特許第5786247号(P5786247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 江蘇博睿光電有限公司の特許一覧

特許57862471種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法
<>
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000007
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000008
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000009
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000010
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000011
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000012
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000013
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000014
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000015
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000016
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000017
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000018
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000019
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000020
  • 特許5786247-1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法 図000021
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5786247
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】1種の白色LED用赤色蛍光粉及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/81 20060101AFI20150910BHJP
   C09K 11/08 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   C09K11/81CQD
   C09K11/08 B
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-527443(P2013-527443)
(86)(22)【出願日】2010年10月9日
(65)【公表番号】特表2013-539496(P2013-539496A)
(43)【公表日】2013年10月24日
(86)【国際出願番号】CN2010077624
(87)【国際公開番号】WO2012031414
(87)【国際公開日】20120315
【審査請求日】2013年10月7日
(31)【優先権主張番号】201010276384.1
(32)【優先日】2010年9月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512230982
【氏名又は名称】江蘇博睿光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU BREE OPTRONICS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】何錦華
(72)【発明者】
【氏名】滕暁明
(72)【発明者】
【氏名】梁超
(72)【発明者】
【氏名】符義兵
【審査官】 馬籠 朋広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−094231(JP,A)
【文献】 特開2007−231245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 11/00−11/89
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式が次の通りであることを特徴とする1種の白光LED用赤色蛍光粉:Ca1-y-m-e-rYyMmXx-pPpZzNn:Eue,Rr (1)
式中、0.001≦y≦0.2、0.001≦m≦0.2、0.5≦x、z≦1.5、0.001≦p≦0.1、2≦n≦4、0.001≦e≦0.2、0.001≦r≦0.1で、MはSr、Ba、Sc、Li、Na、Kの中から選ばれた少なくとも1種以上のものであり、XはB、Al、Gaの中から選ばれた少なくとも1種以上のものであり、このうちAlは不可欠なものである;ZはSi、V、Nbの中から選ばれた少なくとも1種以上のものであり、このうちSiは不可欠なものである;RはDy、Er、Tm、Luの中から選ばれた少なくとも1種以上のもので、このうちDyは不可欠なものである。
【請求項2】
請求項1に記載された白光LED用赤色蛍光体の調製方法であって、
1)Ca、Sr、Ba、Li、Na、Kの窒化物、Y、Sc、B、Al、Ga、P、Si、V、Nb、Eu、Dy、Er、Tm、Luの窒化物或いは酸化物は、式(1)の化学式構成及び化学量数比で必要な原料を量り取る手順と、
2)前記原料を窒素とアルゴンの混合雰囲気ガス内において十分に混合する手順と、
3)前記混合した原料を保護雰囲気チューブ炉内において常圧高温安定相法で数段階に分けて焙焼する手順と、
4)後処理を経て、1種の白光LED用赤色蛍光粉が出来上がる手順と、
を含むことを特徴とする調製方法。
【請求項3】
手順1)において、Euの使用量は合成材料モル数の0.1%〜20%、Rの使用量は合成材料モル数0.1%〜10%であることを特徴とする請求項2に記載された調製方法。
【請求項4】
手順2)において、窒素、アルゴンガス或いは窒素とアルゴンの混合雰囲気ガス内のO2
とH2Oの含有量が0.1〜50ppmであることを特徴とする請求項2に記載された調製方法。
【請求項5】
手順3)において、保護雰囲気は純粋な窒素雰囲気でも、窒素と水素の混合雰囲気ガスでも、純粋な水素雰囲気でもよく、雰囲気圧力は常圧であることを特徴とする請求項2に記載された調製方法。
【請求項6】
手順3)において、数段階に分けて焙焼する方法を採用し、第1段階の焙焼温度は700
〜1200℃で、焙焼時間は2〜6時間であり、第2段階の焙焼温度は1400〜1800℃で、焙焼時間は6〜18時間であることを特徴とする請求項2に記載された調製方法。
【請求項7】
手順4)において、後処理プロセスは研磨、ふるいかけ、水洗い、乾燥を含み、研磨した後にふるいにかけ、電気伝導率が20μs/cm以下になるまで洗浄し、最後に乾燥して完成品が出来上がることを特徴とする請求項2に記載された調製方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、1種の紫外線、紫光或いは青光で有効に励起できる白色LED用の赤色蛍光粉及びその調製方法に関わる。
【0002】
〔背景技術〕
近年、発光ダイオード(LED)の発光効率の向上やコストが下がるにつれて、半導体照明はしだいに現代の照明の主役となり、白熱灯、蛍光灯と省エネランプに続く第4世代の照明電光源と讃えられ、「21世紀のグリーン光源」とも呼ばれていた。
【0003】
半導体照明を一般化するには、効率的で演色性の優れた白光LEDを獲得する必要がある。現在、白色LEDを実現する方法はいくつもあり、中でも代表的な方法としては青色LEDチップ上に黄色蛍光粉(YAG)を塗布して白光の発光を実現するものである。だけとこの方法の場合、色温度が高く、演色指数が低いといった欠点があり、半導体照明の要件を満たせなくなりつつある。YAG蛍光粉の発光スペクトルは非常に広いものの、赤色光ゾーンの発光強度は非常に弱いため、青光LEDチップと併用すると赤色光が不足する現象が発生し、白色LEDの色温度及び演色指数に影響を及ぼしてしまうことがある。このため、YAGだけでは既存の問題を解決することはできず、この問題を解決するには赤色蛍光粉を加える必要がある。
【0004】
だがそんな赤色蛍光粉は、長期にわたり、白色LED技術の進歩を妨げる重要な要素となっていた。現在使用されている赤色蛍光粉はいずれもいろいろな問題点があり、例えばCaS:Eu2+は光束減退が著しい、化学的安定性が低い、CaMoO4:Eu2+の励起範囲が狭い、Y2O3:Eu2+、Y2O2S:Eu2+の発光効率が低い、M2Si5N8:Eu2+光束維持性が低い等、どれもLEDチップと完璧に統合することはできない。
【0005】
米国特許US7252788は、MmAaBbNn:Zzを生成相とする1種の窒化物蛍光粉を提供した。MはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd 、Hgの中から選ばれた少なくとも1種以上の2価元素であり、A はB、Al、Ga、In、Tl、Y、Sc、P、As、Sb、Biの中から選ばれた少なくとも1種以上の3価元素であり、Bはで、C、Si、Ge、Sn、Ti、Hf、Mo、W、Cr、Pb、Zrの中から選ばれた少なくとも1種以上の4価元素であり、Zは希土類元素或いは遷移元素の中から選ばれた少なくとも1種以上の活性剤であり、(m+z):a:b:n=1:1:1:3,0.0001≦z/(m+z)≦0.5である。当該蛍光粉は300〜550nm の間であれば効果的に励起することができ、発光ピークはEu2+含有量の変化に伴って変化する。調製方法としては一段合成法を採用し、合成温度は1200〜1700度、圧力は0.5Mpa程度である。類似特許としてはJP2005239985、EP1568753、CN1683470Aが挙げられる。
【0006】
米国特許 US7273568は MmAaBbOoNn:Zzを生成相とするものを提供した。このうちMはMg、Ca、Sr、Ba、Znの中から選ばれた少なくとも1種以上の2価元素であり、AはB、Al 、Gaの中から選ばれた少なくとも1種以上の3価元素であり、BはSiとGeのうちのいずれかの4価元素であり、Zは希土類元素或いは遷移元素の中から選ばれた少なくとも1種以上の活性剤である。調製方法は同じく一段合成法を採用し、圧力は0.001MPa≦P≦0.1MPaである。類似特許としてはUS7476337、US7476338とEP1630219が挙げられる。
【0007】
国特許US2010096592は、M-Al-Si-Nを生成相とするものを提供した。このうちMはCa、SrとBaで、中には助溶剤としてLiFが加えられている。
【0008】
前既存の特許はいずれも高温高圧一段合成法を用いて蛍光粉を調製しており、得られた蛍光粉の発光強度が低く、しかも複雑な設備が必要とすることから、コストが高い、調製技術が複雑等の問題点が存在する。
【0009】
〔発明の詳細な説明〕
本発明の目的は、窒化物赤色蛍光粉の発光効率及びその製造方法等の面において存在する問題点を解決できる1種の新型高効率LED用赤色蛍光粉を提供することである。前記蛍光粉は化学的安定性や発光効率、光束維持性能が高い等の特性を持ち、白光LEDの実装要件を十分に満たすことができる。
【0010】
発明のもう一つの目的は、前記蛍光粉の製造方法を提供することである。前記製造方法は、取り扱いやすい、クリーンで低コストといった特徴を持つ。
【0011】
発明における白光LED用赤色蛍光粉の化学式は次の通り。
【0012】
Ca1-y-m-e-rYyMmXx-pPpZzNn:Eue,Rr (1)
式中、MはSr、Ba、Sc、Li、Na、Kの中から選ばれた少なくとも1種以上のものである。
【0013】
XはB、Al、Gaの中から選ばれた少なくとも1種以上のもので、このうちAlは不可欠なものである。
【0014】
ZはSi、V、Nb の中から選ばれた少なくとも1種以上のもので、このうちSiは不可欠なものである。
【0015】
RはDy、Er、Tm、Luの中から選ばれた少なくとも1種以上のもので、このうちDy は不可欠なものである。
【0016】
0.001≦y≦0.2、0.001≦m≦0.2、0.5≦x、z≦1.5、0.001≦p≦0.1、2≦n≦4、0.001≦e≦0.2、0.001≦r≦0.1。
【0017】
本発明における白光LED用赤色蛍光粉の製造方法は、次の通りの手順を含む。
【0018】
1)Ca、Sr、Ba、Li、Na、とK の窒化物、Y、Sc、B、Al、Ga、P、Si、V、Nb、Eu、Dy、Er、Tm、Luの窒化物或いは酸化物は、式(1)の化学式構成及び化学量数比で必要な原料を量り取る。
【0019】
2)前記原料を窒素とアルゴンの混合雰囲気ガス内において十分に混合する。
【0020】
3)前記混合した原料を保護雰囲気チューブ炉内において常圧高温安定相法で数段階に分けて焙焼する。
【0021】
4)後処理を経て、前記赤色蛍光粉が出来上がる。
【0022】
本発明における白光LED用赤色蛍光粉の製造方法は、次の通りの手順を含む。
【0023】
1)Ca、Sr、Ba、Li、Na、とKの窒化物、Y、Sc、B、Al、Ga、P、Si、V、Nb、Eu、Dy、Er、Tm、Luの窒化物或いは酸化物は、式(1)の化学式構成及び化学量数比で必要な原料を量り取る。
【0024】
2)前記原料を窒素とアルゴンの混合雰囲気ガス内において十分に混合する。
【0025】
3)前記混合した原料を保護雰囲気チューブ炉内において常圧高温安定相法で数段階に分けて焙焼する。
【0026】
4)後処理を経て、前記赤色蛍光粉が出来上がる。
【0027】
前記手順1)において、Euの使用量は合成材料モル数の0.1%〜20%で、Rの使用量は合成材料モル数の0.1%〜10%である。
【0028】
前記手順2)において、一部の原料が空気と水に対して敏感であるため、窒素、アルゴンガス或いは窒素とアルゴンの混合雰囲気ガス内のO2とH2Oの含有量を0.1〜50ppmに収めるよう調整する必要がある。
【0029】
前記手順3)において、保護雰囲気は純粋な窒素雰囲気でも、窒素と水素の混合雰囲気ガスでも、純粋な水素雰囲気でも構わない。雰囲気圧力は常圧である。
【0030】
前記手順3)において、数段階に分けて焙焼する方法を採用し、第1段階の焙焼温度は700〜1200℃で、焙焼時間は2〜6時間である。第2段階の焙焼温度は1400〜1800℃で、焙焼時間は6〜18時間である。
【0031】
前記手順4)において、後処理プロセスは研磨、ふるいかけ、水洗い、乾燥等を含み、研磨した後にふるいにかけ、電気伝導率が20μs/cm以下になるまで洗浄し、最後に乾燥して完成品が出来上がる。
【0032】
本発明は、アルカリ金属、P、Y等の元素を組み合わせて蛍光粉の結晶場に対して最適化調整を行うものである。数段階に分けて焙焼する方法と常圧高温粉末冶金の方法を用いることで、発光ピークを調整できるだけでなく、蛍光粉の発光強度を大幅に高め、化学的安定性、発光効率、光束維持性のどの点からみても、LEDの製造要件を十分に満たすことができるといえる。その具体的なメリットは次の通り。
【0033】
1、発光効率が高い。本発明は、アルカリ金属を電荷補償剤として使用し、粉末冶金過程における酸素空孔欠陥の発生を抑えることで、無放射遷移確率を減らせるだけでなく、蛍光粉の発光ピークを調整して発光強度を高めることもできる。アルカリ金属をY に変えることでEu2+の5d軌道のき裂を抑え、それにより無放射遷移確率が減って蛍光粉の発光性を高めることができる。Pを取り入れることで禁制バンド禁帯に付加の不純物準位が発生し、伝導帯と価電子帯との間の距離が縮み、これにより蛍光粉の発光強度が向上する。数段階に分けて焙焼することで、原料が溶解状態においてより混合しやすくなり、酸素を除去する効果もある。また、高温での焙焼は反応効果の向上につながり、純粋な単一相が得られ、蛍光粉の発光強度を高めることができる。
【0034】
2、優れた光束維持性。Y、Dy等の元素のイオン半径は基質中のCaのイオン半径よりも小さいため、イオン同士の結合力が増し、蛍光粉の光束維持性が向上する。
【0035】
3、本発明は、一般的な常圧雰囲気保護のチューブ炉を採用しており、合成の際に高圧気体(0.1〜10MPa)の保護を必要としないため、特殊設備を必要とせず、かつエネルギー消費量も少なく、構造がシンプルで、プロセスの管理も簡単で、環境を汚さないクリーンである。
【0036】
〔図面の簡単な説明〕
図1 実施例1、3、7と11のXRD図。
【0037】
図2 実施例1と比較例1における励起スペクトル比較。
【0038】
図3 実施例1と比較例1における発光スペクトル比較。
【0039】
図4 実施例1と比較例1における熱超急冷性能の比較。
【0040】
図5 実施例1と比較例1における光束維持性能の比較。
【0041】
図6 実施例2-4と比較例2における発光スペクトル比較。
【0042】
図7 実施例2-4と比較例2における励起スペクトル比較。
【0043】
図8 実施例2-4と比較例2における熱超急冷性能の比較。
【0044】
図9 実施例2-4と比較例2における光束維持性能比較。
【0045】
図10 実施5-7と比較例3における発光スペクトル比較。
【0046】
図11 実施例5-7と比較例3における熱超急冷性能の比較。
【0047】
図12 実施例5-7と比較例3における光束維持性能の比較。
【0048】
図13 実施例8-11と比較例4における発光スペクトルの比較。
【0049】
図14 実施例8-11と比較例4における熱超急冷性能の比較。
【0050】
図15 実施例8-11と比較例4における光束維持性能の比較。
【0051】
〔具体的な実施方法〕
〔実施例1〕
Ca3N26.048g、Y2O30.304g,Si3N46.289g,AlN5.292g,P2O50.382g,Eu2O31.183g,Dy2O30.502gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度窒素の保護下で800℃にまで徐々に加熱し、5時間保温した後、再び1450℃にまで加熱して10時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が8.85μs/cmになるまで洗浄し、最後に90℃の状態で乾燥すればCa0.91Y0.02Al0.96P0.04SiN3:0.05Eu、0.02Dyの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表1参照されたい。比較例1より高い。
【0052】
〔比較例1〕
Ca3N26544g、Si3N46.517g,AlN5.713g,Eu2O31.226gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度窒素の保護下で1450℃にまで徐々に加熱し、10時間保温する。雰囲気圧力は5MPaである。研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が8.85μs/cmになるまで洗浄し、最後に90℃の状態で乾燥すればCa0.95ASiN3:0.05Eu 蛍光粉が出来上がる。
【0053】
【表1】
【0054】
〔実施例2〕
Ca3N26.259g、Y2O30.466g、Si3N46.436g、AlN5.247g、BN0.171g、P2O50.195g、Eu2O30.969g、Dy2O30.257gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、窒素と水素の混合雰囲気ガスの保護下で900℃にまで徐々に加熱し、4時間保温した後、再び1650℃にまで加熱して9時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が12.64μs/cmになるまで洗浄し、最後に100℃の状態で乾燥すればCa0.92Y0.03Al0.93B0.05P0.02SiN3:0.04Eu、0.01Dyの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表2参照されたい。発光強度はいずれも比較例2より高い。
【0055】
〔実施例3〕
Ca3N26.134g、Y2O30.457g,Si3N46.308g,AlN5.143g,GaN0.565g,P2O50.192g,Eu2O30.949g,Dy2O30.252gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、窒素と水素の混合雰囲気ガスの保護下で900℃にまで徐々に加熱し、4時間保温した後、再び1650℃にまで加熱して9時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が12.64μs/cmになるまで洗浄し、最後に100℃の状態で乾燥すればCa0.92Y0.03Al0.93Ga0.05P0.02SiN3:0.04Eu、0.01Dyの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表2参照されたい。発光強度はいずれも比較例2より高い。
【0056】
〔実施例4〕
Ca3N26.149g、Y2O30.458g,Si3N46.071g,V2O50.492g,AlN5.433g,P2O50.192g,Eu2O30.952g,Dy2O30.252gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、窒素と水素の混合雰囲気ガスの保護下で900℃にまで徐々に加熱し、4時間保温した後、再び1650℃にまで加熱して9時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が12.64μs/cmになるまで洗浄し、最後に100度の状態で乾燥すればCa0.92Y0.03Al0.98P0.02Si0.96V0.04N3:0.04Eu、0.01Dyの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表2参照されたい。発光強度はいずれも比較例2より高い。
【0057】
〔比較例2〕
Ca3N26.671g、Si3N46.575g、AlN5.764g、Eu2O30.989gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、窒素と水素の混合雰囲気ガスの保護下で900℃にまで徐々に加熱し、4時間保温した後、再び1650℃にまで加熱して9時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が12.64μs/cmになるまで洗浄し、最後に100度の状態で乾燥すればCa0.96AlSiN3:0.04Euの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表2参照されたい。発光強度はいずれも各実施例よりも低い。
【0058】
【表2】
【0059】
〔実施例5〕
Ca3N25.419g、Y2O30.583g,Si3N46.033g,AlN5.131g,P2O50.275g,Eu2O31.589g,Dy2O30.722g,Tm2O30.249gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度水素の保護下で800℃にまで徐々に加熱し、3時間保温した後、再び1700℃にまで加熱して12時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が9.12μs/cmになるまで洗浄し、最後に90℃の状態で乾燥すればCa0.85Y0.04Al0.97P0.03SiN2.87:0.07Eu,0.03Dy,0.01Tmの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表3参照されたい。発光強度は比較例3より高い。
【0060】
〔実施例6〕
Ca3N25.308g、Y2O30.577g,Si3N45.979g,AlN5.084g,P2O50.272g,Eu2O31.575g,Dy2O30.715g,Er2O30.489gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度水素の保護下で850℃にまで徐々に加熱し、3時間保温した後、再び1700℃にまで加熱して12時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が9.12μs/cmになるまで洗浄し、最後に90℃の状態で乾燥すればCa0.84Y0.04Al0.97P0.03SiN2.86:0.07Eu,0.03Dy,0.02Erの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表3参照されたい。発光強度はいずれも比較例3より高い。
【0061】
〔実施例7〕
Ca3N25.305g、Y2O30.577g,,Si3N45.975g,AlN5.081g,P2O50.272g,Eu2O31.574g,Dy2O30.715g,Tm2O30.247g,Lu2O30.254gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度水素の保護下で850℃にまで徐々に加熱し、3時間保温した後、再び1700℃にまで加熱して12時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が9.12μs/cmになるまで洗浄し、最後に90℃の状態で乾燥すればCa0.84Y0.04Al0.97P0.03SiN2.86:0.07Eu,0.03Dy,0.01Tm,0.01Luの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表3参照されたい。発光強度は比較例3より高い。
【0062】
〔比較例3〕
Ca3N26.295g,Si3N46.404g,AlN5.614g,Eu2O31.687gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度水素の保護下で850℃にまで徐々に加熱し、3時間保温した後、再び1700℃にまで加熱して12時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が9.12μs/cmになるまで洗浄し、最後に90℃の状態で乾燥すればCa0.93AlSiN2.95:0.07Euの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表3参照されたい。発光強度はいずれも各実施例よりも低い。
【0063】
【表3】
【0064】
〔実施例8〕
Ca3N25.377g、Y2O30.296g,Na3N0.109g,Si3N46.129g,AlN5.265g,P2O50.186g,EuN2.175g,DyN0.463gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度窒素の保護下で1200℃にまで徐々に加熱し、3時間保温した後、再び1550℃にまで加熱して10時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が4.68μs/cmになるまで洗浄し、最後に110℃の状態で乾燥すればCa0.83Na0.03Y0.02Al0.98P0.02SiN3:0.1Eu,0.02Dyの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表4参照されたい。発光強度はいずれも比較例4より高い。
【0065】
〔実施例9〕
Ca3N25.394g、Y2O30.297g,Na3N0.046g,Si3N46.148g,AlN5.282g,P2O50.187g,EuN2.182g,DyN0.464gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度窒素の保護下で1200℃にまで徐々に加熱し、3時間保温した後、再び1550℃にまで加熱して10時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が4.68μs/cmになるまで洗浄し、最後に110℃の状態で乾燥すればCa0.83Li0.03Y0.02Al0.98P0.02SiN3:0.1Eu,0.02Dyの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表4参照されたい。発光強度はいずれも比較例4より高い。
【0066】
〔実施例10〕
Ca3N25.066g、Y2O30.289g、Sr3N20.745g、Si3N45.991g、AlN5.147g、P2O50.182g、EuN2.127g、DyN0.452gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度窒素の保護下で1200℃にまで徐々に加熱し、3時間保温した後、再び1550℃にまで加熱して10時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が4.68μs/cmになるまで洗浄し、最後に110℃の状態で乾燥すればCa0.8Sr0.06Y0.02Al0.98P0.02SiN3:0.1Eu,0.02Dyの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表4参照されたい。発光強度はいずれも比較例4より高い。
【0067】
〔実施例11〕
Ca3N24.979g、Y2O30.284g、Ba3N21.073g,Si3N45.889g,AlN5.059g,P2O50.179g,EuN2.091g,DyN0.445gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度窒素の保護下で1200℃にまで徐々に加熱し、3時間保温した後、再び1550℃にまで加熱して10時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が4.68μs/cmになるまで洗浄し、最後に110℃の状態で乾燥すればCa0.8Ba0.06Y0.02Al0.98P0.02SiN3:0.1Eu,0.02Dyの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表4参照されたい。発光強度はいずれも比較例4より高い。
【0068】
〔比較例4〕
Ca3N25.474g、Sr3N20.767g,Si3N46.166g,AlN5.405g,EuN2.189gを量り取り、前記原料を保護雰囲気内において均等になるまで十分に混合し、モリブデンるつぼに装入して素早くチューブ炉に移し、高純度窒素の保護下で1200℃にまで徐々に加熱し、3時間保温した後、再び1550℃にまで加熱して10時間保温し、研磨した後にふるいにかけて、電気伝導率が4.68μs/cmになるまで洗浄し、最後に110℃の状態で乾燥すればCa0.84Sr0.06AlSiN3:0.1Euの蛍光粉が出来上がる。その発光強度については表4参照されたい。発光強度はいずれも各実施例よりも低い。
【0069】
【表4】
【0070】
実施例12-21及び相応の比較例については表5参照されたい。発光強度はいずれも相応の比較例よりは高い。これらの実施例の調製方法と比較例4は同じである。
【0071】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】実施例1、3、7と11のXRD図。
図2】実施例1と比較例1における励起スペクトル比較。
図3】実施例1と比較例1における発光スペクトル比較。
図4】実施例1と比較例1における熱超急冷性能の比較。
図5】実施例1と比較例1における光束維持性能の比較。
図6】実施例2-4と比較例2における発光スペクトル比較。
図7】実施例2-4と比較例2における励起スペクトル比較。
図8】実施例2-4と比較例2における熱超急冷性能の比較。
図9】実施例2-4と比較例2における光束維持性能比較。
図10】実施5-7と比較例3における発光スペクトル比較。
図11】実施例5-7と比較例3における熱超急冷性能の比較。
図12】実施例5-7と比較例3における光束維持性能の比較。
図13】実施例8-11と比較例4における発光スペクトルの比較。
図14】実施例8-11と比較例4における熱超急冷性能の比較。
図15】実施例8-11と比較例4における光束維持性能の比較。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15