(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オーディオ信号の伝送は途切れることなく長時間継続するものであるため、オーディオ信号の伝送が通信チャネルを占有してしまうと、他の無線機器、たとえば無線LANの通信が全く行えないことになる。また、逆にオーディオ信号の伝送の優先度を低くして無線LANの通信を優先すると、オーディオ信号の伝送が途切れがちになり、受信側で再生されるオーディオ信号にノイズが発生してしまうという不都合があった。
【0005】
この発明は、無線によるオーディオ信号の伝送と他の無線機器による通信を両立させた無線オーディオ伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、他の無線通信と併用される複数の通信チャネルを用いて、トランスミッタとレシーバとの間でオーディオパケットを伝送する方法であって、
(手順1)前記トランスミッタが、前記複数のチャネルをスキャンして各チャネルの利用状況を検出し、この各チャネルの利用状況に基づいて
複数の使用チャネル
および各使用チャネルにおけるパケットの伝送個数を決定し、
(手順2)前記トランスミッタが、決定した複数の使用チャネルをレシーバに通知し、
(手順3)前記トランスミッタおよび前記レシーバが、前記複数の使用チャネルから同じ1つのチャネルを選択し、
(手順4)前記トランスミッタが、該選択したチャネルのキャリアセンスを行い、該チャネルがアイドルになったことを検出したのち、
(手順5)前記他の無線通信の手順が規定する最短パケット間隔よりも短い待機時間T1だけ待機して、オーディオパケットを送信し、
(手順6)前記レシーバが、前記オーディオパケットの受信を完了したのち、前記最短パケット間隔よりも短い待機時間T2だけ待機して応答信号を返信し、
(手順7)前記トランスミッタが、前記オーディオパケットの送信を完了したのち、前記待機時間T2よりも長く前記最短パケット間隔よりも短い待機時間T3待機しても前記レシーバから応答信号を受信しないとき、前記オーディオパケットを再送信し、
(手順8)前記トランスミッタが、前記応答信号を受信したのち、
前記伝送個数のオーディオパケットの送受信を完了していないとき、次のオーディオパケットを送信するために手順5に戻り、
(手順9)前記トランスミッタおよび前記レシーバは、前記伝送個数のオーディオパケットの送受信を完了したとき、前記選択チャネルを前記複数の使用チャネルのうちの他のチャネルに切り換えて手順4にもどる
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、他の無線通信と併用される複数の通信チャネルを用いて、トランスミッタとレシーバとの間でオーディオパケットを伝送する方法であって、
(手順1)前記トランスミッタが、前記複数のチャネルをスキャンして各チャネルの利用状況を検出し、この各チャネルの利用状況に基づいて
複数の使用チャネル
および各使用チャネルにおけるパケットの伝送個数を決定し、
(手順2)前記トランスミッタが、決定した複数の使用チャネルをレシーバに通知し、
(手順3)前記トランスミッタおよび前記レシーバが、前記複数の使用チャネルから同じ1つのチャネルを選択し、
(手順4)前記トランスミッタが、該選択したチャネルのキャリアセンスを行い、該チャネルがアイドルになったことを検出したのち、
(手順5)前記他の無線通信の手順が規定する確認応答のパケット間隔であるSIFSよりも長く、前記他の無線通信の手順が規定する通常のパケット間隔の最短時間であるDIFSよりも短い待機時間だけ待機して、オーディオパケットを送信し、
(手順6)前記レシーバが、前記オーディオパケットの受信を完了したのち、前記SIFSよりも短い待機時間T2だけ待機して応答信号を返信し、
(手順7)前記トランスミッタが、前記オーディオパケットの送信を完了したのち、前記待機時間T2よりも長く前記SIFSよりも短い待機時間T3待機しても前記レシーバから応答信号を受信しないとき、前記オーディオパケットを再送信し、
(手順8)前記トランスミッタが、前記応答信号を受信したのち、
前記伝送個数のオーディオパケットの送受信を完了していないとき、前記SIFSよりも短い待機時間T1だけ待機して、オーディオパケットを送信したのち手順6に戻り、
(手順9)前記トランスミッタおよび前記レシーバは、前記伝送個数のオーディオパケットの送受信を完了したとき、前記選択チャネルを前記複数の使用チャネルのうちの他のチャネルに切り換えて手順4にもどる
ことを特徴とする。
【0009】
請求項
3の発明は、前記手順4乃至手順9を繰り返し行っている途中の所定タイミングに、前記手順1乃至手順3を再度実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、複数のチャネルを移動しながら、無線LANなどの他の無線通信に優先してオーディオパケットの送受信を行うため、オーディオパケットを途切れることなく伝送することができるうえ、各チャネルを使用している無線通信システムに対する影響を最小限にとどめることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1はこの発明の実施形態である無線オーディオシステムの構成図である。また、
図2は同無線オーディオシステムのオーディオパケットの伝送手順を説明する図である。
【0013】
この無線オーディオシステムは、トランスミッタ1、レシーバ2、トランスミッタ1に接続される携帯オーディオプレーヤ3、および、レシーバ2に接続される据置型のアンプ付スピーカ4で構成される。トランスミッタ1は、携帯オーディオプレーヤ3から再生・入力されるオーディオ信号をデジタル化し、2.4GHz帯の準マイクロ波に乗せて送信する。レシーバ2は、トランスミッタ1から送信される高周波信号を受信し、この高周波信号に重畳されているオーディオ信号をD/A変換してアンプ付スピーカ4に入力する。デジタル化されたオーディオ信号は、トランスミッタ1からレシーバ2へ高速に単方向で送信され、コマンド等の制御信号は、トランスミッタ1、レシーバ2相互間で低速で双方向通信が行われる。
【0014】
トランスミッタ1−レシーバ2間の通信は、IEEE802.11bで規定されている13のチャネルを移動しながら行う。いずれかのチャネルで所定個数のオーディオパケットの送受信(伝送)が完了するとチャネルを移動し、移動したチャネルで次の所定個数のオーディオパケットの伝送を行う。これを繰り返すことで、オーディオパケットを途切れることなく伝送するとともに、電波の到達範囲にIEEE802.11(b)の無線LANシステムが存在していても、特定のチャネルにおける通信が全く不可能になることがないようにしている。どのチャネルを用いるかおよび各チャネルで何パケット伝送するかのスケジュールは、事前に行うチャネルスキャンに基づいて決定される。
【0015】
まず、
図2を参照して、この無線オーディオシステムにおけるオーディオパケットの伝送手順について説明する。トランスミッタ1とレシーバ2は、チャネルスキャンで決定されたスケジュールで決められた第1のチャネル(Ch.A)でオーディオパケットの伝送を開始する。その後、トランスミッタ1およびレシーバ2は、
図2(A)に示すようにスケジュールで決定された複数のチャネル(Ch.A,B,C)を順次移動しながらオーディオパケットの伝送を行う。
【0016】
各チャネルにおけるオーディオパケットの伝送手順を
図2(B)を参照して説明する。トランスミッタ1は、あるチャネルでオーディオパケットの送信を開始するとき、まずキャリアセンスを行い、他の通信機器が信号を送信している状態(ビジー:BUSY)が終了し、状態がアイドルに変化するのを監視する。チャネルの状態がアイドルに変化したとき、そこから待機時間T1(たとえば3μs)だけ待機したのちオーディオパケットの送信を開始する。上記他の通信機器がIEEE802.11bに準拠した無線LANの端末であれば、チャネル状態がアイドルに変化したのち、最短でも10μs(SIFS:Short Inter Frame Space(
図2(D)参照))待機し、通常は50μs以上(DIFS:DCF Inter Frame Space+バックオフ時間)待機したのちパケットの送信を開始しようとする。このため、トランスミッタ1は無線LANの端末に通信を開始させることなく、必ずオーディオパケットの送信を行うことができる。このオーディオパケットはレシーバ2に受信される。
【0017】
オーディオパケットの伝送が終了すると、レシーバ2から確認応答ACKが送信されてくる。レシーバ2におけるパケットの受信完了から確認応答ACKを送信するまでの待機時間T2は、たとえば2μsである。この場合も、上記と同様に無線LANの端末に先んじて確認応答ACKを送信することが可能である。
【0018】
また、トランスミッタ1は、
図2(C)に示すように、オーディオパケットの送信後T3(たとえば5μs)待機しても確認応答ACKを受信できなかった場合、同じオーディオパケットを再送する。この待機時間T3も無線LANの最短パケット間隔(SIFS)よりも短いため、無線LANの端末に割り込まれることなく、オーディオパケットの再送を行うことができる。なお、1つのオーディオパケットのサイズは約500μsであり、このサイズで約1ms分のオーディオデータを伝送することができる。したがって、数回に一度の頻度で再送が発生してもレシーバ2側でバッファがアンダーフローすることはない。
【0019】
このような短い待機時間でパケットの送信を開始できるのは、無線オーディオシステムは、無線LANのような長距離の通信を想定しておらず、10メートル程度の短距離間のパケット伝送を意図したシステムだからである。勿論、待機時間を長くすれば無線オーディオシステムの機器間の距離マージン、および、高周波回路、処理部のスループットのマージンを大きくすることができる。
【0020】
なお、この図の説明では、待機時間T1,T2,T3を全てSIFS(10μs)よりも短くしているが、待機時間T1,T2,T3は、SIFSより長くてもDIFSの最短時間(50μs)よりも短ければ他の無線LAN端末に割り込まれることなく通信が可能である。このように、無線LAN(IEEE802.11b)の確認応答ACKの送信(10μs待機)が、この無線オーディオシステムのオーディオパケットの伝送開始(T1>10μs)に優先するようにすれば、無線オーディオシステムは、無線LANのパケット送信、確認応答返信の一連のパケット伝送手順の完了を待って、オーディオパケットの伝送を開始することになり、オーディオパケットの伝送開始が若干遅れることになるが、無線通信環境全体の効率に鑑みると、このように他の無線LAN端末の確認応答ACKを優先させ、一連のパケット送信手順を完了させた方が効率的であると言える。また、
図2(B)におけるBusy直後のT1のみSIFS(10μs)よりも長くして無線LANの確認応答の送信を優先させ、以後の待機時間T1,T2,T3をSIFSよりも短くして伝送の効率化を図ってもよい。なお、本発明の最短パケット間隔としては、「他の無線通信の手順」がIEEE802.11bの場合、SIFSまたはDIFSの最短時間を適用することができる。
【0021】
この手順で、トランスミッタ1、レシーバ2がオーディオパケットを伝送すると、オーディオパケットが無線LANのパケットに常に優先して伝送され音切れすることがないが、これをずっと継続すると、このチャネル(たとえばCh.A)では無線LANシステムの通信が全くできなくなってしまう。そこで、チャネルスキャンの結果に基づいて定めた所定個数(たとえば3〜6個)のオーディオパケットの伝送が完了すると、他のチャネル(たとえばCh.B)に移動して同様の手順でオーディオパケットの伝送を継続する。同様に、このチャネルにおいて所定個数のオーディオパケットの伝送が完了すると、さらに他のチャネル(たとえばCh.C)に移動してさらに同様の手順でオーディオパケットの伝送を継続する。これにより、オーディオパケットの伝送を途切れることなく継続しながら、無線LANへの影響を最小限にとどめている。
【0022】
ここで、
図3を参照して、IEEE802.11bに規定されている13のチャネルについて説明する。13のチャネルは、2412MHzから2472MHzまで5MHz間隔で設定されている。通信帯域幅が20MHzの場合には、
図3(A)の実線で示すように、Ch1、Ch5、Ch9、Ch13の4チャネルが同時使用可能である。また、送信帯域幅が22MHzの場合には、3チャネルが同時使用可能である。
図3(B)にはCh1、Ch7、Ch13の3チャネルの組み合わせが実線で示されているが、これ以外に、Ch1、Ch6、Ch11など種々の組み合わせがある。
【0023】
無線LAN等の他の無線通信が全く行われていない場合には、
図3(A),(B)に示したような基本的なチャネル組み合わせでオーディオパケットの伝送を行うことができる。しかし、この周波数帯域を使用して他の無線通信が行われている場合には、当該他の無線通信に対する影響を最小限に止めるために、通信を開始する前に各チャネルの利用状況を確認し、優先的にパケット伝送を行っても影響の少ないチャネルを使用チャネル(assigned channel)として選択し、この使用チャネルを用いてオーディオパケットの伝送を行う。また、各使用チャネルにおける通信帯域幅(チャネル帯域)の混雑状況に応じて、各使用チャネルにおける1回の伝送パケット数を決定する。
【0024】
以下、
図4を参照して使用チャネルおよび各使用チャネルにおける1回の伝送パケット数(スケジュール)の決定方法について説明する。以下の実施形態では、20MHzの通信帯域幅で3つの使用チャネルを選択する場合について説明する。
【0025】
図4(A)はスケジュール決定処理動作を示すフローチャートである。この処理は、後述のコントローラ12によって実行される。この処理においては、まず2.4GHz帯の全13チャネルをスキャンし(S1)、スキャン結果から各チャネルの利用状況を集計する(S2)。そしてこの集計結果に基づいてパケット伝送に使用するチャネル(使用チャネル)および各使用チャネルにおける1回の伝送パケット数を決定する(S3)。
【0026】
図4(B),(C)を参照してチャネルスキャンおよび利用状況集計の方式について説明する。チャネル1からチャネル13までをスキャンしてキャリアセンスを行い、各チャネルのビジー(使用中)/アイドル(空き)を検出する。これを一定間隔毎(たとえば10ms毎)に複数回(たとえば100回)繰り返す。スキャンに要する時間は、10ms毎に100回繰り返した場合、1秒である。このように、全チャネルについてビジー/アイドルのスキャンを繰り返し行うことにより、各チャネルの瞬時ではない平均的な利用状況を検出することができる。なお、チャネルスキャンの所要時間の大部分は通信回路13のレシーバのチャネル切替(受信周波数の切り替え)に要する時間である。高速なチャネル切替が可能なレシーバが実現できれば、上記チャネルスキャンの時間は大幅に短縮可能である。
【0027】
この複数回のスキャンののち、ビジーであった回数(ビジー頻度)を各チャネルごとに集計する。
図4(C)がそのビジー頻度分布グラフである。スキャンを100回繰り返した場合、ビジー頻度(度数)がビジー率(%)となる。同図の例では、チャネル1、チャネル6を用いて通信が行われており、チャネル6のビジー率が60%程度の高い確率になっている。通信のチャネル帯域はチャネル5〜チャネル7に及んでいる。また、チャネル1は20%程度のビジー率であり、この通信のチャネル帯域はチャネル1〜2に及んでいる。
【0028】
そして、この度数分布グラフの上にパケット伝送のチャネル帯域を当てはめ、影響の少ない3つのチャネルを使用チャネルとして決定する。
図4(C)の例では、現在利用されているチャネルにほぼ影響のないチャネル13およびチャネル9を第1、第2の使用チャネルC(1),C(2)と決定し、次に、高いビジー率で利用されているチャネル6に影響がなく、低いビジー率で利用されているチャネル1に影響のあるチャネル1を第3の使用チャネルC(3)と決定する。
【0029】
次に、各使用チャネルで1回の手順(turn)で伝送するパケット数を決定する。この実施形態では、ビジー率の低いチャネルほど多くのパケットを伝送するように、且つ、3つの使用チャネルを一巡することで15のパケットを伝送できるように、各使用チャネルにパケット数を分配する。使用チャネルC(1),C(2),C(3)の伝送パケット数p(1),p(2),p(3)は、たとえば、
【0031】
の数式で算出される。ここで、
r1=[チャネルC(1)のアイドル率]−50
r2=[チャネルC(2)のアイドル率]−50
r3=[チャネルC(3)のアイドル率]−50
とする。アイドル率は「100−ビジー率」で算出される。なお、r1,r2,r3が負になったときは0にすればよい。また、intの丸め処理によってはp(1),p(2),p(3)の合計が15よりも大きくなったり小さくなったりする場合があるが、その場合は最大値のp(n)を増減することで調整すればよい。なお、本発明において、使用チャネルは3つに限定されない。
【0032】
以上の処理により、各使用チャネルのチャネル帯域の混雑に応じた伝送パケット数の割り当てが決定される。なお、伝送パケット数の決定方式はこの方式に限定されない。また、ビジー率に応じて割り当てを変更せずに、たとえば、
p(1)=7, p(2)=5, p(3)=3
のように、使用チャネル順に固定的にパケット数を割り当ててもよい。また、ビジー率にかかわらず(ビジー率の検出を行わず)全使用チャネルに均等に伝送パケット数を割り当ててもよい。
【0033】
図1にもどって、トランスミッタ1およびレシーバ2の構成について説明する。トランスミッタ1は、携帯オーディオプレーヤ3が接続されるオーディオ入力部10、携帯オーディオプレーヤ3から入力されたオーディオ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ11、トランスミッタ1の動作を制御するコントローラ12、各通信チャネルで通信を行う通信回路13、アンテナ14を備えている。通信回路13は、オーディオ信号を送信するとともに、レシーバ2から確認応答ACKを受信する。また、通信回路13は、レシーバ2とスケジュールの送受信など制御信号の相互通信を行う。さらに、通信回路13は、通信チャネルをワッチしてビジー/アイドルの確認を行う。通信回路13のチャネル切り換えは、コントローラ12の制御によって行われる。
【0034】
レシーバ2は、内蔵のアンテナ24、各通信チャネルで通信を行う通信回路20、レシーバ2の動作を制御するコントローラ21、受信したデジタルのオーディオ信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ22、および、アンプ付スピーカ4にオーディオ信号を出力するためのオーディオ出力部23を有している。通信回路20は、トランスミッタ1が送信した高周波信号を受信してオーディオ信号、制御信号を復調するとともに、コントローラ21から入力された確認応答ACK等の信号をトランスミッタ1に対して送信する。通信回路20によってベースバンドのデジタル信号に復調されたオーディオ信号はD/Aコンバータ22に入力される。また、通信回路20によって復調された制御信号はコントローラ21に入力される。D/Aコンバータ22は、入力されたデジタルのオーディオ信号をアナログのオーディオ信号に変換してオーディオ出力部23からアンプ付スピーカ4に出力する。
【0035】
図5は、オーディオパケットの伝送処理動作を示すフローチャートである。この処理動作は、トランスミッタ1のコントローラ12によって実行される。まず、
図4(A)に示したスケジュール決定動作を実行する(S10)。この処理でスケジュールを決定すると、チャネルをスキャンしてレシーバを検索し、レシーバ2と通信を確立する(S11)。レシーバ2と通信が確立されると(S1)、制御チャネルを用いてスケジュールを送信する(S12)。以後、以下の処理でパケットを伝送する。
【0036】
使用チャネルのカウンタnに1をセットする(S13)。
図4の例では、これによりチャネル13が選択される。この選択された使用チャネルC(n)に移動する(S14)。次に、選択された使用チャネルで伝送されるパケット数をカウントするカウンタiを1にセットする(S15)。そして、キャリアセンスによりチャネルがビジーであるかを判断する(S16)。チャネルのビジー状態が終了するまでS16で待機し、状態がアイドルに移行すると(S16でNO)、待機時間T1だけ待機して(S17)、i番目のオーディオパケットを送信する(S18)。なお、待機時間T1中も通信チャネルのキャリアセンスをしているものとする。
【0037】
オーディオパケットの送信が終了すると、レシーバ2から確認応答ACKを受信するまでT3の間待機する(S19,S20)。T3経過するまでに確認応答ACKを受信すると(S19でYES)、パケット数カウンタiがこの使用チャネルで伝送するパケット数p(n)であるかを判断する(S21)。パケット数カウンタiがp(n)未満であれば(S21でNO)、iに1を加算して(S22)S17にもどり、次のオーディオパケットの送信を行う。
【0038】
一方、S19,S20において、待機時間T3が経過してもレシーバ2から確認応答ACKを受信しない場合は(S20でYES)、S18にもどってi番目のオーディオパケットを再送する。
【0039】
S21においてパケット数カウンタiがp(n)になっていれば(S21でYES)、この使用チャネルでのオーディオパケットの送信が終了したとして、レシーバ2と同期して使用チャネルを切り換えたのち、S15以下のオーディオパケットの送信を再開する。
【0040】
ここで、使用チャネルの切り換えは以下の手順で行われる。まず、使用チャネルのカウンタnが3であるかを判断する(S23)。nが3未満であれば(s23でNO)、nに1を加算して(s24)S124にもどり、nで指定される使用チャネルC(n)に移動する(S14)。一方、nが3になっていれば(s23でYES)、S13にもどってnを1にし直し(s13)、n(=1)で指定される使用チャネルC(1)に移動する(S14)。
【0041】
なお、この実施形態では、通信開始時に、チャネルスキャンを行って3つの使用チャネルを決定しているが、通信を行っている途中に使用チャネルの見直しをするようにしてもよい。上述したように、本実施形態の伝送方式では約500μsのパケットを用いて約1msのオーディオ信号を伝送できるため、エラーなく伝送が行われればレシーバ2側にオーディオデータの余裕ができる。そこで、伝送実行中の適当なタイミングに、
図4に示したチャネルスキャンを再度行ってスケジュールを作成しなおしてもよい。上記の適当なタイミングとは、たとえば、一定時間ごと、再送なくオーディオパケットを所定数伝送できたとき、レシーバ2側からバッファが一杯である旨の電文を受信したときなどである。なお、途中でチャネルスキャンを実行する場合、繰り返し回数(
図4の例では100回)を少なくして時間を短縮してもよい。
【0042】
なお、この実施形態では、オーディオ信号を再生する装置を携帯オーディオプレーヤ1としているが、再生装置は携帯型の装置に限定されない。