【文献】
小柳 修爾,オプトロニクス光技術用語辞典,日本,(株)オプトロニクス社,2005年11月21日,第3版,p.70
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の支持部および前記第2の支持部が、前記第1の反射鏡および前記第2の反射鏡それぞれを、該第1の支持部に支持された該第1の反射鏡で反射した光ビームが前記光検出器の光検出面の中心に入射する時点の該光ビームと、該第2の支持部に支持された該第2の反射鏡で反射した光ビームが該光検出面の中心に入射する時点の該光ビームを、該光検出面の中心に立てた法線を挟んで互いに反対側から入射させる位置および姿勢に支持するものであることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の光走査装置。
帯電し露光により静電潜像を形成する像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電器と、前記像保持体を、画像信号に応じて変調された光ビームで走査することにより該像保持体を露光する露光器と、前記静電潜像を現像して現像像を形成する現像器とを有する現像像形成部、および
前記現像像形成部で形成された現像像を記録媒体上に転写する転写器と、前記記録媒体上に転写された現像像を定着する定着器とを有する転写定着部を有し、
前記露光器が、
筐体と、
画像信号を受け該画像信号に応じて変調された光ビームを出射する光源と、
前記光源から出射した光ビームの照射を受け回転しながら回転角に応じた方向に該光ビームを反射する回転多面鏡と、
前記回転多面鏡で反射した光ビームを前記像保持体上に導いて該像保持体上を繰り返し走査させる走査光学系と、
前記回転多面鏡による光ビームの偏向領域の内側であって、かつ、前記像保持体の走査に利用する走査利用領域の外側に配置された反射鏡と、
前記反射鏡で反射した光ビームを受光して該光ビームによる前記像保持体上の走査タイミングを検出する光検出器とを有し、
前記筐体が、
前記光ビームを前記光検出器に向けて反射する、前記反射鏡としての第1の反射鏡を、前記回転多面鏡による光ビームの偏向領域の内側であり、かつ、被走査領域が相対的に狭い第1の像保持体が搭載されている場合の該第1の像保持体の走査に利用する第1の走査利用領域の外側であり、さらに被走査領域が相対的に広い第2の像保持体が搭載されている場合の該第2の像保持体の走査に利用する第2の走査利用領域の内側に掛かる第1の位置に支持する第1の支持部と、
前記光ビームを前記光検出器に向けて反射する、前記反射鏡としての第2の反射鏡を、前記偏向領域の内側であり、かつ、前記第2の走査利用領域の外側の第2の位置に支持する第2の支持部とを有し、
前記第1の支持部および前記第2の支持部のうちの一方の支持部が、前記反射鏡の反射面の当接を受ける第1の被当接部を有し、該反射鏡を、該反射鏡の反射面が該第1の被当接部に当接した状態に支持する支持部であり、他方の支持部が、前記反射鏡の裏面の当接を受ける第2の被当接部を有し、該反射鏡を、該反射鏡の裏面が該第2の被当接部に当接した状態に支持する支持部であることを特徴とする画像形成装置。
帯電し露光により静電潜像を形成する像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電器と、前記像保持体を、画像信号に応じて変調された光ビームで走査することにより該像保持体を露光する露光器と、前記静電潜像を現像して現像像を形成する現像器とを有する現像像形成部、および
前記現像像形成部で形成された現像像を記録媒体上に転写する転写器と、前記記録媒体上に転写された現像像を定着する定着器とを有する転写定着部を有し、
前記露光器が、
筐体と、
画像信号を受け該画像信号に応じて変調された光ビームを出射する光源と、
前記光源から出射した光ビームの照射を受け回転しながら回転角に応じた方向に該光ビームを反射する回転多面鏡と、
前記回転多面鏡で反射した光ビームを前記像保持体上に導いて該像保持体上を繰り返し走査させる走査光学系と、
前記回転多面鏡による光ビームの偏向領域の内側であって、かつ、前記像保持体の走査に利用する走査利用領域の外側に配置された反射鏡と、
前記反射鏡で反射した光ビームを受光して該光ビームによる前記像保持体上の走査タイミングを検出する光検出器とを有し、
前記筐体が、
前記光ビームを前記光検出器に向けて反射する、前記反射鏡としての第1の反射鏡を、前記回転多面鏡による光ビームの偏向領域の内側であり、かつ、被走査領域が相対的に狭い第1の像保持体が搭載されている場合の該第1の像保持体の走査に利用する第1の走査利用領域の外側であり、さらに被走査領域が相対的に広い第2の像保持体が搭載されている場合の該第2の像保持体の走査に利用する第2の走査利用領域の内側に掛かる第1の位置に支持する第1の支持部と、
前記光ビームを前記光検出器に向けて反射する、前記反射鏡としての第2の反射鏡を、前記偏向領域の内側であり、かつ、前記第2の走査利用領域の外側の第2の位置に支持する第2の支持部とを有し、
前記第1の反射鏡および前記第2の反射鏡が互いに異なる寸法の反射鏡であって、
前記第1の支持部および前記第2の支持部が、前記第1の反射鏡および前記第2の反射鏡それぞれの反射面の当接を受ける第1の被当接部および第2の被当接部を有し、該第1の反射鏡および該第2の反射鏡それぞれを、該第1の反射および該第2の反射それぞれの反射面が該第1の被当接部および該第2の被当接部に当接した状態に支持するものであることを特徴とする画像形成装置。
前記第1の支持部および前記第2の支持部が、前記第1の反射鏡および前記第2の反射鏡それぞれを、該第1の支持部に支持された該第1の反射鏡で反射した光ビームが前記光検出器の光検出面の中心に入射する時点の該光ビームと、該第2の支持部に支持された該第2の反射鏡で反射した光ビームが該光検出面の中心に入射する時点の該光ビームを、該光検出面の中心に立てた法線を挟んで互いに反対側から入射させる位置および姿勢に支持するものであることを特徴とする請求項6から9のうちいずれか1項記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、走査領域に広狭のある複数種類の被走査体のいずれにも適用可能な光走査装置、およびその光走査装置が組み込まれた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の光走査装置は、
筐体と、
光ビームを出射する光源と、
光源から出射した光ビームの照射を受け回転しながら回転角に応じた方向に光ビームを反射する回転多面鏡と、
回転多面鏡で反射した光ビームを被走査体上に導いて被走査体上を繰り返し走査させる走査光学系と、
回転多面鏡による光ビームの偏向領域の内側であって、かつ、被走査体の走査に利用する走査利用領域の外側に配置された反射鏡と、
その反射鏡で反射した光ビームを受光して光ビームによる被走査体上の走査タイミングを検出する光検出器とを有し、
上記筐体が、
光ビームを光検出器に向けて反射する、上記反射鏡としての第1の反射鏡を、回転多面鏡による光ビームの偏向領域の内側であり、かつ、被走査領域が相対的に狭い第1の被走査体の走査に利用する第1の走査利用領域の外側であり、さらに被走査領域が相対的に広い第2の被走査体の走査に利用する第2の走査利用領域の内側に掛かる第1の位置に支持する第1の支持部と、
光ビームを光検出器に向けて反射する、上記反射鏡としての第2の反射鏡を、偏向領域の内側であり、かつ、第2の走査利用領域の外側の第2の位置に支持する第2の支持部とを有することを特徴とする光走査装置である。
【0009】
請求項2の光走査装置は、請求項1の光走査装置において、上記第1の支持部および上記第2の支持部が、第1の反射鏡と第2の反射鏡が互いに干渉し第1の反射鏡の第1の支持部への支持と第2の反射鏡の第2の支持部への支持との一方のみ可能な各位置に設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の光走査装置は、請求項1の光走査装置において、上記第1の反射鏡および上記第2の反射鏡が互いに同一寸法の反射鏡であって、
第1の支持部および第2の支持部のうちの一方の支持部が、反射鏡の反射面の当接を受ける第1の被当接部を有し、反射鏡を、その反射鏡の反射面が第1の被当接部に当接した状態に支持する支持部であり、他方の支持部が、反射鏡の裏面の当接を受ける第2の被当接部を有し、反射鏡を、その反射鏡の裏面が第2の被当接部に当接した状態に支持する支持部であることを特徴とする。
【0011】
請求項4の光走査装置は、請求項1又は2の光走査装置において、上記第1の反射鏡および上記第2の反射鏡が互いに異なる寸法の反射鏡であって、
第1の支持部および第2の支持部が、第1の反射鏡および第2の反射鏡それぞれの反射面の当接を受ける第1の被当接部および第2の被当接部を有し、第1の反射鏡および第2の反射鏡それぞれを、第1の反射鏡および第2の反射鏡それぞれの反射面が第1の被当接部および第2の被当接部に当接した状態に支持するものであることを特徴とする。
【0012】
請求項5の光走査装置は、請求項1から4のうちのいずれか1項記載の光走査装置において、第1の支持部および第2の支持部が、第1の反射鏡および第2の反射鏡それぞれを、第1の支持部に支持された第1の反射鏡で反射した光ビームが光検出器の光検出面の中心に入射する時点の該光ビームと、第2の支持部に支持された第2の反射鏡で反射した光ビームが光検出面の中心に入射する時点の光ビームを、光検出面の中心に立てた法線を挟んで互いに反対側から入射させる位置および姿勢に支持するものであることを特徴とする。
【0013】
請求項6の画像形成装置は、帯電し露光により静電潜像を形成する像保持体と、像保持体を帯電させる帯電器と、像保持体を、画像信号に応じて変調された光ビームで走査することにより像保持体を露光する露光器と、静電潜像を現像して現像像を形成する現像器とを有する現像像形成部、および
現像像形成部で形成された現像像を記録媒体上に転写する転写器と、記録媒体上に転写された現像像を定着する定着器とを有する転写定着部を有し、
上記露光器が、
筐体と、
光ビームを出射する光源と、
光源から出射した光ビームの照射を受け回転しながら回転角に応じた方向に該光ビームを反射する回転多面鏡と、
回転多面鏡で反射した光ビームを被走査体上に導いて被走査体上を繰り返し走査させる走査光学系と、
回転多面鏡による光ビームの偏向領域の内側であって、かつ、被走査体の走査に利用する走査利用領域の外側に配置された反射鏡と、
その反射鏡で反射した光ビームを受光して光ビームによる被走査体上の走査タイミングを検出する光検出器とを有し、
上記筐体が、
光ビームを光検出器に向けて反射する、上記反射鏡としての第1の反射鏡を、回転多面鏡による光ビームの偏向領域の内側であり、かつ、被走査領域が相対的に狭い第1の被走査体の走査に利用する第1の走査利用領域の外側であり、さらに被走査領域が相対的に広い第2の被走査体の走査に利用する第2の走査利用領域の内側に掛かる第1の位置に支持する第1の支持部と、
光ビームを光検出器に向けて反射する、上記反射鏡としての第2の反射鏡を、偏向領域の内側であり、かつ、第2の走査利用領域の外側の第2の位置に支持する第2の支持部とを有することを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
請求項7の画像形成装置は、請求項6の画像形成装置において、上記第1の支持部および上記第2の支持部が、第1の反射鏡と第2の反射鏡が互いに干渉し第1の反射鏡の第1の支持部への支持と第2の反射鏡の第2の支持部への支持との一方のみ可能な各位置に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項8の画像形成装置は、請求項6の画像形成装置において、上記第1の反射鏡および上記第2の反射鏡が互いに同一寸法の反射鏡であって、
第1の支持部および第2の支持部のうちの一方の支持部が、反射鏡の反射面の当接を受ける第1の被当接部を有し、反射鏡を、その反射鏡の反射面が第1の被当接部に当接した状態に支持する支持部であり、他方の支持部が、反射鏡の裏面の当接を受ける第2の被当接部を有し、反射鏡を、その反射鏡の裏面が第2の被当接部に当接した状態に支持する支持部であることを特徴とする。
【0016】
請求項9の画像形成装置は、請求項6又は7の画像形成装置において、上記第1の反射鏡および上記第2の反射鏡が互いに異なる寸法の反射鏡であって、
第1の支持部および第2の支持部が、第1の反射鏡および第2の反射鏡それぞれの反射面の当接を受ける第1の被当接部および第2の被当接部を有し、第1の反射鏡および第2の反射鏡それぞれを、第1の反射鏡および第2の反射鏡それぞれの反射面が第1の被当接部および第2の被当接部に当接した状態に支持するものであることを特徴とする。
【0017】
請求項10の画像形成装置は、請求項6から9のうちのいずれか1項記載の画像形成装置において、第1の支持部および第2の支持部が、第1の反射鏡および第2の反射鏡それぞれを、第1の支持部に支持された第1の反射鏡で反射した光ビームが光検出器の光検出面の中心に入射する時点の該光ビームと、第2の支持部に支持された第2の反射鏡で反射した光ビームが光検出面の中心に入射する時点の光ビームを、光検出面の中心に立てた法線を挟んで互いに反対側から入射させる位置および姿勢に支持するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の光走査装置および請求項6の画像形成装置によれば、走査領域が異なる機種に適用可能である。
【0019】
請求項2の光走査装置および請求項7の画像形成装置によれば、第1および第2の反射鏡のいずれについても光検出器でほぼ同一の光学特性が得られる。
【0020】
請求項3の光走査装置および請求項8の画像形成装置によれば、機種が異なっても同一の反射鏡が用いられる。
【0021】
請求項4の光走査装置および請求項9の画像形成装置によれば、本構成を採用しない場合と比べ、反射鏡が高精度に位置決めされる。
【0022】
請求項5の光走査装置および請求項10の画像形成装置によれば、本構成を採用しない場合と比べ高精度の検出が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の一実施形態としての画像形成装置の概略構成図である。この
図1に示す画像形成装置1には、露光器53が組み込まれている。この露光器53は、本発明の光走査装置の一実施形態に相当する。
【0026】
この画像形成装置1は、原稿読取部10、画像形成部20、および用紙収容部30を有する。
【0027】
原稿読取部10には、原稿Sが重ねられた状態に置かれる原稿給紙台11が備えられている。この原稿給紙台11上に置かれた原稿Sは1枚ずつ送り出されて搬送ロール12によって搬送経路13上を搬送され、透明ガラス製の原稿読取板14の下に置かれた原稿読取光学系15により、その搬送されてきた原稿に記録されている文字や画像が読み取られて原稿排紙台16上に排出される。
【0028】
また、この原稿読取部10は、その奥側に左右に延びるヒンジを有し、そのヒンジを回転中心として、原稿給紙台11および原稿排紙台16を一体的に持ち上げることができる。その持ち上げた下には、原稿読取板14が広がっている。この原稿読取部10では、原稿給紙台11に原稿を置くことに代えて原稿読取板14上に原稿を1枚だけ下向きに置き、原稿読取光学系15が矢印A方向に移動してその原稿読取板14上の原稿から文字や画像を読み取ることもできる。
【0029】
原稿読取光学系15で得られた画像信号は、処理・制御回路21に入力される。処理・制御回路21は、以下のようにして、入力されてきた画像信号に基づく画像を形成する。また、この処理・制御回路21は、この画像形成装置1の各部の動作制御を担っている。
【0030】
また、この画像形成装置1の下部に設けられた用紙収容部30には、3台の給紙台31_1,31_2,31_3が収容されている。これらの給紙台31_1,31_2,31_3には、各給紙台31_1,31_2,31_3ごとに例えば寸法の異なる用紙Pが積み重なった状態に収容されている。各給紙台31_1,31_2,31_3は、用紙Pの補給のために、引出し自在に構成されている。
【0031】
それら3台の給紙台31_1,31_2,31_3のうちの、例えば原稿の寸法に適合した寸法の用紙Pが収容されている給紙台(ここでは一例として給紙台31_3とする)から用紙Pがピックアップロール32により送り出され、さばきロール33により1枚ずつに分離され、その分離された1枚の用紙Pが搬送ロール34により矢印Bの向きに上方に搬送され、待機ロール35によりそれ以降の搬送のタイミングが調整されてさらに搬送される。この待機ロール35以降の搬送については後述する。
【0032】
また、画像形成部20には、手差し給紙台22が備えられている。この手差し給紙台22はその下端部を中心に開く折り畳み式のものであり、この手差し給紙台22を開き、その上に用紙を置き、その手差し給紙台22に置かれた用紙を矢印Cに従って送り込むことも可能である。
【0033】
この画像形成部20の中央部には、矢印Dで示す向きに回転する感光体51を有し、その感光体51の周囲に、帯電器52、現像装置60、除電器54、およびクリーナ55が配置されている。また、感光体51の上方には、露光器53が配置されている。また、後述する中間転写ベルト71を感光体51との間に挟んだ位置には転写器56が置かれている。
【0034】
感光体51はロール形状を有し、帯電により電荷を保存し露光によりその電荷を放出してその表面に静電潜像が形成される。
【0035】
帯電器52は、感光体51の表面をある帯電電位に帯電する。
【0036】
また、露光器53には、処理・制御回路21から画像信号が入力され、その入力された画像信号に応じて変調された光ビーム531を出力する。この光ビーム531は、矢印D方向に回転する感光体51の表面の、帯電器52による帯電を受けた部分を、その感光体51の回転軸方向(
図1の紙面に垂直な方向)に繰り返し走査し、感光体51の表面に静電潜像を形成する。さらに感光体51は光ビーム531の走査を受けて表面に静電潜像が形成された後、現像装置60により現像され、その感光体51の表面にトナー像が形成される。ここで、現像装置60は、6台の現像器61_1,61_2,61_3,61_4,61_5,61_6を備え、矢印Eの向きに回転して、それら6台の現像器61_1〜61_6のうちのいずれか1台の現像器(
図1に示す状態では現像器61_1)が感光体51に対面した位置に移動される。感光体51上に形成された静電潜像は、その感光体51に対面した現像器(ここでは現像器61_1とする)により現像されてトナー像が形成される。
【0037】
現像装置60に備えられている6台の現像器61_1〜61_6には、各現像器ごとにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)や、さらにそのユーザの用途に応じた2色の特色のトナーが収容されている。感光体51上の静電潜像の現像にあたっては、今回使用される色のトナーを収容した現像器が感光体51に対面する位置に回転され、その感光体51に対面した現像器により、その現像器に収容された色トナーによる現像が行なわれる。ユーザの用途に応じた特色としては、例えば画像の艶出しに用いる透明トナーや、そのユーザにおいて多用される色に調整されたトナー等が用いられる。
【0038】
現像装置60の上部には、6台の現像器61_1〜61_6のそれぞれで用いられている色トナーと同一の色トナーが収容された6台のトナータンク62_1〜62_6が置かれている。各現像器61_1〜61_6内のトナーが減ると対応する色のトナーが収容されているトナータンク62_1〜62_6からその現像器61_1〜61_6内にトナーが供給される。
【0039】
現像器による現像により、感光体51上に形成されたトナー像は、転写器56の作用により中間転写ベルト71上に転写される。
【0040】
この感光体51は、この転写後に除電器54による除電を受け、さらにクリーナ55により、転写後の感光体51に残存しているトナーが除去される。
【0041】
中間転写ベルト71は、複数のロール72に架け回された、無端の、矢印F方向に循環移動するベルトである。この中間転写ベルト71の近傍には、用紙Pの搬送経路を挟んだ位置に転写器73が配置され、さらにその転写器73よりも中間転写ベルト71の循環移動方向下流側には、転写器73による転写後に中間転写ベルト71上に残存するトナーを除去するクリーナ74が配置されている。これらの転写器73およびクリーナ74は、中間転写ベルト71に接離自在な構成となっている。
【0042】
複数色による画像を形成するときは、転写器73およびクリーナ74を中間転写ベルト71から離間させておき、ある1色のトナーによるトナー像を感光体51上に形成して中間転写ベルト71に転写する過程を、現像装置60を回転させながら複数の現像器(複数色のトナー)について繰り返し、中間転写ベルト71上に複数色のトナーによる複数のトナー像を順次重なるように転写する。
【0043】
その後、転写器73を中間転写ベルト71に接触させ、重ねられた複数色のトナー像がその転写器73が置かれた転写位置に達するときに用紙Pもその転写位置に達するように用紙Pが待機ロール35から送り出され、その転写位置において、転写器73の作用により、中間転写ベルト71上の複数色のトナー像が用紙P上に転写される。トナー像の転写を受けた用紙は、さらに矢印Gで示す向きに搬送され、定着器75による加熱および加圧を受けてその用紙上に定着トナー像からなる画像が形成される。この定着器75を通過した用紙は、さらに矢印Hで示す向きに搬送されて用紙排出台23上に排出される。
【0044】
また、クリーナ74も中間転写ベルト71に接触するように移動し、転写器73による転写後に中間転写ベルト71上に残存するトナーが、クリーナ74により、その中間転写ベルト71上から除去される。
【0045】
また、この画像形成装置1は、用紙Pの両面に画像を形成することが可能な装置となっている。用紙Pの両面に画像を形成する場合、上記のようにして用紙Pの第1面にのみ画像が形成された用紙Pは、用紙排出台23上に排出されることに代わり、案内部材36の切り替えにより、搬送ロール37により矢印Iで示す向きに搬送される。その後搬送方向が反転し、もう1つの案内部材38により、今度は矢印Kで示す向きに搬送ロール39により搬送されて待機ロール35に至る。
【0046】
その後は、再度上記と同様にして、今度はその用紙Pの第2面に画像が形成される。このようにして両面に画像が形成された用紙Pは、今度は用紙排出台23上に排出される。
【0047】
図2は、露光器を示した斜視図である。
【0048】
この
図2には、露光器の蓋が取り外され、その露光器内部が示されている。
【0049】
この露光器53の筐体532には回路基板81が固定されており、その回路基板81には、面発光タイプのレーザダイオード82(
図3,
図4参照)が搭載されている。この回路基板81には、ケーブル811が接続され、さらにその回路基板81には、処理回路812も搭載されている。この回路基板81に搭載されているレーザダイオード82は、複数本の光ビームを出射するタイプのレーザダイオードであり、この露光器53は、
図1に示す感光体51上を複数本の光ビームで同時に走査する構成となっている。
【0050】
ケーブル811は、
図1に示す処理・制御回路21に接続されて、画像信号をその処理・制御回路21から回路基板81に伝達する。この回路基板81に伝達された画像信号は、処理回路812で処理されレーザダイオード82から出射する光ビームの変調を制御する変調信号に変換されて、レーザダイオード82に伝えられる。レーザダイオード82は、その伝えられた変調信号に応じて変調された複数本の光ビームを出射する。
【0051】
この露光器53の筐体532内には、回転多面鏡83やその他の複数の光学部材からなる光学系が配置されている。
【0052】
図3および
図4は、露光器の筐体内に配備された光学系の、それぞれ平面図および斜視図である。
【0053】
レーザダイオード82から出射した複数本の光ビーム531は、コリメータレンズ84およびアパーチャ85を通過しハーフミラー86に到る。ハーフミラー86は入射ビームの一部を反射しその反射ビーム532は集光レンズ87を介して、光量検知用の光センサ88に入力される。この光センサ88による受光信号は
図2に示す回路基板81に伝達され、その回路基板81上の処理回路812で、その受光信号に基づいて、レーザダイオード82から出射される光ビームの光量が調整される。
【0054】
ハーフミラー86を透過した光ビームは、さらにシリンドリカルレンズ89を経由して回転多面鏡(ポリゴンミラー)83に達する。この回転多面鏡83はその周面831が反射鏡となっており、入射ビームをその回転角に応じた方向に反射する。この回転多面鏡83は矢印L方向に回転し、したがってその反射ビームは矢印M方向に繰り返し偏向される。
【0055】
回転多面鏡83で反射した光ビームはfθレンズ90を通過し、シリンドリカルミラー91で上方に反射され、平面ミラー92で光路を折り返す方向に反射される。このミラー92で反射された光ビームは、fθレンズ90や回転多面鏡83の上方を通過しシリンドリカルミラー93で下方に反射されて、筐体532に設けられた開口533(
図2参照)を通って筐体532の下方に出射する。この露光器53の筐体532から出射した光ビーム531は、
図1に示すように、感光体51をその回転軸方向に走査し、感光体51上に静電潜像を形成する。
【0056】
また、
図3に示す、回転多面鏡83による光ビームの偏向領域Rの内側であって感光体51の走査に利用する走査領域Saから外れた位置に反射ミラー94aが配置されており、ミラー92で反射した光ビームは、一回の走査の開始タイミングでその反射ミラー94aで反射する。その反射ミラー94aで反射した光ビーム533aは、集光レンズ95を経由してタイミング検出用光センサ96に入射する。
【0057】
この光センサ96は、光ビーム変調のタイミングを調整するために各回の走査の開始タイミングを検出するセンサである。この光センサ96で得られた受光信号は処理・制御回路21(
図1参照)に伝達され、その処理・制御回路21で、その受光信号に基づいてタイミング調整された画像信号が生成され、その画像信号が処理・制御回路21からケーブル811を経由して回路基板81に入力される。このようにして、レーザダイオード82からは、ケーブル811を経由して入力されてきた画像信号に基づくとともに、光センサ88の受光信号に基づいて光量が調整された変調信号に応じて変調された光ビーム531が出射される。
【0058】
ここで、
図1に示す模式図としては同一であるが、
図2〜
図4に示す露光器は、感光体51(
図1参照)の回転軸方向(
図1の紙面に垂直な方向)の走査領域(
図4の走査領域Saに対応する)の広さが異なる複数種類の画像形成装置1に適用される。
【0059】
図5は、
図3と同一の図に、異なる走査領域Sa,Sbを示した図である。
【0060】
光源82から出射される光ビーム531は、仮に常に点灯させておくと回転多面鏡83の回転により偏向領域Rについて走査が行なわれる。
【0061】
その偏向領域Rのうち、第1種の画像形成装置の場合は、走査領域Saのみ、感光体51(
図1参照)の走査に用いられ、その走査領域Saから僅かに外れた位置に反射ミラー94aを置き、その反射ミラー94aでの反射ビーム533aを光センサ96で受光して走査開始タイミングを検出している。
【0062】
一方、第2種の画像形成装置の場合は、走査領域Saよりも少し広い走査領域Sb内の光ビームが感光体51(
図1参照)の走査に利用される。この場合、反射ミラー94aは、その走査領域Sbに入り込んでいるため、このままでは走査領域Sbの全域を感光体51の走査に使うことができない。そこで、この場合は、反射ミラー94aに代えて、その走査領域Sbの直ぐ外側かつ偏向領域R内に反射ミラー94bを配置する。この反射ミラー94bは、その反射ミラー94bで反射した反射ビーム533bが光センサ96に入射するように、その設置角度も調整される。
【0063】
ここで、反射ミラー94bも偏向領域R内にあり、走査領域Sbについて感光体51を走査する場合だけでなく、走査領域Saについて感光体51を走査する場合であっても常に反射ミラー94bを使うことも考えられる。しかしながら、装置開発のスケジュール上、走査領域Saを使う装置が先に市場に投入され、走査領域Sbを使う装置が市場に後から投入される場合には、反射ミラー94bのみに統一するのが難しい。
【0064】
また、反射ミラー94bは、反射ミラー94aと比べ、走査領域Saの反射ミラー94b側の開始点から離れているため、その分、走査開始タイミングの検出精度が低下するおそれもある。
【0065】
さらに走査領域Sbを使用する場合、走査領域Saと比べ光路を外側に振る必要があるため、回転多面鏡83の周面831の反射鏡をよりエッジ部分に近いところまで使用しなければならない。回転多面鏡83のエッジ部分は製造上平面度を出すのが難しくその影響で各面ごとの走査開始タイミングにバラツキが発生する可能性がある。
【0066】
このような理由から、ここで説明している露光器の場合、走査領域Saを使う機種の画像形成装置に組み込む場合には反射ミラー94aが使われ、走査領域Sbを使う機種の画像形成装置に組み込む場合には、反射ミラー94bが使われる。
【0067】
以下では、2枚の反射ミラー94a,94bの支持構造等について説明する。
【0068】
図6,
図7は、露光器の筐体(
図2参照)のうちの、走査領域外に置かれる反射ミラーを支持する支持部をそれぞれ別々の角度から見て示した斜視図である。
【0069】
また、
図8,
図9は、
図6,
図7に示す支持部に、狭い方の走査領域Saを採用したときの反射ミラー94aを支持させた状態を、それぞれ別々の角度から見て示した斜視図である。
【0070】
また、
図10,
図11は、
図6,
図7に示す支持部に、広い方の走査領域Sbを採用したときの反射ミラー94bを支持させた状態を、それぞれ別々の角度から見て示した斜視図である。
【0071】
ここでは2枚の反射ミラー94a,94bとして同じ寸法の同じミラーが用いられている。
【0072】
ここで、この支持部100は、反射ミラー94aを支持する第1の支持部101と、反射ミラー94bを支持する第2の支持部102とを有する。
【0073】
第1の支持部101は、
図8,
図9に示すように、反射ミラー94aの反射面941aが当接される2つの当接壁101a,101bと、その反射ミラー94aの側面942aが当接される当接壁101cとを有し、反射ミラー94aはそれら3つの当接壁101a,101b,101cに当接されることにより設置位置や設置角度が決められ、固定金具109aにより、筐体532(
図2参照)に設けられた、当接壁101aを形成している立壁103に固定される。
【0074】
また、第2の支持部102は、
図10、
図11に示すように、反射ミラー94bの裏面943bが当接される2つの当接壁102a,102bと、側面942bが当接される当接壁102cとを有し、反射ミラー94bは、それら3つの当接壁102a,102b,102cに当接されることにより設置位置や設置角度が決められ、固定金具109bにより、筐体532(
図2参照)に設けられた、当接壁102aを形成している立壁104に固定されている。
【0075】
図12,
図13は、
図6,
図7に示す支持部に、2枚の反射ミラー94a,94bの双方を配置した状態を、それぞれ別々の角度から見て示した斜視図である。
【0076】
ここでは、反射ミラー94aとその固定金具109aを実線で示し、反射ミラー94bとその固定金具109bを二点鎖線で示してある。
【0077】
2枚の反射ミラー94a,94bは、それぞれ第1の支持部101(
図6〜
図8参照)、第2の支持部102(
図6〜
図7、
図11参照)に支持されるが、
図12,
図13に示すようにそれら2枚の反射ミラー94a,94bは互いに干渉し一方の反射ミラーのみ設置可能となっている。
【0078】
また、ここに示す例では、2枚の反射ミラー94a,94bを
図12,
図13に示すように互いに近づけた位置に配置するために、反射ミラー94aについては反射面941aを当接させることにより位置決めし、反射ミラー94bについては裏面943bを当接させることにより位置決めする構造が採用されている。
【0079】
2枚の反射ミラー94a,94bをこのように互いに干渉する程度に近い位置に配置することにより、光センサ96(
図2〜
図4参照)でほぼ同一の光学特性の検出結果を得ることができる。
【0080】
尚、ここでは、反射ミラー94a,94bの下面(筐体内面に接する側の面)については言及していないが、下面が筐体内面に直接に接するように置いてもよく、あるいは好ましくは、
図15を参照して後述する例と同様にして、筐体内面に突起を設け、いずれの反射ミラー94a,94bの場合も2つの突起の上に下面を載せる構成としてもよい。
【0081】
図14は、2つの反射ミラーと光センサ96の位置関係を示した図である。
【0082】
図14に示す2つの反射ミラー94a,94bは、それぞれ第1の支持部101および第2の支持部102に支持された状態にある。またここには、光センサ96の受光面961の中心点961aに立てた垂線962が示されている。
【0083】
反射ミラー94a,94bで反射して光センサ96に向かう光ビーム533a,533bは回転多面鏡83の回転に応じて光センサ96の受光面961上を横切るが、その横切る途中でその受光面961の中心点961aを通過する。光センサ96では、光ビーム533a,533bの中心軸が受光面961の中心点961aを通過する瞬間に最大の受光光量が得られる。ここでは、その瞬間、すなわち、光ビーム533a,533bの中心軸が受光面961の中心点961aに重なったタイミングにおける、各光ビーム533a,533bと受光面961に立てた垂線962との成す角度を、それぞれα,βとする。ここでは、その瞬間における2本の光ビーム533a,533bは、その垂線962を挟んで互いに反対側から受光面961を照射し、かつα=βとなっている。
【0084】
さらに、ここでは、2つの反射ミラー94a,94bを互いに干渉する程度に近接した位置に配置することにより、それらの反射ミラー94a,94bで反射して光センサ96に入射する反射ビーム533a,533bについての、光源82(
図2〜4参照)から出射してから光センサ96に入射するまでの光路長を互いにほぼ等しくしている。
【0085】
すなわち、入射方向は垂線962を挟んで反対側であるが、反射ミラー94aを使ったときの反射ビーム533aも反射ミラー94bを使ったときの反射ビーム533bも、光センサ96にとっては、同様の環境の下で入射する。したがって、光センサ96では、反射ミラー94aを採用した場合も反射ミラー94bを採用した場合も互いに同程度の光量の光ビームが受光され、さらに走査に伴う光ビームの振る舞いも同様であって光センサ96で得られる受光信号の振る舞いも同様となるなど、反射ミラー94aを採用した場合と反射ミラー94bを採用した場合とで、同じレベルの検出精度が得られることになる。
【0086】
図15は、2枚の反射ミラーの他の配置例を示す図である。
【0087】
ここでは、走査領域Sa,Sb(
図5参照)の違いにより、寸法の異なる2枚の反射ミラー94a,94bのいずれかが採用される。ただし、説明の都合上、この
図16ではそれら2枚の反射ミラー94a,94bの双方が示されている。
【0088】
ここには、第1の反射ミラー94aの反射面941aを突き当てる2つの突当面201a,201bと、その第1の反射ミラー94aの側面942aを突き当てる突当面201cとからなる第1の支持部201と、第2の反射ミラー94bの、これも反射面941bを突き当てる2つの突当面202a,202bと、その第2の反射ミラー94bの側面942bを突き当てる突当面202cからなる第2の支持部202を有する。
【0089】
2つの立壁203,204は互いに同一形状を有している。反射ミラー94a,94bは、例えば
図8〜
図13に示す固定金具109a,109bと同等の固定金具で立壁203,204に固定されるが、2つの立壁203,204を同じ形状として反射ミラー94a,94bを共通の固定金具で固定する構造としている。
【0090】
また、この
図15には、筐体内面から盛り上がった3つの台部205,206,207が示されている。反射ミラー94aは、それら3つの台部205,206,207のうちの2つの台部205,206の上に下面が接するように置かれ、反射ミラー94bは、2つの台部206,207の上に下面が接するように置かれる。こうすることにより筐体内面に多少の湾曲や凹凸があっても、高さ方向についても反射ミラー94a,94bを位置決めすることができる。
【0091】
この
図15に示す例の場合、2枚の反射ミラー94a,94bは互いに寸法が異なり、走査領域Sa,Sb(
図5参照)が異なる機種について反射ミラー94a,94bを共用することはできない。しかしながら、この
図15に示す例の場合、いずれの反射ミラー94a,94bを採用した場合であっても、反射面941a,941bが突き当てられることにより位置決めされている。前述の実施形態の場合、反射ミラー94aは反射面941aを突き当てることにより位置決めし、反射ミラー94bは裏面943aを突き当てることにより位置決めしているが、この場合、個々の反射ミラーの厚みのばらつきにより、反射ミラー94bとして用いたときの反射面941bの位置がその厚み誤差分だけ誤差となり、その分、光路長等が異なってしまう可能性がある。
【0092】
これに対し、
図15に示す例の場合、2つの反射ミラー94a,94bのいずれも、反射面941a,941bを突き当てることにより位置決めしているため、反射ミラーの厚みの誤差は光路長には影響を与えず、その分、より高精度な光学系が構成される。
【0093】
尚、ここでは、
図1に示すタイプの画像形成装置1に組み込まれた露光器53を例に挙げているが、本発明は、例えば感光体を複数備えたタイプの画像形成装置など、他のタイプの画像形成装置に組み込まれる露光器にも適用することができる。
【0094】
さらに、本発明の光走査装置は、画像形成装置の露光器として用いる光走査装置に限られるものではなく、走査領域を変更する必要のある様々な分野の光走査装置に適用することができる。