特許第5786872号(P5786872)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5786872
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】車両の情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20060101AFI20150910BHJP
   B60K 6/22 20071001ALI20150910BHJP
   B60K 6/442 20071001ALI20150910BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   B60L3/00 S
   B60K6/22ZHV
   B60K6/442
   B60R16/02 640K
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-558096(P2012-558096)
(86)(22)【出願日】2012年8月20日
(86)【国際出願番号】JP2012005200
(87)【国際公開番号】WO2013132547
(87)【国際公開日】20130912
【審査請求日】2013年7月12日
(31)【優先権主張番号】特願2012-52544(P2012-52544)
(32)【優先日】2012年3月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】松岡 康仁
(72)【発明者】
【氏名】坂本 康弘
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 厚
(72)【発明者】
【氏名】阿部 雅子
【審査官】 清水 康
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−098501(JP,A)
【文献】 実開昭64−027615(JP,U)
【文献】 特開2000−247164(JP,A)
【文献】 特開平11−220808(JP,A)
【文献】 特開2005−009381(JP,A)
【文献】 特開2006−067669(JP,A)
【文献】 特開2002−247706(JP,A)
【文献】 特開2001−231109(JP,A)
【文献】 特開2007−118641(JP,A)
【文献】 特表2008−501573(JP,A)
【文献】 特開2009−137553(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0057281(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0305795(US,A1)
【文献】 特開2004−078585(JP,A)
【文献】 特開平11−098603(JP,A)
【文献】 特開2009−029181(JP,A)
【文献】 FUGA HYBRID Y51型車 新型車解説書,日本,日産自動車株式会社,2010年10月,GI−7,9
【文献】 FUGA HYBRID Y51型車 新型車解説書,日本,日産自動車株式会社,2010年10月,GI−9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 3/00
B60R 16/02
G01C 21/26
B62D 11/00 − 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーを蓄えるバッテリと、前記エネルギーによって駆動される電動機と、前記電動機によって回転される車輪とを備える車両に搭載される車両の情報表示装置であって、
前記情報表示装置は、
前記エネルギーの伝達状態を判別するエネルギー伝達状態判別装置と、
前記バッテリを示すバッテリアイコンと、前記車輪を示す車輪アイコンと、前記エネルギーの伝達状態を示すエネルギー伝達状態表示部とを表示する表示装置と、
を有し、
前記車両は、エネルギーを発生する内燃機関を更に備え、
前記表示装置は、前記内燃機関を示す内燃機関アイコンを更に表示し、
前記エネルギー伝達状態表示部は、前記内燃機関アイコンと前記バッテリアイコンと前記車輪アイコンとのそれぞれの間をダイレクトに掛け渡して表示するとともに、それぞれの間における前記エネルギーの伝達の有無および前記エネルギーの伝達方向を表示するものであり、
前記車輪アイコンは、
前記車輪の輪郭を表現する車輪画と、
前記車輪の回転方向を示す矢印線とで構成され、
前記矢印線を前記車輪画で表現された車輪の外周に沿って前記車輪画に重ねて表示し、
前記矢印線は、幅をもって曲線状に延在する曲線部と、前記曲線部の先部で該先部の幅方向の両側からそれぞれ突出された突起部とで構成され、
前記矢印線は、前記バッテリと車輪とのエネルギー伝達に対応する第1矢印表記と、前記内燃機関と車輪とのエネルギー伝達の対応する第2矢印表記とで構成され
前記第1矢印表記は、前記曲線部の幅方向の半分の曲線部分と、この半分の曲線部分から突出する突起部とで構成され、
前記第2矢印表記は、前記曲線部の幅方向の残り半分の曲線部分と、この半分の曲線部分から突出する突起部とで構成されている、
ことを特徴とする車両の情報表示装置。
【請求項2】
前記エネルギー伝達状態表示部は、エネルギー伝達のある2つのアイコン間を結ぶ方向に沿って延在する表示体を備え、
前記表示装置は、前記表示体の表示状態を時間経過と共に変化させることにより前記エネルギーの伝達方向を表示する、
ことを特徴とする請求項記載の車両の情報表示装置。
【請求項3】
エネルギーを蓄えるバッテリと、前記エネルギーによって駆動される電動機と、前記電動機によって回転される車輪とを備える車両に搭載される車両の情報表示装置であって、
前記情報表示装置は、
前記エネルギーの伝達状態を判別するエネルギー伝達状態判別装置と、
前記バッテリを示すバッテリアイコンと、前記車輪を示す車輪アイコンと、前記エネルギーの伝達状態を示すエネルギー伝達状態表示部とを表示する表示装置と、
を有し、
前記車両は、エネルギーを発生する内燃機関を更に備え、
前記表示装置は、前記内燃機関を示す内燃機関アイコンを更に表示し、
前記エネルギー伝達状態表示部は、前記内燃機関アイコンと前記バッテリアイコンと前記車輪アイコンとのそれぞれの間をダイレクトに掛け渡して表示するとともに、それぞれの間における前記エネルギーの伝達の有無および前記エネルギーの伝達方向を表示するものであり、
前記エネルギー伝達状態表示部は、エネルギー伝達のある2つのアイコン間を結ぶ方向に沿って延在する表示体を備え、
前記表示装置は、前記表示体の表示状態を時間経過と共に変化させることにより前記エネルギーの伝達方向を表示し、
前記表示体は、
電力エネルギーの伝達を表示する第1表示セグメントと、
駆動力エネルギーの伝達を表示し、前記第1表示セグメントとは異なる色の第2表示セグメントで構成され、
前記車輪アイコンは、
前記車輪の輪郭を表現する車輪画と、
前記車輪の回転方向を示す矢印線とで構成され、
前記矢印線を前記車輪画で表現された車輪の外周に沿って前記車輪画に重ねて表示し、
前記矢印線は、幅をもって曲線状に延在する曲線部と、前記曲線部の先部で該先部の幅方向の両側からそれぞれ突出された突起部とで構成され、
前記矢印線は、前記バッテリと車輪とのエネルギー伝達に対応する第1矢印表記と、前記内燃機関と車輪とのエネルギー伝達の対応する第2矢印表記とで構成され
前記第1矢印表記の色は前記第1表示セグメントの色と同一または類似の色であり、
前記第2矢印表記の色は前記第2表示セグメントの色と同一または類似の色であり、
前記第1矢印表記は、前記曲線部の幅方向の半分の曲線部分と、この半分の曲線部分から突出する突起部とで構成され、
前記第2矢印表記は、前記曲線部の幅方向の残り半分の曲線部分と、この半分の曲線部分から突出する突起部とで構成されている、
ことを特徴とする車両の情報表示装置。
【請求項4】
前記バッテリは、車両外部の充電装置により前記エネルギーとしての電力を充電可能に構成され、
前記充電装置による前記バッテリへの充電の有無を判別する充電状態判別装置をさらに有し、
前記表示装置は、前記充電装置による前記バッテリへの充電が有りと判別されると、前記充電装置による充電動作を示す充電アイコンを表示する、
ことを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の車両の情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエネルギーの伝達状態を表示する車両の情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンとモータとの一方または双方を用いて走行するハイブリッド自動車において、エンジン、モータ、バッテリ、タイヤの間のエネルギーの流れを表示する技術が提案されている(特許文献1、2、3参照)。
これらの技術では、エンジン、モータ、バッテリ、タイヤを示すアイコンを表示すると共に、これらアイコンの間にエネルギーの流れを示す矢印などの表示部を表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3092494号公報
【特許文献2】特許第3780251号公報
【特許文献3】特許第3893882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来技術では、アイコンの数が多いことから表示内容が複雑化しがちであり、運転者に対してエネルギーの流れをわかりやすく表示する上で改善の余地がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、運転者に対してエネルギーの流れをわかりやすく表示する上で有利な車両の情報提供装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、エネルギーを蓄えるバッテリと、前記エネルギーによって駆動される電動機と、前記電動機によって回転される車輪とを備える車両に搭載される車両の情報表示装置であって、前記情報表示装置は、前記エネルギーの伝達状態を判別するエネルギー伝達状態判別装置と、前記バッテリを示すバッテリアイコンと、前記車輪を示す車輪アイコンと、前記エネルギーの伝達状態を示すエネルギー伝達状態表示部とを表示する表示装置とを有し、前記車両は、エネルギーを発生する内燃機関を更に備え、前記表示装置は、前記内燃機関を示す内燃機関アイコンを更に表示し、前記エネルギー伝達状態表示部は、前記内燃機関アイコンと前記バッテリアイコンと前記車輪アイコンとのそれぞれの間をダイレクトに掛け渡して表示するとともに、それぞれの間における前記エネルギーの伝達の有無および前記エネルギーの伝達方向を表示するものであり、前記車輪アイコンは、前記車輪の輪郭を表現する車輪画と、前記車輪の回転方向を示す矢印線とで構成され、前記矢印線を前記車輪画で表現された車輪の外周に沿って前記車輪画に重ねて表示し、前記矢印線は、幅をもって曲線状に延在する曲線部と、前記曲線部の先部で該先部の幅方向の両側からそれぞれ突出された突起部とで構成され、前記矢印線は、前記バッテリと車輪とのエネルギー伝達に対応する第1矢印表記と、前記内燃機関と車輪とのエネルギー伝達の対応する第2矢印表記とで構成され、前記第1矢印表記は、前記曲線部の幅方向の半分の曲線部分と、この半分の曲線部分から突出する突起部とで構成され、前記第2矢印表記は、前記曲線部の幅方向の残り半分の曲線部分と、この半分の曲線部分から突出する突起部とで構成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記エネルギー伝達状態表示部は、エネルギー伝達のある2つのアイコン間を結ぶ方向に沿って延在する表示体を備え、前記表示装置は、前記表示体の表示状態を時間経過と共に変化させることにより前記エネルギーの伝達方向を表示することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、エネルギーを蓄えるバッテリと、前記エネルギーによって駆動される電動機と、前記電動機によって回転される車輪とを備える車両に搭載される車両の情報表示装置であって、前記情報表示装置は、前記エネルギーの伝達状態を判別するエネルギー伝達状態判別装置と、前記バッテリを示すバッテリアイコンと、前記車輪を示す車輪アイコンと、前記エネルギーの伝達状態を示すエネルギー伝達状態表示部とを表示する表示装置とを有し、前記車両は、エネルギーを発生する内燃機関を更に備え、前記表示装置は、前記内燃機関を示す内燃機関アイコンを更に表示し、前記エネルギー伝達状態表示部は、前記内燃機関アイコンと前記バッテリアイコンと前記車輪アイコンとのそれぞれの間をダイレクトに掛け渡して表示するとともに、それぞれの間における前記エネルギーの伝達の有無および前記エネルギーの伝達方向を表示するものであり、前記エネルギー伝達状態表示部は、エネルギー伝達のある2つのアイコン間を結ぶ方向に沿って延在する表示体を備え、前記表示装置は、前記表示体の表示状態を時間経過と共に変化させることにより前記エネルギーの伝達方向を表示し、前記表示体は、電力エネルギーの伝達を表示する第1表示セグメントと、駆動力エネルギーの伝達を表示し、前記第1表示セグメントとは異なる色の第2表示セグメントで構成され、前記車輪アイコンは、前記車輪の輪郭を表現する車輪画と、
前記車輪の回転方向を示す矢印線とで構成され、前記矢印線を前記車輪画で表現された車輪の外周に沿って前記車輪画に重ねて表示し、前記矢印線は、幅をもって曲線状に延在する曲線部と、前記曲線部の先部で該先部の幅方向の両側からそれぞれ突出された突起部とで構成され、前記矢印線は、前記バッテリと車輪とのエネルギー伝達に対応する第1矢印表記と、前記内燃機関と車輪とのエネルギー伝達の対応する第2矢印表記とで構成され、前記第1矢印表記の色は前記第1表示セグメントの色と同一または類似の色であり、前記第2矢印表記の色は前記第2表示セグメントの色と同一または類似の色であり、前記第1矢印表記は、前記曲線部の幅方向の半分の曲線部分と、この半分の曲線部分から突出する突起部とで構成され、前記第2矢印表記は、前記曲線部の幅方向の残り半分の曲線部分と、この半分の曲線部分から突出する突起部とで構成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記バッテリは、車両外部の充電装置により前記エネルギーとしての電力を充電可能に構成され、前記充電装置による前記バッテリへの充電の有無を判別する充電状態判別装置をさらに有し、前記表示装置は、前記充電装置による前記バッテリへの充電が有りと判別されると、前記充電装置による充電動作を示す充電アイコンを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、エネルギー伝達状態表示部は、バッテリアイコンと内燃機関アイコンと車輪アイコンとの間におけるエネルギーの伝達の有無およびエネルギーの伝達方向を表示するため、バッテリと内燃機関とを搭載する車両においてエネルギーの流れをわかりやすく表示する上で有利となる。また、車輪の回転方向を示す矢印線が表示されるので、エネルギー伝達と車輪の回転方向を同時に把握することができる。また、エネルギー伝達の種類によって矢印線の表示に変化をつけることができ、尚且つ、第1矢印表記と第2矢印表記の二つで一つの完成された矢尻部をもつ矢印線を形成させることができるので、車輪の回転方向を認識すると同時に、エネルギー伝達と車輪回転との対応付けをより容易に視認できる。
請求項2記載の発明によれば、エネルギー伝達状態表示部は、表示体の表示状態を時間経過と共に変化させることによりエネルギーの伝達方向を表示するようにしたので、エネルギーの流れをわかりやすく表示する上でより一層有利となる。
請求項3記載の発明によれば、エネルギー伝達状態表示部は、バッテリアイコンと内燃機関アイコンと車輪アイコンとの間におけるエネルギーの伝達の有無およびエネルギーの伝達方向を表示するため、バッテリと内燃機関とを搭載する車両においてエネルギーの流れをわかりやすく表示する上で有利となる。また、車輪の回転方向を示す矢印線が表示されるので、エネルギー伝達と車輪の回転方向を同時に把握することができる。また、エネルギー伝達状態表示部は、表示体の表示状態を時間経過と共に変化させることによりエネルギーの伝達方向を表示するようにし、更には電力エネルギーの伝達か、駆動力エネルギーの伝達かを一目で見分けることができ、視認性の向上を図る上で有利となる。また、車輪の回転方向を認識すると同時に、エネルギー伝達と車輪回転との対応付けを容易に視認できる。また、エネルギー伝達の種類によって矢印線の表示に変化をつけることができ、尚且つ、第1矢印表記と第2矢印表記の二つで一つの完成された矢尻部をもつ矢印線を形成させることができるので、車輪の回転方向を認識すると同時に、エネルギー伝達と車輪回転との対応付けをより容易に視認できる。
請求項記載の発明によれば、車両の外部の充電装置によるバッテリへの充電が有りと判別されると、充電装置による充電動作を示す充電アイコンを表示するようにしたので、充電状態をわかりやすく表示する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態の車両の情報表示装置32が搭載される車両の構成を示す模式図である。
図2】本実施の形態の車両の情報表示装置32の制御系を示すブロック図である。
図3】本実施の形態の車両の情報表示装置32の表示動作を示すフローチャートである。
図4】(A)〜(D)は、エンジン18による充電動作と駆動用バッテリ12による走行とがなされている場合における表示動作の説明図である。
図5】(A)〜(D)は、エンジン18および駆動用バッテリ12による走行がなされている場合における表示動作の説明図である。
図6】(A)〜(D)は、エンジン18による充電動作とエンジン18および駆動用バッテリ12による走行とがなされている場合における表示動作の説明図である。
図7】(A)〜(D)は、フロントモータ14およびリアモータ16による回生制動力を用いた回生制動時における表示動作の説明図である。
図8】(A)〜(D)は、電気走行の場合における表示動作の説明図である。
図9】(A)〜(D)は、エンジン走行の場合における表示動作の説明図である。
図10】(A)〜(G)は、車両外部の充電装置から駆動用バッテリ12に対する外部充電が行われている場合における表示動作の説明図である。
図11】(A)〜(D)は、エンジン18による充電動作と駆動用バッテリ12による走行とがなされている場合における表示動作に、車輪の回転方向を示す矢印線48を追記した説明図である。
図12】(A)〜(D)は、エンジン18および駆動用バッテリ12による走行がなされている場合における表示動作に、車輪の回転方向を示す矢印線48を追記した説明図である。
図13】(A)〜(D)は、エンジン18による充電動作とエンジン18および駆動用バッテリ12による走行とがなされている場合における表示動作に、車輪の回転方向を示す矢印線48を追記した説明図である。
図14】(A)〜(D)は、フロントモータ14およびリアモータ16による回生制動力を用いた回生制動時における表示動作に、車輪の回転方向を示す矢印線48を追記した説明図である。
図15】(A)〜(D)は、電気走行の場合における表示動作に、車輪の回転方向を示す矢印線48を追記した説明図である。
図16】(A)〜(D)は、エンジン走行の場合における表示動作に、車輪の回転方向を示す矢印線48を追記した説明図である。
図17】矢印線48を構成する第1矢印表記48Aおよび第2矢印表記48Bの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態では、車両がプラグインハイブリッド車(PHEV車)である場合について説明する。
図1に示すように、車両10は、駆動用バッテリ12(バッテリ)と、フロントモータ14と、リアモータ16と、エンジン18(内燃機関)と、ジェネレータ20と、不図示の動力伝達機構と、前輪22と、後輪24と、PHEVECU26(以下ECU26という)と、充電制御用ECU28(図2)と、ナビゲーション装置30とを含んで構成されている。
本実施の形態の車両の情報表示装置32は、ECU26と、充電制御用ECU28と、ナビゲーション装置30とを含んで構成されている。
【0009】
駆動用バッテリ12は、エネルギーを蓄えるものであり、フロントモータ14およびリアモータ16にエネルギーとしての電気エネルギー(電力)を供給するものである。
駆動用バッテリ12は、以下の方法で充電される。
1)エンジン18によって駆動されたジェネレータ20が発電する電力を用いて充電される。
2)フロントモータ14による回生制動力を用いた回生制動時に、フロントモータ14が前輪22の回転により駆動されて発電する電力により充電される。
3)リアモータ16による回生制動力を用いた回生制動時に、リアモータ16が後輪24の回転により駆動されて発電する電力により充電される。
4)車両10の外部に設けられた充電装置から充電ケーブルを介して供給される電力によって充電される。
充電装置による駆動用バッテリ12の充電動作は、後述する充電制御用ECU28によって制御される。
【0010】
フロントモータ14は、駆動用バッテリ12から供給されるバッテリ電力およびジェネレータ20から供給される発電電力によって駆動され、前記の動力伝達機構を介して前輪22に動力を与えることで前輪22を回転するものである。
リアモータ16は、駆動用バッテリ12から供給されるバッテリ電力およびジェネレータ20から供給される発電電力によって駆動され、前記の動力伝達機構を介して後輪24に動力を与えることで後輪24を回転するものである。
【0011】
エンジン18は、燃料を燃焼することによりエネルギーとしての回転エネルギー(動力)を発生するものであり、前記の動力伝達機構を介して前輪22に動力を与えることで前輪22を回転するものである。
また、エンジン18は、ジェネレータ20に動力を与えることでジェネレータ20を駆動して発電させるものである。
ジェネレータ20は、エンジン18から与えられた動力により発電を行い、発電電力を駆動用バッテリ12に供給するものである。
【0012】
前輪22および後輪24は、前記動力伝達機構を介して供給される動力によって回転駆動されるものである。
【0013】
ECU26は、CPU、制御プログラム等を格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
図2に示すように、ECU26は制御プログラムを実行することにより、駆動用バッテリ12、フロントモータ14、リアモータ16、エンジン18、ジェネレータ20、ナビゲーション装置30に対する制御を行うものである。
すなわち、ECU26は、駆動用バッテリ12、フロントモータ14、リアモータ16、エンジン18、ジェネレータ20の動作を制御することにより、後述する各種の走行モードによる走行を実現する。
また、ECU26は、制御プログラムを実行することにより、エネルギー伝達状態判別装置26Aと、充電状態判別装置26Bとを実現する。
【0014】
エネルギー伝達状態判別装置26Aは、エネルギーの伝達状態を判別するものである。
本実施の形態では、エネルギーの伝達状態は以下の(A)〜(H)に例示される通りである。
(A)駆動用バッテリ12のエネルギーがフロントモータ14を介して前輪22に伝達される状態。
(B)駆動用バッテリ12のエネルギーがリアモータ16を介して後輪24に伝達される状態。
(C)エンジン18のエネルギーがジェネレータ20を介して駆動用バッテリ12に伝達される状態(駆動用バッテリ12を充電させる状態)。
(D)駆動用バッテリ12のエネルギーがジェネレータ20を介してエンジン18に伝達される状態(エンジン18を駆動させる状態)。
(E)エンジン18のエネルギーが前輪22に伝達される状態。
(F)前輪22のエネルギーがフロントモータ14を介して駆動用バッテリ12に伝達される状態(駆動用バッテリ12を充電させる状態)。
(G)後輪24のエネルギーがリアモータ16を介して駆動用バッテリ12に伝達される状態(駆動用バッテリ12を充電させる状態)。
【0015】
充電状態判別装置26Bは、車両10外部の充電装置による駆動用バッテリ12への充電の有無、すなわち外部充電の有無を判別するものである。
【0016】
充電制御用ECU28は、車両10外部の充電装置の充電ケーブルの給電コネクタが車両10に設けられた受電用コネクタに接続されると、駆動用バッテリ12への充電動作を実施すると共に、充電動作が実施されていることを示す情報をECU26に伝達する。
ECU26は、前記情報を受け付けることで充電状態判別装置26Bとして機能する。
【0017】
ナビゲーション装置30は、車両10の測位結果に基づいて地図情報や経路情報を、運転者が視認可能な箇所に設けられた表示装置31の表示画面に表示させるものであり、本実施の形態では、ナビゲーション装置30は表示装置として機能する。
表示装置は、エネルギー伝達状態判別装置26Aから供給されるエネルギー伝達状態の判別結果と、充電状態判別装置26Bから供給される駆動用バッテリ12への充電状態の判別結果とに基づいた表示内容を表示画面に表示する。
すなわち、表示装置は、図4、5、6、7、8、9(A)〜(D)に示すように、バッテリアイコン34と、エンジンアイコン36と、前輪アイコン38と、後輪アイコン40と、エネルギー伝達状態表示部42とを表示画面に表示する。
また、表示装置は、図10(A)〜(G)に示すように、充電アイコン44を表示画面に表示する。
また、表示装置は、図11〜16(A)〜(D)に示すように、バッテリアイコン34と、エンジンアイコン36と、前輪アイコン38と、後輪アイコン40と、エネルギー伝達状態表示部42とを表示画面に表示すると同時に、前輪アイコン38と、後輪アイコン40として、それぞれの車輪画38A、40Aに、それら車輪の回転方向を示す矢印線48を重ねて表示する。
なお、本実施の形態では、ナビゲーション装置30によって表示装置を構成する場合について説明したが、表示装置をナビゲーション装置30と別体に構成してもよく、例えばインストルメントパネルのインジケータ部分に表示画面を設けてもよい。
【0018】
バッテリアイコン34は、駆動用バッテリ12を示すものである。
エンジンアイコン36は、エンジン18を示すものである。
前輪アイコン38および後輪アイコン40は、それぞれ前輪22および後輪24を示すものであり、各車輪の形状を示す車輪画38A、40Aと、車輪の回転方向を示す矢印線48で構成される。また、矢印線48は車輪画38A、40Aで表現された車輪の外周に沿って延びており、車輪画38A、40Aに重ねて表示される。前輪アイコン38および後輪アイコン40は車輪アイコンに相当する。
【0019】
エネルギー伝達状態表示部42は、エネルギーの伝達状態を示すものであり、バッテリアイコン34とエンジンアイコン36と前輪アイコン38と後輪アイコン40とをダイレクトに掛け渡して表示する。
すなわち、エネルギー伝達状態表示部42は、バッテリアイコン34と、エンジン18と、前輪22と、後輪24との間におけるエネルギーの伝達の有無と、エネルギーの伝達方向とを表示するものである。
エネルギー伝達状態表示部42は、図5(A)〜(D)に示すように、第1〜第4の表示体42A〜42Dを含んで構成されている。
第1の表示体42Aは、バッテリアイコン34と前輪アイコン38との間を結ぶ方向に沿って延在する。すなわち、第1の表示体42Aは、バッテリアイコン34と前輪アイコン38とをダイレクトに掛け渡して電力エネルギーの伝達を表示する。
第2の表示体42Bは、バッテリアイコン34と後輪アイコン40との間を結ぶ方向に沿って延在する。すなわち、第2の表示体42Bは、バッテリアイコン34と後輪アイコン40とをダイレクトに掛け渡して電力エネルギーの伝達を表示する。
第3の表示体42Cは、エンジンアイコン36と前輪アイコン38との間を結ぶ方向に沿って延在し、エンジン18からの出力駆動力エネルギーの伝達を表示する。すなわち、第3の表示体42Cは、エンジンアイコン36と前輪アイコン38とをダイレクトに掛け渡して表示する。
第4の表示体42Dは、エンジンアイコン36とバッテリアイコン34との間を結ぶ方向に沿って延在し、エンジン18からバッテリ12への充電電力エネルギーの伝達を表示する。すなわち、第4の表示体42Dは、エンジンアイコン36とバッテリアイコン34とをダイレクトに掛け渡して表示する。
【0020】
表示装置により各表示体42A〜42Dが表示されることでエネルギーが伝達されていることが表示され、各表示体42A〜42Dが非表示となることでエネルギーが伝達されていないことが表示される。
また、表示装置により各表示体42A〜42Dの表示状態を時間経過と共に変化させることによりエネルギーの伝達方向が表示される。
また、各表示体42A〜42Dの表示色は任意である。
例えば、電力(電気エネルギー)に対応する電力エネルギーを示す第1、第2、第4の表示体42A、42B、42Dを青色で表示(図面表記では黒塗りで記載)し、エンジン18の動力に対応する駆動力エネルギーを示す第3の表示体42Cをオレンジ色で表示(図面表記では白抜きで記載)する。このようにすると、電力に対応する電力エネルギーとエンジン18の動力に対応する駆動力エネルギーとを一目で見分けることができ、視認性の向上を図る上で有利となる。
【0021】
次に、車両の情報表示装置32による表示動作について図3のフローチャートを参照して説明する。
なお、ナビゲーション装置30は、該ナビゲーション装置30の設定スイッチの操作によって、エネルギー伝達状態の表示動作を行うモードと、行わないモードとを適宜選択できるように構成されている。
以下の説明では、エネルギー伝達状態の表示動作を行うモードに設定されているものとし、このモードでは、図4(A)に示すように、車両10の形状を示す車両表示部46と、バッテリアイコン34と、エンジンアイコン36と、前輪アイコン38と、後輪アイコン40とが常時表示されている。
また、バッテリアイコン34およびエンジンアイコン36は、車両表示部46が透視された状態で表示され、いわゆるスケルトン表示となっており、視認性およびデザイン性の向上が図られている。
【0022】
ナビゲーション装置30は、エネルギー伝達状態判別装置26Aおよび充電状態判別装置26Bからの判別結果を監視し、判別結果を受け付けた場合は、判別結果がエネルギーの伝達状態(A)〜(H)の何れかであるか、外部充電がなされているかの何れであるか、すなわち、充電モード以外のモードであるか、充電モードであるかを判定するを判定する(ステップS10)。
ステップS10で充電モード以外と判定されたならば、受け付けた判別結果に対応してエネルギー伝達状態表示部42(図4図9図11図16)を表示し(ステップS12)、ステップS10に戻る。
ステップS10で充電モードであると判定されたならば、充電アイコン44(図10(A)〜(G))を表示し(ステップS14)、ステップS10に戻る。
また、ステップS10で判別結果を未だ受け付けていなければ、ステップS10に戻る。
【0023】
次に、6種類のエネルギー伝達状態と、それぞれのエネルギー伝達状態に対応する表示内容とを具体的に説明する。
更に、それぞれのエネルギー伝達状態における車輪の回転方向を示す矢印線48を追記した表示内容を具体的に説明する。
なお、ここで説明する6種類のエネルギー伝達状態は一例であり、エネルギー伝達状態として様々なものが存在することはいうまでもない。
【0024】
(1)エンジン18による充電動作と駆動用バッテリ12による走行とがなされている場合(図4)(図11):
この場合、エンジン18の動力によってジェネレータ20が発電され、発電された電力が駆動用バッテリ12に充電される動作と、駆動用バッテリ12の電力によりフロントモータ14およびリアモータ16が回転され前輪22および後輪24が駆動される動作とが同時に行われている。
エンジンアイコン36とバッテリアイコン34との間を結ぶ第4の表示体42Dと、バッテリアイコン34と前輪アイコン38との間を結ぶ第1の表示体42Aと、バッテリアイコン34と後輪アイコン40との間を結ぶ第2の表示体42Bとの3つの表示体が表示されている。
また、第3の表示体42Cが表示されないことでエンジン18と前輪22との間での駆動力エネルギーの伝達が無いことが表示されている。
そして、図4(A)〜(D)の画像をこの順番で繰り返して表示することにより各表示体42D、42A、42Bの表示状態を時間経過と共に変化させる。
すなわち、各表示体42D、42A、42Bは、延在方向に沿って複数の表示領域(第1表示セグメント50)に分割され、各表示領域の表示と非表示とが時間経過と共に順番に切り替えられることで、あたかも各表示領域がエネルギー伝達方向に沿って順次移動していくように表示される。
これにより、第4の表示体42Dによりエンジン18からバッテリ12への充電電力エネルギーの伝達方向が表示され、第1、第2の表示体42A、42Bにより、バッテリから前輪22および後輪24への電力エネルギーの伝達方向が表示される。
なお、図4以降の図面において、表示体42近傍の矢印は、表示体42の移動方向を説明するためのものであり、実際の画面上には表示されない。
また、図4以降の図面において、バッテリアイコン34を囲む二点鎖線は、バッテリアイコン34の輪郭に沿った枠状の領域がバッテリアイコン34よりも輝度が高くなるように表示されている状態を示す。
このような表示を行うことで駆動用バッテリ12が機能していることが容易に視認できるように図られている。
また、図11に示すように、駆動用バッテリ12から前輪22および後輪24への電力エネルギーの伝達に対応させて、前輪22および後輪24の車輪回転方向を示す矢印線48(第1矢印表記48A)が表示されている。
この矢印線48は、前輪の形状を示す車輪画38A、40Aおよび後輪の形状を示す車輪画38A、40Aの外周に沿って重ねて表示されることで、車輪アイコン38、40により車輪の回転方向も容易に視認できるように図られており、また、電力エネルギーの伝達を示す第1、第2の表示体42A、42Bに対応して、例えば互いに同じ色(あるいは類似の色)で表示、同じ太さの線で表示、同じ破線や鎖線で表示されることで、エネルギー伝達と車輪回転との対応付けを容易に視認できるように図られている。
【0025】
(2)エンジン18および駆動用バッテリ12による走行がなされている場合(図5)(図12):
この場合、エンジン18の動力によって前輪22が駆動される動作と、駆動用バッテリ12の電力によりフロントモータ14およびリアモータ16が回転され前輪22および後輪24が駆動される動作とが同時に行われている。
エンジンアイコン36と前輪アイコン38との間を結ぶ第3の表示体42Cと、バッテリアイコン34と前輪アイコン38との間を結ぶ第1の表示体42Aと、バッテリアイコン34と後輪アイコン40との間を結ぶ第2の表示体42Bとの3つの表示体が表示されている。
また、第4の表示体42Dが表示されないことでエンジン18と駆動用バッテリ34との間での充電電力エネルギーの伝達が無いことが表示されている。
そして、図5(A)〜(D)の画像をこの順番で繰り返して表示することにより各表示体42C、42A、42Bの表示状態を時間経過と共に変化させる。
すなわち、各表示体42A、42Bは、延在方向に沿って複数の表示領域(第1表示セグメント50)に分割され、各表示領域の表示と非表示とが時間経過と共に順番に切り替えられることで、あたかも各表示領域がエネルギー伝達方向に沿って順次移動していくように表示され、表示体42Cは、延在方向に沿って複数の表示領域(第2表示セグメント52)に分割され、各表示領域の表示と非表示とが時間経過と共に順番に切り替えられることで、あたかも表示領域がエネルギー伝達方向に沿って順次移動していくように表示される。
これにより、第3の表示体42Cによりエンジン18から前輪22への駆動力エネルギーの伝達方向が表示され、第1、第2の表示体42Bにより、駆動用バッテリ12から前輪22および後輪24への電力エネルギーの伝達方向が表示される。
また、図5以降の図面において、エンジンアイコン36を囲む二点鎖線は、エンジンアイコン36を含みエンジンアイコン36よりも一回り大きい領域がエンジンアイコン36の背景に対して目立つ色で覆われかつエンジンアイコン36が透過して表示されている状態を示す。
このような表示を行うことでエンジン18が機能していることが容易に視認できるように図られている。
また、図12に示すように、エンジン18から前輪22への駆動力エネルギーの伝達、および、駆動用バッテリ12から前輪22および後輪24への電力エネルギーの伝達に対応させて、前輪22および後輪24の車輪回転方向を示す矢印線48(第1矢印表記48Aおよび第2矢印表記48B)を表示している。
この矢印線48は、前輪の形状を示す車輪画38A、40Aおよび後輪の形状を示す車輪画38A、40Aの外周に沿って重ねて表示させることで、車輪アイコンにより車輪22、24の回転方向も容易に視認できるように図られており、また、第1矢印表記48Aは電力エネルギーの伝達を示す第1、第2の表示体42A、42Bに対応し、第2矢印表記48Bは駆動力エネルギーの伝達を示す第3の表示体42Cに対応して、例えばそれぞれ互いに同じ色で表示、同じ太さの線で表示、同じ破線や鎖線で表示することで、エネルギー伝達と車輪回転との対応付けを容易に視認できるように図られている。
尚、電力に関する第1表示セグメント50及び第1矢印表記48Aと、駆動力に関する第2表示セグメント52及び第2矢印表記48Bとは互いに異なる色、線で表示し、電力/駆動力の区別を容易に視認できるように図られている。
また、第1矢印表記48Aおよび第2矢印表記48Bは、両者が並んで表記されることで一つの完成した矢尻部を持つ矢印線48を形成することで視認性の向上を図られている。
すなわち、図17に示すように、矢印線48は、第1矢印表記48Aおよび第2矢印表記48Bによって構成されている。
矢印線48は、幅をもって曲線状に延在する曲線部4802と、曲線部4802の先部で該先部の幅方向の両側からそれぞれ突出された突起部4804A、4804Bとで構成されている。
第1矢印表記48Aは、曲線部4802の幅方向の半分の曲線部分4802Aと、この半分の曲線部分4802Aから突出する突起部4804Aとで構成されている。
第2矢印表記48Bは、曲線部4802の幅方向の残り半分の曲線部分4802Bと、この半分の曲線部分4802Bから突出する突起部4804Bとで構成されている。
【0026】
(3)エンジン18による充電動作とエンジン18および駆動用バッテリ12による走行とがなされている場合(図6)(図13):
この場合、エンジン18の動力によってジェネレータ20が発電され、発電された電力が駆動用バッテリ12に充電される動作と、エンジン18の動力によって前輪22が駆動される動作と、駆動用バッテリ12の電力によりフロントモータ14およびリアモータ16が回転され前輪22および後輪24が駆動される動作とが同時に行われている。
エンジンアイコン36とバッテリアイコン34との間を結ぶ第4の表示体42Dと、エンジンアイコン36と前輪アイコン38との間を結ぶ第3の表示体42Cと、バッテリアイコン34と前輪アイコン38との間を結ぶ第1の表示体42Aと、バッテリアイコン34と後輪アイコン40との間を結ぶ第2の表示体42Bとの4つの表示体が表示されている。
そして、図6(A)〜(D)の画像をこの順番で繰り返して表示することにより各表示体42A〜42Dの表示状態を時間経過と共に変化させる。これにより、第4の表示体42Dによりエンジン18からバッテリ12への充電電力エネルギーの伝達方向が表示され、第3の表示体42Cによりエンジン18から前輪22への駆動力エネルギーの伝達方向が表示され、第1、第2の表示体42Bにより、駆動用バッテリ12から前輪22および後輪24への電力エネルギーの伝達方向が表示される。
また、図13で示すように、エンジン18から前輪22への駆動力エネルギーの伝達、および、駆動用バッテリ12から前輪22および後輪24への電力エネルギーの伝達に対応させて、前輪22および後輪24の車輪回転方向を示す矢印線48(第1矢印表記48Aおよび第2矢印表記48B)を表示している。尚、各表示体(第1、第2表示セグメント50、52)や矢印線48(第1、第2矢印表記48A、48B)については、前述の図4図11及び図5図12での説明と重なるので省略する。
【0027】
(4)回生制動時の場合(図7)(図14):
この場合、前輪22によってフロントモータ14が発電されると共に、後輪24によってリアモータ16が発電され、これら発電された電力によって駆動用バッテリ12が充電される動作が行われている。
バッテリアイコン34と前輪アイコン38との間を結ぶ第1の表示体42Aと、バッテリアイコン34と後輪アイコン40との間を結ぶ第2の表示体42Bとの2つの表示体が表示されている。
また、第3の表示体42Cが表示されないことでエンジン18と前輪22との間での駆動力エネルギーの伝達が無いことが表示され、第4の表示体42Dが表示されないことでエンジン18と駆動用バッテリ34との間での充電電力エネルギーの伝達が無いことが表示されている。
そして、図7(A)〜(D)の画像をこの順番で繰り返して表示することにより各表示体42A〜42Dの表示状態を時間経過と共に変化させる。
すなわち、各表示体42A、42Bは、延在方向に沿って複数の表示領域(第1表示セグメント50)に分割され、各表示領域の表示と非表示とが時間経過と共に順番に切り替えられることで、あたかも各表示領域がエネルギー伝達方向に沿って順次移動していくように表示される。但し、前述の図4図5図6図11図12図13では、バッテリ12から車輪22、24への出力電力エネルギーの伝達を表示するのに、バッテリアイコン34から車輪アイコン38、40へ複数の表示領域(第1表示セグメント50)が順次移動していくように表示されるが、図7図14では、車輪22、24からバッテリ12への充電電力エネルギー(回生電力エネルギー)の伝達を表示するのに、車輪アイコン38、40からバッテリアイコン34へ複数の表示領域(第1表示セグメント50)が順次移動していくように表示される。
これにより、第1、第2の表示体42A、42Bにより、前輪22および後輪24から駆動用バッテリ12への電力エネルギーの伝達方向が表示される。
また、図14に示すように、前輪22および後輪24から駆動用バッテリ12への電力エネルギーの伝達に対応させて、前輪22および後輪24の車輪回転方向を示す矢印線48(第1矢印表記48A)を表示されている。
【0028】
(5)電気走行の場合(図8)(図15):
この場合、駆動用バッテリ12の電力によりフロントモータ14およびリアモータ16が回転され前輪22および後輪24が駆動される動作が行われている。
バッテリアイコン34と前輪アイコン38との間を結ぶ第1の表示体42Aと、バッテリアイコン34と後輪アイコン40との間を結ぶ第2の表示体42Bとの2つの表示体が表示されている。
また、第3の表示体42Cが表示されないことでエンジン18と前輪22との間での駆動力エネルギーの伝達が無いことが表示され、第4の表示体42Dが表示されないことでエンジン18と駆動用バッテリ34との間での充電電力エネルギーの伝達が無いことが表示されている。
そして、図8(A)〜(D)の画像をこの順番で繰り返して表示することにより各表示体42A〜42Dの表示状態を時間経過と共に変化させる。これにより、第1、第2の表示体42Bにより、駆動用バッテリ12から前輪22および後輪24への電力エネルギーの伝達方向が表示される。
また、図15に示すように、駆動用バッテリ12から前輪22および後輪24への電力エネルギーの伝達に対応させて、前輪22および後輪24の車輪回転方向を示す矢印線48(第1矢印表記48A)を表示されている。尚、各表示体42A、42B(第1表示セグメント50)や矢印線48(第1矢印表記48A)については、前述の図4図11での説明と重なるので省略する。
【0029】
(6)エンジン走行の場合(図9)(図16):
この場合、エンジン18の動力によって前輪22が駆動される動作が行われている。
エンジンアイコン36と前輪アイコン38との間を結ぶ第3の表示体42Cが表示されている。
また、第1の表示体42A、第2の表示体42Bが表示されないことで駆動用バッテリ34と前輪22および後輪24との間での電力エネルギーの伝達が無いことが表示され、第4の表示体42Dが表示されないことでエンジン18と駆動用バッテリ34との間での充電電力エネルギーの伝達が無いことが表示されている。
そして、図9(A)〜(D)の画像をこの順番で繰り返して表示することにより各表示体42A〜42Dの表示状態を時間経過と共に変化させる。
すなわち、表示体42Cは、延在方向に沿って複数の表示領域(第2表示セグメント52)に分割され、各表示領域の表示と非表示とが時間経過と共に順番に切り替えられることで、あたかも表示領域がエネルギー伝達方向に沿って順次移動していくように表示される。
これにより、第3の表示体42Cによりエンジン18から前輪22への駆動力エネルギーの伝達方向が表示される。
また、図16に示すように、エンジン18から前輪22への駆動力エネルギーの伝達に対応させて、前輪22および後輪24の車輪回転方向を示す矢印線48(第2矢印表記48B)を表示している。尚、第3表示体42C(第2表示セグメント52)や矢印線48(第2矢印表記48B)については、前述の図5図12での説明と重なるので省略する。
【0030】
本実施の形態では、エネルギー伝達状態表示部42の各表示体42A〜42Dを構成する複数の表示領域の表示と非表示とが時間経過と共に順番に切り替えられることでエネルギーの伝達方向を表示する場合について説明した。
しかしながら、エネルギー伝達状態表示部42はエネルギーの伝達方向を表示することができればよいのであり、エネルギー伝達状態表示部42を矢印状のアイコンで構成するなど従来公知の様々な表示形態が採用可能である。
【0031】
次に、充電アイコン44の表示内容を具体的に説明する。
この場合、駐車状態にある車両10において、車両外部の充電装置から駆動用バッテリ12に対する外部充電が行われている。
図10(A)〜(G)に示すように、充電用ケーブルを示す充電アイコン44が表示される一方、第1〜第4の表示体42A〜42Dが表示されないことでそれら各表示体に対応するエネルギーの伝達が無いことが表示されている。
そして、図10(A)〜(G)の画像をこの順番で繰り返して表示することにより充電ケーブルが車両10に接続され、駆動用バッテリ12に充電されていることが表示される。
なお、図10(C)、(E)、(G)の画像では、バッテリアイコン34を囲む二点鎖線で示すように、バッテリアイコン34の輪郭に沿った枠状の領域が輝度が高くなるように表示されている。
また、図10(D)、(F)の画像では、バッテリアイコン34の輪郭に沿った枠状の領域の輝度が元に戻るように表示されている。
したがって、図10(C)、(D)、(E)、(F)、(G)の画像がこの順番で連続して表示されることにより、バッテリアイコン34の輪郭に沿った枠状の領域の輝度の高低が繰り返される。
このような表示を行うことで、外部充電により駆動用バッテリ12が充電されていることが容易に視認できるように図られている。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態によれば、エネルギーの伝達状態をバッテリアイコン34と、エンジンアイコン36と、前輪アイコン38と、後輪アイコン40との間でダイレクトに掛け渡して表示するようにしたので、必要最小限の表示内容でエネルギーの流れをわかりやすく表示する上で有利となる。
【0033】
また、エネルギー伝達状態表示部42は、エバッテリアイコン34と、エンジンアイコン36と、前輪アイコン38と、後輪アイコン40との間の間におけるエネルギーの伝達の有無と伝達方向とを表示するため、エネルギーの流れをわかりやすく表示する上でより一層有利となる。
【0034】
また、車両10の外部の充電装置による駆動用バッテリ12への充電が有りと判別されると、充電装置による充電動作を示す充電アイコン44を表示するようにしたので、充電状態をわかりやすく表示する上で有利となる。
この場合、充電アイコン44を充電ケーブルを示すアイコンとしたので、充電状態をわかりやすく表示する上でより一層有利となる。
【0035】
また、エネルギー伝達状態表示部42は、表示体の表示状態を時間経過と共に変化させることによりエネルギーの伝達方向を表示するようにしたので、エネルギーの流れをわかりやすく表示する上でより一層有利となる。
【0036】
なお、本実施の形態では、車両がプラグインハイブリッド車である場合について説明したが、本発明は、外部充電を行わないハイブリッド車、駆動用バッテリの電力のみで走行する電気自動車、エンジンのみで走行するガソリンエンジン車あるいはディーゼルエンジン車についても適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
10……車両、12……駆動用バッテリ、14……フロントモータ、16……リアモータ、18……エンジン、20……ジェネレータ、22……前輪、24……後輪、26……ECU、26A……エネルギー伝達状態判別装置、26B……充電状態判別装置、28……充電制御用ECU、30……ナビゲーション装置、31……表示装置、32……車両の情報表示装置、34……バッテリアイコン、36……エンジンアイコン、38……前輪アイコン、38A……前輪の車輪画、40……後輪アイコン、40A……後輪の車輪画、42……エネルギー伝達状態表示部、44……充電アイコン、42A……第1の表示体、42B……第2の表示体、42C……第3の表示体、42D……第4の表示体、44……充電アイコン、48……矢印線、48A……第1矢印表記、48B……第2矢印表記、50……第1表示セグメント、52……第2表示セグメント。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17