特許第5786369号(P5786369)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5786369
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】トルクレンチ
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/157 20060101AFI20150910BHJP
【FI】
   B25B23/157 Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-45581(P2011-45581)
(22)【出願日】2011年3月2日
(65)【公開番号】特開2012-179697(P2012-179697A)
(43)【公開日】2012年9月20日
【審査請求日】2014年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】511055865
【氏名又は名称】澤田 義三
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(72)【発明者】
【氏名】澤田 義三
【審査官】 石田 智樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−095961(JP,A)
【文献】 実開昭60−191721(JP,U)
【文献】 実開昭53−025649(JP,U)
【文献】 実公昭49−038640(JP,Y1)
【文献】 特開平08−090440(JP,A)
【文献】 特開平08−323642(JP,A)
【文献】 特開2001−150361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 23/157
B25B 23/14
B25B 23/142
F16D 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部に回転締付部を備えたトルクレンチ本体と、前記回転締付部に回転駆動力を供給する駆動手段と、前記駆動手段に減速機構を介して連結されて、前記回転駆動力を前記回転締付部に伝達する出力軸と、前記駆動手段から前記出力軸への前記回転駆動力を継断する継断手段と、前記駆動手段の回転軸に取り付けられた第1のギアと、前記出力軸に回動自在に軸支され、前記第1のギアと噛合可能な第2のギアと、前記減速機構に設けた重りとを備えたトルクレンチであって、
前記継断手段は、前記駆動手段と連動して、磁石及び磁性体のいずれか一方を備えた前記第2のギアと、前記出力軸と連動して、前記磁石及び前記磁性体のいずれか他方を備えた前記重りとを磁気的吸着力により着脱自在に結合して継合するとともに、前記第2のギアを前記重りに対して前記出力軸周りに相対回転可能に備えたことを特徴とするトルクレンチ。
【請求項2】
前記継断手段を前記ヘッド部と前記減速機構との間に配置したことを特徴とする請求項1記載のトルクレンチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力を備えたトルクレンチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、動力を備えたトルクレンチとしては、モータの駆動によりナット、ボルトなどの締結体を仮締めした後、手動で所定のトルク値まで締め付ける半自動式のトルクレンチがあった(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭49−38640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のトルクレンチでは、モータの回転数を上げると、減速機構に備えた歯車列において歯車とウエイトカウンタの連結部分の破損や、歯車が欠歯してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、減速機構の歯車列の欠歯等の破損を防止するトルクレンチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、ヘッド部に回転締付部を備えたトルクレンチ本体と、前記回転締付部に回転駆動力を供給する駆動手段と、前記駆動手段に減速機構を介して連結されて、前記回転駆動力を前記回転締付部に伝達する出力軸と、前記駆動手段から前記出力軸への前記回転駆動力を継断する継断手段と、前記駆動手段の回転軸に取り付けられた第1のギアと、前記出力軸に回動自在に軸支され、前記第1のギアと噛合可能な第2のギアと、前記減速機構に設けた重りとを備えたトルクレンチであって、前記継断手段は、前記駆動手段と連動して、磁石及び磁性体のいずれか一方を備えた前記第2のギアと、前記出力軸と連動して、前記磁石及び前記磁性体のいずれか他方を備えた前記重りとを磁気的吸着力により着脱自在に結合して継合するとともに、前記第2のギアを前記重りに対して前記出力軸周りに相対回転可能に備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、前記継断手段を前記ヘッド部と前記減速機構との間に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、継断手段は出力軸にかかる負荷により駆動手段が停止する前に、磁気的吸着力に抗して駆動側継断体と出力側継断体との継合を解除して、駆動手段と出力軸との動力連結を断つことにより、駆動手段と出力軸を連結する減速機構の歯車列への過大な負荷を回避し、歯車列の欠歯を防ぐことができる。また、駆動側継断体を出力側継断体に対して出力軸周りに相対回転可能とし、駆動側継断体と出力側継断体とを同軸上に配置することで、継断手段の構造を簡単でコンパクトにすることができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、継断手段の構造をさらにコンパクトなものとして、ヘッド部付近の構造を薄いものとして、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のトルクレンチの実施形態を示す側面図である。
図2】同上、ヘッド部を角軸部側から見た斜視図である。
図3】同上、ヘッド部付近を示す平面図である。
図4】同上、ヘッド部付近を示す斜視図である。
図5】同上、図4とは異なる方向からのヘッド部付近を示す斜視図である。
図6】同上、リンク機構の動きを示す断面図である。
図7】同上、ウエイトカウンタを底側から見た断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明における好適な実施の形態について添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須条件であるとは限らない。
【実施例1】
【0012】
図1乃至図7は、本発明のトルクレンチの一実施形態の構造について示している。トルクレンチ1は、作業者により手動操作可能なトルクレンチ本体2と、トルクレンチ本体2に対して不図示の支軸を介して揺動可能に連結されたヘッド部3と、ヘッド部3に取り付けられた駆動手段としての電動モータ4とにより構成され、電源コード5が電動モータ4に接続されている。
【0013】
ここで、ヘッド部3とトルクレンチ本体2は、トグル機構(不図示)を介して連結されている。ここでトグル機構(不図示)は、従来周知のものを使用することが可能であり、本発明の要旨ではないため、その詳細な構造を省略する。
【0014】
電動モータ4の回転軸6は、トルクレンチ本体22の長さ方向と平行に配置され、この回転軸6の軸端部に遊星歯車機構等を有する減速機構7が接続されているとともに、回転軸6には鉄、鋼などの金属材料からなる第1のベベルギア8が取り付けられている。
【0015】
一方、ヘッド部3には、電動モータ4の回転軸6の軸方向(図中、X方向)と直交する軸方向(図中、Y方向)に減速機構7の出力軸9が配置され、この出力軸9に前記第1のベベルギア88と噛合する鉄、鋼などの金属材料等の磁性材料からなる第2のベベルギア10が取り付けられ、第1のベベルギア8と第2のベベルギア10からなる歯車列を介して電動モータ4の回転出力を減速機構7により適宜減速して出力軸9に伝達可能に備えている。
【0016】
また、出力軸9の先端部をなす角軸状に形成された角軸部11は、ヘッド部3の本体部12の表面より外方に突出し、この角軸部11にボルト,ナット等の締結体に嵌合可能なソケット13が着脱自在に装着される。
【0017】
ヘッド部3の出力軸9は、ラチェット機構(不図示)により一方向にのみ回転するように回転方向が規制されている。ここでラチェット機構(不図示)は、従来周知のものを使用することが可能であり、本発明の要旨ではないため、その詳細な構造を省略することとし、ラチェット機構(不図示)の一例としては、ヘッド部3の内部に角軸部11と一体の回転子(不図示)を収容し、ヘッド部3の内部には回転子(不図示)に対して開くように配置された左右一対の係止爪(不図示)間に切換カム(不図示)を介在させ、切換カム(不図示)を操作することで、両係止爪(不図示)にそれぞれコイルばね(不図示)を圧接し、圧接力で一方の係止爪(不図示)を回転子(不図示)の周面に形成したラチェット歯(不図示)に係合させる構造があるが、本実施例のラチェット機構はこれに限定されるものではない。
【0018】
また、トルクレンチ本体2は、扁平なチューブ状に形成されたケース14と、ケース14の後端側に設けられたハンドル15とを備えている。ケース14の先端部には、ヘッド部3の後端部が挿入されるとともに、支軸(不図示)を介して揺動自在に取り付けられており、ヘッド部3の後端部とケース14の先端部とをトグル機構(不図示)により連結している。
【0019】
さらに、ハンドル15で覆われるケース14の内部には、トグル機構(不図示)が作動する設定トルク値を変更可能とするためのトルク調整部(不図示)が設けられており、16は設定トルク値を表す目盛り部である。
【0020】
ヘッド部3の本体の裏面に一体に設けられた第1の設置基板17上には、電動モータ4及び減速機構7が配置された第2の設置基板18を備えている。第2の設置基板18は、減速機構7のカバー体19の四隅と第1の設置基板17とを連結する支柱20により、第1の設置基板17及びカバー体19とから所定の間隔を有して配置されている。
【0021】
第1の設置基板17と第2の設置基板18との間には、ラチェット機構(不図示)に連結された出力軸側回転切替手段21を備えている。
【0022】
出力軸側回転切替手段21は、第1の設置基板17に設けた第1の軸部22に出力軸9と直交する方向に回動自在に軸支された第1の連結杆23と、一側を軸着部24Aを介して第1の連結杆23と回動自在に連結されるとともに、他側を第1の設置基板17と第2の設置基板18間に設けられた第2の軸部24に出力軸9と直交する方向に回動自在に軸支された第2の連結杆25とを備えたリンク機構26によって構成されている。
【0023】
そして、この出力軸側回転切替手段21は、第2の設置基板18のハンドル15側に形成された長孔部27に挿通された第2の連結杆25の他側端28を掴み、第1の軸部22を回動軸としてリンク機構26を出力軸9と直交する方向に揺動自在に操作するものである。ここで、第1の軸部22及び第2の軸部24はともに出力軸9と平行であるとともに、第1の軸部22はラチェット機構(不図示)のカム部(不図示)或いは係止爪(不図示)に連結されており、出力軸側回転切替手段21を操作してラチェット機構(不図示)を作動させることにより、角軸部11を一方向のみに回転させる構造となっている。
【0024】
第2のベベルギア10は、出力軸9に回動自在に軸支されているとともに、減速機構7の底部を構成する有底円筒状のウエイトカウンタ29の底面部に適宜配置された複数の磁性体であるマグネット30との金属材料と磁石(マグネット30)による磁気的吸着力により、ウエイトカウンタ29の底面部に対して着脱可能に固定されているため、ウエイトカウンタ29を介して出力軸9と同期した状態で回動可能に構成されている。前記ウエイトカウンタ29は、つり合い重りやカウンタウエイトやバランスウエイトなどとも呼称される金属製の重量物であり、遊星歯車機構等による歯車列により重心位置が出力軸9と偏芯した減速機構7を備えた出力軸9の重量バランスを向上させるものである。
【0025】
このように、マグネット30を介してウエイトカウンタ29の底面部に着脱自在に設けた第2のベベルギア10によって、電動モータ4からの回転駆動力を出力軸9に継断する動力継断手段31が構成されている。
【0026】
この動力継断手段31は、出力軸9のラチェット機構(不図示)のより許諾された回転方向と異なる方向に出力軸9にかかる負荷(以下、軸力)が、マグネット30による第2のベベルギア10とウエイトカウンタ29とを結合させようとする力(以下、磁気的吸着力)よりも大きい場合に、第2のベベルギア10とウエイトカウンタ29の結合を解除させて、第1のベベルギア8を介して電動モータ4からの回転駆動力が伝達されて回転する第2のベベルギア10を、ウエイトカウンタ29の底面部に対して滑らせて空転させて、電動モータ4からの回転駆動力を出力軸9から遮断する一方で、軸力が磁気的吸着力より小さい場合に、第2のベベルギア10とウエイトカウンタ29を結合させて、第2のベベルギア10と出力軸9を同期した状態で回動可能とし、電動モータ4からの回転駆動力を出力軸9に伝達する構造となっている。
【0027】
また、ヘッド部3の側面には電動モータ4の電源スイッチ32を備えるとともに、ヘッド部3の後部には正逆回転可能な電動モータ4の回転軸6の回転方向を切替える動力側回転切替手段33を備えている。動力側回転切替手段33は先端部分の位置をM0→M1→M0→M2→M0→…と段階的に揺動自在に備えた操作レバー34を備えており、操作レバー34の揺動動作と出力軸側回転切替手段21の第2の連結杆25の揺動動作は互いに動作方向を交差させており、操作レバー34は第2の連結杆25の揺動動作に連動して揺動動作する構造となっている。ここで、操作レバー34の振れ幅は第2の連結杆25より小さく設定されている。そのため、第2の連結杆25は、L1の位置まで移動する途中で操作レバー34を押動してM1の位置まで移動させた後、操作レバー34を追い抜いてL1の位置に到達するとともに、L2の位置まで移動する途中においても操作レバー34を押動してM2の位置まで移動させた後、操作レバー34を追い抜いてL2の位置に到達する構造となっている。
【0028】
操作レバー34は、M1の位置にある場合の出力軸9の回転方向をR1に設定するとともに、M2の位置にある場合の出力軸9の回転方向をR2に設定し、M0の位置で電動モータ4を停止するものである。そして、第2の連結杆25は、L1の位置にある場合の角軸部11の回転方向をR1に規制するとともに、L2の位置にある場合の角軸部11の回転方向をR2に規制する。そのため、第2の連結杆25が、L1の位置にある場合は出力軸9と角軸部11は同一の回転方向R1に揃えられているとともに、L2の位置にある場合は出力軸9と角軸部11は同一の回転方向R2に揃えられている。
【0029】
また、第2の連結杆25がL1とL2の中間の位置にある場合は、ラチェット機構(不図示)による角軸部11の回転方向の規制が解除されており、角軸部11はR1とR2のどちらにも回転可能とする回動自在な状態となっている。
【0030】
また、電源コード5の先端にプラグ35を備え、一方に電源コード5のプラグ35が電気的に接続される電源ソケット36を備えるとともに他方に一対のワニグチクリップ37を備えたブースターケーブル38によって自動車用バッテリー(不図示)から電力供給を受けるものである。尚、電源コード5の先端にコンセント用の差込プラグ35を備え、コンセントから電力供給を受けるものでもよく、電動モータ4の電力供給源については特に限定されるものではない。
【0031】
次に、上記構造のトルクレンチのその作用について述べる。まず、トルクレンチを使用する前の準備として、電源コード5のプラグ35を、ワニグチクリップ36を介して自動車用バッテリー(不図示)に接続されたブースターケーブル37の電源ソケット13に接続する。
【0032】
次に、ボルト、ナット等の締結体(不図示)の締め付け方法について説明すると、締結体(不図示)を締め付ける方向(ここでは回転方向R1とする)に角軸部11を回転させるために、第2の連結杆25をL1の位置に配置して、出力軸9と角軸部11の回転方向をR1に設定する。
【0033】
続いて、トルクレンチのヘッド部3の角軸部11に装着されたソケット13を締結体(不図示)に対して嵌め合わせて、電源スイッチ32をONにすると、電動モータ4が駆動して、回転方向R1へと回転する角軸部11に装着されたソケット13によって締結体が締め付けられる。
【0034】
そして、電動モータ4による仮締めが完了したら、電源スイッチ32をOFFにして電動モータ4を停止した後、ハンドル15を握り手動にて締め付けを行う。ここで、ヘッド部3を軸にしてハンドル15を回転方向R1へと引くことにより、締結体に対してハンドル15とヘッド部3とが一体に回動し、締結体を締め付ける。そして、締め付けるトルクが所定の設定トルク値に達すると、トグル機構(不図示)が作動して、ハンドル15がヘッド部3に対して軽い衝撃を伴って回動して、作業者に軽い衝撃を与えて所定のトルクに達したことを知らせる。尚、電動モータ4による締め付けをトグル機構(不図示)が作動するまで行い、手動による締め付けを省略してもよい。
【0035】
また、締結体(不図示)を緩める場合は、締結体(不図示)を緩める方向(ここでは回転方向R2とする)に角軸部11を回転させるために、第2の連結杆25をL2の位置に配置して、出力軸9と角軸部11の回転方向をR2に設定した後、トルクレンチのヘッド部3の角軸部11に装着されたソケット13を締結体(不図示)に対して嵌め合わせて、電源スイッチ32をONにすると、電動モータ4が駆動して、回転方向R2へと回転する角軸部11に装着されたソケット13によって締結体が緩められる。
【0036】
以上のように本実施例は、ヘッド部3に回転締付部としての角軸部11を備えたトルクレンチ本体2と、角軸部11に回転駆動力を供給する駆動手段としての電動モータ4と、電動モータ4に減速機構7を介して連結されて、回転駆動力を角軸部11に伝達する出力軸9と、電動モータ4から出力軸9への回転駆動力を継断する継断手段としての動力継断手段31とを備えたトルクレンチ1であって、動力継断手段31は、電動モータ4と回転軸6及び第1のベベルギア8を介して連動して、磁性体としての磁性材料を備えた駆動側継断体としての第2のベベルギア10と、出力軸9と連動して、磁石としてのマグネット30を備えた出力側継断体としてのウエイトカウンタ29とを磁気的吸着力により継合するとともに、第2のベベルギア10をウエイトカウンタ29に対して出力軸9周りに相対回転可能に備えている。
【0037】
この場合、動力継断手段31は出力軸9にかかる負荷により電動モータ4が停止する前に、磁気的吸着力に抗して第2のベベルギア10とウエイトカウンタ29との継合を解除して、電動モータ4と出力軸9との動力連結を断つことにより、電動モータ4と出力軸9を動力連結する減速機構7の歯車列である第1のベベルギア8と第2のベベルギア10への過大な負荷を回避し、第1のベベルギア8と第2のベベルギア10の欠歯を防ぐことができる。また、第2のベベルギア10をウエイトカウンタ29に対して出力軸9周りに相対回転可能とし、第2のベベルギア10とウエイトカウンタ29とを同軸(出力軸9)上に配置することで、動力継断手段31の構造を簡単でコンパクトにし、製造コストを削減することができる。
【0038】
また本実施例は、動力継断手段31をヘッド部3と減速機構7との間に配置し、出力軸9上において減速機構7、ウエイトカウンタ29、第2のベベルギア10、ヘッド部3、そして角軸部11の順に配置することで、動力継断手段31の構造をさらにコンパクトなものとして、ヘッド部3付近の構造を出力軸方向(図中、Y方向)に薄いものとして、タイミングベルト等のエンジン部品の脱着を行う際にも、ラジエータ等の各種備品を外さずに行うことができ、作業性を向上することができるとともに、製造コストをさらに削減することができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施例上の第2の設置基板18を廃した構造にし、ヘッド部3付近の出力軸9方向の構造をさらに薄くし、作業性を向上させたものでもよい。
【0040】
また、動力継断手段31における第2のベベルギア10及びウエイトカウンタ29は、磁性体である鉄、鋼などの金属材料等の磁性材料、又は磁石及びこれらの組み合わせによって構成してもよく、例えば第2のベベルギア10にマグネット(磁石)を配置し、第2のベベルギア10のマグネットとウエイトカウンタ29のマグネット30による磁気的吸着力により、第2のベベルギア10とウエイトカウンタ29とを継合させるものや、第2のベベルギア10にマグネット(磁石)を配置するとともにウエイトカウンタ29を磁性体である鉄、鋼などの金属材料等の磁性材料から形成し、第2のベベルギア10のマグネットと磁性体からなるウエイトカウンタ29による磁気的吸着力により、第2のベベルギア10とウエイトカウンタ29とを継合させるものでもよく、第2のベベルギア10とウエイトカウンタ29が磁気的吸着力により継合されるものであれば、これらに限定されるものではない。
【0041】
また、第2のベベルギア10におけるウエイトカウンタ29との磁気的吸着構造部分以外の周歯部分等、第1のベベルギア8、或いはその他の減速機構7の歯車部品を合成樹脂製としてもよく、この場合はトルクレンチ1の軽量化及び製造コストの削減を図ることができる。
【0042】
さらに、本発明の駆動手段は、上記実施例の電動モータ4の他に、従来周知のトルクレンチに用いられてきたコンプレッサから供給される圧縮空気を動力とするエアー式モータや油圧式モータ等の他の駆動手段も利用可能である。
【0043】
また、電源スイッチ32や動力側回転切替手段33等の各種操作スイッチ類、駆動手段(電動モータ4)、リンク機構26、マグネット30の設置位置や形状については、上記実施例の記載に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、上記実施例では電動モータ4を回転軸6の軸方向(図中、X方向)を出力軸9の軸方向(図中、Y方向)と直交させた横置き式としているが、電動モータ4を回転軸6の軸方向(図中、X方向)を出力軸9の軸方向(図中、Y方向)と平行又は同軸上に配置させた縦置き式としてもよく、この場合の回転軸6と出力軸9とを動力連結する歯車列の構成も上記実施例のような第1のベベルギア8や第2のベベルギア10等のかさ歯車に限定されるものではない。
【0044】
さらに、本発明の減速機構7は、遊星歯車機構に限定されるものではなく、他の減速機構を利用してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 トルクレンチ
2 トルクレンチ本体
3 ヘッド部
4 電動モータ(駆動手段)
7 減速機構
9 出力軸
10 第2のベベルギア(駆動側継断体)
11 角軸部(回転締付部)
29 ウエイトカウンタ(出力側継断体)
30 マグネット(磁石)
31 動力継断手段(継断手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7