(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る発電システムの実施の形態を詳細に説明する。ただし、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、外部から加えられた力を発電手段を介して電気に変換する発電システムに関するものである。
【0015】
ここで、「外部から加えられた力」とは、例えば、人力、水力、風力等を含む概念であるが、実施の形態では、人力(すなわちユーザから加えられた力)として説明する。
【0016】
また、「発電手段」とは、外部から加えられた力を電気に変換するものであり、例えば、ダイナモ等を含む概念である。
【0017】
なお、実施の形態に係る発電システムの適用対象は任意であるが、以下では、手動式の発電装置に用いることで、ユーザから加えられた力を利用して発電を行う形態を例として説明を行う。
【0018】
(実施の形態の具体的内容)
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0019】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、操作手段を横回しにより操作可能となるように配置した形態である。
【0020】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る発電システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る発電システムの概要を示す斜視図である。
図2は、発電システムの内部構造を示す斜視図である。
図3は、後述する発電機構の構造の詳細を示す側面図である。なお、以下の説明では、
図1のX方向を左右方向(+X方向を左方向、−X方向を右方向)、Y方向を上下方向(+Y方向を上方向、−Y方向を下方向)、Z方向を前後方向(+Z方向を前方向、−Z方向を後方向)と称する。また、
図3では、後述する収容部40を想像線で示す。発電システム1は、ユーザから印加された外力を利用して発電を行うためのシステムである。
図1、
図2に示すように、この発電システム1は、筐体10と、操作部20と、発電機構30と、フライホイール80とを備えている。
【0021】
(構成−筐体)
筐体10は、操作部20の一部(具体的には、後述する操作部20のシャフト23の一部)と、発電機構30と、フライホイール80とを保護する保護手段である。この筐体10は、例えばプラスチック等の樹脂材にて形成された略箱状体であり、前面壁と、後面壁と、上面壁と、下面壁と、左面壁と、右面壁とを備えている(なお、後述する収容部40の構成、後述する収容部61の構成についても同様とする)。そして、筐体10は、当該筐体10の下面壁が設置面Wと当接するように配置されている。ここで、この筐体10の形成方法は任意であるが、例えば、後面壁と、上面壁と、下面壁と、左面壁と、右面壁とは一体成型により形成されており、前面壁はこれら一体成型されたものから着脱自在に形成される方法が該当する(なお、後述する収容部40の形成方法、及び後述する収容部61の形成方法についても同様とする)。
【0022】
また、この筐体10には、挿通孔(図示省略)が形成されている。挿通孔は、後述する操作部20のシャフト23を筐体10の内部に収容された発電機構30に向けて挿通するための貫通孔であり、筐体10の上面壁に配置されている。
【0023】
(構成−操作部)
操作部20は、ユーザから加えられた力によって自己が回転移動することにより、当該力を所定の回転方向の回転力に変換する操作手段である。この操作部20は、例えばプラスチック等の樹脂材にて形成されており、把持部21と、回転体22と、シャフト23とを備えている。
【0024】
(構成−操作部−把持部)
把持部21は、ユーザから加えられた力を受けるためのものである。この把持部21は、略円柱状体にて形成されており、当該把持部21の底面部分の1つが回転体22における筐体10側とは反対側の側面と当接するように配置され、当該側面に対して固定具等によって固定されている。
【0025】
(構成−操作部−回転体)
回転体22は、把持部21から伝達された力を回転力に変換する変換手段である。この回転体22は、略円板状体にて形成されており、ユーザが操作部20を横回しにより操作することが可能となるように、筐体10の上面壁と対向するように配置されている。ここで、「横回し」とは、操作部20を水平方向に沿って回転させることを意味する。
【0026】
また、回転体22には、おもり(図示省略)が設けられている。おもりは、回転体22の回転を安定させるためのものである。このおもりは、例えば鋼材やゴム材等で形成された柱状体にて形成されており、回転体22の側面上に配置され、固定具や接着剤等にて固定されている。
【0027】
(構成−操作部−シャフト)
シャフト23は、回転体22から伝達された回転力を発電機構30に対して伝達するためのものである。このシャフト23は、略細長状の棒状体にて形成されており、当該シャフト23の一部が筐体10の上面壁に形成された挿通孔(図示省略)を介して当該筐体10の内部に収容されるように配置され、筐体10に対して回転可能な固定具等(例えば、ボールベアリング等)によって固定されている。また、回転体22とシャフト23との接続については、具体的には、溶接やネジ等の公知の手段で接続されている。
【0028】
(構成−発電機構)
発電機構30は、操作部20から伝達された回転力を電気に変換するための機構であり、収容部40と、伝達部50と、発電部60と、シャフト70とを備えている。
【0029】
(構成−発電機構−収容部)
収容部40は、操作部20のシャフト23の一部と、伝達部50と、発電部60と、シャフト70の一部とを収容する収容手段である。この収容部40には、挿通孔41、42が形成されている。挿通孔41は、操作部20のシャフト23の一部を収容部40の内部に収容された伝達部50に向けて挿通するための貫通孔であり、収容部40の上面壁に配置されている。挿通孔42は、シャフト70の一部を収容部40の内部に収容された伝達部50に向けて挿通するための貫通孔であり、収容部40の下面壁に配置されている。
【0030】
(構成−発電機構−伝達部)
伝達部50は、操作部20から伝達された回転力を発電部60に対して伝達するための伝達手段であり、第1ギア系統50aと、第2ギア系統50bと、第3ギア系統50cとを備えている。
【0031】
(構成−発電機構−伝達部−第1ギア系統)
第1ギア系統50aは、操作部20のシャフト23を介して伝達された回転力を第3ギア系統50cに伝達するための系統である。この第1ギア系統50aは、第1ギア51と、第1ラチェットギア52と、第1シャフト53とを備えている。
【0032】
ここで、第1ギア51は、例えば公知の平歯車を用いて構成されている(なお、後述する第3ギア系統50cの第2ギア55、第3ギア56、及び第4ギア57の構成についても同様とする)。また、第1ラチェットギア52は、例えば、回転方向を一方向に制限できる公知のラチェットギアを用いて構成されている(なお、第2ギア系統50bの第2ラチェットギア54の構成についても同様とする)。
【0033】
また、これら第1ギア51、第1ラチェットギア52、及び第1シャフト53の設置については、以下に示す通りとなる。なお、これらギアは、特記する場合を除いて、横回りとなるように設置される(なお、後述する第2ギア系統50bの各種ギアの設置、及び後述する第3ギア系統50cの各種ギアの設置についても同様とする)。ここで、これらギアが横回りする場合における「時計回り方向」とは、−Y方向から見て時計回りの回転方向を意味する(なお、後述する第2ギア系統50bの各種ギアの回転方向、及び後述する第3ギア系統50cの各種ギアの回転方向についても同様とする)。また、これらギアが横回りする場合における「反時計回り方向」とは、−Y方向から見て反時計回りの回転方向を意味する(なお、後述する第2ギア系統50bの各種ギアの回転方向、及び後述する第3ギア系統50cの各種ギアの回転方向についても同様とする)。
【0034】
具体的には、第1ギア51は、収容部40の上面壁近傍に配置されており、シャフト23に対して固定具等によって接続されている。また、第1シャフト53は、第1ラチェットギア52と後述する第3ギア系統50cの第3ギア56との相互間に配置されており、第1シャフト53の上端部が収容部40に対して回転可能な固定具等(例えばボールベアリング等)によって接続されている。また、第1ラチェットギア52は、第1ギア51よりも右方側において、当該第1ギア51と当接可能な位置に配置されており、第1シャフト53に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第1ギア系統50aによって伝達される回転力は、第1ラチェットギア52の回転方向の制限によって、一方向の回転力のみに制限される。具体的には、第1ラチェットギア52が、第1ギア51との当接によって、時計回り方向の回転力を受けた場合に内部のラチェットが内部の歯に噛み合わなくなることによって空回りし、反時計回り方向の回転力を受けた場合に内部のラチェットが内部の歯に噛み合うことによって回転することにより、反時計回り方向の回転力のみに制限される。
【0035】
(構成−発電機構−伝達部−第2ギア系統)
第2ギア系統50bは、第1ギア系統50aから第3ギア系統50cに伝達される回転力とは異なる回転力であって、操作部20のシャフト23を介して伝達された回転力を第3ギア系統50cに伝達するための系統である。この第2ギア系統50bは、第2ラチェットギア54を備えている。
【0036】
ここで、この第2ラチェットギア54の設置については、具体的には、第2ラチェットギア54は、第1ギア51よりも下方側に配置されており、シャフト23に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第2ギア系統50bによって伝達される回転力は、第2ラチェットギア54の回転方向の制限によって、一方向の回転力のみに制限される。具体的には、第2ラチェットギア54が、後述する第3ギア系統50cの第2ギア55との当接によって、時計回り方向の回転力を受けた場合に内部のラチェットが内部の歯に噛み合うことによって回転し、反時計回り方向への回転力を受けた場合には、内部のラチェットが内部の歯に噛み合わなくなることによって空回りすることにより、時計回り方向の回転力のみに制限される。
【0037】
(構成−発電機構−伝達部−第3ギア系統)
第3ギア系統50cは、第1ギア系統50a又は第2ギア系統50bから伝達された回転力を発電部60及びフライホイール80に伝達するための系統である。この第3ギア系統50cは、第2ギア55と、第3ギア56と、第4ギア57と、第2シャフト58とを備えている。
【0038】
ここで、これら第2ギア55、第3ギア56、第4ギア57、及び第2シャフト58の設置については、以下に示す通りとなる。具体的には、第2ギア55は、第2ラチェットギア54よりも右方側において、当該第2ラチェットギア54と当接可能な位置に配置されており、シャフト70に対して固定具等によって接続されている。また、第3ギア56は、第2ギア55よりも右方側において、当該第2ギア55と当接可能な位置に配置されており、第1シャフト53に対して固定具等によって接続されている。また、第2シャフト58は、第4ギア57と発電部60との相互間に配置されており、第2シャフト58の一部が後述する発電部60の収容部61に対して回転可能な固定具等によって接続されている。また、第4ギア57は、第3ギア56よりも右方側において、当該第3ギア56と当接可能な位置に配置されており、第2シャフト58に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第1ギア系統50a又は第2ギア系統50bから回転力が伝達された場合でも、発電部60及びフライホイール80に伝達される回転力の回転方向が後述する発電回転方向と一致するように、第1ギア系統50a又は第2ギア系統50bから伝達された回転力の回転方向を調整することができる。
【0039】
なお、シャフト23、第1シャフト53、第2シャフト58、及びシャフト70の配置関係については、具体的には、これらシャフトの軸心がシャフト23から−X方向に向けて延伸させた直線上に位置するように配置されている。
【0040】
(構成−発電機構−発電部)
発電部60は、伝達部50から伝達された回転力によって駆動されることにより発電を行う発電手段である。この発電部60は、伝達部50における第3ギア系統50cの第4ギア57の近傍位置に配置されており、収容部61と、ダイナモ(図示省略)と、回路基板(図示省略)とを備えている。
【0041】
(構成−発電機構−発電部−収容部)
収容部61は、ダイナモと、回路基板とを保護する保護手段であり、収容部40に対して固定具等によって固定されている。この収容部61には、挿通孔(図示省略)が形成されている。この挿通孔は、第3ギア系統50cの第2シャフト58の一部を収容部61の内部に収容されたダイナモに向けて挿通するための貫通孔であり、収容部61の上面壁に配置されている。
【0042】
(構成−発電機構−発電部−ダイナモ)
ダイナモは、第3ギア系統50cの第4ギア57から第2シャフト58を介して伝達された回転力によって当該ダイナモの回転子(図示省略)が駆動することにより発電を行うものである。ダイナモは、例えば、当該ダイナモの回転子が発電可能な一方向の回転方向(例えば、−Y方向から見て時計回りの回転方向等が該当する。なお、以下では、この回転方向を「発電回転方向」と称する。)のみに回転する公知のダイナモ等を用いて構成されており、収容部61に対して固定具等によって固定されている。
【0043】
(構成−発電機構−発電部−回路基板)
回路基板は、発電システム1の各種機能を実現するための電気回路(図示省略)が実装された基板である。この回路基板は、例えば、公知の回路基板を用いて構成されており、収容部61に対して固定具等によって固定されている。
【0044】
また、この回路基板には、電力変換部(図示省略)や電力出力部(図示省略)が実装されている。電力変換部は、ダイナモにて発電された電力を所定の電力に変換する電力変換手段であり、ダイナモと配線(図示省略)を介して電気的に接続されている。電力出力部は、電力変換部にて変換された電力を外部機器(図示省略)に出力するための電力出力手段であり、外部機器と配線(図示省略)を介して電気的に接続されている。
【0045】
(構成−発電機構−シャフト)
シャフト70は、伝達部50における第3ギア系統50cの第2ギア55から伝達された回転力によってフライホイール80を回転させるためのものである。このシャフト70は、略細長状の棒状体にて形成されており、当該シャフト70の一部が収容部40の挿通孔42を介して当該収容部40の内部に収容されるように配置されている。そして、このシャフト70は、収容部40に対して回転可能な固定具等によって固定されている。
【0046】
(構成−フライホイール)
フライホイール80は、少なくとも発電部60におけるダイナモの回転子の回転を安定させるためのものである。このフライホイール80は、例えば、公知のフライホイールを用いて構成されており、収容部40の下面壁と対向する位置に配置されている。また、フライホイール80とシャフト70との接続については、具体的には、溶接やネジ等の公知の手段で接続されている。
【0047】
ここで、操作部20、発電機構30、及びフライホイール80の配置関係については任意であるが、例えば、発電システム1の安定性を向上させる共に、操作部20の操作性を確保することが可能となる位置に、操作部20、発電機構30、及びフライホイール80が配置されることが望ましい。具体的には、発電機構30及びフライホイール80は、筐体10における設置面W側に配置され、操作部20は、筐体10における設置面W側とは反対側に配置される。このような配置により、発電システム1の重心位置を当該発電システム1の中央位置よりも下方に位置させることできる。したがって、発電機構30及びフライホイール80を設置面W側とは反対側に配置した場合に比べて、ユーザによって操作部20が操作されている場合に生じる発電システム1の揺れを抑制することができるため、発電システム1を安定して設置することが可能となる。また、操作部20が設置面Wから離れた位置に配置されることにより、操作部20の操作性を確保することができるため、発電システム1の使用性を一層向上させることが可能となる。
【0048】
(発電システムの機能)
このように構成された発電システム1の機能について説明する。
【0049】
最初に、操作部20の回転体22が−Y方向から見て時計回りの回転方向(以下、「第1回転方向」と称する)に回転するように、操作部20が操作された場合の機能について説明する。
図4は、操作部20の回転体22が第1回転方向に回転した場合の発電機構30の発電状況を示す図である。
【0050】
図4に示すように、まず、操作部20の回転体22が第1回転方向に回転するように、操作部20がユーザによって操作されると、操作部20の把持部21から伝達された力は、回転体22によって回転力に変換される。
【0051】
次に、回転体22にて変換された回転力は、第1ギア51の回転に伴って、第1ラチェットギア52、第3ギア56、第2ギア55、及び第4ギア57を順次回転させることにより、これらギアに順次伝達される。
【0052】
ここで、第4ギア57に伝達された回転力は、当該第4ギア57の回転に伴って、発電部60のダイナモに伝達される。この場合において、ダイナモに伝達された回転力の回転方向が発電回転方向と一致するので、当該回転力によってダイナモの回転子が駆動することにより、発電を行うことが可能となる。また、第2ギア55に伝達された回転力は、当該第2ギア55の回転に伴って、フライホイール80に伝達される。この場合において、フライホイール80に伝達された回転力の回転方向が発電回転方向と一致するので、ダイナモの回転子及び第3ギア56、第2ギア55、及び第4ギア57を安定して回転させることが可能となる。なお、第2ギア55に伝達された回転力が、当該第2ギア55の回転に伴って、第2ラチェットギア54に伝達されるものの、上述した第2ラチェットギア54の回転方向の制限によって、当該第2ラチェットギア54は空回りする。
【0053】
次に、回転体22が−Y方向から見て時計回りと逆方向の回転方向(以下、「第2回転方向」と称する)に回転するように、操作部20が操作された場合の機能について説明する。
図5は、操作部20の回転体22が第2回転方向に回転した場合の発電機構30の発電状況を示す図である。
【0054】
図5に示すように、まず、回転体22が第2回転方向に回転するように、操作部20がユーザによって操作されると、把持部21から伝達された力は、回転体22によって回転力に変換される。
【0055】
次に、回転体22にて変換された回転力は、第2ラチェットギア54の回転に伴って、第2ギア55、第3ギア56、及び第4ギア57を順次回転させることにより、これらギアに順次伝達される。
【0056】
ここで、第4ギア57に伝達された回転力は、当該第4ギア57の回転に伴って、発電部60のダイナモに伝達される。この場合において、ダイナモに伝達された回転力の回転方向が発電回転方向と一致するので、当該回転力によってダイナモの回転子が駆動することにより、発電を行うことが可能となる。また、第2ギア55に伝達された回転力は、当該第2ギア55の回転に伴って、フライホイール80に伝達される。この場合において、フライホイール80に伝達された回転力の回転方向が発電回転方向と一致するので、ダイナモの回転子及び第3ギア56、第2ギア55、及び第4ギア57を安定して回転させることが可能となる。なお、第1ギア51に伝達された回転力が、当該第1ギア51の回転に伴って、第1ラチェットギア52に伝達されるものの、上述した第1ラチェットギア52の回転方向の制限によって、当該第1ラチェットギア52は空回りする。
【0057】
(効果)
このように実施の形態1によれば、操作部20が横回しにより操作可能となるように配置されている場合に、操作部20にて変換された回転力の回転方向が第1回転方向であるか第2回転方向であるかに関わらず、発電部60におけるダイナモの回転子が発電回転方向に回転するように、当該回転力を発電部60に対して伝達するための伝達部50を備え、発電部60は、伝達部50にて伝達された回転力によって回転子が駆動することにより発電を行うので、回転体22が第1回転方向又は第2回転方向のいずれかに回転するように、操作部20がユーザによって操作された場合でも、発電を行うことができるため、発電システム1の使用性を向上させることが可能となる。
【0058】
また、少なくとも発電部60におけるダイナモの回転子の回転を安定させるためのフライホイール80を備えているので、例えば、フライホイール80が伝達部50に取り付けられている場合に、フライホイール80が回転した場合には、回転子及び伝達部50は、フライホイール80の慣性力を受けながら回転することができるため、これら回転子及び伝達部50を安定して回転させることが可能となる。
【0059】
また、発電部60、伝達部50、又はフライホイール80を、当該発電システム1の設置面W側に配置しているので、発電システム1の重心位置を当該発電システム1の中央位置よりも下方に位置させることできる。これにより、発電部60、伝達部50、及びフライホイール80を設置面W側とは反対側に配置した場合に比べて、ユーザによって操作部20が操作されている場合に生じる発電システム1の揺れを抑制することができるため、発電システム1を安定して設置することが可能となる。また、操作部20を、当該発電システム1の設置面W側とは反対側に配置しているので、操作部20が設置面Wから離れた位置に配置されることにより、操作部20の操作性を確保することができることから、発電システム1の使用性を一層向上させることが可能となる。
【0060】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、実施の形態1とは異なる形態であって、操作手段を横回しにより操作可能となるように配置した形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0061】
(構成)
最初に、実施の形態2に係る発電システムの構成について説明する。
図6は、実施の形態2に係る発電システムにおける発電機構の構造の詳細を示す側面図である。
図6に示すように、実施の形態2に係る発電システム101は、実施の形態1に係る発電システム1とほぼ同様に構成されている。ただし、発電機構130の構成内容については、下記に示す工夫が施されている。
【0062】
(構成−発電機構の構成)
発電機構130は、収容部40と、伝達部150と、発電部160と、シャフト70とを備えている。
【0063】
(構成−発電機構の構成−収容部)
収容部40は、操作部20のシャフト23の一部と、伝達部150と、シャフト70の一部とを収容している。
【0064】
(構成−発電機構の構成−伝達部)
伝達部150は、第1ギア系統150aと、第2ギア系統150bと、第3ギア系統150cとを備えている。
【0065】
(構成−発電機構の構成−伝達部−第1ギア系統)
第1ギア系統150aは、第1ラチェットギア151と、第1ギア152とを備えている。
【0066】
ここで、これら第1ラチェットギア151、及び第1ギア152の設置については、以下に示す通りとなる。具体的には、第1ラチェットギア151は、収容部40の上面壁近傍に配置されており、シャフト23に対して固定具等によって接続されている。また、第1ギア152は、第1ラチェットギア151よりも右方側において、当該第1ラチェットギア151と当接可能な位置に配置されており、シャフト70に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第1ギア系統150aによって伝達される回転力は、第1ラチェットギア151の回転方向の制限によって、一方向の回転力のみに制限される。具体的には、第1ラチェットギア151が、第1ギア152との当接によって、時計回り方向の回転力を受けた場合に内部のラチェットが内部の歯に噛み合うことによって回転し、反時計回り方向への回転力を受けた場合には、内部のラチェットが内部の歯に噛み合わなくなることによって空回りすることにより、時計回り方向の回転力のみに制限される。
【0067】
(構成−発電機構の構成−伝達部−第2ギア系統)
第2ギア系統150bは、第2ラチェットギア153を備えている。
【0068】
ここで、この第2ラチェットギア153の設置については、具体的には、第2ラチェットギア153は、第1ラチェットギア151よりも下方側に配置されており、シャフト23に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第2ギア系統150bによって伝達される回転力は、第2ラチェットギア153の回転方向の制限によって、一方向の回転力のみに制限される。具体的には、第2ラチェットギア153が、後述する第3ギア系統150cの第2ギア154との当接によって、時計回り方向の回転力を受けた場合に内部のラチェットが内部の歯に噛み合わなくなることによって空回りし、反時計回り方向の回転力を受けた場合に内部のラチェットが内部の歯に噛み合うことによって回転することにより、反時計回り方向の回転力のみに制限される。
【0069】
(構成−発電機構の構成−伝達部−第3ギア系統)
第3ギア系統150cは、第2ギア154と、第3ギア155と、シャフト156とを備えている。
【0070】
ここで、これら第2ギア154、第3ギア155、及びシャフト156の設置については、以下に示す通りとなる。具体的には、シャフト156は、シャフト23とシャフト70との相互間に配置されており、シャフト156の下端部が収容部40に対して回転可能な固定具等によって接続されている。また、第2ギア154は、第2ラチェットギア153よりも右方側において、当該第2ラチェットギア153と当接可能な位置に配置されており、シャフト156に対して固定具等によって接続されている。また、第3ギア155は、第2ギア154よりも右方側において、当該第2ギア154と当接可能な位置に配置されており、当該シャフト70に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第1ギア系統150a又は第2ギア系統150bから回転力が伝達された場合でも、発電部160及びフライホイール80に伝達される回転力の回転方向が発電回転方向と一致するように、第1ギア系統150a又は第2ギア系統150bから伝達された回転力の回転方向を調整することができる。
【0071】
なお、シャフト23、シャフト156、及びシャフト70の配置関係については、具体的には、これらシャフトの軸心がシャフト23から−X方向に向けて延伸させた直線上に位置するように配置されている。
【0072】
(構成−発電機構の構成−発電部)
発電部160は、フライホイール80よりも下方側に配置されており、筐体10に対して固定具等によって固定されている。この発電部160は、収容部161と、ダイナモ(図示省略)と、回路基板(図示省略)とを備えている。ここで、収容部161の上面壁には、フライホイール80に取り付けられたシャフト162の一部を収容部161の内部に収容されたダイナモに向けて挿通するための貫通孔(図示省略)が形成されている。
【0073】
(発電システムの機能)
このように構成された発電システム101の機能について説明する。
【0074】
最初に、操作部20の回転体22が第1回転方向に回転するように、操作部20が操作された場合の機能について説明する。
図7は、操作部20の回転体22が第1回転方向に回転した場合の発電機構130の発電状況を示す図である。
【0075】
図7に示すように、まず、操作部20の回転体22が第1回転方向に回転するように、操作部20がユーザによって操作されると、操作部20の把持部21から伝達された力は、回転体22によって回転力に変換される。
【0076】
次に、回転体22にて変換された回転力は、第2ラチェットギア153の回転に伴って、第2ギア154、第3ギア155、第1ギア152、及びフライホイール80を順次回転させることにより、これらギア及びフライホイール80に順次伝達される。
【0077】
ここで、フライホイール80に伝達された回転力は、当該フライホイール80の回転に伴って、発電部160のダイナモに伝達される。この場合において、ダイナモに伝達された回転力の回転方向が発電回転方向と一致するので、当該回転力によってダイナモの回転子が駆動することにより、発電を行うことが可能となる。なお、第1ギア152に伝達された回転力が、当該第1ギア152の回転に伴って、第1ラチェットギア151に伝達されるものの、上述した第1ラチェットギア151の回転方向の制限によって、当該第1ラチェットギア151は空回りする。
【0078】
次に、回転体22が第2回転方向に回転するように、操作部20が操作された場合の機能について説明する。
図8は、操作部20の回転体22が第2回転方向に回転した場合の発電機構130の発電状況を示す図である。
【0079】
図8に示すように、まず、回転体22が第2回転方向に回転するように、操作部20がユーザによって操作されると、把持部21から伝達された力は、回転体22によって回転力に変換される。
【0080】
次に、回転体22にて変換された回転力は、第1ラチェットギア151の回転に伴って、第1ギア152、第3ギア155、第2ギア154、及びフライホイール80を順次回転させることにより、これらギア及びフライホイール80に順次伝達される。
【0081】
ここで、フライホイール80に伝達された回転力は、当該フライホイール80の回転に伴って、発電部160のダイナモに伝達される。この場合において、ダイナモに伝達された回転力の回転方向が発電回転方向と一致するので、当該回転力によってダイナモの回転子が駆動することにより、発電を行うことが可能となる。なお、第2ギア154に伝達された回転力が、当該第2ギア154の回転に伴って、第2ラチェットギア153に伝達されるものの、上述した第2ラチェットギア153の回転方向の制限によって、当該第2ラチェットギア153は空回りする。
【0082】
(効果)
このように実施の形態2によれば、伝達部150のうち、第1ギア系統150aが第1ラチェットギア151及び第1ギア152を備え、第2ギア系統150bが第2ラチェットギア153を備え、第3ギア系統150cが第2ギア154と、第3ギア155とを備えているので、実施の形態1に比べて、部品数を減らすことができるため、製造コストを低減することが可能となる。
【0083】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、操作手段を縦回しにより操作可能となるように配置した形態である。なお、実施の形態2と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態2で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0084】
(構成)
最初に、実施の形態3に係る発電システムの構成について説明する。
図9は、実施の形態3に係る発電システムの概要を示す斜視図である。
図10は、発電機構の構造の詳細を示す側面図である。
図9、
図10に示すように、実施の形態3に係る発電システム201は、実施の形態2に係る発電システム101とほぼ同様に構成されている。ただし、操作部20の構成内容、フライホイール80の構成内容、及び発電機構230の構成内容については、下記に示す工夫が施されている。
【0085】
(構成−操作部及びフライホイールの構成)
操作部20は、把持部21と、回転体22と、シャフト23とを備えている。ここで、操作部20の配置については、ユーザが操作部20を縦回しにより操作できるように配置されている。ここで、「縦回し」とは、操作部20を鉛直方向に沿って回転させることを意味する。具体的には、回転体22における把持部21が固定される側の側面と反対側の側面が筐体10の右面壁と対向するように、回転体22が配置されている。また、シャフト23の一部が筐体10の右面壁に形成された挿通孔(図示省略)を介して当該筐体10の内部に収容されると共に、収容部40の右面壁に形成された挿通孔41を介して当該収容部40の内部に収容されるように、当該シャフト23は配置されている。
【0086】
また、フライホイール80の設置については、具体的には、発電機構230の収容部40よりも左方側に配置されており、収容部40の左側壁に形成された挿通孔42を介して張り出されたシャフト70と接続されている。
【0087】
(構成−発電機構の構成)
発電機構230は、収容部40と、伝達部250と、発電部160と、シャフト70とを備えている。
【0088】
(構成−発電機構の構成−収容部)
収容部40は、操作部20のシャフト23の一部と、伝達部250と、シャフト70の一部とを収容している。
【0089】
(構成−発電機構の構成−伝達部)
伝達部250は、第1ギア系統250aと、第2ギア系統250bと、第3ギア系統250cと、第4ギア系統250dとを備えている。
【0090】
(構成−発電機構の構成−伝達部−第1ギア系統)
第1ギア系統250aは、操作部20のシャフト23を介して伝達された回転力を第2ギア系統250b及び第3ギア系統250cに伝達するための系統である。この第1ギア系統250aは、第1ベベルギア251と、第2ベベルギア252と、第1シャフト253とを備えている。
【0091】
ここで、第1ベベルギア251、及び第2ベベルギア252は、例えば公知のベベルギア(かさ歯車)を用いて構成されている(なお、後述する第2ギア系統250bの第3ベベルギア254、及び第4ベベルギア255の構成、並びに、後述する第3ギア系統250cの第5ベベルギア258の構成についても同様とする)。
【0092】
また、これら第1ベベルギア251、第2ベベルギア252、及び第1シャフト253の設置については、以下に示す通りとなる。なお、これらギアは、特記する場合を除いて、縦回りとなるように設置される(なお、後述する第2ギア系統250bの各種ギアの設置、第3ギア系統250cの各種ギアの設置、及び第4ギア系統250dの各種ギアの設置についても同様とする)。ここで、これらギアが縦回りする場合における「時計回り方向」とは、+X方向から見て時計回りの回転方向を意味する(なお、後述する第2ギア系統250bの各種ギアの回転方向、第3ギア系統250cの各種ギアの回転方向、及び第4ギア系統250dの各種ギアの回転方向についても同様とする)。また、これらギアが縦回りする場合における「反時計回り方向」とは、+X方向から見て反時計回りの回転方向を意味する(なお、後述する第2ギア系統250bの各種ギアの回転方向、第3ギア系統250cの各種ギアの回転方向、及び第4ギア系統250dの各種ギアの回転方向についても同様とする)。
【0093】
具体的には、第1ベベルギア251は、収容部40の右面壁近傍に配置されており、シャフト23に対して固定具等によって接続されている。また、第1シャフト253は、第1ベベルギア251と後述する第2ギア系統250bの第3ベベルギア254との相互間に配置されており、第1シャフト253の上端部が収容部40に対して回転可能な固定具等によって接続されている。また、第2ベベルギア252は、第1ベベルギア251の左方側において、当該第2ベベルギア252の回転が横回りとなるように、第1ベベルギア251と当接可能に配置されており、第1シャフト253に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、操作部20から伝達された回転力を、第1ギア系統250aを介して第2ギア系統250b及び第3ギア系統250cに伝達することができる。
【0094】
(構成−発電機構の構成−伝達部−第2ギア系統)
第2ギア系統250bは、第1ギア系統250aから伝達された回転力を第4ギア系統250dに伝達するための系統である。この第2ギア系統250bは、第3ベベルギア254と、第4ベベルギア255と、第2シャフト256と、第1ラチェットギア257とを備えている。
【0095】
ここで、これら第3ベベルギア254、第4ベベルギア255、第2シャフト256、及び第1ラチェットギア257の設置については、以下に示す通りとなる。具体的には、第3ベベルギア254は、第2ベベルギア252の下方側において、当該第3ベベルギア254の回転が横回りとなるように配置されており、第1シャフト253に対して固定具等によって接続されている。また、第2シャフト256は、第4ベベルギア255と第1ラチェットギア257との相互間に配置されており、第2シャフト256の左端部が収容部40に対して回転可能な固定具等によって接続されている。また、第4ベベルギア255は、第3ベベルギア254の左方側において、第3ベベルギア254と当接可能に配置されており、第2シャフト256に対して固定具等によって接続されている。また、第1ラチェットギア257は、第4ベベルギア255よりも左方側に配置されており、第2シャフト256に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第2ギア系統250bによって伝達される回転力は、第1ラチェットギア257の回転方向の制限によって、一方向の回転力のみに制限される。具体的には、第1ラチェットギア257が、後述する第4ギア系統250dの第2ギア262との当接によって、時計回り方向の回転力を受けた場合に内部のラチェットが内部の歯に噛み合わなくなることによって空回りし、反時計回り方向の回転力を受けた場合に内部のラチェットが内部の歯に噛み合うことによって回転することにより、反時計回り方向の回転力のみに制限される。
【0096】
(構成−発電機構の構成−伝達部−第3ギア系統)
第3ギア系統250cは、第1ギア系統250aから伝達された回転力を第4ギア系統250dに伝達するための系統である。この第3ギア系統250cは、第5ベベルギア258と、第3シャフト259と、第2ラチェットギア260とを備えている。
【0097】
ここで、これら第5ベベルギア258、第3シャフト259、及び第2ラチェットギア260の設置については、以下に示す通りとなる。具体的には、第3シャフト259は、第5ベベルギア258と第2ラチェットギア260との相互間に配置されており、第3シャフト259の左端部が収容部40に対して回転可能な固定具等によって接続されている。また、第5ベベルギア258は、第2ベベルギア252の左方側において、第2ベベルギア252と当接可能に配置されており、第3シャフト259に対して固定具等によって接続されている。また、第2ラチェットギア260は、第5ベベルギア258よりも左方側に配置されており、第3シャフト259に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第3ギア系統250cによって伝達される回転力は、第2ラチェットギア260の回転方向の制限によって、一方向の回転力のみに制限される。具体的には、第2ラチェットギア260が、後述する第4ギア系統250dの第1ギア261との当接によって、時計回り方向の回転力を受けた場合に内部のラチェットが内部の歯に噛み合うことによって回転し、反時計回り方向への回転力を受けた場合には、内部のラチェットが内部の歯に噛み合わなくなることによって空回りすることにより、時計回り方向の回転力のみに制限される。
【0098】
(構成−発電機構の構成−伝達部−第4ギア系統)
第4ギア系統250dは、第2ギア系統250b又は第3ギア系統250cから伝達された回転力を発電部160及びフライホイール80に伝達するための系統である。この第4ギア系統250dは、第1ギア261と、第2ギア262と、第4シャフト263とを備えている。
【0099】
ここで、これら第1ギア261、第2ギア262、及び第4シャフト263の設置については、以下に示す通りとなる。具体的には、第1ギア261は、第2ラチェットギア260の下方側において、第2ラチェットギア260と当接可能に配置されており、シャフト70に対して固定具等によって接続されている。第4シャフト263は、第2シャフト256とシャフト70との相互間に配置されており、第4シャフト263の左端部が収容部40に対して回転可能な固定具等によって接続されている。また、第2ギア262は、第1ギア261と第1ラチェットギア257との相互間において、第1ギア261及び第1ラチェットギア257と当接可能に配置されており、収容部40に対して回転可能に固定された図示しないシャフトに対して固定具等によって回転可能に接続されている。このような設置により、第2ギア系統250b又は第3ギア系統250cから回転力が伝達された場合でも、発電部160及びフライホイール80に伝達される回転力の回転方向が発電回転方向と一致するように、第2ギア系統250b又は第3ギア系統250cから伝達された回転力の回転方向を調整することができる。
【0100】
なお、シャフト23、第1シャフト253、第2シャフト256、第3シャフト259、第4シャフト263、及びシャフト70の配置関係については、具体的には、これらシャフトの軸心がシャフト23から−Y方向に向けて延伸させた直線上に位置するように配置されている。
【0101】
(構成−発電機構の構成−発電部)
発電部160は、フライホイール80よりも左方側に配置されており、筐体10に対して固定具等によって固定されている。また、発電部160における収容部161の右面壁には、フライホイール80に取り付けられたシャフト162の一部を収容部161の内部に収容されたダイナモに向けて挿通するための貫通孔(図示省略)が形成されている。また、発電部160のダイナモは、例えば、当該ダイナモの回転子が発電可能な一方向の回転方向(例えば、+X方向から見て時計回りの回転方向等が該当する。なお、以下では、この回転方向を「発電回転方向」と称する。)のみに回転する公知のダイナモ等を用いて構成されている。
【0102】
(発電システムの機能)
このように構成された発電システム201の機能について説明する。
【0103】
最初に、操作部20の回転体22が+X方向から見て時計回りの回転方向(以下、「第1回転方向」と称する)に回転するように、操作部20が操作された場合の機能について説明する。
図11は、操作部20の回転体22が第1回転方向に回転した場合の発電機構230の発電状況を示す図である。
【0104】
図11に示すように、まず、操作部20の回転体22が第1回転方向に回転するように、操作部20がユーザによって操作されると、操作部20の把持部21から伝達された力は、回転体22によって回転力に変換される。
【0105】
次に、回転体22にて変換された回転力は、第1ベベルギア251の回転に伴って、第2ベベルギア252、第3ベベルギア254、第4ベベルギア255、第5ベベルギア258、第2ラチェットギア260、第1ギア261、第2ギア262、及びフライホイール80を順次回転させることにより、これらギア及びフライホイール80に順次伝達される。
【0106】
ここで、フライホイール80に伝達された回転力は、当該フライホイール80の回転に伴って、発電部160のダイナモに伝達される。この場合において、ダイナモに伝達された回転力の回転方向が発電回転方向と一致するので、当該回転力によってダイナモの回転子が駆動することにより、発電を行うことが可能となる。なお、第2ギア262に伝達された回転力が、当該第2ギア262の回転に伴って、第1ラチェットギア257に伝達されるものの、上述した第1ラチェットギア257の回転方向の制限によって、当該第1ラチェットギア257は空回りする。
【0107】
次に、回転体22が+X方向から見て時計回りと逆方向の回転方向(以下、「第2回転方向」と称する)に回転するように、操作部20が操作された場合の機能について説明する。
図12は、操作部20の回転体22が第2回転方向に回転した場合の発電機構230の発電状況を示す図である。
【0108】
図12に示すように、まず、回転体22が第2回転方向に回転するように、操作部20がユーザによって操作されると、把持部21から伝達された力は、回転体22によって回転力に変換される。
【0109】
次に、回転体22にて変換された回転力は、第1ベベルギア251の回転に伴って、第2ベベルギア252、第3ベベルギア254、第4ベベルギア255、第1ラチェットギア257、第5ベベルギア258、第1ギア261、第2ギア262、及びフライホイール80を順次回転させることにより、これらギア及びフライホイール80に順次伝達される。
【0110】
ここで、フライホイール80に伝達された回転力は、当該フライホイール80の回転に伴って、発電部160のダイナモに伝達される。この場合において、ダイナモに伝達された回転力の回転方向が発電回転方向と一致するので、当該回転力によってダイナモの回転子が駆動することにより、発電を行うことが可能となる。なお、第1ギア261に伝達された回転力が、当該第1ギア261の回転に伴って、第2ラチェットギア260に伝達されるものの、上述した第2ラチェットギア260の回転方向の制限によって、当該第2ラチェットギア260は空回りする。
【0111】
(効果)
このように実施の形態3によれば、操作部20が縦回しにより操作可能となるように配置されている場合に、操作部20にて変換された回転力の回転方向が第1回転方向であるか第2回転方向であるかに関わらず、発電部160におけるダイナモの回転子が発電回転方向に回転するように、当該回転力を発電部160に対して伝達するための伝達部250を備え、発電部160は、伝達部250にて伝達された回転力によって回転子が駆動することにより発電を行うので、回転体22が第1回転方向又は第2回転方向のいずれかに回転するように、操作部20がユーザによって操作された場合でも、発電を行うことができるため、発電システム201の使用性を向上させることが可能となる。
【0112】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4について説明する。この形態は、実施の形態3とは異なる形態であって、操作手段を縦回しにより操作可能となるように配置した形態である。なお、実施の形態3と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態3で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0113】
(構成)
最初に、実施の形態4に係る発電システムの構成について説明する。
図13は、実施の形態3に係る発電システムの概要を示す斜視図である。
図14は、発電機構の構造の詳細を示す側面図である。
図15は、
図14のA−A矢視断面図である(ただし、収容部40外の構成要素は省略)。
図16は、
図14のB−B矢視断面図である(ただし、収容部40外の構成要素は省略)。
図13〜
図16に示すように、実施の形態4に係る発電システム301は、実施の形態3に係る発電システム201とほぼ同様に構成されている。ただし、操作部20の構成内容、フライホイール80の構成内容、及び発電機構330の構成内容については、下記に示す工夫が施されている。
【0114】
(構成−操作部及びフライホイールの構成)
操作部20は、把持部21と、回転体22と、シャフト23とを備えている。ここで、操作部20の配置については、具体的には、回転体22における把持部21が固定される側の側面と反対側の側面が筐体10の左面壁と対向するように、回転体22が配置されている。また、シャフト23の一部が筐体10の右面壁に形成された挿通孔(図示省略)を介して当該筐体10の内部に収容されると共に、収容部40の左面壁に形成された挿通孔41を介して当該収容部40の内部に収容されるように、当該シャフト23は配置されている。
【0115】
また、フライホイール80の設置については、具体的には、発電機構330の収容部40よりも右方側に配置されており、収容部40の右面壁に形成された挿通孔42を介して張り出されたシャフト70と接続されている。
【0116】
(構成−発電機構の構成)
発電機構330は、収容部40と、伝達部350と、発電部160と、シャフト70とを備えている。
【0117】
(構成−発電機構の構成−収容部)
収容部40は、操作部20のシャフト23の一部と、伝達部350と、シャフト70の一部とを収容している。
【0118】
(構成−発電機構の構成−伝達部)
伝達部350は、第1ギア系統350aと、第2ギア系統350bと、第3ギア系統350cとを備えている。
【0119】
(構成−発電機構の構成−伝達部−第1ギア系統)
第1ギア系統350aは、操作部20のシャフト23を介して伝達された回転力を第3ギア系統350cに伝達するための系統である。この第1ギア系統350aは、第1ワンウェイクラッチギア351と、第1ギア352とを備えている。
【0120】
ここで、第1ワンウェイクラッチギア351は、例えば、回転方向を一方向に制限できる公知のワンウェイクラッチギア(例えば、スプラグ式のワンウェイクラッチギア等)を用いて構成されている(なお、後述する第2ギア系統350bの第2ワンウェイクラッチギア353の構成についても同様とする)。
【0121】
また、これら第1ワンウェイクラッチギア351、及び第1ギア352の設置については、以下に示す通りとなる。なお、これらギアは、特記する場合を除いて、縦回りとなるように設置される(なお、後述する第2ギア系統350bの各種ギアの設置、及び第3ギア系統350cの各種ギアの設置についても同様とする)。ここで、これらギアが縦回りする場合における「時計回り方向」とは、−X方向から見て時計回りの回転方向を意味する(なお、後述する第2ギア系統350bの各種ギアの回転方向、及び第3ギア系統350cの各種ギアの回転方向についても同様とする)。また、これらギアが縦回りする場合における「反時計回り方向」とは、−X方向から見て反時計回りの回転方向を意味する(なお、後述する第2ギア系統350bの各種ギアの回転方向、及び第3ギア系統350cの各種ギアの回転方向の回転方向についても同様とする)。
【0122】
具体的には、第1ワンウェイクラッチギア351は、収容部40の左面壁近傍に配置されており、シャフト23に対して固定具等によって接続されている。また、第1ギア352は、第1ワンウェイクラッチギア351よりも下方側において、当該第1ワンウェイクラッチギア351と当接可能な位置に配置されており、シャフト70に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第1ギア系統350aによって伝達される回転力は、第1ワンウェイクラッチギア351の回転方向の制限によって、一方向の回転力のみに制限される。具体的には、第1ワンウェイクラッチギア351が、第1ギア352との当接によって、時計回り方向の回転力を受けた場合に内輪と外輪との間に設けられたスプラグが外輪の内周面と内輪の外周面に噛み合うことによって回転し、反時計回り方向の回転力を受けた場合に上記スプラグが外輪の内周面と内輪の外周面に噛み合わなくなることによって空回りすることにより、時計回り方向の回転力のみに制限される。
【0123】
(構成−発電機構の構成−伝達部−第2ギア系統)
第2ギア系統350bは、操作部20のシャフト23を介して伝達された回転力を第3ギア系統350cに伝達するための系統である。この第2ギア系統350bは、第2ワンウェイクラッチギア353と、第2ギア354と、シャフト355とを備えている。
【0124】
ここで、これら第2ワンウェイクラッチギア353、第2ギア354、及びシャフト355の設置については、以下に示す通りとなる。具体的には、第2ワンウェイクラッチギア353は、第1ワンウェイクラッチギア351よりも右方側に配置されており、シャフト23に対して固定具等によって接続されている。また、シャフト355は、第2ギア354と後述する第3ギア系統350cの第3ギア356との相互間に配置されており、収容部40の左端部及び右端部に対して回転可能な固定具等によって接続されている。また、第2ギア354は、第2ワンウェイクラッチギア353よりも下方側において、当該第2ワンウェイクラッチギア353と当接可能な位置に配置されており、シャフト355に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第2ギア系統350bによって伝達される回転力は、第2ワンウェイクラッチギア353の回転方向の制限によって、一方向の回転力のみに制限される。具体的には、第2ワンウェイクラッチギア353が、第2ギア354との当接によって、時計回り方向の回転力を受けた場合に上記スプラグが外輪の内周面と内輪の外周面に噛み合わなくなることによって空回りし、反時計回り方向の回転力を受けた場合に上記スプラグが外輪の内周面と内輪の外周面に噛み合うことによって回転することにより、反時計回り方向の回転力のみに制限される。
【0125】
(構成−発電機構の構成−伝達部−第3ギア系統)
第3ギア系統350cは、第1ギア系統350a又は第2ギア系統350bから伝達された回転力を発電部160及びフライホイール80に伝達するための系統である。この第3ギア系統350cは、第3ギア356と、第4ギア357とを備えている。
【0126】
ここで、これら第3ギア356、及び第4ギア357の設置については、以下に示す通りとなる。具体的には、第3ギア356は、第2ギア354よりも右方側に配置されており、シャフト355に対して固定具等によって接続されている。また、第4ギア357は、第3ギア356よりも下方側において、当該第3ギア356と当接可能な位置に配置されており、シャフト70に対して固定具等によって接続されている。このような設置により、第1ギア系統350a又は第2ギア系統350bから回転力が伝達された場合でも、発電部160及びフライホイール80に伝達される回転力の回転方向が発電回転方向と一致するように、第1ギア系統350a又は第2ギア系統350bから伝達された回転力の回転方向を調整することができる。
【0127】
なお、シャフト23、シャフト355、及びシャフト70の配置関係については、具体的には、シャフト23の軸心及びシャフト70の軸心がシャフト23から−Y方向に向けて延伸させた直線上に位置するように、シャフト23及びシャフト70は配置されている。一方、シャフト355の軸心が当該−Y方向に向けて延伸させた直線上に位置しないように、シャフト355は配置されている。
【0128】
(構成−発電機構−発電部)
発電部160は、伝達部350から伝達された回転力によって駆動されることにより発電を行う発電手段である。この発電部160は、フライホイール80よりも右方側に配置されており、筐体10に対して固定具等によって固定されている。また、発電部160における収容部161の左面壁には、フライホイール80に取り付けられたシャフト162の一部を収容部161の内部に収容されたダイナモに向けて挿通するための貫通孔(図示省略)が形成されている。また、発電部160のダイナモは、例えば、当該ダイナモの回転子が発電可能な一方向の回転方向(例えば、−X方向から見て時計回りの回転方向等が該当する。なお、以下では、この回転方向を「発電回転方向」と称する。)のみに回転する公知のダイナモ等を用いて構成されている。
【0129】
(発電システムの機能)
このように構成された発電システム301の機能について説明する。
【0130】
最初に、操作部20の回転体22が−X方向から見て時計回りの回転方向(以下、「第1回転方向」と称する)に回転するように、操作部20が操作された場合の機能について説明する。
図17は、操作部20の回転体22が第1回転方向に回転した場合の発電機構330の発電状況を示す図である。
【0131】
図17に示すように、まず、操作部20の回転体22が第1回転方向に回転するように、操作部20がユーザによって操作されると、操作部20の把持部21から伝達された力は、回転体22によって回転力に変換される。
【0132】
次に、回転体22にて変換された回転力は、第2ワンウェイクラッチギア353の回転に伴って、第2ギア354、第3ギア356、第4ギア357、第1ギア352、及びフライホイール80を順次回転させることにより、これらギア及びフライホイール80に順次伝達される。
【0133】
ここで、フライホイール80に伝達された回転力は、当該フライホイール80の回転に伴って、発電部160のダイナモに伝達される。この場合において、ダイナモに伝達された回転力の回転方向が発電回転方向と一致するので、当該回転力によってダイナモの回転子が駆動することにより、発電を行うことが可能となる。なお、第1ギア352に伝達された回転力が、当該第1ギア352の回転に伴って、第1ワンウェイクラッチギア351に伝達されるものの、上述した第1ワンウェイクラッチギア351の回転方向の制限によって、当該第1ワンウェイクラッチギア351は空回りする。
【0134】
次に、回転体22が第2回転方向に回転するように、操作部20が操作された場合の機能について説明する。
図18は、操作部20の回転体22が第2回転方向に回転した場合の発電機構330の発電状況を示す図である。
【0135】
図18に示すように、まず、回転体22が第2回転方向に回転するように、操作部20がユーザによって操作されると、把持部21から伝達された力は、回転体22によって回転力に変換される。
【0136】
次に、回転体22にて変換された回転力は、第1ワンウェイクラッチギア351の回転に伴って、第1ギア352、第4ギア357、第3ギア356、第2ギア354、及びフライホイール80を順次回転させることにより、これらギア及びフライホイール80に順次伝達される。
【0137】
ここで、フライホイール80に伝達された回転力は、当該フライホイール80の回転に伴って、発電部160のダイナモに伝達される。この場合において、ダイナモに伝達された回転力の回転方向が発電回転方向と一致するので、当該回転力によってダイナモの回転子が駆動することにより、発電を行うことが可能となる。なお、第2ギア354に伝達された回転力が、当該第2ギア354の回転に伴って、第2ワンウェイクラッチギア353に伝達されるものの、上述した第2ワンウェイクラッチギア353の回転方向の制限によって、当該第2ワンウェイクラッチギア353は空回りする。
【0138】
(効果)
このように実施の形態4によれば、伝達部350のうち、第1ギア系統350aが第1ワンウェイクラッチギア351及び第1ギア352を備え、第2ギア系統350bが第2ワンウェイクラッチギア353、第2ギア354、及びシャフト355を備え、第3ギア系統350cが第3ギア356及び第4ギア357を備えているので、実施の形態3に比べて、部品数を減らすことができるため、製造コストを低減することが可能となる。
【0139】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0140】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、従来のシステムよりも、使用性が低下する場合が生じたとしても、本願発明の手段が従来のシステムの手段と異なっている場合には、本願の課題が解決されている。
【0141】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0142】
(発電システムについて)
上記実施の形態1から4では、発電システムは、フライホイール80を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、フライホイール80を省略してもよい。
【0143】
(操作部、伝達部、発電部、及びフライホイールの配置について)
上記実施の形態1から4では、操作部20が、筐体10における設置面W側とは反対側に配置されると説明したが、これに限られず、操作部20が、筐体10における設置面W側に配置されてもよい。
【0144】
また、上記実施の形態1から4では、伝達部、発電部、又はフライホイール80の少なくとも1つ以上は、筐体10における設置面W側に配置されていると説明したが、これに限られず、例えば、伝達部、発電部、及びフライホイール80は、筐体10における設置面W側とは反対側に配置されてもよい。
【0145】
また、上記実施の形態3では、フライホイール80及び発電部160は、収容部40よりも左方側に配置されると説明したが、これに限られない。例えば、発電システム201の重心位置を当該発電システム201の中央位置よりも下方に位置させることで、発電システム201を安定して設置することが可能となるように、
図19に示すように、収容部40よりも下方側に配置されてもよい(なお、実施の形態4についても同様とする)。この場合において、シャフト70から伝達される回転力の回転方向を縦回りから横回りに変換するために、以下の構成が採用されてもよい。具体的には、
図19に示すように、シャフト70の左端部に設けられたベベルギア500と、ベベルギア500よりも左方側において、自己の回転が横回りとなるように、ベベルギア500と当接可能に配置されたベベルギア501と、ベベルギア501とフライホイール80とを接続するシャフト502と、ベベルギア500、ベベルギア501、シャフト70の一部、及びシャフト502の一部が収容される収容部503とが設けられる(なお、実施の形態4についても同様とする)。
【0146】
(伝達部のギアについて)
上記実施の形態1から3では、回転方向を一方向に制限するためのギアとしてラチェットギアが用いられると説明したが、これに限られず、例えばワンウェイクラッチギア、フリーホイールギアが用いられてもよい。また、上記実施の形態4では、回転方向を一方向に制限するためのギアとしてワンウェイクラッチギアが用いられると説明したが、これに限られず、例えばラチェットギア、フリーホイールギアが用いられてもよい。
【0147】
(発電部について)
上記実施の形態1では、発電部60におけるダイナモの回転子は、第4ギア57から第2シャフト58を介して伝達された回転力によって駆動されると説明したが、これに限られない。例えば、第2シャフト58を第3ギア56(又はフライホイール80)に取り付け変えて、当該第2シャフト58を介して第3ギア56(又はフライホイール80)から伝達された回転力によって、上記回転子が駆動されてもよい。
【0148】
また、上記実施の形態2では、発電部160におけるダイナモの回転子は、フライホイール80からシャフト162を介して伝達された回転力によって駆動されると説明したが、これに限られない。例えば、シャフト162を第2ギア154に取り付け変えて、当該シャフト162を介して第2ギア154から伝達された回転力によって、上記回転子が駆動されてもよい。
【0149】
また、上記実施の形態3では、発電部160におけるダイナモの回転子は、フライホイール80からシャフト162を介して伝達された回転力によって駆動されると説明したが、これに限られない。例えば、シャフト162を第2ギア262に取り付け変えて、当該シャフト162を介して第2ギア262から伝達された回転力によって、上記回転子が駆動されてもよい。
【0150】
(発電基板について)
上記実施の形態1から4では、発電基板には、電力変換部や電力出力部が実装されていると説明したが、例えば、これに加えて、ダイナモによって発電された電力を蓄電する蓄電部(例えば充電式電池等)を備えてもよい。これにより、蓄電部に電力が蓄電された後に、任意のタイミングで外部機器に電力を供給することができる。
【0151】
(付記)
付記1の発電システムは、外部から加えられた力を発電手段を介して電気に変換する発電システムであって、発電可能な一方向の回転方向である発電回転方向のみに回転する回転子を有する前記発電手段と、前記外部から加えられた力によって自己が回転移動することにより、当該力を第1回転方向の回転力又は前記第1回転方向と逆方向の第2回転方向の回転力に変換する操作手段と、前記操作手段にて変換された前記回転力の回転方向が前記第1回転方向であるか前記第2回転方向であるかに関わらず、前記回転子が前記発電回転方向に回転するように、当該回転力を前記発電手段に対して伝達するための伝達手段と、を備え、前記発電手段は、前記伝達手段にて伝達された前記回転力によって前記回転子が駆動することにより発電を行う。
【0152】
また、付記2の発電システムは、付記1に記載の発電システムにおいて、少なくとも前記回転子の回転を安定させるためのフライホイールを備えている。
【0153】
また、付記3の発電システムは、付記2に記載の発電システムにおいて、前記発電手段、前記伝達手段、又は前記フライホイールを、当該発電システムの設置面側に配置し、前記操作手段を、当該発電システムの設置面側とは反対側に配置している。
【0154】
(付記の効果)
付記1に記載の発電システムによれば、操作手段にて変換された回転力の回転方向が第1回転方向であるか第2回転方向であるかに関わらず、発電手段の回転子が発電回転方向に回転するように、当該回転力を発電手段に対して伝達するための伝達手段を備え、発電手段は、伝達手段にて伝達された回転力によって回転子が駆動することにより発電を行うので、ユーザによって、操作手段が第1回転方向又は第2回転方向のいずれかに回転するように操作された場合でも、発電を行うことができるため、発電システムの使用性を向上させることが可能となる。
【0155】
付記2に記載の発電システムによれば、少なくとも回転子の回転を安定させるためのフライホイールを備えているので、例えば、フライホイールが伝達手段に取り付けられている場合に、フライホイールが回転した場合には、回転子及び伝達手段は、フライホイールの慣性力を受けながら回転することができるため、これら回転子及び伝達手段を安定して回転させることが可能となる。
【0156】
付記3に記載の発電システムによれば、発電手段、伝達手段、又はフライホイールを、当該発電システムの設置面側に配置しているので、発電システムの重心位置を当該発電システムの中央位置よりも下方に位置させることできる。これにより、発電手段、伝達手段、及びフライホイールを設置面側とは反対側に配置した場合に比べて、ユーザによって操作手段が操作されている場合に生じる発電システムの揺れを抑制することができるため、発電システムを安定して設置することが可能となる。また、操作手段を、当該発電システムの設置面側とは反対側に配置しているので、操作手段が設置面から離れた位置に配置されることにより、操作手段の操作性を確保することができることから、発電システムの使用性を一層向上させることが可能となる。
【解決手段】発電システム1は、外部から加えられた力を発電部を介して電気に変換する発電システム1であって、発電可能な一方向の回転方向である発電回転方向のみに回転する回転子を有する発電部と、外部から加えられた力によって自己が回転移動することにより、当該力を第1回転方向の回転力又は第1回転方向と逆方向の第2回転方向の回転力に変換する操作部20と、操作部20にて変換された回転力の回転方向が第1回転方向であるか第2回転方向であるかに関わらず、回転子が発電回転方向に回転するように、当該回転力を発電部に対して伝達するための伝達部と、を備え、発電部は、伝達部にて伝達された回転力によって回転子が駆動することにより発電を行う。