(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787145
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】ビットホルダ付きL型グリップハンドル
(51)【国際特許分類】
B25B 15/00 20060101AFI20150910BHJP
B25B 23/16 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
B25B15/00 620F
B25B15/00 630H
B25B23/16 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-147792(P2011-147792)
(22)【出願日】2011年7月2日
(65)【公開番号】特開2013-13961(P2013-13961A)
(43)【公開日】2013年1月24日
【審査請求日】2014年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】591057441
【氏名又は名称】株式会社兼古製作所
(72)【発明者】
【氏名】兼古 耕一
【審査官】
齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】
実開平03−103167(JP,U)
【文献】
実開昭59−050674(JP,U)
【文献】
実開昭62−050062(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 15/00
23/16
B25G 1/08
B25F 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のビットを収納保持するビットホルダと、短寸長の第1軸部とこれに略直角に一体的に連結する長寸の第2軸部と、前記第1軸部と前記第2軸部の端部に一体的に設けられているビット保持穴部と前記第1及び第2軸部を被包する柔軟体とを有するL型ハンドルとからなり、使用時において前記第1軸部及び第2軸部の第1軸部側の一部に前記ビットホルダを着脱可能に係着保持してなるビットホルダ付きL型グリップハンドルであって、前記ビットホルダは、外面に前記ビットを着脱可能に収納保持する溝部を形成すると共に内部に前記第1軸部と第2軸部の先端側の一部を着脱可能に、かつ移動可能に収納保持すべく開口形成されるL型通路を有するものからなり、前記L型ハンドルの前記柔軟体には滑り止め部が外面に形成されることを特徴とするビットホルダ付きL型グリップハンドル。
【請求項2】
前記ビットホルダの前記L型通路の入口側の開口孔は前記L型ハンドルの前記第1軸部と前記第2軸部の連結部の最厚幅部が通過可能の孔寸法を有するものからなり、この開口孔と前記L型通路の入口側には前記L型ハンドルの抜け出しを防止及びグリップの強度を上げるためストッパ部が形成されることを特徴とする請求項1に記載のビットホルダ付きL型グリップハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動によりビットを用いて対象物のねじ締めを行うためのL型グリップハンドルであって、前記ビットを収納するビットホルダが手廻しを行うL型ハンドルに着脱可能に係着保持され、各種寸法,形状のねじのねじ締めが効率的にでき、取扱性もよいビットホルダ付きL型グリップハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物のねじ締めを行うにはビットが使用される場合が多く、所望寸法のビットはL型グリップハンドルのビット保持穴部に挿着され、ねじ締めにはL型グリップハンドルを把持して手廻しで行われる場合が多い。
一方、対象物のねじ締め箇所には各種サイズや形状のねじ部があり、それに対応したビットをその都度L型グリップハンドルに挿着する必要がある。この場合、ビットが別々の場所に保管されている場合には必要とするビットを保管場所から持ち出す必要があり極めて不便であり、非効率的である問題点がある。
この解決手段として各種の寸法のビットをL型グリップハンドルと一体的に保持する手段が望まれ、この種の従来技術の1つとして「特許文献1」が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許公表2010−526675号(
図1) また、「特許文献」ではないが非公知技術の発明の1つとして
図6(a),(b)に示すものが挙げられる。
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
「特許文献1」の「特許公表2010−526675号」の「複数のビット収納付き手工具及びこれを用いた方法」は、ビットを保持するビットインターフェース(105)及びスラム部(104)とを有する本体部(103)と、手工具(101)と、このスラム部(104)に着脱可能に係着する取付具(108)を有するビット収納機構(102)とからなり、ビット収納機構(102)には複数個のビットを収納する収納工具フレームキャップ(114)が着脱可能に収納されている。このビット収納機構(102)は手工具(101)とほぼ同じ軸長を有するものであり、このビット収納機構(102)を保持した状態では手工具(101)のねじ廻しがやりにくい。よって、手廻し時には手工具(101)からビット収納機構(102)を取り外し、ビット収納機構(102)内の所望のビットを手工具(101)のビットインタフェース(105)に挿着してねじ締め作業を行うことになり、極めて非効率的である。
【0006】
一方、
図6に示した未公知のL型グリップハンドル(200)は、L型ハンドル(201)と、これに着脱可能に係着するビットホルダ(202)を組み合せたものからなる。この場合には必要なビットをビットホルダ(202)から取り出してL型ハンドル(201)に挿着すればよく、ビットホルダ(202)とL型ハンドル(201)が合体しているためビットの挿脱や交換は容易である。しかしながら、ねじ廻し時にはL型ハンドル(201)の部分を把持するものではなく、むしろビットホルダ(202)を把持してねじ廻しを行うか、又はビットホルダ(202)をL型ハンドル(201)から取り外してL型ハンドル(201)のみでねじ廻しを行うことになり、このものも非効率的であり、取扱性もよくない問題点がある。
【0007】
以上のように、従来技術のものは各種の問題があり、効率的で取扱性のよい特長を有するL型グリップハンドルが要請されていた。
【0008】
本発明は、以上の要請に鑑みて発明されたものであり、複数個のビット(形状の相異するものでもよい)を保持するビットホルダをL型ハンドルの先端側にのみ着脱可能に保持し、使用時にはビットホルダ内の所望のビットをL型ハンドルのビット保持穴部に挿着し、L型ハンドルの把持部を把持してねじ廻しを行うものからなり、ねじ廻しが効率的にでき、取扱性も極めて良好であり、L型ハンドルには滑り止めを形成する柔軟体が設けられ、ねじ廻し時に力を入れることができ、確実なねじ廻しができるビットホルダ付きL型グリップハンドルを提供することを目的とする。また、ビットホルダにはL型ハンドルの挿脱や移動が容易にできるL型通路やストッパが設けられ、L型ハンドルの挿脱作業やその抜け出し防止ができる特徴を有するビットホルダ付きL型グリップハンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以上の目的を達成するために請求項1の発明は、複数個のビットを収納保持するビットホルダと、短寸長の第1軸部とこれに略直角に一体的に連結する長寸の第2軸部と
、前記第1軸部と前記第2軸部の端部に一体的に設けられているビット保持穴部と前記第1及び第2軸部を被包する柔軟体とを有するL型ハンドルとからなり、使用時において前記第1軸部及び第2軸部の第1軸部側の一部に前記ビットホルダを着脱可能に係着保持してなるビットホルダ付きL型グリップハンドルであって、前記ビットホルダは、外面に前記ビットを着脱可能に収納保持する溝部を形成すると共に内部に前記第1軸部と第2軸部の先端側の一部を着脱可能に、かつ移動可能に収納保持すべく開口形成されるL型通路を有するものからなり、前記L型ハンドルの前記柔軟体には滑り止め部が外面に形成されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、前記ビットホルダの前記L型通路の入口側の開口孔は前記L型ハンドルの前記第1軸部と前記第2軸部の連結部の最厚幅部が通過可能の孔寸法を有するものからなり、この開口孔と前記L型通路の入口側には前記L型ハンドルの抜け出しを防止及びグリップの強度を上げるためストッパ部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1のビットホルダ付きL型グリップハンドルによれば、複数個のビットを挿脱可能に収納するビットホルダがL型ハンドルの先端側に着脱可能に係着保持され、ビットの交換が容易にでき、使用時におけるねじ廻しはL型ハンドルのみを把持すればよく、また、L型ハンドルには滑り止めを形成する柔軟部が設けられているため、力の入ったねじ廻しができねじ廻しの効率の向上を図ることができる。また、ビットホルダとL型ハンドルが常に合体構造のため取扱性の向上を図ることがきる。また、ビットホルダにはL型通路が形成されL型ハンドルの挿脱や係着が容易に、かつ確実に出来る効果が上げられる。
【0012】
また、本発明の請求項2のビットホルダ付きL型グリップハンドルによれば、L型ハンドルの挿脱の容易にできる開口孔とストッパが設けられ、L型ハンドルの挿脱の容易化とビットホルダの抜け出しを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のビットホルダ付きL型グリップハンドルの全体構造を示す正面図(a),上面図(b),底面図(c),右側面図(d),左側面図(e)。
【
図2】本発明のビットホルダの全体構造を示す正面図(a),底面図(b),上面図(c),左側面図(d),右側面図(e)。
【
図3】本発明のL型ハンドルの全体構造を示す正面図(a),上面図(b)及びビット保持穴部を示す部分背面図(c)。
【
図5】本発明におけるL型ハンドルとビットホルダとの合体途中の状態を示す正面図。
【
図6】非特許文献のL型グリップハンドルを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のビットホルダ付きL型グリップハンドルの実施の形態を図面を参照して詳述する。
図1の(a),(b),(c),(d),(e)は本発明のビットホルダ付きL型グリップハンドル100の全体構造を説明するための図面である。
【0015】
図1(a),(b)に示すように、本発明のビットホルダ付きL型グリップハンドル100は大別してビットホルダ1とL型ハンドル2とを合体したものからなる。
また、L型ハンドル2の両端には
図1(c)に示すようにビット保持穴部3が設けられている。
また、
図1(a),(b),(e)に主に示されているように、ビットホルダ1には複数本のビット4が収納保持されている。このビット4は同一形状のものでもよいが、例えば、
図1(e)に示すようにねじ廻し部4a(
図4に示す)の形状が異なるものでもよい。
【0016】
図2(a),(b),(c)はビットホルダ1の構造を説明するための図面である。ビットホルダ1は本実施例では略L型形状のプラスチック材からなり、その外面にはビット4を収納保持するための行き止り状の溝部5が複数個一体的に形成されている。この溝部5はビット4の軸部4bが挿着保持される半六角形状のものからなる。また、内面側にはL型通路6が開口形成されている。このL型通路6は入口側と出口側において開口形成され入口側の開口孔7は略グラント形状のものからなり、出口側の開口孔8は長孔状のものからなる。また、開口孔7の長手方向の寸法は後に説明するL型ハンドル2の第1軸部2aと第2軸部2bとの連結部の長厚幅部2cの寸法(m)よりもやや大寸のものからなる。また、入口側の開口孔7とL型通路6との入口側にはストッパ部9が形成される。また、ビットホルダ1を力強く締めると開口部からよじれ変形が起きるのを防止するためストッパ部9が設けられている。
【0017】
図3(a),(b),(c)はL型ハンドル2の全体構造を説明するための図面である。このL型ハンドル2は第1軸部2aとこれに略直角に先端側を一体的に連結する第2軸部2bとからなる一本の剛質の棒体からなり、第1軸部2aの先端及び第2軸部2bの後端にはビット4を挿着保持するビット保持穴部3a,3bが一体的に形成されている。なお、第1軸部2aと第2軸部2bは全体として柔軟(例えば、ゴム質)の柔軟体10により被包されている。また、この柔軟体9には
図3(a),(b)に示すように滑り止め部11が一体的に形成されている。なお、このL型ハンドル2の使用時には滑り止め部11の位置を手で把握してねじ締めを行うことになる。
【0018】
図4はビットホルダ1に挿着保持されるビット4の一例を示すものである。ビット4はねじ廻し部4aを先端側に形成しこれに一体的に連結される軸部4bとからなり、軸部4bは六角形状のものからなり、前記したビットホルダ1の溝部5に挿着保持される形状のものからなる。
【0019】
図5はL型ハンドル2をビットホルダ1に合体するためのやり方を説明するための図面である。L型ハンドル2の第1軸部2aの部分を示すビットホルダ1の入口側の開口孔7に入れて第1軸部2aをL型通路6に沿って挿入し、第1軸部2aと第2軸部2bとの連結部の最厚幅部2cを入口側の開口孔7内を通り抜けさせて第2軸部2bの先端側の一部をL型通路6内に挿入する。その後、第1軸部2aの先端側のビット保持穴部3をL型通路6の出口側の長孔状の開口孔8から覗かせる。L型ハンドル1はL型に形成されているため第1軸部2a及び第2軸部2bの先端側の一部はL型通路6内に収納されると共にL型通路6の出口側の開口孔8の長孔形状の分だけ前後に移動可能な状態でL型通路6内に収納される。但し、ストッパ部9がL型通路6の入口側には形成されているためL型ハンドル2はストッパ部9により抜け出しが防止される。
【0020】
本発明は、以上のようにして合体されたものからなり、
図1(a),(b)等に示す形態のもので使用される。
対象物のねじ廻しを行うには、所望のビット4をビットホルダ1より取り出し、これをL型ハンドル2のビット保持穴部3a及び/又は3bに装着し、L型ハンドル2の第2軸部2bの部分を手で把持してねじ廻しを行うことになる。この場合、第2軸部2bはビットホルダ2から長く飛び出しており柔軟体10には滑り止め部11が形成されているためねじ廻り時にはL型ハンドル2と手の間の滑りがなく、大きな力でねじ締めを行うことができる。
【0021】
また、前記のように、ビットホルダ1はL型ハンドル2と一体的に合体しているため必要なビット4は合体されているビットホルダ1から引き出しすればよく、極めて効率的に行われる。また、ビットホルダ1とL型ハンドル2とは同時に持ち運びできるため取扱が容易であり、取扱性の向上が図られる。
【0022】
本発明のビットホルダ付きL型グリップハンドルの内容は以上の説明の内容からなるが、ビットホルダ付きL型グリップハンドルは以上の内容に限定されるものではなく、第一技術的範疇のものが適用されることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明のビットホルダ付きL型グリップハンドルはビットを使用する手動工具のすべてに適用可能であり、その利用範囲は極めて広い。
【符号の説明】
【0024】
1 ビットホルダ
2 L型ハンドル
2a 第1軸部
2b 第2軸部
2c 最厚幅部(m)
3 ビット保持穴部
4 ビット
4a ねじ廻し部
4b 軸部
5 溝部
6 L型通路
7 開口孔
8 開口孔
9 ストッパ部
10 柔軟体
11 滑り止め部
100 ビットホルダ付きL型グリップハンドル