特許第5786646号(P5786646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5786646
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】調湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/14 20060101AFI20150910BHJP
   F24F 1/02 20110101ALI20150910BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20150910BHJP
   F24F 3/00 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   F24F3/14
   F24F1/02 441C
   F24F1/02 446
   F24F1/02 451
   F25B13/00 S
   F24F3/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-236146(P2011-236146)
(22)【出願日】2011年10月27日
(65)【公開番号】特開2013-92336(P2013-92336A)
(43)【公開日】2013年5月16日
【審査請求日】2014年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久
(74)【代理人】
【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二
(74)【代理人】
【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実
(74)【代理人】
【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也
(74)【代理人】
【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100131901
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 雅典
(74)【代理人】
【識別番号】100132012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩下 嗣也
(74)【代理人】
【識別番号】100141276
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 康二
(74)【代理人】
【識別番号】100143409
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100157093
【弁理士】
【氏名又は名称】間脇 八蔵
(74)【代理人】
【識別番号】100163186
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 裕吉
(74)【代理人】
【識別番号】100163197
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100163588
【弁理士】
【氏名又は名称】岡澤 祥平
(72)【発明者】
【氏名】酒井 岳人
(72)【発明者】
【氏名】江口 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】薮 知宏
【審査官】 佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−039219(JP,A)
【文献】 特開2011−080694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/14
F24F 1/02
F24F 3/00
F25B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(16)と膨張機構(33)と吸着剤をそれぞれ担持する2つの吸着熱交換器(31,32)とが配管接続されて冷媒循環方向が可逆に構成されて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(15)と、
室内空気及び室外空気を取り込むと共に、一方の空気が上記2つの吸着熱交換器(31,32)のうちの凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器を通過し、他方の空気が蒸発器として機能する吸湿吸着熱交換器を通過するように上記冷媒回路(15)での冷媒循環方向に応じて空気の流通経路が切り換わるように構成された空気通路とを備え、
上記室外空気が上記放湿吸着熱交換器を通過して室内に供給される一方、上記室内空気が上記吸湿吸着熱交換器を通過して室外に排出される加湿運転を行う調湿装置であって、
上記冷媒回路(15)に接続されると共に、上記加湿運転の際に、上記空気通路における上記室外空気の流れの上記放湿吸着熱交換器の上流側に位置し且つ凝縮器として機能して上記室外空気を加熱する予熱熱交換器(34,35)と、
上記冷媒回路に接続されると共に、上記加湿運転の際に、上記空気通路における上記室内空気の流れの上記吸湿吸着熱交換器の下流側に位置し且つ蒸発器として機能して上記室内空気の熱を回収する熱回収熱交換器(35,34)とを備えている
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記冷媒回路(15)には、上記予熱熱交換器(34,35)と膨張弁(36)と上記熱回収熱交換器(35,34)とが順に直列に接続された補助回路(40)が設けられている
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記補助回路(40)は、上記冷媒回路(15)での冷媒循環方向が逆転しても、冷媒が一方向に流通する一方向流路(41,42)を有し、上記予熱熱交換器(34)と上記膨張弁(36)と上記熱回収熱交換器(35)とは上記一方向流路(41,42)に設けられている
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項4】
請求項3において、
上記補助回路(40)は、上記一方向流路(41)を有するブリッジ回路に構成されている
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項5】
請求項4において、
上記室外空気が上記吸湿吸着熱交換器を通過して室内に供給される一方、上記室内空気が上記放湿吸着熱交換器を通過して室外に排出される除湿運転を行うように構成され、
上記除湿運転の際に、上記膨張弁(36)を所定の最小開度に開く制御部(100)を備えている
ことを特徴とする調湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着剤を用いて室内の湿度を調節する調湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、吸着剤を用いて室内の湿度を調節する調湿装置が知られている。特許文献1には、この種の調湿装置として、吸着剤が担持された2つの吸着熱交換器を用いて室内の湿度を調節するものが開示されている。
【0003】
上記調湿装置では、圧縮機と膨張機構と2つの吸着熱交換器が接続されて冷媒循環方向が可逆に構成された冷媒回路と、室内空気及び室外空気の一方の空気が上記2つの吸着熱交換器のうちの凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器を通過し、他方の空気が蒸発器として機能する吸湿吸着熱交換器を通過するように冷媒回路での冷媒循環方向に応じて空気の流通経路が切り換わるように構成された空気通路とを備えている。そして、上記調湿装置では、室外空気が放湿吸着熱交換器を通過して室内に供給される一方、室内空気が吸湿吸着熱交換器を通過して室外に排出される加湿運転が行われる。
【0004】
ところで、冷凍サイクルでは、理論的には、蒸発器と圧縮機とで冷媒に吸収された熱量が凝縮器において冷媒から放出される。ところが、上記調湿装置において蒸発器として機能する吸湿吸着熱交換器では、室内空気の除湿を主目的としているため、冷媒の吸熱量を十分に確保できないおそれがあった。一方、凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器では吸着剤の再生等を行うためにある程度の熱量を確保しなければならない。そのため、吸湿吸着熱交換器での冷媒の吸熱量の不足分を圧縮機で冷媒に付与される熱量で補う必要が生じ、圧縮機での消費電力が増大して効率の低下を招くおそれがあった。
【0005】
そこで、下記特許文献1に記載の調湿装置では、冷媒回路の2つの吸着熱交換器と膨張機構とのそれぞれの間に空気熱交換器を接続して、加湿運転の際に、一方の空気熱交換器を室外空気によって冷媒を過冷却する過冷却器として機能させ、他方の空気熱交換器を室内空気から熱回収する熱回収熱交換器として機能させている。これにより、加湿運転の際に、過冷却熱交換器において冷媒を過冷却すると共に吸湿吸着熱交換器だけでなく熱回収熱交換器においても排気空気から熱量を回収することができる。従って、加湿運転の際に、室外空気に対する必要放熱量を十分に確保することができ、圧縮機で冷媒に付与される熱量で吸湿吸着熱交換器における吸熱量の不足分を補う必要がないため、効率の低下を抑制することができる。
【0006】
また、上記調湿装置では、過冷却器は室外空気流れにおいて、熱回収熱交換器は室内空気流れにおいて、共に吸着熱交換器の下流側に配置されるか、又は共に吸着熱交換器の上流側に配置されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−291535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、加湿運転は、室外気温が低下する冬季に暖房と併用されることが多いが、室外気温が著しく低い低外気温時に上記加湿運転を行うと、室外空気の相対湿度が高いために、放湿吸着熱交換器の吸着剤から脱離された水分が室外空気に含まれ難くなり、室内の加湿が十分に行えなくなるおそれがあった。そのため、低外気温時の加湿運転の際には、過冷却器が室外空気流れの放湿吸着熱交換器の上流側に位置して、室外空気が放湿吸着熱交換器を通過する前に過冷却器において予め冷媒によって加熱されることが好ましい。このように室外空気を予め加熱してから放湿吸着熱交換器を通過させることにより、放湿吸着熱交換器の吸着剤から脱離した水分の多くを室外空気に含ませることができる。従って、室内の加湿を十分に行うことができる。
【0009】
しかしながら、上記調湿装置では、上述のように過冷却器が室外空気流れの放湿吸着熱交換器の上流側に位置する際には、熱回収熱交換器が室内空気流れの吸湿吸着熱交換器の上流側に位置することとなる。このように熱回収熱交換器が吸湿吸着熱交換器の上流側に位置すると、室内空気に含まれる水分が熱回収熱交換器を通過する際に多量に結露してしまい、吸湿吸着熱交換器の吸着剤において室内空気の水分を十分に回収できなくなるために、室内の加湿を十分に行えなくなるおそれがあった。
【0010】
一方、上記調湿装置において、熱回収熱交換器が室内空気流れの吸湿吸着熱交換器の下流側に位置する際には、過冷却器が室外空気流れの放湿吸着熱交換器の下流側に位置することとなる。そのため、室外空気が放湿吸着熱交換器を通過する前に過冷却器において加熱することができなくなるため、室内の加湿を十分に行えなくなるおそれがあった。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低外気温時にも室内の加湿を十分に行うことができる調湿装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明は、圧縮機(16)と膨張機構(33)と吸着剤をそれぞれ担持する2つの吸着熱交換器(31,32)とが配管接続されて冷媒循環方向が可逆に構成されて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(15)と、室内空気及び室外空気を取り込むと共に、一方の空気が上記2つの吸着熱交換器(31,32)のうちの凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器を通過し、他方の空気が蒸発器として機能する吸湿吸着熱交換器を通過するように上記冷媒回路(15)での冷媒循環方向に応じて空気の流通経路が切り換わるように構成された空気通路とを備え、上記室外空気が上記放湿吸着熱交換器を通過して室内に供給される一方、上記室内空気が上記吸湿吸着熱交換器を通過して室外に排出される加湿運転を行う調湿装置であって、上記冷媒回路(15)に接続されると共に、上記加湿運転の際に、上記空気通路における上記室外空気の流れの上記放湿吸着熱交換器の上流側に位置し且つ凝縮器として機能して上記室外空気を加熱する予熱熱交換器(34,35)と、上記冷媒回路に接続されると共に、上記加湿運転の際に、上記空気通路における上記室内空気の流れの上記吸湿吸着熱交換器の下流側に位置し且つ蒸発器として機能して上記室内空気の熱を回収する熱回収熱交換器(35,34)とを備えている。
【0013】
第1の発明では、加湿運転の際に、調湿装置に取り込まれた室外空気は、凝縮器として機能する予熱熱交換器(34,35)、凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器の順に通過した後、室内に供給される。具体的には、室外空気は、まず、予熱熱交換器(34,35)を通過する際に冷媒と熱交換して該冷媒から吸熱する。これにより、室外空気の相対湿度が低下する。次に、室外空気は、放湿吸着熱交換器を通過する。このとき、放湿吸着熱交換器では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が室外空気に付与される。なお、上述のように、放湿吸着熱交換器を通過する室外空気は、予熱熱交換器(34,35)において予め加熱されて相対湿度が低下しているため、放湿吸着熱交換器の吸着剤から脱離した水分が含まれ易くなり、脱離した水分の多くが室外空気に含まれることとなる。そのため、放湿吸着熱交換器において水分が十分に付与された室外空気が室内に供給されることによって、室内が十分に加湿される。
【0014】
一方、加湿運転の際に、調湿装置に取り込まれた室内空気は、蒸発器として機能する吸湿吸着熱交換器、蒸発器として機能する熱回収熱交換器(35,34)の順に通過した後、室外へ排出される。具体的には、室内空気は、まず、吸湿吸着熱交換器を通過する。このとき、室内空気中の水分は吸着剤に吸着され、室内空気が除湿される。そして、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。吸湿吸着熱交換器で水分を奪われた室内空気は、熱回収熱交換器(35,34)を通過する際に冷媒と熱交換して該冷媒へ放熱した後、室外へ排出される。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、上記冷媒回路(15)には、上記予熱熱交換器(34,35)と膨張弁(36)と上記熱回収熱交換器(35,34)とが順に直列に接続された補助回路(40)が設けられている。
【0016】
第2の発明では、補助回路(40)の膨張弁(36)が閉鎖する又は最小開度まで絞られると、予熱熱交換器(34,35)及び熱回収熱交換器(35,34)への冷媒の流入が阻止される又は微量な冷媒のみが流入することとなる。
【0017】
第3の発明は、第2の発明において、上記補助回路(40)は、上記冷媒回路(15)での冷媒循環方向が逆転しても、冷媒が一方向に流通する一方向流路(41,42)を有し、上記予熱熱交換器(34)と上記膨張弁(36)と上記熱回収熱交換器(35)とは上記一方向流路(41,42)に設けられている。
【0018】
第3の発明では、予熱熱交換器(34)と膨張弁(36)と熱回収熱交換器(35)とが、冷媒回路(15)において冷媒循環方向が逆転しても冷媒が一方向に流れる一方向流路(41,42)に設けられている。そのため、冷媒循環方向が変更されても、1つの空気熱交換器が冷媒回路(15)における冷媒循環方向の変更に応じて予熱熱交換器(34)と熱回収熱交換器(35)とに切り換わることがなく、常に一方の空気熱交換器が予熱熱交換器(34)となり、他方の熱交換器が熱回収熱交換器(35)となる。
【0019】
第4の発明では、第3の発明において、上記補助回路(40)は、上記一方向流路(41)を有するブリッジ回路に構成されている。
【0020】
第4の発明では、補助回路(40)が、予熱熱交換器(34)と膨張弁(36)と熱回収熱交換器(35)とが順に直列に接続された一方向流路(41)を有するブリッジ回路によって構成されている。
【0021】
第5の発明は、第4の発明において、上記室外空気が上記吸湿吸着熱交換器を通過して室内に供給される一方、上記室内空気が上記放湿吸着熱交換器を通過して室外に排出される除湿運転を行うように構成され、上記除湿運転の際に、上記膨張弁(36)を所定の最小開度に開く制御部(100)を備えている。
【0022】
ところで、除湿運転の際には、予熱熱交換器(34)と熱回収熱交換器(35)に冷媒を流す必要がないが、膨張弁(36)を閉鎖して完全に冷媒の流通を阻止すると、予熱熱交換器(34)に冷媒が溜まり込んでしまって冷媒回路(15)における冷媒循環量が低減されるおそれがある。
【0023】
そこで、第5の発明では、除湿運転の際に、上述のように膨張弁(36)を所定の最小開度に開くことにより、補助回路(40)における冷媒の流通を僅かに担保している。
【発明の効果】
【0024】
第1の発明によれば、加湿運転中の調湿装置において、室外空気を予熱熱交換器(34,35)で冷媒によって加熱した後に放湿吸着熱交換器を通過させることとした。そのため、低外気温時においても、放湿吸着熱交換器の吸着剤から脱離した水分の多くを室外空気に含ませることができる。よって、室内を十分に加湿することができる。また、加湿運転中の調湿装置において、室内空気を吸湿吸着熱交換器で除湿した後に熱回収熱交換器(35,34)を通過させることとした。そのため、室内空気中の水分が熱回収熱交換器(35,34)で結露することがなく、吸湿吸着熱交換器において室内空気中の水分を十分に回収しつつ、室内空気から十分に冷媒に熱回収することができる。従って、上記構成によれば、低外気温時においても、室内を十分に加湿することが可能となる。
【0025】
ところで、加湿運転は主に冬季に暖房と併用されるが、外気温度が著しく低い低外気温時に加湿運転を行うと、室内へ供給される加湿後の室外空気の温度が室内温度よりも低くなって室内の暖房負荷の増大を招くおそれがある。
【0026】
しかしながら、第1の発明では、予熱熱交換器(34,35)において室外空気をある程度加熱することができる。また、第1の発明では、蒸発器として機能する吸湿吸着熱交換器だけでなく熱回収熱交換器(35,34)においても冷媒が室内空気から熱量を回収することとしたため、凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器及び予熱熱交換器(34,35)における冷媒の放熱量が増大する。従って、第1の発明によれば、低外気温時における加湿運転中であっても、室外空気に対する冷媒の放熱量を十分に確保することができるため、室内の暖房負荷の増大を抑制することができる。
【0027】
また、第2の発明によれば、予熱熱交換器(34,35)での室外空気の予熱及び熱回収熱交換器(35,34)での室内空気から冷媒への熱回収が不必要な場合に、補助回路(40)の膨張弁(36)を閉鎖する又は最小開度まで絞ることにより、予熱熱交換器(34,35)及び熱回収熱交換器(35,34)における無駄な圧力損失を防止することができる。よって、冷凍サイクルの効率低下を抑制することができる。
【0028】
また、第3の発明によれば、冷媒循環方向が逆転しても、一方向流路(41,42)には冷媒が一方向に流通するため、1つの空気熱交換器において予熱熱交換器(34,35)と熱回収熱交換器(35,34)とに切り換わることがなく、常に一方の空気熱交換器が予熱熱交換器(34)となり、他方の空気熱交換器が熱回収熱交換器(35)となる。1つの空気熱交換器が予熱熱交換器(34)と熱回収熱交換器(35)とに切り換わると熱容量損失を生じてしまうが、上述のように構成することにより、このような熱容量損失の発生を防止できる。
【0029】
また、第4の発明によれば、冷媒回路(15)における冷媒循環方向が逆転しても冷媒が一方向に流れる一方向流路(41)を有する補助回路(40)を容易に構成することができる。
【0030】
また、第5の発明によれば、除湿運転の際に、補助回路(40)の膨張弁(36)を所定の最小開度に開いて補助回路(40)における冷媒の流通を僅かに担保することにより、予熱熱交換器(34)への冷媒の溜まり込みを抑制することができる。従って、冷媒回路(15)における冷媒循環量の低下による冷凍サイクルの効率低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、実施形態1における調湿装置の概略構成図である。
図2図2(A)及び(B)は、実施形態1における冷媒回路の概略構成と加湿運転の動作を示す冷媒回路図である。
図3図3は、実施形態1における加湿運転の第1動作を示す調湿装置の概略構成図である。
図4図4は、実施形態1における加湿運転の第2動作を示す調湿装置の概略構成図である。
図5図5(A)及び(B)は、実施形態1における冷媒回路の概略構成と除湿運転の動作を示す冷媒回路図である。
図6図6は、実施形態1における除湿運転の第1動作を示す調湿装置の概略構成図である。
図7図7は、実施形態1における除湿運転の第2動作を示す調湿装置の概略構成図である。
図8図8(A)及び(B)は、実施形態2における冷媒回路の概略構成と加湿運転の動作を示す冷媒回路図である。
図9図9(A)及び(B)は、実施形態3における冷媒回路の概略構成と加湿運転の動作を示す冷媒回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】
《発明の実施形態1》
本実施形態1の調湿装置(10)は、除湿し又は加湿した空気を室内へ供給するものである。
【0034】
〈調湿装置の全体構成〉
上記調湿装置(10)の構成について、図1を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、いずれも本実施形態の調湿装置(10)を前面側から見た場合のものを意味している。
【0035】
図1に示すように、本実施形態の調湿装置(10)は、ケーシング(50)を備えている。該ケーシング(50)には、冷媒回路(15)が収納されている。該冷媒回路(15)には、第1吸着熱交換器(31)、第2吸着熱交換器(32)、第1補助熱交換器(34)、第2補助熱交換器(35)、圧縮機(16)などが設けられている。冷媒回路(15)の詳細については後述する。
【0036】
上記ケーシング(50)は、高さの低い扁平な直方体状に形成されている。ケーシング(50)の前面では、右寄りの位置に排気口(54)が、左寄りの位置に給気口(52)がそれぞれ開口している。ケーシング(50)の背面では、右寄りの位置に外気吸込口(51)が、左寄りの位置に内気吸込口(53)がそれぞれ開口している。
【0037】
ケーシング(50)の内部空間は、前面側と背面側の2つに仕切られている。ケーシング(50)内の前面側の空間は、更に左右に3つに仕切られている。そのうち、右側の空間は排気側流路(65)を構成し、左側の空間は給気側流路(66)を構成する一方、中央の空間は内部に圧縮機(16)が収納されている。給気側流路(66)は、内部に給気ファン(82)が収納されると共に、給気口(52)を介して室内に連通している。排気側流路(65)は、内部に排気ファン(81)が収納されると共に、排気口(54)を介して室外に連通している。また、排気側流路(65)には、第2補助熱交換器(35)が立設されている。排気側流路(65)へ流入した空気は、第2補助熱交換器(35)を通過してから排気ファン(81)へ吸い込まれる。
【0038】
ケーシング(50)内の背面側の空間も、左右に3つに仕切られている。そのうち、右側の空間は、上下に仕切られており、上側の空間が右上流路(61)を、下側の空間が右下流路(62)をそれぞれ構成している。右上流路(61)は、排気側流路(65)に連通している。右下流路(62)は、外気吸込口(51)を介して室外に連通している。右下流路(62)には、第1補助熱交換器(34)が立設されている。右下流路(62)に流入した空気は、まず第1補助熱交換器(34)を通過する。一方、左側の空間は、上下に仕切られており、上側の空間が左上流路(63)を、下側の空間が左下流路(64)をそれぞれ構成している。左上流路(63)は、給気側流路(66)に連通している。左下流路(64)は、内気吸込口(53)を介して室内に連通している。
【0039】
左右に仕切られたケーシング(50)内の背面側の空間のうち、中央の空間は、前後に仕切られている。この前後に仕切られた中央の空間のうち、前面側の空間には第1吸着熱交換器(31)が、背面側の空間には第2吸着熱交換器(32)がそれぞれ収納されている。第1吸着熱交換器(31)及び第2吸着熱交換器(32)は、収納された空間を上下に仕切るように、ほぼ水平姿勢で設置されている。
【0040】
ケーシング(50)内の背面側を左右に仕切る2枚の仕切板には、それぞれに開閉式のダンパ(71〜78)が4つずつ設けられている。
【0041】
右側の仕切板において、その上部には第1右上ダンパ(71)と第2右上ダンパ(72)が並んで設置され、その下部には第1右下ダンパ(73)と第2右下ダンパ(74)が並んで設置される。第1右上ダンパ(71)を開くと右上流路(61)が第1吸着熱交換器(31)の上側の空間と連通し、第2右上ダンパ(72)を開くと右上流路(61)が第2吸着熱交換器(32)の上側の空間と連通する。第1右下ダンパ(73)を開くと右下流路(62)が第1吸着熱交換器(31)の下側の空間と連通し、第2右下ダンパ(74)を開くと右下流路(62)が第2吸着熱交換器(32)の下側の空間と連通する。
【0042】
左側の仕切板において、その上部には第1左上ダンパ(75)と第2左上ダンパ(76)が並んで設置され、その下部には第1左下ダンパ(77)と第2左下ダンパ(78)が並んで設置される。第1左上ダンパ(75)を開くと左上流路(63)が第1吸着熱交換器(31)の上側の空間と連通し、第2左上ダンパ(76)を開くと左上流路(63)が第2吸着熱交換器(32)の上側の空間と連通する。第1左下ダンパ(77)を開くと左下流路(64)が第1吸着熱交換器(31)の下側の空間と連通し、第2左下ダンパ(78)を開くと左下流路(64)が第2吸着熱交換器(32)の下側の空間と連通する。
【0043】
上述のように、上記ケーシング(50)内には、右上流路(61)、右下流路(62)、左上流路(63)、左下流路(64)、排気側流路(65)、及び給気側流路(66)が形成されている。これらの流路(61〜66)は、第1吸着熱交換器(31)が収納される空間及び第2吸着熱交換器(32)が収納される空間と共に、空気の流通経路が切換可能な空気通路を構成している。
【0044】
〈冷媒回路の構成〉
図2に示すように、上記冷媒回路(15)には、圧縮機(16)と、第1吸着熱交換器(31)と、第2吸着熱交換器(32)と、電動膨張弁(33)と、四路切換弁(17)とが設けられている。また、冷媒回路(15)には、補助回路(40)が電動膨張弁(33)に並列に接続されている。
【0045】
上記冷媒回路(15)において、圧縮機(16)は、吐出側が四路切換弁(17)の第1ポートに、吸入側が四路切換弁(17)の第2ポートにそれぞれ接続されている。また、上記冷媒回路(15)では、四路切換弁(17)の第3ポートから第4ポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と電動膨張弁(33)と第2吸着熱交換器(32)とが直列に接続されている。また、圧縮機(16)の吐出側と吸入側との間には開閉弁(18)が設けられた連通路が接続されている。
【0046】
上記補助回路(40)は、本発明に係る一方向流路を構成する一方向通路(41)を有するブリッジ回路に構成されている。ブリッジ回路は、逆止弁がそれぞれ設けられた4つの管路がブリッジ状に接続され、4つの接続部のうちの対向する一対の接続部が冷媒回路(15)に接続される一方、他の一対の接続部が一方向通路(41)の一端と他端とにそれぞれ接続されている。このような構成により、四路切換弁(17)が切り換わって冷媒回路(15)における冷媒循環方向が変更されても一方向通路(41)には冷媒が一方向に流通することとなる。また、一方向通路(41)には、上流側から下流側に向かって順に、第1補助熱交換器(34)と、電動膨張弁(36)と、第2補助熱交換器(35)とが直列に接続されている。
【0047】
第1吸着熱交換器(31)、第2吸着熱交換器(32)、第1補助熱交換器(34)及び第2補助熱交換器(35)は、いずれも伝熱管と多数のフィンとで構成されたクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器である。第1及び第2吸着熱交換器(31,32)では、フィンの表面に吸着剤が担持されている。第1及び第2吸着熱交換器(31,32)では、フィンの間を通過する空気がフィン表面の吸着剤と接触する。なお、吸着剤としては、ゼオライトやシリカゲル等が用いられる。一方、第1補助熱交換器(34)及び第2補助熱交換器(35)の表面には吸着剤が担持されておらず、第1補助熱交換器(34)及び第2補助熱交換器(35)は空気熱交換器を構成している。
【0048】
上記四路切換弁(17)は、第1ポートと第3ポートが互いに連通して第2ポートと第4ポートが互いに連通する第1状態(図2(A)に示す状態)と、第1ポートと第4ポートが互いに連通して第2ポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図2(B)に示す状態)とに切り換わる。
【0049】
また、調湿装置(10)は、冷媒回路(15)及び補助回路(40)を構成するための各種機器(圧縮機、電動膨張弁、四路切換弁、ファン等)の動作を制御するコントローラ(100)を備えている。
【0050】
−運転動作−
本実施形態の調湿装置(10)では、加湿運転と除湿運転とが行われる。
【0051】
〈加湿運転〉
加湿運転中の調湿装置(10)では、コントローラ(100)によって給気ファン(82)及び排気ファン(81)が運転される。給気ファン(82)を運転すると、室外空気が外気吸込口(51)からケーシング(50)内へ取り込まれる。排気ファン(81)を運転すると、室内空気が内気吸込口(53)からケーシング(50)内へ取り込まれる。また、加湿運転中の調湿装置(10)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返される。
【0052】
加湿運転時の第1動作について説明する。この第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが行われる。
【0053】
第1動作中の冷媒回路(15)では、図2(A)に示すように、コントローラ(100)によって四路切換弁(17)が第1状態に設定され、電動膨張弁(33)及び電動膨張弁(36)の開度が適宜調節される。冷媒回路(15)において、圧縮機(16)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)に流入し、該第1吸着熱交換器(31)で室外空気に放熱して凝縮する。凝縮後の冷媒の一部は、電動膨張弁(33)に並列に接続された補助回路(40)に流入し、残りは電動膨張弁(33)に流入して該電動膨張弁(33)において減圧される。
【0054】
ここで、上述のように、補助回路(40)はブリッジ回路に構成されている。そのため、補助回路(40)に流入した冷媒は、ブリッジ回路の一方向通路(41)を常に一方向に流通する。具体的には、第1補助熱交換器(34)に流入した冷媒は、室外空気に放熱して凝縮し、電動膨張弁(36)を通過する際に減圧される。減圧後の冷媒は、第2補助熱交換器(35)に流入して室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、冷媒回路(15)において電動膨張弁(33)で減圧された冷媒に合流する。
【0055】
合流後の冷媒は、第2吸着熱交換器(32)へ流入して室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、圧縮機(16)へ吸入されて圧縮される。
【0056】
このように、第1動作中の冷媒回路(15)では、第1吸着熱交換器(31)及び第1補助熱交換器(34)が凝縮器となり、第2吸着熱交換器(32)及び第2補助熱交換器(35)が蒸発器となる。
【0057】
また、第1動作中には、図3に示すように、第1右下ダンパ(73)及び第2右上ダンパ(72)が開状態となり、第1右上ダンパ(71)及び第2右下ダンパ(74)が閉状態となる。また、第1左上ダンパ(75)及び第2左下ダンパ(78)が開状態となり、第1左下ダンパ(77)及び第2左上ダンパ(76)が閉状態となる。
【0058】
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した室内空気は、第2左下ダンパ(78)を通って第2吸着熱交換器(32)の下側へ流入し、第2吸着熱交換器(32)を下から上へ向かって通過する。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着剤に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた室内空気は、第2右上ダンパ(72)を通って右上流路(61)へ流入し、その後に排気側流路(65)へ流入する。排気側流路(65)へ流入した室内空気は、第2補助熱交換器(35)を通過する際に冷媒と熱交換し、この冷媒へ放熱する。その後、室内空気は、排気口(54)から室外へ排出される。
【0059】
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した室外空気は、第1補助熱交換器(34)を通過する際に冷媒と熱交換し、冷媒から吸熱して昇温する。昇温後の室外空気は、第1右下ダンパ(73)を通って第1吸着熱交換器(31)の下側へ流入し、第1吸着熱交換器(31)を下から上へ向かって通過する。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が室外空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された室外空気は、第1左上ダンパ(75)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
【0060】
加湿運転時の第2動作について説明する。この第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが行われる。
【0061】
第2動作中の冷媒回路(15)では、図2(B)に示すように、コントローラ(100)によって四路切換弁(17)が第2状態に設定され、電動膨張弁(33)及び電動膨張弁(36)の開度が適宜調節される。冷媒回路(15)において、圧縮機(16)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)に流入して室外空気に放熱して凝縮する。凝縮後の冷媒の一部は、電動膨張弁(33)に並列に接続された補助回路(40)に流入し、残りは電動膨張弁(33)に流入して該電動膨張弁(33)において減圧される。
【0062】
ここで、上述のように、補助回路(40)はブリッジ回路に構成されている。そのため、補助回路(40)に流入した冷媒は、ブリッジ回路の一方向通路(41)を常に一方向に流通する。具体的には、第1補助熱交換器(34)に流入した冷媒は、室外空気に放熱して凝縮し、電動膨張弁(36)を通過する際に減圧される。減圧後の冷媒は、第2補助熱交換器(35)に流入して室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、冷媒回路(15)において電動膨張弁(33)で減圧された冷媒に合流する。
【0063】
合流後の冷媒は、第1吸着熱交換器(31)へ流入して室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、圧縮機(16)へ吸入されて圧縮される。
【0064】
このように、第2動作中の冷媒回路(15)では、第2吸着熱交換器(32)及び第1補助熱交換器(34)が凝縮器となり、第1吸着熱交換器(31)及び第2補助熱交換器(35)が蒸発器となる。
【0065】
また、第2動作中には、図4に示すように、第1右上ダンパ(71)及び第2右下ダンパ(74)が開状態となり、第1右下ダンパ(73)及び第2右上ダンパ(72)が閉状態となる。また、第1左下ダンパ(77)及び第2左上ダンパ(76)が開状態となり、第1左上ダンパ(75)及び第2左下ダンパ(78)が閉状態となる。
【0066】
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した室内空気は、第1左下ダンパ(77)を通って第1吸着熱交換器(31)の下側へ流入し、第1吸着熱交換器(31)を下から上へ向かって通過する。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着剤に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、第1右上ダンパ(71)を通って右上流路(61)へ流入し、その後に排気側流路(65)へ流入する。排気側流路(65)へ流入した室内空気は、第2補助熱交換器(35)を通過する際に冷媒と熱交換し、この冷媒へ放熱する。その後、室内空気は、排気口(54)から室外へ排出される。
【0067】
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した室外空気は、第1補助熱交換器(34)を通過する際に冷媒と熱交換し、冷媒から吸熱して昇温する。昇温後の室外空気は、第2右下ダンパ(74)を通って第2吸着熱交換器(32)の下側へ流入し、第2吸着熱交換器(32)を下から上へ向かって通過する。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が室外空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室外空気は、第2左上ダンパ(76)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
【0068】
このように、本実施形態1では、加湿運転中の第1動作では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器となり、第2動作では、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器となる。また、加湿運転中の第1動作においても第2動作においても、第1補助熱交換器(34)は凝縮器となり、第2補助熱交換器(35)は蒸発器となる。
【0069】
そして、加湿運転中の第1動作では、凝縮器となる第1補助熱交換器(34)が室外空気の流れの放湿吸着熱交換器となる第1吸着熱交換器(31)の上流側に位置する一方、第2動作では、凝縮器となる第1補助熱交換器(34)が室外空気の流れの放湿吸着熱交換器となる第2吸着熱交換器(32)の上流側に位置することとなる。つまり、第1補助熱交換器(34)は、加湿運転の際に、空気通路における室外空気の流れの放湿吸着熱交換器の上流側に位置し且つ凝縮器として機能して室外空気を加熱する予熱熱交換器となる。そして、加湿運転中には、予熱熱交換器で予熱された室外空気が放湿吸着熱交換器に供給され、該放湿吸着熱交換器において加湿されて室内へ供給されることとなる。
【0070】
具体的には、室外空気は、まず、予熱熱交換器を通過する際に冷媒と熱交換して該冷媒から吸熱する。これにより、室外空気の相対湿度が低下する。次に、室外空気は、放湿吸着熱交換器を通過する。このとき、放湿吸着熱交換器では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が室外空気に付与される。なお、上述のように、放湿吸着熱交換器を通過する室外空気は、予熱熱交換器において予め加熱されて相対湿度が低下しているため、放湿吸着熱交換器の吸着剤から脱離した水分が含まれ易くなり、脱離した水分の多くが室外空気に含まれることとなる。そのため、放湿吸着熱交換器において水分が十分に付与された室外空気が室内に供給されることによって、室内が十分に加湿される。
【0071】
一方、加湿運転中の第1動作では、蒸発器となる第2補助熱交換器(35)が室内空気の流れの吸湿吸着熱交換器となる第2補助熱交換器(35)の下流側に位置する一方、第2動作では、蒸発器となる第2補助熱交換器(35)が室内空気の流れの吸湿吸着熱交換器となる第1吸着熱交換器(31)の下流側に位置することとなる。つまり、第2補助熱交換器(35)は、加湿運転の際に、空気通路における室内空気の流れの吸湿吸着熱交換器の下流側に位置し且つ蒸発器として機能して室内空気の熱を回収する熱回収熱交換器となる。そして、加湿運転中には、吸湿吸着熱交換器で除湿された室内空気が熱回収熱交換器に供給され、該熱回収熱交換器において冷媒に吸熱されて室内へ供給されることとなる。
【0072】
具体的には、室内空気は、まず、吸湿吸着熱交換器を通過する。このとき、室内空気中の水分は吸着剤に吸着され、室内空気が除湿される。そして、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。吸湿吸着熱交換器で水分を奪われた室内空気は、熱回収熱交換器(を通過する際に冷媒と熱交換して該冷媒へ放熱した後、室外へ排出される。
【0073】
〈除湿運転〉
除湿運転中の調湿装置(10)では、コントローラ(100)によって給気ファン(82)及び排気ファン(81)が運転される。給気ファン(82)を運転すると、室外空気が外気吸込口(51)からケーシング(50)内へ取り込まれる。排気ファン(81)を運転すると、室内空気が内気吸込口(53)からケーシング(50)内へ取り込まれる。また、除湿運転中の調湿装置(10)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返される。
【0074】
除湿運転時の第1動作について説明する。この第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが行われる。
【0075】
第1動作中の冷媒回路(15)では、図5(A)に示すように、コントローラ(100)によって四路切換弁(17)が第1状態に設定され、電動膨張弁(36)が所定の最低開度に設定され、電動膨張弁(33)の開度が適宜調節される。冷媒回路(15)において、圧縮機(16)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)に流入し、該第1吸着熱交換器(31)で室内空気に放熱して凝縮する。凝縮後の冷媒は、電動膨張弁(33)に流入して該電動膨張弁(33)において減圧される。減圧後の冷媒は、第2吸着熱交換器(32)へ流入し、該第2吸着熱交換器(32)で室外空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、圧縮機(16)へ吸入されて圧縮される。
【0076】
なお、除湿運転では、電動膨張弁(36)が所定の最小開度に設定されているため、第1吸着熱交換器(31)において凝縮後の冷媒は、ほとんど補助回路(40)に流入しないが、微量の冷媒が補助回路(40)に流入する。
【0077】
また、この第1動作中には、図6に示すように、第1右上ダンパ(71)及び第2右下ダンパ(74)が開状態となり、第1右下ダンパ(73)及び第2右上ダンパ(72)が閉状態となる。また、第1左下ダンパ(77)及び第2左上ダンパ(76)が開状態となり、第1左上ダンパ(75)及び第2左下ダンパ(78)が閉状態となる。
【0078】
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した室外空気は、第1補助熱交換器(34)を通過した後に、第2右下ダンパ(74)を通って第2吸着熱交換器(32)の下側へ流入し、第2吸着熱交換器(32)を下から上へ向かって通過する。第2吸着熱交換器(32)では、室外空気中の水分が吸着剤に吸着されて室外空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室外空気は、第2左上ダンパ(76)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
【0079】
なお、上述のように、第1補助熱交換器(34)にはほとんど冷媒が流入しない。そのため、室外空気が第1補助熱交換器(34)を通過する際に、室外空気は冷媒とほとんど熱交換しない。
【0080】
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した室内空気は、第1左下ダンパ(77)を通って第1吸着熱交換器(31)の下側へ流入し、第1吸着熱交換器(31)を下から上へ向かって通過する。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が室内空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、室内空気と共に第1右上ダンパ(71)を通って右上流路(61)へ流入し、その後に排気側流路(65)へ流入する。排気側流路(65)へ流入した室内空気は、第2補助熱交換器(35)を通過した後に、排気口(54)から室外へ排出される。
【0081】
なお、上述のように、第2補助熱交換器(35)にはほとんど冷媒が流入しない。そのため、室内空気が第2補助熱交換器(35)を通過する際に、室内空気は冷媒とほとんど熱交換しない。
【0082】
除湿運転時の第2動作について説明する。この第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが行われる。
【0083】
第2動作中の冷媒回路(15)では、図5(B)に示すように、コントローラ(100)によって四路切換弁(17)が第2状態に設定され、電動膨張弁(36)が所定の最低開度に設定され、電動膨張弁(33)の開度が適宜調節される。冷媒回路(15)において、圧縮機(16)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)に流入し、該第2吸着熱交換器(32)で室内空気に放熱して凝縮する。凝縮後の冷媒は、電動膨張弁(33)に流入して該電動膨張弁(33)において減圧される。減圧後の冷媒は、第1吸着熱交換器(31)へ流入し、該第1吸着熱交換器(31)で室外空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、圧縮機(16)へ吸入されて圧縮される。
【0084】
なお、除湿運転では、電動膨張弁(36)が所定の最小開度に設定されているため、第2吸着熱交換器(32)において凝縮後の冷媒は、ほとんど補助回路(40)に流入しないが、微量の冷媒が補助回路(40)に流入する。
【0085】
また、この第2動作中には、図7に示すように、第1右下ダンパ(73)及び第2右上ダンパ(72)が開状態となり、第1右上ダンパ(71)及び第2右下ダンパ(74)が閉状態となる。また、第1左上ダンパ(75)及び第2左下ダンパ(78)が開状態となり、第1左下ダンパ(77)及び第2左上ダンパ(76)が閉状態となる。
【0086】
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した室外空気は、第1補助熱交換器(34)を通過した後に、第1右下ダンパ(73)を通って第1吸着熱交換器(31)の下側へ流入し、第1吸着熱交換器(31)を下から上へ向かって通過する。第1吸着熱交換器(31)では、室外空気中の水分が吸着剤に吸着されて室外空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室外空気は、第1左上ダンパ(75)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
【0087】
なお、上述のように、第1補助熱交換器(34)にはほとんど冷媒が流入しない。そのため、室外空気が第1補助熱交換器(34)を通過する際に、室外空気は冷媒とほとんど熱交換しない。
【0088】
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した室内空気は、第2左下ダンパ(78)を通って第2吸着熱交換器(32)の下側へ流入し、第2吸着熱交換器(32)を下から上へ向かって通過する。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が室内空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、室内空気と共に第2右上ダンパ(72)を通って右上流路(61)へ流入し、その後に排気側流路(65)へ流入する。排気側流路(65)へ流入した室内空気は、第2補助熱交換器(35)を通過下後に、排気口(54)から室外へ排出される。
【0089】
なお、上述のように、第2補助熱交換器(35)にはほとんど冷媒が流入しない。そのため、室内空気が第2補助熱交換器(35)を通過する際に、室内空気は冷媒とほとんど熱交換しない。
【0090】
−実施形態1の効果−
上記調湿装置(10)によれば、加湿運転中の調湿装置(10)において、室外空気を予熱熱交換器となる第1補助熱交換器(34)で冷媒によって加熱した後に第1及び第2吸着熱交換器(31,32)のうちの放湿吸着熱交換器を通過させることとした。そのため、低外気温時においても、放湿吸着熱交換器の吸着剤から脱離した水分の多くを室外空気に含ませることができる。よって、室内を十分に加湿することができる。また、加湿運転中の調湿装置(10)において、室内空気を第1及び第2吸着熱交換器(31,32)のうちの吸湿吸着熱交換器で除湿した後に熱回収熱交換器となる第2補助熱交換器(35)を通過させることとした。そのため、室内空気中の水分が第2補助熱交換器(35)で結露することがなく、吸湿吸着熱交換器において室内空気中の水分を十分に回収しつつ、室内空気から十分に冷媒に熱回収することができる。従って、上記構成によれば、低外気温時においても、室内を十分に加湿することが可能となる。
【0091】
ところで、加湿運転は主に冬季に暖房と併用されるが、外気温度が著しく低い低外気温時に加湿運転を行うと、室内へ供給される加湿後の室外空気の温度が室内温度よりも低くなって室内の暖房負荷の増大を招くおそれがある。
【0092】
しかしながら、上記調湿装置(10)では、予熱熱交換器となる第1補助熱交換器(34)において室外空気をある程度加熱することができる。また、上記調湿装置(10)では、吸湿吸着熱交換器だけでなく熱回収熱交換器となる第2補助熱交換器(35)においても冷媒が室内空気から熱量を回収することとしたため、放湿吸着熱交換器及び第1補助熱交換器(34)における冷媒の放熱量が増大する。従って、上記調湿装置(10)によれば、低外気温時における加湿運転中であっても、室外空気に対する冷媒の放熱量を十分に確保することができるため、室内の暖房負荷の増大を抑制することができる。
【0093】
また、上記調湿装置(10)では、冷媒回路に、予熱熱交換器となる第1補助熱交換器(34)と膨張弁(36)と熱回収熱交換器となる第2補助熱交換器(35)とが順に直列に接続された補助回路(40)を設けている。その結果、室外空気の予熱及び室内空気から冷媒への熱回収が不必要な場合に、補助回路(40)の膨張弁(36)を閉鎖する又は最小開度まで絞ることにより、第1補助熱交換器(34)及び第2補助熱交換器(35)における無駄な圧力損失を防止することができる。よって、冷凍サイクルの効率低下を抑制することができる。
【0094】
また、上記調湿装置(10)では、上記補助回路(40)の一方向通路(41)に予熱熱交換器となる第1補助熱交換器(34)と膨張弁(36)と熱回収熱交換器となる第2補助熱交換器(35)を設けることとしている。そのため、冷媒回路(15)の冷媒循環方向が逆転しても、一方向通路(41)には冷媒が一方向に流通するため、第1補助熱交換器(34)及び第2補助熱交換器(35)が予熱熱交換器と熱回収熱交換器とに切り換わることがなく、常に第1補助熱交換器(34)が予熱熱交換器となり、第2補助熱交換器(35)が熱回収熱交換器となる。第1補助熱交換器(34)及び第2補助熱交換器(35)が冷媒回路(15)の冷媒循環方向の逆転に応じて予熱熱交換器と熱回収熱交換器とに切り換わると、切換後に熱容量損失を生じてしまうが、上述のように構成することにより、このような熱容量損失の発生を防止できる。
【0095】
また、上記調湿装置(10)によれば、冷媒回路(15)における冷媒循環方向が逆転しても冷媒が一方向に流れる一方向通路(41)を有する補助回路(40)をブリッジ回路によって構成することにより、補助回路(40)を容易に構成することができる。
【0096】
また、上記調湿装置(10)によれば、除湿運転の際に、補助回路(40)の膨張弁(36)を所定の最小開度に開いて補助回路(40)における冷媒の流通を僅かに担保することにより、第1補助熱交換器(34)への冷媒の溜まり込みを抑制することができる。従って、冷媒回路(15)における冷媒循環量の低下による冷凍サイクルの効率低下を抑制することができる。
【0097】
《発明の実施形態2》
実施形態2の調湿装置(10)は、実施形態1の調湿装置(10)の回路構成を変更したものである。
【0098】
図8に示すように、実施形態2の調湿装置(10)では、補助回路(40)が圧縮機(16)の吐出側と吸入側とを接続するバイパス通路(42)によって構成されている。具体的には、バイパス通路(42)は、一端が圧縮機(16)の吐出側と四路切換弁(17)の第1ポートとを接続する吐出配管の中途部に接続され、他端が圧縮機(16)の吸入側と四路切換弁(17)の第2ポートとを接続する吸入配管の中途部に接続されている。バイパス通路(42)には、圧縮機(16)の吐出側から吸入側に向かって第1補助熱交換器(34)と膨張弁(36)と第2補助熱交換器(35)とが順に直列に接続されている。
【0099】
バイパス通路(42)は、このように圧縮機(16)の吐出配管と吸入配管とに接続されることにより、四路切換弁(17)が切り換わって冷媒回路(15)における冷媒循環方向が変更されても冷媒が一方向に流通する一方向流路を構成する。これにより、本実施形態においても、冷媒回路(15)における冷媒循環方向に関わりなく、常に第1補助熱交換器(34)が凝縮器となり、第2補助熱交換器(35)が蒸発器となる。
【0100】
図8(A)に示すように、加湿運転時の第1動作では、コントローラ(100)によって四路切換弁(17)が第1状態に設定され、冷媒回路(15)の電動膨張弁(33)及び補助回路(40)の電動膨張弁(36)の開度が適宜調節される。
【0101】
冷媒回路(15)において、圧縮機(16)から吐出された冷媒は、一部が吐出配管に接続された補助回路(40)のバイパス通路(42)に流入し、残りは四路切換弁(17)を通過して第1吸着熱交換器(31)側へ流れる。バイパス通路(42)では、第1補助熱交換器(34)、電動膨張弁(36)、第2補助熱交換器(35)の順に冷媒が通過する。第1補助熱交換器(34)で室外空気に放熱して凝縮した冷媒は、電動膨張弁(36)で減圧された後、第2補助熱交換器(35)で室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、冷媒回路(15)の圧縮機(16)の吸入配管に流入する。一方、冷媒回路(15)では、第1吸着熱交換器(31)、電動膨張弁(33)、第2吸着熱交換器(32)の順に冷媒が通過する。第1吸着熱交換器(31)で室外空気に放熱して凝縮した冷媒は、電動膨張弁(33)において減圧された後、第2吸着熱交換器(32)で室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、圧縮機(16)の吸入配管においてバイパス通路(42)からの冷媒と合流し、圧縮機(16)へ吸入されて圧縮される。
【0102】
上述のように冷媒回路(15)及び補助回路(40)において冷媒が流通する際に、室内から取り込まれた室内空気は、第2吸着熱交換器(32)、第2補助熱交換器(35)の順に通過して室外へ排出される。室内空気は、第2吸着熱交換器(32)において室内空気中の水分が吸着剤に吸着されて除湿され、その際に生じた吸着熱は冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、第2補助熱交換器(35)を通過する際に冷媒に吸熱された後、室外へ排出される。一方、室外から取り込まれた室外空気は、第1補助熱交換器(34)、第1吸着熱交換器(31)の順に通過して室内へ供給される。室外空気は、第1補助熱交換器(34)を通過する際に冷媒によって加熱された後、第1吸着熱交換器(31)において冷媒で加熱されて吸着剤から脱離した水分が付与されて加湿され、その後、室内へ供給される。
【0103】
図8(B)に示すように、加湿運転時の第2動作では、コントローラ(100)によって四路切換弁(17)が第2状態に設定され、冷媒回路(15)の電動膨張弁(33)及び補助回路(40)の電動膨張弁(36)の開度が適宜調節される。
【0104】
冷媒回路(15)において、圧縮機(16)から吐出された冷媒は、一部が吐出配管に接続された補助回路(40)のバイパス通路(42)に流入し、残りは四路切換弁(17)を通過して第2吸着熱交換器(32)側へ流れる。バイパス通路(42)では、第1補助熱交換器(34)、電動膨張弁(36)、第2補助熱交換器(35)の順に冷媒が通過する。第1補助熱交換器(34)で室外空気に放熱して凝縮した冷媒は、電動膨張弁(36)で減圧された後、第2補助熱交換器(35)で室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、冷媒回路(15)の圧縮機(16)の吸入配管に流入する。一方、冷媒回路(15)では、第2吸着熱交換器(32)、電動膨張弁(33)、第1吸着熱交換器(31)の順に冷媒が通過する。第2吸着熱交換器(32)で室外空気に放熱して凝縮した冷媒は、電動膨張弁(33)において減圧された後、第1吸着熱交換器(31)で室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、圧縮機(16)の吸入配管においてバイパス通路(42)からの冷媒と合流し、圧縮機(16)へ吸入されて圧縮される。
【0105】
上述のように冷媒回路(15)及び補助回路(40)において冷媒が流通する際に、室内から取り込まれた室内空気は、第1吸着熱交換器(31)、第2補助熱交換器(35)の順に通過して室外へ排出される。室内空気は、第1吸着熱交換器(31)において室内空気中の水分が吸着剤に吸着されて除湿され、その際に生じた吸着熱は冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、第2補助熱交換器(35)を通過する際に冷媒に吸熱された後、室外へ排出される。一方、室外から取り込まれた室外空気は、第1補助熱交換器(34)、第2吸着熱交換器(32)の順に通過して室内へ供給される。室外空気は、第1補助熱交換器(34)を通過する際に冷媒によって加熱された後、第2吸着熱交換器(32)において冷媒で加熱されて吸着剤から脱離した水分が付与されて加湿され、その後、室内へ供給される。
【0106】
なお、除湿運転中における調湿装置(10)の動作は、電動膨張弁(36)を所定の最小開度に設定して補助回路(40)へ微量な冷媒のみが流入するようにし、第1動作と第2動作の空気の流れを逆転させて除湿した室外空気を室内へ供給して加湿した室内空気を室外へ排出する点を除けば加湿運転中の動作と同様である。
【0107】
このように、本実施形態においても、加湿運転中の第1動作では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器となり、第2動作では、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器となる。また、加湿運転中の第1動作においても第2動作においても、第1補助熱交換器(34)は凝縮器となり、第2補助熱交換器(35)は蒸発器となる。
【0108】
そして、加湿運転中の第1動作では、凝縮器となる第1補助熱交換器(34)が室外空気の流れの放湿吸着熱交換器となる第1吸着熱交換器(31)の上流側に位置する一方、第2動作では、凝縮器となる第1補助熱交換器(34)が室外空気の流れの放湿吸着熱交換器となる第2吸着熱交換器(32)の上流側に位置することとなる。つまり、第1補助熱交換器(34)は、加湿運転の際に、空気通路における室外空気の流れの放湿吸着熱交換器の上流側に位置し且つ凝縮器として機能して室外空気を加熱する予熱熱交換器となる。その結果、第1補助熱交換器(34)で予熱された室外空気が放湿吸着熱交換器に供給され、該放湿吸着熱交換器において加湿されて室内へ供給されることとなる。
【0109】
一方、加湿運転中の第1動作では、蒸発器となる第2補助熱交換器(35)が室内空気の流れの吸湿吸着熱交換器となる第2補助熱交換器(35)の下流側に位置する一方、第2動作では、蒸発器となる第2補助熱交換器(35)が室内空気の流れの吸湿吸着熱交換器となる第1吸着熱交換器(31)の下流側に位置することとなる。つまり、第2補助熱交換器(35)は、加湿運転の際に、空気通路における室内空気の流れの吸湿吸着熱交換器の下流側に位置し且つ蒸発器として機能して室内空気の熱を回収する熱回収熱交換器となる。その結果、吸湿吸着熱交換器で除湿された室内空気が第2補助熱交換器に供給され、該第2補助熱交換器において冷媒に吸熱されて室内へ供給されることとなる。
【0110】
以上より、実施形態2においても実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0111】
《発明の実施形態3》
実施形態3の調湿装置(10)は、実施形態1の調湿装置(10)の回路構成及び空気通路を変更したものである。
【0112】
図9に示すように、実施形態3の調湿装置(10)では、補助回路(40)が、第1吸着熱交換器(31)及び第2吸着熱交換器(32)のそれぞれに接続されたガス配管どうしを接続するバイパス通路(43)によって構成されている。具体的には、バイパス通路(43)は、一端が第1吸着熱交換器(31)と四路切換弁(17)の第3ポートとを接続するガス配管の中途部に接続され、他端が第2吸着熱交換器(32)と四路切換弁(17)の第4ポートとを接続する吸入配管の中途部に接続されている。バイパス通路(43)には、四路切換弁(17)の第3ポート側から第4ポート側に向かって第1補助熱交換器(34)と膨張弁(36)と第2補助熱交換器(35)とが順に直列に接続されている。
【0113】
バイパス通路(43)は、本実施形態では、冷媒回路(15)における冷媒循環方向に応じて冷媒の流通方向が逆転する。これにより、本実施形態では、四路切換弁(17)が第1状態となると、第1補助熱交換器(34)が凝縮器となり、第2補助熱交換器(35)が蒸発器となる。一方、四路切換弁(17)が第2状態となると、第2補助熱交換器(35)が凝縮器となり、第1補助熱交換器(34)が蒸発器となる。
【0114】
図9(A)に示すように、加湿運転時の第1動作では、コントローラ(100)によって四路切換弁(17)が第1状態に設定され、冷媒回路(15)の電動膨張弁(33)及び補助回路(40)の電動膨張弁(36)の開度が適宜調節される。
【0115】
冷媒回路(15)において、圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四路切換弁(17)を通過して第1吸着熱交換器(31)側へ流れ、一部が補助回路(40)のバイパス通路(43)に流入し、残りが第1吸着熱交換器(31)に流入する。バイパス通路(43)では、第1補助熱交換器(34)、電動膨張弁(36)、第2補助熱交換器(35)の順に冷媒が通過する。第1補助熱交換器(34)で室外空気に放熱して凝縮した冷媒は、電動膨張弁(36)で減圧された後、第2補助熱交換器(35)で室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、冷媒回路(15)の第2吸着熱交換器(32)に接続されたガス配管に流入する。一方、冷媒回路(15)では、第1吸着熱交換器(31)、電動膨張弁(33)、第2吸着熱交換器(32)の順に冷媒が通過する。第1吸着熱交換器(31)で室外空気に放熱して凝縮した冷媒は、電動膨張弁(33)において減圧された後、第2吸着熱交換器(32)で室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、バイパス通路(43)からの冷媒と合流し、圧縮機(16)へ吸入されて圧縮される。
【0116】
実施形態3では、上述のように冷媒回路(15)及び補助回路(40)において冷媒が流通する際に、以下のように空気が流れるように空気通路が形成されている。
【0117】
室内から取り込まれた室内空気は、第2吸着熱交換器(32)、第2補助熱交換器(35)の順に通過して室外へ排出される。室内空気は、第2吸着熱交換器(32)において室内空気中の水分が吸着剤に吸着されて除湿され、その際に生じた吸着熱は冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、第2補助熱交換器(35)を通過する際に冷媒に吸熱された後、室外へ排出される。一方、室外から取り込まれた室外空気は、第1補助熱交換器(34)、第1吸着熱交換器(31)の順に通過して室内へ供給される。室外空気は、第1補助熱交換器(34)を通過する際に冷媒によって加熱された後、第1吸着熱交換器(31)において冷媒で加熱されて吸着剤から脱離した水分が付与されて加湿され、その後、室内へ供給される。
【0118】
図9(B)に示すように、加湿運転時の第2動作では、コントローラ(100)によって四路切換弁(17)が第2状態に設定され、冷媒回路(15)の電動膨張弁(33)及び補助回路(40)の電動膨張弁(36)の開度が適宜調節される。
【0119】
冷媒回路(15)において、圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四路切換弁(17)を通過して第2吸着熱交換器(32)側へ流れ、一部が補助回路(40)のバイパス通路(43)に流入し、残りが第2吸着熱交換器(32)に流入する。バイパス通路(43)では、第2補助熱交換器(35)、電動膨張弁(36)、第1補助熱交換器(34)の順に冷媒が通過する。第2補助熱交換器(35)で室外空気に放熱して凝縮した冷媒は、電動膨張弁(36)で減圧された後、第1補助熱交換器(34)で室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、冷媒回路(15)の第1吸着熱交換器(31)に接続されたガス配管に流入する。一方、冷媒回路(15)では、第2吸着熱交換器(32)、電動膨張弁(33)、第1吸着熱交換器(31)の順に冷媒が通過する。第2吸着熱交換器(32)で室外空気に放熱して凝縮した冷媒は、電動膨張弁(33)において減圧された後、第1吸着熱交換器(31)で室内空気から吸熱して蒸発する。蒸発後の冷媒は、バイパス通路(43)からの冷媒と合流し、圧縮機(16)へ吸入されて圧縮される。
【0120】
また、実施形態3の上記空気通路は、上述のように冷媒回路(15)及び補助回路(40)において冷媒が流通する際に、以下のように空気が流れるように形成されている。
【0121】
室内から取り込まれた室内空気は、第1吸着熱交換器(31)、第1補助熱交換器(34)の順に通過して室外へ排出される。室内空気は、第1吸着熱交換器(31)において室内空気中の水分が吸着剤に吸着されて除湿され、その際に生じた吸着熱は冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、第1補助熱交換器(34)を通過する際に冷媒に吸熱された後、室外へ排出される。一方、室外から取り込まれた室外空気は、第2補助熱交換器(35)、第2吸着熱交換器(32)の順に通過して室内へ供給される。室外空気は、第2補助熱交換器(35)を通過する際に冷媒によって加熱された後、第2吸着熱交換器(32)において冷媒で加熱されて吸着剤から脱離した水分が付与されて加湿され、その後、室内へ供給される。
【0122】
除湿運転中における調湿装置(10)の動作は、電動膨張弁(36)を所定の最小開度に設定して補助回路(40)へ微量な冷媒のみが流入するようにし、第1動作と第2動作の空気の流れを逆転させて除湿した室外空気を室内へ供給して加湿した室内空気を室外へ排出する点を除けば加湿運転中の動作と同様である。
【0123】
このように、本実施形態においても、加湿運転中の第1動作では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器となり、第2動作では、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器として機能する放湿吸着熱交換器となる。また、本実施形態では、加湿運転中の第1動作では第1補助熱交換器(34)が凝縮器となり、第2補助熱交換器(35)は蒸発器となる。一方、加湿運転中の第2動作では、第2補助熱交換器(35)が凝縮器となり、第1補助熱交換器(34)が蒸発器となる。
【0124】
そして、加湿運転中の第1動作では、凝縮器となる第1補助熱交換器(34)が室外空気の流れの放湿吸着熱交換器となる第1吸着熱交換器(31)の上流側に位置する一方、第2動作では、凝縮器となる第2補助熱交換器(35)が室外空気の流れの放湿吸着熱交換器となる第2吸着熱交換器(32)の上流側に位置することとなる。つまり、加湿運転中の第1動作の際には第1補助熱交換器(34)が予熱熱交換器となり、第2動作の際には第2補助熱交換器(35)が予熱熱交換器となる。そして、本実施形態においても、加湿運転中には、予熱熱交換器で予熱された室外空気が放湿吸着熱交換器に供給され、該放湿吸着熱交換器において加湿されて室内へ供給されることとなる。
【0125】
一方、加湿運転中の第1動作では、蒸発器となる第2補助熱交換器(35)が室内空気の流れの吸湿吸着熱交換器となる第2補助熱交換器(35)の下流側に位置する一方、第2動作では、蒸発器となる第1吸着熱交換器(31)が室内空気の流れの吸湿吸着熱交換器となる第2補助熱交換器(35)の下流側に位置することとなる。つまり、加湿運転中の第1動作の際には第2補助熱交換器(35)が熱回収熱交換器となり、第2動作の際には第1補助熱交換器(34)が熱回収熱交換器となる。そして、本実施形態においても、吸湿吸着熱交換器で除湿された室内空気が熱回収熱交換器に供給され、該熱回収熱交換器において冷媒に吸熱されて室内へ供給されることとなる。
【0126】
以上より、実施形態3においても実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0127】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0128】
上記各実施形態では、吸着剤として、シリカゲルやゼオライト等の主に水蒸気の吸着を行う材料だけでなく、水蒸気の吸着と吸収の両方を行う材料を用いてもよい。具体的には、例えば、吸湿性を有する有機高分子材料が吸着剤として用いることができる。吸着剤として用いられる有機高分子材料では、分子中に親水性の極性基を有する複数の高分子主鎖が互いに架橋されており、互いに架橋された複数の高分子主鎖が三次元構造体を形成している。このような吸着剤は、水蒸気を捕捉(即ち、吸湿)することによって膨潤する。この吸着剤が吸湿することによって膨潤するメカニズムは、以下のようなものと推測される。つまり、この吸着剤が吸湿する際には、親水性の極性基の回りに水蒸気が吸着され、親水性の極性基と水蒸気が反応することで生じた電気的な力が高分子主鎖に作用し、その結果、高分子主鎖が変形する。そして、変形した高分子主鎖同士の隙間へ水蒸気が毛細管力によって取り込まれ、水蒸気が入り込むことによって複数の高分子主鎖からなる三次元構造体が膨らみ、その結果、吸着剤の体積が増加する。
【0129】
このように、上記吸着剤では、水蒸気が吸着剤に吸着される現象と、水蒸気が吸着剤に吸収される現象の両方が起こる。つまり、この吸着剤には、水蒸気が収着される。また、この吸着剤に捕捉された水蒸気は、互いに架橋された複数の高分子主鎖からなる三次元構造体の表面だけでなく、その内部にまで入り込む。その結果、この吸着剤には、表面に水蒸気を吸着するだけのゼオライト等に比べ、多量の水蒸気が捕捉される。
【0130】
また、上記吸着剤は、水蒸気を放出(即ち、放湿)することによって収縮する。つまり、この吸着剤が放湿する際には、高分子主鎖同士の隙間に捕捉された水の量が減少し、複数の高分子主鎖で構成された三次元構造体の形状が元に戻ることにより、吸着剤の体積が減少する。
【0131】
なお、上記吸着剤として用いられる材料は、吸湿することによって膨潤して放湿することによって収縮するものであれば上述した材料に限定されず、例えば、吸湿性を有するイオン交換樹脂であってもよい。
【0132】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0133】
以上説明したように、本発明は、吸着剤を用いて室内の湿度を調節する調湿装置について有用である。
【符号の説明】
【0134】
10 調湿装置
15 冷媒回路
16 圧縮機
31 第1吸着熱交換器(吸着熱交換器)
32 第2吸着熱交換器(吸着熱交換器)
33 電動膨張弁(膨張機構)
34 第1補助熱交換器(予熱熱交換器、熱回収熱交換器)
35 第2補助熱交換器(熱回収熱交換器、予熱熱交換器)
36 電動膨張弁(膨張弁)
40 補助回路
41 一方向通路(一方向流路)
42 バイパス通路(一方向流路)
100 コントローラ(制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9