(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記塗料として水性塗料を用い、圧延された後の熱を帯びた異形棒鋼に上記塗料を供給することにより、塗料中の水分を蒸発させて塗料を乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の異形棒鋼マーキング方法。
さらに、上記塗料供給手段の上流側に配置された異形棒鋼検出センサと制御手段を備え、上記制御手段は、異形棒鋼検出センサによる検出に応答して塗料供給手段による塗料の供給を開始することを特徴とする請求項3または4に記載の異形棒鋼マーキングシステム。
異形棒鋼を圧延して製造する圧延ステージと、この圧延ステージから送り出された異形棒鋼を切断可能なレベルまで冷却する冷却ステージと、冷却された異形棒鋼を所定長さに切断する切断ステージと、所定長さに切断され熱を帯びた異形棒鋼を搬送する搬送ステージとを備えた圧延設備において、
上記搬送ステージに請求項3〜5のいずれかに記載の異形棒鋼マーキングシステムを配備したことを特徴とする圧延設備。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1,2に開示されたマークや記号は、建築現場において棒鋼から離れると見づらく、一瞥して鋼種や径を明瞭に識別できなかった。
また、JIS規格で規定されている棒鋼の端面の色付けは、見る方向が限られているため鋼種を識別するのが面倒であり、しかも端部を切断した場合には識別不能になった。
【0006】
そこで、本出願人は、特願2009−261685号に記載するように、異形棒鋼の周面の、軸線方向に間隔をおいた複数のマーキング領域に、鋼種に対応した色を呈する塗料からなる鋼種識別マークと、径に対応した色を呈する塗料からなる径識別マークを付す技術を開発した。
上記異形棒鋼では、周面に色付きのマークが付されているので、建築現場でも見やすく、
鋼種、径の識別が容易である。また、マーク表示領域が複数あるので、異形棒鋼を工場または建築現場で切断しても、切断された各異形棒鋼に表示領域が残るため、鋼種、径の識別が可能である。
【0007】
本出願人のさらなる課題は、識別マークを効率良く異形棒鋼の周面に塗料を付すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、異形棒鋼マーキング方法において、
異形棒鋼の軸線方向に離れた第1塗料供給部と第2塗料供給部をそれぞれ有する複数の塗料供給手段を、異形棒鋼の軸線方向に間隔をおいて配置した状態で、異形棒鋼をその軸線と直交する方向に搬送し
て上記塗料供給手段を通過させながら、異形棒鋼の周面に、
異形棒鋼の上方または下方の少なくともいずれか一方から、
上記塗料供給手段の第1塗料供給部と第2塗料供給部により、異形棒鋼の鋼種に対応した色を呈する鋼種識別用塗料と、異形棒鋼の径に対応した色を呈する径識別用塗料とを、それぞれ供給し、これにより異形棒鋼の軸線方向に離れた複数のマーキング領域
の各々において、軸線方向にずれた箇所に、鋼種識別マークと径識別マークを形成することを特徴とする。
これによれば、異形棒鋼を搬送しながら塗料を供給することにより、異形棒鋼の周面に効率良く識別マークを形成することができ、しかもこの識別マークを比較的広い角度範囲形成することにより、見易くすることができる。
また、異形棒鋼の鋼種と径の両方を識別することができる。
【0010】
なお、鋼種識別マークと径識別マークの判別するために、例えば下記の具体的手段がある。
・鋼種識別用塗料が第1の色群から選択された色を呈し、径識別用塗料が第2の色群から選択された色を呈し、第1の色群と第2の色群が同一の色を含まない。
・鋼種識別用塗料が第1の色群から選択された色を呈し、径識別用塗料が第2の色群から選択された色を呈し、第1の色群と第2の色群において、特定の1つの色が共通に用いられ、他の色が互いに異なる。
・鋼種識別用塗料の異形棒鋼周面への供給幅と、径識別用塗料の異形棒鋼周面への供給幅が異なっている。
【0011】
好ましくは、上記塗料として水性塗料を用い、圧延された後の熱を帯びた異形棒鋼に上記塗料を供給することにより、塗料中の水分を蒸発させて塗料を乾燥させる。
これによれば、塗料の乾燥ないしは焼付けの工程を省略することができる。
【0012】
本発明の他の態様は、異形棒鋼マーキングシステムにおいて、
異形棒鋼の軸線方向に沿って間隔をおいて配置された複数の塗料供給手段と、異形棒鋼を乗せてその軸線と直交する方向に搬送する
ことにより、上記塗料供給手段を通過させる搬送手段と
を備え、上記塗料供給手段の各々は、異形棒鋼の鋼種に対応した色を呈する鋼種識別用塗料を供給する第1塗料供給部と、異形棒鋼の径に対応した色を呈する径識別用塗料を供給する第2塗料供給部とを備え、これら第1、第2の塗料供給部は、上記異形棒鋼の軸線方向の位置をずらして配置され、上記塗料供給手段の第1塗料供給部と第2塗料供給部は、上記搬送手段の上方または下方の少なくともいずれか一方において、搬送されている最中の異形棒鋼の周面に向けて、鋼種識別用塗料と径識別用塗料を供給することを特徴とする。
これによれば、異形棒鋼を搬送しながら塗料を供給することにより、異形棒鋼の周面に効率良く識別マークを形成することができ、しかもこの識別マークを比較的広い角度範囲形成することにより、見易くすることができる。
また、異形棒鋼の鋼種識別マークと径識別マークの両方を形成できる。
【0014】
好ましくは、上記第1、第2塗料供給部は塗料をスプレーして供給するものであり、さらに塗料供給手段の下方に配置されたマスキング手段を備え、このマスキング手段は、上記第1、第2塗料供給部の真下において所定幅で異形棒鋼の搬送方向に細長い第1、第2の塗料透過穴を有する。
これによれば、輪郭が明瞭で広い角度範囲の、識別し易い鋼種識別マークと径識別マークを形成することができる。
【0015】
好ましくは、さらに、上記塗料供給手段の上流側に配置された異形棒鋼検出センサと制御手段を備え、上記制御手段は、異形棒鋼検出センサによる検出に応答して塗料供給手段による塗料の供給を開始する。
これにより、塗料の無駄をなくして確実に異形棒鋼に供給することができる。
【0016】
より好ましくは、上記第1、第2塗料供給部の下流側に第1、第2カラーセンサがそれぞれ配置されており、これらカラーセンサにより異形棒鋼の周面への塗料の供給を確認する。
【0017】
さらに本発明の他の態様では、異形棒鋼を圧延して製造する圧延ステージと、この圧延ステージから送り出された異形棒鋼を切断可能なレベルまで冷却する冷却ステージと、冷却された異形棒鋼を所定長さに切断する切断ステージと、所定長さに切断され熱を帯びた異形棒鋼を搬送する搬送ステージとを備えた圧延設備において、上記搬送ステージに異形棒鋼マーキングシステムを配備する。
これにより、既存の圧延設備に棒鋼マーキングシステムを配備するので、設備コストを低減することができる。しかも、圧延後の熱を帯びた異形棒鋼に水性塗料を供給するので、塗料の乾燥ないしは焼付けの工程を省略することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、異形棒鋼を識別する色付きの見易い識別マークを効率良く形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は圧延設備を示している。この圧延設備は、圧延ステージ1と、冷却ステージ2と、切断ステージ3と、搬送ステージ4と、結束ステージ5とを備えている。
【0021】
上記圧延ステージ1では、周知のように種々の鋼種、種々の径の異形棒鋼を圧延する。圧延により得られた異形棒鋼は長く(例えば80m程度)、高温のまま(例えば温度800〜1000℃程度)、冷却ステージ2の上流端部2aに送られる。
【0022】
上記冷却ステージ2では、圧延ステージ1から送り込まれた異形棒鋼を上流端部2aから下流端部2bに向けて、その軸線と直交する方向に比較的長い時間をかけて搬送し、この搬送の過程で異形棒鋼を切断可能な温度80〜300℃にまで冷却する。
【0023】
上記冷却ステージ2の下流端部2bでは異形棒鋼を所定本数例えば4〜5本ずつまとめて、その軸線に沿って切断ステージ3へ搬送し、切断ステージ3では異形棒鋼を所定長さ(例えば15m程度)に切断し、その軸線方向に搬送ステージ4の上流端部4aに送る。
【0024】
上記搬送ステージ4では、上記4,5本の異形棒鋼を1グループとして、下流端部4bに向けて異形棒鋼10の軸線と直交する方向に搬送し、結束ステージ5へ送る。なお、この搬送ステージ4での異形棒鋼10は間欠搬送であり、切断ステージ3から所定長さに切断された異形棒鋼が1グループずつ送られてくる度に搬送を行う。なお、1グループの異形棒鋼の本数は径が太い場合には上記のように4、5本であるが、径が細い場合には本数が増え、例えば20〜30本になることもある。
【0025】
上記結束ステージ5は上記搬送ステージ4に隣接しており、搬送ステージ4の下流端部4bから送り出された異形棒鋼10を所定重量毎に結束する。
【0026】
本実施形態の異形棒鋼10は、
図6に示すように、その周面の径方向に対峙する一対の領域がねじ部11となり、このねじ部11にはねじ節11aが等間隔に形成されている。異形棒鋼10において、一対のねじ部11の間の領域は、ねじ節が形成されていない面部分12(以下、この面部分を平坦部と称す)となっている。
【0027】
図2に示すように、上記搬送ステージ4には、異形棒鋼マーキングシステムが組み込まれている。この異形棒鋼マーキングシステムは、搬送ステージ4に既設の搬送装置20(搬送手段)と、マーキング装置30を備えている。
上記搬送装置20は、搬送方向に延びる複数のチェーンコンベアまたはベルトコンベア21を搬送方向と直交する方向に間隔をおいて複数並べることにより構成されている。
【0028】
上記マーキング装置30は、搬送装置20による搬送行程の途中において、上記コンベア21の上方に配置されており、コンベア21と直交する方向に延びる陸橋30xと、この陸橋30xに等間隔をおいて設けられた多数(複数)のヘッド30yとを有している。
【0029】
図3〜
図5に示すように、各ヘッド30yは、搬送方向に細長い水平の支持部材31と、この支持部材31の中間位置に設けられた塗料供給手段32を備えている。この塗料供給手段32は第1、第2の塗料供給部32a,32bを有している。これら第1、第2の塗料供給部32a,32bは、異形棒鋼10の軸線方向に離れて配置されているが、搬送方向位置は一致している。
【0030】
上記塗料供給部32a,32bは、弁付きのノズルからなり、図示しない塗料タンクにチューブを介して連なっており、圧縮エアにより塗料を下方に向けてスプレーするようになっている。
【0031】
上記第1塗料供給部32aは、鋼種識別用塗料、すなわち異形棒鋼10の鋼種に応じた色を呈する塗料を供給するものである。鋼種識別用塗料の色は、第1群の色から選別されたものであり、例えば、SD295Aは「赤」、SD345は「黄」、SD390は「緑」、SD490は「青」、USD590は「ピンク」、USD685Bは「茶」、USD980は「グレー」である。
【0032】
上記第2塗料供給部32bは、径識別用塗料、すなわち異形棒鋼10の径に応じた色を呈する塗料を供給するものである。径識別用塗料の色は、第2群の色から選別されたものであり、例えば、D10(径10mm、以下同じ),D19,D29,D38は「オレンジ」、D13,D22,D32,D41は「水色」、D16,D25,D35,D51は「紫」である。
なお、複数の径で同一の色を用いているが、これら径は大きく異なるので、誤って識別することはない。
【0033】
本実施形態では、上記鋼種識別用塗料および径識別用塗料として、水性の塗料(水で希釈された塗料)が用いられる。この塗料は鉄筋の腐食防止の観点から弱アルカリ性のものを用いるのが好ましい。
【0034】
さらに支持部材31には、塗料供給手段32の上流側(異形鉄筋10の搬送の上流側)に異形棒鋼検出センサ33が設けられ、下流側には各塗料供給部32a,32bに対応して配置された第1、第2のカラーセンサ34a,34bが設けられている。
【0035】
上記異形棒鋼検出センサ33は、例えば周知の反射型のセンサであり、投光部と受光部を備えており、投光部からの光が搬送されてくる異形棒鋼10で反射されて受光部に入った時に、異形棒鋼10有りと判断するようになっている。
【0036】
上記カラーセンサ34a、34bは、例えば周知の反射型のセンサであり、投光部と受光部を備えており、投光部からの光が異形棒鋼10の周面に供給された塗料で反射されて受光部に入った時に、受光部でその色を識別できるようになっている。
【0037】
さらに支持部材31の下面には上記塗料供給手段32を囲うボックス形状のマスキングカバー35(マスキング手段)が設けられている。このマスキングカバー35は、上記塗料供給手段32の下方において水平をなす平坦な板形状のマスキング部35xを有しており、このマスキング部35xには、上記第1、第2塗料供給部32a,32bの真下に位置する塗料透過穴35a,35bが形成されている。これら塗料透過穴35a,35bは、異形棒鋼10の搬送方向に細長い形状をなし、同形状(等しい幅)をなしている。
【0038】
上記マーキング装置30は、制御手段40(
図2にのみ示す)に電気的に接続されている。この制御手段40は、上記センサ33、34a,34bからの検出信号を受け、塗料供給部32a,32bに制御信号を送るようになっている。
【0039】
上記構成をなす異形棒鋼マーキングシステムの作用を以下に説明する。所定長さに切断されて搬送ステージ4に送られてきた異形棒鋼10は、前述したように、1グループずつまとまって、その軸線と直交する方向に搬送される。
【0040】
各グループの最初の異形棒鋼10が異形棒鋼検出センサ33で検出された時に、制御手段40ではこの検出信号に応答して第1、第2の塗料供給部32a,32bからの塗料噴射を開始し、所定時間噴射を継続する。なお、この噴射時間は上記1グループの最後の異形棒鋼10が、塗料供給部32a,32bを過ぎて下流側へ所定距離至るまでの時間であり、1グループの全ての異形棒鋼10の塗料供給が完了するのに十分な時間である。なお、最初の異形棒鋼10の検出から塗料供給を開始し、最後の異形棒鋼10の検出から所定時間経過後に塗料供給を停止するようにしてもよい。第1、第2の塗料供給部32a,32bの搬送方向位置が一致しているので、各異形棒鋼10は、同時期に第1、第2の塗料供給部32a,32bからの塗料供給を受ける。
【0041】
上述したように、異形棒鋼10は搬送ステージ4において、まだ80〜300°C程度熱を帯びており、この熱により、第1、第2の塗料供給部32a,32bから異形棒鋼10の周面に噴射された塗料中の水分が蒸発して焼き付け塗装され、鋼種識別マーク15aと径識別マーク15bが形成される。
【0042】
上記塗料供給部32a,32bから噴射された塗料は下方に向かって広がるが、マスキング部35xにより塗料供給範囲が制約され、塗料透過穴35a,35bの幅に対応する幅の、互いに離間した鋼種識別マーク15a,径識別マーク15bが形成される。
【0043】
塗料透過穴35a,35bは、異形棒鋼10の搬送方向に細長く、異形棒鋼10が搬送されながら塗料の供給が継続されるため、
図4に示すように、塗料供給部32a,32bは異形棒鋼10が真下に位置した時のみならず、異形棒鋼10が真下の位置より上流側にある時間帯においても異形棒鋼10の前側(下流側)に塗料を斜めから供給できるとともに、異形棒鋼10が真下の位置より下流側にある時間帯においても異形棒鋼10の後側(上流側)に塗料を斜めから供給できる。
【0044】
その結果、
図6に示すように異形棒鋼10には180°以上の広い角度範囲Θtにわたって塗料を供給でき、ひいては同角度範囲Θtの鋼種識別マーク15a,径識別マーク15bを形成することができる。なお、図においてΘ1は、異形棒鋼10が塗料供給部32a,32bの真下に位置している時の塗料の供給範囲であり、Θ2は異形棒鋼10が真下の位置より上流側に位置している時だけの塗料の供給範囲であり、Θ3は異形棒鋼10が真下の位置より下流側に位置している時だけの塗料の供給範囲である。なお、Θt=Θ1+Θ2+Θ3である。
【0045】
本実施形態では異形棒鋼10の姿勢制御は行わないが、搬送の過程で、通常は平坦部11が上下に配置された安定姿勢をとる。この状態で塗料の供給が行われると、上記角度範囲Θt(塗料供給範囲、識別マーク形成範囲)は、一方の平坦部12を占めるとともに一対のねじ部11の各半分以上を占めることになる。
【0046】
上記マーキング装置30において、ヘッド30yが異形棒鋼10の軸線方向に沿って多数配置されているため、異形棒鋼10は、このヘッド30yの配置位置毎にマーキング領域16(
図3参照)を有し、各マーキング領域16毎に、軸線方向に間隔をおいて並んだ識別マーク15a,15bを有することになる。
【0047】
上記のようにして、鋼種識別マーク15aと径識別マーク15bが、明瞭な輪郭をもち比較的広い角度範囲Θtにわたって異形棒鋼10の周面に形成されているので、建築現場で離れていても見やすく、鋼種、径の識別を明瞭に行うことができ、誤配筋を防止することができる。
【0048】
また、鋼種識別マーク15aと径識別マーク15bが、軸線方向に等間隔をおいて複数のマーキング領域16に付されているので、この点からも見やすくなっており、しかも異形棒鋼10を工場または建築現場で切断しても、切断された各異形棒鋼10に鋼種識別マーク15aと径識別マーク15bが残るため、鋼種と径の識別が可能である。
【0049】
なお、各マーキング領域16において、鋼種識別マーク15aと径識別マーク15bは形状、寸法等が等しいものの、鋼種識別マーク15aが第1の色群から選択された色を呈し、径識別マーク15bが第2の色群から選択された色を呈し、第1の色群と第2の色群が同一の色を含まないため、両マーク15a、15bを識別することができる。
【0050】
上記実施形態において、
図2に仮想線で示すように、上記搬送ステージ4の下流側の上方にヒータまたは熱風吹き付け装置等からなる強制乾燥装置50を配置してもよい。工場停止等により圧延から時間が経過して常温になった異形棒鋼10に対して、上記のように水性塗料を供給した後、この強制乾燥装置50で塗料を乾燥させることができる。
【0051】
上記実施形態において、第1の色群と第2の色群において特定の1つの色を共通に用いてもよい。例えば、径識別マーク15bのD13,D22,D32,D41を表す色を、鋼種識別マーク15aのSD490を表す色と同じ「青」にする。第1の色群の他の色と第2の色群の他の色は第11、第12実施形態と同様に互いに異なる。
この場合、鋼種識別マークと径識別マークが青で表示された場合、両マークの識別はできないものの、鋼種がSD490で径がD13,D22,D32,D41であることを認識することができる。
【0052】
上記実施形態において、塗料供給部はスプレー式の代わりにフィルムコート式のものを用いることができる。この場合、各塗料供給部は異形棒鋼の軸線方向に延びる所定長さのスリットを有し、このスリットから液状の塗料が単位時間当たりほぼ定量供給され、異形棒鋼は搬送されながらこの液状塗料の供給を受けることにより、ほぼ180°の角度範囲にわたって識別マークが形成される。なお、フィルムコート式の場合には、上記スリット長さが塗料供給幅を決定するので、マスキング手段は不要である。
【0053】
上記実施形態において、鋼種識別マーク15aと径識別マーク15bの幅(異形鋼棒10の軸線方向の寸法)を異ならせてもよい。この場合、幅により鋼種識別マーク15aと径識別マーク15bとを区別できるので、両識別マークに用いられる色群において共通する複数の色を用いることができる。例えば、鋼種識別マークで用いる第1の色群は、上記実施形態と同様とし、径識別マークに用いられる第2の色群を下記のようにすることができる。
例えばD10,D19,D29,D38は「赤」、D13,D22,D32,D41は「黄」、D16,D25,D35,D51は「青」である。
【0054】
図7に示すように、塗料供給部32a,32bがスプレー式の場合には、マスキングカバー35の塗料透過穴35a,35bの幅を異ならせることにより、鋼種識別マーク15aと径識別マーク15bの幅を異ならせることができる。
また、塗料供給部がフィルムコート式の場合には、そのスリット長さを異ならせればよい。
【0055】
また、上記のように鋼種識別マーク15aと径識別マーク15bの幅を異ならせる代わりに、各マーキング領域における両者の数を異ならせてもよい。この場合、鋼種識別用の塗料供給部と径識別用の塗料供給部の数を異ならせてもよいし、塗料供給部がスプレー式の場合には、塗料透過穴の数を異ならせてもよい。
【0056】
図8、
図9に示すように、ヘッド130yを構成してもよい。このヘッド130yは、前述の実施形態と同様に、搬送方向に延びる支持部材131と、この支持部材131に設けられた塗料供給手段132と、異形棒鋼検出センサ、第1、第2のカラーセンサ(いずれも図示せず)を備えている。
この実施形態では、塗料供給手段132における第1塗料供給部132aと第2塗料供給部132bの相互位置関係が前記実施形態と異なる。以下詳述する。
【0057】
第1塗料供給部132aと第2塗料供給部132bは、
図8に示すように異形鉄筋10の軸線方向に離れているばかりか、
図9に示すように異形鉄筋10の搬送方向にも離れている。したがって、異形鉄筋10には鋼種識別用塗料と径識別用塗料が時間をずらして供給される。本実施形態では、第1塗料供給部132aから鋼種識別用塗料が供給された後、第2塗料供給部132bから径識別用塗料が供給される。
【0058】
本実施形態では、塗料供給部132a、132b毎にマスキングカバー135A,135Bが配置されている。これらマスキングカバー135A,135Bには、前記実施形態と同様に、塗料供給部132a132bの真下に搬送方向に細長い塗料透過穴135a,135bが形成されている。
【0059】
本実施形態では、第2塗料供給部132bは前記実施形態と同様にシングルガンタイプであるが、第1塗料供給部132aはデュアルガンタイプであり、短時間で塗料の切替を行えるようになっている。
【0060】
さらに本発明は、上記実施例に制約されず種々の態様を採用することができる。例えば、スプレー式の場合には、塗料供給を下方から行ってもよいし、上方および下方から塗料供給を行ってもよい。
異形棒鋼には、鋼種識別マーク、径識別マークの一方を塗料供給により形成し、他方を省いたり、異形棒鋼の周面に圧延ロールにより刻印してもよい。
本発明は、竹節をなす異形棒鋼に適用してもよい。
本発明により識別マークを施された鋼棒は、通常の真直な主筋のみならず環状に折り曲げられて剪断補強筋として用いることもできる。