特許第5786291号(P5786291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5786291
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】インバータ装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20150910BHJP
【FI】
   H02M7/48 M
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-180989(P2010-180989)
(22)【出願日】2010年8月12日
(65)【公開番号】特開2012-44728(P2012-44728A)
(43)【公開日】2012年3月1日
【審査請求日】2013年7月12日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150441
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 洋一
(72)【発明者】
【氏名】大曽根 理奈
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−143244(JP,A)
【文献】 特開2010−166652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と前記直流電圧を可変周波数、可変電圧の交流電圧に変換するインバータ部とからなる主回路と、前記主回路を制御する制御回路と、前記主回路の出力電流を検出する電流検出器と、を備えるインバータ装置であって、
前記電流検出器は、前記制御回路から接続手段を介して電源電流が供給されるように構成されており、前記制御回路は、前記電流検出器の電源電流を監視する監視手段と、前記監視手段で前記電流検出器の電源電流が零であることを検知したとき、前記主回路の制御を停止する制御停止手段と、を備え、
前記監視手段は、前記制御回路内部の電源と前記電流検出器の電源供給端子との間に直列接続された抵抗を備え、前記抵抗に流れる電流を監視し、前記抵抗を介して前記電流検出器へ流れる電流が零であることを検出したとき、前記主回路の制御を停止する信号を前記制御停止手段に出力することを特徴としていることを特徴とするインバータ装置。
【請求項2】
前記監視手段で前記電流検出器の電源電流が零であることを検知したとき、外部にこれを報知する報知手段を備えることを特徴としていることを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記電流検出器で検出した前記主回路の出力電流が予め設定した過電流レベルに達している過電流状態を検出する過電流検出手段と、前記過電流検出手段で前記過電流状態を検出したとき、前記主回路の制御を停止する過電流保護手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のインバータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ装置に関し、特に出力電流検出用の電流検出器の接続不良を検出可能なインバータ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インバータ装置は、当該インバータ装置の出力電流を検出する電流検出器を内蔵しており、この電流検出器で検出した出力電流に基づいて、ベクトル制御や過電流の保護等を行っている。電流検出器は、ハーネスなどのケーブルを用いてインバータ装置内部の制御回路に接続するのが一般的である。しかしながら、その接続は、プリント基板のパターンのように固定されたものではないため、接続状態の監視が必要となる。
【0003】
接続不良によって電流検出器からの信号を検出できなかったり誤検出したりすると、制御回路による制御ができなくなり、インバータ装置及びその負荷装置が異常作動をしたり、トリップしたり、最悪の場合、過電流による装置の破損を起こしたりする場合がある。
従来のインバータ装置の異常検出方法としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、インバータ回路のゲート信号を出力する制御器を起動し、一定時間内に検出器で検出したインバータ回路の出力電流値または出力電圧値が所定範囲外となる条件で、検出器の故障、信号線の断線(検出器の接続不良)及びインバータ回路の故障を検知するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−19159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のインバータ装置にあっては、検出器の故障、検出器の接続不良及びインバータ回路の故障の何れが発生しているのかを特定するのに時間を要する。すなわち、例えば検出器の接続不良が発生している場合、インバータ装置を運転することで異常動作を検知し、これを受けて装置全体を調査した結果、初めて接続不良が原因であると認識することになる。
また、異常判定を行うためにインバータ装置を運転したとき、万が一装置が破損してしまうと、復旧までに時間とコストがかかってしまう。
そこで、本発明は、電流検出器の接続不良を適切に検出可能なインバータ装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、請求項1記載のインバータ装置は、交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と前記直流電圧を可変周波数、可変電圧の交流電圧に変換するインバータ部とからなる主回路と、前記主回路を制御する制御回路と、前記主回路の出力電流を検出する電流検出器と、を備えるインバータ装置であって、前記電流検出器は、前記制御回路から接続手段を介して電源電流が供給されるように構成されており、前記制御回路は、前記電流検出器の電源電流を監視する監視手段と、前記監視手段で前記電流検出器の電源電流が零であることを検知したとき、前記主回路の制御を停止する制御停止手段と、を備え、前記監視手段は、前記制御回路内部の電源と前記電流検出器の電源供給端子との間に直列接続された抵抗を備え、前記抵抗に流れる電流を監視し、前記抵抗を介して前記電流検出器へ流れる電流が零であることを検出したとき、前記主回路の制御を停止する信号を前記制御停止手段に出力することを特徴としている。
【0007】
このように、制御回路から電流検出器へ供給する電源電流を監視すれば、当該電源電流が零であるときに、電流検出器と制御回路とを接続する接続手段に断線などの接続不良が発生していると判断することができる。そのため、電流検出器の接続不良時には、異常発生の原因特定を素早く行うことができ、復旧までに要する時間を短縮することができる。また、インバータ装置を運転しない状態でも上記接続不良を検知することができるので、接続不良が発生している状態でインバータ装置を運転することに起因して装置破損等が起こってしまうのを防止することができる。
【0008】
また、監視手段が制御回路内部の電源と電流検出器の電源供給端子との間に直列接続された抵抗を備えて抵抗に流れる電流を監視するで、比較的簡易な回路構成で確実に電流検出器の電源電流を監視することができる。そのため、電流検出器の接続不良を確実に検知することができる。
【0009】
さらに、請求項に係るインバータ装置は、請求項に係る発明において、前記監視手段で前記電流検出器の電源電流が零であることを検知したとき、外部にこれを報知する報知手段を備えることを特徴としている。
これにより、作業者は電流検出器の接続不良が発生していることを素早く正確に認識することができ、復旧作業を適切に行うことができる。
【0010】
また、請求項に係るインバータ装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記制御回路は、前記電流検出器で検出した前記主回路の出力電流が予め設定した過電流レベルに達している過電流状態を検出する過電流検出手段と、前記過電流検出手段で前記過電流状態を検出したとき、前記主回路の制御を停止する過電流保護手段と、備えることを特徴としている。
これにより、電流検出器が正常に作動する状態である場合には、過電流保護手段によって過電流から装置を保護することができる。また、電流検出器に接続不良が発生しており、過電流保護が正常に機能しない場合でも、制御停止手段によって装置の保護が可能となるため、より装置の安全性を確保することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、インバータ制御回路から供給される電流検出器への電源電流を監視することで、電源電流が零であるときには電流検出器に接続不良が発生していることを検知することができる。そして、当該接続不良を検知した場合、インバータ装置の出力を停止することで運転を不可とする。これにより、前記接続不良が発生している状態での運転によるインバータ装置の破損や、異常動作による負荷装置への悪影響などを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態における制御回路の詳細を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態における制御回路の変形例を示すブロック図である。
図4】第2の実施形態における制御回路の詳細を示すブロック図である。
図5】第2の実施形態における制御回路の変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。
図中、符号1はインバータ装置である。インバータ装置1は、三相交流電源2に接続されたダイオード整流器(コンバータ部)11と、その直流側に平滑コンデンサ12を介して接続されたインバータ回路(インバータ部)13とを備えている。
【0014】
ダイオード整流器11は、三相交流電源2からの交流電流を直流電流に変換する。また、インバータ回路13は、当該直流電流を可変周波数・可変電圧の交流電流に変換する。このダイオード整流器11と、平滑コンデンサ12と、インバータ回路13とからなる主回路の出力電流はモータ3に供給される。これにより、モータ3が駆動し、このモータ3によって負荷装置4が駆動される。
【0015】
インバータ装置1の出力側には、主回路の出力電流を検出する電流検出器14が設けられている。この電流検出器15は、ハーネスなどのケーブルを用いて制御回路20と接続されており、電流検出器15による電流検出値は制御回路20に入力される。制御回路20は、上記電流検出値に基づいてベクトル制御を行い、インバータ回路13を構成する半導体スイッチング素子(IGBT等)のゲートを駆動制御する。
【0016】
次に、制御回路20の具体的構成について説明する。
図2は、制御回路20の詳細を示すブロック図である。
この図2に示すように、制御回路20は、電流指令発生回路21と、電流制御器22と、PWM制御器23とを備え、これらによりベクトル制御を行う。
電流制御器22は、電流検出器15の出力端子から出力される電流検出値と、電流指令発生回路21から出力される電流指令値との偏差を入力する。すると、電流制御器22は、この電流偏差に対してPI制御を施して電流制御値(電圧指令値)を算出し、これをPWM制御器23に出力する。PWM制御器23は、上記電流制御値に基づいてインバータ回路13を駆動するPWM信号のデューティ比を算出し、このPWM信号をインバータ回路13に出力する。
【0017】
また、制御回路20は、インバータ回路13の過電流からの保護を目的として、過電流レベル設定回路24と、比較器25と、OR回路26と、インバータ強制オフ回路27とを備える。すなわち、過電流レベル設定回路24で予め設定した過電流レベルと電流検出器15で検出した電流検出値とを、比較器25で比較する。そして、電流検出値が過電流レベルに達していないときには、“0”となる信号をOR回路26の一方の入力端子に出力し、電流検出値が過電流レベルに達すると、“1”となる信号をOR回路26の一方の入力端子に出力する。
【0018】
インバータ強制オフ回路27は、例えば、PWM制御器23とインバータ回路13との接続/非接続を制御可能なスイッチにより構成する。そして、このスイッチを、OR回路26の出力が“0”であるときにオン状態となって、PWM制御器23とインバータ回路13とを接続(インバータ回路13をオン)し、OR回路26の出力が“1”であるときにオフ状態となって、PWM制御器23とインバータ回路13とを切り離す(インバータ回路13をオフする)ように構成する。
【0019】
さらに、本実施形態では、制御回路20は、電流検出器15と制御回路20との間の接続不良の検出を目的として、抵抗28と、断線検出器29とを備える。
電流検出器15は、ホール素子やシャント抵抗等で構成され、電源を有していない。そのため、電流検出器15の電源は制御回路20から供給される。すなわち、電流検出器15のプラス側端子(電源供給端子)が制御回路20内部の電源30に接続され、マイナス側端子が接地される。
【0020】
抵抗28は、電流検出器15のプラス側端子と電源30との間に直列に接続する。そして、断線検出器29で、抵抗28を介して流れる電流検出器15への電源電流を監視する。断線検出器29は、電流検出器15への電源電流が0[A]となることを検出しているときに“1”となる信号をOR回路26の他方の入力端子に出力し、それ以外のときには“0”となる信号をOR回路26の他方の入力端子に出力する。
【0021】
このような構成により、過電流時及び/又は接続不良時には、OR回路26の出力が“1”となり、インバータ強制オフ回路27がインバータ装置1の出力を強制的にオフする。
なお、図2において、抵抗28及び断線検出器29が監視手段に対応し、OR回路26及びインバータ強制オフ回路27が制御停止手段及び過電流保護手段に対応し、過電流レベル設定回路24及び比較器25が過電流検出手段に対応している。
【0022】
(動作)
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
電流検出器15に接続不良が発生していない正常状態である場合、電流検出器15へ電源電流が流れるため、断線検出器29は抵抗28を介して電源電流が流れることを確認し、“0”となる信号をOR回路26に出力する。また、このとき電流検出器15はインバータ装置1の出力電流を検出し、比較器25はその電流検出値と過電流レベルとを比較する。そして、過電流でない場合には、比較器25は“0”となる信号をOR回路26に出力する。したがって、OR回路26の出力信号は“0”となり、インバータ強制オフ回路27は、PWM制御器23とインバータ回路13とを接続した状態とする。
【0023】
この正常状態では、電流検出器15で検出したインバータ装置1の出力電流と、電流指令発生回路21から出力される電流指令値との偏差を算出し、この電流偏差に基づいてインバータ回路13を駆動制御する。このようにして、モータ3の速度制御が行われる。
一方、電流検出器15とインバータ装置1の制御回路20とを接続するケーブルが断線している接続不良時には、電流検出器15へ電源電流が流れないため、断線検出器29は電源電流=0[A]であることを確認する。そのため、断線検出器29は、“1”となる信号をOR回路26に出力する。すると、OR回路26の出力信号は“1”となり、インバータ強制オフ回路27は、PWM制御器23とインバータ回路13とを切り離した状態とする。これにより、制御回路20によるインバータ回路13の駆動制御が停止する。このようにして、インバータ装置1の出力を強制的にオフする。
【0024】
(効果)
このように、第1の実施形態では、インバータ装置の制御回路に電流検出器の電源電流を監視する機能を設けるので、電流検出器の接続不良が発生している場合には、確実にこれを検知することができる。したがって、異常発生時には、装置全体を調査することなく、電流検出器の接続不良に対応した復旧作業を行うことができる。このように、異常原因の特定が容易であるため、復旧までにかかる時間を短縮することができる。
【0025】
また、電流検出器のプラス側に抵抗を直列接続し、その抵抗を介して流れる電源電流を監視することで電流検出器の接続不良を検知可能であるため、モータに出力電流を供給しない状態でも当該接続不良の検知が可能となる。したがって、電流検出器に接続不良が発生している状態でインバータ装置を運転することに起因して、異常動作やトリップ、更には過電流による装置の破損が起こるのを防止することができる。
さらに、電流検出器の接続不良を検知した場合には、インバータ装置の運転を不可とするので、過電流保護が正常に機能しない状態でインバータ装置が運転されることに起因するインバータ装置の破損や、異常動作による負荷装置への悪影響などを確実に防止することができる。
【0026】
(変形例)
なお、上記第1の実施形態においては、制御回路20においてベクトル制御を行う場合について説明したが、出力電圧Vと出力周波数Fの比を所定の値にしてモータ3を可変速制御するV/F制御を行う場合についても適用可能である。この場合、図3に示すように、図2に示す電流指令発生回路21、電流制御器22及びPWM制御器23に代えて、電圧/周波数制御器31及びPWM制御器32を設ければよい。
【0027】
電圧/周波数制御器31は、速度設定値に基づいて、モータ3の出力電圧Vと出力周波数Fとの比率(V/F比)を所定の値にしつつ3相の交流信号を生成する。そして、PWM制御器32は、電圧/周波数制御器31で生成した3相の交流信号それぞれをPWM制御して、インバータ回路13を駆動するPWM信号のデューティ比を算出し、このPWM信号をインバータ回路13に出力する。この場合にも、過電流時及び/又は接続不良時に、インバータ強制オフ回路27がインバータ装置1の出力を強制的にオフすることができる。
【0028】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、電流検出器15の接続不良時に、これを外部に報知するようにしたものである。
(構成)
図4は、第2の実施形態における制御回路20の詳細を示すブロック図である。
この図4に示すように、本実施形態の制御回路20は、図2に示す制御回路20において、異常状態通報回路35が追加されていることを除いては、図2の制御回路20と同様の構成を有する。したがって、ここでは構成の異なる部分を中心に説明する。
【0029】
異常状態通報回路35は、断線検出器29の出力信号を入力する。そして、異常状態通報回路35は、断線検出器29の出力信号が“1”である場合に、図示しない通報装置を作動し、外部(作業者)に対して電流検出器15の接続不良が発生していることを報知する。ここで、通報装置として、警報を発する警報装置や、異常発生状態をディスプレイ表示する表示装置等を用いることができる。
なお、図4において、異常状態通報回路35が報知手段に対応している。
【0030】
(動作)
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
電流検出器15とインバータ装置1の制御回路20とを接続するケーブルが断線している接続不良時には、電流検出器15へ電源電流が流れないため、断線検出器29は電源電流=0[A]であることを確認する。そのため、断線検出器29は、“1”となる信号をOR回路26に出力する。すると、OR回路26の出力信号は“1”となり、インバータ強制オフ回路27は、PWM制御器23とインバータ回路13とを切り離した状態とする。これにより、制御回路20によるインバータ回路13の駆動制御が停止する。このようにして、インバータ装置1の出力を強制的にオフする。
さらにこのとき、断線検出器15の出力信号は異常状態通報回路35に入力される。断線検出器15の出力信号は“1”であるため、異常状態通報回路35は、通報装置によって外部に電流検出器15の接続不良を知らせる。
これにより、作業者は電流検出器15の接続不良を認識し、迅速に復旧作業にあたることができる。
【0031】
(効果)
このように、第2の実施形態では、電流検出器の接続不良時には、インバータ装置の出力を強制的にオフすると共に、当該接続不良が発生していることを外部に通報する。そのため、作業者は電流検出器の接続不良を早く正確に認識することができる。
(変形例)
なお、上記第2の実施形態においては、図3に示す制御回路20と同様に、V/F制御を行う場合についても適用可能である。この場合、図5に示すように、図3に示す制御回路20に対して異常状態通報回路35を追加すればよい。これにより、電流検出器15の接続不良時に、インバータ強制オフ回路27がインバータ装置1の出力を強制的にオフすると共に、当該接続不良を外部に知らせることができる。
【0032】
また、上記第2の実施形態においては、異常状態通報回路35に断線検出器15の出力信号を入力する場合について説明したが、OR回路26の出力信号を入力するようにしてもよい。この場合、異常状態通報回路35は、OR回路26の出力信号が“1”である場合に通報装置を作動し、作業者に対して過電流及び/又は電流検出器15の接続不良が発生していることを報知することができる。
【符号の説明】
【0033】
1…インバータ装置、2…三相交流電源、3…モータ、4…負荷装置、11…ダイオード整流器(コンバータ部)、12…平滑コンデンサ、13…インバータ回路(インバータ部)、15…電流検出器、20…制御回路、21…電流指令発生回路、22…電流制御器、23…PWM制御器、24…過電流レベル設定回路、25…比較器、26…OR回路、27…インバータ強制オフ回路、28…抵抗、29…断線検出器、31…電圧/周波数制御器、32…PWM制御器、35…異常状態通報回路
図1
図2
図3
図4
図5