(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787005
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】モータ、および、パワーステアリング装置
(51)【国際特許分類】
H02K 3/50 20060101AFI20150910BHJP
H02K 3/18 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
H02K3/50 A
H02K3/18 P
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-114523(P2014-114523)
(22)【出願日】2014年6月3日
(62)【分割の表示】特願2009-39159(P2009-39159)の分割
【原出願日】2009年2月23日
(65)【公開番号】特開2014-207860(P2014-207860A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2014年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】青野 真郷
(72)【発明者】
【氏名】福永 慶介
(72)【発明者】
【氏名】大辻 基史
【審査官】
下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−289325(JP,A)
【文献】
特開2007−215272(JP,A)
【文献】
特開2003−324883(JP,A)
【文献】
特開平09−200991(JP,A)
【文献】
特開2006−050690(JP,A)
【文献】
特開2000−261990(JP,A)
【文献】
特開平09−191588(JP,A)
【文献】
特開2009−027777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/50
H02K 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータとロータとバスバーユニットを有するモータにおいて、前記ステータは、リング形状をしたリング部と、該リング部の内側からその中心に向かって突出する12個の要素ティース部で構成されるティース部と、を有するコアと、前記要素ティース部のそれぞれに形成された12個のコイルからなるコイル群と、を含み、前記コアは、それぞれが1個の前記要素ティース部を有する12個の要素コアを連結することによって形成され、前記コイル群は、一本の導電線で連なる2個の前記コイルからなる6個のコイル対で構成され、前記コアをその軸方向に見て相領域と中性領域とに2等分したとき、前記6個のコイル対のそれぞれにおける、一方の前記コイルが前記相領域に配置され、他方の前記コイルが前記中性領域に配置され、前記バスバーユニットは、複数のバスバーと、前記複数のバスバーが配設される絶縁性のホルダと、を含み、前記ホルダがリング状のバスバー支持部を有し、前記バスバーが、略半円状の第1のバスバーと、劣弧状の少なくとも第2〜第4のバスバーと、を含み、前記バスバー支持部をその軸方向に見て相側領域と中性側領域とに2等分したとき、前記第1のバスバーが前記中性側領域に配設され、前記少なくとも第2〜第4のバスバーが軸方向に重なるように前記相側領域に配設されているモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のモータにおいて、リング形状をしたリング部と、該リング部の内側からその中心に向かって突出する12個の要素ティース部で構成されるティース部と、を有するコアと、前記要素ティース部のそれぞれに形成された12個のコイルからなるコイル群と、を含み、前記コアは、それぞれが1個の前記要素ティース部を有する12個の要素コアを連結することによって形成され、前記コイル群は、一本の導電線で連なる2個の前記コイルからなる6個のコイル対で構成され、前記コアをその軸方向に見て相領域と中性領域とに2等分したとき、前記6個のコイル対のそれぞれにおける、一方の前記コイルが前記相領域に配置され、他方の前記コイルが前記中性領域に配置され、前記各コイル対における前記2個のコイルの巻回方向は、前記要素ティース部の先端側から見て同じ方向に設定され、前記各コイル対が、前記2個のコイルのうち、一方の前記コイルから巻き始められて他方の前記コイルで巻き終わる第1〜第3のコイル対と、前記2個のコイルのうち、他方の前記コイルから巻き始められて一方の前記コイルで巻き終わる第4〜第6のコイル対と、で構成され、前記コアをその軸方向に見て2等分する第1区画線で第1領域と第2領域とに区画したとき、前記第1〜第3のコイル対は前記第1領域に配置され、前記第4〜第6コイル対は前記第2領域に配置され、前記コアをその軸方向に見て前記第1区画線に直交する第2区画線で2等分する前記相領域と前記中性領域とに区画したとき、前記第1〜第6のコイル対のそれぞれにおける、一方の前記コイルが前記相領域に配置され、他方の前記コイルが前記中性領域に配置され、前記各コイル対はそれぞれスター結線され、前記中性領域から導出される導電線の全てが中性点に接続されているステータと、磁極数が8個に設定されたロータと、を含むモータ。
【請求項3】
請求項1に記載のモータにおいて、前記各コイル対はそれぞれスター結線され、前記中性領域から導出される導電線の全てが中性点に接続されているステータ。
【請求項4】
請求項1に記載のモータにおいて、更に、磁極数が8個に設定されたロータを含むモータ。
【請求項5】
請求項1に記載のモータにおいて、前記少なくとも第2〜第4のバスバーは軸方向に少なくとも3枚重なるように前記相側領域に配設されているモータ。
【請求項6】
請求項1に記載のモータにおいて、前記第2〜第4のバスバーのそれぞれの一端には、略直交状に立ち上がる第2〜第4のコネクタ端子が一体に設けられており、前記第2〜第4のコネクタ端子は、前記ホルダのコネクタ部から先端部が突出しており、前記第2〜第4のコネクタ端子は周方向に重なるように配置されているモータ。
【請求項7】
請求項1に記載のモータにおいて、前記第2〜第4のコネクタ端子は前記相領域側に配置されているモータ。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載のモータを含むパワーステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、および、パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの基本的な構成である極数(ロータの磁極数)やスロット数(ステータ側の磁極数に相当)はモータの仕様等によって適宜決定される。通常、これら極数やスロット数の組み合わせごとに、各コイルの配列が設計されている。
【0003】
例えば、U相、V相、W相からなる3相のコイル群により回転磁界を形成する14極・12スロットのブラシレスモータが知られている(特開2006−50690号公報)。このブラシレスモータのステータは、各相のコイルがそれぞれ4個の分割コアで構成されている。各相のコイル群が所定配列になるよう各分割コアはリング状に並べて固定される。
【0004】
そして、これら各コイル群から導出される導電線は、一般にモータに備えられたバスバーユニットによって結線される。
【特許文献1】特開2006−050690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなバスバーユニットの構成はステータの構成やモータの仕様等によって決定されるが、極力小さくて簡素な構造が好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータは、ステータとロータとバスバーユニットを有するモータにおいて、前記ステータは、リング形状をしたリング部と、該リング部の内側からその中心に向かって突出する12個の要素ティース部で構成されるティース部と、を有するコアと、前記要素ティース部のそれぞれに形成された12個のコイルからなるコイル群と、を含み、前記コアは、それぞれが1個の前記要素ティース部を有する12個の要素コアを連結することによって形成され、前記コイル群は、一本の導電線で連なる2個の前記コイルからなる6個のコイル対で構成され、前記コアをその軸方向に見て相領域と中性領域とに2等分したとき、前記6個のコイル対のそれぞれにおける、一方の前記コイルが前記相領域に配置され、他方の前記コイルが前記中性領域に配置され、前記バスバーユニットは、複数のバスバーと、前記複数のバスバーが配設される絶縁性のホルダと、を含み、前記ホルダがリング状のバスバー支持部を有し、前記バスバーが、略半円状の第1のバスバーと、劣弧状の少なくとも第2〜第4のバスバーと、を含み、前記バスバー支持部をその軸方向に見て相側領域と中性側領域とに2等分したとき、前記第1のバスバーが前記中性側領域に配設され、前記少なくとも第2〜第4のバスバーが
軸方向に重なるように前記相側領域に配設される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、モータ等の小型化や材料コストの抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係るパワーステアリング装置を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の好ましい実施形態に係るモータの構成を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の好ましい実施形態に係るステータを模式的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の好ましい実施形態に係るコイルの配列を説明するための模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の好ましい実施形態に係るコイル対を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本発明の好ましい実施形態に係るステータの配線図である。
【
図7】
図7は、本発明の好ましい実施形態に係るバスバーユニットを模式的に示す斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の好ましい実施形態に係るバスバーを模式的に示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図7の部分断面図である。(a)はX−X線断面図を、(b)はY−Y線断面図を示している。
【
図10】
図10は、ステータとバスバーとの結線を説明するための模式図である。
【
図11】
図11は、従来のバスバーユニットの部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0010】
図1に、電動式パワーステアリング装置100を模式的に示す。このパワーステアリング装置100は、自動車等の車両のハンドル(ステアリングホイール)操作の補助に利用される。パワーステアリング装置100は、ステアリング機構200に接続されるシャフト部101を介してハンドルに加えられる力を検出するトルクセンサ102、このトルクセンサ102からの出力に基づいて必要なアシスト力を算出する制御ユニット103、この制御ユニット103からの出力に基づいて回転力を発生させるモータ50、および、モータ50の回転力を減速しながらステアリング機構200に伝える減速機構104を備える。
【0011】
このパワーステアリング装置100が搭載された車両では、ハンドルに加えられる力に基づいてパワーステアリング装置100のモータ50が駆動され、そのモータ50の回転力によってハンドルの回転が補助されるため、小さい力でハンドル操作ができる。
【0012】
図2に、モータ50の断面を模式的に示す。モータ50は所謂8ポール12スロットに設定されたインナーロータ型のモータである。モータ50は、シャフト51、ロータ52、ステータ1、バスバーユニット30、および、モータハウジング5を備える。
【0013】
具体的には、モータハウジング5に
図3に示すような略円筒状のステータ1が組みつけられる。略円筒状のロータ52は、モータハウジング5に回転自在に支持されたシャフト51の周りに固定される。ロータ52の外周面は、ステータ1の内周面と僅かな隙間を隔てて対向している。ロータ52の外周には、N極とS極とが交互に並ぶように8個のマグネット54,・・・,54が周方向に等間隔に設けられている(8ポール)。
【0014】
ステータ1は、コア2、インシュレータ3、および、コイル4を備える。コア2は、鋼板を積層することにより形成される。また、コア2は、リング形状をしたリング部21、および、ティース部22を有する。ティース部22は、リング部21の内側からその中心に向かって突出する12個の要素ティース部22a,・・・,22aで構成される。各要素ティース部22aには、絶縁性のインシュレータ3を介して導電線が巻き付けられ、所謂集中巻によってコイル4が形成される。つまり、ティース部22には12個のコイル4,・・・,4からなるコイル群が形成されている。また、互いに隣り合う要素ティース部22a間の12個の空間(スロット)6,・・・,6に導電線が収容されている(12スロット)。
【0015】
コア2は、12個の要素コア2a,・・・,2aを連結することによって形成されている。各要素コア2aは、軸方向に延びて略T字状断面を有する外観形状をしており、それぞれが1個の要素ティース部22aを有している(
図5参照)。これら要素ティース部22aの2個ごとに導電線が巻き付けられて合計6個のコイル対40,・・・,40が形成されている。具体的には、未連結の2個の要素コア2a,2aに対し、その各要素ティース部22a,22aに1本の導電線を連続的に巻き付けて2個のコイル4,4が連なる1個のコイル対40が形成される。
【0016】
図4に示すように、各コイル対40における2個のコイル4,4の巻回方向は、要素ティース部22aの先端側から見て同じ方向に設定されている。なお、本実施形態では各コイル対40における2個のコイル4,4の巻回方向は時計回りに設定されているが、反時計回りであってもよい。
【0017】
コイル対40は、導電線の巻回方向の異なる2種のコイル対40a,40bで構成されている。例えば、コイル対40aは、
図4の左側に示すように、2個のコイル4,4のうち、左側のコイル4から巻き始められて右側のコイル4で巻き終わる第1〜第3のコイル対41,42,43で構成されている。また、コイル対40bは、
図4の右側に示すように、右側のコイル4から巻き始められて左側のコイル4で巻き終わる第4〜第6のコイル対44,45,46で構成されている。
【0018】
具体的には、第1〜第3のコイル対41,42,43は、それぞれ、その左側のコイル41b,42b,43bから巻き始められて右側のコイル41a,42a,43aで巻き終わる。第4〜第6のコイル対44,45,46は、それぞれ、その右側のコイル44b,45b,46bから巻き始められて左側のコイル44a,45a,46aで巻き終わる。なお、
図4中の白丸は巻き始め端を示し、黒丸は巻き終わり端を示す。
【0019】
このような導電線の巻回方向の異なる2種のコイル対40a,40bは、例えば、
図5に示すような方法で簡単に形成することができる。すなわち、一方のコイル対40a(40b)は、他方のコイル対40b(40a)と同じ方向に巻回されたコイル対40をその渡り線47の部分で逆向きに折り曲げて、各要素コア2aを左右入れ替えればよい。したがって、いずれか一方のコイル対40a(40b)を形成しておき、各要素コア2aを連結するときに必要な分だけ適宜折り曲げて他方のコイル対40b(40a)を形成すればよいため、作業性に優れる。
【0020】
これら各コイル対40は、パワーステアリング装置100に適したモータ性能が発揮できるように、予め設計された配列に組み付けられる。
【0021】
例えば、
図4に示すように、コア2をその軸方向に見て2等分する仮想の第1区画線23で第1領域24と第2領域25とに区画したとき、第1〜第3のコイル対41,42,43は第1領域24に配置され、第4〜第6コイル対44,45,46は第2領域25に配置される。
【0022】
そして、例えば、第1のコイル対41の2個のコイル41a,41bの間に、第2のコイル対42のコイル42aおよび第3のコイル対43のコイル43aが位置するように配置される。つまり、第1領域24(または第2領域25)においてあるコイル対40が有する2個のコイル4,4の間に他の2つのコイル対40が有するコイル4がそれぞれ1個ずつ位置するように配置される。
【0023】
また、各コイル対40の巻回方向は、第1領域24と第2領域25とで第1区画線23に対して左右対称状になるように設定される。
【0024】
具体的には、第1領域24では、コイル41a,コイル42a,コイル43a,コイル41b,コイル42b,コイル43bがこの順に反時計回りに配列される。第2領域25では、コイル44a,コイル45a,コイル46a,コイル44b,コイル45b,コイル46bがこの順に時計回りに配列される。
【0025】
このように配列することで、
図6に示すような、U相、V相、W相に対応したスター結線が可能となる。その際、コア2をその軸方向に見て上述した第1区画線23に直交する第2区画線26で2等分する相領域27と中性領域28とに区画したとき、第1〜第6のコイル対41,・・・,46における、一方のコイル41a,・・・,46aが相領域27に配置され、他方のコイル41b,・・・,46bが中性領域28に配置される。これにより、中性領域28から導出される導電線は全て中性点(N)に接続できる。
【0026】
そうすることで、次に説明するように、ステータ1とバスバーユニット30との接続が簡素化され、作業性に優れる。また、バスバーユニット30やバスバー32を小さくすることができ、部材コストを抑制できる。
【0027】
図7に示すように、バスバーユニット30は、複数のバスバー32およびホルダ31を備える。ホルダ31は、例えば繊維を含むポリブチレンテレフタレート(PBT)などの絶縁性の樹脂による射出成形品である。ホルダ31は、リング状のバスバー支持部31a、バスバー支持部31aと一体に設けられるコネクタ部31b、および、モータハウジング5に取り付けるための複数の支持脚部31c,・・・,31cを備える。
【0028】
バスバー32は、銅等の導電性に優れた金属板のプレス加工品である。各バスバー32は所謂インサート成形によってホルダ31と一体に形成されている。
図8に示すように、本実施形態のバスバー32は、周方向に帯状に延びて、略半円状の第1のバスバー32a、および、それぞれ長さの異なる劣弧状の第2〜第4のバスバー32b,32c,32dを備える。各バスバー32の外周縁には、複数の接続端子33,33,・・・が突出するように形成される。これら接続端子33,33,・・・にはステータ1から導出される導電線が接続される。第2〜第4のバスバー32b,32c,32dのそれぞれの一端には、略直交状に立ち上がる第2〜第4のコネクタ端子34b,34c,34dが一体に設けられる。第2〜第4のコネクタ端子34b,34c,34dは、それぞれホルダ31のコネクタ部31bからその先端部が突出する。
【0029】
各バスバー32は互いに接触しないようバスバー支持部31aに埋設されている。具体的には、例えば、バスバー支持部31aをその軸方向に見て相側領域37と中性側領域36と
に2等分したとき、第1のバスバー32aは中性側領域36に配設され、第2〜第4のバスバー32b,32c,32dは相側領域37に配設される。
図9の(a)に示すように、相側領域37では、第2〜第4のバスバー32b,32c,32dのそれぞれが間に樹脂層を介して重なるように配設される。一方、
図9の(b)に示すように、中性側領域36には第1のバスバー32aだけが配設される。
【0030】
図10に示すように、バスバーユニット30はステータ1と接続される。すなわち、ステータ1の中性領域28に対応してバスバーユニット30の中性側領域36が配置され、ステータ1の相領域27に対応してバスバーユニット30の相側領域37が配置される。そして、ステータ1の中性領域28から導出される導電線、具体的には、コイル41b,コイル42b,コイル43b,コイル44b,コイル45b,コイル46bから導出される導電線が第1のバスバー32aの各接続端子33,・・・,33に接続される。
【0031】
ステータ1の相領域27から導出される導電線は、第2〜第4のバスバー32b,32c,32dの所定の接続端子33,・・・,33に接続される。具体的には、第2のバスバー32bの各接続端子33,33には、コイル43aとコイル44aから導出される導電線が接続される。第3のバスバー32cの各接続端子33,33には、コイル42aとコイル45aから導出される導電線が接続される。第4のバスバー32dの各接続端子33,33には、コイル41aとコイル46aから導出される導電線が接続される。そうすることで、第1のバスバー32aによって中性点(N)が形成され、第2〜第4のバスバー32b,32c,32dによって各接点(U,V,W)が形成されて、
図6のスター結線が形成される。
【0032】
図11に、従来のバスバーユニットの一例を示す。中性点に接続される導電線がステータの全周に広く分布している場合、一般に、導電線の這い回しを避けるために中性点用のバスバーは円環状や優弧状に形成されることが多い。ところがそうすると、同図のバスバーユニットのように4個のバスバー320a,320b,320c,320dが重なってバスバー支持部310aの厚みが大きくなる。それに対し、本実施形態のバスバーユニット30では、中性点用の第1のバスバー32aを略半円状に形成し、各相の接点用の第2〜第4のバスバー32b,32c,32dを劣弧状に形成して、それぞれバスバーユニット30の中性側領域36と相側領域37とに配設することで、バスバー支持部の厚みを小さくでき、バスバーユニット30を小型化できる。ステータ1との結線作業も容易になり作業性も向上する。
【符号の説明】
【0033】
1 ステータ
2 コア
2a 要素コア
4 コイル
21 リング部
22 ティース部
22a 要素ティース部
27 相領域
28 中性領域
40 コイル対