(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記動作状態判定手段は、送信情報通信量の変動が人間の操作に起因するものではないと判定した場合、さらに、送信情報通信量の変動が上記情報通信機器の機械的な処理に起因するものであるか否かを判定し、送信情報通信量の変動が上記情報通信機器の機械的な処理に起因するものである場合、動作状態として上記情報通信機器が人間の操作に因らず自動的に送受信を行っている自動通信状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載の類型判定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術は省エネルギー化に関する情報だけをユーザに提供するものである。すなわち、従来技術には、建物内に存在する人間の行動を総合的に判断して、当該人間の生活パターンを推定することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、人間の生活パターンを判定する類型判定装置、類型判定システム、類型判定方法および制御プログラムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る類型判定装置は、上記課題を解決するために、需要家が所有する情報通信機器が需要地外の機器と送受信する情報通信量を示す情報通信量データを取得する情報通信量データ取得手段と、上記情報通信量データに基づく指標を用いて上記需要家を複数の類型に分類する類型表を参照して、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データに基づいて、上記需要家の類型を特定する類型特定手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る類型判定方法は、上記課題を解決するために、需要家が所有する情報通信機器が需要地外の機器と送受信する情報通信量を示す情報通信量データを取得する情報通信量データ取得ステップと、上記情報通信量データに基づく指標を用いて上記需要家を複数の類型に分類する類型表を参照して、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データに基づいて、上記需要家の類型を特定する類型特定ステップとを含むことを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、情報通信量データ取得手段が情報通信量データを取得し、類型特定手段が、類型表を参照して、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データに基づいて、上記需要家の類型を特定する。すなわち、需要家を上記情報通信量データに基づく指標に基づいて分類する。よって、需要家に対して特定された類型を参照することにより、上記指標に基づいて需要家の生活パターンを推定することができるという効果を奏する。
【0010】
本発明に係る類型判定装置は、上記類型表を分類する上記情報通信量データに基づく指標は、上記情報通信機器の動作状態であり、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データに基づいて、上記需要家が所有する情報通信機器の動作状態を判定する動作状態判定手段をさらに備え、上記類型特定手段は、上記類型表を参照して、上記動作状態判定手段が判定した動作状態に相当する類型を、上記需要家の類型として特定することが好ましい。
【0011】
上記の構成によれば、動作状態判定手段が上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データに基づいて、上記需要家が所有する情報通信機器の動作状態を判定し、上記類型特定手段は、上記類型表を参照して、上記動作状態判定手段が判定した動作状態に相当する類型を、上記需要家の類型として特定する。そのため、需要家に対して特定された類型を参照することにより、情報通信機器の動作状態に基づいて需要家の生活パターンを推定することができる。
【0012】
本発明に係る類型判定装置は、上記動作状態判定手段は、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データの情報通信量に含まれる、上記需要家が所有する情報通信機器が需要地外の機器に送信する送信情報通信量の変動が人間の操作に起因するものであるか否かを判定し、送信情報通信量の変動が人間の操作に起因するものである場合、動作状態として人間の操作によって上記情報通信機器が通信を行っている操作通信状態であると判定することが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、上記動作状態判定手段は、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データの情報通信量に含まれる送信情報通信量の変動が、人間の操作に起因するものであるか否かを判定し、送信情報通信量の変動が人間の操作に起因するものである場合、動作状態として人間の操作によって上記情報通信機器が通信を行っている操作通信状態であると判定する。そのため、需要家に対して特定された類型を参照することにより、人間が情報通信機器を操作して情報の送受信を行っているか否かに基づいて需要家の生活パターンを推定することができる。
【0014】
本発明に係る類型判定装置は、上記動作状態判定手段は、送信情報通信量の変動が人間の操作に起因するものではないと判定した場合、さらに、送信情報通信量の変動が上記情報通信機器の機械的な処理に起因するものであるか否かを判定し、送信情報通信量の変動が上記情報通信機器の機械的な処理に起因するものである場合、動作状態として上記情報通信機器が人間の操作に因らず自動的に送受信を行っている自動通信状態であると判定することが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、上記動作状態判定手段は、送信情報通信量の変動が人間の操作に起因するものではないと判定した場合、さらに、送信情報通信量の変動が上記情報通信機器の機械的な処理に起因するものであるか否かを判定し、送信情報通信量の変動が上記情報通信機器の機械的な処理に起因するものである場合、動作状態として上記情報通信機器が人間の操作に因らず自動的に送受信を行っている自動通信状態であると判定する。そのため、需要家に対して特定された類型を参照することにより、さらに、情報通信機器が自動的に情報の送受信を行っているか否かに基づいて需要家の生活パターンを推定することができる。
【0016】
本発明に係る類型判定装置は、上記需要家で消費される消費電力を示す消費電力データを取得する消費電力データ取得手段をさらに備え、上記類型表において、類型がさらに上記消費電力データに基づく指標によって分類されており、上記類型特定手段は、上記類型表を参照して、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データに加えて、上記消費電力データ取得手段が取得した消費電力データに基づいて、上記需要家の類型を特定することが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、上記類型特定手段は、さらに上記消費電力データに基づく指標によって分類されている類型表を参照して、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データと、上記消費電力データ取得手段が取得した消費電力データとに基づいて、上記需要家の類型を特定する。そのため、需要家に対して特定された類型を参照することにより、上記情報通信量データに基づく指標に加えて、さらに上記消費電力データに基づく指標に基づいて需要家の生活パターンを推定することができる。従って、需要家の生活パターンをより詳細に推定することができる。
【0018】
本発明に係る類型判定装置は、上記類型表において、類型がさらに時間によって分類されており、上記類型特定手段は、上記類型表を参照して、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データに加えて、上記情報通信量データ取得手段が上記情報通信量データを取得した時間に基づいて、上記需要家の類型を特定することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、上記類型特定手段は、さらに時間によって分類されている類型表を参照して、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データと、上記情報通信量データ取得手段が上記情報通信量データを取得した時間とに基づいて、上記需要家の類型を特定する。そのため、需要家に対して特定された類型を参照することにより、上記情報通信量データに基づく指標に加えて、さらに時間に基づいて需要家の生活パターンを推定することができる。従って、需要家の生活パターンをより詳細に推定することができる。
【0020】
本発明に係る類型判定システムは、上記類型判定装置とサービス提供装置とを含み、上記類型判定装置は、さらに、上記サービス提供装置の指示に基づいて、上記類型特定手段が特定した需要家の類型と当該需要家とを対応付けた類型情報をサービス提供装置に送信する類型情報送信手段を備え、上記サービス提供装置は、上記類型判定装置から上記類型情報を取得する類型情報取得手段と、上記類型情報取得手段が取得した類型情報の示す需要家に対して、当該需要家に対応付けられた類型に応じたサービスを提供するサービス提供手段とを備えることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、類型情報送信手段が上記サービス提供装置の指示に基づいて、類型情報をサービス提供装置に送信し、類型情報取得手段が上記類型判定装置から上記類型情報を取得し、サービス提供手段が上記類型情報取得手段が取得した類型情報の示す需要家に対して、当該需要家に対応付けられた類型に応じたサービスを提供する。そのため、類型情報の示す類型に基づいて推定した需要家の生活パターンに応じたサービスを需要化に対して提供することができる。従って、需要家に対して、効果的、効率的なサービスを提供することができる。
【0022】
なお、上記類型判定装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記類型判定装置の各手段として動作させることにより、上記類型判定装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明に係る類型判定装置は、需要家が所有する情報通信機器が需要地外の機器と送受信する情報通信量を示す情報通信量データを取得する情報通信量データ取得手段と、上記情報通信量データに基づく指標を用いて上記需要家を複数の類型に分類する類型表を参照して、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データに基づいて、上記需要家の類型を特定する類型特定手段とを備えている構成である。
【0024】
また、本発明に係る類型判定方法は、需要家が所有する情報通信機器が需要地外の機器と送受信する情報通信量を示す情報通信量データを取得する情報通信量データ取得ステップと、上記情報通信量データに基づく指標を用いて上記需要家を複数の類型に分類する類型表を参照して、上記情報通信量データ取得手段が取得した情報通信量データに基づいて、上記需要家の類型を特定する類型特定ステップとを含む。
【0025】
したがって、需要家に対して特定された類型を参照することにより、上記情報通信量データに基づいて需要家の生活パターンを推定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態について
図1から
図12に基づいて説明すると以下の通りである。まず、本実施形態の類型判定システム1について、
図2に基づいて説明する。
【0028】
<類型判定システムについて>
図2は、類型判定システム1の概要を示す図である。類型判定システム1は、家庭(個人宅)や事業所等の需要家が消費する電力を示す電力情報と、需要家が所有する情報通信機器が需要地外の機器と送受信する情報通信量とを取得し、取得した電力情報および情報通信量に基づいて、需要家の類型を判定するものである。また、類型判定システム1は、需要家に対して判定した類型に基づいて、当該判定した類型に応じたサービスを当該需要家に提供するものであってもよい。ここで、需要地とは、個人宅や事業所等の需要家の敷地を意味する。
【0029】
図2に示すように、類型判定システム1は、類型判定装置2、サービス提供装置3、および、個人宅4A・4Bを含む。
図2に示す例では、類型判定システム1は、2つの個人宅4A・4Bを含んでいるがこれに限るものではない。類型判定システム1は、個人宅を1つ以上含んでいればよいし、個人宅の代わりに事業所等を含んでいてもよい。すなわち、類型判定システム1は、1つ以上の需要家を含んでいればよい。
【0030】
図2に示すように、類型判定装置2、サービス提供装置3、および個人宅4A・4Bは、それぞれ互いに、ネットワーク5を介して接続されている。なお、ネットワーク5は、類型判定装置2、サービス提供装置3、および個人宅4A・4Bが相互に通信可能なものであればよく、有線通信のネットワークであってもよいし、無線通信のネットワークであってもよい。なお、以下では、個人宅4A、4Bをそれぞれ特に区別しない場合、個人宅4A、4Bを総称して、個人宅4と称する。
【0031】
<類型判定装置、サービス提供装置および個人宅について>
次に、類型判定システム1を構成する類型判定装置2、サービス提供装置3、および、個人宅4について、
図1に基づいて説明する。
図1は、類型判定装置2、サービス提供装置3、および、個人宅4の要部構成を示すブロック図である。
【0032】
類型判定装置2は、個人宅4から電力情報および情報通信量を取得し、取得した電力情報および情報通信量に基づいて、個人宅4の類型を判定するものである。また、類型判定装置2は、サービス提供装置3の要請に応じて、個人宅4の類型を示す類型情報を提供するものである。類型判定装置2は、例えば、個人宅4から情報を取得し、取得した情報を企業等に販売する会社が管理している装置である。
【0033】
サービス提供装置3は、類型判定装置2から類型情報を取得し、個人宅4の類型に応じたサービスを個人宅4に提供するものである。サービス提供装置3は、例えば、通販業者、生命保険会社、生活見守り会社等の個人宅4に対して何らかのサービスを提供する会社が管理している装置である。
【0034】
図示のように、類型判定装置2は、類型判定装置制御部10、類型判定装置記憶部11および類型判定装置通信部12を含む。また、サービス提供装置3は、サービス提供装置制御部30、サービス提供装置記憶部31およびサービス提供装置通信部32を含む。また、個人宅4は、携帯電話機41、PC(Personal Computer)42、照明器43、無線アンテナ44、有線回線終端装置45、情報トラフィック収集装置46、および、電力センサ47を含む。
【0035】
以下に、類型判定装置2、サービス提供装置3、および、個人宅4の構成について、それぞれ詳細に説明する。
【0036】
〔個人宅の構成について〕
携帯電話機41は、基地局または他の端末との間で電波による無線通信を行い、情報を送受信する情報通信機器である。携帯電話機41は、基本的に、個人宅4の外部にある基地局と無線通信を行うことにより、ネットワーク5にアクセスする。本発明では、携帯電話機41は、いわゆる携帯電話機に限らず、個人宅4外のアクセスポイント(基地局)と無線で通信を行う情報通信機器であればよい。
【0037】
PC42は、いわゆるパーソナルコンピュータであり、Webの閲覧、メール、動画像の表示(再生)等を行うものである。PC42は、ネットワーク機能を有し、有線回線終端装置45を介してネットワーク5にアクセスする。本発明では、PC42は、パーソナルコンピュータに限らず、デジタルテレビ等の、個人宅4内に設置されている有線回線終端装置45を介して通信を行う情報通信機器であればよい。
【0038】
照明器43は、いわゆる蛍光灯、電球、電灯などの照明用電気器具であり、電気を使用して発光する器具である。
【0039】
無線アンテナ44は、携帯電話機41が個人宅4外の基地局と行う無線通信を傍受して、携帯電話機41が送受信する情報通信量を検出するものである。
【0040】
有線回線終端装置45は、個人宅4内のホームネットワークと個人宅4外のネットワーク5との間のルータである。すなわち、個人宅4内のホームネットワークと接続されている情報通信機器(PC42)は、有線回線終端装置45を介してネットワーク5にアクセスする。
【0041】
情報トラフィック収集装置46は、無線アンテナ44が検出した情報通信量と、有線回線終端装置45が送受信する情報通信量とを収集して、個人宅4内にある情報通信機器が個人宅4外の装置と送受信する情報通信量を捕捉するものである。換言すると、情報トラフィック収集装置46は、個人宅4内にある情報通信機器が個人宅4外の装置に送信する送信情報通信量と、個人宅4内にある情報通信機器が個人宅4外の装置から受信する受信情報通信量とを捕捉する。情報トラフィック収集装置46は、収集した情報通信量を、送受信した時間に対応付けて情報通信量データ(送信情報通信量データおよび受信情報通信量データ)として格納する。
【0042】
なお、情報トラフィック収集装置46が情報通信量を捕捉する際、個人情報を保護するため、IPアドレス等の個人宅4またはそこに住む人間を特定する情報は取得しないことが望ましい。
【0043】
電力センサ47は、個人宅4内にあるPC42、照明器43、携帯充電器、エアコン、冷蔵庫、テレビ等の電気機器の消費電力を測定するものである。電力センサ47は、基本的には、個人宅4内にある全ての電気機器の消費電力を測定するものである。そのため、電力センサ47は、各機器の消費電力を測定する代わりに、個人宅4内の電力を管理する装置から、個人宅4内で消費する全電力を測定してもよい。電力センサ47は、測定した消費電力を、消費した(使用した)時間に対応付けて消費電力データとして格納する。
【0044】
図3(a)および(b)に、電力センサ47が測定する消費電力の一例を示す。
図3(a)および(b)の横軸は時間を示し、縦軸は消費電力(kW)を示す。
【0045】
〔類型判定装置の構成について〕
類型判定装置通信部12は、無線通信手段または有線通信手段によって、サービス提供装置3などの他の装置と通信を行い、情報(データ)のやりとりを行うものである。本実施形態では、類型判定装置通信部12は、ネットワーク5を介して、少なくともサービス提供装置3、情報トラフィック収集装置46および電力センサ47と通信接続されているものとする。
【0046】
類型判定装置制御部10は、類型判定装置記憶部11から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、類型判定装置2が備える各部を統括的に制御するものである。
【0047】
本実施形態では、類型判定装置制御部10は、機能ブロックとして、情報通信量データ取得部(情報通信量データ取得手段)21、消費電力データ取得部(消費電力データ取得手段)22、トラフィック解析部23、動作状態判定部(動作状態判定手段)24、電力判定部25、類型特定部(類型特定手段)26および類型情報提供部(類型情報送信手段)27を備える構成である。これらの類型判定装置制御部10の各機能ブロック(21〜27)は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0048】
情報通信量データ取得部21は、類型判定装置通信部12を介して、情報トラフィック収集装置46から所定の期間の情報通信量データを取得するものである。具体的には、情報通信量データ取得部21は、個人宅4が所有する情報通信機器が個人宅4外の機器に送信する送信情報通信量を示す送信情報通信量データと、個人宅4が所有する情報通信機器が個人宅4外の機器から受信する受信情報通信量を示す受信情報通信量データとを取得する。すなわち、情報通信量データは、送信情報通信量データおよび受信情報通信量データを含むものである。情報通信量データ取得部21が取得する情報通信量データの期間は、1分、1時間、1日等任意の期間でよい。情報通信量データ取得部21は、取得した送信情報通信量データをトラフィック解析部23に出力し、取得した情報通信量データを動作状態判定部24に出力する。
【0049】
消費電力データ取得部22は、類型判定装置通信部12を介して、電力センサ47から所定の期間の消費電力データを取得するものである。具体的には、消費電力データ取得部22は、個人宅4で消費される消費電力を示す消費電力データを取得する。消費電力データ取得部22が取得する消費電力データの期間は、1分、1時間、1日等任意の期間でよい。消費電力データ取得部22は、取得した消費電力データを電力判定部25に出力する。
【0050】
トラフィック解析部23は、情報通信量データ取得部21から送信情報通信量データを取得し、取得した送信情報通信量データに対してスペクトル分析(周波数解析)を行うものである。トラフィック解析部23は、送信情報通信量データに対してスペクトル分析を行った結果である解析データを動作状態判定部24に出力する。
【0051】
トラフィック解析部23が生成する解析データの典型例を
図4に示す。
図4は、解析データの典型例を示すものであり、横軸が周波数(Hz)を示し、縦軸がパワー(dB)を示す。
図4(a)は、情報の揺らぎが人間に起因することを示す、いわゆる1/f型のスペクトルである。
図4(b)は、情報の揺らぎが人間に起因することを示す、いわゆる1/f
2型のスペクトルである。
図4(c)は、情報の揺らぎが機械的な処理に起因することを示す、いわゆるホワイトノイズ型のスペクトルである。
図4(d)は、情報の揺らぎが機械的な処理に起因することを示す離散ピーク型のスペクトルである。
図4(d)に示すように、離散ピーク型のスペクトルとは、所定の周波数で離散的なピークを有するものを示す。
【0052】
解析データが
図4(a)、(b)に示す1/f型もしくは1/f
2型である(または1/f型の成分もしくは1/f
2型のスペクトル成分を含む)場合、送信情報通信量データの示す期間に、人間の操作によって個人宅4からネットワーク5を介して情報が送信されたものと判断することができる。また、解析データが
図4(c)に示すように、所定の周波数帯のパワーが所定値以上である(またはホワイトノイズ型のスペクトル成分を含む)場合、送信情報通信量データの示す期間に、人間の操作によらず、機械的な処理によって個人宅4からネットワーク5を介して情報が送信されたものと判断することができる。また、解析データが
図4(d)に示すように、所定の周波数のパワーが所定値以上である(または離散ピーク型のスペクトル成分を含む)場合、送信情報通信量データの示す期間に、人間の操作によらず、機械的な処理によって個人宅4からネットワーク5を介して情報が送信されたものと判断することができる。
【0053】
動作状態判定部24は、情報通信量データ取得部21が取得した情報通信量データに基づいて、個人宅4が所有する情報通信機器の動作状態を判定するものである。具体的には、動作状態判定部24は、少なくともトラフィック解析部23から解析データを取得し、取得した解析データに基づいて、個人宅4内の情報通信機器の動作状態を判定するものである。換言すると、動作状態判定部24は、少なくともトラフィック解析部23から解析データを取得し、取得した解析データを参照して、送信情報通信量の揺らぎ(変動)が人間の操作によるものであるか否かを判定するものである。
【0054】
具体的には、動作状態判定部24は、少なくともトラフィック解析部23から解析データを取得し、取得した解析データに基づいて、人間の操作によって情報通信機器が通信を行っている操作通信状態であるか否かを判定するものである。動作状態判定部24は、操作通信状態ではないと判定した場合、さらに、取得した解析データに基づいて、情報通信機器が人間の操作に因らず自動的に通信を行っている自動通信状態であるか否かを判定する。動作状態判定部24は、操作通信状態ではなく、自動通信状態でもないと判定した場合、情報通信機器が通信を行っていない無通信状態と判定する。
【0055】
より詳細には、動作状態判定部24は、解析データが1/f型の成分もしくは1/f
2型のスペクトル成分を含むか否かを判定し、解析データが1/f型の成分もしくは1/f
2型のスペクトル成分を含む場合に、操作通信状態であると判定する。また、動作状態判定部24は、解析データが1/f型の成分および1/f
2型のスペクトル成分を含んでおらず、ホワイトノイズ型もしくは離散ピーク型のスペクトル成分を含む場合に、自動通信状態であると判定する。また、動作状態判定部24は、解析データが1/f型の成分および1/f
2型のスペクトル成分、並びに、ホワイトノイズ型および離散ピーク型のスペクトル成分を含んでいない場合に、無通信状態であると判定する。
【0056】
動作状態判定部24は、操作通信状態であると判定した場合、さらに、情報通信量データに基づいて、人間の操作種別を判定してもよい。具体的には、動作状態判定部24は、情報通信量データを参照して、送信情報通信量が所定の閾値以上であり、かつ、受信情報通信量が所定の閾値以上である場合、人間がオンラインゲームを行っていることを示すオンラインゲーム操作通信状態と判定してもよい。また、動作状態判定部24は、情報通信量データを参照して、所定の期間の受信情報通信量が所定の閾値以上である場合、人間が動画を閲覧していることを示す動画閲覧操作通信状態と判定してもよい。また、動作状態判定部24は、情報通信量データを参照して、送信情報通信量が所定の閾値以下であり、かつ、受信情報通信量が所定の閾値以下である場合、人間がWebを参照したり、テキスト、画像等を編集したりしていることを示す知的作業操作通信状態と判定してもよい。
【0057】
上記のように、動作状態判定部24は、送信情報通信量データに対してスペクトル分析を行った結果である解析データに基づいて、人間の操作によって情報通信機器が通信を行っている操作通信状態であるか否かを判定する。これに限らず、動作状態判定部24が受信情報通信量をスペクトル分析した結果に基づいて操作通信状態であるか否かを判定してもよい。しかしながら、受信情報通信量の揺らぎは、ネットワーク5のトラフィック、上位サーバの能力および処理状態等の影響を受けるため、操作通信状態であるか否かの判定に使い難い情報となる場合がある。従って、本実施形態では、より正確に操作通信状態であるか否かを判定可能な送信情報通信量の揺らぎに基づいて、動作状態判定部24が操作通信状態であるか否かを判定する。
【0058】
電力判定部25は、消費電力データ取得部22から消費電力データを取得し、消費電力データの示す消費電力の値に基づいて、個人宅4の消費電力レベルを判定するものである。例えば、消費電力レベルとして、消費電力が100W未満の場合をLevel1とし、消費電力が100W以上1000W未満の場合をLevel2とし、消費電力が1000W以上の場合をLevel3としてもよい。ただし、この例に限らず、消費電力レベルとして複数のレベルがあればよく、また、そのレベルに対応する消費電力の範囲も任意に定めればよい。
【0059】
類型特定部26は、消費電力データに基づく指標および情報通信量データに基づく指標を用いて個人宅4を複数の類型に分類する類型表を参照して、消費電力データ取得部22が取得した消費電力データと、情報通信量データ取得部21が取得した情報通信量データとに基づいて、個人宅4の類型を特定するものである。具体的には、類型特定部26は、情報通信機器の動作状態と、消費電力レベルとによって、個人宅の生活パターンを分類する類型表を類型判定装置記憶部11から読み出し、読み出した類型表を参照して、動作状態判定部24が判定した個人宅4内の情報通信機器の動作状態と、電力判定部25が判定した個人宅4の消費電力レベルとに対応する類型を当該個人宅4の類型(個人宅4に住む人間の生活パターン)として特定するものである。類型特定部26は、特定した個人宅の類型を、当該個人宅に対応付けて類型情報として類型判定装置記憶部11に格納する。
【0060】
類型情報提供部27は、サービス提供装置3からの指示に基づいて、指定された個人宅4の類型情報を類型判定装置記憶部11から読み出して、類型判定装置通信部12を介してサービス提供装置3に読み出した類型情報を送信するものである。
【0061】
類型判定装置記憶部11は、情報通信機器の動作状態と、消費電力レベルとによって、個人宅の生活パターンを分類する類型表、類型特定部26が生成する類型情報等を保持するものである。類型判定装置記憶部11が保持する類型表および類型情報について、
図5,6に基づいて説明する。
図5は、類型判定装置記憶部11が保持する類型表の一例を示す図であり、
図6は、類型判定装置記憶部11が保持する類型情報の一例を示す図である。
【0062】
図5に示すように、類型表は、個人宅4の情報通信機器の動作状態と、個人宅4の消費電力レベルとによって、個人宅4の類型を分類するものである。例えば、個人宅4Bの動作状態が動画閲覧操作状態であり、消費電力レベルがLevel2の場合、類型特定部26は、
図5に示す類型表を参照して、当該個人宅4Bの類型をType42として特定する。そして、類型特定部26は、個人宅4Bを識別する個人宅識別情報「B」と、特定した個人宅4Bの類型である「Type42」とを対応付けて類型情報として類型判定装置記憶部11に格納する。
【0063】
図5に示す例では、5つの動作状態と、3つの消費電力レベルとによって、個人宅4を15の類型に分類している。ただし、個人宅4の分類の仕方はこれに限るものではなく、複数の動作状態と、複数の消費電力レベルによって、個人宅4を分類すればよい。
【0064】
例えば、動作状態および消費電力レベルと、類型とが1対1で対応しているが、それが多対1であってもよい。具体的には、
図5の例では、Type11とType21とを別の類型としているが、これらを区別せず同じ類型としてもよい。すなわち、消費電力レベルがLevel1の場合、無通信状態または自動通信状態のどちらでも、或る単一の類型として設定していてもよい。
【0065】
また、
図6に示すように、類型情報は、個人宅4を識別する個人宅識別情報と、当該個人宅4の類型とが対応付けられたものである。
【0066】
なお、類型判定装置2は、上記の部材以外にも、操作部、表示部、マイク、バッテリー等の部材を備えていてもよいが、便宜上当該部材を図示していない。
【0067】
〔サービス提供装置の構成について〕
サービス提供装置通信部32は、無線通信手段または有線通信手段によって、類型判定装置2などの他の装置と通信を行い、情報のやりとりを行うものである。本実施形態では、サービス提供装置通信部32は、ネットワーク5を介して、少なくとも類型判定装置2、携帯電話機41および有線回線終端装置45(PC42)と通信接続されているものとする。
【0068】
サービス提供装置制御部30は、サービス提供装置記憶部31から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、サービス提供装置3が備える各部を統括的に制御するものである。
【0069】
本実施形態では、サービス提供装置制御部30は、機能ブロックとして、類型情報取得部(類型情報取得手段)33およびサービス提供部(サービス提供手段)34を備える構成である。これらのサービス提供装置制御部30の各機能ブロック(33,34)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0070】
類型情報取得部33は、サービス提供装置通信部32を介して、類型判定装置2から類型情報を取得するものである。類型情報取得部33は、取得した類型情報をサービス提供部34に出力する。
【0071】
サービス提供部34は、類型情報取得部33から類型情報を受信し、サービス提供装置記憶部31から個人宅の類型と、サービス提供部34が実行するアクションとが対応付けられたアクション対応表を読み出し、読み出したアクション対応表を参照して、受信した類型情報の示す類型に対応するアクションを、受信した類型情報の示す個人宅に対して実行するものである。
【0072】
サービス提供装置記憶部31は、個人宅の類型と、サービス提供部34が実行するアクションとが対応付けられたアクション対応表等を保持するものである。サービス提供装置記憶部31が保持するアクション対応表について、
図7に基づいて説明する。
図7は、サービス提供装置記憶部31が保持するアクション対応表の一例を示す図である。
【0073】
図7に示すように、アクション対応表は、サービス提供装置3が個人宅4に実行するアクションを示すアクション識別情報と、個人宅4の類型とが対応付けられたものである。例えば、類型情報取得部33が類型判定装置2から、個人宅4Aが類型「Type13」であることを示す類型情報を取得した場合、サービス提供部34は、
図7に示すアクション対応表を参照して、類型「Type13」に対応する「Action03」の示すアクションを個人宅4Aに対して実行する。
【0074】
また、
図7に示すように、アクション対応表において、アクションと類型との対応関係は、1対1でも1対多であってもよい。
【0075】
なお、類型判定装置2は、上記の部材以外にも、操作部、表示部、マイク、バッテリー等の部材を備えていてもよいが、便宜上当該部材を図示していない。
【0076】
〔類型判定装置の処理について〕
次に、類型判定装置2が実行する類型判定処理の流れについて、
図8に基づいて説明する。
図8は、類型判定装置2が実行する類型判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0077】
まず、
図8に示すように、情報通信量データ取得部21が情報トラフィック収集装置46から情報通信量データを取得し、消費電力データ取得部22が電力センサ47から消費電力データを取得する(S1)。情報通信量データ取得部21は、取得した送信情報通信量データをトラフィック解析部23に出力し、取得した情報通信量データを動作状態判定部24に出力する。また消費電力データ取得部22は、取得した消費電力データを電力判定部25に出力する。
【0078】
次に、トラフィック解析部23が、情報通信量データ取得部21から送信情報通信量データを取得し、取得した送信情報通信量データに対してスペクトル分析を行う(S2)。トラフィック解析部23は、生成した解析データを動作状態判定部24に出力する。
【0079】
そして、動作状態判定部24は、情報通信量データ取得部21から情報通信量データを取得し、トラフィック解析部23から解析データを取得し、取得した情報通信量データおよび解析データに基づいて、個人宅4内の情報通信機器の動作状態を判定する(S3)。動作状態判定部24は、判定した個人宅4の動作状態を類型特定部26に通知する。
【0080】
また、電力判定部25は、消費電力データ取得部22から消費電力データを取得し、取得した消費電力データの示す消費電力の値に基づいて、個人宅4の消費電力レベルを判定する(S4)。電力判定部25は、判定した個人宅4の消費電力レベルを類型特定部26に通知する。
【0081】
最後に、類型特定部26は、類型判定装置記憶部11から類型表を読み出し、読み出した類型表を参照して、動作状態判定部24が判定した個人宅4内の情報通信機器の動作状態と、電力判定部25が判定した個人宅4の消費電力レベルとに対応する類型を当該個人宅4の類型として特定する(S5)。類型特定部26は、特定した個人宅の類型を、当該個人宅に対応付けて類型情報として類型判定装置記憶部11に格納する。
【0082】
なお、上記の例では、S3の処理の後にS4の処理を行っているがこれに限るものではない。S4の処理は、S1の処理が終わってから、S5の処理が始まる前までに行えばよい。例えば、S1の処理の後にS4の処理を行い、その後、S2,S3,S5の処理を行ってもよい。
【0083】
〔サービス提供装置の処理について〕
次に、サービス提供装置3が実行するサービス提供処理の流れについて、
図9に基づいて説明する。
図9は、サービス提供装置3が実行するサービス提供処理の一例を示すフローチャートである。
【0084】
図9に示すように、まず、類型情報取得部33が類型判定装置2から各個人宅4の類型情報を取得する(S11)。類型情報取得部33は、取得した類型情報をサービス提供部34に出力する。
【0085】
そして、サービス提供部34は、サービス提供装置記憶部31からアクション対応表を読み出し、読み出したアクション対応表を参照して、類型情報取得部33から取得した類型情報の示す類型に対応するアクションを、受信した類型情報の示す個人宅に対してそれぞれ実行する(S12)。
【0086】
〔類型表で分類される各類型における生活パターンの推定例について〕
次に、
図5に示す類型表で分類される各類型における、個人宅4の人間の生活パターンを一例として以下のように推定する。
【0087】
類型「Type11」および「Type21」は、消費電力が少なく、人間の操作による情報の送受信がないため、類型「Type11」および「Type21」の個人宅4の人間の生活パターンは、電力を使わず、情報通信機器の操作もない生活であると推定する。また、類型「Type12」および「Type22」は、消費電力は通常であるが、人間の操作による情報の送受信がないため、類型「Type12」および「Type22」の個人宅4の人間の生活パターンは、ICT(Information and Communication Technology)とは距離を置く一般的な生活であると推定する。また、類型「Type13」および「Type23」は、消費電力が多いが、人間の操作による情報の送受信がないため、類型「Type13」および「Type23」の個人宅4の人間の生活パターンは、冷暖房またはヒートポンプ式給湯器などの熱機器を動作させている生活であると推定する。
【0088】
また、類型「Type31」は、消費電力が少ないが、人間の操作により情報の送受信が共に大きいため、類型「Type31」の個人宅4の人間の生活パターンは、薄暗い部屋でオンラインゲーム等に熱中している生活であると推定する。また、類型「Type32」は、消費電力は通常であり、人間の操作により情報の送受信が共に大きいため、類型「Type32」の個人宅4の人間の生活パターンは、家庭用ゲーム機等で遊んでいる生活であると推定する。
【0089】
また、類型「Type41」は、消費電力が少ないが、人間の操作により情報の受信が常時大きいため、類型「Type41」の個人宅4の人間の生活パターンは、薄暗い部屋で動画を閲覧している生活であると推定する。また、類型「Type42」は、消費電力は通常であり、人間の操作により情報の受信が常時大きいため、類型「Type42」の個人宅4の人間の生活パターンは、デジタルテレビで動画を閲覧している生活であると推定する。
【0090】
また、類型「Type33」および「Type43」は、消費電力が多く、人間の操作による情報の送受信が共に大きいもしくは情報の受信が常時大きいため、類型「Type33」および「Type43」の個人宅4の人間の生活パターンは、電気を使いながら享楽的な生活であると推定する。
【0091】
また、類型「Type51」は、消費電力が少なく、人間の操作による情報の送受信が共に少ないため、類型「Type51」の個人宅4の人間の生活パターンは、省エネに励み、知的な作業を行う生活であると推定する。また、類型「Type52」は、消費電力は通常であり、人間の操作による情報の送受信が共に少ないため、類型「Type52」の個人宅4の人間の生活パターンは、一般の生活と情報通信機器を使用する生活とが共存していると推定する。また、類型「Type53」は、消費電力が多く、人間の操作による情報の送受信が共に少ないため、類型「Type53」の個人宅4の人間の生活パターンは、知的な作業を行いつつも、電気を使う生活であると推定する。
【0092】
〔サービス提供装置が実行するアクションの具体例について〕
次に、上記の推定例を踏まえて、サービス提供部34が実行するアクションの具体例について説明する。
【0093】
類型「Type13」または「Type23」に対応するAction03として、例えば、エアコンの消し忘れの注意喚起等の省エネアドバイスのメール、および/または、省エネ家電機器を推奨するメールを個人宅4(に住む人間)宛に送信するように設定してもよい。
【0094】
また、類型「Type33」または「Type43」に対応するAction08として、例えば、エアコンの消し忘れの注意喚起等の省エネアドバイスのメール、および/または、高性能ゲームPCを推奨するメールを個人宅4(に住む人間)宛に送信するように設定してもよい。
【0095】
また、類型「Type42」に対応するAction07として、例えば、エアコンの消し忘れの注意喚起等の省エネアドバイスのメール、および/または、個人宅4の地域の特売情報を通知するメールを個人宅4(に住む人間)宛に送信するように設定してもよい。
【0096】
また、類型「Type52」に対応するAction10として、例えば、アロマオイル等の癒し形商品を推奨するメールを個人宅4(に住む人間)宛に送信するように設定してもよい。
【0097】
また、類型「Type53」に対応するAction11として、例えば、アロマオイル等の癒し形商品を推奨するメール、および/または、エアコンの消し忘れの注意喚起等の省エネアドバイスのメールを個人宅4(に住む人間)宛に送信するように設定してもよい。
【0098】
<変形例1>
本実施形態において、類型表を分類する指標は、消費電力および情報通信機器の動作状態の2つであるがこれに限るものではない。例えば、類型表において、類型をさらに時間によって分類してもよい。
【0099】
具体的には、
図5に示す類型表を、さらに、時間帯ごとに分類してもよい。ここでは、時間帯として、朝帯:7時〜10時、日中帯:10時〜18時、夜帯:18時〜23時、深夜帯:23時〜7時とする。
図5に示す類型表を4つの時間帯でさらに分類した類型表の一例を
図10に示す。
図10では、朝帯を「Type**1」、日中帯を「Type**2」、夜帯を「Type**3」、深夜帯を「Type**4」として表す。なお、類型をさらに分類する時間の単位は、上記の例より短い時間単位であってもよいし、長い時間単位であってもよい。例えば、類型表を、さらに、曜日単位、週単位または月単位で分類してもよい。
【0100】
この場合、類型特定部26は、
図10に示す類型表を参照して、消費電力データ取得部22が取得した消費電力データと、情報通信量データ取得部21が取得した情報通信量データとに加えて、消費電力データ取得部22が消費電力データを取得した時間または情報通信量データ取得部21が情報通信量データを取得した時間に基づいて、個人宅4の類型を特定する。具体的には、例えば、情報通信量データ取得部21および消費電力データ取得部22がそれぞれ、9時〜10時の情報通信量データおよび消費電力データを取得し、動作状態判定部24が自動通信状態と判定し、電力判定部25がLevel2と判定したとする。この場合、類型特定部26は、個人宅4の類型を「Type221」として特定する。
【0101】
また、この場合における、類型特定部26が生成する類型情報の一例を
図11に示す。
図11に示すように、類型特定部26は、個人宅4ごとに類型情報を生成する。また、
図11に示すように、個人宅4に対応付けられている類型は、時間帯が異なる複数の類型であってもよい。
【0102】
また、この場合における、アクション対応表の一例を
図12に示す。この場合も、類型情報取得部33は、類型判定装置2から類型情報を取得し、サービス提供部34は、類型情報取得部33が取得した類型情報の示す個人宅4に対して、当該個人宅4に対応付けられた類型に応じたサービスを提供する。このとき、個人宅4に対応付けられた類型が複数ある場合、サービス提供部34は、アクション対応表を参照して、全ての類型に対応するアクションを実行してもよいし、何れかの類型に対応するアクションを実行してもよい。すなわち、サービス提供部34は、アクション対応表を参照して、少なくとも1つの類型に対応するアクションを実行すればよい。また、サービス提供部34は、アクションを実行する時間帯に基づいて、類型情報に含まれる類型を選択して、それに対応するアクションを実行してもよい。
【0103】
この場合における、サービス提供装置が実行するアクションの一例を説明する。ここで、個人宅4では、ヒートポンプ式給湯器が設置されており、深夜帯の電力を利用して急騰しているものとする。そして、類型情報取得部33が取得した類型情報に「Type134」の類型が含まれている場合、サービス提供部34は、アクション対応表を参照して、エアコンの消し忘れの注意喚起等の省エネアドバイスのメール、および/または、省エネ家電機器を推奨するメールを個人宅4(に住む人間)宛に送信するのではなく、別のアクションを実行してもよい。このアクションの理由として、個人宅4では、深夜帯にもかかわらず消費電力が大きいが、これは無駄な電力ではなく、ヒートポンプ式給湯器によるものだからである。
【0104】
<変形例2>
また、本実施形態では、動作状態判定部24は、情報通信機器の動作状態を解析データおよび情報通信量データに基づいて判定しているが、これに限るものではない。
【0105】
例えば、情報通信機器の定期的に実行される機械的な情報通信時の情報通信量のパターンを予め類型判定装置記憶部11に格納しておいてもよい。この場合、動作状態判定部24は、情報通信量データ取得部21から取得した情報通信量データと類型判定装置記憶部11に格納されている情報通信量のパターンとを比較して、両者が一致した場合に動作状態を児童操作通信状態であると判定してもよい。
【0106】
また、本実施形態では、動作状態および消費電力レベルを用いて個人宅4を複数の類型に分類しているが、これに限るものではない。
【0107】
例えば、特定の電気機器が動作する際の消費電力パターンを予め類型判定装置記憶部11に格納しておいてもよい。そして、類型特定部26は、動作状態および消費電力レベルに基づいて個人宅4の類型を特定した後、さらに、消費電力データ取得部22から消費電力データを取得し、取得した消費電力データと類型判定装置記憶部11に格納されている消費電力パターンとを比較して、両者が一致した場合に特定の電気機器が動作していると判定してもよい。このとき、類型特定部26は、動作状態および消費電力レベルに基づいて特定した個人宅4の類型を、さらに、特定の電気機器が動作しているか否かで細分化して類型を特定してもよい。
【0108】
例えば、特定の電気機器として、ヒートポンプ式給湯器とする。また、類型特定部26が動作状態および消費電力レベルに基づいて、個人宅4の類型を「Type13」または「Type23」と特定したとする。この場合、類型特定部26は、消費電力データを参照して、ヒートポンプ式給湯器が動作しているか否かをさらに判定して、個人宅4の類型を特定する。
【0109】
類型「Type13」または「Type23」において、ヒートポンプ式給湯器が動いている場合、消費している電力は無駄なものではないが、ヒートポンプ式給湯器が動いていない場合は、電力を無駄に消費している可能性がある。そこで、上記のサービス提供装置が実行するアクション(Action03)をさらに細分化し、ヒートポンプ式給湯器が動いている場合は、省エネアドバイスのメール、省エネ家電機器を推奨するメールを送るのではなく、別のサービスを提供するようにし、一方、ヒートポンプ式給湯器が動いていない場合に、省エネアドバイスのメールおよび/または省エネ家電機器を推奨するメールを送るようにしてもよい。
【0110】
<変形例3>
また、本実施形態では、情報通信量データ取得部21および消費電力データ取得部22は、個人宅4単位で情報通信量データおよび消費電力データを取得しているが、これに限るものではない。
【0111】
例えば、情報トラフィック収集装置46が個人宅4内にある情報通信機器の情報通信量を個別に補足し、電力センサ47が個人宅4内にある電気機器の消費電力を個別に測定してもよい。このとき、情報通信量データ取得部21は、情報トラフィック収集装置46から情報通信機器単位で情報通信量データを取得する。また、消費電力データ取得部22は、電力センサ47から電気機器単位で消費電力データを取得する。そして、個人宅4に住む個人(1人の人間)またはグループ(複数の人間)が使用する情報通信機器および電気機器を事前に把握しておくことにより、個人宅4の類型を特定するだけではなく、個人宅4に住む個人またはグループの類型も特定することができる。
【0112】
<変形例4>
また、本実施形態では、
図1に示すように、電力センサ47がネットワーク5と直接接続しているが、これに限るものではない。例えば、電力センサ47は、有線回線終端装置45または情報トラフィック収集装置46を介してネットワーク5に接続されていてもよい。この場合、消費電力データ取得部22は、有線回線終端装置45または情報トラフィック収集装置46を介して、電力センサ47から消費電力データを取得する。
【0113】
また、情報トラフィック収集装置46が電力センサ47を備えていてもよい。この場合、消費電力データ取得部22は、情報トラフィック収集装置46から消費電力データを取得する。
【0114】
また、類型判定装置2とサービス提供装置3とが一体であってもよい。例えば、類型判定装置2がサービス提供装置3の機能を備えていてもよい。
【0115】
また、情報トラフィック収集装置46は、類型判定装置2を備えていてもよい。この場合、サービス提供装置3は、情報トラフィック収集装置46から類型情報を取得する。
【0116】
また、本実施形態では、類型判定装置2が類型表および類型情報等を保持する類型判定装置記憶部11を備えているが、これに限るものではない。例えば、類型判定システム1が類型判定装置2とは異なる記憶装置(不図示)を備え、類型判定装置2が当該記憶装置から類型表を読み出したり、当該記憶装置に類型情報を格納してもよい。また、サービス提供装置3がサービス提供装置記憶部31を備える代わりに、サービス提供装置3とは異なる記憶装置(不図示)に、サービス提供装置記憶部31が保持する情報を格納してもよい。
【0117】
<変形例5>
また、本実施形態において、類型表を分類する指標は、消費電力および情報通信機器の動作状態の2つであるがこれに限るものではない。例えば、類型表を分類する指標が、情報通信機器の動作状態だけであってもよい。すなわち、類型特定部26が、情報通信機器の動作状態のみに基づいて、個人宅4の類型を特定してもよい。
【0118】
このときの情報通信機器の動作状態(情報通信量データに基づく指標)のみで個人宅4を分類する類型表の一例を
図13に示す。すなわち、類型判定装置記憶部11には、例えば、
図13に示す類型表が格納されている。
【0119】
この場合、類型判定装置2の類型判定装置制御部10は、消費電力データ取得部22および電力判定部25を備えていなくてもよい。また、個人宅4には、電力センサ47が設置されていなくてもよい。
【0120】
すなわち、この場合、類型判定装置2は、個人宅4の住人が所有する情報通信機器(携帯電話機41、PC42等)が個人宅4外の機器と送受信する情報通信量を示す情報通信量データを取得する情報通信量データ取得部21と、上記情報通信量データに基づく指標を用いて個人宅4を複数の類型に分類する類型表を参照して、情報通信量データ取得部21が取得した情報通信量データに基づいて、個人宅4の類型を特定する類型特定部26とを備えていればよい。
【0121】
また、上記類型表を分類する上記情報通信量データに基づく指標は、上記情報通信機器の動作状態であり、類型判定装置2は、情報通信量データ取得部21が取得した情報通信量データに基づいて、個人宅4の住人が所有する情報通信機器の動作状態を判定する動作状態判定部24をさらに備え、類型特定部26は、上記類型表を参照して、上記動作状態判定部24が判定した動作状態に相当する類型を、個人宅4の類型として特定してもよい。
【0122】
さらに、この場合も、上述の変形例1と同様に、
図13に示すような類型表において、類型がさらに時間によって分類されていてもよい。
【0123】
<補足>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0124】
最後に、類型判定装置2およびサービス提供装置3の各ブロック、特に類型判定装置制御部10およびサービス提供装置制御部30は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0125】
すなわち、類型判定装置2およびサービス提供装置3は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである類型判定装置2およびサービス提供装置3の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記類型判定装置2および上記サービス提供装置3にそれぞれ供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0126】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0127】
また、類型判定装置2およびサービス提供装置3を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。