(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反復報知テンポ指示手段は、前記ある運動情報に関して、前記第2の運動者の運動情報取得手段により取得された前記第2の運動者の値と、前記第2の運動者の運動情報取得手段により取得された前記第1の運動者の値とを比較し、前記第2の運動者の値と前記第1の運動者の値との差が小さくなるように、前記反復報知テンポの値を指示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の報知信号制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、第2の運動者が第1の運動者と、ある運動情報に関して、その値を共有して反復運動をすることができるような報知信号を出力させる報知信号制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、請求項1に記載の発明においては、報知信号制御装置(27b)において、反復運動中に得られ
るある運動情報に関して、第1の運動者(1a)の運動情報取得装置(22a)から前記第1の運動者(1a)の値を前記第1の運動者(1a)の反復運動中に実時間で取得するとともに、
第2の運動者(1b)が報知信号出力装置(28b)から出力される報知信号の反復報知テンポを感知し、感知した前記反復報知テンポに合わせて前記反復運動をしているときの、前記ある運動情報に関して、前記第2の運動者(1b)の値を前記第2の運動者(1b)の反復運動中に実時間で取得する第2の運動者(1b)の運動情報取得手段(22b)と、前記ある運動情報に関して、前記第2の運動者(1b)の運動情報取得手段(22)により取得された前記第1の運動者(1a)の値を基準として、前記第2の運動者(1b)の運動情報取得手段(22b)により取得された前記第2の運動者(1b)の値が前記第1の運動者(1a)の値に近づくように、
前記報知信号出力装置(28b)に前記反復報知テンポの値を指示する反復報知テンポ指示手段(25b)と、該反復報知テンポ指示手段(25b)により指示された
前記反復報知テンポの値に応じた値の反復報知テンポを有する
前記報知信号を、
前記報知信号出力装置(28b)に出力させる報知信号制御手段(26b)を有するものである。
従って、第2の運動者が報知信号の反復報知テンポを感知して、この反復報知テンポに合わせて反復運動をすることにより、第2の運動者が第1の運動者と、ある運動情報に関して、その値を共有して反復運動をすることができる。
【0010】
上述した運動情報とは、具体的には、例えば、反復テンポ、運動速度(運動ペース)、運動距離、運動強度、消費カロリーなどである。
なお、上述した報知信号制御手段は、必ずしも、指示された反復報知テンポの値に等しい値の反復報知テンポを有する報知信号を出力させる必要はない。
指示された値にほぼ等しい値の反復報知テンポを有した報知信号を出力させればよい。報知信号が音楽である場合、指示された値に等しい値の反復報知テンポを有するものを出力できない場合があるためである。
また、指示された反復報知テンポ値の整数分の1、又は、整数倍にほぼ等しい値の反復報知テンポを有する報知信号を出力させてもよい。このように、両者の値に倍数関係がある場合でも、反復報知テンポに合わせて反復運動をすることが容易である。特に、指示された反復報知テンポ値の2分の1の反復報知テンポは、「ハーフテンポ」と呼ばれている。
報知信号が音楽であり、記憶装置に記憶された限られた数の音楽の中に、指示された値と一致するか、ほぼ等しい値の音楽テンポを有する音楽が存在しない場合に、例外的に、指示された値の整数分の1、又は、整数倍の音楽、特に、「ハーフテンポ」を有する音楽を選択すればよい。このような「ハーフテンポ」等の例外的な音楽テンポの報知信号(音楽)の出力を許容するか否かは、運動者の操作により予め設定しておくことができる。
【0014】
請求項
2に記載の発明においては、請求項1に記載の報知信号制御装置(27b)において
、前記反復報知テンポ指示手段(25b)は、前記ある運動情報に関して、前記第2の運動者(1b)の運動情報取得手段(22b)により取得された前記第2の運動者(1b)の値と、前記第2の運動者(1b)の運動情報取得手段(22b)により取得された前記第1の運動者(1a)の値とを比較し、前記第2の運動者(1b)の値と前記第1の運動者(1a)の値との差が小さくなるように、前記反復報知テンポの値を指示する
。
従って、ある運動情報に関して、第2の運動者の値が第1の運動者の値から大きく離れている状況であっても、時間の経過と共に、両者の値を一致させることができる。
【0015】
請求項
3に記載の発明は、請求項1
又は2に記載の報知信号制御装置(27b)において、前記報知信号は音楽であり、前記反復報知テンポは音楽テンポであり、前記反復報知テンポ指示手段(25b)は音楽テンポ指示手段であり、前記報知信号出力装置(28b)は音楽出力装置であり、前記報知信号制御手段(26b)は、音楽制御手段であって、前記音楽テンポ指示手段(25b)により指示された音楽テンポの値に応じた値の音楽テンポを有する音楽を、前記音楽出力装置(28b)に出力させるものである。
報知信号が音楽であれば、生き生きとした音楽を聴きながら反復報知テンポを感知できるから、飽きることなく反復運動を続けることができる。
【0016】
複数の音楽がそれぞれの音楽テンポの値とともに記憶装置に格納されている場合は、上述した音楽制御手段は、記憶装置に格納された複数の音楽の中から上述した音楽テンポ指示手段により指示された音楽テンポの値に応じた値の音楽テンポを有する音楽を選択し、上述した音楽出力装置に出力させてもよい。
ここで、上述した音楽は、一般的に、既存の楽曲データである。しかし、楽曲として完結したデータでなくてもよく、既存の楽曲データの一部分を抜き出したものでもよい。
記憶装置に格納された音楽は、波形データ形式(WAVファイル、MP3ファイル等)であることが好ましいが、MIDIシーケンスデータのような音符の音高と音長を表す演奏データで曲が記録された演奏データ形式(midファイル)でもよい。
また、上述した音楽は、予め記憶装置に格納されていなくてもよく、音楽自動生成手段により、自動生成され
たものであってもよい。
【0017】
上述した各発明は、運動者が3人以上である場合にも適用できる。各運動者が上述した第1の運動者(1a)を指定し、残りの運動者は、上述した第2の運動者(1b)となればよい。従って、上述した各発明の報知信号制御装置において、第2の運動者の運動情報取得手段(22b)は、前記第2の運動者(1b)の運動情報を前記第2の運動者(1b)の反復運動中に実時間で取得し、他の運動者(1a等)の運動情報取得装置(22a等)に供給する。
このような報知信号制御装置は、第2の運動者の報知信号制御装置の機能に加えて、第2の運動者が他の運動者から第1の運動者として指定されたときも、上述した第1の運動者の報知信号制御装置の機能を実現する。
なお、運動者が2人だけであっても、互いに相手の運動者を第1の運動者として、相手の運動情報の値を目標として反復運動をすることができる。
【0018】
上述した第1の運動者(1a)と上述した第2の運動者(1b)は、実在の人間である。しかし、上述した第1の運動者(1a)は、実在の人間と同様の挙動をする仮想的な(Virtual)運動者であってもよい。この場合、第1の運動者(1a)は、予め設定された運動情報のシーケンスデータ(時間対運動情報のデータ)に従うような反復運動をしない。
【0019】
上述した報知信号制御装置、例えば、請求項1に記載の報知信号制御装置は、コンピュータが、次のような報知信号制御プログラムを実行することにより実現される。
「反復運動中に得られる、ある運動情報に関して、第1の運動者の運動情報取得装置から、前記第1の運動者の値を前記第1の運動者の反復運動中に実時間で取得する第2の運動者の運動情報取得ステップと、前記ある運動情報に関して、前記第2の運動者の値が、前記第2の運動者の運動情報取得ステップにより取得された前記第1の運動者の値に近づくように、反復報知テンポの値を指示する反復報知テンポ指示ステップと、該反復報知テンポ指示ステップにより指示された反復報知テンポの値に応じた値の反復報知テンポを有する報知信号を、報知信号出力装置に出力させる報知信号制御ステップ、をコンピュータに実行させる報知信号制御プログラム。」
【0020】
上述した各請求項の引用記載等において、「発明を特定するための事項」に付した括弧内の符号は、後述する「発明を実施するための形態」における、「発明を特定するための事項」に対応するものに付した符号である。この符号は、「発明を特定するための事項」とその一例との対応を示すにすぎない。「発明を特定するための事項」は、この符号により対応付けられた一例に限定されない。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第2の運動者が報知信号の反復報知テンポを感知し、この反復報知テンポに合わせて反復運動をすることにより、第2の運動者が第1の運動者と、ある運動情報に関してその値が一致し、運動情報を共有できるという効果がある。
ここで、共有とは、単に運動情報の値を頭で理解するというものではなく、報知信号の反復報知テンポを感知することによる共有であり、さらには、自身の反復運動により体感される共有である。
【0022】
例えば、複数の運動者が互いに離れて運動していても、一方又は相互の運動者の反復運動動作を、報知信号を媒介として体感できる。
そのため、一人で運動していても、一緒に運動しているつながり感が得られるから、運動のモチベーションが継続する。例えば、運動情報が、運動速度であれば、同じ速度で一緒に走っていると思えるようになる。
また、第1の運動者がコーチであり、第2の運動者が運動選手(アスリート)であれば、運動選手は、コーチが実際に運動している運動情報、例えば、理想的なペースの値、に合うように反復運動をすることができる。そのため、コーチから言葉ではなく、体感により効果的な指導を受けることができる。
また、コーチが、運動選手の運動状態を、直接的に目視したり、テレビカメラで撮像された画像を見たり、又は、運動選手の運動情報の値をチェックしたりしながら、コーチ自身の運動状態を調整(例えば、反復テンポを上げたり下げたりする)すれば、一層効果的な指導が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の実施の一形態を説明するための報知信号出力システムの全体構成図である。図中、1aは第1の運動者、1bは第2の運動者である。これらは、反復運動をしている実在の個人である。第1の運動者1aと第2の運動者1bとは、互いに離れた異なる地域に所在していてもよい。
【0025】
第1の報知信号出力装置2aが第1の運動者1aの身体の一部(例えば、上腕部)に装着されている。第1の報知信号出力装置2aは、表示器3a、操作ボタン4aを備えるとともに、第1の運動者1aの運動状態を検出するセンサ5aが、内蔵されていたり外部接続されていたりする。第2の報知信号出力装置2bについても同様である。
【0026】
この報知信号出力システムは、第2の運動者1bが報知信号の反復報知テンポに合わせて反復運動をすることにより、第2の運動者1bが第1の運動者1aと、反復運動中に得られる、ある運動情報に関して、その値を共有して反復運動をするものである。
反復運動とは、典型的にはランニング、ジョギング、ウォーキング等の陸上競技である。しかし、反復運動は、腕立て伏せ等の体操、エアロビスク等のダンス、水泳であってもよく、自転車型エルゴメータ(ergo meter)、トレッドミル(tredmill)、ストレングスマシン(strength machine)等のトレーニング機械を使用した運動であってもよい。運動者は、競技者(アスリート)、プレーヤと言うこともできる。
ある運動情報とは、例えば、反復テンポ、運動速度(運動ペース)、運動距離、運動強度、消費カロリーなどである。第2の報知信号出力装置2bに対する第2の運動者1bの操作により、任意の運動情報を選択することができる。
【0027】
報知信号は、例えば、可聴音であって、繰返周期が変化する発振音(間欠的に発生する単調な電子音)、音色のあるメトロノーム音(リズム楽器音)、音階を有する音楽などである。音楽である場合、第1,第2の報知信号出力装置2a,2bは、音楽出力装置と言うことができ、具体的には、携帯音楽プレーヤである。
報知信号としては、また、発光式のインジケータから出力されたり、表示器に表示されたりする、明るさ、色相等が、反復報知テンポに従って変化する可視報知信号であってもよい。反復報知テンポは、それぞれの場合、発振音の繰返周期の逆数、音楽テンポ、点滅のテンポである。
図示の例では、第1,第2の報知信号出力装置2a,2bは、報知信号を、イヤフォン6a,6bを介して第1,第2の運動者1a,1bの感覚器官(耳)に出力する。
【0028】
第1,第2の報知信号出力装置2a,2bは、任意の無線伝送路7a,7bにより、通信ネットワーク8に接続される。通信ネットワーク8は、例えば、インターネットである。
無線伝送路7a,7bは、例えば、携帯電話会社の携帯電話網、Wi-Fi(Wireless Fidelity)規格の無線LAN(Local Area Network)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)規格の無線アクセス回線である。
【0029】
第1の運動者1aの運動情報は、通信ネットワーク8を経由して、実時間(リアルタイム)で第2の運動者1bに伝送され、第2の運動者に対し反復報知テンポ又はその変化によって感知される。
図示の例では、運動情報管理センタ(例えば、サーバ)9が、通信ネットワーク8に接続されている。第1の報知信号出力装置2aは、運動情報管理センタ9を中継装置として、第1の運動者1aの運動情報を第2の報知信号出力装置2bに供給する。
これに代えて、運動情報管理センタ9を介することなく、第1の報知信号出力装置2aが、第1の運動者1aの運動情報を、第2の報知信号出力装置2bに供給する(peer to peer)報知信号出力システムであってもよい。
【0030】
運動情報管理センタ9は、上述した運動情報の中継機能の他、第1,第2の報知信号出力装置2a,2bから転送された運動情報及び/又は運動結果の統計情報を、第1,第2の運動者1a,1b毎に記憶装置に蓄積したり、第1の運動者1a、第2の運動者1bの間で運動結果を比較し、比較結果を蓄積したりする。
運動情報、統計情報、比較結果に基づいて表示画面が作成され、通信ネットワーク8を介して、第1,第2の報知信号出力装置2a,2bの表示器3a,3bに表示されるようにする。このようにして、第1,第2の運動者1a,1bは、運動情報を数値として共有することができる。
図示の例では、パーソナルコンピュータ10が通信ネットワーク8に接続されたり、ルータ11を介して通信ネットワーク8に接続されたりする。パーソナルコンピュータ10もまた、運動情報管理センタ9にアクセスし、上述した表示画面を閲覧できる。
【0031】
図2は、本発明の実施の一形態を説明する機能ブロック図である。図中、
図1と同様な部分には同じ符号を付している。第1の報知信号出力装置2aと第2の報知信号出力装置2bとが、第1の音楽出力装置、第2の音楽出力装置であるときの、各部の機能を、括弧を付して記載する。
【0032】
第1の報知信号出力装置2aと第2の報知信号出力装置2bとは、同一構成である。第1の報知信号出力装置2aは、第1の運動者1aの運動情報のみに基づいて報知信号(音楽)を出力する態様[自立モード]であり、第2の報知信号出力装置2bは、他の運動者、図示の例では、第1の報知信号出力装置2aから取得した、ある運動情報の値に基づいて報知信号(音楽)を出力する態様[従属モード]である。
第2の運動者1bは、報知信号(音楽)の反復報知テンポ(音楽テンポ)を感知して、この反復報知テンポに合わせて反復運動をすることにより、第2の運動者1bが第1の運動者1aと、ある運動情報に関して、その値を共有して反復運動をすることができるようになる。
【0033】
「自立モード」としては、具体的に、背景技術において説明した「フリーワークアウトモード」(
図7(a)を参照して後述する音楽モード1)、「フィットネスモード」(
図7(b)を参照して後述する音楽モード2)、「トレーニングモード」がある。
一方、「従属モード」としては、
図7(c)、
図7(d)を参照して後述する音楽モード3A,3Bが一例としてあげられる。
【0034】
第1の報知信号出力装置2aにおいて、動作モード選択部21aにより、運動情報取得部22aに「自立モード」が設定されている。
センサ23aは、第1の運動者1aの反復運動中において、実時間で逐次出力される検出値を第1の運動情報取得部22aに出力する。
第1の運動情報取得部22aは、センサ23aの出力値に基づいて、1又は複数の運動情報を取得する。
【0035】
センサ23aが加速度センサを備える場合、この加速度センサの出力による衝撃間隔の検出値に基づいて、第1の運動情報取得部22aは、反復テンポの値(例えば、毎分の反復回数)を取得する。反復運動がランニング、ジョギング、ウォーキングの場合は、「反復テンポ」を「歩行テンポ」と言うことができる。
【0036】
センサ23aが、GPS(Global Positioning Systems:全地球測位システム)を備える場合、その位置データの差分値から、第1の運動情報取得部22aは、運動速度(例えば、毎分の運動距離)、又は、運動のペース(例えば、km当たりの運動時間(分))を取得する。この運動速度を時間で積分することにより、運動距離を取得する。
なお、運動速度は、歩幅(ストライド)に反復テンポの値を乗算しても取得できる。
センサ23aが、心拍センサ(心拍計、脈拍計)を備える場合、運動情報取得部22aは、拍タイミング信号から心拍数の値を取得する。運動情報取得部22aは、さらに、心拍数の値に基づいて、第1の運動者1aの運動強度を取得することができる。
【0037】
運動強度は、次式にて計算される。
運動強度n[%]=
(心拍数−安静時心拍数)/(最大心拍数−安静時心拍数)×100
ここで、最大心拍数=220−暦年齢として推定が可能である。暦年齢及び安静時心拍数は、運動に関する個人情報記憶部24aに予め記憶されている。
この他の運動情報として、運動の種別(ウォーキング、ジョギング等)、運動速度、体重、運動時間に基づいて、消費カロリーも算出することができる(非特許文献1参照)。
【0038】
運動情報取得部22aにおいて取得された運動情報の値は、実時間(リアルタイム)で、反復テンポ指示部(音楽テンポ指示部)25aに供給される。
第1の報知信号出力装置2aが背景技術で述べた「フリーワークアウトモード」であるとき、反復報知テンポ指示部(音楽テンポ指示部)25aは、第1の運動者1aの反復テンポの値に対応した値の反復報知テンポ(音楽テンポ)を、報知信号制御部(音楽制御部)26aに指示する。
第1の報知信号出力装置2aが背景技術で述べた「フィットネスモード」であるとき、反復報知テンポ指示部25aは、第1の運動者1aの心拍数の値が、運動に関する個人情報記憶部24aに記憶された目標心拍数に近づく、言い換えれば、両者の差が小さくなるように、反復報知テンポ(音楽テンポ)の値を、報知信号制御部(音楽制御部)26aに指示する。
報知信号制御部26aは、報知信号出力部(音楽出力部)28aに対し、指示された反復報知テンポ(音楽テンポ)の値に対応した値の反復報知テンポ(音楽テンポ)を有する報知信号(音楽信号)を、
図1に示したイヤフォン6a等の電気音響変換器に出力させる。
【0039】
運動情報取得部22a、反復報知テンポ指示部25a、報知信号制御部26aの機能を有するものが、報知信号制御装置27aに相当する。
上述した第1の報知信号出力装置2aが第1の音楽出力装置であるときの動作は、
図7(a)、
図7(b)を参照して後述する。
なお、第2の報知信号出力装置2bを従属モードで動作させる場合、第1の運動者1aは報知信号を必ずしも感知する必要がない。そのため、上述した反復報知テンポ指示部25aから報知信号出力部28aまでの機能を停止させてもよい。
【0040】
一方、運動情報取得部22aにおいて取得された運動情報の値は、実時間(リアルタイム)で、通信部29aから運動情報管理センタ9に転送され、一旦、その運動情報蓄積装置30の、第1の運動者1aに割り当てられた領域に記憶される。
第2の報知信号出力装置(音楽出力装置)2bにおいては、動作モード選択部21bにより、運動情報取得部22bに「従属モード」が設定されている。
運動情報取得部22bは、通信部29bを介して、運動情報管理センタ9から、その運動情報蓄積装置30に記憶された、第1の運動者の反復運動中に得られる、ある運動情報に関して、第1の運動者1aの値を、第1の運動者1aの反復運動中に実時間(リアルタイム)で取得する。
【0041】
反復報知テンポ指示部(音楽テンポ指示部)25bは、上述した、ある運動情報に関して、第2の運動者1bの値が、第2の運動者1bの運動情報取得部22bにより取得された第1の運動者1aの値に近づくように、言い換えれば、両者の差が小さくなるように、反復報知テンポの値を指示する。
より具体的には、次の3つの手法がある。
【0042】
(1)運動情報が反復テンポである場合、第1の運動者1aの反復テンポの値を、そのまま第2の運動者1bの反復テンポの値とする方法
上述した反復報知テンポ指示部(音楽テンポ指示部)25bは、第1の運動者1aの反復テンポの値に対応する値の反復報知テンポ(音楽テンポ)を指示する。
第2の運動者1bにとって、報知信号(音楽)の反復報知テンポ(音楽テンポ)に反復テンポを合わせて反復運動をすることは容易である。第1の運動者1aの反復テンポの値に対応する値の反復報知テンポを有する報知信号を感知することにより、反復テンポに関して、第2の運動者1bが第1の運動者1aの反復運動に追従して反復運動ができるようになる。なお、第1の運動者1aの反復テンポの値と反復報知テンポの値が一致しなくても、いわゆる「ハーフテンポ」のように、音楽テンポと反復テンポとの同期を取りやすい場合がある。
より具体的な動作については、
図7(c)の音楽モード3Aを参照して説明する。
【0043】
(2)運動情報の値を反復報知テンポの値に変換する方法
上述した反復報知テンポ指示部(音楽テンポ指示部)25bは、上述した、ある運動情報に関して、第1の運動者1aの値と一致する値を第2の運動者1bの値とし、この第2の運動者1bの値を第2の運動者1bの反復テンポの値に変換し、変換された反復テンポの値に対応する値の反復報知テンポ(音楽テンポ)を指示する。
【0044】
(a)運動情報が、運動速度である場合は、第1の運動者1aの運動速度を、第2の運動者1bの歩幅(ストライド)で割ることにより、第2の運動者1bの反復テンポに変換する。
(b)運動情報が、運動距離である場合は、必ずしも適切な例でないが、次のようにする。第1の運動者1aの運動距離を第1の運動者1aの運動経過時間で割って得た第1の運動者1aの平均運動速度を、第2の運動者1bの歩幅(ストライド)で割ることにより、第2の運動者1bの反復テンポに変換する。この場合は、実質的に、平均運動速度を運動情報としている。
(c)運動情報が、運動者の運動強度である場合、第1の運動者1aの運動強度の値に一致する値を第2の運動者1bの運動強度とし、第2の運動者1bにおいて、この値の運動強度を得る反復テンポの値を、第2の運動者1bの運動に関する個人情報や過去の運動結果に基づいて推定し、第2の運動者1bの反復テンポに変換する。運動強度の値に対する反復テンポの値の相関関係は、テーブル形式で設定すればよい。
運動状態が運動速度である場合のより具体的な動作は、
図7(d)の音楽モード3Bを参照して説明する。
【0045】
(3)ある運動情報に関し、第1の運動者1aの値と第2の運動者1bの値とを比較する方法
上述した第2の運動者1bの側の運動情報取得部22bは、上述した、ある運動情報に関して、第1の運動者1aの値を、第1の運動者1aの反復運動中に実時間で取得するとともに、第2の運動者1bの値を、第2の運動者1bの反復運動中に実時間で取得する。
上述した反復報知テンポ指示部25bは、上述した、ある運動情報に関して、第2の運動者1bの値と第1の運動者1aの値とを比較し、第2の運動者1bの値と第1の運動者1aの値との差が小さくなるように、反復報知テンポ(音楽テンポ)の値を指示する。
【0046】
より具体的には、ある運動情報の値が運動者の運動強度が高くなるほど大きな値になる場合について説明する(逆の場合も同様であり、逆の場合の説明は省略する)。
(a)(第2の運動者1bの運動情報の値)<(第1の運動者1aの運動情報の値)
反復報知テンポ指示部(音楽テンポ指示部)25bは、現時点における報知信号の反復報知テンポの値(一般に、現時点において指示している反復報知テンポの値と等しい)よりも大きな値の反復報知テンポの値を指示する。例えば、現時点における報知信号の反復報知テンポの値よりも例えば、5%速くする。
(b)(第2の運動者1bの運動情報の値)>(第1の運動者1aの運動情報の値)
反復報知テンポ指示部25bは、現時点における報知信号の反復報知テンポの値よりも小さな値の反復報知テンポの値を指示する。例えば、現時点における報知信号の反復報知テンポの値よりも例えば、5%遅くする。
上述した具体例では、現時点における報知信号の反復報知テンポの値の所定比率で反復報知テンポの値を増減しているが、所定値を加減算することにより反復報知テンポの値を増減してもよい。
【0047】
上述した(3)の方法によれば、第2の運動者1bは、反復報知テンポ(音楽テンポ)が、現時点の値よりも速くなったか遅くなったかを感知することにより、現在の運動情報の値が、第1の運動者1aの値に比べて不足するのか、超えているのかが感覚的に理解できる。最終的に、第2の運動者1bの運動情報の値が第1の運動者1aの運動情報の値と一致した状態で、反復報知テンポの値がほぼ一定となる安定状態となる。
この方法は、運動情報が、運動速度、運動距離、運動強度、消費カロリーの場合に加えて、反復テンポである場合にも適用できる。
【0048】
上述した(1)の方法によって、運動者の反復テンポを共有させる場合、第2の運動者1bは、現時点で、必ずしも第1の運動者1aの反復テンポの値に近い反復テンポで反復運動している状態にあるとは限らない。
このような状況では、第1の運動者1aの反復テンポの値と一致する値の反復報知テンポを有する報知信号を聞いても、反復報知テンポの値と第2の運動者1bの反復テンポの値が大きくずれているため、反復運動を継続しにくいと考えられる。
これに対し、運動情報が反復テンポの場合でも、上述した(3)の方法によれば、運動者の反復運動を含んだフィードバックにより、反復テンポを共有することができる。
【0049】
また、上述した(2)の方法によって、運動者の運動速度(運動ペース)を共有させる場合、第2の運動者1bは、現時点で、必ずしも第1の運動者1aの運動速度に近い運動速度で反復運動している状態にあるとは限らない。また、歩幅が一定していないかもしれない。このような状況では、第1の運動者1aの運動速度の値に対応した反復テンポの値と一致する値の反復報知テンポを有する報知信号を聞いても、この反復報知テンポの値と第2の運動者1bの反復テンポの値が大きくずれていれば、反復運動を継続しにくいと考えられる。これに対し、上述した(3)の方法によれば、運動者の反復運動を含んだフィードバックにより、運動速度を共有することができる。
【0050】
なお、共有する運動情報が反復テンポ以外の場合、上述した安定状態において、反復報知テンポの値と、実際の反復運動の反復テンポの値とが一致しない場合がある。このような場合は、第2の報知信号出力装置2bに、「テンポアップスイッチ」、「テンポダウンスイッチ」を設けておき、第2の運動者1bが、これを操作することにより、反復報知テンポの値を、安定状態における、第2の運動者1bの反復テンポの値に一致又はほぼ一致させるようにすれば、反復運動を継続しやすくなる。
【0051】
報知信号制御部(音楽制御部)26b、報知信号出力部(音楽出力部)28bは、先に説明した、報知信号制御部(音楽制御部)26a、報知信号出力部(音楽出力部)28aと同様である。報知信号出力部(音楽出力部)28bは、指示された反復報知テンポ(音楽テンポ)の値に対応した値の反復報知テンポ(音楽テンポ)を有する報知信号(音楽信号)を、
図1に示したイヤフォン6bに出力させる。
【0052】
反復報知テンポ指示部25bにおける、上述した(3)の比較方法において、上述した、ある運動情報に関し、第2の運動者1bの値と第1の運動者1aの値とを比較し、第2の運動者1bの値が、第1の運動者1aの値に比べて所定以上(所定値又は第1の運動者1aの値の所定比)ずれた場合は、第2の運動者1bに対し、特別な報知信号(警告信号)で報知してもよい。
その際、運動の反復テンポが、遅れていることによる「ずれ」か、進んでいることによる「ずれ」かも感知できる警告信号であることが望ましい。
このような報知信号は、例えば、反復テンポを合わせるための本来の報知音とは区別できる報知音や合成音声、反復テンポを合わせるための本来の報知光とは区別できる報知光や文字表示であればよい。
【0053】
上述した警告報知は、上述した(1),(2)の方法においても、第2の運動者1bの値が、第1の運動者1aの値に比べて所定以上(所定値又は第1の運動者1aの値の所定比)ずれた場合に、運動の反復テンポの進遅を含めて行うことができる。
また、上述した(1),(2),(3)のいずれの方法においても、実際の反復運動の反復テンポの値が、現在の反復報知テンポの値に比べて、所定以上(所定値又は第1の運動者1aの値の所定比)ずれた場合に、運動の反復テンポの進遅を含めて、先に説明した警告報知と同一の表示態様の、又は、別の表示態様の警告報知を行うようにしてもよい。
【0054】
なお、上述した第2の運動者1bは、複数の運動者(複数の人々)であってもよい。運動情報管理センタ9は、第1の運動者1aの運動情報の値を、図示しない複数の第2の運動者1bに供給すればよい。
また、上述した説明では、第1の運動者1aの運動情報の値を第2の運動者1bに供給していたが、同時に、第2の運動者1bの運動情報の値を第1の運動者1aに供給してもよい。この場合、第1の報知信号出力装置2aは、第1の運動者1aが、第2の運動者1bの運動情報の値に一致する運動情報の値となる反復運動をすることができるように、第1の運動者1aに対し報知信号を出力する。その結果、第1の運動者1aと第2の運動者1bとは、互いに相手の運動情報の値を目標値として共有し、反復運動をすることができる。
【0055】
従って、2人以上の複数の運動者の間において、目標とする第1の運動者1aを、第2の運動者1bは、任意に選択でき、さらに、複数の運動情報から任意のものを選択し、その選択したものの値を取得し、その値を目標値として選択することができる。その結果、運動者は、その人に合った運動者を目標として、好みの運動情報でトレーニングが可能となる。
【0056】
図3は、本発明の実施の一形態を実現するためのハードウエア構成図である。無線回線を介して通信ネットワークに接続する機能と、音楽出力機能、各種のセンサを備えた装置である。
図中、41は信号処理部(CPU:Central Processing Unit)である。信号処理部41に周辺機能のブロックが接続されている。42はタイマであって、信号処理部41の処理タイミング、割り込みタイミングの基準となったり、カレンダ機能(年:月:日:時:分:秒)の時間基準となったりする。
【0057】
43はメモリであって、RAM(Random Access Memory)、フラッシュROM(Read Only Memory)である。例えば、オペレーティングシステムプログラム、各種アプリケーションプログラム、設定データ類、音楽データ(MIDI形式及び又はMP3等の波形形式)、音楽情報データベース(管理番号、音楽テンポ等)、演奏パターンのパーツデータ、テンプレートデータ、電話番号リスト等が記憶されている。
【0058】
44は音源部であって、携帯電話の着信音、各種の通知音の生成、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)規格の演奏データの自動演奏、音楽の自動作成機能を有する。
45はコーデック(CODEC:code/decode)であって、アナログ信号の符号化及び復号化をする。例えば、音声信号がMP3(MPEG-1 Audio Layer-III)形式のデータである場合に、MP3ファイルへの圧縮、及び、WAVファイルへの復元処理も行う。
46は音声信号や楽音信号を出力するスピーカ又はイヤフォン、47は音声信号を入力するマイクロフォンであり、いずれもコーデック45を介して信号処理部41に接続されている。
48は表示器である。49は操作パネルであって、機械式接点のスイッチや、表示器48上に重ねられた透明のタッチパネルである。
【0059】
50は携帯電話網に接続するための送受信部であり、アンテナ51が接続されている。52は無線LAN送受信部(アンテナの図示を省略)であり、Wi-Fi(wireless fidelity)、Bluetoothなどの規格に従って動作する。
53は加速度センサ、54はGPS(Global Positioning Systems)センサ(アンテナの図示を省略)である。加速度センサ53は反復運動の反復テンポを検出する。GPSセンサ54は経度・緯度などの位置情報を検出する。心拍センサは心拍(脈拍)を検出し、無線LAN用送受信部52のBluetoothを介して、心拍波形又は心拍データを信号処理部41に送信する。
【0060】
図2に示した報知信号制御装置27a,27bの機能は、信号処理部41が、メモリ43に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
図2に示した報知信号出力部28a,28bの機能は、メモリ43に記憶された音楽等を用いて、音源部44、コーデック45により実現される。
報知信号制御装置27a,27bと報知信号出力部28a,28bとは、物理的に分離した別体の装置として構成されてもよい。
【0061】
図4は、
図3の信号処理部41の動作の内、主として、報知信号制御動作を説明するためのフローチャートである。
電源オンにより処理を開始し、S61において初期化する。S62において、ユーザの操作を受け付けて、アプリケーションプログラムの処理(
図5)をし、S63において、電話通信のための処理をする。着信があれば、アプリケーションプログラムを実行中でも、着信音を出力し、ユーザの操作により通話を可能にする。ユーザの操作があれば電話をかける。S63からS62に処理を戻し、電源がオフされるまで処理を繰り返す。
【0062】
図5(a)は、アプリケーションプログラムを実行するためのフローチャートである。本願の発明を実現するアプリケーションプログラムを、仮に「運動音楽連携」と名付ける。
S71において、ユーザが「運動音楽連携」の選択操作をすれば、「運動音楽連携」を起動し、S74に処理を進める。「運動音楽連携」が既に起動しているときも、S74に処理を進める。その他の場合は、S76,S77において、他のアプリケーションプログラムについて同様の処理をする。
S74において「運動音楽連携」プログラムの設定(
図5(b))をし、S75において「運動音楽連携」プログラムを実行(
図6)する。
【0063】
図5(b)は、
図5(a)のS74における、「運動音楽連携」プログラムの設定処理のフローチャートである。
S81において、現在の処理における画面を表示する。最初は、ユーザによる設定入力を受け付ける画面を表示し、その後は、音楽出力中及び反復運動中における種々の情報の表示画面を表示する。
S82において、本装置(第1の報知信号出力装置2a、又は、第2の報知信号出力装置2b)を、運動情報管理センタ(以下、サーバという)9と接続して、サーバ9からデータ送信があれば、これを受信し、また、サーバ9へ送信するデータがあれば、これを送信する。
【0064】
なお、送受信するデータには、運動情報、運動選択情報(ランニング/ジョギング/ウォーキングなど)、音楽モード、運動時間、運動距離等の運動条件、運動実行結果(順位、記録)、その他の情報がある。
S83においてユーザの操作によるデータ入力があれば、入力されたデータを受け付け、これに基づいて、本装置自体の設定をする。サーバ9に送信する必要のあるデータであれば、これを一時的に保持し、このフローチャートが一巡した後のS82においてサーバ9に送信する。
【0065】
S85においてユーザの操作によるモード選択があれば、モード設定を行う。例えば、音楽モードを設定したり、選択された運動や運動条件を設定したりする。
S87においてユーザによるプログラムの開始指示があれば、設定された音楽モードに対して開始フラグを立てる。後続の処理では、開始フラグにより処理が実行中であるか否かが判断される。
S89においてユーザの操作による停止指示であれば、設定された音楽モードに対する開始フラグを降ろす。
S91において、その他、受け付けた指示を実行する。
【0066】
図6(a)は、
図5(a)のS75における「運動音楽連携」の実行処理のフローチャートである。先のS88において「運動音楽連携」に開始フラグが立てられていれば、S101から、先のS86において設定された音楽モードに従って、音楽モード1、音楽モード2、音楽モード3A、音楽モード3Bのいずれかの処理に進める。
【0067】
図6(b)は、
図4のメインフローの処理と並行して、短い時間間隔で起動する割込処理として実行されるフローチャートである。これにより、自身(例えば、第2の運動者1b)の運動情報と、他者(例えば、第1の運動者1a)の運動情報が取得される。
先のS88において「運動音楽連携」プログラムに開始フラグが立てられていれば、S111から以下の処理に進む。
S112において、加速度センサ53(
図3)により衝撃が検出されたとき、S113〜S115に進む。タイマAの経過時間を取得し、この経過時間の移動平均に基づいて、反復テンポの値を算出する。次に、タイマAをリセットし、経過時間の計数を再開させる。
S116において、心拍が検出されたとき、S113〜S115と同様に、S117〜S119において、心拍数の値を算出する。心拍数からは運動強度が算出される。
【0068】
S120において、GPSセンサ54が出力する緯度経度(位置)データに変化があれば、S121,S122において、前回のこのステップS122において取得された現在位置データとの差から、前回の位置からの移動量を算出するとともに、現在位置を表す位置データを更新する。前回の位置からの移動量を、前回の時刻と現在の時刻との差で割れば、運動速度が算出される。また、運動の開始時刻から現在の時刻までにおいて、上述した移動量を加算すれば、運動の開始地点、開始時点から現在までにおける運動距離が算出される。運動の開始時点から現在までにおいて、上述した運動速度を時間積分しても、上述した運動距離が算出される。
【0069】
S123において、上述した反復テンポの値、心拍数の値(運動強度の値)、運動速度の値(及び、運動距離の値)の内、いずれかの運動情報が算出されたとき、S124において、その算出値を、現在時刻又は前回からの経過時間と合わせて記録するとともに、サーバ9に送信し、サーバ9を介して同時に運動をする運動者に送信する。なお、心拍数の値そのものは、その運動者の運動能力等によって異なる値であるため、運動者に共通の指標である運動強度に変換して送信する。
【0070】
図2に示した従属モードにある第2の運動者1bの第2の報知信号出力装置2bにおいては、他の運動者の運動情報を取得する必要がある。このように、他の運動者の運動情報を実時間(リアルタイム)で取得するときは、S125からS126に処理を進め、サーバ9を経由して他の運動者の運動情報を受信し、S127に処理を進め、他者の運動情報の値を取得する。
【0071】
一方、上述したS124の記録処理により、自分自身の運動結果(経過時間又は運動距離に従って変化する運動情報のシーケンスデータ)は、本装置のメモリ43に保存される。また、他の運動者の運動結果は、サーバ9の運動情報蓄積装置30に保存される。運動開始前に他の運動者の過去の運動結果をサーバ9からメモリ43(
図3)にダウンロードしておくことができる。
従って、メモリ43に保存された自分自身、又は、他の運動者の運動情報をメモリ43から逐次読み出す機能(プレイバック)を設けることができる。
このようなプレイバックのときは、S128からS129に処理を進め、メモリ43に保存された運動結果ファイルを読み出し、S127において、他者の運動情報(自身の過去の運動情報を含む)の値を取得する。
【0072】
なお、S128の変形例として、他の運動者の運動結果を、サーバ9の運動情報蓄積装置30から、運動情報の発生タイミング(イベントタイミング)毎に受信して、あたかもリアルタイムで運動情報を受信するかのように受信してもよい。
【0073】
図7は、
図6(a)における各音楽モードの処理を示すフローチャートである。
図7(a)は「音楽モード1」の動作を説明するフローチャートである。このモードは、背景技術において述べた「フリーワークアウトモード」であって、自分が走っているときの反復テンポにあった音楽テンポを有する音楽を出力する。
【0074】
S131において、
図6(b)S124の「記録/通信」処理が新たにあれば、S132において次の処理をする。「記録」された「運動情報」が、S114にて取得された「反復テンポ値」であって、この「反復テンポ値」が、現時点の「反復テンポ値」から所定以上(所定比、所定差)に変化したのであればS134に処理を進める。
なお、報知情報が音楽であって、記憶装置に記憶された複数の音楽の中から音楽が選択される場合、指示された音楽テンポを有する音楽が、メモリ43に格納されていない場合、後述するS135においては、指示された音楽テンポに近い値の音楽を選択する。そのため、後述するS136において、現在において出力されている音楽の音楽テンポの値は、S134において現に指示している音楽テンポの値とは必ずしも一致しない。
そのため、上述した現時点の「反復テンポ値」として、現に指示している音楽テンポの値に代えて、現時点において出力されている音楽の「音楽テンポ値」(但し、「ハーフテンポ」の音楽が出力されているときは、「ハーフテンポ」の2倍の音楽テンポである)を用いることが望ましい。
S134において、変更後の反復テンポの値を、新たな音楽テンポの値とするように指示する。
【0075】
S135において、新たな音楽の選択又は生成をする。
(1)音楽を選択する場合、
図3のメモリ43に記憶された複数の音楽の中から、新たに指示された音楽テンポの値と同じか、これに近い値の音楽テンポを有する音楽を選択し、この音楽をキャッシュメモリ(
図3においては、メモリ43に含まれる)にロードする。
(2)音楽を自動生成する場合(例えば、特許4306754号公報参照)
新たに指示された音楽テンポの値と同じ値の音楽テンポを有する音楽を、
図3のメモリ43に記憶された、演奏パターンのパーツデータ、テンプレートデータを使用して、自動生成し、キャッシュメモリにロードする。
【0076】
S136において、キャッシュメモリにロードされた音楽を出力する。
上述したS131において「記録/通信」処理が新たになかったり、S132において「反復テンポ値」が条件を満たさなかったりしたときは、S133に処理を進め、ここで、現在において出力中の音楽データが終了する(曲の終わりになる)ときは、先のS134に処理を進める。このとき、S134において、指示する音楽テンポの値を変更しない。また、音楽データがまだ終了しない(曲の途中)ときは、S136に処理を進める。
なお、S133から処理が進められたS134においては、「反復テンポ値」が、上述したS132における「所定以上」よりも小さな「所定以上」(小さな所定比、小さな所定差)に変化したときに、この変化した「反復テンポ値」を、新たな音楽テンポの値とするように指示してもよい。
【0077】
図7(b)は、「音楽モード2」の動作を説明するフローチャートである。このモードは、背景技術において述べた「フィットネスモード」であって、ユーザの心拍数を、運動計画において設定されている「目標心拍数」になるように、音楽テンポの値を指定し、音楽を出力するというものである。ここで、「目標心拍数」及び「心拍数」は、「目標運動強度」及び「運動強度」に換算することができる。
【0078】
S141において、
図6(b)のS124「記録/通信」処理が新たにあれば、S142において次の処理をする。「記録」された「運動情報」が、S118にて取得された「心拍数の値」であって、この「心拍数の値」が、現時点の「目標心拍数の値」から所定範囲(目標心拍数の±所定割合又は±所定差)外であれば、S144に処理を進める。
S144において、取得された「心拍数の値」が、「目標心拍数の値」よりも速ければ、現在において出力中の音楽の音楽テンポよりも遅い値(例えば、現在において出力中の音楽の音楽テンポの値より5%遅くする)の音楽テンポを新たに指示する。また、取得された「心拍数の値」が、「目標心拍数の値」よりも遅ければ、現在において出力中の音楽の音楽テンポよりも速い値(例えば、現在において出力中の音楽の音楽テンポの値より5%速くする)の音楽テンポを新たに指示する。
S145において、新たな音楽の選択又は生成をしてキャシュメモリにロードする。S146において、キャッシュメモリにロードされた音楽を出力する。
【0079】
図7(a)のS136について説明したように、S146において、現在において出力されている音楽の音楽テンポの値は、S144において現に指示している音楽テンポの値とは必ずしも一致しない。そのため、S144においては、「現在において出力中の音楽の音楽テンポ値」を基準に判断をすることが望ましい。
【0080】
上述したS141において「記録/通信」処理が新たになかったり、S142において「心拍数の値」が条件を満たさなかったりしたときは、S143に処理を進め、
図7(a)のS133と同様の処理をする。
すなわち、先のS144に処理を進める。このときS144において、指示する音楽テンポの値を変更しない。また、音楽データがまだ終了しない(曲の途中)ときは、S146に処理を進める。
このように音楽テンポの値を指示することにより、心拍数の値が、目標心拍数の範囲内になるように誘導される。
なお、S143から処理が進められたS144において、「反復テンポ値」が、上述したS142における「所定範囲」よりも小さな「所定範囲」(目標心拍数の±小さな所定割合又は±小さな所定差)外に変化したか否かを判定し、変化したときには、S142から処理が進められたS144と全く同様の処理をして、音楽テンポの値を指示してもよい。
【0081】
図7(c)は、「音楽モード3A」の動作を説明するフローチャートである。このモードでは、他の運動者(第1の運動者1a)と同じ値の反復テンポで反復運動ができるように、その反復テンポの値と同じ値の音楽テンポを有する音楽を出力させる。
図6(b)のS127において取得された他者の運動情報の値が、S126においてリアルタイムで取得された反復テンポの値であるとき、S152において、この反復テンポの値が、現在の値から所定以上(所定割合又は所定値)変化したものであれば、S154に処理を進める。S154において、変化した後の反復テンポの値を、新たな音楽テンポの値とするように指示する。
なお、
図7(a)のS132と同様に、記憶装置に記憶された複数の音楽の中から音楽を選択する場合、上述した反復テンポの「現在の値」として、「現時点において出力されている音楽の音楽テンポの値」を用いることが望ましい。
S155,S156,S153における処理は、
図7(a)のS135,S136,S133と同様である。
【0082】
図7(d)は、「音楽モード3B」の動作を説明するフローチャートである。このモードは、他の運動者と同じ運動速度で反復運動ができるように、運動速度から変換された反復テンポの値と同じ値の音楽テンポを有する音楽を出力するというものである。
S161,S162は、
図7(c)のS151,S152と同様である。S164においては、変化した後の運動速度の値を歩幅(ストライド)で割ったときの反復テンポの値と同じ値を新たな音楽テンポの値とするように指示する。
S163〜S166は、
図7(c)のS153〜S156と同様である。
【0083】
上述した
図7(c)のS155において、音楽テンポの値を指示して音楽を選択する際に、他者の側において出力する音楽(以下、具体的に楽曲という)と同じ楽曲を出力することができれば、より他者と自分との一体感が得られる。
そのため、他者の側において出力する楽曲を特定する情報、例えば、楽曲の管理番号を、運動情報とともに、他者の側からサーバを経由して自分の側に取得されるようにしてもよい。
【0084】
その場合、自分の側の記憶装置に同じ楽曲が蓄積されていれば、その楽曲を出力することとし、同じ楽曲が蓄積されていなければ、指示された値に一致するかほぼ一致する値の音楽テンポを有する別の楽曲で代用すればよい。
なお、楽曲については、他者の側において出力する楽曲とは独立して、自分の側の記憶装置に記憶されている、自身が好んでいる複数の楽曲の中から選択してもよい。
ここで、
図2を参照して説明した、(3)の「ある運動情報に関し、第1の運動者1aの値と第2の運動者1bの値とを比較する方法」について補足する。
この方法を具体的に実行するには、例えば、
図7(b)のS142における「目標心拍数」を、ある運動情報に関する他の運動者(第1の運動者1a)の値に置き換え、「心拍数」を、ある運動情報に関する自分自身(第2の運動者1b)の値に置き換えればよい。
【0085】
図8は、通信ネットワークに接続されたサーバにおける処理のフローチャートである。
S171の初期化の後は、同じ処理が繰り返される。
S172において、「運動音楽連携」アプリケーションプログラムの会員である個々の運動者(以下、ユーザという)が、サーバに接続要求してくるのを待機する。任意のユーザから接続要求があれば、S174において、ユーザがID、パスワードの入力を行うことによりユーザ認証をする。
ユーザ認証ができなかったときは、S179において接続解除の処理をする。ユーザ認証ができたときは、S175において、個々のユーザに対応した表示画面データを作成し、認証されたユーザの報知信号出力装置に送信する。最初は、そのユーザが選択できるサービスのメニュー画面になる。
【0086】
S176において、ユーザからの送信データを受け付ける。例えば、他のユーザの反復運動中の運動情報のリアルタイムでの要求、ユーザが表示画面上で選択したことにより送られてくる要求、文字を入力して送られてくる要求、また、ユーザの反復運動中の運動情報のリアルタイムでの提供、運動終了後の運動結果ファイルや運動履歴、音楽出力履歴等の提供がある。
【0087】
S177は、種々の処理をする。ユーザから要求を受け付けた場合は、その要求に応じた処理を実行する。音楽の推奨要求があれば、ユーザの個人情報やユーザの運動履歴に適した音楽テンポを有する音楽を選定し、ユーザに提示する音楽リストを作成したり、音楽をダウンロードできる準備をしたりする。ユーザの反復運動中の運動情報は、運動情報蓄積装置30に蓄積される。
他のユーザの反復運動中の運動情報、音楽リストや音楽をユーザに提供する場合は、次回以降のS175で行う。
【0088】
サーバ9は、1人のユーザ(例えば、第1の運動者1a)の運動情報を、複数のユーザ(例えば、第2の運動者1b)の第2の報知信号出力装置2bに実時間(リアルタイム)で配信することができる。
ここで、第1の運動者1aは、その運動情報を、誰に利用させるかを決めることができる。例えば、誰にでも利用させたり、特定のグループのユーザ、または、特定のユーザにのみ利用を許可したり、また、誰にも利用を許可しないようにしたりする設定ができる。
また、運動履歴や音楽再生履歴を受け付けた場合は、そのユーザがどのような身体状態(運動に関する個人情報)において、どのような音楽を聞いたかを解析する。さらには、他のユーザの運動履歴や音楽履歴とともに集計することにより、ユーザの相対的な統計値や趣向を見出し、これをユーザの個人データとして蓄積しておき、ユーザに対し、統計値や趣向に適したサービスを提供することもできる。
S178において、ユーザから送られてきたデータが、「終了要求」であれば、S179において接続解除の処理をし、S172に処理を戻して、新たなユーザの接続要求を待つ。
【0089】
図9は、本発明の実施の一形態を適用した具体例の説明図である。
本発明の実施の一形態は、スマートフォンなどの携帯端末上のサービスとして提供される。反復テンポ値は、携帯端末に内蔵されている加速度センサの出力に基づいて検出される。
この「運動音楽連携」は、スマートフォンの一種である「iPhone(登録商標) 4G」にプリインストールされているアプリケーションプログラム「GAME CENTER(商標)」の機能を利用して実行されるアプリケーションプログラムである。
【0090】
反復テンポ値の複数の運動者間の共有、及び、通信は、「Game Center(商標)」の「Multi Player Game」機能により実現される。
図9(a)は、自分(ユーザ)用の画面であって、ユーザのニックネーム「TORU」が表示されている。この画面において、181はスマートフォンの筐体、182はタッチパネル画面、183はスイッチ、184はスピーカである。図示のタッチパネル画面182には、「運動音楽連携」の表示部185があり、ここをタップすることにより、「運動音楽連携」のアプリケーションプログラムが開始される。
【0091】
図示を省略した設定開始画面において、通信ネットワーク8上のサーバ9を経由して、この「運動音楽連携」に参加して、一緒に運動したい友達(一緒に運動するグループのメンバー)、加えて、その中から目標とする運動情報を取得する対象者(「ペースメーカ」と名付けている)、すなわち、自分(ユーザ)の反復運動の手本にしたいメンバー(運動者)又はコーチ(運動者)を、ユーザが選択する。
【0092】
メンバーを選択する画面において、ユーザによりメンバーとして選択された運動者が、既に運動を開始していれば、この運動者の現在の1又は複数の運動情報の値、例えば、反復テンポの値、運動距離(走行距離)の値などをリアルタイムで表示する。ユーザによりメンバーとして選択された運動者が、まだ運動を開始していないときは、この運動者の過去の履歴から読み出された1又は複数の運動情報の値を表示する。このユーザ自身の運動情報についても同様に表示されることが望ましい。その結果、ユーザの運動目的、運動レベルに合った相手を選んで、運動情報を共有することが可能である。運動情報には複数の種類があるが、その内、どの運動情報を目標(ターゲット)とするかを選択することができる。
【0093】
このような表示画面を見て、ユーザは、一旦選択したメンバーの選択を解除したり、ユーザ自身がグループから外れたりすることができる。また、メンバーの選択後、自分が運動を開始した後においても、このメンバーを選択する画面に表示画面を切り替えることにより、他のメンバーの運動状態をリアルタイムで知ることができる。
【0094】
図9(b)は、「運動音楽連携」の実行開始画面である。191は時間計測タイマの表示部(時:分:秒)である。192はスタートボタン、193aはペースメーカとなるメンバーの反復テンポ表示部、193bはユーザ(自分)の反復テンポ表示部、194aはユーザ(自分)の走行距離(運動距離)、194bはユーザ(自分)の消費カロリーである。図示の例では、目標として、反復テンポが選択されている。
なお、共有する運動情報に関し、ペースメーカとなるメンバーの値とユーザ(自分)の値とを表示する領域を設けてもよい。
【0095】
スタートボタン192をタップすることにより、実行が開始される。
図9(b)のタッチパネル画面182において表示される数値が変化する。それとともに、ペースメーカとなる運動者の反復テンポ値を、サーバ9を介して入手し、その反復テンポの値に対応した値の音楽テンポを有した音楽を出力する。音楽は、「運動音楽連携」のアプリケーションプログラムに搭載されているソフトウェア音源(ソフトウェアシンセサイザ)を使い、音楽テンポに合った音楽を自動生成し、スピーカ184又は外付けのイヤフォンから出力する。
【0096】
上述した説明では、ある運動者(例えば、第2の運動者1b)が運動を終了したときに、その第2の運動者1bの運動情報のシーケンスデータ(時間又は移動距離の経過に対する運動情報の値)が、運動結果として、第2の報知信号出力装置2bのメモリ43に保存されたり(
図6(b)のS124)、運動情報管理センタ(サーバ)9の運動情報蓄積装置に蓄積(
図8のS177)されたりする。
【0097】
第2の運動者1bは、上述した運動結果を、運動終了後に、表示画面等で見ることにより、複数の運動結果の間で、又は、他の運動者の運動結果との間で、比較し、運動の反省ができる。その際、第2の報知信号出力装置2b、運動情報管理センタ(サーバ)9が、自動的に比較処理をすることにより、評価(点数やランク)をつけることができる。第2の報知信号出力装置2bのメモリ43に記録された運動結果は、運動終了後に、運動情報管理センタ(サーバ)9にアップロードしてもよい。運動情報管理センタ(サーバ)9に蓄積されたものは、他の運動者の運動結果と比較されて、ランクや順位をつけられる。また、蓄積されたものは、他の運動者に利用してもらえる。
【0098】
図2において、第2の報知信号出力装置(音楽出力装置)2bが、指示された反復報知テンポ(音楽テンポ)を有する音楽を、記憶装置に記憶された複数の音楽の中から読み出して出力する場合、この記憶装置は、報知信号出力部(音楽出力部)28bに内蔵されたものである。
その際、第1の報知信号出力装置(音楽出力装置)2aから、運動情報とともに、音楽を特定する管理番号を供給してもよい。
運動情報として「反復テンポ」の値を共有し、この「反復テンポ」の値に対応する値の反復報知テンポ(音楽テンポ)を指示する場合、第2の報知信号出力装置(音楽出力装置)2bにおいては、内蔵する記憶装置に、供給された管理番号に対応する音楽データが格納されていればこれを出力する。その結果、第1の運動者1aと第2の運動者1bとは、音楽データも共有できる。ただし、内蔵する記憶装置に、供給された管理番号に対応する音楽データが格納されていなければ、指示された音楽テンポの値に応じた値の音楽テンポを有する音楽データを反復報知テンポ記憶装置に格納されている複数の音楽データの中から選択して出力すればよい。
【0099】
これに代えて、音楽データも、これを出力する際に、ストリーミング再生技術等により、第1の報知信号出力装置(音楽出力装置)2aから、運動情報管理センタ9及び通信ネットワーク8を経由して第2の報知信号出力装置(音楽出力装置)2bに供給してもよい。又は、予め、複数の音楽データを、第1の報知信号出力装置(音楽出力装置)2aと第2の報知信号出力装置(音楽出力装置)2bとの間で共有しておいてもよい。