
治療方法
本発明は、プロスタグランジンEシンターゼの阻害、特にミクロソームプロスタグランジンE
2シンターゼ-1(mPGES-1)の阻害が治療上有効である疾患及び/又は状態(限定するものではないが、炎症性疾患及び/又は関連状態が挙げられる)の予防及び/又は治療に有用な式Iの化合物に関する。
用語「炎症」は、いずれの炎症性疾患、障害又は状態自体、それと関連する炎症性成分を有するいずれの状態、及び/又は症状として炎症を特徴とするいずれの状態をも包含するものと理解し、とりわけ、急性、慢性、潰瘍性、特異性、アレルギー性及び壊死性炎症、並びに当業者に周知の他の形態の炎症が含まれる。従ってこの用語は、本発明の目的では、炎症性疼痛、全身性疼痛及び/又は発熱をも包含する。
ある状態がそれと関連する炎症性成分を有するか、又は症状として炎症を特徴とする状態の場合、当業者は、本発明の化合物が炎症性症状及び/又はその状態と関連する炎症の治療に有用であることを認めるであろう。
本発明の化合物は、被験者の骨量減少の低下のような炎症機序に結びつかない効果を有することもある。このような状態には、骨粗鬆症、変形性関節症、パジェット病及び/又は歯周病がある。
本発明のさらなる態様は、薬物としての式Iの化合物に関する。
本発明の別の態様は、mPGES-1の阻害が治療上有効である疾患及び/又は状態の治療又は予防のための式Iの化合物の使用である。
本発明のさらなる態様は、炎症性疾患及び/又は関連状態の治療及び/又は予防のための式Iの化合物の使用である。
【0084】
本発明は、下記疾患及び状態の治療及び/又は予防のための式Iの化合物の使用にも関する:
1. リウマチ性疾患又は自己免疫疾患又は筋骨格疾患:全ての形態のリウマチ性疾患、例えば軟部組織リウマチ、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、反応性関節炎、腱鞘炎、痛風性又は代謝性関節炎、滑液包炎、腱炎、若年性関節炎、脊椎関節症、例えば脊椎炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節症;サルコイドーシス、線維筋痛症、筋炎、多発性筋炎、変形性関節症、外傷性関節炎、任意の起源の膠原病、例えば全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、スチル病、シェーグレン症候群、フェルティ症候群;リウマチ熱及びリウマチ性心疾患、血管の疾患、例えば血管炎、結節性多発動脈炎、ベーチェット症候群、巨細胞動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病;乾癬性関節炎、真菌性関節炎(特に上記状態のいずれかに関連する疼痛を含めて);
2. 頭痛、例えば前兆を伴う片頭痛及び前兆を伴わない片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛及び様々な起源の頭痛;
3. 交感神経的に維持される疼痛、例えば複合性局所疼痛症候群I型及びII型;
4. 神経障害性疼痛、例えば腰痛、股関節痛、下肢痛、非ヘルペス性神経痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、神経損傷誘発疼痛、後天性免疫不全症候群(AIDS)関連神経障害性疼痛、頭部外傷、毒素及び化学療法起因神経損傷、幻肢痛、多発性硬化症、神経根ひきぬき損傷(root avulsions)、有痛性外傷性単ニューロパチー、有痛性多発ニューロパチー、外傷性疼痛症候群、脳卒中後疼痛、中枢神経系損傷、術後疼痛、手根管症候群、三叉神経痛、乳房切除術後症候群、開胸術後症候群、断端痛、反復運動痛、神経障害性疼痛関連痛覚過敏及びアロディニア、アルコール依存症及び他の薬物誘発疼痛;
5. 骨腫瘍、リンパ性白血病;ホジキン病、悪性リンパ腫;リンパ肉芽腫症;リンパ肉腫;固形悪性腫瘍;広範転移等の腫瘍によって誘発され又はそれらと関連する癌性疼痛;
6. 内臓障害、例えば慢性骨盤痛症候群、膵炎、消化性潰瘍、間質性膀胱炎、膀胱炎腎疝痛、狭心症、月経困難症、月経、婦人科疼痛、過敏性腸疾患(IBS)、炎症性腸疾患、クローン病及び潰瘍性大腸炎、腎炎、前立腺炎、外陰部痛、非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛、心筋虚血;
7. 耳、鼻、口及び喉の疾患と関連する炎症、例えばインフルエンザ及びウイルス/細菌感染、例えば感冒、アレルギー性鼻炎(季節性及び通年性)、咽頭炎、扁桃炎、歯肉炎、喉頭炎、副鼻腔炎、及び血管運動性鼻炎、発熱、枯草熱、甲状腺炎、耳炎、歯痛のような歯の状態、周術期及び手術後の状態、三叉神経痛、ぶどう膜炎;虹彩炎、アレルギー性角膜炎、結膜炎、眼瞼炎、視神経炎(neuritis nervi optici)、脈絡膜炎、緑内障及び交感性眼炎、並びにその疼痛;
8. 神経疾患、例えば脳浮腫及び血管浮腫、脳認知症、例えばパーキンソン病及びアルツハイマー病、老年認知症;多発性硬化症、癲癇、薬剤耐性癲癇、脳卒中、重症筋無力症、脳及び髄膜の感染症、例えば脳脊髄炎、髄膜炎(HIV及び統合失調症、妄想性障害、自閉症、感情障害及びチック障害を含めて);
9. 仕事関連疾患、例えば塵肺症(アルミニウム肺症、炭粉症、石綿肺症、石粉肺症(chalicosis)、睫毛脱落症(ptilosis)、鉄沈着症、珪肺症、タバコ中毒症及び綿肺症を含めて);
10. 肺疾患、例えば喘息(アレルギー性喘息(アトピー性又は非アトピー性)並びに運動誘発性気管支収縮、職業性喘息、ウイルス又は細菌性喘息増悪、他の非アレルギー性喘息及び「喘鳴乳幼児症候群(wheezy-infant syndrome)」を含め)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(肺気腫、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、肺炎、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、ハト愛好家の疾患、農夫肺を含めて);
11. 皮膚疾患、例えば乾癬及び湿疹、皮膚炎、日焼け、熱傷並びに捻挫(aprains)及び筋違い(筋挫傷)及び組織外傷;
12. 炎症に関連する血管及び心臓の疾患、例えばアテローム性動脈硬化症(心臓移植アテローム性動脈硬化症を含めて)、結節性汎動脈炎(panarteritis nodosa)、結節性動脈周囲炎、側頭動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症(Wegner granulomatosis)、巨細胞動脈炎、再灌流傷害及び結節性紅斑、血栓症(例えば深部静脈血栓症、腎静脈血栓症、肝静脈血栓症、門脈血栓症);冠動脈疾患、動脈瘤、血管性拒絶反応、心筋梗塞、塞栓症、脳卒中、血栓症(静脈血栓症を含めて)、狭心症(不安定狭心症を含めて)、冠動脈プラーク炎症、細菌誘発炎症(クラミジア誘発炎症を含めて)、ウイルス誘発炎症、並びに冠動脈バイパス術を含めた血管移植等の外科手技、血行再建術(血管形成術、ステント留置、動脈内膜切除術を含めて)、又は動脈、静脈及び毛細血管、動脈再狭窄に関係する他の侵襲的手技に伴う炎症;
13. 糖尿病関連症状、例えば糖尿病性脈管障害、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、後毛細血管性抵抗性(post capillary resistance)又は膵島炎に伴う糖尿病性症状(例えば高血糖、多尿、タンパク尿及び亜硝酸塩増加及び尿中カリクレイン排泄);
14. 良性及び悪性腫瘍及び腫瘍症、癌、例えば結腸直腸癌、脳癌、骨癌、上皮細胞由来腫瘍症(上皮癌)、例えば基底細胞癌、腺癌、消化器癌、例えば口唇癌、口腔癌、食道癌、小腸癌、胃癌、結腸癌、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、乳癌、皮膚癌、例えば扁平細胞癌及び基底細胞癌、前立腺癌、腎細胞癌、及び他の体全体の上皮細胞に作用する既知癌;腫瘍症、例えば胃腸癌、バレット食道癌、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、肺癌、乳癌及び皮膚癌;腺腫性ポリープ(家族性大腸ポリポーシス(FAP)、同様にFAPの危険性がある患者にポリープが生じるのを予防することを含めて);
15. 種々の他の病態及び病状、例えば癲癇、敗血症性ショック(例えば抗血液量減少薬及び/又は抗低血圧薬として)、敗血症、骨粗鬆症、良性前立腺肥大症及び過活動膀胱、腎炎、そう痒症、白斑症、呼吸、尿生殖器、胃腸又は血管領域の内蔵運動性障害、創傷、アレルギー性皮膚反応、血管-非血管混合型症候群(mixed-vascular and non-vascular syndrome)、細菌感染又は外傷と関連する敗血症性ショック、中枢神経系損傷、組織損傷及び術後発熱、そう痒と関連する症候群。
本発明によれば、疼痛;特に上記疾患又は状態のいずれかと関連する疼痛の治療及び/又は予防のための式Iの化合物の使用が好ましい。
本発明の別の態様は、上記疾患及び状態の治療及び/又は予防の方法であって、有効量の式Iの化合物のヒトへの投与を含む方法である。
【0085】
薬用量
1日に適用可能な式Iの化合物の用量範囲は、通常0.01〜5000mg、好ましくは1〜2000mg、さらに好ましくは5〜500mg、最も好ましくは10〜250mgである。各薬用量単位は、好都合には、2〜500mg、好ましくは5〜250mgを含有し得る。
実際の医薬的に有効な量又は治療用量は、当然に患者の年齢と体重、投与経路及び疾患の重症度等の当業者に周知の要因によって決まる。いずれの場合も、患者特有の状態に基づいて治療的に有効な量の送達を可能にする薬用量及び様式で本化合物を投与する。
医薬製剤
式の化合物を投与するのに適した製剤は、当業者には明白であり、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、座剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、サシェ剤、注射剤、吸入剤及び散剤等が挙げられる。医薬的に活性な化合物の含量は、全体として組成物の1〜99wt.-%、好ましくは10〜90wt.-%、さらに好ましくは20〜70wt.-%の範囲内であるべきである。
適切な錠剤は、例えば、式Iの1種以上の化合物を既知の賦形剤、例えば不活性な希釈剤、担体、崩壊剤、アジュバント、界面活性剤、結合剤及び/又は潤沢剤と混合することによって得られる。錠剤が数層から成ってもよい。
本発明のさらなる態様は、医薬的に許容できるアジュバント、希釈剤又は担体との混合物中に式Iの化合物を含む医薬製剤である。
【0086】
併用療法
その治療が本発明の重点である適応症のいずれかの治療に関連して当技術分野で用いることが知られている他の治療選択肢と本発明の化合物を併用することができる。
本発明の治療との併用に適していると考えられる該治療選択肢には以下のものがある:
−非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(COX-2阻害薬を含めて);
−オピエート受容体作動薬;
−カンナビノイド作動薬又は内在性カンナビノイド経路の阻害薬;
−ナトリウムチャネル遮断薬;
−N型カルシウムチャネル遮断薬;
−セロトニン作動性及びノルアドレナリン作動性修飾薬;
−副腎皮質ステロイド薬;
−ヒスタミンH1受容体拮抗薬;
−ヒスタミンH2受容体拮抗薬;
−プロトンポンプ阻害薬;
−ロイコトリエン拮抗薬及び5-リポキシゲナーゼ阻害薬;
−局所麻酔薬;
−VR1作動薬及び拮抗薬;
−ニコチン性アセチルコリン受容体作動薬;
−P2X3受容体拮抗薬;
−NGF作動薬及び拮抗薬又は抗NGF抗体;
−NK1及びNK2拮抗薬;
−ブラジキニンB1拮抗薬;
−CCR2拮抗薬;
−iNOS又はnNOS又はeNOS阻害薬;
−NMDA拮抗薬;
−カリウムチャネル修飾薬;
−GABA修飾薬;
−セロトニン作動性及びノルアドレナリン作動性修飾薬;
−抗片頭痛薬;
−神経障害性疼痛薬、例えばプレガバリン(pregabaline)又はデュロキセチン。
前記リストは限定特性を有するとは考えない。
【0087】
以下に該治療選択肢の代表例を与える。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(COX-2阻害薬を含めて):プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキス酸、カルプロフェン、フェンフフェン、フェノプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、及びチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロズ酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキスピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、及びゾメピラク)、フェナム酸誘導体(メクロフェナム酸、メフェナム酸、及びトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体、オキシカム(イソキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、スドキシカム及びテノキシカン、サリチラート(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)及びピラゾロン(アパゾン、ベズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)、及びコキシブ(セレコキシブ、バレコキシブ、ロフェコキシブ及びエトリコキシブ)等;
・抗ウイルス薬、例えばアシクロビル、テノビル、プレコナリル、ペラミビル、ポコサノール等;
・抗生物質、例えばゲンタマイシン、ストレプトマイシン、ゲルダナマイシン、ドリペネム、セファレキシン、セファクロル、セフタジキン、セフェピム、エリスロマイシン、バンコマイシン、アズトレオナム、アモキシシリン、バシトラシナ、エノキサシン、マフェニド、ドキシサイクリン、クロラムフェニコール等;
・オピエート受容体作動薬:モルヒネ、プロポキシフェン(Darvon)、トラマドール、ブプレノルフィン等;
・グルココルチコステロイド、例えばベタメタゾン、ブデソニド、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン及びデフラザコルト;免疫抑制薬、免疫調節薬、又は細胞分裂阻害薬(限定するものではないが、ヒドロキシクロルキン、D-ペニシルアミン、スルファサリジン、アウラノフィン、金メルカプトプリン、タクロリムス、シロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリン、レフルノミド、メトトレキサート、アザチオプリン、シクロホスファミド及びグラチラマー酢酸塩及びノバントロン、フィンゴリモド(FTY720)、ミノサイクリン及びサリドマイド等が挙げられる);
・抗TNF抗体又はTNF受容体拮抗薬、例えば、限定するものではないが、エタネルセプト、インフリキシマブ、アダリムマブ(D2E7)、CDP 571、及びRo 45-2081(レネルセプト)、又は限定するものではないが、CD-4、CTLA-4、LFA-1、IL-6、ICAM-1、C5等の標的に対する生物学的薬剤及びナタリズマブ等;
・IL-1受容体拮抗薬、例えば、限定するものではないが、キネレット(Kineret);
・ナトリウムチャネル遮断薬:カルバマゼピン、メキシレチン、ラモトリギン、テクチン、ラコサアミド等;
・N型カルシウムチャネル遮断薬:ジコノチド等;
・セロトニン作動性及びノルアドレナリン作動性修飾薬:パロキセチン、ズロキセチン、クロニジン、アミトリプチリン、シタロプラム;
・ヒスタミンH1受容体拮抗薬:ブロモフトニラミント、クロルフェニラミン、デキスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレンナミン、ヒドロキシジン、メトジジャジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリルアミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン及びレボセチリジン等;
・ヒスタミンH2受容体拮抗薬:シメチジン、ファモチジン及びラニチジン等;
・プロトンポンプ阻害薬:オメプラゾール、パントプラゾール及びエソメプラゾール等;
・ロイコトリエン拮抗薬及び5-リポキシゲナーゼ阻害薬:ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト及びジロイトン等;
・局所麻酔薬、例えばアンブロキソール、リドカイン等;
・カリウムチャネル修飾薬:例えばレチガビン;
・GABA修飾薬:ラコサアミド、プレガバリン、ガバペンチン等;
・抗片頭痛薬:スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、エルトリプタン、テルセゲパント等;
・NGF抗体、例えばRI-724等。
疼痛治療の新しい作用原理を用いた併用療法、例えばP2X3拮抗薬、VR1拮抗薬、NK1及びNK2拮抗薬、NMDA拮抗薬、mGluR拮抗薬等も可能である。
化合物の組合せは好ましくは相乗的組合せである。例えばChou and Talalay、Adv. Enzyme Regul. 22:27-55 (1984)に記載されているように、併用投与したときに化合物の効果が単一薬剤として単独で投与したときの化合物の追加効果より大きいときに相乗作用が生じる。一般に、相乗効果は、化合物の最適以下の濃度で最も明白に実証される。より低い細胞傷害性、高い薬理効果、又は個々成分と比べてその組合せの他のいくつかの有益な効果の面から相乗作用が存在し得る。
【実施例】
【0088】
実験セクション
一般式Iの化合物の実施例の調製
特に指定のない限り、後述する実施例の化合物の1つ以上の互変異性形がin situで調製及び/又は単離され得る。後述する実施例の化合物の全ての互変異性形を開示したものとみなすべきである。
下記実施例によって本発明を説明する。下記実施例では以下の略語を利用することがある。
略語:
AcOH 酢酸
aq 水性
Boc tert-ブトキシカルボニル
Boc
2O ジ-tert-ブチル-ジカルボナート
CE クロマトグラフィー機器
CH シクロヘキサン
conc 濃縮した
DCM ジクロロメタン
DIC N,N-ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA N-エチルジイソプロピルアミン
DMSO ジメチルスルホキシド
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
EtOAc 酢酸エチル
Et
2O ジエチルエーテル
EtOH エタノール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
i-PrOH イソプロパノール
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MS 質量分析
PE 石油エーテル
Pd/C 炭素上10%パラジウム
Ra-Ni ラネー・ニッケル
RP 逆相
rt 室温
R
f 保持因子
R
t 保持時間
sat 飽和した
TBTU O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0089】
分析方法
下記実施例で特定した全ての化合物は、理論的上の同位体パターンと一致する正しい質量スペクトルを与えた。実用的な理由から、質量スペクトルの代表データとして主同位体ピークの1つだけを与えてある。
TLCデータ下記tlcプレートを用いて得られる。
a) シリカゲルプレート60 F254 Merck No 1.05714.0001(実験パートでは「シリカゲル」と略す)
b) 逆相プレート:RP-8 F 254s Merck No: 1.15684.0001(実験パートでは「RP-8」と略す)
c) 参加アルミニウムプレート60 F254 Merck 1.05713.0001(実験パートでは「Alox8」と略す)。
与えてあるR
f値はチャンバー飽和なしで決定される。
フラッシュクロマトグラフィー精製は、Milliporeからのシリカゲル(MATREX
TM,35 bis 70μm)又はAlox(E. Merck, Darmstadt,酸化アルミニウム90規格(standardisiert),63 bis 200μm, Artikel-Nr: 1.01097.9050)を用いて行なわれる。
特定されている場合、HPLC/MSデータは下記条件下で得られる。
CE1:
Agilent HP 1200(バイナリポンプ、Agilent MS 6140, HiPALS1367Cを備えている)、
ダイオードアレイ検出は190〜400nmの波長で測定される。
質量分析検出の範囲:m/z100〜m/z1000。
CE2:
Agilent HP 1100、Agilent MS G6140
ダイオードアレイ検出は210〜400nmの波長で測定される。
CE3:
Waters Acquity(DA及びMS検出器を備えている)。
下記方法を用いる(特に指定のない限り、カラム温度は25℃である):
方法A(CE2):
固定相(カラム温度:60℃で一定):XBridge C18、4,6×30mm、3.5μm
移動相:E1:水と0.1%TFA、E2:MeOHと0.1%TFA
溶出勾配:
時間(分) %E1 %E2 流速(mL/分)
0.0 95 5 4
0.15 95 5 4
1.7 0 100 4
2.25 0 100 4
方法B(CE1):
固定相:Zorbax ステイブル・ボンド(Stable Bond) C18、1.8μm、3.0×30mm
移動相:E1:水と0.15%HCOOH、E2:MeCN
溶出勾配:
時間(分) %E1 %E2 流速(mL/分)
0.00 95 5 1.6
1.00 10 90 1.6
2.50 10 90 1.6
2.75 95 5 1.6
方法C(CE1):
固定相:方法Bに記載したとおり
移動相:E1:水と0.15%HCOOH、E2:MeCN
溶出勾配:
時間(分) %E1 %E2 流速(mL/分)
0.00 95 5 1.6
2.25 10 90 1.6
2.50 10 90 1.6
2.75 95 5 1.6
方法D(CE2):
固定相(カラム温度:60℃で一定):Sunfire C18、4,6×30mm、3.5μm
移動相:E1:水と0.1%TFA、E2:MeOHと0.1%TFA
溶出勾配:
時間(分) %E1 %E2 流速(mL/分)
0.0 95 5 4
0.15 95 5 4
1.7 0 100 4
2.25 0 100 4
方法E(CE1):
固定相(カラム温度:40℃で一定):Waters XBridge C18、2.5μm、3.0×30mm
方法Cに記載したとおりの移動相及び溶出勾配。
方法F(CE2):
固定相(カラム温度:60℃で一定):XBridge C18、4,6×30mm、3.5μm
移動相:E1:水と0.1%NH
4OH、E2:MeOH
溶出勾配:
時間(分) %E1 %E2 流速(mL/分)
0.0 95 5 4
0.15 95 5 4
1.7 0 100 4
2.1 0 100 4
方法G(CE3):
固定相(カラム温度:60℃で一定):Ascentis Express C18、2.1×50mm、2.7μm
移動相:E1:水と0.1%TFA、E2:MeCNと0.08%TFA
溶出勾配:
時間(分) %E1 %E2 流速(mL/分)
0.00 95 5 1.5
0.7 1 99 1.5
0.8 1 99 1.5
0.81 95 5 1.5
【0090】
2,3,4-三置換ベンジルアミン型の構成要素の合成
構成要素A:
N-(2,4-ジクロロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド
【0091】
【化34】
【0092】
(a)3-アセチルアミノ-2,4-ジクロロ-安息香酸
水(110mL)をピリジン(30mL)中のN-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-アセトアミド(13g,59mmol)に加える。混合物を70℃に加熱し、KMnO
4(47g,298mmol)を少しずつ慎重に加える。還流下で6時間後、反応混合物をセライトパッドを通してろ過し、熱水で洗浄する。ろ液を室温に冷まし、濃縮し、6MのHCl水溶液でゆっくり酸性にする。混合物を氷浴で冷却し、フィルターケークを冷却水で洗浄し、乾燥させて副題化合物を得る。
収量:11.6g(78%)。R
f=0.1(シリカゲル,DCM:EtOH 9:1)。MS m/z:248[M+H]
+。
(b)3-アミノ-2,4-ジクロロ-安息香酸
3-アセチルアミノ-2,4-ジクロロ-安息香酸(21.0g,84.6mmol)を6MのHCl水溶液(120mL)及びAcOH(250mL)中還流下で24時間撹拌する。反応混合物を冷却し、濃縮し、水で希釈して再び濃縮する。残渣を水で希釈し、冷却しながら撹拌し、ろ過する。フィルターケークを洗浄し、乾燥させて副題化合物を得る。
収量:16.8g(96%)。MS m/z:204[M-H]
-。HPLC-方法C:R
t=1.46分。
(c)3-アミノ-2,4-ジクロロ-ベンズアミド
(1-クロロ-2-メチル-プロペニル)-ジメチル-アミン(16.1mL,116mmol)をTHF(320mL)中の3-アミノ-2,4-ジクロロ-安息香酸(20.0g,97.1mmol)に加える。室温で4時間後、混合物を濃NH
3(320mL)に滴加し、室温で一晩撹拌する。反応混合物を濃縮し、冷却し、ろ過する。フィルターケークを乾燥させて副題化合物を得る。
収量:17.4g(87%)。MS m/z:205[M+H]
+。HPLC-方法C:R
t=1.19分。
(d)3-アミノ-2,4-ジクロロ-ベンジルアミン
THF(45mL)中の3-アミノ-2,4-ジクロロ-ベンズアミド(2.00g,9.8mmol)をTHF(45mL)中のLiAlH
4(THF中1M,24.4mL)に滴加する。反応混合物を室温で1時間及び還流下で10時間撹拌する。L.F.Fieser & M. Fieser Vol 1, p 584 Wiley 1967に記載されているように冷却しながら過剰のLiAlH
4を破壊する。30分後、混合物をろ過し、ろ液を濃縮して副題化合物を得る。
収量:1.85g(99%)。R
f=0.12(シリカゲル,DCM:EtOH 95:5)。MS m/z:191[M+H]
+。
(e)N-(3-アミノ-2,4-ジクロロ-ベンジル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド
3-アミノ-2,4-ジクロロ-ベンジルアミン(2.28g,11.9mmol)を2,2-ジメチル-プロピオン酸クロリド(1.47mL,11.9mmol)とTEA(4.14mL,29.8mmol)のTHF(90mL)中の混合物に加えて、それを3時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、EtOAcで希釈し、5%のNaHCO
3水溶液及び水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過かつ濃縮して副題化合物を得る。
収量:3.1g(94%)。R
f=0.61(シリカゲル,DCM:EtOH 95:5)。
(f)N-(2,4-ジクロロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド
1,1'-チオカルボニルジ-2-ピリドン(4.87g,21mmol)をN-(3-アミノ-2,4-ジクロロ-ベンジル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド(5.50g,20mmol)とジオキサン(200mL)の混合物に加えて室温で2時間撹拌し、かつ8時間還流させる。混合物を濃縮し、DCMで希釈し、シリカゲルでろ過する。ろ液を濃縮して副題化合物を得る。
収量:6.00g(95%)。HPLC-方法B:R
t=1.58分。 MS m/z:318[M+H]
+。
【0093】
構成要素B:
(2,4-ジクロロ-5-フルオロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
【0094】
【化35】
【0095】
(a)2,4-ジクロロ-5-フルオロ-3-ニトロ-ベンズアミド
32%のNH
3水溶液(250mL)を100mLのTHF中の2,4-ジクロロ-5-フルオロ-3-ニトロ-安息香酸クロリド(16.0g,59mmol)に滴下し、それを20分間撹拌する。次に混合物を濃縮し、結果として生じる沈殿物を収集して乾燥させる。
収量:14.6g(98%)。HPLC-方法E:R
t=1.66分。MS m/z:251[M-H]
-。
(b)2,4-ジクロロ-5-フルオロ-3 アミノ-ベンズアミド
2,4-ジクロロ-5-フルオロ-3 ニトロ-ベンズアミド(7.00g,27.7mmol)、Sn(II)Cl
2x2H
2O(28g,124mmol)及びEtOAc(250mL)の混合物を還流下で3時間撹拌してからNaHCO
3飽和水溶液(250mL)を慎重に加える。結果として生じる混合物をセライトのパッドを通してろ過し、有機相を分離し、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させて濃縮する。
収量:6.01g(97%)。HPLC-方法E:R
t=1.19分。
(c)3-アミノ-2,4-ジクロロ-5-フルオロ-ベンジルアミン
THF(175mL)中の2,4-ジクロロ-5-フルオロ-3-アミノ-ベンズアミド(6.00g,26.9mmol)をTHF(175mL)中のLiAlH
4(THF中1M,28.0mL)に滴加する。反応混合物を室温で1時間及び還流下で5時間撹拌する。L.F.Fieser & M. Fieser Vol 1, p 584 Wiley 1967に記載されているように冷却しながら過剰のLiAlH
4を破壊する。30分後、混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、Et
2Oで希釈し、沈殿物を収集する。
収量:2.75g(49%)。HPLC-方法A:R
t=0.66分。
(d)(3-アミノ-2,4-ジクロロ-5-フルオロ-ベンジル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
Boc
2O(3.76g,17.2mmol)、3-アミノ-2,4-ジクロロ-5-フルオロ-ベンジルアミン(3.60g,17.2mmol)及び100mLのTHFの混合物を週末にかけて撹拌し、濃縮する。
収量:5.37g(定量的)。HPLC-方法E:R
t=2.11分。
(e)(2,4-ジクロロ-5-フルオロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
1,1'-チオカルボニルジ-2-ピリドン(4.03g,17.3mmol)を(3-アミノ-2,4-ジクロロ-5-フルオロ-ベンジル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(5.37g,17.3mmol)とジオキサン(100mL)の混合物に加え、混合物を還流下で2日間撹拌する。混合物を濃縮し、CHで希釈し、ろ過し、ろ液をDCMで希釈し、シリカゲルでろ過し、濃縮する。
収量:5.80g(95%)。HPLC-方法A:R
t=1.74分。 MS m/z:351[M+H]
+。
【0096】
実施例1
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2-クロロ-5-[(1-トリフルオロメチル-シクロプロピル-カルボニルアミノ)メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-トリフルオロメチル-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
【0097】
【化36】
【0098】
(a)6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸
4-トリフルオロメチル-ピペリジン(330mg,2.2mmol)、TEA(1.00mL,7.2mmol)、2-(2,2-ジフルオロ-エトキシ)-6-メチルアミノ-5-ニトロ-ニコチン酸(500mg,1.8mmol,WO2010/34799に従って調製)、DMF(5mL)及びMeCN(5mL)の混合物を室温で3時間撹拌する。次にCs
2CO
3(1.5g,4.6mmol)を加え、それを室温で一晩及び70℃で6時間撹拌する。水を加えて混合物を真空中で濃縮する。残渣を水で希釈し、HCOOHを加え、結果として生じる沈殿物をろ過し、水で洗浄し、乾燥させる。
収量:570mg。HPLC R
t=1.97分(方法E)。MS m/z:349[M+H]
+。
(b)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド
6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸(570mg,1.64mmol)、TBTU(540mg,1.68mmol)、TEA(1.00mL,7.2mmol)、THF(10mL)及びDMF(5mL)の混合物を5分間撹拌する。次にtrans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシルアミン(335mg,1.65mmol)を加えてそれを30分間撹拌する。水を加え、混合物を濃縮し、沈殿物をろ過し、水で洗浄し、55℃で乾燥させる。
収量:0.710g(87%)。HPLC R
t=2.32分(方法E)。MS m/z:498[M+H]
+。
(c)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-メチルアミノ-5-アミノ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド(120mg,0.24mmol)、Ra-Ni(30mg)及びTHF(20mL)の混合物を3.4×10
5Pa(50psi)のH
2雰囲気下で4時間撹拌する。混合物をろ過し、ろ液を濃縮する。
収量:0.110g(98%)。HPLC R
t=1.98分(方法E)。MS m/z:468[M+H]
+。
(d)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2-クロロ-5-[(1-トリフルオロメチル-シクロプロピル-カルボニルアミノ)メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-トリフルオロメチル-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-メチルアミノ-5-アミノ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド(110mg,0.24mmol)、N-(4-クロロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-1-トリフルオロメチル-シクロプロピルカルボキサミド(WO2010/100249に従って調製;80mg,0.24mmol)及びMeCN(7.5mL)の混合物を5時間撹拌する。次にDIC(50μl,0,32mmol)を加えてそれを室温で一晩及び60℃で2時間撹拌する。粗製混合物を40%のメチルアミン水溶液で希釈し、ろ過し、濃縮し、分取HPLC(X-ブリッジC18カラム;水(+0.15%アンモニア水)/MeOH 9:1→MeOH)で精製する。
収量:130mg(72%)。HPLC R
t=2.37分(方法E)。MS m/z:768[M+H]
+。
【0099】
実施例2
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
【0100】
【化37】
【0101】
(a)6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸
2-(2,2-ジフルオロ-エトキシ)-6-メチルアミノ-5-ニトロ-ニコチン酸及び4-フルオロ-ピペリジン及びTEA/Cs
2CO
3から、1aと同様に副題化合物を調製する。
HPLC R
t=1.27分(方法B)。MS m/z:299[M+H]
+。
(b)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド
6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸、trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシルアミン、TBTU及びTEAから、1bと同様に副題化合物を調製する。
HPLC R
t=1.46分(方法B)。MS m/z:448[M+H]
+。
(c)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-メチルアミノ-5-アミノ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド(100mg,0.22mmol)、Pd/C(50mg)及びTHF(15mL)の混合物を3.4×10
5Pa(50psi)のH
2雰囲気下で3時間撹拌する。混合物をろ過し、ろ液を濃縮する。HPLC R
t=1.28分(方法B)。MS m/z:418[M+H]
+。
(d)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-メチルアミノ-5-アミノ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド(100mg,0.22mmol)、N-(2,4-ジクロロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド(71mg,0.22mmol)及びDMF(5.0mL)の混合物を一晩撹拌し、EtOAcで希釈し、水で洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、濃縮する。次にDMF(5mL)とDIC(45μl,0,29mmol)を加えてそれを80℃で3時間撹拌する。粗製混合物を濃縮し、EtOAcで希釈し、水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する(シリカ;DCM→DCM+4%EtOH)。
収量:70mg(45%)。R
f=0.3(DCM/EtOH 95:5)。MS m/z:700[M+H]
+。
【0102】
実施例3
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
【0103】
【化38】
【0104】
(a)2-(2,2-ジフルオロ-エトキシ)-6-アミノ-5-ニトロ-ニコチン酸
メチル-2-(2,2-ジフルオロ-エトキシ)-6-メチルアミノ-5-ニトロ-ニコチナート(9.1g,32mmol,WO2010/34799に従って調製)、THF(100mL)、水(60mL)及び1NのNaOH水溶液(60mL)の混合物を室温で3時間撹拌してから混合物を真空中で濃縮する。水相をEt
2Oで洗浄し、60mLの1N HCl溶液を加え、結果として生じる沈殿物を収集して乾燥させる。
収量:7.2g。HPLC R
t=1.39分(方法E)。
(b)6-アミノ-5-ニトロ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸
2-(2,2-ジフルオロ-エトキシ)-6-アミノ-5-ニトロ-ニコチン酸及び4-フルオロ-ピペリジン及びTEA/Cs
2CO
3から、1aと同様に副題化合物を調製する。
HPLC R
t=1.17分(方法B)。MS m/z:284[M+H]
+。
(c)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-アミノ-5-ニトロ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド
6-アミノ-5-ニトロ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸、trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシルアミン、TBTU及びTEAから、1bと同様に副題化合物を調製する。
R
f=0.43(DCM/EtOH 95:5)。MS m/z:434[M+H]
+。
(d)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)- 5,6-ジアミノ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-アミノ-5-ニトロ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド、Pd/C(50mg)及びTHF(15mL)から、3.4×10
5Pa(50psi)のH
2雰囲気下で2cと同様に副題化合物を調製する。
HPLC R
t=1.21分(方法B)。MS m/z:404[M+H]
+。
(e)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-5,6-ジアミノ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド、N-(2,4-ジクロロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド及びDICから、2dと同様に副題化合物を調製する。
R
f=0.22(DCM/EtOH 95:5)。HPLC R
t=1.48分(方法B)。MS m/z:686[M+H]
+。
【0105】
実施例14
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-5-フルオロ-3-[(tert.ブトキシカルボニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
【0106】
【化39】
【0107】
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-5,6-ジアミノ-2-(4-フルオロ-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド、(2,4-ジクロロ-5-フルオロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル及びDICから2dと同様に副題化合物を調製する。生成物を分取HPLC(C-18ステイブル・ボンド,溶出勾配:水(+0.15%HCOOH)/MeOH 9:1→MeOH)で精製する。
HPLC R
t=2.35分(方法C)。MS m/z:720[M+H]
+。
【0108】
実施例15
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-5-フルオロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
【0109】
【化40】
【0110】
(a) N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-5-フルオロ-3-(アミノメチル)-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-5-フルオロ-3-[(tert.ブトキシカルボニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド(180mg,0.250mmol)、ジオキサン中4NのHCl(5.0mL)及びジオキサン(10mL)の混合物を一晩撹拌し、濃縮し、水に溶かし、ろ過し、NH
3水溶液で塩基性にし、DCMで抽出する。有機相をMgSO
4で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。HPLC R
t=1.40分(方法A)。MS m/z:620[M+H]
+。
(b) N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-5-フルオロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-5-フルオロ-3-(アミノメチル)-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド(130mg,0.210mmol)、塩化ピバロイル(26μL,0.21mmol)、TEA(75mg,0.74mmol)及び5mLのTHFの混合物を20分間撹拌し、MeOHで希釈する。粗生成物を分取HPLC(C-18ステイブル・ボンド,溶出勾配:水(+0.15%HCOOH)/MeOH 9:1→MeOH)で精製する。
HPLC R
t=1.55分(方法A)。MS m/z:704[M+H]
+。
【0111】
実施例24
N-(4-トリフルオロメトキシフェニル)-2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-トリフルオロメチル-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
【0112】
【化41】
【0113】
(a)6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸エチルエステル
6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸(8.50g,23.2mmol)、SOCl
2(6.23mL,85mmol)、3滴のDMF及び200mLのDCMの混合物を還流下で50分間撹拌する。混合物を濃縮し、80mLのTHFで希釈し、100mLのEtOHに5〜10℃でゆっくり加えてそれを一晩撹拌する。TEAを加えて混合物を濃縮し、DCMで希釈し、水で洗浄する。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濃縮し、Et
2Oと摩砕し、副題化合物をわずかに黄色の油として単離する。
HPLC R
t=1.66分(方法D)。MS m/z:377[M+H]
+。
(b)6-メチルアミノ-5-アミノ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸エチルエステル
6-メチルアミノ-5-ニトロ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸エチルエステル(6.0g,15.9mmol)、Pd/C(800mg)及びEtOH(100mL)の混合物を4.1×10
5Pa(60psi)のH
2雰囲気下で6時間撹拌する。混合物をろ過し、ろ液を濃縮する。HPLC R
t=1.13分(方法A)。MS m/z:347[M+H]
+。
(c)2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-トリフルオロメチル-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボン酸エチルエステル
6-メチルアミノ-5-アミノ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸エチルエステル(2.80g,7.92mmol)、N-(2,4-ジクロロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド(2.76g,8.72mmol)及びMeCN(60mL)の混合物を一晩撹拌し、濃縮し、MeCN及びEt
2Oと摩砕する。結果として生じる固体を60mLのMeCNで希釈し、DIC(1.06mL,6.8mmol)を加えてそれを60℃で3時間撹拌する。粗製混合物を濃縮し、EtOAcで希釈し、水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ;PE:EtOAc 3:1→1:1)で精製する。収量:4.04g。HPLC R
t=1.56分(方法D)。MS m/z:629[M+H]
+。
(d)2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-トリフルオロメチル-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボン酸
2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-トリフルオロメチル-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボン酸エチルエステル(3.85g,6.1mmol)、2N NaOH(12mL,24mmol)及び60mLのEtOHの混合物を55℃で4.5時間及び室温で一晩撹拌する。次に混合物を150mLの水中に注ぎ、混合物をKHSO
4水溶液で酸性にしてpHを約5.5にして混合物を濃縮する。結果として生じる沈殿物をろ過で収集して乾燥させる。収量:1.44g。HPLC R
t=1.47分(方法D)。MS m/z:599[M+H]
+。
(e) N-(4-トリフルオロメトキシフェニル)-2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-トリフルオロメチル-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-トリフルオロメチル-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボン酸(54mg,0.090mmol)、(1-クロロ-2-メチル-プロペニル)-ジメチルアミン(0.026mL,0.20mmol)及びDCM(2mL)の混合物を30分間撹拌する。この混合物をMeCN(1mL)中の4-トリフルオロメトキシアニリン(0.100mmol)及びピリジン(25μL,0.32mmol)に加えてそれを40℃で2時間及び60℃で一晩撹拌する。混合物を濃縮し、残渣をDMF/水(19/1)(2mL)で希釈し、逆相HPLCで精製する。収量:18mg。HPLC R
t=0.645分(方法G)。MS m/z:760[M+H]
+。
【0114】
実施例25
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[モルフォリニル]-3-(2,2-トリフルオロエチル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
【0115】
【化42】
【0116】
(a)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-(2,2-ジフルオロエチルアミノ)-5-ニトロ-2-(2,2-ジフルオロエトキシ)-ニコチン酸アミド
2,2-ジフルオロエチルアミン(0.18mL,2.53mmol)をN-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-クロロ-5-ニトロ-2-(2,2-ジフルオロエトキシ)-ニコチン酸アミド(WO2010/34799に従って調製;1.00g,2.3mmol)と10mLのTHFの混合物に0℃でゆっくり添加し、2mLのMeOHを加えてそれを20時間撹拌する。混合物を濃縮し、固体残渣を水で洗浄し、乾燥させる。収量:0.96g。
(b)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-(2,2-ジフルオロエチルアミノ)-5-ニトロ-2-(モルフォリニル)-ニコチン酸アミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-(2,2-ジフルオロエチルアミノ)-5-ニトロ-2-(2,2-ジフルオロエトキシ)-ニコチン酸アミド(0.40g,0.83mmol)、モルフォリン(87mg,1.0mmol)、K
2CO
3(170mg,1.24mmol)及び2.5mLのDMSOの混合物をマイクロ波装置で100℃にて30分間照射する。混合物を水中に注ぎ、沈殿物をろ過で収集して乾燥させる。収量:0.34g。
(c)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[モルフォリニル]-3-(2,2-トリフルオロエチル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-(2,2-ジフルオロエチルアミノ)-5-ニトロ-2-(モルフォリニル)-ニコチン酸アミド(0.34g,0.7mmol)、Ra-Ni(0.1g)及びTHF(5mL)の混合物を3.4×10
5Pa(50psi)のH
2雰囲気下で3時間撹拌する。混合物をろ過し、ろ液を濃縮する。収量:定量的。
(d)N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-フルオロ-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-(2,2-ジフルオロエチルアミノ)-5-アミノ-2-(モルフォリニル)-ニコチン酸アミド(0.34g,0.75mmol)、N-(2,4-ジクロロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド(0.27g,0.86mmol)及びDIC(0.14mL)から、2dと同様に副題化合物を調製する。生成物を分取HPLCで精製する。MS m/z:734[M+H]
+。収量:5mg。
【0117】
実施例30
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-2-{2,6-ジクロロ-3-[(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-フェニルアミノ}-5-[4-トリフルオロメチル-ピペリジニル]-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボキサミド
【0118】
【化43】
【0119】
N-(trans-4-トリフルオロメチル-シクロヘキシル)-6-メチルアミノ-5-アミノ-2-(4-トリフルオロメチル-ピペリジニル)-ニコチン酸アミド(化合物1c;130mg,0.27mmol)、N-(2,4-ジクロロ-3-イソチオシアナト-ベンジル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド(98mg,0.31mmol)及びDMF(3mL)の混合物を3日間撹拌する。次にDIC(57μl,0,32mmol)を加えてそれを1日間撹拌する。粗製混合物を水中に注ぎ、沈殿物をろ過で収集し、分取HPLCで精製する。収量:90mg。融点:185〜186℃。MS m/z:750[M+H]
+。
表Iの下記中間体は、表IIの対応実施例の前駆体である(例えば化合物17cは実施例17の前駆体である)。これらの中間体は、上記手順と同様の反応順序で調製される(例えば化合物17cは、2a、2b及び2cに記載の手順に従って、17aから調製される17bから調製される)。
【0120】
表I 中間体(指示手順と同様に調製)
【0121】
表IIの下記実施例は、上記方法と同様に調製される。
【0122】
表II 実施例