(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5786906
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】電鋳部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
C25D 1/00 20060101AFI20150910BHJP
C25D 1/10 20060101ALI20150910BHJP
G01R 1/067 20060101ALI20150910BHJP
G01R 1/073 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
C25D1/00 381
C25D1/10
G01R1/067 C
G01R1/073 D
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-161824(P2013-161824)
(22)【出願日】2013年8月2日
(65)【公開番号】特開2015-30887(P2015-30887A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2014年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094019
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 雅房
(72)【発明者】
【氏名】逸見 幸伸
(72)【発明者】
【氏名】酒井 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 英朗
(72)【発明者】
【氏名】寺西 宏真
【審査官】
阿川 寛樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−124404(JP,A)
【文献】
特開平07−316872(JP,A)
【文献】
特開平07−288269(JP,A)
【文献】
特開平07−115110(JP,A)
【文献】
特開2007−227495(JP,A)
【文献】
特開2009−146919(JP,A)
【文献】
特開2011−040687(JP,A)
【文献】
特開2010−132959(JP,A)
【文献】
特開平11−100698(JP,A)
【文献】
特許第5073880(JP,B2)
【文献】
特開2011−226786(JP,A)
【文献】
特開2005−257693(JP,A)
【文献】
特開2002−161388(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/068649(WO,A1)
【文献】
特開2006−004788(JP,A)
【文献】
特開2005−200765(JP,A)
【文献】
特開2000−151078(JP,A)
【文献】
特表2009−516080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 1/00− 1/22
H01R 13/02− 13/14
G01R 1/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基材の表面に付与された絶縁性の型枠材料の一部に開口を設けて前記開口内に前記導電性基材の一部が露出した型枠を作製するとともに、前記型枠材料によって位置決めマーク作製用の凹部又は凸部を形成する型枠作製工程と、
前記型枠の前記開口内において前記導電性基材の露出面に金属を電着させて電鋳成形品を作製するとともに前記位置決めマーク作製用の凹部又は凸部によって凸状又は凹状の位置決めマークを作製する電着工程と、
前記導電性基材の表面から前記型枠を除去する型枠除去工程と、
前記電鋳成形品の表面を感光性被膜からなる絶縁被膜で覆う絶縁被膜形成工程と、
前記絶縁被膜形成工程の後に、前記位置決めマークの位置を基準として前記絶縁被膜の一部に光を照射する露光工程と、
前記絶縁被膜に現像処理を行い、前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部に前記絶縁被膜を残して前記絶縁被膜を除去する絶縁被膜除去工程と、
を有することを特徴とする電鋳部品の製造方法。
【請求項2】
前記露光工程においては、前記光照射により前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部にあたる領域を現像液に対して不溶化し、
前記絶縁被膜除去工程においては、前記現像処理により不溶化されていない領域の前記絶縁被膜を除去することを特徴とする、請求項1に記載の電鋳部品の製造方法。
【請求項3】
前記露光工程においては、前記光照射により前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部にあたる領域以外の領域を可溶化し、
前記絶縁被膜除去工程においては、前記現像処理により可溶化された領域の前記絶縁被膜を除去することを特徴とする、請求項1に記載の電鋳部品の製造方法。
【請求項4】
前記絶縁被膜除去工程の後、表面に前記絶縁被膜を形成された前記電鋳成形品を前記導電性基材から剥離する剥離工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の電鋳部品の製造方法。
【請求項5】
前記絶縁被膜形成工程において前記電鋳成形品の表面を覆う絶縁被膜は、ドライフィルムレジストであることを特徴とする、請求項1に記載の電鋳部品の製造方法。
【請求項6】
前記絶縁被膜形成工程において前記電鋳成形品の表面を覆う絶縁被膜は、前記電鋳成形品の表面に適用された液体レジストであることを特徴とする、請求項1に記載の電鋳部品の製造方法。
【請求項7】
位置決めマークを有する導電性基材の表面に絶縁性の型枠材料を付与する型枠材料付与工程と、
前記位置決めマークの位置を基準にして前記型枠材料の一部に開口を設けて前記開口内に前記導電性基材の一部が露出した型枠を作製する型枠作製工程と、
前記型枠の前記開口内において前記導電性基材の露出面に金属を電着させて電鋳成形品を作製する電着工程と、
前記導電性基材の表面から前記型枠を除去する型枠除去工程と、
前記電鋳成形品の表面を感光性樹脂からなる絶縁被膜で覆う絶縁被膜形成工程と、
前記絶縁被膜形成工程の後に、直描露光装置が、前記絶縁被膜を通して見える前記位置決めマークの位置を画像認識し、前記位置決めマークの位置を基準として前記絶縁被膜の一部に光を照射する露光工程と、
前記絶縁被膜に現像処理を行い、前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部に前記絶縁被膜を残して前記絶縁被膜を除去する絶縁被膜除去工程と、
を有することを特徴とする電鋳部品の製造方法。
【請求項8】
前記型枠作製工程においては、直描露光装置が、前記型枠材料を通して見える前記位置決めマークの位置を画像認識することを特徴とする、請求項7に記載の電鋳部品の製造方法。
【請求項9】
前記露光工程においては、前記光照射により前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部にあたる領域を現像液に対して不溶化し、
前記絶縁被膜除去工程においては、前記現像処理により不溶化されていない領域の前記絶縁被膜を除去することを特徴とする、請求項7に記載の電鋳部品の製造方法。
【請求項10】
前記露光工程においては、前記光照射により前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部にあたる領域以外の領域を可溶化し、
前記絶縁被膜除去工程においては、前記現像処理により可溶化された領域の前記絶縁被膜を除去することを特徴とする、請求項7に記載の電鋳部品の製造方法。
【請求項11】
前記電鋳成形品が、コンタクトであることを特徴とする、請求項1又は7に記載の電鋳部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電鋳部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来例による電鋳部品、すなわちコンタクトの製造方法を示す斜視図である。まず前処理として、
図1(A)に示すように、導電性基材11の表面を電解脱脂する。ついで、
図1(B)に示すように、導電性基材11の表面にフォトレジスト12を塗布して成膜する。導電性基材11の表面のフォトレジスト12には、
図1(C)に示すように、直描露光装置によりコンタクト形状の領域を除く領域に沿ってレーザー光13を走査させる。フォトレジスト12がネガ型である場合には、フォトレジスト12の露光部分は不溶性となる。したがって、現像工程によって露光されていない部分を除去すると、
図1(D)に示すように、フォトレジスト12にはコンタクト形状をした開口14(キャビティ)ができる。この後、電鋳法によって導電性基材11の露出面に金属材料を析出させると、
図1(E)に示すように、開口14内に電鋳部品、すなわちコンタクト15が得られる。ついで、
図1(F)のようにフォトレジスト12を導電性基材11から剥離させ、
図1(G)のようにコンタクト15を導電性基材11から離型させると、目的とするコンタクト15が作製される。
【0003】
上記のようなコンタクトは、狭ピッチで、かつ絶縁性を保ちながら複数並べて使用されることがある。例えば、特許文献1に記載されているように、高密度の被測定微細回路基板の電気検査を行うためのプローブカードに使用する場合がある。特許文献1に記載されているプローブカードでは、一対の基板間に絶縁体を挟み込み、絶縁体に設けた複数の貫通孔に上記コンタクトを一つずつ納めている。各基板には絶縁体の貫通孔に対向させてそれぞれ支持孔を開口してあり、各コンタクトの両端が各基板の支持孔に挿通されている。
【0004】
上記のようなプローブカードでは、各コンタクトの先端を、被測定微細回路基板の電極(電極間ピッチ:30μm−200μm)に接触させる。したがって、被測定微細回路基板の電極ピッチが短くなると、それに伴ってコンタクトもますます狭ピッチで配置しなければならなくなる。
【0005】
しかし、特許文献1に記載されているような構造であると、コンタクト間のピッチを狭くするためには貫通孔間や支持孔間の壁厚を薄くしなければならなり、プローブカードの強度上の問題が生じる。また、貫通孔間や支持孔間のピッチを狭くできたとしても、厚みが薄くて微小なコンタクトを貫通孔や支持孔に挿入して並べる作業は困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−132685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的とするところは、コンタクト素子などの電鋳成形品どうしの絶縁性を保ちながら、電鋳成形品どうしを狭ピッチで並べることのできる電鋳部品を提供する。また、当該電鋳部品を製造するための電鋳部品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る
第1の電鋳部品の製造方法は、
導電性基材の表面に付与された絶縁性の型枠材料の一部に開口を設けて前記開口内に前記導電性基材の一部が露出した型枠を作製するとともに、前記型枠材料によって位置決めマーク作製用の凹部又は凸部を形成する型枠作製工程と、前記型枠の前記開口内において前記導電性基材の露出面に金属を電着させて電鋳成形品を作製するとともに前記位置決めマーク作製用の凹部又は凸部によって凸状又は凹状の位置決めマークを作製する電着工程と、前記導電性基材の表面から前記型枠を除去する型枠除去工程と、前記電鋳成形品の表面を感光性被膜からなる絶縁被膜で覆う絶縁被膜形成工程と、前記絶縁被膜形成工程の後に、前記位置決めマークの位置を基準として前記絶縁被膜の一部に光を照射する露光工程と、前記絶縁被膜に現像処理を行い、前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部に前記絶縁被膜を残して前記絶縁被膜を除去する絶縁被膜除去工程とを有することを特徴としている。
【0009】
本発明の
第1の電鋳部品の製造方法によれば、電鋳成形品の製造工程において電鋳成形品の表面に絶縁被膜を形成することができるので、電鋳成形品の表面の少なくとも一部に薄い絶縁被膜を形成することができる。したがって、複数の電鋳成形品を絶縁被膜を挟んだ状態で重ね合わせることにより、複数の電鋳成形品を、電鋳成形品どうしの絶縁性を確保しながら、かつ、狭ピッチで並べることができる。また、電鋳成形品の製造工程において電鋳成形品の表面に絶縁被膜が形成されているので、複数の電鋳成形品をその製造工程において重ね合わせることができ、電鋳成形品を精度よく、かつ、歩留まりよく重ね合わせることができる。
さらに、この製造方法によれば、電鋳成形品を作製したときに同時に作製された位置決めマークを基準として絶縁被膜をパターニングすることができるので、電鋳成形品に対して絶縁被膜の位置出しを精度良く行える。
【0010】
前記絶縁被膜形成工程において前記電鋳成形品の表面を覆う絶縁被膜は、ドライフィルムレジストでもよく、電鋳成形品の表面に適用された液体レジストでもよい。前者によれば、絶縁被膜形成工程を簡略にすることができる。
【0011】
前記絶縁被膜除去工程の後では、表面に前記絶縁被膜を形成された前記電鋳成形品を前記導電性基材から剥離すればよい。
【0012】
本発明に係る
第1の電鋳部品の製造方法のある実施態様は、
前記露光工程においては、前記光照射により前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部にあたる領域を現像液に対して不溶化し、前記絶縁被膜除去工程においては、前記現像処理により不溶化されていない領域の前記絶縁被膜を除去することを特徴としている。かかる実施態様によれば、たとえばネガ型レジストとフォトリソグラフィ技術を用いて絶縁被膜を精度よくパターニングすることができる。
【0013】
本発明に係る
第1の電鋳部品の製造方法の別な実施態様は、
前記露光工程においては、前記光照射により前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部にあたる領域以外の領域を可溶化し、前記絶縁被膜除去工程においては、前記現像処理により可溶化された領域の前記絶縁被膜を除去することを特徴としている。かかる実施態様によれば、たとえばポジ型レジストとフォトリソグラフィ技術を用いて絶縁被膜を精度よくパターニングすることができる。
【0014】
本発明に係る第2の電鋳部品の製造方法は、位置決めマークを有する導電性基材の表面に絶縁性の型枠材料を付与する型枠材料付与工程と、前記位置決めマークの位置を基準にして前記型枠材料の一部に開口を設けて前記開口内に前記導電性基材の一部が露出した型枠を作製する型枠作製工程と、前記型枠の前記開口内において前記導電性基材の露出面に金属を電着させて電鋳成形品を作製する電着工程と、前記導電性基材の表面から前記型枠を除去する型枠除去工程と、前記電鋳成形品の表面を感光性樹脂からなる絶縁被膜で覆う絶縁被膜形成工程と、前記絶縁被膜形成工程の後に、直描露光装置が、前記絶縁被膜を通して見える前記位置決めマークの位置を画像認識し、前記位置決めマークの位置を基準として前記絶縁被膜の一部に光を照射する露光工程と、前記絶縁被膜に現像処理を行い、前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部に前記絶縁被膜を残して前記絶縁被膜を除去する絶縁被膜除去工程とを有することを特徴としている。
【0015】
本発明の第2の電鋳部品の製造方法によれば、電鋳成形品の製造工程において電鋳成形品の表面に絶縁被膜を形成することができるので、電鋳成形品の表面の少なくとも一部に薄い絶縁被膜を形成することができる。したがって、複数の電鋳成形品を絶縁被膜を挟んだ状態で重ね合わせることにより、複数の電鋳成形品を、電鋳成形品どうしの絶縁性を確保しながら、かつ、狭ピッチで並べることができる。また、電鋳成形品の製造工程において電鋳成形品の表面に絶縁被膜が形成されているので、複数の電鋳成形品をその製造工程において重ね合わせることができ、電鋳成形品を精度よく、かつ、歩留まりよく重ね合わせることができる。
さらに、この製造方法によれば、導電性基材に設けた位置決め孔を基準にして電鋳成形品を作製でき、また
直描露光装置により導電被膜を通して認識した位置決め孔を基準にして絶縁被膜をパターニングすることができるので、電鋳成形品に対して絶縁被膜の位置出しを精度良く行える。
【0016】
本発明に係る第2の電鋳部品の製造方法のある実施態様は、前記露光工程においては、前記光照射により前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部にあたる領域を現像液に対して不溶化し、前記絶縁被膜除去工程においては、前記現像処理により不溶化されていない領域の前記絶縁被膜を除去することを特徴としている。かかる実施態様によれば、たとえばネガ型レジストとフォトリソグラフィ技術を用いて絶縁被膜を精度よくパターニングすることができる。
本発明に係る第2の電鋳部品の製造方法の別な実施態様は、前記露光工程においては、前記光照射により前記電鋳成形品の表面の少なくとも一部にあたる領域以外の領域を可溶化し、前記絶縁被膜除去工程においては、前記現像処理により可溶化された領域の前記絶縁被膜を除去することを特徴としている。かかる実施態様によれば、たとえばポジ型レジストとフォトリソグラフィ技術を用いて絶縁被膜を精度よくパターニングすることができる。
【0017】
本発明に係る第1及び第2の電鋳部品の製造方法は、例えば電鋳成形品であるコンタクトの製造方法に用いることができる。
【0023】
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1(A)−
図1(G)は、従来のコンタクトの製造工程を説明する斜視図である。
【
図2】
図2(A)、
図2(B)及び
図2(C)は、本発明の実施形態1における導電性基材の電解脱脂工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図3】
図3(A)、
図3(B)及び
図3(C)は、本発明の実施形態1におけるドライフィルムレジストのラミネート工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図4】
図4(A)及び
図4(B)は、本発明の実施形態1におけるドライフィルムレジストの露光工程を示す斜視図及び平面図である。
図4(C)は、
図4(B)のX−X線断面図である。
【
図5】
図5(A)、
図5(B)及び
図5(C)は、本発明の実施形態1におけるドライフィルムレジストを現像して型枠を作製する工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図6】
図6(A)、
図6(B)及び
図6(C)は、本発明の実施形態1における電鋳工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図7】
図7(A)、
図7(B)及び
図7(C)は、本発明の実施形態1における型枠の除去工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図8】
図8(A)、
図8(B)及び
図8(C)は、本発明の実施形態1における絶縁被膜(ドライフィルムレジスト)のラミネート工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図9】
図9(A)、
図9(B)及び
図9(C)は、本発明の実施形態1における絶縁被膜の露光工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図10】
図10(A)、
図10(B)及び
図10(C)は、本発明の実施形態1における露光された絶縁被膜の現像工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図11】
図11(A)、
図11(B)及び
図11(C)は、本発明の実施形態1における電鋳部品の離型の工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図12】
図12(A)及び
図12(B)は、本発明の実施形態2における導電性基材に位置決め孔を開口する工程を示す斜視図及び平面図である。
図12(C)は、
図12(B)のY−Y線断面図である。
【
図13】
図13(A)、
図13(B)及び
図13(C)は、本発明の実施形態2におけるドライフィルムレジストのラミネート工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図14】
図14(A)、
図14(B)及び
図14(C)は、本発明の実施形態2におけるドライフィルムレジストの露光工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図15】
図15(A)、
図15(B)及び
図15(C)は、本発明の実施形態2におけるドライフィルムレジストを現像して型枠を作製する工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図16】
図16(A)、
図16(B)及び
図16(C)は、本発明の実施形態2における電鋳工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図17】
図17(A)、
図17(B)及び
図17(C)は、本発明の実施形態2における型枠の除去工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図18】
図18(A)、
図18(B)及び
図18(C)は、本発明の実施形態2における絶縁被膜(ドライフィルムレジスト)のラミネート工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図19】
図19(A)、
図19(B)及び
図19(C)は、本発明の実施形態2における絶縁被膜の露光工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図20】
図20(A)、
図20(B)及び
図20(C)は、本発明の実施形態2における絶縁被膜の現像工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図21】
図21(A)、
図21(B)及び
図21(C)は、本発明の実施形態2における電鋳部品の離型の工程を示す斜視図、平面図及び断面図である。
【
図22】
図22(A)及び
図22(B)は、コンタクト素子(電鋳成形品)の全面に絶縁被膜を形成したコンタクトの正面図及び斜視図である。
【
図23】
図23(A)及び
図23(B)は、コンタクト素子(電鋳成形品)の一部に絶縁被膜を形成したコンタクトの正面図及び斜視図である。
【
図24】
図24(A)及び
図24(B)は、コンタクト素子(電鋳成形品)の一部に絶縁被膜を形成した別なコンタクトの正面図及び斜視図である。
【
図25】
図25は、コンタクト素子(電鋳成形品)の一部に絶縁被膜を形成したさらに別なコンタクトの正面図である。
【
図26】
図26(A)及び
図26(B)は、絶縁被膜を形成された複数のコンタクト素子(電鋳成形品)を狭ピッチで並べたコンタクトの側面図及び斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
21 導電性基材
22 ドライフィルムレジスト
22a 露光領域
22b 型枠
23 キャビティ
24 凸部
25 コンタクト素子(電鋳成形品)
26 フレーム部
27 位置決めマーク
28 絶縁被膜
28a 露光領域
29、41、51、52、53 コンタクト(電鋳部品)
31 位置決め孔
44 バネ部
46a、46b 可動接触片
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
【0027】
(実施形態1)
以下、
図2−
図11を参照して本発明の実施形態1による電鋳部品の製造方法を説明する。以下に述べる各実施形態においては、電鋳部品としてコンタクトを例にとって説明するが、本発明はコンタクト以外の電鋳部品にも適用することができるものである。
【0028】
実施形態1の電鋳部品の製造方法においては、まず導電性基材21が電解脱脂される。
図2(A)、
図2(B)及び
図2(C)は、電解脱脂の工程を示す斜視図、平面図及び断面図である(なお、
図3−
図11のそれぞれの(A)、(B)及び(C)も斜視図、平面図及び断面図を示す)。導電性基材21は、表面が平坦なステンレス板であり、少なくとも上面には電着した金属成型品を容易に剥離させるための処理が施されている。導電性基材21は、電解脱脂(電解洗浄)の工程において脱脂及び洗浄される。電解脱脂とは、アルカリ溶液中で導電性基材21を陰極又は陽極とし、あるいは極性を交互に変化させて脱脂する方法である。
【0029】
ついで、
図3(A)、
図3(B)及び
図3(C)に示すように、導電性基材21の上面にネガ型のドライフィルムレジスト22を密着させてラミネートする。ドライフィルムレジスト22の厚みは電鋳成形品(コンタクト素子25)の厚みよりも厚くなっており、例えば数十μm以上の厚みのものが好ましい。工程を簡単にする上では、ドライフィルムレジスト22を用いることが好ましいが、液体レジストを用いてもよい。例えば、液体レジストを導電性基材21の上面に塗布し、プリベークなどを行なってもよい。
【0030】
導電性基材21の上面にドライフィルムレジスト22がラミネートされたら、直描露光装置によりドライフィルムレジスト22に紫外線レーザーを照射し、所定領域内を走査させる。
図4(A)、
図4(B)及び
図4(C)は、この露光領域を表している。ネガ型のドライフィルムレジスト22を用いている場合には、
図4(A)においてドライフィルムレジスト22にドット柄を施した領域22aに沿って紫外線レーザーを走査させて露光させる。すなわち、ネガ型のドライフィルムレジスト22を用いる場合には、コンタクト素子(25)やフレーム部(26)を作製しようとする領域以外の領域に沿って紫外線レーザーを走査させる。また、フレーム部に位置決めマークを作製しようとする領域にも紫外線レーザーを照射させる。このように直描露光法によれば、マスクを用いる必要がないので、露光工程が簡略になり、コストが安価になる。もっとも、本発明において、マスクを用いて露光することを排除するものではない。
【0031】
なお、
図4ではネガ型のドライフィルムレジストを用いる場合について説明したが、ポジ型やネガ永久レジストのドライフィルムレジストを用いてもよく、ネガ型やポジ型、ネガ永久レジストの液体レジストを用いても差し支えない。ポジ型を用いる場合には、
図4(A)のドット柄を施した領域22a以外の領域に露光する。
【0032】
ついで、露光後のドライフィルムレジスト22を現像及びリンスすると、ネガ型のドライフィルムレジスト22の露光領域22a以外の領域が現像液によって除去され、残ったドライフィルムレジスト22によって型枠22bが形成される。よって、
図5(A)、
図5(B)及び
図5(C)に示すように、型枠22bに電鋳成形品を成形するためのキャビティ23が作製され、キャビティ23の底面には導電性基材21が露出する。また、フレーム部が成形される領域でもドライフィルムレジスト22が剥離されるとともに、フレーム部が成形される領域内に位置決め用マークを成形するための凸部24が成形される。
【0033】
この後、導電性基材21及び型枠22bを母型として電鋳法(電気鋳造方法)によりコンタクト素子25を成形する。図示しないが、電着工程では、母型を電解槽内に配置し、直流電源によって導電性基材21と対向電極との間に電圧を印加して電解液に電流を流す。通電を開始すると、電解液中の金属イオンが導電性基材21の表面に電着し、金属が析出する。一方、型枠は、電流を遮断するので、母型と対向電極との間に電圧を印加しても、型枠には直接金属が電着しない。このため、
図6(A)、
図6(B)及び
図6(C)に示すように、キャビティ23の内部にはその底面から電圧印加方向dに金属が成長してゆき、キャビティ23内でコンタクト素子25が成形される。こうして成形されたコンタクト素子25は、電圧印加方向と垂直な方向fに弾性変形可能なバネ部44と、そのバネ部44の弾性力によって外部導体(例えば、集積回路の端子など)に圧接可能な位置に配置された端子部45とを備えている。また、型枠22bの外側には、金属の析出によってフレーム部26が成形される。
【0034】
このとき、電着した金属(コンタクト素子25)の厚みは、電流の積算通電量(すなわち、通電電流の時間積算量である。)によって管理される。単位時間あたりに析出する金属量は電流値に比例するから、キャビティ23内の金属の体積は電流の積算通電量で決まり、金属の厚みは電流の積算通電量から知ることができるからである。
【0035】
コンタクト素子25が成形されたら、エッチング等によって型枠22bを剥離させる。型枠22bを剥離させると、
図7(A)、
図7(B)及び
図7(C)に示すように、導電性基材21の上面には、コンタクト素子25が付着したままで残る。また、導電性基材21の上面に付着しているフレーム部26には、凸部24が剥離した後に貫通孔形状の位置決めマーク27が形成される。
【0036】
なお、位置決めマークとしては、導電性基材の表面に、電鋳によって形成されたポスト状の凸部であってもよい。
【0037】
こうしてコンタクト素子25やフレーム部26が成形された後、
図8(A)、
図8(B)及び
図8(C)のように導電性基材21の上方を感光性の絶縁被膜28で覆い、コンタクト素子25及びフレーム部26の上面(主面)に感光性の絶縁被膜28を密着させる。絶縁被膜28としては、ネガ型のドライフィルムレジストを用いている。
【0038】
なお、この絶縁被膜28も液体レジストによって形成してもよく、またポジ型やネガ永久レジストであっても差支えない。
【0039】
ついで、直描露光装置により絶縁被膜28に紫外線レーザーを照射し、所定領域内を走査させる。
図9(A)、
図9(B)及び
図9(C)は、この露光領域を表している。ネガ型の絶縁被膜28を用いている場合には、例えば
図9(A)において絶縁被膜28にドット柄を施した領域28aに沿って紫外線レーザーを走査して露光させる。すなわち、ネガ型の絶縁被膜28を用いる場合には、コンタクト素子25の直上の所定領域に沿って紫外線レーザーを走査させる。このとき、直描露光装置は、絶縁被膜28を通して見える位置決めマーク27の位置を画像認識し、位置決めマーク27の位置を基準として紫外線レーザーを走査させる。したがって、コンタクト素子25の直上の所定領域に合わせて精密に紫外線レーザーを走査させて露光することが可能になる。なお、この場合も、マスクを用いて露光することも可能である。
【0040】
ついで、露光後の絶縁被膜28を現像及びリンスすると、ネガ型の絶縁被膜28の露光領域28a以外の領域が現像液によって除去される。よって、
図10(A)、
図10(B)及び
図10(C)に示すように、コンタクト素子25の主面(すなわち、電鋳時における電圧印加方向に対して垂直な面)の全面、あるいは所定の一部領域にのみ絶縁被膜28が形成される。
【0041】
この後、
図11(A)、
図11(B)及び
図11(C)に示すように、上面に絶縁被膜28を形成されたコンタクト素子25、すなわちコンタクト29(電鋳部品)を導電性基材21から剥離させる。
【0042】
上記のような製造方法によれば、微小なコンタクト素子25の上面(主面)に均一な厚みの絶縁被膜28を簡易な工程で形成することができ、しかも、複雑な形状をしたコンタクト素子25の全面又は一部領域にも精度よく絶縁被膜28を形成することができる。
【0043】
(実施形態2)
つぎに、本発明の実施形態2による電鋳部品の製造方法を
図12−
図21により説明する。実施形態2による電鋳部品の製造方法は、実施形態1による電鋳部品の製造方法とは、露光工程における露光領域の位置決めの方法が異なるものである。したがって、実施形態1と同様な部分は簡単に説明する。
【0044】
実施形態2の電鋳部品の製造方法においては、まず
図12(A)、
図12(B)及び
図12(C)に示すように、導電性基材21の所定位置に複数の位置決めマーク、すなわち位置決め孔31をあける。
図12(A)、
図12(B)及び
図12(C)は、位置決め孔31を開口する工程を示す斜視図、平面図及び断面図である(なお、
図13−
図21のそれぞれの(A)、(B)及び(C)も斜視図、平面図及び断面図を示す)。位置決め孔31は、レーザー孔明け加工によって開口してもよく、ドリル加工によって開口してもよい。この後、位置決め孔31を設けられた導電性基材21の表面は、洗浄され、電解脱脂される。
【0045】
なお、図示例においては、位置決めマークとしては、導電性基材21に貫通させた位置決め孔31を示しているが、位置決めマークとしては、円形や十文字状などの刻印、凹部などであってもよい。
【0046】
ついで、
図13(A)、
図13(B)及び
図13(C)に示すように、導電性基材21の上面にネガ型のドライフィルムレジスト22を密着させてラミネートする。ドライフィルムレジスト22は、直描露光装置によりドライフィルムレジスト22に紫外線レーザーを照射し、所定領域内を走査される。
図14(A)、
図14及び
図14(C)は、この露光領域を表している。ネガ型のドライフィルムレジスト22を用いている場合には、
図4(A)においてドライフィルムレジスト22にドット柄を施した領域22aに沿って紫外線レーザーを走査させて露光させる。すなわち、ネガ型のドライフィルムレジスト22を用いる場合には、コンタクト素子25を作製しようとする領域以外の領域に沿って紫外線レーザーを走査させる。このとき、直描露光装置は、ドライフィルムレジスト22を通して見える導電性基材21の位置決め孔31の位置を画像認識し、位置決め孔31の位置を基準として紫外線レーザーを走査させる。
【0047】
ついで、露光後のドライフィルムレジスト22を現像及びリンスする。ネガ型のドライフィルムレジスト22の露光領域22a以外の領域は、現像液によって除去されるので、
図15(A)、
図15(B)及び
図15(C)に示すように、ドライフィルムレジスト22には、電鋳成形品を成形するためのキャビティ23が作製される。
【0048】
この後、
図16(A)、
図16(B)及び
図16(C)に示すように、導電性基材21及び型枠22bを母型として電鋳法(電気鋳造方法)により金属を析出させると、キャビティ23内にコンタクト素子25が成形される。
【0049】
コンタクト素子25が成形されたら、エッチング等によって型枠22bを剥離させると、
図17(A)、
図17(B)及び
図17(C)に示すように、導電性基材21の上面に、コンタクト素子25が形成される。
【0050】
コンタクト素子25が成形された後、
図18(A)、
図18(B)及び
図18(C)に示すように、導電性基材21の上方を感光性の絶縁被膜28(ドライフィルムレジスト)で覆い、コンタクト素子25の上面に感光性の絶縁被膜28を密着させる。ついで、直描露光装置により絶縁被膜28に紫外線レーザーを照射し、所定領域内を走査させる。
図19(A)、
図19及び
図19(C)は、この露光領域を表している。ネガ型の絶縁被膜28を用いている場合には、例えば
図19(A)において絶縁被膜28にドット柄を施した領域28aに沿って紫外線レーザーを走査して露光させる。すなわち、ネガ型の絶縁被膜28を用いる場合には、コンタクト素子25の直上の所定領域に沿って紫外線レーザーを走査させる。このとき、直描露光装置は、絶縁被膜28を通して見える位置決め孔31の位置を画像認識し、位置決め孔31の位置を基準として紫外線レーザーを走査させる。
【0051】
上記のように、ドライフィルムレジスト22に直描露光する際と絶縁被膜28に直描露光する際とには、同じ位置決め孔31を基準として露光領域を制御しているので、コンタクト素子25の直上の所定領域に合わせて精密に紫外線レーザーを走査させて露光することが可能になり、コンタクト素子25と絶縁被膜28の成形位置の移置ずれを小さくすることができる。
【0052】
ついで、露光後の絶縁被膜28を現像及びリンスすると、
図20(A)、
図20(B)及び
図20(C)に示すように、ネガ型の絶縁被膜28の露光領域28a以外の領域が現像液によって除去され、コンタクト素子25の上面の全面、あるいは所定の一部領域にのみ絶縁被膜28が形成される。
【0053】
この後、
図21(A)、
図21(B)及び
図21(C)に示すように、上面に絶縁被膜28を形成されたコンタクト素子25、すなわちコンタクト29を導電性基材21から剥離させる。
【0054】
上記のような製造方法によっても、微小なコンタクト素子25の上面に均一な厚みの絶縁被膜28を簡易な工程で形成することができ、しかも、複雑な形状をしたコンタクト素子25の全面又は一部領域にも精度よく絶縁被膜28を形成することができる。
【0055】
(実施形態3)
図22(A)及び
図22(B)は、上記のような製造方法により製造されたコンタクト41(電鋳部品)、すなわち絶縁被膜28を有するコンタクト素子25の正面図及び斜視図である。このコンタクト素子25は、集積回路検査用プローブとして用いられるものである。固定部42と可動部43の間にはジグザグに屈曲したバネ部44が設けられており、固定部42の先には端子部45が設けられている。また、固定部42と可動部43の間は細いバネ部44でつながれていて電気抵抗が大きくなっているので、可動部43に設けた可動接触片46aと固定部42に設けた可動接触片46bを摺動自在に接触させることで固定部42と可動部43の間の抵抗値を小さくしている。また、コンタクト素子25の一方の主面(電鋳時における電圧印加方向に対して垂直な面)の全体に絶縁被膜28が形成されている。
【0056】
このコンタクト41は、後述のようにコンタクト素子25どうしの絶縁性を確保しながら複数枚を狭ピッチで並べて用いるものである。複数のコンタクト41は、ケーシング(図示せず)内に納められ、固定部42がケーシングに固定されて端子部45がケーシングから突出させられる。その状態で、端子部45を集積回路の端子に接触させ、可動部43を押し下げると、バネ部44の弾性力によって端子部45が集積回路の端子に圧接される。そして、例えば集積回路の各端子の導通不良などが検査される。
【0057】
(実施形態4)
図23(A)及び
図23(B)は、上記のような製造方法により製造されたコンタクトの他例である。このコンタクト51では、コンタクト素子25の一方の主面において、バネ部44を除く領域の全体に絶縁被膜28を形成している。バネ部44は弾性変形する部分であるので、ここに絶縁被膜28を設けていると絶縁被膜28がコンタクト素子25から剥離したり、亀裂が入ったりする恐れがある。したがって、この部分には絶縁被膜28を設けないようにしてもよい。
【0058】
また、
図24(A)及び
図24(B)は、
図23のコンタクト51の変形例である。この変形例によるコンタクト52では、バネ部44にも絶縁被膜28を設けているが、バネ部44のうち変形量が大きくて応力が集中しやすい部分では絶縁被膜28を除いている。バネ部44では、比較的変形の小さな直線部分にのみ絶縁被膜28を設けている。
【0059】
(実施形態5)
図25(A)及び
図25(B)は、上記のような製造方法により製造されたコンタクトの他例である。このコンタクト53では、コンタクト素子25の一方の主面において、端子部45を除く領域に絶縁被膜28を形成している。このコンタクト53では、端子部45以外の領域に絶縁被膜28を形成した後、端子部45にAuメッキやハンダメッキなどを施している。
【0060】
(実施形態6)
図22から
図25に示したようなコンタクトは、
図26(A)及び
図26(B)に示すように、コンタクト素子25どうしの間に絶縁被膜28を挟み込むようにして重ね合わせて使用される。この重ね合わせる作業は、コンタクトの製造工程において同時に行うことにより精度よく、かつ、簡単に重ね合わせることが可能になる。よって、厚みが薄くて微小なコンタクト素子を、コンタクト素子間の絶縁性を保ちながら、狭いピッチで、精度よく並べることが可能になる。
【0061】
なお、いずれの実施形態においても、絶縁被膜はコンタクト素子の一方の主面にのみ設けていたが、コンタクト素子の両主面に絶縁被膜を設けていてもよい(図示せず)。