(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補正手段は、更に、前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域について、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する請求項1に記載の画像読取装置。
前記補正手段は、更に、前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域について、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する請求項3に記載の画像読取装置。
前記補正手段は、更に、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた前記画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する請求項5に記載の画像読取装置。
前記補正手段は、更に、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた前記画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する請求項7に記載の画像読取装置。
前記特定手段は、前記検出手段によって検出された前記境界領域が所定画素数以内であり、かつ該境界領域を挟んだ前記無彩色領域間の濃度差が所定値以上であり、かつ該境界領域に存在する画素のうち、対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号のうちの最大信号レベルと最小信号レベルとの差が予め定められた色ずれ閾値以上である画素を色ずれが発生した画素として特定する請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の画像読取装置。
前記移動手段は、前記画像記録領域に前記光源の光が照射されるように前記記録媒体を搬送する搬送手段を有する請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の画像読取装置。
前記検出手段は、前記画像記録領域のうちの前記搬送手段によって搬送されている前記記録媒体の搬送速度が変化する期間として予め定められた期間に前記光が照射された領域に対応する前記画像信号に基づいて前記境界領域を検出する請求項12に記載の画像読取装置。
前記生成手段を、前記複数の受光素子が1画素単位で前記所定方向に沿って配列されると共に、分光感度毎に前記所定方向に対して交差する方向に複数組配置されたラインセンサとした請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の画像読取装置。
前記検出手段は、前記画像信号の生成順序が所定画素数離間して先後する画素について、先の画素に係る前記複数の受光素子に対応する各画像信号の信号レベルのうちの最大信号レベルと最小信号レベルとの差の絶対値が、白であることを示す値として予め定められた白基準値以内であるとの条件及び黒であることを示す値として予め定められた黒基準値以内であるとの条件の一方の条件を満足し、かつ後の画素に係る前記複数の受光素子に対応する各画像信号の信号レベルのうちの最大信号レベルと最小信号レベルとの差の絶対値が、前記予め定められた白基準値以内であるとの条件及び前記予め定められた黒基準値以内であるとの条件の他方の条件を満足した場合に前記先の画素と前記後の画素とで挟まれる領域を前記境界領域として検出する請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の画像読取装置。
画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、を含む画像読取装置を制御するコンピュータを、
前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段、
及び、前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域について、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段として機能させるためのプログラム。
画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、を含む画像読取装置を制御するコンピュータを、
前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段、
及び、前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域について、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段として機能させるためのプログラム。
画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、を含む画像読取装置を制御するコンピュータを、
前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段、
及び、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた前記画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段として機能させるためのプログラム。
画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、を含む画像読取装置を制御するコンピュータを、
前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段、
及び、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた前記画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段として機能させるためのプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、異なる無彩色領域間における色ずれを高精度に補正する画像読取装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の画像読取装置を、画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段と、前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域について、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段と、を含んで構成した。
【0006】
請求項1に記載の画像読取装置を、請求項2に記載の発明のように、前記補正手段が、更に、前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域について、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正するものとした。
【0007】
一方、上記課題を解決するために、請求項3に記載の画像読取装置を、画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段と、前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域について、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段と、を含んで構成した。
【0008】
請求項3に記載の画像読取装置を、請求項4に記載の発明のように、前記補正手段が、更に、前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域について、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正するものとした。
【0009】
一方、上記課題を解決するために、請求項5に記載の画像読取装置を、画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた前記画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段と、を含んで構成した。
【0010】
請求項5に記載の画像読取装置を、請求項6に記載の発明のように、前記補正手段が、更に、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた前記画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正するものとした。
【0011】
一方、上記課題を解決するために、請求項7に記載の画像読取装置を、画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた前記画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段と、を含んで構成した。
【0012】
請求項7に記載の画像読取装置を、請求項8に記載の発明のように、前記補正手段が、更に、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた前記画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正するものとした。
【0013】
請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の画像読取装置を、請求項9に記載の発明のように、前記2点間補間の対象となる画像信号を、時系列上互いに隣接して生成された画像信号としたものとした。
【0014】
請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の画像読取装置を、請求項10に記載の発明のように、前記補正手段が、複数組の補間係数を組毎に用いて前記2点間補間を行い、前記2点間補間を行って得られた補間結果のうち、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうちの中間信号レベルを有する画像信号の信号レベルに最も近い補間結果を補正後の画像信号として適用するものとした。
【0015】
請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の画像読取装置を、請求項11に記載の発明のように、前記特定手段が、前記検出手段によって検出された前記境界領域が所定画素数以内であり、かつ該境界領域を挟んだ前記無彩色領域間の濃度差が所定値以上であり、かつ該境界領域に存在する画素のうち、対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号のうちの最大信号レベルと最小信号レベルとの差が予め定められた色ずれ閾値以上である画素を色ずれが発生した画素として特定するものとした。
【0016】
請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の画像読取装置を、請求項12に記載の発明のように、前記移動手段が、前記画像記録領域に前記光源の光が照射されるように前記記録媒体を搬送する搬送手段を有するものとした。
【0017】
請求項12に記載の画像読取装置を、請求項13に記載の発明のように、前記検出手段が、前記画像記録領域のうちの前記搬送手段によって搬送されている前記記録媒体の搬送速度が変化する期間として予め定められた期間に前記光が照射された領域に対応する前記画像信号に基づいて前記境界領域を検出するものとした。
【0018】
請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の画像読取装置を、請求項14に記載の発明のように、前記生成手段を、前記複数の受光素子が1画素単位で前記所定方向に沿って配列されると共に、分光感度毎に前記所定方向に対して交差する方向に複数組配置されたラインセンサとしたものとした。
【0019】
請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の画像読取装置を、請求項15に記載の発明のように、前記検出手段が、前記画像信号の生成順序が所定画素数離間して先後する画素について、先の画素に係る前記複数の受光素子に対応する各画像信号の信号レベルのうちの最大信号レベルと最小信号レベルとの差の絶対値が、白であることを示す値として予め定められた白基準値以内であるとの条件及び黒であることを示す値として予め定められた黒基準値以内であるとの条件の一方の条件を満足し、かつ後の画素に係る前記複数の受光素子に対応する各画像信号の信号レベルのうちの最大信号レベルと最小信号レベルとの差の絶対値が、前記予め定められた白基準値以内であるとの条件及び前記予め定められた黒基準値以内であるとの条件の他方の条件を満足した場合に前記先の画素と前記後の画素とで挟まれる領域を前記境界領域として検出するものとした。
【0020】
一方、上記課題を解決するために、請求項16に記載のプログラムを、画像が記録された記録媒体の該画像を含む画像記録領域と該画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されることにより該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、を含む画像読取装置を制御するコンピュータを、前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段、前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段、及び、前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域について、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段として機能させるためのものとした。
【0021】
一方、上記課題を解決するために、請求項17に記載のプログラムを、画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、を含む画像読取装置を制御するコンピュータを、前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段、前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段、及び、前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域について、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段として機能させるためのものとした。
【0022】
一方、上記課題を解決するために、請求項18に記載のプログラムを、画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、を含む画像読取装置を制御するコンピュータを、前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段、前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段、及び、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた前記画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段として機能させるためのものとした。
【0023】
一方、上記課題を解決するために、請求項19に記載のプログラムを、画像が記録された記録媒体と該画像を含む画像記録領域に対して光を照射する光源との少なくとも一方を所定方向に相対移動させる移動手段と、前記所定方向にずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で有し、前記移動手段による相対移動中に前記画像記録領域に光が照射されて該画像記録領域で反射した光を前記複数の受光素子で受光して各受光量に対応した画像信号を生成する生成手段と、を含む画像読取装置を制御するコンピュータを、前記生成手段で生成された前記画像信号に基づいて前記画像記録領域における異なる無彩色領域間の境界領域を検出する検出手段、前記検出手段によって検出された前記境界領域に存在する画素に対応する前記複数の受光素子の各々から出力された前記画像信号に基づいて前記境界領域における色ずれが発生した画素を特定する特定手段、及び、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた前記画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正し、前記特定手段によって特定された画素に対応する前記複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ前記検出手段によって検出された前記境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する前記画像信号とを2点間補間することで前記色ずれを補正する補正手段として機能させるためのものとした。
【発明の効果】
【0024】
請求項1、請求項3、請求項5、請求項7及び請求項16〜請求項19に係る発明によれば、異なる無彩色領域間の境界領域に存在する画素に係る補正対象とされた画像信号を用いて2点間補間を行う構成を有しない場合に比べ、異なる無彩色領域間における色ずれが高精度に補正される、という効果が得られる。
【0025】
請求項2に係る発明によれば、検出手段によって検出された境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域について、特定手段によって特定された画素に対応する複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する画像信号とを2点間補間することで色ずれを補正し、特定手段によって特定された画素に対応する複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する画像信号とを2点間補間することで色ずれを補正する構成を有しない場合に比べ、異なる無彩色領域間における色ずれがより高精度に補正される、という効果が得られる。
【0026】
請求項4に係る発明によれば、検出手段によって検出された境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域について、特定手段によって特定された画素に対応する複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する画像信号とを2点間補間することで色ずれを補正し、特定手段によって特定された画素に対応する複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とした場合、該画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する画像信号とを2点間補間することで色ずれを補正する構成を有しない場合に比べ、異なる無彩色領域間における色ずれがより高精度に補正される、という効果が得られる。
【0027】
請求項6に係る発明によれば、特定手段によって特定された画素に対応する複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ検出手段によって検出された境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する画像信号とを2点間補間することで色ずれを補正し、特定手段によって特定された画素に対応する複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最小信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ検出手段によって検出された境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する画像信号とを2点間補間することで色ずれを補正する構成を有しない場合に比べ、異なる無彩色領域間における色ずれがより高精度に補正される、という効果が得られる。
【0028】
請求項8に係る発明によれば、特定手段によって特定された画素に対応する複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ検出手段によって検出された境界領域が白色領域から黒色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも先に生成された対応する画像信号とを2点間補間することで色ずれを補正し、特定手段によって特定された画素に対応する複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうち、最大信号レベルを有する画像信号を補正対象とし、かつ検出手段によって検出された境界領域が黒色領域から白色領域への変化途中の領域である場合、補正対象とされた画像信号と該画像信号よりも後に生成された対応する画像信号とを2点間補間することで色ずれを補正する構成を有しない場合に比べ、異なる無彩色領域間における色ずれがより高精度に補正される、という効果が得られる。
【0029】
請求項9に係る発明によれば、2点間補間の対象となる画像信号を、時系列上互いに隣接して生成された画像信号とした構成を有しない場合に比べ、異なる無彩色領域間における色ずれがより高精度に補正される、という効果が得られる。
【0030】
請求項10に係る発明によれば、補正手段が複数組の補間係数を組毎に用いて2点間補間を行い、2点間補間を行って得られた補間結果のうち、特定手段によって特定された画素に対応する複数の受光素子の各々に対応する画像信号のうちの中間信号レベルを有する画像信号の信号レベルに最も近い補間結果を補正後の画像信号として適用する構成を有しない場合に比べ、異なる無彩色領域間における色ずれがより高精度に補正される、という効果が得られる。
【0031】
請求項11に係る発明によれば、特定手段が、検出手段によって検出された境界領域が所定画素数以内であり、かつ該境界領域を挟んだ無彩色領域間の濃度差が所定値以上であり、かつ該境界領域に存在する画素のうち、対応する複数の受光素子の各々から出力された画像信号のうちの最大信号レベルと最小信号レベルとの差が予め定められた色ずれ閾値以上である画素を色ずれが発生した画素として特定する構成を有しない場合に比べ、異なる無彩色領域間における色ずれが高精度に特定される、という効果が得られる。
【0032】
請求項12に係る発明によれば、画像記録領域に光源の光が照射されるように記録媒体を搬送する搬送手段を有しない場合に比べ、記録媒体を搬送している間に搬送速度の急な変化に起因して生じる色ずれが高精度に検出される、という効果が得られる。
【0033】
請求項13に係る発明によれば、画像記録領域のうちの搬送手段によって搬送されている記録媒体の搬送速度が変化する期間として予め定められた期間に光が照射された領域に対応する画像信号に基づいて境界領域を検出する構成を有しない場合に比べ、色ずれが高精度且つ迅速に検出される、という効果が得られる。
【0034】
請求項14に係る発明によれば、複数の受光素子が1画素単位で所定方向に沿って配列されると共に、所定方向に対して交差する方向に分光感度毎に複数組配置されたラインセンサとした構成を有しない場合に比べ、広範囲の色ずれが高精度に検出される、という効果が得られる。
【0035】
請求項15に係る発明によれば、画像信号の生成順序が所定画素数離間して先後する画素について、先の画素に係る複数の受光素子に対応する各画像信号の信号レベルのうちの最大信号レベルと最小信号レベルとの差の絶対値が、白であることを示す値として予め定められた白基準値以内であるとの条件及び黒であることを示す値として予め定められた黒基準値以内であるとの条件の一方の条件を満足し、かつ後の画素に係る複数の受光素子に対応する各画像信号の信号レベルのうちの最大信号レベルと最小信号レベルとの差の絶対値が、予め定められた白基準値以内であるとの条件及び予め定められた黒基準値以内であるとの条件の他方の条件を満足した場合に先の画素と後の画素とで挟まれる領域を境界領域として検出する構成を有しない場合に比べ、色ずれの検出対象とされる境界領域が高精度且つ容易に検出される、という効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための実施の形態の一例について詳細に説明する。
【0038】
図1は、本実施の形態に係る画像処理装置10の概略構成の一例を示す図である。画像処理装置10は、スキャナ12、画像形成部14、給紙トレイ16、及びUI(ユーザ・インタフェース)パネル18を備えている。
【0039】
スキャナ12は、原稿台22及び排出台24を備えている。原稿台22の上面には1対のガイド26A,26Bが設けられている。1対のガイド26A,26Bは、一方が原稿台22に置かれた原稿の幅方向に手動操作で移動し、原稿台22に置かれた原稿が搬送される際に、原稿を案内する。スキャナ12は、原稿台22に置かれた原稿を一枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿を読み取って、読み取った原稿の画像を示す画像情報を取得した後、原稿を排出台24に排出する。
【0040】
一方、画像形成部14は、給紙トレイ16に収容されている記録媒体の一例である記録用紙を取り出し、取り出した記録用紙に対して、スキャナ12で取得した画像情報に基づく画像を形成し、画像が形成された記録用紙を排出台32に排出する。
【0041】
UIパネル18は、画像を表示するタッチパネルディスプレイ34及びスイッチ36を備え、タッチパネルディスプレイ34及びスイッチ36を介して、スキャナ12による原稿の読み取り、及び画像形成部14による記録用紙への画像の形成等の各種指示がユーザによって入力されると共に、タッチパネルディスプレイ34に必要事項が表示される。
【0042】
図2は、本実施の形態に係るスキャナ12の構成の一例を示す概略端面図及びその周辺の電気系の構成の一部を示すブロック図である。
図2に示すように、スキャナ12は、上段に配置された原稿搬送部40と下段に配置された画像読取部42とに大別される。原稿搬送部40は、原稿台22に置かれた原稿を搬送するものである。画像読取部42は、原稿搬送部40によって搬送された原稿を読み取り、読み取って得た画像を示す画像情報を出力する。
【0043】
原稿搬送部40は、上述した原稿台22を上昇および下降させる原稿台リフタ44、原稿台リフタ44により上昇された原稿台22の原稿の束の最上面に接触して、原稿を一枚ずつ取り込む原稿取込ローラ46、及び原稿取込ローラ46により取り込まれた原稿を搬送路48に送り出す送出ローラ50を備えている。
【0044】
原稿が搬送される搬送路48には、原稿をさらに搬送方向下流側(
図2の矢印B方向)に搬送する搬送ローラ52、原稿を更に下流側に搬送すると共にループ作成を行うプレ位置合わせローラ54、原稿読み取り部に対してレジストレーション調整を施しながら原稿を供給する位置合わせローラ56、読取対象とされた原稿の搬送をアシストするプラテンローラ58、及び画像が読み取られた原稿を更に下流側に搬送するアウトローラ60を備えている。また、搬送路48には、搬送される原稿のループ状態に応じて支点を中心として回動するバッフル62、及びアウトローラ60よりも原稿の搬送方向下流側に設けられると共に、排出台24へ原稿を排出する排出ローラ64を備えている。
【0045】
次に、本実施の形態に係るスキャナ12における、原稿の搬送の動作について簡単に説明する。
【0046】
原稿取込ローラ46は、原稿の搬送を行わない待機時にはリフトアップされて退避位置に保持され、原稿搬送時にニップ位置(原稿搬送位置)へ降下して原稿台22上の最上位の原稿を搬送する。プレ位置合わせローラ54は、停止している位置合わせローラ56に原稿先端を突き当ててループを作成する。このループが形成されると、バッフル62は支点を中心として開き、原稿のループを妨げることのないように機能している。また、搬送ローラ52およびプレ位置合わせローラ54は、画像の読み取り中におけるループを保持している。このループ形成によって、原稿の読み取りタイミングが調整され、また、原稿の読み取り時における原稿搬送に伴うスキューを抑制して、位置合わせの調整機能を高める。そして、原稿の読み取りの開始タイミングに合わせて、停止されていた位置合わせローラ56が回転を開始し、原稿が搬送される。搬送された原稿は、プラテンローラ58によって、後述する第2プラテンガラス70Bに押圧されて下面方向から読み取られる。
【0047】
一方、画像読取部42は、原稿が置かれる透明な第1プラテンガラス70A、及び原稿搬送部40によって搬送中の原稿を読み取るための光の開口部を形成する透明な第2プラテンガラス70Bが設けられている。
【0048】
第1プラテンガラス70A及び第2プラテンガラス70Bの下側には、原稿の表面に向けて照明光を照射する光源72と、原稿の表面で反射した反射光を受ける第1反射ミラー74、第1反射ミラー74で受けた反射光の進行方向を90°曲げるための第2反射ミラー76、及び第2反射ミラー76で受けた反射光の進行方向をさらに90°曲げるための第3反射ミラー78が備えられている。
【0049】
なお、本実施の形態に係る画像読取部42では、光源72として蛍光ランプを用いるが、これに限らず、原稿の搬送方向と交差する方向に沿って配列された複数のLED(Light Emitting Diode)等、他の光源を用いても良い。
【0050】
さらに、画像読取部42は、レンズ80及び画像読取センサ82を備えており、画像読取部42は、第3反射ミラー78で反射された反射光を、レンズ80によって画像読取センサ82に結像させることにより、画像読取センサ82によって原稿を読み取る。
【0051】
本実施の形態に係る画像読取部42では、画像信号を生成する生成手段の一例である画像読取センサ82として、複数の受光素子(一例としてフォトダイオード)の各々に対して画素毎に対応するCCD(Charge Coupled Device)が配置されて構成されるCCDラインセンサを適用している。このCCDラインセンサは異なる分光感度毎に設けられており、各々のCCDラインセンサは個々の受光素子の受光量に応じた画像信号を生成して後段に出力する。すなわち、レンズ80によって結像された光学像を光電変換して赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の画像信号を生成して後段に出力する。なお、本実施の形態では、CCDラインセンサを適用しているが、これに限らず、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子を用いても良い。
【0052】
また、本実施の形態に係る画像読取部42は、光源72及び第1反射ミラー74がキャリッジ83Aによって、第2反射ミラー76及び第3反射ミラー78がキャリッジ83Bによって
図3の矢印C方向に移動自在とされている。これにより、第1プラテンガラス70Aの上面に原稿が置かれた場合に、光源72から照明光を原稿に向けて照射しつつ、矢印C方向へ光源72、第1反射ミラー74、第2反射ミラー76、及び第3反射ミラー78を移動させて原稿を読み取る。
【0053】
また、画像読取部42は、信号処理部84を備えている。信号処理部84の入力端は、画像読取センサ82の出力端に接続されている。従って、信号処理部84は、画像読取センサ82から各色の画像信号が入力され、入力された各色(ここでは一例としてR,G,B)の画像信号に対して予め定められた信号処理を施してデジタル画像データ(以下、画像データという)を後段に出力する。
【0054】
図3は、画像読取部42の画像読取センサ82の構成の一例を示す概略構成図である。なお、以下の説明では、原稿と光源72との相対的な移動方向を副走査方向SS(又は搬送方向SS)と称し、副走査方向と交差(一例として直交)する方向を主走査方向FSと称する。
図3に示すように画像読取センサ82は、矩形状の基板82aと、この基板82a上に設けられた互いに分光感度が異なる赤用CCDラインセンサ82R、緑用CCDラインセンサ82G、及び青用CCDラインセンサ82Bを有している。赤用CCDラインセンサ82R、緑用CCDラインセンサ82G、及び青用CCDラインセンサ82Bは各々主走査方向FSに沿って延在しており、かつ副走査方向SSに並ぶように配置されている。本実施の形態に係る赤用CCDラインセンサ82R、緑用CCDラインセンサ82G、及び青用CCDラインセンサ82Bは、各々フォトダイオード19が主走査方向FSに直線状にN個並べられて構成されている。また、赤用CCDラインセンサ82Rと緑用CCDラインセンサ82Gとの間隔、及び緑用CCDラインセンサ82Gと青用CCDラインセンサ82Bとの間隔は、各々副走査方向SSに主走査線4本分(以下、単に4ライン相当という)とされている。
【0055】
青用CCDラインセンサ82Bは、主走査方向FSに一直線状に配置されたN個の画素の各々の青色成分を表す画像信号Bを信号処理部84に出力する。また、緑用CCDラインセンサ82Gは、青用CCDラインセンサ82Bから副走査方向SSに4ライン相当だけ下流側で主走査方向FSに一直線状に配置されたN個の画素の緑色成分を表す画像信号Gを信号処理部84に出力する。更に、赤用CCDラインセンサ82Rは、緑色読み取り位置RGから副走査方向SSに4ライン相当だけ下流側で主走査方向FSに一直線状に配置されたN個の画素の赤色成分を表す画像信号Rを信号処理部84に出力する。
【0056】
図4は、本実施の形態に係る画像処理装置10の電気系の要部構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、画像処理装置10は、画像形成部14、UIパネル18、コントローラ100、二次記憶部102、及び外部I/F(インタフェース)104を含んで構成されている。
【0057】
コントローラ100は、画像処理装置10全体の動作を制御するものであり、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)100A、RAM(Read Only Memory)100B及びROM(Read Only Memory)100Cを備えている。RAM100Bは、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるメモリであり、ROM100Cには、各種プログラムや各種パラメータ、各種テーブル情報等が予め記憶されている。CPU100Aは、ROM100Cに記憶されたプログラムをRAM100Bに取り込み、取り込んだプログラムを実行し、画像処理装置10全体の動作を制御する。
【0058】
外部I/F104は、パーソナル・コンピュータ等の外部装置110に接続されており、コントローラ100と外部装置110とが相互に各種情報の授受を行うためのものである。
【0059】
CPU100A、RAM100B、ROM100C、二次記憶部102、スキャナ12、画像形成部14、UIパネル18及び外部I/F104は互いにアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス108を介して接続されている。従って、CPU100Aは、RAM100B、ROM100C、及び二次記憶部102へのアクセスと、UIパネル18への各種情報の表示と、UIパネル18に対するユーザの操作指示内容の把握と、外部I/F104を介した外部装置110との各種情報の授受と、スキャナ12及び画像形成部14の動作状態の把握と、スキャナ12及び画像形成部14の動作の制御と、を各々行う。
【0060】
図5は、本実施の形態に係る信号処理部84の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、信号処理部84は、サンプルホールド112、黒レベル調整回路114、出力増幅回路116、AD変換回路118、シェーディング補正回路120、出力遅延回路122、色ずれ検出・補正回路124、画像処理回路126及びCPU128を含んで構成されている。画像読取センサ82の画像信号B,G,Rの各々に対応する出力端はサンプルホールド回路112の対応する各入力端に接続されている。サンプルホールド回路112において、画像読取センサ82に係る画像信号B,G,Rの各々に対応する出力端は黒レベル調整回路114の対応する各入力端に接続されている。黒レベル調整回路114において、画像読取センサ82に係る画像信号B,G,Rの各々に対応する出力端は出力増幅回路116の対応する各入力端に接続されている。出力増幅回路116において、画像読取センサ82に係る画像信号B,G,Rの各々に対応する出力端はAD変換回路118の対応する各入力端に接続されている。AD変換回路118において、画像読取センサ82に係る画像信号B,G,Rの各々に対応する出力端はシェーディング補正回路120の対応する各入力端に接続されている。シェーディング補正回路120において、画像読取センサ82に係る画像信号B,Gの各々に対応する出力端は出力遅延回路122の対応する各入力端に接続されている。シェーディング補正回路120において、画像読取センサ82に係る画像信号Rに対応する出力端は色ずれ検出・補正回路124の対応する入力端に接続されている。出力遅延回路122において、画像読取センサ82に係る画像信号B,Gの各々に対応する出力端は色ずれ検出・補正回路124の対応する各入力端に接続されている。色ずれ検出・補正回路124において、画像読取センサ82に係る画像信号B,G,Rの各々に対応する出力端は画像処理回路126の対応する各入力端に接続されている。CCD駆動回路130は、出力端が画像読取センサ82の入力端に接続されている。
【0061】
サンプルホールド回路112は、画像読取センサ82から入力された画像信号B,G,Rをサンプリング(標本化)すると共に予め定められた期間ホールド(保持)するサンプリングホールドを行う。
【0062】
黒レベル調整回路114は、サンプルホールド回路112によりサンプリングホールドされた画像信号B,G,Rについて、読み取られた原稿の黒色に対応する出力とスキャナ12の出力の黒レベルとが相違しないように調整する。
【0063】
出力増幅回路116は、黒レベル調整された後の画像信号B,G,Rを増幅する。A/D変換回路118は、出力増幅回路116により増幅された画像信号B,G,RをA/D変換し、デジタルデータである画像データB,G,Rに変換する。
【0064】
シェーディング補正回路120は、A/D変換回路118により変換されて得られた画像データB,G,Rに対して、光源72やCCDラインセンサ82B,82G,82Rに起因する読取出力のばらつきを補正すると共に、読み取られた原稿の白色に対応する出力とスキャナ12の出力の白レベルとが相違しないように調整する所謂シェーディング補正を行う。
【0065】
出力遅延回路122は、青用CCDラインセンサ82B、緑用CCDラインセンサ82G、及び赤用CCDラインセンサ82Rの副走査方法SSにおける位置のずれに起因して生じる各画像データ間の読み取り時間差を、画像データRを基準に補正する。本実施の形態では、シェーディング補正回路120から出力される画像データGを4ライン相当、画像データBを8ライン相当の遅延時間だけ遅延させることにより、画像データRと同相の画像データとして出力している。
【0066】
色ずれ検出・補正回路124は、入力された画像データB,R,Gに基づいて、読み取られた原稿の予め定められた領域(例えば後述の画像記録領域)における無彩色領域間の境界領域(白色領域と黒色領域との境界領域)を検出し、検出した境界領域に黒色又は白色とは認められてない色であって、肉眼で視認される可能性が高い色として予め定められた色が発生していること(色ずれ)を検出し、検出した色ずれに対して画素単位で補正を行う。
【0067】
画像処理回路126は、色ずれ・補正回路124から出力された画像データB,G,Rに対して、例えば色空間変換、拡大縮小処理、地色除去処理、2値化処理などの各種画像処理を施した後、後段に出力する。
【0068】
CPU128は、アドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス132を介して、サンプルホールド回路112、黒レベル調整回路114、出力増幅回路116、AD変換回路118、シェーディング補正回路120、色ずれ検出・補正回路124、画像処理回路126、及びCCD駆動回路130に接続されている。従って、CPU128は、コントローラ100の制御下で、CCD駆動回路130を介して画像読取センサ82の動作を制御すると共に、サンプルホールド回路112、黒レベル調整回路114、出力増幅回路116、AD変換回路118、シェーディング補正回路120、色ずれ検出・補正回路124及び画像処理回路126の動作状態の把握と動作の制御とを各々行う。
【0069】
図6は、本実施の形態に係る色ずれ検出・補正回路124の構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように色ずれ検出・補正回路124は、画像データ保持回路124A、比較回路124B、スレッショルドメモリ124C、演算回路124D、及び補間係数メモリ124Eを含んで構成されている。
【0070】
出力遅延回路122に係る画像データB,Gの各出力端及びシェーディング補正回路120に係る画像データRの出力端は、画像データ保持回路124Aにおける各色に対応する入力端に接続されている。画像データ保持回路124Aは、画像データB,G,Rが比較回路124B及び演算回路124Dに供給されるように比較回路124B及び演算回路124Dの各々に接続されている。比較回路124Bは演算回路124Dに接続されている。演算回路124Dは、後段の画像処理回路126に接続されている。比較回路124Bにはスレッショルドメモリ124Cが接続されている。演算回路124Dには補間係数メモリ124Eが接続されている。
【0071】
画像データ保持回路124Aは、入力された画像データB,G,Rの各々を画素単位で保持する回路であり、時系列でFIFO(First-in First-out)形式で予め定められた画素分(例えば7画素分)保持する。スレッショルドメモリ124Cは、閾値(スレッショルド)ThC,ThD,ThΔW,ThΔBを予め記憶したものである。比較回路124Bは、画像データ保持回路124Aから入力された画像データとスレッショルドメモリ124Cから読み出された閾値ThC,ThD,ThΔW,ThΔBとを比較し、比較結果に応じた信号を演算回路124Dに出力すると共に、入力された画像データB,G,Rを演算回路124Dに転送する。補間係数メモリ124Eは、2点間補間の演算で用いる複数組の補間係数を予め記憶したものである。演算回路124Dは、画像保持データ保持回路124Aから入力された画像データ及び補間係数メモリ124Eから読み出された補間係数を用いて予め定められた演算を行う。
【0072】
ところで、青用CCDラインセンサ82B、緑用CCDラインセンサ82G、及び赤用CCDラインセンサ82Rの互いの位置関係は上述したように副走査方向SSに沿ってずれている。そのため、本実施の形態に係る信号処理部84では、特定の色のCCDラインセンサ(ここでは一例として青用CCDラインセンサ82B及び緑用CCDラインセンサ82G)で得た画像データB,Gの出力時期を遅延させて画像データRの出力時期に合わせ込むように出力(画像データRと同相の画像データとして出力)するようにしている。
【0073】
しかし、原稿の搬送路48での搬送速度が急に変化すると、事前に想定していた画像データB,Gの遅延時間では読取対象とされた1つの画素に係る画像データB,Gを、対応する画像データRに合わせ込んで出力することが困難になる。例えば、原稿上の読取対象とされた1画素(注目画素)について、画像データB,Gが予め定められた遅延時間で合わせ込まれたとしても、画像データRについては他の画素に係る画像データになってしまう。これは“色ずれ”として現れる。この色ずれの発生は、固定された時間間隔で画像データB,Gを遅延させていることに起因する。
【0074】
このような色ずれが生じると、実際の原稿における無彩色画像の境界領域(白黒の境界領域)に実際にカラー画像が挿入されているにも拘らず、そのカラー画像が正しく読み取られなかったり(認識されなかったり)、逆に無彩色画像の境界領域にカラー画像が挿入されていないにも拘らず、あたかもカラー画像が挿入されているかのように読み取られたり(誤検出)してしまう虞がある。
【0075】
そこで、本実施の形態に係る画像処理装置10では、上記のような色ずれの発生を抑制すべく信号処理部84の色ずれ検出・補正回路124にて無彩色・色ずれ検出処理及び色ずれ補正処理が実行される。
【0076】
本実施の形態に係る画像処理装置10では、無彩色・色ずれ検出処理及び色ずれ補正処理を実現するための各種処理が一例として
図6に示す色ずれ検出・補正回路124に示すようにハードウェア構成によって実現される。しかし、このようなハードウェア構成による実現に限られるものではなく、ソフトウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現しても良いことは言うまでもない。なお、ソフトウェア構成に依拠する場合は、CPU(中央処理装置)により各処理に対応するプログラムを実行することにより無彩色・色ずれ検出処理及び色ずれ補正処理を実現する例が挙げられる。この場合、各プログラムをROMに予め記憶させておく形態や、記憶内容がコンピュータによって読み取られる記録媒体に記憶された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等を適用しても良い。
【0077】
以下、本実施の形態に係る色ずれ検出・補正回路124が無彩色・色ずれ検出処理及び色ずれ補正処理の各処理を実行する場合について説明する。
【0078】
図7は、本実施の形態に係る無彩色・色ずれ検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、錯綜を回避するため、原稿台22に置かれた原稿が読取対象とされ、原稿の読み取りを開始する指示がUIパネル18によって受け付けられることで、原稿台22上の原稿が原稿搬送部40に取り込まれて搬送され、画像読取センサ82による原稿の読み取りが開始された場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するため、搬送方向SSに沿って白色領域と黒色領域とが交互に配置されたラダーパターンが記録された画像記録領域を有する原稿の画像記録領域が画像読取センサ82によって読み取られる場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、一例として
図8に示すように、急な搬送速度の変化が見込まれる期間(上記遅延時間では各色の画像データの同相出力の実現が困難となる搬送速度の変化が見込まれる期間)として予め定められた速度変化予測期間αに無彩色・色ずれ検出処理が実行される場合について説明する。
【0079】
図8は、搬送方向SSに搬送されている原稿の画像記録領域を画像読取センサ82で読み取って得られた画像データB,G,Rの各色の濃度値(画像データにより特定される各色の信号レベルに相当する画素値である画素値B,G,R)と原稿の搬送方向SSの位置との相関関係の一例を示すグラフである。
図8に示すように画像記録領域が画像読取センサ82によって読み取られると、画像データB,G,Rの各色の濃度変化は搬送方向SSのラダーパターンに対応する波形グラフで表される。波形グラフの頂部は黒色領域を読み取って得られた濃度値であり、波形の底部は白色領域を読み取って得られた濃度値である。
図8に示す例では、白色領域を読み取って得られた濃度値から黒色領域を読み取って得られた濃度値への変化途中で画素単位での各色の濃度値の差が大きな箇所(
図8の破線で囲まれた領域)が存在している。このような箇所が存在する原因は、原稿の搬送速度が急峻に変化したため、本来読み取るべき画素とは異なる画素が読み取られて画像データとして出力されることにある。そこで、本実施の形態では、
図8の破線で囲まれた領域が含まれる原稿の位置に対応する読み取り期間が含まれる期間を速度変化予測期間αとして実験やシミュレーション等によって事前に把握しておき、速度変化予測期間αにて本無彩色・色ずれ検出処理を実行している。なお、ここでは、速度変化予測期間αを例に挙げているが、これ以外にも原稿の後端が位置合わせローラ56から抜け出る時点を含む期間や原稿の先端が排出ローラ64に挟み込まれる時点を含む期間などが挙げられる。
【0080】
図7のステップ200では、画像データB,G,Rの入力待ちを行った後、ステップ202に移行し、画素毎に画像データB,G,Rを画像データ保持回路124Aに保持する。次のステップ204では、画像データ保持回路124Aに予め定められた画素数分の画像データB,G,Rが保持されていない場合にステップ200に戻る一方、画像データ保持回路124Aに予め定められた画素数分の画像データB,G,Rが保持された場合にステップ206に移行する。なお、ここでは、予め定められた画素数として“7”を適用しているが、これに限らず3画素数以上であれば何れの画素数であっても良い。
【0081】
ステップ206では、現時点で画像データ保持回路124Aに保持されている7画素分の画像データB,G,Rのうち、中央の画素に対応する画像データB,G,Rを注目画素の画像データB,G,Rとして指定した後、ステップ208に移行する。
【0082】
ステップ208では、注目画素に対して先後して複数画素(ここでは一例として4画素)離れた画素の特定色(ここでは一例として“G”)の画像データにより特定される画素値Gの差を算出した後、ステップ210に移行する。ステップ210では、上記ステップ208で算出された差が“0”を超えている場合にステップ212に移行する一方、上記ステップ208で算出された差が“0”以下の場合にステップ226に移行する。
【0083】
ステップ212では、上記ステップ208で算出された差が閾値ThD未満である場合にステップ238に移行する一方、上記ステップ208で算出された差が閾値ThD以上である場合にステップ214に移行する。ステップ214では、上記ステップ208で算出対象とされた画素のうちの注目画素よりも先に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rの最大画素値と最小画素値との差を算出する。次のステップ216では、上記ステップ214で算出された差が閾値ThΔWを超えている場合にステップ238に移行する一方、上記ステップ214で算出された差が閾値ThΔW以下である場合にステップ218に移行する。ここで言う「ThΔW」とは、画像データB,G,Rによって形成される色が白色であることを示す値として予め定められた白基準値を意味する。上記ステップ214で算出された差が白基準値以内にない場合は白色でないと判定され、白基準値以内にある場合は白色であると判定される。
【0084】
ステップ218では、上記ステップ208で算出対象とされた画素のうちの注目画素よりも後に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rの最大画素値と最小画素値との差を算出する。次のステップ220では、上記ステップ218で算出された差が閾値ThΔBを超えている場合にステップ238に移行する一方、上記ステップ218で算出された差が閾値ThΔB以下である場合にステップ222に移行する。ここで言う「ThΔB」とは、画像データB,G,Rによって形成される色が黒色であることを示す値として予め定められた黒基準値を意味する。上記ステップ218で算出された差が黒基準値以内にない場合は黒色でないと判定され、黒基準値以内にある場合は黒色であると判定される。
【0085】
ステップ222では、上記ステップ206で指定された注目画素が白色から黒色への変化途中に存在する画素であることを示す白黒変化途中信号を出力した後、ステップ224に移行する。上記ステップ222では、具体的には、比較回路124Bが後段の演算回路124Dに白黒変化途中信号を出力する。
【0086】
一方、ステップ226では、上記ステップ208で算出された差が閾値ThD未満の場合にステップ240に移行する一方、上記ステップ208で算出された差が閾値ThD以上の場合にステップ228に移行する。ステップ228では、上記ステップ208で算出対象とされた画素のうちの注目画素よりも後に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rの最大画素値と最小画素値との差を算出する。次のステップ230では、上記ステップ228で算出された差が閾値ThΔWを超えている場合にステップ240に移行する一方、上記ステップ228で算出された差が閾値ThΔW以下である場合にステップ232に移行する。
【0087】
ステップ232では、上記ステップ208で算出対象とされた画素のうちの注目画素よりも先に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rの最大画素値と最小画素値との差を算出する。次のステップ234では、上記ステップ232で算出された差が閾値ThΔBを超えている場合にステップ240に移行する一方、上記ステップ232で算出された差が閾値ThΔB以下である場合にステップ236に移行する。
【0088】
ステップ236では、上記ステップ206で指定された注目画素が黒色から白色への変化途中に存在する画素であることを示す黒白変化途中信号を出力した後、ステップ224に移行する。上記ステップ236では、具体的には、比較回路124Bが後段の演算回路124Dに黒白変化途中信号を出力する。
【0089】
一方、ステップ238,240では共に上記ステップ206で指定された注目画素の画像データB,G,Rを出力する。なお、本ステップ238,240では、具体的には、比較回路124Bが後段の演算回路124Dに画像データB,G,Rを出力する。
【0090】
一方、ステップ224では、色ずれ検出処理を実行する。
図8には、色ずれ検出処理の具体的な処理の流れの一例が示されている。
図8のステップ224Aでは、上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rのうちの最大画素値と最小画素値との差を算出した後、ステップ224Bに移行する。ステップ224Bでは、上記ステップ224Aで算出された差が閾値ThC未満である場合に本色ずれ検出処理を終了する一方、上記ステップ224Aで算出された差が閾値ThC以上である場合にステップ224Cに移行する。
【0091】
ステップ224Cでは、上記ステップ224Aの差の算出元とされた最大画素値と最小画素値とのうち、上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rのうちの中間画素値との差が大きい方を特定した後、ステップ224Dに移行する。なお、中間画素値との差が大きい方が特定されない場合、すなわち、中間画素値との差に違いがない場合は予め定められた方を採用する。本実施の形態では、最大画素値が採用される。
ステップ224Dでは、上記ステップ224Cにおい上記ステップ224Aの差の算出元とされた最大画素値と最小画素値とのうちの最小画素値が特定された場合にはステップ224Jに移行する一方、上記ステップ224Cにおいて上記ステップ224Aの差の算出元とされた最大画素値と最小画素値とのうちの最大画素値が特定された場合にはステップ224Eに移行する。
【0092】
ステップ224Eでは、上記ステップ224Aの差の算出元とされた最大画素値と上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rのうちの中間画素値との差が予め定められた閾値を超えている場合にステップ224Fに移行する一方、閾値以下の場合に本色ずれ検出処理を終了する。
【0093】
ステップ224Fでは、上記ステップ206で指定された注目画素について色ずれが検出されたことを示す色ずれ検出信号を出力する。具体的には、比較回路124Bが後段の演算回路124Dに色ずれ検出信号を出力する。
【0094】
次のステップ224Gでは、上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,Rのうちの上記ステップ224Aの差の算出元とされた最大画素値に対応する画像データに対して補正対象の画像データであることを特定する特定データを付与した後、ステップ224Hに移行し、上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,Rを出力した後、本色ずれ検出処理を終了する。なお、上記ステップ224Hでは、具体的には、比較回路1214Bが後段の演算回路124Dに画像データB,G,Rを出力する。
【0095】
一方、ステップ224Jでは、上記ステップ224Aの差の算出元とされた最小画素値と上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rのうちの中間画素値との差が予め定められた閾値を超えている場合にステップ224Kに移行する一方、閾値以下の場合に本色ずれ検出処理を終了する。
【0096】
ステップ224Kでは、上記ステップ206で指定された注目画素について色ずれが検出されたことを示す色ずれ検出信号を出力する。具体的には、比較回路124Bが後段の演算回路124Dに色ずれ検出信号を出力する。
【0097】
次のステップ224Lでは、上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,Rのうちの上記ステップ224Aの差の算出元とされた最小画素値に対応する画像データに対して補正対象画像データであることを特定する特定データを付与した後、ステップ224Hに移行する。
【0098】
このようにステップ224の処理が上記のように実行されると、
図7に示すようにステップ226に移行する。ステップ226では、上述した速度変化予測期間αに原稿の画像記録領域が読み取られて得られた全ての画像データB,G,Rが入力されていない場合はステップ200に戻る一方、上述した速度変化予測期間αに原稿の画像記録領域が読み取られて得られた全ての画像データB,G,Rが入力された場合に本無彩色・色ずれ検出処理を終了する。
【0099】
図10は、上記無彩色・色ずれ検出処理で採用した無彩色領域の変化点を特定する方法(注目画素が白色領域から黒色領域への変化途中の画素なのか黒色領域から白色領域への変化途中の画素なのかを特定する方法)を説明するための説明図である。本実施の形態では、
図10に示すように、原稿における搬送方向SSの位置“0”の画素を注目画素とした場合、位置“−3”の画素(位置“0”よりも先に読み取られた画素)及び位置“+1”の画素(位置“0”よりも後に読み取られた画素)の各々の画像データB,G,Rを用いて、注目画素が白色領域から黒色領域への変化途中の画素なのか黒色領域から白色領域への変化途中の画素なのかを特定している。この場合、例えば、下記条件1−a〜4−aの全てを満足した場合に注目画素が白色領域から黒色領域への変化途中の画素であると特定される。以下に条件1−a〜4−aを列挙する。
【0100】
条件1−a:位置“+1”の画像データGにより特定される画素値G(VDTG[+1])から位置“−3”の画像データGにより特定される画素値G(VDTG[−3])を減じて得られた値(delta1)が0以上の値である、との条件。
【0101】
条件2−a:delata1が閾値ThD以上である、との条件。
【0102】
条件3−a:位置“−3”の画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rのうちの最大画素値と最小画素値との差(WDLT)が閾値ThΔW以下である、との条件。
【0103】
条件4−a:位置“+1”の画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rのうちの最大画素値と最小画素値との差(BDLT)が閾値ThΔB以下である、との条件。
【0104】
一方、下記条件1−b〜4−bの全てを満足した場合に注目画素が黒色領域から白色領域への変化途中の画素であると特定される。以下に条件1−b〜4−bを列挙する。
【0105】
条件1−b:VDTG[−3]からVDTG[+1]を減じて得られた値(delta2)が0以上の値である、との条件。
【0106】
条件2−b:delata2が閾値ThD以上である、との条件。
【0107】
条件3−b:位置“+1”の画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rのうちの最大画素値と最小画素値との差(WDLT)が閾値ThΔW以下である、との条件。
【0108】
条件4−b:位置“−3”の画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rのうちの最大画素値と最小画素値との差(BDLT)が閾値ThΔB以下である、との条件。
【0109】
なお、位置“0”の画素を注目画素とした場合には、位置“−3”の画素及び位置“+1”の画素との比較に限らず、位置“−2”の画素及び位置“+2”の画素との比較又は位置“−1”の画素及び位置“+3”の画素との比較を適用しても良い。このように注目画素を挟んで予め定められた画素数分だけ離間している画素同士を対象にして比較しても良い。また、
図10に示す例では4画素分だけ離間している画素同士を対象にしているが“4画素分”というのはあくまでも一例であり、他の画素数分であっても良いことは言うまでもない。
【0110】
図11は、上記色ずれ検出処理で採用した色ずれ検出方法の説明に供する各色の濃度値と搬送方向SSの位置との関係の一例を示すグラフである。本実施の形態では、
図11に示すように、原稿の搬送方向SSの位置“3”の画素が白色であり、4画素分後に読み取られた画素(原稿の搬送方向SSの位置“7”の画素)が黒色であるとの条件(条件1−c)、位置“4”〜“6”の画素の各々における画像値B,G,Rのうちの最大画素値と最小画素値との差が閾値ThC以上であるとの条件(条件2−c)、並びに最大画素値(
図11に示す例では画素値B)と中間画素値(
図11に示す例では画素値G)との差、及び最小画素値(
図11に示す例では画素値R)と中間画素値(
図11に示す例では画素値G)との差の何れかの差が予め定められた閾値を超えているとの条件(条件3−c)の条件1−c〜3−cを全て満足している場合に無彩色領域間に色ずれが発生していると判定する。なお、
図11に示す例では白色領域から黒色領域への変化を例示しているが、黒色領域から白色領域への変化の場合も、
図11に示す色ずれ検出方法に対応するように構成された色ずれ検出方法が適用される。
【0111】
次に、
図12を参照しながら色ずれ補正処理について説明する。なお、
図12は、演算回路124Dで実行される色ずれ補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0112】
図12のステップ250では、上記無彩色・色ずれ検出処理のステップ238、ステップ240、又はステップ224Hで出力された画像データB,G,Rの入力待ちを行った後、ステップ252に移行する。ステップ252では、色ずれ検出信号が入力されない場合にステップ268に移行する一方、色ずれ検出信号が入力された場合にステップ254に移行する。ステップ254では、白黒変化途中信号又は黒白変化途中信号が入力されない場合にステップ268に移行する一方、白黒変化途中信号又は黒白変化途中信号が入力された場合にステップ256に移行する。
【0113】
ステップ256では、上記ステップ254で白黒変化途中信号が入力された場合にステップ258に移行する一方、上記ステップ254で黒白変化途中信号が入力された場合にステップ272に移行する。
【0114】
ステップ258では、上記ステップ250で入力された画像データB,G,Rに、上記ステップ224Gで特定データ(最大画素値の画像データを特定する特定データ)が付与された画像データが含まれている場合にステップ260に移行する一方、上記ステップ250で入力された画像データB,G,Rに、上記ステップ224Lで特定データ(最小画素値の画像データを特定する特定データ)が付与された画像データが含まれている場合にステップ270に移行する。
【0115】
ステップ260では、上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,R(上記ステップ250で入力された画像データB,G,R)から、上記特定データが付与された画像データを取得すると共に、その注目画素よりも先に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rのうち、上記特定データが付与された画像データの色の画像データを画像データ保持回路124Aから取得する。なお、ここでは、注目画素よりも先に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rとして、1画素分前に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rを適用しているが、これに限らず、注目画素よりも複数画素分前に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rを適用しても良い。
【0116】
次のステップ262では、補間係数メモリ124Eから複数組(ここでは一例として5組)の補間係数(総和が“1”となる予め定められた係数)を取得した後、ステップ264に移行する。ステップ264では、上記ステップ260又は後述のステップ270で取得された画像データについて上記ステップ262で取得された複数組の補間係数を組毎に用いて2点間補完を行った後、ステップ266に移行する。ステップ266では、上記ステップ264で2点間補完を行って得られた補間係数の組毎の画像データ(補間済み画像データ)のうち、上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,Rにより特定される画素値B,G,Rのうちの中間画素値との差が最も小さな画素値を特定する画像データ(例えば画像データB)及びこの画像データと共に1画素分の画像データの組を構成する画像データ(例えば画像データG,R)を出力した後、ステップ268に移行する。
【0117】
ステップ270では、上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,R(上記ステップ250で入力された画像データB,G,R)から、上記特定データが付与された画像データを取得すると共に、その注目画素よりも後に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rのうち、上記特定データが付与された画像データの色の画像データを画像データ保持回路124Aから取得した後、ステップ262に移行する。なお、ここでは、注目画素よりも後に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rとして、1画素分後に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rを適用しているが、これに限らず、注目画素よりも複数画素分後に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rを適用しても良い。
【0118】
一方、ステップ272では、上記ステップ250で入力された画像データB,G,Rに、上記ステップ224Gで特定データ(最大画素値の画像データを特定する特定データ)が付与された画像データが含まれている場合にステップ274に移行する一方、上記ステップ250で入力された画像データB,G,Rに、上記ステップ224Lで特定データ(最小画素値の画像データを特定する特定データ)が付与された画像データが含まれている場合にステップ276に移行する。
【0119】
ステップ274では、上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,R(上記ステップ250で入力された画像データB,G,R)から、上記特定データが付与された画像データを取得すると共に、その注目画素よりも後に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rのうち、上記特定データが付与された画像データの色の画像データを画像データ保持回路124Aから取得した後、ステップ262に移行する。なお、ここでは、注目画素よりも後に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rとして、1画素分後に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rを適用しているが、これに限らず、注目画素よりも複数画素分後に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rを適用しても良い。
【0120】
ステップ276では、上記ステップ206で指定された注目画素に係る画像データB,G,R(上記ステップ250で入力された画像データB,G,R)から、上記特定データが付与された画像データを取得すると共に、その注目画素よりも先に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rのうち、上記特定データが付与された画像データの色の画像データを画像データ保持回路124Aから取得する。なお、ここでは、注目画素よりも先に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rとして、1画素分前に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rを適用しているが、これに限らず、注目画素よりも複数画素分前に読み取られた画素に係る画像データB,G,Rを適用しても良い
【0121】
ステップ268では、上述した速度変化予測期間αに読み取られた得られた全ての画像データB,G,Rが入力されていない場合はステップ250に戻る一方、上述した速度変化予測期間αに読み取られた得られた全ての画像データB,G,Rが入力された場合に本色ずれ補正処理を終了する。
【0122】
図13は、上記色ずれ補正処理で採用した2点間補間による補正方法の説明に供する各色の濃度値と搬送方向SSの位置との関係の一例を示すグラフである。
図13に示す例では、白色領域から黒色領域への変化途中で色ずれが発生しており、その変化途中における画素が補正対象画素とされている。ここで言う補正対象画素とは、具体的には上記ステップ224G又は上記ステップ224Lで特定データが付された画像データに対応する画素のことを言う。なお、
図13には、補正対象画素として、原稿における搬送方向SSの位置“4”の画素と原稿における搬送方向SSの位置“6”の画素とが例示されている。
【0123】
図13に示す例では、位置“4”の補正対象画素の最大画素値である画素値Bmとこの補正対象画素の1画素分先に読み取られた画素(位置“3”の画素)に係る画素値Bm−1とを使用して画素値Bmに対して2点間補間による補正を行っている。つまり、演算回路124Dが、予め定められた補間係数K1,K2を補間係数メモリ124Eから複数組取得し、各組毎に補間係数K1を画素値Bmに乗じて得た値と補間係数K2を画素値Bm−1に乗じて得た値との和を算出する。このように算出されて得られた和のうち、位置“4”の補正対象画素の中間画素値である画素値Gmに最も近いものを最終的な補正後の画素値Bmとして採用する。
【0124】
また、
図13に示す例では、位置“6”の補正対象画素の最小画素値である画素値Rnとこの補正対象画素の1画素分後に読み取られた画素(位置“7”の画素)に係る画素値Rn+1とを使用して画素値Rnに対して2点間補間による補正を行っている。つまり、演算回路124Dが、予め定められた補間係数K1,K2を補間係数メモリ124Eから複数組取得し、各組毎に補間係数K1を画素値Rnに乗じて得た値と補間係数K2を画素値Rn+1に乗じて得た値との和を算出する。このように算出されて得られた和のうち、位置“6”の補正対象画素の中間画素値である画素値Gnに最も近いものを最終的な補正後の画素値Rnとして採用する。なお、
図13に示す例では白色領域から黒色領域への変化を例示しているが、黒色領域から白色領域への変化の場合も、
図13に示す補正方法に対応するように構成された補正方法が適用される。
【0125】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係る画像処理装置10では、搬送及び読取対象とされた原稿を画像記録領域に対して光を照射する光源72に対して移動させ、画像記録領域に光が照射されることに画像記録領域で反射した光をフォトダイオード19で受光して各受光量に対した画像データB,G,Rを生成し、生成した画像データB,G,Rに基づいて無彩色領域間の境界領域(黒から白への変化途中又は白から黒への変化途中)を検出し、検出した境界領域が予め定められた画素数以内(ここでは一例として3画素以内)であり、境界領域を挟んだ無彩色領域間の濃度差が予め定められた値(ここでは一例として閾値ThD)以上であり、境界領域に存在する画素に対応する画像データB,G,Rのうちの最大信号レベル(ここでは一例として最大画素値)と最小信号レベル(ここでは一例として最小画素値)との差が予め定められた閾値(ここでは一例として閾値ThC)以上である場合に色ずれが発生したことを示す色ずれ発生信号(一例として白黒変換途中信号又は黒色変化途中信号)を出力するので、無彩色領域間における色ずれが高精度に検出される。
【0126】
その上、異なる無彩色領域間の境界領域に存在する画素に係る補正対象とされた画像信号を用いて2点間補間を行うので、無彩色領域間における色ずれが高精度に補正される。
【0127】
また、異なる無彩色領域間の境界領域に存在する画素に係る補正対象とされた画像信号とこの画像信号よりも1画素分先又は後に生成された画像信号とを2点間補間することで補正対象とされた画像信号を補正しているので、本構成を有しない場合に比べ、無彩色領域間における色ずれが高精度に補正される。
【0128】
なお、上記実施の形態では、色ずれ検出処理において最大画素値又は最小画素値を特定した後に最大画素値と中間画素値との差又は最小画素値と中間画素値との差が閾値を超えている場合に色ずれが発生していると判定し、閾値を超えていると判定された対象の画素値を有する画像データに対して補正対象であることを特定する特定データを付したが、これは高精度な補正を行う上で有効であるからである。しかし、そこまでの高精度な処理を行うよりもむしろ高速な処理が要求される場合も考えられる。この場合は、最大画素値と中間画素値との差又は最小画素値と中間画素値との差を算出することなく、最大画素値又は最小画素値の何れかを補正対象として扱うようにしても良い。この場合、最大画素値と中間画素値との差又は最小画素値と中間画素値との差を算出する処理、及び閾値と比較する処理が省かれるので、より高速な処理が実現される。
【0129】
また、上記実施の形態では、原稿が搬送される場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、フラットベッド方式であっても良い。この場合、光源72の移動速度が急に変化する期間として事前に予想された期間に上記無彩色・色ずれ検出処理及び色ずれ補正処理を実行すれば良い。
【0130】
また、上記実施の形態では、光源72の位置が固定されている状態で原稿が搬送される場合の形態例を挙げて説明したが、原稿を搬送しながら光源72も搬送方向SSに対して移動させても良い。この場合は上記速度変化予測期間αに代えて、原稿の搬送速度が急に変化する時点と光源の移動速度が急に変化する時点との双方を含む期間を適用したり、原稿の搬送速度が急に変化する時点を含む期間と光源の移動速度が急に変化する時点を含む期間とを重複しないように別々に設けるようにしても良い。
【0131】
また、上記実施の形態では、原稿にラダーパターンが記録された画像記録領域を読取対象とした場合を例示したが、ラダーパターン以外の画像(例えば有彩色及び無彩色が混在している画像や有彩色を含まない画像など)を記録した画像記録領域を読取対象としても良い。
【0132】
また、上記実施の形態では、原稿の裏面を読み取る点については言及していないが、原稿の裏面を読み取る場合にも上記無彩色・色ずれ検出処理及び色ずれ補正処理が有効に機能することは言うまでもない。
【0133】
また、上記実施の形態では、「白色」との文言及び「黒色」との文言を使用しているが、これらの文言が意味するところは、いわゆる256階調の“0”及び“255”に限定されるものではなく、あくまでも上述した白基準値及び黒基準値によって定められる色であるということである。つまり、「白色」及び「黒色」を規定する階調値は、幅を持っていても良いし、幅を持っていなくても良い。
【0134】
また、上記実施の形態では、CCDラインセンサ82B,82G,82Rを例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、搬送方向SSに沿ってずれた状態で配列された各々単体の青用フォトダイオード、緑用フォトダイオード、及び赤用フォトダイオードであっても良い。また、R,G,B以外の異なる分光感度の複数の受光素子を搬送方向SSに沿ってずれた状態であっても良い。このように搬送方向SSにずれた状態で配列された分光感度の異なる複数の受光素子を1画素単位で設けるのであれば如何なる形態であっても良い。