特許第5786151号(P5786151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5786151
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】試料容器保持装置
(51)【国際特許分類】
   B01L 9/06 20060101AFI20150910BHJP
   G01N 1/28 20060101ALI20150910BHJP
   B01D 3/00 20060101ALN20150910BHJP
【FI】
   B01L9/06
   G01N1/28 Z
   !B01D3/00 C
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-264964(P2010-264964)
(22)【出願日】2010年11月29日
(65)【公開番号】特開2012-115716(P2012-115716A)
(43)【公開日】2012年6月21日
【審査請求日】2013年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】591245543
【氏名又は名称】東京理化器械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 義記
【審査官】 岡谷 祐哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−319031(JP,A)
【文献】 特表2001−503718(JP,A)
【文献】 実開昭61−115113(JP,U)
【文献】 特開2010−230628(JP,A)
【文献】 特開平06−023203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01B 1/00− 1/08
B01D 1/00− 8/00
B01L 1/00−99/00
F16J 15/00−15/56
G01N 1/00− 1/34
Thomson Innovation
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を投入した試料容器を振盪させながら前記試料容器内を真空排気系に接続して試料容器内のガスを吸引排気する理化学機器の試料容器保持部に前記試料容器を保持するための試料容器保持装置において、前記試料容器の口部端面にパッキンを介して気密に取り付けられるノズル部材と、前記試料容器の口部外周面に取り付けられるコレット部材と、該コレット部材の外周面に形成した雄ねじに螺合する雌ねじを有する締付部材とを備え、前記ノズル部材は、前記試料容器の口部に前記パッキンを介して取り付けられて前記口部端面を閉塞する大径部と、該大径部の上部に大径段部を介して連設した中径部と、該中径部の上部に中径段部を介して連設した小径部と、該小径部の上部から突出して内部に試料容器の内外に連通する排気孔を備えた真空チューブ連結部とを有し、前記パッキンは、中央に前記排気孔より大きな内径の通孔を有し、試料容器の口部外径以上の外径を有する平板状に形成され、前記コレット部材は、前記ノズル部材の大径部が挿通可能な内径を有する円筒部と、該円筒部の基部内周から突設して前記大径段部に係合するリング状の突状部と、前記円筒部の先端から前記試料容器の底部に向けて突設した複数のコレット部と、前記円筒部の外周面に形成された前記雄ねじとを有し、前記締付部材は、前記雌ねじを設けた筒状部と、該筒状部の先端から前記試料容器の底部に向けて突出して前記コレット部を締め付けるための締付部と、該筒状部の基端内周から突設して前記中径段部に係合するリング状の突状部とを有し、前記試料容器保持部には、前記コレット部材及び前記締付部材を挿通可能な内径を有する上下方向の通孔の下部内周に、前記試料容器の口部を挿通可能な内径を有し、上面に前記コレット部材の先端を載置する周状支持突片が突設されていることを特徴とする試料容器保持装置。
【請求項2】
前記締付部材のリング状の突状部から上方に突出した前記ノズル部材の小径部に形成した抜け止めリング装着溝に、前記コレット部材の前記雄ねじに前記締付部材の雌ねじを螺合させた前記締付部材の緩みを防止させるための抜け止めリングが着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項1記載の試料容器保持装置。
【請求項3】
前記試料容器は、該試料容器の口部外周に筒状スペーサを装着した状態で前記コレット部材に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の試料容器保持装置。
【請求項4】
前記筒状スペーサは、前記試料容器の口部を挿通可能な内径を有し、軸線方向のスリットを有する割カラーの軸方向両端部外周に突設するとともに前記スリットに対向する位置に径方向の切欠きを有するフランジ部を備えていることを特徴とする請求項3記載の試料容器保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体試料を投入した試験管を振盪しながら減圧し、試料中の蒸発成分を蒸発させて排出することによって試験管内に液体成分を濃縮する試験管エバポレータなどの理化学機器に試料容器を保持するために用いる試料容器保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
試験管エバポレータは、液体試料を入れた試験管を振盪機構で振盪させながら、また、必要に応じて加熱しながら、試験管内のガスを減圧機構の真空ポンプなどによって吸引して排出することにより、液体試料中の蒸発成分を蒸発させて液体成分を濃縮するものであって、このような試験管エバポレータとして、旋回機構により旋回する試験管ラックに垂直状態に試験管を保持させると共に、試験管の口部に減圧機構に接続する排気孔を備えたシーリングプラグを装着し、減圧機構の真空ポンプと前記旋回機構とを作動させて試験管を旋回させながら試験管内を減圧状態にして試料中の液体成分を濃縮するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−23203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のものでは、試験管の口部に装着するシーリングプラグを、各種試験管の口径に応じて数種類を用意しておかなければならず、さらに、精度も求められることから、製造や管理に要するコストが嵩んでいた。
【0005】
そこで本発明は、口径の異なる試験管などの試料容器の口部に確実に装着することができ、減圧機構への接続も確実に行うことができる試料容器保持装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の試料容器保持装置は、試料を投入した試料容器を振盪させながら前記試料容器内を真空排気系に接続して試料容器内のガスを吸引排気する理化学機器の試料容器保持部に前記試料容器を保持するための試料容器保持装置において、前記試料容器の口部端面にパッキンを介して気密に取り付けられるノズル部材と、前記試料容器の口部外周面に取り付けられるコレット部材と、該コレット部材の外周面に形成した雄ねじに螺合する雌ねじを有する締付部材とを備え、前記ノズル部材は、前記試料容器の口部に前記パッキンを介して取り付けられて前記口部端面を閉塞する大径部と、該大径部の上部に大径段部を介して連設した中径部と、該中径部の上部に中径段部を介して連設した小径部と、該小径部の上部から突出して内部に試料容器の内外に連通する排気孔を備えた真空チューブ連結部とを有し、前記パッキンは、中央に前記排気孔より大きな内径の通孔を有し、試料容器の口部外径以上の外径を有する平板状に形成され、前記コレット部材は、前記ノズル部材の大径部が挿通可能な内径を有する円筒部と、該円筒部の基部内周から突設して前記大径段部に係合するリング状の突状部と、前記円筒部の先端から前記試料容器の底部に向けて突設した複数のコレット部と、前記円筒部の外周面に形成された前記雄ねじとを有し、前記締付部材は、前記雌ねじを設けた筒状部と、該筒状部の先端から前記試料容器の底部に向けて突出して前記コレット部を締め付けるための締付部と、該筒状部の基端内周から突設して前記中径段部に係合するリング状の突状部とを有し、前記試料容器保持部には、前記コレット部材及び前記締付部材を挿通可能な内径を有する上下方向の通孔の下部内周に、前記試料容器の口部を挿通可能な内径を有し、上面に前記コレット部材の先端を載置する周状支持突片が突設されていることを特徴としている。
【0007】
さらに、本発明の試料容器保持装置は、前記締付部材のリング状の突状部から上方に突出した前記ノズル部材の小径部に形成した抜け止めリング装着溝に、前記コレット部材の前記雄ねじに前記締付部材の雌ねじを螺合させた前記締付部材の緩みを防止させるための抜け止めリングが着脱可能に装着されていることを特徴としている。また、前記試料容器は、該試料容器の口部外周に筒状スペーサを装着した状態で前記コレット部材に取り付けられることを特徴とし、特に、前記筒状スペーサは、前記試料容器の口部を挿通可能な内径を有し、軸線方向のスリットを有する割カラーの軸方向両端部外周に突設するとともに前記スリットに対向する位置に径方向の切欠きを有するフランジ部を備えていることを特徴 としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の試料容器保持装置によれば、試料容器の口部端面にパッキンを介してノズル部材を取り付け、ノズル部材の上にコレット部材を被せた状態で締付部材をコレット部材にねじ込んでいくことにより、締付部材の先端がコレット部を締め付けて試料容器の口部に、ノズル部材、コレット部材及び締付部材を確実に装着することができ、試料容器保持部の周状支持突片の内周に試料容器の口部を挿通し、周状支持突片の上面に締付部材を載置することにより、ノズル部材などを装着した試料容器を試料容器保持部に容易に保持させることができる。また、筒状スペーサを用いることで口部の口径が異なる試料容器にも対応することができる。特に、締付部材を締め付けてコレット部材のコレット部を試料容器の口部外周に向けて縮径させることにより、コレット部材で試料容器を保持した状態とするので、口部外周の外径が多少異なっていても、締付部材の締付量にて対応することができ、口部における気密性は、口部端面に平板状のパッキンを当接させて確保するので、口部の内径や外径が多少異なっていても対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の試料容器保持装置の第1形態例を示す要部断面図である。
図2図1のII-II断面図である。
図3】同じく試験管を試験管ラックに保持させた状態の要部断面図である。
図4】同じく試験管エバポレータの斜視図である。
図5】本発明の試料容器保持装置の第2形態例を示す要部断面図である。
図6図5のVI−VI断面図である。
図7】同じく筒状スペーサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図4は、試験管エバポレータに試験管を保持するための本発明の試料容器保持装置の第1形態例を示している。まず、試験管エバポレータ11は、基台12上に設けられた円筒状の恒温槽13と、恒温槽13の上部開口を閉塞すると共に、複数の試験管14を保持して試験管14を恒温槽13内に配置させる円板状の試験管ラック15と、該試験管ラック15を振盪させる振盪機構16と、各試験管14の口部に取り付けられるジョイント部材17と、該ジョイント部材17に連結される真空チューブ18と、該真空チューブ18を介して試験管14内を減圧する減圧機構19と、恒温槽13の上部を開閉可能に覆うフード20とを備えている。
【0011】
ジョイント部材17は、ノズル部材21と、コレット部材22と、締付部材23とから構成されるもので、ノズル部材21は、試験管14の口部外径と同一乃至僅かに大きな外径を有し、パッキン24を介して試験管14の口部端面14aを閉塞する閉塞部21aと、該閉塞部21aの上部に突設される連結管21bと、ノズル部材21内を軸線方向に貫通して試験管14の内外に連通する排気孔21cとを備えている。閉塞部21aは、パッキン24を介して試験管14の口部端面14aを閉塞する大径部21dと、該大径部21dの上部に順次連設される中径部21eと小径部21fとを備え、大径部21dと中径部21eとの間に大径段部21gが、中径部21eと小径部21fとの間に中径段部21hがそれぞれ形成されている。また、閉塞部21aにおける大径部21dの試験管側端面には、中心部に開口した前記排気孔21cの外周に、前記パッキン24を装着するためのパッキン装着部21iが形成されている。パッキン24は、中央に前記排気孔21cの外周の凸部に嵌着する嵌着孔24aを有するとともに、大径部21dの外径と同一の外径を有する平板状に形成されている。
【0012】
コレット部材22は、パッキン24を装着した大径部21dを挿通可能な内径を有する円筒部22aと、該円筒部22aの基部(試験管口部側)内周から突設し、前記中径部21eが挿通可能で、前記大径段部21gに係合可能な内径を有するリング状の突状部22bと、円筒部22aの先端から前記試験管14の底部に向けて突設し、試験管14の口部14bの外周を抱持する状態に設けられた4つのコレット部22cと、円筒部22aの外周面に形成された雄ねじ22dとを備えている。4つのコレット部22cは、周方向に間隔を開けて等間隔に設けられ、内面には、試験管14の外径寸法よりも僅かに大きな内径寸法を有する円弧面が形成され、外面には、雄ねじ22d側から先端側(試験管底部側)に向かって漸次大径となる円錐面22eが設けられ、コレット部22cの最大外径は、締付部材23の外径寸法と略同一の外径寸法に形成されている。
【0013】
締付部材23は、コレット部材22の雄ねじ22dに螺合する雌ねじ23aを内周に形成した筒状部23bと、筒状部23bの先端(試験管側)から試験管14の底部に向けて突出し、コレット部22cの円錐面22eに当接してコレット部22cを締め付けるための締付部23cと、筒状部23bの基端内周から突設し、小径部21fを挿通可能で、中径段部21cに係合可能な内径を有するリング状の突状部23dとを備えている。
【0014】
小径部21fの外周には、締付部材23をコレット部22cの締付位置に保持するためのストップリング(抜け止めリング)25を着脱可能に装着するストップリング装着溝25aが設けられており、締付部材23の軸方向の長さ及び突状部23dの厚みは、締付部23cでコレット部22cを試験管14の口部14bの外周に圧接させたときに、ストップリング25をストップリング装着溝(抜け止めリング装着溝)25aに装着可能な寸法に設定されている。
【0015】
振盪機構16は、モータによって駆動される振盪軸16aで試験管ラック15を振盪させるものであって、試験管ラック15は、ベアリング部材を介して恒温槽13の上部に振盪可能に配置されている。試験管ラック15には、複数の試料容器保持部である試験管保持孔15aが周方向に等間隔で設けられている。各試験管保持孔15aは、ジョイント部材17のコレット部材22及び締付部材23を挿通可能な内径を有する上下方向の通孔15bと、該通孔15bの下部内周からリング状に突出し、試験管14の口部14bを挿通可能な内径を有するとともに、上面にコレット部材22の先端を載置可能な周状支持突片15cとを有している。
【0016】
このように形成された試験管エバポレータ11を使用する際には、まず、パッキン装着部21iにパッキン24を装着した状態のノズル部材21を、連結管21b側からコレット部材22の円筒部22a内に挿通し、さらに、中径部21eをコレット部材22の突状部22b内に挿通して大径段部21gに突状部22bを係合させる。次に、試料を投入した試験管14の口部14bをコレット部材22のコレット部22c内に挿入し、口部端面14aをパッキン24に当接させる。そして、コレット部材22に締付部材23を被せるようにして締付部材23の雌ねじ23aをコレット部材22の雄ねじ22dに螺合させ、締付部材23を試験管14の方向に押圧しながら締め付けていく。これにより、締付部23cがコレット部22cの円錐面22eを押圧し、コレット部22cが縮径してコレット部22cの内面で試験管14の口部14bの外周面を抱持した状態になり、口部端面14aがパッキン24に密着した状態で試験管14がジョイント部材17に保持された状態となる。突状部23dが中径段部21hに当接するまで締付部材23を締め付けた後、ストップリング装着溝25aにストップリング25を装着して締付部材23が弛むことを防止する。
【0017】
ジョイント部材17を取り付けた試験管14は、試験管ラック15の試験管保持孔15aに挿入され、コレット部材22の先端が周状支持突片15cの上面に載置されると共に、締付部材23が通孔15b内に嵌入した状態になって複数の試験管14が試験管ラック15に保持される。さらに、減圧機構19からの真空チューブ18をノズル部材21の上方に突出した連結管21bに接続し、試験管14内を排気孔21c及び真空チューブ18を介して減圧機構19に連通させる。これにより、試験管エバポレータ11を作動させて試験管14を恒温槽13で一定温度に保ちながら振盪させ、減圧機構19にて試験管14内のガス(低沸点成分)を吸引して排気することにより、試験管14内に試料中の液体成分(高沸点成分)を濃縮することができる。終了後は、試験管ラック15から取り外して締付部材23を緩めることにより、試験管14を取り外すことができる。
【0018】
このように、ジョイント部材17は、試験管14に被せたコレット部材22に締付部材23を螺合させるだけで試験管14の口部14bを簡単に把持することができると共に、真空チューブ18と試験管14内とを排気孔21cを介して連通させた状態で試験管14の口部端面14aをパッキン24によって確実に閉塞することができる。さらに、ジョイント部材17を装着した試験管14は、試験管ラック15に設けた試験管保持孔15aに上方から挿入するだけで試験管ラック15に保持させることができ、さらに、真空チューブ18も簡単に試験管14に連結させることができることから、試料を収容した試験管14を簡単な手順で試験エバポレータ11にセットすることができる。
【0019】
図5乃至図7は、本発明の第2形態例を示すもので、第1形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号をそれぞれ付して、その詳細な説明は省略する。本形態例は、コレット部材22の内径よりも小さな外径を有する試験管31を、第1形態例と同じジョイント部材17で保持する例を示している。
【0020】
小径の試験管31は、筒状スペーサ32を介してコレット部材22に保持される。筒状スペーサ32は、試験管31の口部31aを挿通可能な内径を有し、軸線方向のスリット32aを有する割カラーからなるもので、筒状スペーサ32の軸方向両端部外周には、コレット部材22の内径寸法よりも僅かに小さな外径を有するフランジ部32b,32bがそれぞれ設けられると共に、該フランジ部32b,32bにおける前記スリット32aに対向する位置には、切欠き32c,32cがそれぞれ形成されている。
【0021】
このような筒状スペーサ32を、試料を投入した小径の試験管31の口部31aの外周にあらかじめ装着しておくことにより、前記第1形態例と同様の手順で小径の試験管31をジョイント部材17で保持することができる。すなわち、パッキン24を装着したノズル部材21をコレット部材22の円筒部22a内に挿通し、中径部21eをコレット部材22の突状部22b内に挿通して大径段部21gに突状部22bを係合させた後、筒状スペーサ32を装着した試験管31の口部31aをコレット部22c内に挿入し、口部31aの端面をパッキン24に当接させる。そして、締付部材23をコレット部材22にねじ込んでいくことにより、コレット部22cを縮径させてコレット部22cの内面でフランジ部32b,32bを押圧し、スリット32aの間隔を狭めるようにして筒状スペーサ32を試験管31の外周面に押圧し、筒状スペーサ32を介してコレット部材22で試験管31を保持した状態とする。試験管31の口部31aの端面は、平板状に形成されたパッキン24の内周側に密着して気密性が確保される。
【0022】
このように、小径の試験管31の外径に対応した内径を有する筒状スペーサ32を用いることにより、ジョイント部材17や試験管ラック15を変更することなく、小径の試験管31を用いて試料の濃縮を行うことができ、各種試験管の口径に対応したシーリングプラグを用いる場合に比べて、濃縮操作に要するコストを大幅に低減することができる。また、ノズル部材21の排気孔21cの外周に平板状に形成したパッキン24を設けているので、一つのパッキン24で口径が異なる試験管の口部端面を確実に密着させることができ、十分な気密性を確保することができる。
【0023】
なお、本発明は、上述の各形態例に限るものはなく、口部が円筒状の各種試料容器にも適用可能であり、ジョイント部材や試料容器保持部は、試料容器の口部の口径などの条件に対応させて形成することができ、試験管エバポレータ以外の理化学機器にも適用可能である。
【符号の説明】
【0024】
11…試験管エバポレータ、12…基台、13…恒温槽、14…試験管、14a…口部端面、14b…口部、15…試験管ラック、15a…試験管保持孔、15b…通孔、15c…周状支持突片、16…振盪機構、16a…振盪軸、17…ジョイント部材、18…真空チューブ、19…減圧機構、20…フード、21…ノズル部材、21a…閉塞部、21b…連結管、21c…排気孔、21d…大径部、21e…中径部、21f…小径部、21g…大径段部、21h…中径段部、21i…パッキン装着部、22…コレット部材、22a…円筒部、22b…突状部、22c…コレット部、22d…雄ねじ、22e…円錐面、23…締付部材、23a…雌ねじ、23b…筒状部、23c…締付部、23d…突状部、24…パッキン、24a…嵌着孔、25…ストップリング、26…ベアリング部材、31…試験管、31a…口部、32…筒状スペーサ、32a…スリット、32b…フランジ部、32c…切欠き
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7