特許第5786894号(P5786894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5786894インピーダンス整合用スイッチ回路、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール、およびインピーダンス整合回路モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5786894
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】インピーダンス整合用スイッチ回路、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール、およびインピーダンス整合回路モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/15 20060101AFI20150910BHJP
【FI】
   H01P1/15
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-106177(P2013-106177)
(22)【出願日】2013年5月20日
(65)【公開番号】特開2014-229981(P2014-229981A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2014年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷲森 直史
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−131113(JP,A)
【文献】 特開2002−043911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/10− 1/195
H03H 7/30− 7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号の入出力端子となる第1高周波入出力端子と第2高周波入出力端子と、外部の整合素子に接続可能な第1整合端子と、前記第1高周波入出力端子と前記第2高周波入出力端子との間に接続された第1スイッチ素子と、前記第1スイッチ素子の前記第1高周波入出力端子側、または、前記第1スイッチ素子の前記第2高周波入出力端子側と、前記第1整合端子との間に接続された第2スイッチ素子とを備えたインピーダンス整合用スイッチ回路と、
前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子が内蔵されたスイッチICと、
前記スイッチICが表面に実装され、前記第1高周波入出力端子、前記第2高周波入出力端子、前記第1整合端子、および前記スイッチICを駆動制御するための複数の端子が裏面に形成された矩形状の基体と、を備え、
前記第1高周波入出力端子、前記第2高周波入出力端子の第1群と、前記第1整合端子を有する第2群と、前記スイッチICを駆動制御するための複数の端子を有する第3群と、は、前記裏面の第1方向に沿って配列されており、
前記第1群と前記第2群とは、前記第1方向に隣接している、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールを含むインピーダンス整合回路モジュールであって、
前記基体が実装される実装基板を備え、
前記実装基板は、
第1外部接続端子に前記第1高周波入出力端子を接続する第1導体パターンと、
前記基体に対して前記第1外部接続端子と逆側に形成された第2外部接続端子に前記第2高周波入出力端子を接続する第2導体パターンと、
前記第1整合端子に接続する第3導体パターンと、
前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとの間に設けられた第1整合素子実装用領域と、
前記第3導体パターンと、前記第1導体パターンまたは前記第2導体パターンもしくはグランドに接続する導体パターンとの間に設けられた第2整合素子用実装領域と、
を備える、請求項3に記載のインピーダンス整合回路モジュール。
【請求項3】
前記第1整合素子実装用領域と前記第2整合素子実装用領域に対して選択的に整合素子が実装されている、請求項2に記載のインピーダンス整合回路モジュール。
【請求項4】
前記第1導体パターンは、途中位置に第3整合素子用実装領域を備え、
該第3整合素子用実装領域には整合素子が実装されている、
請求項2または請求項3に記載のインピーダンス整合回路モジュール。
【請求項5】
高周波信号の入出力端子となる第1高周波入出力端子と第2高周波入出力端子と、外部の整合素子に接続可能な第1整合端子と、前記第1整合端子が接続する前記外部の整合素子とは異なる整合素子に接続可能な第2整合端子と、前記第1高周波入出力端子と前記第2高周波入出力端子との間に接続された第1スイッチ素子と、前記第1スイッチ素子の前記第1高周波入出力端子側と前記第1整合端子との間に接続された第2スイッチ素子と、前記第2高周波入出力端子側と前記第2整合端子との間に接続された第3スイッチと、を備えたインピーダンス整合用スイッチ回路と、
前記第1スイッチ素子、前記第2スイッチ素子および前記第3スイッチ素子が内蔵されたスイッチICと、
前記スイッチICが表面に実装され、前記第1高周波入出力端子、前記第2高周波入出力端子、前記第1整合端子、前記第2整合端子、および前記スイッチICを駆動制御するための複数の端子が裏面に形成された矩形状の基体と、を備え、
前記第1高周波入出力端子、前記第2高周波入出力端子の第1群と、前記第1整合端子と前記第2整合端子を有する第2群と、前記スイッチICを駆動制御するための複数の端子を有する第3群と、は、前記裏面の第1方向に沿って配列されており、
前記第1群と前記第2群とは、前記第1方向に隣接している、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール。
【請求項6】
前記第1方向に直交する第2方向に沿って、前記第1群における前記第1高周波入出力端子と前記第2高周波入出力端子の配列順と、前記第2群における前記第1整合端子と前記第2整合端子の配列順とが同じである、請求項5に記載のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール。
【請求項7】
前記第1方向に直交する第2方向に沿って、前記第1群における前記第1高周波入出力端子と前記第2高周波入出力端子の配列順と、前記第2群における前記第1整合端子と前記第2整合端子の配列順とが逆である、請求項6に記載のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール。
【請求項8】
前記第2群には、グランドに接続するグランド接続端子を備え、
前記グランド接続端子は、前記第1整合端子と前記第2整合端子との間の位置に形成されている、請求項6または請求項7に記載のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール。
【請求項9】
請求項6に記載のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールを含むインピーダンス整合回路モジュールであって、
前記基体が実装される実装基板を備え、
前記実装基板は、
第1外部接続端子に前記第1高周波入出力端子を接続する第1導体パターンと、
前記基体に対して前記第1外部接続端子と逆側に形成された第2外部接続端子に前記第2高周波入出力端子を接続する第2導体パターンと、
前記第1整合端子に接続する第3導体パターンと、
前記第2整合端子に接続する第4導体パターンと、
前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとの間に設けられた第1整合素子実装用領域と、
前記第3導体パターンと、前記第1導体パターンもしくはグランドに接続する導体パターンとの間に設けられた第2整合素子用実装領域と、
前記第4導体パターンと、前記第2導体パターンもしくはグランドに接続する導体パターンとの間に設けられた第4整合素子用実装領域と、
を備える、インピーダンス整合回路モジュール。
【請求項10】
請求項7に記載のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールを含むインピーダンス整合回路モジュールであって、
前記基体が実装される実装基板を備え、
前記実装基板は、
第1外部接続端子に前記第1高周波入出力端子を接続する第1導体パターンと、
前記基体に対して前記第1外部接続端子と逆側に形成された第2外部接続端子に前記第2高周波入出力端子を接続する第2導体パターンと、
前記第1整合端子に接続する第3導体パターンと、
前記第2整合端子に接続する第4導体パターンと、
前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとの間に設けられた第1整合素子実装用領域と、
前記第3導体パターンと、前記第2導体パターンもしくはグランドに接続する導体パターンとの間に設けられた第4整合素子用実装領域と、
前記第4導体パターンと、前記第1導体パターンもしくはグランドに接続する導体パターンとの間に設けられた第2整合素子用実装領域と、
を備える、インピーダンス整合回路モジュール。
【請求項11】
前記第1整合素子実装用領域と前記第2整合素子実装用領域と前記第4整合素子実装用領域に対して選択的に整合素子が実装されている、請求項9または請求項10に記載のインピーダンス整合回路モジュール。
【請求項12】
前記第1導体パターンは、途中位置に第3整合素子用実装領域を備え、
該第3整合素子用実装領域には整合素子が実装されている、
請求項9乃至請求項11のいずれかに記載のインピーダンス整合回路モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナと高周波フロントエンド部との間のインピーダンス整合を行うインピーダンス整合回路モジュールと、該インピーダンス整合回路モジュールに用いられるインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末等の無線通信端末は、高周波信号を外部に対して送受信するアンテナと、高周波信号の送信処理や受信処理を行う高周波フロントエンド部とを備える。アンテナと高周波フロントエンド部とは、送受信する高周波信号の周波数帯域においてインピーダンス整合されていなければ、アンテナと高周波フロントエンド部との間で、低損失に高周波信号を伝搬することができない。このため、一般的に、アンテナと高周波フロントエンド部との間には、インピーダンス整合回路が配置されている。すなわち、アンテナと高周波フロントエンド部とは、インピーダンス整合回路を介して接続されている。
【0003】
現在、アンテナおよび高周波フロントエンド部の広周波数帯域化が進んでおり、アンテナおよび高周波フロントエンド部は、この広い周波数帯域内の複数のバンド(通信周波数帯域)に対応可能なものになっている。しかしながら、単にインダクタとキャパシタとによる固定の回路パターンからなるインピーダンス整合回路では、インピーダンス整合できる周波数帯域が限られてしまい、上述の複数のバンドの高周波信号を、低損失に伝送することが容易ではない。
【0004】
このため、特許文献1に記載の高周波モジュール(特許文献1ではアンテナ装置と称されている。)では、送受信するバンドによって、アンテナにLC共振回路を接続したり、接続しなかったりしており、このLC共振回路の利用選択によって、2種類のバンドの高周波信号を低損失に伝送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−179426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の高周波モジュールでは、LC共振回路の帯域通過特性の影響を受けるため、1つのLC共振回路で広帯域化を実現することはできない。したがって、バンド間で周波数が離れている場合には、アンテナおよび高周波フロントエンド部で送受信するバンド分に対応してLC共振回路を設けなければならない。そして、このLC共振回路の数に応じて、スイッチの切り替え端子数が変化する。したがって、広帯域(広周波数帯域)化が進み、利用するバンド数が増加すると、LC共振回路数およびスイッチの切り替え端子数が増加して、高周波モジュールが大型化してしまう。すなわち、広帯域に対応した場合、容易に小型化できない。また、利用するバンドが異なる毎に、LC共振回路の回路定数を、利用するバンドに合わせて調整しなければならず、スイッチの仕様を変えなければならないので、設計変更が容易ではない。
【0007】
本発明の目的は、様々なバンドの構成仕様に対応可能であり、全体として利用する周波数帯域が広帯域になっても、各バンドでインピーダンス整合が可能な簡易的構成で小型のインピーダンス整合回路モジュールを提供することにある。さらに、当該インピーダンス整合回路モジュールを実現するインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のインピーダンス整合用スイッチ回路は、高周波信号の入出力端子となる第1、第2高周波入出力端子、外部の整合素子に接続可能な第1整合端子、第1、第2スイッチ素子を備える。第1スイッチ素子は、第1高周波入出力端子と第2高周波入出力端子との間に接続されている。第2スイッチ素子は、第1スイッチ素子の第1高周波入出力端子側、または、第1スイッチ素子の第2高周波入出力端子側と、第1整合端子との間に接続されている。
【0009】
この構成では、L型のスイッチ回路が形成される。そして、この構成では、外部に接続する整合素子の態様と第1、第2スイッチ素子のオンオフ制御によって、インピーダンス特性が大幅に変化する。これにより、広帯域なインピーダンス整合が可能になる。
【0010】
また、この発明のインピーダンス整合用スイッチ回路は、次の構成であることが好ましい。インピーダンス整合用スイッチ回路は、第1整合端子が接続する整合素子とは異なる整合素子に接続可能な第2整合端子と第3スイッチ素子とを備える。第3スイッチ素子は、第1スイッチ素子における第2スイッチ素子が接続される側に対して反対の側と、第2整合端子との間に接続されている。
【0011】
この構成では、π型スイッチ回路が形成される。そして、この構成では、外部に接続する整合素子の態様と第1、第2、第3スイッチ素子のオンオフ制御によって、インピーダンス特性がさらに大幅に変化する。これにより、より広帯域なインピーダンス整合が可能になる。
【0012】
また、この発明のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールは、上述の第1、第2スイッチ素子を備えるインピーダンス整合用スイッチ回路の回路構成を有し、次の構成を特徴としている。インピーダンス整合用スイッチ回路モジュールは、スイッチICと基体とを備える。スイッチICは、第1スイッチ素子と第2スイッチ素子が内蔵されている。基体は、矩形状からなり、スイッチICが表面に実装され、第1高周波入出力端子、第2高周波入出力端子、第1整合端子、およびスイッチICを駆動制御するための複数の端子が裏面に形成されている。第1高周波入出力端子、第2高周波入出力端子の第1群と、第1整合端子を有する第2群と、スイッチICを駆動制御するための複数の端子を有する第3群とは、裏面の第1方向に沿って配列されている。第1群と第2群とは、第1方向に隣接している。
【0013】
また、この発明のインピーダンス整合回路モジュールは、次の構成を備えることがより好ましい。インピーダンス整合回路モジュールは、基体が実装される実装基板を備える。実装基板は、第1、第2、第3導体パターンと第1、第2整合素子実装用領域とを備える。第1導体パターンは、第1外部接続端子に第1高周波入出力端子を接続する。第2導体パターンは、基体に対して第1外部接続端子と逆側に形成された第2外部接続端子に第2高周波入出力端子を接続する。第3導体パターンは、第1整合端子に接続する。第1整合素子実装用領域は、第1導体パターンと第2導体パターンとの間に設けられている。第2整合素子実装用領域は、第3導体パターンと、第1導体パターンまたは第2導体パターンもしくはグランドに接続する導体パターンとの間に設けられている。
【0014】
これらの構成では、上述の回路構成からなるインピーダンス整合用スイッチ回路を実現するインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールおよびインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールを含むインピーダンス整合回路モジュールの具体的形状を示している。この構成とすることで、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュールおよびインピーダンス整合回路モジュールを小型に形成できる。また、第1、第2高周波入出力端子と第1整合端子とが隣接するので、伝送損失を低減できる。
【0015】
また、この発明のインピーダンス整合回路モジュールでは、第1整合素子実装用領域と第2整合素子実装用領域に対して選択的に整合素子が実装されていることが好ましい。
【0016】
この構成では、本インピーダンス整合回路モジュールの状態でインピーダンス整合が行われた状態になっており、当該インピーダンス整合回路モジュールを装着するだけで、当該インピーダンス整合回路モジュールを介して接続される外部回路間でのインピーダンス整合が完了する。
【0017】
また、この発明のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールは、上述の第1、第2、第3スイッチ素子を備えるインピーダンス整合用スイッチ回路の回路構成を有し、次のような特徴を有する。インピーダンス整合用スイッチ回路モジュールは、スイッチICと基体とを備える。スイッチICは、第1スイッチ素子、第2スイッチ素子、および第3スイッチ素子が内蔵されている。基体は、矩形状であり、スイッチICが表面に実装され、第1高周波入出力端子、第2高周波入出力端子、第1整合端子、第2整合端子、およびスイッチICを駆動制御するための複数の端子が裏面に形成されている。第1高周波入出力端子、第2高周波入出力端子の第1群と、第1整合端子と第2整合端子を有する第2群と、スイッチICを駆動制御するための複数の端子を有する第3群と、は、裏面の第1方向に沿って配列されている。第1群と第2群とは、第1方向に隣接している。
【0018】
また、この発明のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールは、第1方向に直交する第2方向に沿って、第1群における第1高周波入出力端子と第2高周波入出力端子の配列順と、第2群における第1整合端子と第2整合端子の配列順とが同じであってもよい。
【0019】
この際、この発明のインピーダンス整合回路モジュールは、次の構成を備えることがより好ましい。インピーダンス整合回路モジュールは基体が実装される実装基板を備え。実装基板は、第1、第2、第3、第4導体パターンと、第1、第2、第4整合素子用実装領域とを備える。第1導体パターンは、第1外部接続端子に第1高周波入出力端子を接続する。第2導体パターンは、基体に対して第1外部接続端子と逆側に形成された第2外部接続端子に第2高周波入出力端子を接続する。第3導体パターンは、第1整合端子に接続する。第4導体パターンは、第2整合端子に接続する。第1整合素子実装用領域は、第1導体パターンと第2導体パターンとの間に設けられている。第2整合素子実装用領域は、第3導体パターンと、第1導体パターンもしくはグランドに接続する導体パターンとの間に設けられている。第4整合素子用実装領域は、第4導体パターンと、第2導体パターンもしくはグランドに接続する導体パターンとの間に設けられている。
【0020】
また、この発明のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールは、第1方向に直交する第2方向に沿って、第1群における第1高周波入出力端子と第2高周波入出力端子の配列順と、第2群における第1整合端子と第2整合端子の配列順とが逆であってもよい。
【0021】
この際、この発明のインピーダンス整合回路モジュールは、次の構成を備えることがより好ましい。インピーダンス整合回路モジュールは基体が実装される実装基板を備え。実装基板は、第1、第2、第3、第4導体パターンと、第1、第2、第4整合素子用実装領域とを備える。第1導体パターンは、第1外部接続端子に第1高周波入出力端子を接続する。第2導体パターンは、基体に対して第1外部接続端子と逆側に形成された第2外部接続端子に第2高周波入出力端子を接続する。第3導体パターンは、第1整合端子に接続する。第4導体パターンは、第2整合端子に接続する。第1整合素子用領域は、第1導体パターンと第2導体パターンとの間に設けられている。第4整合素子用実装領域は、第3導体パターンと、第2導体パターンもしくはグランドに接続する導体パターンとの間に設けられている。第2整合素子用実装領域は、第4導体パターンと第1導体パターンもしくはグランドに接続する導体パターンとの間に設けられている。
【0022】
これらの構成では、上述の回路構成からなるインピーダンス整合用スイッチ回路を実現するインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールおよび当該インピーダンス整合用スイッチ回路モジュールを含むインピーダンス整合回路モジュールの具体的形状を示している。この構成とすることで、インピーダンス整合用スイッチ回路を小型に形成できる。また、第1、第2高周波入出力端子と第1、第2整合端子とが隣接するので、伝送損失を低減できる。さらに、第1、第2高周波入出力端子の配置関係と第1、第2整合端子の配置関係と同じにしたり逆にしたりすることで、インピーダンス整合可能な周波数帯域をより広帯域にすることができる。
【0023】
また、この発明のインピーダンス整合回路モジュールでは、第1整合素子実装用領域と第2整合素子実装用領域と第4整合素子実装用領域に対して選択的に整合素子が実装されていることが好ましい。
【0024】
この構成では、本インピーダンス整合回路モジュールの状態でインピーダンス整合が行われた状態になっており、当該インピーダンス整合回路モジュールを装着するだけで、当該インピーダンス整合回路モジュールを介して接続される外部回路間でのインピーダンス整合が完了する。
【0025】
また、この発明のインピーダンス整合回路モジュールでは、第1導体パターンは途中位置に第3整合素子用実装領域を備え、第3整合素子用実装領域に整合素子が実装されていることが好ましい。
【0026】
この構成では、さらにインピーダンス整合可能な周波数帯域を広帯域にすることができる。
【0027】
また、この発明のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールでは、次の構成であることが好ましい。第2群にはグランドに接続するグランド接続端子を備える。グランド接続端子は、第1整合端子と第2整合端子との間の位置に形成されている。
【0028】
この構成では、第1整合端子と第2整合端子との間でのアイソレーションを確保できる。これにより、インピーダンス整合をより正確に行うことができる。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、様々なバンドの構成仕様に対応可能であり、全体として利用する周波数帯域が広帯域になっても、各バンドでインピーダンス整合可能な構成を、小型で簡易的な構成によって実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールの等価回路図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールの外観図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールを含むインピーダンス整合回路モジュールの使用態様を示す構成図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合回路モジュールの使用例を示す図である。
図5】インピーダンス整合回路モジュールの回路バリエーションを示す図である。
図6】インピーダンス整合回路モジュールの回路バリエーションを示す図である。
図7】インピーダンス整合回路モジュールの回路バリエーションを示す図である。
図8】シリーズ整合素子、シャント整合素子によるインピーダンス調整作用を説明するためのスミスチャートである。
図9】本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合回路モジュールを用いた場合の各バンドでのアンテナ利得を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールの等価回路図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールを含むインピーダンス整合回路モジュールの使用態様を示す構成図である。
図12】本発明の第2の実施形態に係るインピーダンス整合回路モジュールの第1使用例を示す図である。
図13】本発明の第2の実施形態に係るインピーダンス整合回路モジュールの第2使用例を示す図である。
図14】本発明の第3の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールの等価回路図である。
図15】インピーダンス整合用スイッチ回路モジュールの端子導体の配列例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール、およびインピーダンス整合回路モジュールについて、図を参照して説明する。
【0032】
図1は本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールの等価回路図である。図2は本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールの外観図である。
【0033】
図1に示すように、回路的には、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10は、第1スイッチ素子101、第2スイッチ素子102、第3スイッチ素子103を備えるπ型回路からなる。第1、第2、第3スイッチ素子101,102,103は、それぞれSPSTスイッチであり、オン状態(導通状態)もしくはオフ状態(開放状態)に制御される。第1、第2、第3スイッチ素子101,102,103は、外部からの駆動電圧VDDによって起動し、制御電圧信号VCTL1,VCTL2のHi/Lowの組合せに応じて、オン/オフ制御される。
【0034】
第1スイッチ素子101の一方端は、第1高周波入出力端子PRF1に接続されている。第1スイッチ素子102の他方端は、第2高周波入出力端子PRF2に接続されている。第1スイッチ素子101がオン状態になれば、第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2が第1スイッチ素子101を介して直接接続される。第1スイッチ素子101がオフ状態になれば、第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2間が開放される。
【0035】
第2スイッチ素子102の一方端は、第1高周波入出力端子PRF1に接続されている。第2スイッチ素子102の他方端は、第1整合端子PMC1に接続されている。第2スイッチ素子102がオン状態になれば、第1高周波入出力端子PRF1と第1整合端子PMC1が第1スイッチ素子101を介して直接接続される。第1スイッチ素子101がオフ状態になれば、第1高周波入出力端子PRF1と第1整合端子PMC1間が開放される。
【0036】
第3スイッチ素子103の一方端は、第2高周波入出力端子PRF2に接続されている。第3スイッチ素子103の他方端は、第2整合端子PMC2に接続されている。第3スイッチ素子103がオン状態になれば、第2高周波入出力端子PRF2と第2整合端子PMC2が第3スイッチ素子103を介して直接接続される。第3スイッチ素子103がオフ状態になれば、第2高周波入出力端子PRF2と第2整合端子PMC2間が開放される。
【0037】
このような回路構成からなるインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2や第1、第2整合端子PMC1,PMC2に、素子値(インダクタンスやキャパシタンス)を適宜設定してインダクタやキャパシタ等の整合素子を接続する。なお、具体的な接続態様例は後述する。これにより、第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2によって接続される整合対象回路部間で、整合したい周波数でインピーダンス整合を適切に行うことができる。
【0038】
具体的には、接続する整合素子(インダクタやキャパシタ)の接続態様や、各整合素子の素子値を変え、且つ第1、第2、第3スイッチ素子101,102,103のオンオフ状態を変化させる。これにより、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール101の回路構成が変化して、当該回路のインピーダンス特性(位相特性等)が変化する。このため、整合したい周波数で所望とするインピーダンス特性を実現でき、第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2によって接続される整合対象回路部間でのインピーダンス整合を実現できる。この際、このインピーダンス整合は、上述の簡素な回路構成のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10と、これに接続される整合素子とによる簡易的な回路構成によって実現されるので、インピーダンス整合を簡素な回路で実現することができる。
【0039】
図2に示すように、構造的には、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10は、基体11とスイッチIC100とを備える。
【0040】
スイッチIC100は、第1、第2、第3スイッチ素子101,102,103が内蔵されている。スイッチIC100は、例えばSOIによって形成されている。
【0041】
基体11は、矩形状の絶縁性材料からなり、内部や表面、裏面に導体パターンが形成されている。基体11の裏面には、第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2、第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体、グランド端子PGND用端子導体、駆動電圧印加端子PVDD用端子導体、制御電圧印加端子PCTL1,PCTL2用端子導体が形成されている。
【0042】
これらは、平面視した長方形状の第1方向に沿って、3つのランド群で構成されている。第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2用端子導体が第1群であり、第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体およびグランド端子PGND用端子導体が第2群であり、駆動電圧印加端子PVDD用端子導体、制御電圧印加端子PCTL1,PCTL2用端子導体が第3群である。第1群の端子が第1方向の一方端辺の近傍に配置され、第3群の端子が第1方向の他方端辺の近傍に配置されている。第2群の端子は、第1方向の略中央位置に配置されている。
【0043】
第1群の端子である第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2用端子導体は、第2方向に沿って配置されている。第1高周波入出力端子PRF1用端子導体は第2方向の一方端辺の近傍に配置され、第2高周波入出力端子PRF2用端子導体は第2方向の他方端辺の近傍に配置されている。
【0044】
第2群の端子である第1、第2整合端子PMC2,PMC2用端子導体およびグランド端子PGND用端子導体は、第2方向に沿って配置されている。第1整合端子PMC1用端子導体は第2方向の一方端辺の近傍に配置され、第2整合端子PMC2用端子導体は第2方向の一方端辺の近傍に配置されている。グランド端子PGND用端子導体は、第2方向に沿った第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体間に配置されている。
【0045】
第3群の端子である駆動電圧印加端子PVDD用端子導体、制御電圧印加端子PCTL1,PCTL2用端子導体は、第2方向に沿って所定間隔をおいて配置されている。
【0046】
素体11は、第1、第2、第3スイッチ素子101,102,103と、第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2、第1、第2整合端子PMC1,PMC2を、図1に示す回路を実現するように接続する導体パターンを備える。また、図示しないが、素体11は、グランド端子PGND用端子導体、駆動電圧印加端子PVDD用端子導体、制御電圧印加端子PCTL1,PCTL2用端子導体を機能させるための導体パターンも備える。
【0047】
このような構成とすることで、スイッチIC100と素体11のみからなる小型のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10を実現することができる。
【0048】
そして、上述のような端子の構成を用いることで、第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2用端子導体間に他の端子が存在せず、第1スイッチ素子101で接続される第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体間の伝送経路を短くでき、他の伝送経路に対するアイソレーションを確保できる。
【0049】
また、第1高周波入出力端子PRF1用端子導体と第1整合端子PMC1用端子導体との間に他の端子が存在せず、第2スイッチ素子102で接続される第1高周波入出力端子PRF1用端子導体と第1整合端子PMC1用端子導体との間の伝送経路を短くでき、他の伝送経路とに対するアイソレーションを確保できる。
【0050】
また、第2高周波入出力端子PRF2用端子導体と第2整合端子PMC2用端子導体との間に他の端子が存在せず、第3スイッチ素子103で接続される第2高周波入出力端子PRF2用端子導体と第2整合端子PMC2用端子導体との間の伝送経路を短くでき、他の伝送経路とに対するアイソレーションを確保できる。
【0051】
また、第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体間にグランドが配置されるので、第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体間のアイソレーションを確保できる。
【0052】
上述のように、本実施形態の構成を用いることで、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10を小型に実現できる。そして、切り替えられる端子間のアイソレーションを確保できるので、スイッチ素子の状態によってインピーダンスが変化せず、所望とするインピーダンス特性を確実且つ精確に実現することができる。
【0053】
このようなインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10は、次に示す構成によって使用される。図3は、本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールを含むインピーダンス整合回路モジュールの使用態様を示す構成図である。
【0054】
インピーダンス整合回路モジュール20は、実装基板21と、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10を備える。実装基板21には、導体パターン201,202,203,204,205,206,207が形成されている。導体パターン201,202,203,204,205,206,207は、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の実装領域を囲むように、且つ当該実装領域に近接する領域に形成されている。
【0055】
導体パターン201は、本発明の第1導体パターンに相当し、一方端が第1外部接続端子PIO1であり、他方端にはランド導体212を備える。導体パターン201の伸長方向における途中位置には、ランド導体211が備えられている。
【0056】
導体パターン202は、本発明の第2導体パターンに相当し、一方端が第2外部接続端子PIO2であり、他方端にはランド導体223を備える。ランド導体223は、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の実装領域内に配置されている。導体パターン202の伸長方向における途中位置には、ランド導体221,222が間隔を空けて配置されている。ランド導体221が第2外部接続端子PIO2側であり、ランド導体222がランド導体223側である。
【0057】
導体パターン201,202は、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の実装領域を間に挟んで、反対側の領域に形成されている。
【0058】
導体パターン203は、本発明の第1導体パターンに相当し、ランド導体231,232,233を接続する形状である。導体パターン203は、導体パターン201の形成領域と、導体パターン202の形成領域との間の領域で、且つランド導体231およびその近傍を除き、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の実装領域外に形成されている。ランド導体231は、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の実装領域内に配置されている。ランド導体232は、ランド導体212に対して所定間隔をおいて対向する位置に配置されている。これにより整合素子実装領域34が形成される。整合素子用実装領域33が本発明の第3整合素子実装領域に相当する。ランド導体233は、ランド導体222に対して所定間隔をおいて対向する位置に配置されている。これにより整合素子実装領域33が形成される。整合素子用実装領域33が本発明の第1整合素子実装領域に相当する。これらの間隔は、整合素子の外部端子間距離に基づいて決定されている。
【0059】
導体パターン206,207は、それぞれグランド電位に接続されており、それぞれにランド導体261,271を備える。導体パターン206,207は、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の実装領域を間に挟んで、反対側の領域に形成されている。
【0060】
導体パターン204は、本発明の第3導体パターンに相当し、ランド導体241,242,243を接続する形状である。導体パターン204は、導体パターン201の形成領域と、導体パターン206の形成領域との間の領域で、且つランド導体241およびその近傍を除き、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の実装領域外に形成されている。ランド導体242は、ランド導体211に対して所定間隔をおいて対向する位置に配置されている。これにより整合素子実装領域31が形成される。ランド導体243は、ランド導体261に対して所定間隔をおいて対向する位置に配置されている。これにより整合素子実装領域35が形成される。整合素子用実装領域31,35が本発明の第2整合素子実装領域に相当する。これらの間隔は、整合素子の外部端子間距離に基づいて決定されている。
【0061】
導体パターン205は、本発明の第4導体パターンに相当し、ランド導体251,252,253を接続する形状である。導体パターン205は、導体パターン202の形成領域と、導体パターン207の形成領域との間の領域で、且つランド導体251およびその近傍を除き、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の実装領域外に形成されている。ランド導体252は、ランド導体221に対して所定間隔をおいて対向する位置に配置されている。これにより整合素子実装領域32が形成される。ランド導体253は、ランド導体271に対して所定間隔をおいて対向する位置に配置されている。これにより整合素子実装領域36が形成される。整合素子用実装領域32,36が本発明の第4整合素子実装領域に相当する。これらの間隔は、整合素子の外部端子間距離に基づいて決定されている。
【0062】
インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10は、実装基板21の導体パターン形成面に実装されている。この際、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の各端子は、次のように実装される。第1高周波入出力端子PRF1用端子導体は、ランド導体231に当接する。第2高周波入出力端子PRF2用端子導体は、ランド導体223に当接する。第1整合端子PMC1用端子導体は、ランド導体241に当接する。第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体は、ランド導体251に当接する。
【0063】
このような構成の各整合素子実装領域31−36の必要箇所に所望の素子値からなる整合素子を実装することで、インピーダンス整合回路モジュール20は、所望とするインピーダンスを実現することができる。
【0064】
次に、具体的な使用例を示す。図4は、本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合回路モジュールの使用例を示す図であり、図4(A)は構成図、図4(B)はその等価回路図である。なお、図4に示す構成は一例であり、整合素子実装領域34に整合素子340もしくは0Ω抵抗素子を実装する以外の構成は、所望のインピーダンスを実現するように適宜選択して、整合素子を実装すればよい。また、各整合素子は、実装型の整合素子であり、インダクタであってもキャパシタであってもよく、その素子値(インダクタンスやキャパシタンス)も所望のインピーダンスを実現するように適宜選択すればよい。
【0065】
整合素子実装領域33には、整合素子330が実装されている。これにより、導体パターン202,203が整合素子330を介して接続される。整合素子実装領域34には、整合素子340が実装されている。これにより、導体パターン201,203が整合素子340を介して接続される。整合素子実装領域35には、整合素子350が実装されている。これにより、導体パターン204,206が整合素子350を介して接続される。
【0066】
整合素子実装領域36には、整合素子360が実装されている。これにより、導体パターン205,207が整合素子360を介して接続される。
【0067】
以上のような構成により、インピーダンス整合回路モジュール20は、図4(B)に示す回路構成となる。具体的には、第1外部接続端子PIO1と第1高周波入出力端子PRF1とは、整合素子340によって接続される。第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2は、スイッチ素子101と整合素子330との並列回路によって接続される。これにより、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2は、スイッチ素子101および整合素子330の並列回路と整合素子340との直列接続回路によって接続される。
【0068】
第1整合端子PMC1は、整合素子350によってグランド電位に接続されている。これにより、第1高周波入出力端子PRF1は、第2スイッチ素子102および整合素子350の直列回路によって、グランド電位に接続される。第2整合端子PMC2は、整合素子360によってグランド電位に接続されている。これにより、第2高周波入出力端子PRF2は、第3スイッチ素子103および整合素子360の直列回路によって、グランド電位に接続される。
【0069】
そして、このような回路構成において、第1、第2、第3スイッチ素子101,102,103のオンオフ制御を行うことで、次に示す各回路を実現できる。図5図6図7の(A)〜(H)はインピーダンス整合回路モジュールの回路バリエーションを示しており、それぞれにスイッチ状態を含む回路構成図と等価回路図とを示している。
【0070】
(A)第1スイッチ素子101:オン、第2、第3スイッチ素子102,103:オフ(図5(A)参照)
この場合、第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2が導通する。第1高周波入出力端子PRF1と第1整合端子PMC1(整合回路350)との間は開放され、第2高周波入出力端子PRF2と第2整合端子PMC2(整合回路360)との間は開放される。
【0071】
したがって、インピーダンス整合回路モジュール10は、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2とが整合素子340を介して接続される回路となる。
【0072】
(B)第1、第2スイッチ素子101,102:オン、第3スイッチ素子103:オフ(図5(B)参照)
この場合、第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2が導通する。第1高周波入出力端子PRF1と第1整合端子PMC1(整合回路350)とが導通する。第2高周波入出力端子PRF2と第2整合端子PMC2(整合回路360)との間は開放される。
【0073】
したがって、インピーダンス整合回路モジュール10は、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2とが整合素子340を介して接続され、第2外部接続端子PIO2と整合素子340の接続点が整合素子350によってグランドに接続される回路となる(L型整合回路)。
【0074】
(C)第1、第2、第3スイッチ素子101,102,103:オン(図5(C)参照)
この場合、第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2が導通する。第1高周波入出力端子PRF1と第1整合端子PMC1(整合回路350)とが導通する。第2高周波入出力端子PRF2と第2整合端子PMC2(整合回路360)とが導通する。
【0075】
したがって、インピーダンス整合回路モジュール10は、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2とが整合素子340を介して接続され、第2外部接続端子PIO2と整合素子340の接続点が整合素子350,360によってグランドに接続される回路となる(L型整合回路)。
【0076】
(D)第1、第3スイッチ素子101,103:オン、第2スイッチ素子102:オフ(図6(D)参照)
この場合、第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2が導通する。第1高周波入出力端子PRF1と第1整合端子PMC1(整合回路350)との間は開放される。第2高周波入出力端子PRF2と第2整合端子PMC2(整合回路360)とが導通する。
【0077】
したがって、インピーダンス整合回路モジュール10は、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2とが整合素子340を介して接続され、第2外部接続端子PIO2と整合素子340の接続点が整合素子360によってグランドに接続される回路となる(L型整合回路)。
【0078】
(E)第1、第2、第3スイッチ素子101,102,103:オフ(図6(E)参照)
この場合、第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2が整合素子330を介して導通する。第1高周波入出力端子PRF1と第1整合端子PMC1(整合回路350)との間は開放され、第2高周波入出力端子PRF2と第2整合端子PMC2(整合回路360)との間は開放される。
【0079】
したがって、インピーダンス整合回路モジュール10は、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2とが整合素子330,340の直列回路を介して接続される回路となる。
【0080】
(F)第1、第3スイッチ素子101,103:オフ、第2スイッチ素子102:オン(図6(F)参照)
この場合、第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2が整合素子330を介して導通する。第1高周波入出力端子PRF1と第1整合端子PMC1(整合回路350)とが導通する。第2高周波入出力端子PRF2と第2整合端子PMC2(整合回路360)との間は開放される。
【0081】
したがって、インピーダンス整合回路モジュール10は、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2とが整合素子330,340の直列回路を介して接続され、整合素子330,340の接続点が整合素子350によってグランドに接続される回路となる(T型整合回路)。
【0082】
(G)第1スイッチ素子101:オフ、第2、第3スイッチ素子102,103:オン(図7(G)参照)
この場合、第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2が整合素子330を介して導通する。第1高周波入出力端子PRF1と第1整合端子PMC1(整合回路350)とが導通する。第2高周波入出力端子PRF2と第2整合端子PMC2(整合回路360)とが導通する。
【0083】
したがって、インピーダンス整合回路モジュール10は、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2とが整合素子330,340の直列回路を介して接続され、整合素子330,340の接続点が整合素子350によってグランドに接続され、第2外部接続端子PIO2と整合素子330の接続点が整合素子360によってグランドに接続される回路となる(2段L型整合回路)。
【0084】
(H)第1、第2スイッチ素子101,102:オフ、第3スイッチ素子103:オン(図7(H)参照)
この場合、第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2が整合素子330を介して導通する。第1高周波入出力端子PRF1と第1整合端子PMC1(整合回路350)との間は開放される。第2高周波入出力端子PRF2と第2整合端子PMC2(整合回路360)とが導通する。
【0085】
したがって、インピーダンス整合回路モジュール10は、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2とが整合素子330,340の直列回路を介して接続され、第2外部接続端子PIO2と整合素子330の接続点が整合素子360によってグランドに接続される回路となる(L型整合回路)。
【0086】
このように本実施形態の構成を用いれば、第1、第2、第3スイッチ素子101,102,103のオンオフ制御を制御することで、それぞれに異なる8種類の回路構成を実現することができる。したがって、それぞれに異なるインピーダンス特性を有する複数種類のインピーダンス整合回路モジュール10を、スイッチ制御だけで実現することができる。さらに、各整合素子をインダクタとするかキャパシタとするかの選択と、素子値(インダクタンス、キャパシタンス)を選択することで、インピーダンス整合回路モジュール10の全体形状を変えることなく、より多様なインピーダンスを実現することができる。この際、第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2との間に接続される整合素子、すなわちシリーズ接続整合素子のみでなく、第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2とを接続する伝送経路とグランド電位との間に接続される整合素子、すなわちシャント接続整合素子も選択できるので、さらに多様なインピーダンスを実現することができる。
【0087】
図8は、シリーズ整合素子、シャント整合素子によるインピーダンス調整作用を説明するためのスミスチャートである。図8において、TypeCshはシャント整合素子がキャパシタで構成された場合を示し、TypeLshはシャント整合素子がインダクタで構成された場合を示す。また、TypeCseはシリーズ整合素子がキャパシタで構成された場合を示し、TypeLseはシリーズ整合素子がインダクタで構成された場合を示す。
【0088】
図8に示すように、シャント整合素子がキャパシタで構成された場合、50Ω未満の領域から50Ωを含む所定範囲内の領域に、インピーダンスを、スミスチャート上において時計回りに沿って調整することができる。シャント整合素子がインダクタで構成された場合、50Ω未満の領域から50Ωを含む所定範囲内の領域に、インピーダンスを、スミスチャート上において半時計回りに沿って調整することができる。シリーズ整合素子がキャパシタで構成された場合、50Ωよりも大きな領域から50Ωを含む所定範囲内の領域に、インピーダンスを、スミスチャート上において半時計回りに沿って調整することができる。シリーズ整合素子がインダクタで構成された場合、50Ωよりも大きな領域から50Ωを含む所定範囲内の領域に、インピーダンスを、スミスチャート上において時計回りに沿って調整することができる。
【0089】
したがって、本実施形態に構成に示すように、シリーズ整合素子とシャント整合素子とを適切に選択し、各整合素子をインダクタもしくはキャパシタのうち適切なもの選択し、さらに素子値(インダクタンスもしくはキャパシタンス)を適切な値に設定することで、所望とする周波数で所望のインピーダンスを実現することができる。これにより、所望のバンドの高周波信号に対して、第1外部接続端子PIO1に接続される第1外部回路と、第2外部接続端子PIO2に接続される第2外部回路のとの間のインピーダンス整合を、確実に行うことができる。
【0090】
図9は、本発明の第1の実施形態に係るインピーダンス整合回路モジュールを用いた場合の各バンドでのアンテナ利得を示す図である。図9において、横軸は周波数であり、縦軸はアンテナ利得である。なお、アンテナは第1外部接続端子PIO1に接続されており、高周波フロントエンド部は第2外部接続端子PIO2に接続されている。図9の実線と破線は、スイッチ素子のオン状態とスイッチ素子のオフ状態のアンテナ利得を示している。例えば、実線はスイッチ素子がオフ状態のアンテナ利得であり、破線はスイッチ素子がオン状態のアンテナ利得である。
【0091】
図9に示すように、本実施形態のインピーダンス整合回路モジュールを用いれば、スイッチ素子のオンオフ制御により、周波数帯域が近接するバンド5とバンド8であっても、アンテナ利得の高い周波数帯域を選択することができる。例えば、図9の場合、スイッチ素子がオフ状態ではバンド8のアンテナ利得が高くバンド5のアンテナ利得が低い状態になっているが、スイッチ素子をオン状態に制御することで、バンド5のアンテナ利得を高く改善することができる。
【0092】
このように、本実施形態のインピーダンス整合回路モジュールを用いれば、近接するバンドが存在していても、それぞれのバンドの高周波信号を送受信する際に、当該送受信するバンドに対して高いアンテナ利得を実現できる。
【0093】
また、図9に示すように、本実施形態のインピーダンス整合回路モジュールを用いれば、スイッチ素子のオンオフ制御により、周波数帯域が離れたバンド1とバンド21であっても、アンテナ利得の高い周波数帯域を選択することができる。例えば、図9の場合、スイッチ素子がオフ状態ではバンド1のアンテナ利得が高くバンド21のアンテナ利得が低い状態になっているが、スイッチ素子をオン状態に制御することで、バンド21のアンテナ利得を高く改善することができる。
【0094】
以上のように、本実施形態のインピーダンス整合回路モジュールを用いれば、広帯域でインピーダンス整合を行うことができる。この際、上述のように、簡易的な構成で広帯域のインピーダンス整合を行うことができる。さらに、広帯域のインピーダンス整合が可能なインピーダンス整合回路モジュールを、小型に構成することができる。
【0095】
次に、本発明の第2の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール、およびインピーダンス整合回路モジュールについて、図を参照して説明する。
【0096】
本実施形態のインピーダンス整合回路モジュールは、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10Aの構成が、第1の実施形態に示したインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10と異なるものであり、他の構成は、第1の実施形態に示したインピーダンス整合回路モジュール20と同じである。したがって、異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0097】
図10は本発明の第2の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールの等価回路図である。図11は、本発明の第2の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールを含むインピーダンス整合回路モジュールの使用態様を示す構成図である。
【0098】
図10に示すように、回路的には、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10Aは、第1スイッチ素子101、第2スイッチ素子102A、第3スイッチ素子103Aを備える変形π型回路からなる。第1、第2、第3スイッチ素子101,102A,103Aは、それぞれSPSTスイッチである。
【0099】
第1スイッチ素子101の一方端は、第1高周波入出力端子PRF1に接続されている。第1スイッチ素子102の他方端は、第2高周波入出力端子PRF2に接続されている。
【0100】
第2スイッチ素子102の一方端は、第1高周波入出力端子PRF1に接続されている。第2スイッチ素子102の他方端は、第1整合端子PMC1に接続されている。
【0101】
第3スイッチ素子103の一方端は、第2高周波入出力端子PRF2に接続されている。第3スイッチ素子103の他方端は、第2整合端子PMC2に接続されている。
【0102】
インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10Aの外形形状は、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10と同じである。しかしながら、第1整合端子PMC1と第2整合端子PMC2の配置パターンがインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10と逆配列である。具体的には、第1整合端子PMC1は第2高周波入出力端子PRF2に近接し、第2整合端子PMC2は第1高周波入出力端子PRF1に近接するように配置されている。このような構造からなるインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10Aが、図11に示すように、第1の実施形態と同様の態様で実装基板21に実装される。
【0103】
このような構成とすることで、第2スイッチ素子102Aによって、導体パターン203と導体パターン205が導通、開放制御される。第3スイッチ素子103Aによって、導体パターン202と導体パターン204が導通、開放制御される。
【0104】
このような構成の各整合素子実装領域31−36の必要箇所に所望の素子値からなる整合素子を実装することで、インピーダンス整合回路モジュール20Aは、第1の実施形態に示したインピーダンス整合回路モジュール20と同様に、所望とするインピーダンスを実現することができる。
【0105】
次に、具体的な使用例を示す。
(使用例1)
図12は、本発明の第2の実施形態に係るインピーダンス整合回路モジュールの第1使用例を示す図であり、図12(A)は構成図、図12(B)はその等価回路図である。
【0106】
整合素子実装領域31には、整合素子310が実装されている。これにより、導体パターン201,204が整合素子310を介して接続される。整合素子実装領域33には、整合素子330が実装されている。これにより、導体パターン202,203が整合素子330を介して接続される。整合素子実装領域34には、整合素子340が実装されている。これにより、導体パターン201,203が整合素子340を介して接続される。整合素子実装領域36には、整合素子360が実装されている。これにより、導体パターン205,207が整合素子360を介して接続される。
【0107】
以上のような構成により、インピーダンス整合回路モジュール20Aは、図12(B)に示す回路構成となる。具体的には、第1外部接続端子PIO1と第1高周波入出力端子PRF1とは、整合素子340によって接続される。第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2は、第1スイッチ素子101と整合素子330との並列回路によって接続される。第1外部接続端子PIO1と第2整合端子PMC2とは、整合素子310によって接続される。
【0108】
これにより、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2は、第1スイッチ素子101および整合素子330の並列回路と整合素子340との直列接続回路と、整合素子310および第2スイッチ素子102Aの直列回路とによって接続される。
【0109】
第1整合端子PMC1は、整合素子360によってグランド電位に接続されている。これにより、第1高周波入出力端子PRF1は、第2スイッチ素子102Aおよび整合素子360の直列回路によって、グランド電位に接続される。
【0110】
そして、このような回路構成において、第1、第2、第3スイッチ素子101,102A,103Aのオンオフ制御を行うことで、インピーダンス整合回路モジュール20Aは、第1の実施形態に示したインピーダンス整合回路モジュール20と同様に、多様なインピーダンス整合を実現できる。
【0111】
(使用例2)
図13は、本発明の第2の実施形態に係るインピーダンス整合回路モジュールの第2使用例を示す図であり、図13(A)は構成図、図13(B)はその等価回路図である。
【0112】
整合素子実装領域32には、整合素子320が実装されている。これにより、導体パターン202,205が整合素子320を介して接続される。整合素子実装領域33には、整合素子330が実装されている。これにより、導体パターン202,203が整合素子330を介して接続される。整合素子実装領域34には、整合素子340が実装されている。これにより、導体パターン201,203が整合素子340を介して接続される。整合素子実装領域35には、整合素子350が実装されている。これにより、導体パターン204,206が整合素子350を介して接続される。
【0113】
以上のような構成により、インピーダンス整合回路モジュール20A2は、図13(B)に示す回路構成となる。具体的には、第1外部接続端子PIO1と第1高周波入出力端子PRF1とは、整合素子340によって接続される。第1高周波入出力端子PRF1と第2高周波入出力端子PRF2は、第1スイッチ素子101と整合素子330との並列回路によって接続される。第2外部接続端子PIO2と第1整合端子PMC1とは、整合素子320によって接続される。
【0114】
これにより、第1外部接続端子PIO1と第2外部接続端子PIO2は、第2スイッチ素子102Aと整合素子320の直列回路、第1スイッチ素子101および整合素子330の並列回路と、整合素子340との直列接続回路によって接続される。
【0115】
第2整合端子PMC2は、整合素子350によってグランド電位に接続されている。これにより、第2高周波入出力端子PRF2は、第3スイッチ素子103Aおよび整合素子350の直列回路によって、グランド電位に接続される。
【0116】
そして、このような回路構成において、第1、第2、第3スイッチ素子101,102A,103Aのオンオフ制御を行うことで、インピーダンス整合回路モジュール20A2は、第1の実施形態に示したインピーダンス整合回路モジュール20と同様に、多様なインピーダンス整合を実現できる。
【0117】
次に、本発明の第3の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール、およびインピーダンス整合回路モジュールについて、図を参照して説明する。
【0118】
本実施形態のインピーダンス整合回路モジュールは、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10B,10Cの構成が、第1の実施形態に示したインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10と異なるものであり、他の構成は、第1の実施形態に示したインピーダンス整合回路モジュール20と同じである。したがって、異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0119】
図14(A),(B)は本発明の第3の実施形態に係るインピーダンス整合用スイッチ回路モジュールの等価回路図である。
【0120】
本実施形態のインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10B,10Cは、所謂L型にスイッチ素子を接続した回路構成からなる。具体的には、図14(A)に示すインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10Bは、第1の実施形態に示したインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の構成から、第3スイッチ素子103および第2整合端子PMC2を省略した構成からなる。また、図14(B)に示すインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10Cは、第1の実施形態に示したインピーダンス整合用スイッチ回路モジュール10の構成から、第2スイッチ素子102および第1整合端子PMC1を省略した構成からなる。
【0121】
このような構成であっても、上述の各実施形態と同様に、簡素な構成でありながら、多様なインピーダンス整合を実現できる。
【0122】
なお、上述の実施形態では、第1高周波入出力端子PRF1と第1外部接続端子PIO1との間に、整合素子実装領域34を設ける例を示したが、第1高周波入出力端子PRF1と第1外部接続端子PIO1とを導体パターンによって直接接続してもよい。逆に、第2高周波入出力端子PRF2と第2外部接続端子PIO2との間に整合素子実装領域を設けてもよい。
【0123】
ただし、上述の実施形態に示すように、第1外部接続端子PIO1側だけに整合素子実装領域を設けることで、当該第1外部接続端子PIO1をアンテナに接続する態様とすれば、よりアンテナ近傍でのインピーダンス整合が可能になり、より好適である。
【0124】
また、上述の実施形態では、第1、第2高周波入出力端子PRF1,PRF2用端子導体からなる第1群、第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体、グランド端子PGND用端子導体からなる第2群、駆動電圧印加端子PVDD用端子導体、制御電圧印加端子PCTL1,PCTL2用端子導体からなる第3群を第1方向に沿って配列する例を示したが、次に示すような端子導体の配列を採用してもよい。
【0125】
図15(A),(B)は、インピーダンス整合用スイッチ回路モジュールの端子導体の配列例を示す図である。
【0126】
図15(A)の構成では、第2群と第3群との間に、さらにグランド端子PGND用端子導体を配置している。これにより、第2群を構成する第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体と、第3群を構成する駆動電圧印加端子PVDD用端子導体、制御電圧印加端子PCTL1,PCTL2用端子導体との間のアイソレーションを高く確保することができる。
【0127】
また、図15(A)の構成では、第2群の第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体間のグランド端子PGND用端子導体は、省略している。これにより、裏面の端子導体数を少なくできる。ただし、この場合、第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体の第2方向に沿った距離をできる限り長くする方がよい。すなわち、第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体は、第2方向の両端に近い位置にそれぞれ配置するとよい。
【0128】
また、さらに、図15(B)の構成では、第3群を構成する端子群として、駆動電圧印加端子PVDD用端子導体と制御電圧印加端子PCTL1,PCTL2,PCTL3用端子導体を備えている。この場合、これら4端子を、図15(B)に示すように、二列に並べることもできる。この際、直流電圧からなる駆動電圧印加端子PVDD用端子導体を、第2群に近い位置に配置し、矩形信号からなる制御電圧が入力される制御電圧印加端子PCTL1,PCTL2,PCTL3用端子導体を第2群から遠い位置に配置するとよい。これにより、制御電圧によるノイズの影響を、第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体が受け難くなる。さらに、第1、第2整合端子PMC1,PMC2用端子導体と制御電圧印加端子PCTL1,PCTL2,PCTL3用端子導体の間にグランド端子PGND用端子導体を配置することで、さらにノイズの影響を受け難くすることができる。
【符号の説明】
【0129】
10,10A,10B,10C:インピーダンス整合用スイッチ回路モジュール、
11:基体、
20,20A,20A2:インピーダンス整合回路モジュール、
21:実装基板、
100:スイッチIC、
101:第1スイッチ素子、
102,102A:第2スイッチ素子、
103,103A:第3スイッチ素子、
201,202,203,204,205,206,207:導体パターン、
211,212,221,222,223,231,232,233,241,242,243,251,252,253,261,271:ランド導体、
31,32,33,34,35,36:整合素子実装用領域、
320,330,340,350,360:整合素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15