特許第5787149号(P5787149)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787149
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】保持部材、壁体構造、及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/21 20060101AFI20150910BHJP
   E04F 13/073 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   E04F13/08 101C
   E04F13/08 101R
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-180634(P2011-180634)
(22)【出願日】2011年8月22日
(65)【公開番号】特開2013-44102(P2013-44102A)
(43)【公開日】2013年3月4日
【審査請求日】2014年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000165505
【氏名又は名称】元旦ビューティ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082669
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 賢三
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100095061
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 恭介
(72)【発明者】
【氏名】西田 和倫
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−061338(JP,U)
【文献】 特開2001−164732(JP,A)
【文献】 実開昭60−097910(JP,U)
【文献】 実開昭60−004109(JP,U)
【文献】 特開2006−219879(JP,A)
【文献】 特開昭61−274038(JP,A)
【文献】 特開2002−266490(JP,A)
【文献】 特開平7−317276(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/097551(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/052236(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/21
E04F 13/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地に係合する取付部材と、外装材に係合する係着部材と、前記取付部材と前記係着部材を連結する締着手段と、からなる保持部材であり、
前記外装材は、面板部の長さ方向に沿う側縁に、相互に係合する側縁係合部、側縁係止部を有し、前記係着部材は、前記外装材の側縁係合部に係合する外側係合部を有し、
前記係着部材と前記取付部材とは非分離状態で一体化され、前記係着部材の回動もしくは当該保持部材の前記下地に沿うスライドによって所定位置に配置され、前記締着手段によって当該保持部材が固定されると共に前記外装材が前記下地に固定されることを特徴とする保持部材。
【請求項2】
縦方向又は横方向に配された下地としての胴縁に対し、それと直交する方向に延在する外装材を、請求項1に記載の保持部材により固定したことを特徴とする壁体構造。
【請求項3】
締着手段が外装材に対して垂直方向に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の壁体構造。
【請求項4】
係着部材の一部が、下地表面に接触していることを特徴とする請求項2又は3に記載の壁体構造。
【請求項5】
縦方向又は横方向に配された下地としての胴縁に対し、それと直交する方向に延在する外装材を、請求項1に記載の保持部材により固定する壁体構造の施工方法であって、
前記保持部材は、前記下地としての胴縁に係合する取付部材と、前記外装材に係合する係着部材と、前記取付部材と前記係着部材を連結する締着手段とからなり、
前記外装材は、面板部の長さ方向に沿う側縁に、相互に係合する側縁係合部、側縁係止部を有し、前記係着部材は、前記外装材の側縁係合部に係合する外側係合部を有し、
前記係着部材と前記取付部材とを非分離状態で一体化された前記保持部材を胴縁に係合させて取り付ける第1の工程と、
前記取付部材を前記下地としての胴縁に係合させつつ前記保持部材をスライドさせるか、もしくは前記係着部材を回動させて前記係着部材を前記外装材に係合させる第2の工程と、
前記締着手段を前記下地としての胴縁側から締め付けて前記保持部材を一体的に前記下地としての胴縁に固定すると共に、前記外装材が前記下地としての胴縁に固定される第3の工程と、
を順次繰り返して実施することを特徴とする壁体構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば市街地の密集地区等においても外側に作業用の足場等を確保する必要がなく、躯体(胴縁)側から簡易な作業にて、確実に且つ強固に外装材を取り付け施工することができる保持部材、壁体構造、及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市街地の密集地区等にて外壁を施工又は補修する工事に際し、外側から作業者が操作を行うための十分なスペースが確保できないケースが多く見られる。そのため、躯体側から施工できるような構造及び方法が希求されていた。
そのため、躯体側、即ちパネルの裏面側から、比較的容易な作業にて外壁を施工する構造として、特許文献1や特許文献2などに記載の構造が提案されている。
まず、特許文献1には、サイディングパネル1,1の側縁部を重合させた状態で、胴縁(横構材)11にクリップ金具2とフック金具3と両金具2,3を連結するボルト4及びナット5を取り付ける構造が開示されている。
また、特許文献2には、リップ溝形鋼である壁下地Dに固定する固定面23と、建築用パネルAの裏面に沿わせる設置面24と、建築用パネルAの側縁に係合する係合溝25とを備える立体的な成形体である取付具Bを用いる構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3490035号公報
【特許文献2】特許第3009297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1の構造では、サイディングパネル1,1を突き合わせた状態で、クリップ金具2などを取り付ける作業が極めて困難であった。詳しくは、そもそも未固定のサイディングパネル1,1を突き合わせた状態に保持するのは、表面側からの補助が必要であった。
また、クリップ金具2の脚片部2bにて、サイディングパネル1,1の溝部6を押さえるためには、胴縁(横構材)11上からクリップ金具2を差し込むように配設する必要があり、極めて作業が困難であった。さらに、困難であるが故に係合不良を招く恐れがあった。
さらに、クリップ金具2の脚片部2bでサイディングパネル1,1の溝部6を押さえられたとしても、この状態でナット5を締め付け、更にフック金具3のビス挿通孔8,8にドリルビス9,9を打ち込んで固定するので、極めて作業が面倒であった。
【0005】
一方、前記特許文献2の構造では、建築用パネルAの取付に関し、その端縁を取付具Bの係合溝25に係合させただけに過ぎないので、十分な取付強度を得ることができなかった。
また、前述のように固定面23と設置面24と係合溝25とを備える立体的な成形体である取付具Bは、その成形にコストがかかるものであった。
【0006】
また、前記特許文献1でも前記特許文献2でも、パネルを鉛直方向に配設する際に、固定用金具は上方から略垂直状に固定する構成であるが、高所作業時において固定用金具を上から略垂直状に固定するのは困難であり、適正な位置に固定できずに施工不良を起こす恐れがあった。また、工具自体も使えない恐れがあった。
【0007】
そこで、本発明は、例えば市街地の密集地区等においても外側に作業用の足場等を確保する必要がなく、躯体(胴縁)側から簡易な作業にて、確実に且つ強固に外装材を取り付け施工することができる保持部材、壁体構造、及びその施工方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記に鑑み提案されたものであって、下地に係合する取付部材と、外装材に係合する係着部材と、前記取付部材と前記係着部材を連結する締着手段と、からなる保持部材であり、前記外装材は、面板部の長さ方向に沿う側縁に、相互に係合する側縁係合部、側縁係止部を有し、前記係着部材は、前記外装材の側縁係合部に係合する外側係合部を有し、前記係着部材と前記取付部材とは非分離状態で一体化され、前記係着部材の回動もしくは当該保持部材の前記下地に沿うスライドによって所定位置に配置され、前記締着手段によって当該保持部材が固定されると共に前記外装材が前記下地に固定されることを特徴とする保持部材に関するものである。
【0009】
さらに、本発明は、縦方向又は横方向に配された下地としての胴縁に対し、それと直交する方向に延在する外装材を、前記保持部材により固定したことを特徴とする壁体構造をも提案する。
【0010】
また、本発明は、前記壁体構造において、締着手段が外装材に対して垂直方向に設けられていることを特徴とする壁体構造をも提案する。
【0011】
また、本発明は、前記壁体構造において、係着部材の一部が、下地表面に接触していることを特徴とする壁体構造をも提案する。なお、この係着部材の一部が下地表面に載置状に接触している状態を「載乗」という。
【0012】
さらに、本発明は、縦方向又は横方向に配された下地としての胴縁に対し、それと直交する方向に延在する外装材を、前記保持部材により固定する壁体構造の施工方法であって、前記保持部材は、前記下地としての胴縁に係合する取付部材と、前記外装材に係合する係着部材と、前記取付部材と前記係着部材を連結する締着手段とからなり、前記外装材は、面板部の長さ方向に沿う側縁に、相互に係合する側縁係合部、側縁係止部を有し、前記係着部材は、前記外装材の側縁係合部に係合する外側係合部を有し、前記係着部材と前記取付部材とを非分離状態で一体化された前記保持部材を前記下地としての胴縁に係合させて取り付ける第1の工程と、前記取付部材を前記下地としての胴縁に係合させつつ前記保持部材をスライドさせるか、もしくは前記係着部材を回動させて係着部材を外装材に係合させる第2の工程と、前記締着手段にて前記下地としての胴縁側から締め付けて前記保持部材を前記下地としての胴縁に固定すると共に、前記外装材が前記下地としての胴縁に固定される第3の工程と、を順次繰り返して実施することを特徴とする壁体構造の施工方法をも提案するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の保持部材は、取付部材を下地に係合させた状態で、係着部材の回動もしくは保持部材の下地に沿うスライドによって所定位置に配置させて係着部材を外装材に係合し、締着手段にて取付部材と係着部材とを締め付け固定するので、下地と外装材とが強固に固定されるものとなる。また、この保持部材の取付部材及び係着部材の操作は、外装材の裏面側、即ち下地側から実施できるので、極めて容易に且つ確実に実施できるものである。
【0014】
さらに、本発明の前記保持部材を用いた壁体構造は、前述のように下地(胴縁)と外装材とが強固に固定されるので、極めて取付強度が高いものとなる。また胴縁側(裏面側)から施工されているため、外装材表面にビス等が打ち込まれた痕跡が生ずる筈もなく、美麗な外観を呈するものである。
【0015】
また、締着手段が外装材に対して鉛直方向に設けられている場合には、外装材を鉛直方向に配設する際に、締着手段は裏面側から略水平状に固定すればよいので、作業者が壁面(外装材の裏面)に対して正対して作業を行うことができ、その結果、適正な位置に確実に固定することができる。
【0016】
さらに、係着部材の一部が、下地表面に載乗している場合、係着部材が下地表面に安定に支持され、その結果、外装材の取り付けが確実かつ強固に行われるものとなる。
【0017】
本発明の壁体構造の施工方法は、保持部材を胴縁に取り付ける第1の工程も、取付部材を胴縁に係合させつつ保持部材をスライドさせるか、もしくは係着部材を回動させて係着部材を外装材に係合させる第2の工程も、締着手段にて胴縁側から締め付けて保持部材を胴縁及び外装材に固定すると共に、外装材が胴縁に固定される第3の工程も、それぞれ極めて容易に且つ確実に実施できるので、実用的価値が極めて高いものである。
特に係着部材を外装材に確実に係合させることができるため、係合不良を招く恐れがなく、確実に取付施工を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)本発明の壁体構造の施工方法の一実施例(第1実施例)における第1の工程を終えた状態を示す斜視図、(b)第2の工程において係着部材を外装材に係合する前段階を示す斜視図、(c)第2の工程において係着部材を外装材に係合する状況を示す斜視図、(d)第3の工程の終了後の状態を示す斜視図、(e)取り付けた外装材に、隣接する新たな外装材を配設した状態を示す斜視図、(f)新たに配設した外装材に、繰り返し本発明の施工方法を実施しようとする状況を示す斜視図である。
図2】(a)第1実施例における第2工程における係着部材を回動させる状況を右半に、施工後の状態を左半に示す正面図、(b)その側断面図、(c)その正断面図である。
図3】(a)第1実施例にて施工された壁体構造を示す正面図、(b)その側断面図、(c)その正断面図である。
図4】(a)前記第1実施例における第2の工程を別の態様(パターン2)にて実施する状況を示す斜視図、(b)係着部材の係合後の状態を示す斜視図、(c)前記第1実施例における第2の工程を別の態様(パターン3)にて実施する状況を示す斜視図、(d)係着部材の係合後の状態を示す斜視図である。
図5】(a)第2実施例にて施工された壁体構造を左半に、第2工程における係着部材を回動させる状況を右半に示す正面図、(b)その側断面図、(c)その正断面図である。
図6】(a)本発明の壁体構造の施工方法の他の一実施例(第3実施例)における第1の工程を終えた状態を示す斜視図、(b)第2の工程において係着部材を外装材に係合する状況を示す斜視図、(c)第3の工程の終了後の状態を示す斜視図、(d)取り付けた外装材に新たな外装材を隣接させて配設し、繰り返して施工方法を実施しようとする状況を示す斜視図、(e)第3実施例における第2工程における係着部材を回動させる状況を右半に、施工後の状態を左半に示す正面図、(f)その側断面図、(g)その正断面図である。
図7】(a)本発明の壁体構造の施工方法の他の一実施例(第4実施例)における第1の工程を終えた状態を示す斜視図、(b)第2の工程において係着部材を外装材に係合する状況を示す斜視図、(c)第3の工程の終了後の状態を示す斜視図、(d)取り付けた外装材に、隣接する新たな外装材を配設し、繰り返して施工方法を実施しようとする状況を示す斜視図、(e)第4実施例における第2工程における係着部材を回動させる状況を右半に、施工後の状態を左半に示す正面図、(f)その側断面図、(g)その正断面図である。
図8】(a)本発明の壁体構造の施工方法の他の一実施例(第5実施例)における第1の工程を終えた状態を示す斜視図、(b)第2の工程において係着部材を外装材に係合する状況を示す斜視図、(c)第3の工程の終了後の状態を示す斜視図、(d)取り付けた外装材に、隣接する新たな外装材を配設し、繰り返して施工方法を実施しようとする状況を示す斜視図、(e)第5実施例における第2工程における係着部材を回動させる状況を右半に、施工後の状態を左半に示す正面図、(f)その側断面図、(g)その正断面図である。
図9】(a)本発明の壁体構造の施工方法の他の一実施例(第6実施例)における第1の工程を終えた状態を示す斜視図、(b)第2の工程において係着部材を外装材に係合する状況を示す斜視図、(c)第3の工程の終了後の状態を示す斜視図、(d)取り付けた外装材に、隣接する新たな外装材を配設し、繰り返して施工方法を実施しようとする状況を示す斜視図、(e)第6実施例における第2工程における係着部材を回動させる状況を右半に、施工後の状態を左半に示す正面図、(f)その側断面図、(g)その正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の保持部材は、下地に係合する取付部材と、外装材に係合する係着部材と、前記取付部材とからなり、締着手段を緩めた状態で非分離状態で一体化され、この状態で係着部材を回動可能である。
【0020】
前記保持部材を構成する取付部材は、下地に係合する内側係合部を有する構成であり、該内側係合部は、下地の構成に応じて適宜に成形すればよく、例えば後述する第1実施例では下地(胴縁)としてリップ溝形鋼(C形鋼、シーチャンネル)を用いたので、内向き片(リップ)に対して略く字状に内側係合部を形成したが、特にこれに限定するものではない。例えば下地自体に被係止部を有さない角柱状の胴縁を用いる場合には、これを包囲状に係合する内側係合部を設ければよい。
【0021】
前記保持部材を構成する係着部材は、外装材に係合する外側係合部を有する構成であり、該外側係合部は、外装材の側縁係合部に応じて適宜に成形すればよく、例えば後述する第1実施例では側縁係合部として表面側へ突出する略く字状に成形したので、該側縁係合部の外側に重合状に係合する一回り外形が大きな略く字状に外側係合部を成形したが、特にこれに限定するものではない。なお、外側係合部は、左右両方に設けてもよいが、余計な引っ掛かり箇所を増やさない観点では、何れか一方のみに設けることが望ましい。
【0022】
前記取付部材と前記係着部材を連結する締着手段は、後述する第1実施例のようにボルトでもよく、この場合、ナットの締め付けを緩めた状態で非分離状態で一体化され、即ち係着部材をボルトを軸として回動(旋回状の回転)させることができ、ナットを強固に締め付けることにより、一体化させることができる。
【0023】
前記下地は、前記取付部材が係合する対象部材であって、後述する壁体構造においては、縦方向又は横方向に配される胴縁を指し、具体的にはリップ溝形鋼(C形鋼、シーチャンネル)、H形鋼、L形鋼等の各種形鋼でもよいし、角柱状の木製胴縁でもよい。
【0024】
前記外装材は、前記係着部材が係合する対象部材であって、特にその構成を限定するものではないが、面板部の長さ方向に沿う側縁に、相互に係合する側縁係合部、側縁係止部を有する構成であることが望ましい。これらの側縁係合部及び側縁係止部の構成については、例えば後述する第1実施例では、面板部の両側縁をそれぞれ裏面側へ折り曲げ、一方は外方(面板部の外側)へ延在させた端縁に、表面側へ折り返して突出する略く字状の側縁係合部を設け、他方は内方(面板部側)へ延在させた端縁に前記側縁係合部へ係合する側縁係止部を設けたが、特にこれに限定するものではない。
【0025】
そして、本発明の保持部材は、取付部材を下地に係合させた状態で、係着部材を回動させるか、或いは保持部材を下地に沿ってスライドさせるか、もしくはその両方の操作によって所定位置に配置させて係着部材を外装材に係合し、締着手段にて取付部材と係着部材とを締め付け固定するので、下地と外装材とが強固に固定される。
しかも、このように取付部材及び係着部材を挙動させるための操作は、下地側(外装材の裏面側)から実施できるので、極めて容易に且つ確実に実施できる。
【0026】
このような保持部材を用いた本発明の壁体構造の施工方法は、縦方向又は横方向に配された下地としての胴縁に対し、それと直交する方向に延在する外装材を、前記保持部材により胴縁側から施工して固定するものであり、係着部材と取付部材とを非分離状態で一体化された保持部材を胴縁に係合させて取り付ける第1の工程と、取付部材を胴縁に係合させつつ保持部材をスライドさせるか、もしくは係着部材を回動させて係着部材を外装材に係合させる第2の工程と、締着手段を胴縁側から締め付けて保持部材を一体的に胴縁に固定すると共に、外装材が胴縁に固定される第3の工程と、を順次繰り返して実施することを特徴とする。
【0027】
そして、本発明の第1の工程では、前記締結手段を緩めた非分離状態で一体化された保持部材を胴縁に係合させて取り付ける。
前述のように締結手段がボルトである場合には、ナットを緩めた状態で取付部材を胴縁に係合させる。
【0028】
次に、本発明の第2の工程では、係着部材の回動もしくは保持部材の下地に沿うスライドによって所定位置に配置する、即ち外装材に係合させる。
この第2の工程において、保持部材の所定位置への配置は、係着部材の回動、保持部材の下地に沿うスライドのうち、何れか一方のみで行うものでも、両方を併用して行うものでもよい。
即ち前記両方を併用して行う態様とパターン1とすると、後述する図1:第1実施例に示すように、保持部材を取り付けた後に下地に沿ってスライドさせると共に、所定位置で回動させることにより、係着部材を外装材に係合させる。
また、係着部材の回動のみを行う態様をパターン2とすると、後述する図4(a),(b)に示すように、保持部材を適正位置に取り付け、その位置にて回動させることにより、係着部材を外装材に係合させる。
さらに、保持部材の下地に沿うスライドのみを行う態様とパターン3とすると、後述する図4(c),(d)に示すように、保持部材を予め回動させた状態で下地に取り付け、下地に沿ってスライドさせることにより、係着部材を外装材に係合させる。
何れのケースにおいても、前述のように外装材の側縁係合部として表面側へ突出する略く字状に成形し、該側縁係合部の外側に重合状に係合する略く字状に外側係合部を成形した場合には、係着部材を回動又はスライドさせてその外側係合部を外装材の側縁係合部に容易に係合させることができる。
【0029】
続いて、本発明の第3の工程では、締着手段を胴縁側から締め付けて保持部材を一体的に胴縁に固定すると共に、外装材を胴縁に固定する。
前述のように締着手段がボルトである場合には、ナットを胴縁側から締め付けて保持部材を一体的に胴縁に固定でき、同時に外装材を強固に固定することができる。
【0030】
その後、新たな外装材を、取り付けた外装材に取り付ければよく、前述のように面板部の長さ方向に沿う側縁に、相互に係合する側縁係合部、側縁係止部を有する場合には、新たな外装材の側縁係止部を、取り付けた外装材の側縁係合部に係止すればよい。
前述のように外装材の面板部の両側縁をそれぞれ裏面側へ折り曲げ、一方は外方(面板部の外側)へ延在させた端縁に、表面側へ折り返して突出する略く字状の側縁係合部を設け、他方は内方(面板部側)へ延在させた端縁に前記側縁係合部へ係合する側縁係止部を設けた場合には、新たな外装材が、前記第3の工程にて固定した保持部材を覆うように配され、このように配設された新たな外装材の側縁係合部に対して前記第1〜第3の工程を順次繰り返して実施すればよい。
【0031】
このように施工された本発明の壁体構造は、取付部材が胴縁に係合し、係着部材が外装材に係合し、締着手段にて取付部材と係着部材とを締め付け固定しているので、胴縁と外装材とが、取付部材と係着部材との間に挟まれるように強固に固定され、極めて取付強度が高い壁体構造が得られる。しかも施工は胴縁側から行っているので、表面にビス等が打ち込まれた痕跡がある筈もなく、美麗な外観を呈するものである。
【実施例】
【0032】
図1(a)〜(f)に示す第1実施例の壁体構造及びその施工方法は、以下に説明する外装材1を、下地(リップ溝形鋼)2に係合する取付部材4と、外装材1に係合する係着部材5とからなる保持部材3を用いて下地2に固定するものであって、その後に説明する第1〜第3の工程を順次繰り返して実施するものである。
【0033】
前記外装材1は、壁パネルであって、係着部材5が係合する対象部材であって、面板部11の長さ方向に沿う側縁12,13に、相互に係合する側縁係合部121、側縁係止部131を有する構成である。詳しくは面板部11の両側縁12,13をそれぞれ裏面側へ折り曲げ(折曲片122,132)、一方は外方(面板部11の外側)へ延在(延在片123)させた端縁に、表面側へ折り返して突出する略く字状の側縁係合部121を設け、他方は内方(面板部11側)へ延在(延在片133)させた端縁に前記側縁係合部121へ係合する側縁係止部131を設けた。
【0034】
前記下地2としてのリップ溝形鋼(C形鋼、シーチャンネル)は、取付部材4が係合する対象部材であって、一方のフランジ22に設けられた内向き片(リップ)21が、取付部材4(内側係合部41)が係合する被係合部である。なお、フランジ22は、取付状態において、係着部材5の一部(基板部52)が、載乗する被載乗部である。
【0035】
前記保持部材3は、横方向に配される胴縁(下地)であるリップ溝形鋼(C形鋼)2に係合する内側係合部41を有する取付部材4と、外装材1に係合する外側係合部51を有する係着部材5と、前記取付部材4と前記係着部材5を連結する締着手段であるボルト6a,ナット6bとからなり、ナット6bを緩めた状態で係着部材5をボルト6aを軸として旋回状に回動可能である。
【0036】
前記取付部材4は、前述のように下地(C形鋼)2に係合する内側係合部41を有する構成であり、図示実施例の取付部材4は、略平坦状の接板部42の下端を略直角状に折り曲げ(添接部43)、更にその下端を略く字状に折り曲げて内側係合部41を設けた形状であり、前記接合部42には、締着手段(ボルト)6aが挿通する孔が設けられている。このように取付部材4は、略矩形状の板材素材を同方向に折り曲げ加工して成形される簡易な形状である。
そして、前記接板部42は、係着部材5の基板部52と重合状に配され、略く字状の内側係合部41が、C形鋼2の内向き片(リップ)21に対して係合する。
【0037】
前記係着部材5は、前述のように外装材1に係合する外側係合部51を有する構成であり、図示実施例の係着部材5は、略平坦状の基板部52の左側の側端を略く字状に折り曲げて外側係合部51を設けた形状であり、前記基板部52の一方端には、締着手段(ボルト)6aが挿通する孔が設けられている。このように係着部材5も、前記取付部材4と同様に略矩形状の板材素材を同方向に折り曲げ加工して成形される簡易な形状である。
そして、前記基板部52は、取付部材4の接板部42と重合状に配され、略く字状の外側係合部51が、外装材1の側縁係合部121の外側に重合状に係合する。なお、基板部52は、取付状態において、前記C形鋼2の一部(フランジ22)に載乗する載乗部でもある。
【0038】
前記締着手段は、前述のように前記取付部材4と前記係着部材5を連結するものであり、図示実施例では締着手段はボルト6a(ナット6b)であり、説明するまでもなく汎用品を適宜に用いることができる。
このボルト6aを、取付部材4及び係着部材5の接合部42,52の孔にそれぞれ貫通させ、ナット6bを取り付けて一体化されるが、ナット6bの締め付けを緩めた状態で両部材4,5の接板部42,基板部52を重合状に一体化してC形鋼2に取り付けることができ、接板部42,基板部52の重合状態を維持したまま係着部材5をボルト6aを軸として回動させることができ、ナット6bを強固に締め付けることにより、強固に一体化させることができる。
【0039】
以下、第1〜第3の各工程について説明する。
まず、第1の工程では、予めボルト6aを、取付部材4及び係着部材5の接合部42,52の各孔にそれぞれ挿通させ、ナット6bを緩く取り付けて非分離状態で一体化しておき、該保持部材3を構成する取付部材4の内側係合部41を、図1(a)に示すようにC形鋼2の内向き片(リップ)21に係合させて取り付ける。なお、内側係合部41を内向き片21に浅く係合させると、図示するように係着部材5がフランジ22上に起立する状態とすることができる。
【0040】
次に、第2の工程では、図1(a)にも示すように取付部材4の内側係合部41を、C形鋼2の内向き片21に係合させつつ保持部材3をC形鋼2に沿ってスライド移動させ、続いて図1(b),(c)に示すように係着部材5をC形鋼2側から見て右回り(=同図では外装材1側から見ているため矢印表示は左回り)に回動させて外側係合部51を外装材1の側縁係合部121に係合させる。具体的にはC形鋼2の内向き片21に浅く係合させていた内側係合部41を、深く係合させることにより、図示矢印のように係着部材5が回動して外装材1の側縁係合部121に係合させることができる。
このように、第1実施例の第2の工程では、前記パターン1の態様にて保持部材3を所定位置へ配置し、係着部材5を外装材1に係合させるものである。
また、この図示実施例では、外装材1の側縁係合部121を表面側へ突出する略く字状に成形し、外側係合部51をそれより一回り大きな略く字状に成型したので、係着部材5を回動させることにより、外側係合部51を側縁係合部121の外側に容易に係合することができる。
なお、この第2の工程における係着部材5の回動は、図2(a)の右半にも示す通りであり、左側端に位置していた外側係合部51が、ボルト6aを軸としてC形鋼2側から見て右回り(=同図でも外装材側から見ているため矢印表示は左回り)に旋回状に回動することにより、右側端に位置するものとなる。
【0041】
続いて、第3の工程では、ナット6bをC形鋼2側から締め付けて保持部材3を一体的にC形鋼2及び外装材1に固定すると共に、外装材1をC形鋼2に固定して図1(d)、及び図2(b),(c)の状態を得る。
そして、C形鋼2と外装材1とが、内側係合部41と外側係合部51との間に挟まれるように強固に固定され、極めて取付強度が高い壁体構造が得られる。
なお、この第1実施例では、この締め付け状態において、図2(b),(c)に示すように係着部材5の基板部52が、C形鋼2のフランジ22に表面に載乗するようにしたので、係着部材5がC形鋼2のフランジ22に表面に安定に支持され、その結果、外装材1の取り付けが確実かつ強固に行われるものとなる。
【0042】
最後に、新たな外装材1の側縁係止部131を、取り付けた外装材1の側縁係合部121に係止して図1(e)及び図2(c)の状態を得る。
そして、図1(f)に示すように前記第1〜第3の工程を順次繰り返して最終的に図3(a)〜(c)に示す壁体構造を得ることができる。
この壁体構造では、外装材1が確実に保持部材3に保持されて強固にC形鋼2に取り付けられたものとなり、しかもC形鋼2側(=外装材1の裏面側)から施工されているため、外装材1の表面にビス等が打ち込まれた痕跡がある筈もなく、美麗な外観を呈するものである。
【0043】
図4(a),(b)には、前記第2の工程において、係着部材5の回動のみを行う態様(=前記パターン2)を示し、図4(c),(d)には、前記第2の工程における保持部材3のC形鋼2に沿うスライドのみを行う態様(=前記パターン3)を示した。
即ち図4(a),(b)では、保持部材3を予め特定したC形鋼2の適正位置に取り付け、その位置にて回動させることにより、係着部材5を外装材1に係合させる。
また、図4(c),(d)では、保持部材3を予め回動させた状態(=取付状態)でC形鋼2の任意の箇所に取り付け、C形鋼2に沿ってスライドさせることにより、係着部材5を外装材1に係合させる。
【0044】
図5(a)〜(c)に示す第2実施例では、外装材1B及び保持部材3Bの構成が、前記第1実施例とは以下の点で異なる。
【0045】
前記外装材1Bは、一方側の側縁12には、図5(a),(b)に示すように側縁係合部124が、表面側へ突出状に設けられる点で前記第1実施例の側縁係合部121と同様であるが、略く字状ではなく、略垂直状に立ち上がって傾斜状に下向きとなる形状である。また、延在片122と側縁係合部124との隅部には、断面略矩形状の弾性止水材7が長さ方向に取り付けている。
さらに、他方側の側縁13には、延在片133は存在せず、折曲片132の下端から跳ね上がり状に側縁係止部134が設けられている。
【0046】
前記保持部材3Bは、取付部材4及び締着手段(ボルト6a及びナット6b)については前記第1実施例と同様であるが、図5(a)に示すように押出成形材である係着部材5Bが用いられ、該係着部材5Bに形成された溝部53にボルト6aの頭部を収容して保持する形状であり、外側係合部54は、前記側縁係合部124の外側に重合状に係合する点で前記第1実施例の外側係合部51とほぼ同様である。
【0047】
前記構成の外装材1B及び保持部材3Bを用いる第2実施例でも、前記第1実施例とほぼ同様に第1〜第3の工程を実施して壁体構造を施工することができる。
但し、この第2実施例における第1の工程では、予めボルト6aを、係着部材5Bの溝部53に保持させた状態で取付部材4の接合部42の孔に挿通させ、ナット6bを取り付けて一体化しておく。
また、第3の工程の後に、新たな外装材1Bの側縁係止部134を、取り付けた外装材1Bの側縁係合部124に係止するが、側縁係合部124の内部に弾性止水材7が配設されているため、内側から弾性反発力が作用し、側縁係合部124と側縁係止部134との係合がより確実に維持されるものとなり、その上、当該部位からの浸水を阻止する止水作用も果たされる。
【0048】
図6に示す第3実施例は、下地(胴縁)としてリップ溝形鋼(C形鋼、シーチャンネル)を用いた点では、前記第1実施例と同様であるが、配設方向が逆(開口が下向き)のC形鋼2Bである点で異なり、用いる保持部材3(取付部材4、係着部材5)については全く同様であるから、図面に同一部号を付して説明を省略する。
【0049】
この第3実施例では、下地(胴縁)2Bとして、開口が下向きになるように配設したC形鋼を用いたので、図6(a)に示すように、第1の工程では、前記保持部材3をC形鋼2Bの内向き片(リップ)21に係合させた状態で、係着部材5がC形鋼2Bからぶら下げるように取り付けられる。
次に、第2の工程では、図6(b)及び図6(e)右半に示すように、保持部材3のC形鋼2Bに沿うスライド及び係着部材5のC形鋼2B側から見て左回り(=これらの図面では外装材1側から見ているため矢印表示は右回り)の回動を併用して外装材1に係合させる。
また、その後の、図6(c)に示す第3の工程や、図6(d)に示す新たな外装材1を配設する工程は、前記第1実施例と同様に行うことができる。
【0050】
図7に示す第4実施例は、下地(胴縁)として角柱状の木製胴縁2Cを用いた点で異なり、用いる保持部材3IVは、取付部材4IVについては、断面略コ字状の包持部44を内側係合部として設け、該包持部44の上下端に係着部材5と接する接板部45,45を設けた構成であり、各接板部45には、締着手段であるボルト6aを側端から挿着可能な切欠孔451を形成している。係着部材5IVについて、基板部52の一方端ばかりでなく他方端にも締着手段(ボルト)6aが挿通する孔が設けられている。
【0051】
この第4実施例では、下地(胴縁)2Cとして、角柱状の木製胴縁を用いたので、図7(a)に示すように、第1の工程では、前記取付部材4IVの一方(図面では下方側)の接板部45と係着部材5IVの他方端とを締着手段としてのボルト6a(図示しないが、ナット6bは緩く取り付けておく)にて非分離状態で一体化しておき、この状態で木製胴縁2Cに沿わせ、取付部材4IVの包持部44をその外周に包持状に係合する。この状態では、前記第1実施例と同様に、係着部材5IVが木製同縁2C上に起立する状態となっており、木製同縁2Cを挟んで取付部材4IVの接板部45,45が上下に対向状に配されている。
なお、図示するように係着部材5IVの他方側(図面では上方側)の孔にもボルト6aを取り付けている(図示しないが、ナット6bは緩く取り付けている)。
次に、第2の工程では、図7(b)に示すように取付部材4IVの包持部44を、木製胴縁2Cに係合させつつ保持部材3IVを木製同縁2IVに沿ってスライド移動させ、続いて図7(b),(c)に示すように係着部材5IVをC形鋼2側から見て右回り(=同図では外装材1側から見ているため矢印表示は左回り)に回動させて外側係合部51を外装材1の側縁係合部121に係合させる。
なお、係着部材5IVの回動により、それに伴って他方側の孔に取り付けていたボルト6aも移動し、木製同縁2Cの下方側に配していた接板部45に臨み、その切欠孔451へ取り付けられる。
その後の、図7(c)に示す第3の工程では、図示しないが、上下の締着手段としてのナット6bを締め付ければよく、その後の図7(d)に示す新たな外装材1を配設する工程については、前記第1実施例と同様に行うことができる。
【0052】
図8に示す第5実施例は、下地(胴縁)としてH形鋼2Dを用いた点で異なり、用いる保持部材3Vは、係着部材5について前記第1実施例と全く同様であるが、取付部材4Vについては、弾性によりH形鋼2Dのフランジ23の裏面側に沿うバネ片46を内側係合部として設けた構成である。前記バネ片46は成形時に意図的に添接部43との角度を少なくとも取付状態より鋭角状に形成したものであり、弾性に抗して取り付けるため、弾性回復力がバネ片46に作用する。なお、取付部材4Vの添接部43やバネ片46は、外装材1側から見た斜視図である図8(a)〜(d)に加え、その断面図である図8(f)を参照されたい。
【0053】
この第5実施例では、下地(胴縁)として、H形鋼2Dを用いたので、図8(f)に示すように、第1の工程では、前記保持部材3VをH形鋼2Dのフランジ23に弾性に抗して係合させた状態で、図8(a)に示すように係着部材5がH形鋼2D上に起立状に取り付けられる。
次に、第2の工程では、図8(b)及び図8(e)右半に示すように、保持部材3VのH形鋼2Dに沿うスライド及び係着部材5のH形鋼2D側から見て右回り(=これらの図面では外装材1側から見ているため矢印表示は左回り)の回動を併用して外装材1に係合させるものであり、実質的に前記第1実施例と全く同様である。
また、その後の、図8(c)に示す第3の工程や、図8(d)に示す新たな外装材1を配設する工程は、前記第1実施例と同様に行うことができる。
【0054】
図9に示す第6実施例は、下地(胴縁)として縦片24と横片25とから構成されるL形鋼2Eを用いた点で異なり、用いる保持部材3Vは、前記第5実施例と全く同様であるため、図面に同一符号を付して説明を省略する。なお、前記第5実施例と同様に、取付部材4IVの添接部43やバネ片46は、外装材1側から見た斜視図である図9(a)〜(d)に加え、その断面図である図9(f)を参照されたい。
【0055】
この第6実施例では、下地(胴縁)としてL形鋼2Eを用いたので、図9(f)に示すように、第1の工程では、前記保持部材3VをL形鋼2Eの縦片24に弾性に抗して係合させた状態で、図9(a)に示すように係着部材5がL形鋼2E上に起立状に取り付けられる。
次に、第2の工程では、図9(b)及び図9(e)右半に示すように、保持部材3VのL形鋼2Eに沿うスライド及び係着部材5のL形鋼2E側から見て右回り(=これらの図面では外装材1側から見ているため矢印表示は左回り)の回動を併用して外装材1に係合させるものであり、実質的に前記第1実施例と全く同様である。
また、その後の、図9(c)に示す第3の工程や、図9(d)に示す新たな外装材1を配設する工程は、前記第1実施例と同様に行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 外装材
11 面板部
12 側縁
121 側縁係合部
13 側縁
131 側縁係止部
2 下地(胴縁,C形鋼)
21 内向き片(リップ)
22 フランジ(被載乗部)
3 保持部材
4 取付部材
41 内側係合部
42 接板部
43 添接部
5 係着部材
51 外側係合部
52 基板部(載乗部)
6a ボルト(締着手段)
6b ナット(締着手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9