特許第5787170号(P5787170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5787170検出能を高めるフォトダイオードデバイス及びその形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787170
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】検出能を高めるフォトダイオードデバイス及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/10 20060101AFI20150910BHJP
【FI】
   H01L31/10 A
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-26650(P2012-26650)
(22)【出願日】2012年2月9日
(65)【公開番号】特開2013-120928(P2013-120928A)
(43)【公開日】2013年6月17日
【審査請求日】2012年2月9日
(31)【優先権主張番号】100144798
(32)【優先日】2011年12月6日
(33)【優先権主張国】TW
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 発行者名 National Cheng Kung University 刊行物名 International Photonics Conference 2011 Advanced Program 巻数 120頁 発行年月日 2011年12月8日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503077109
【氏名又は名称】国立交通大学
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ファン−チュン チェン
(72)【発明者】
【氏名】シュ−チェン リン
【審査官】 森江 健蔵
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−515933(JP,A)
【文献】 特開2010−67642(JP,A)
【文献】 特表2010−517809(JP,A)
【文献】 Fang-Chung Chen, Shang-Chieh Chien, Guan-Lin Cious,Highly sensitive, low-voltage, organic photomultiple photodetectors exhibiting broadband response,Applied Physics Letters,米国,American Institute of Physics,2010年,97,103301,1-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電荷ブロッキング層を有し、光電子増倍効果を備えるフォトダイオードデバイスの形成方法であって、前記方法は、
基板を準備する段階、
前記基板の上に透明導電性フィルムを形成する段階、
前記透明導電性フィルムの上に導電性ポリマー層を形成する段階、
前記導電性ポリマー層の上に有機活性層を形成する段階、
前記有機活性層の上に電荷ブロッキング層を形成する段階、および、
前記電荷ブロッキング層の上に陰極金属を形成する段階で構成され、
前記透明導電性フィルムは厚さ1μmから100μmの酸化インジウムスズ(ITO)であって、前記透明導電性フィルムを形成する方法はスパッタリング、蒸着、化学気相成長のうちのいずれかであり、
前記導電性ポリマー層の厚さは1nmから1000nmの範囲にあり、
前記有機活性層はポリ3−ヘキシルチオフェン(poly 3−hexylthiophene、P3HT)、フェニルC61酪酸メチルエステル([6,6]−phenyl C61−butyric acid methyl ester 、PCBM)、および有機染料であるIr−125を含み、
前記有機活性層の形成方法は、まずポリ3−ヘキシルチオフェン(poly 3−hexylthiophene、P3HT)及びフェニルC61酪酸メチルエステル([6,6]−phenyl C61−butyric acid methyl ester 、PCBM)を準備し、有機染料であるIr−125を前記P3HT及びPCBMに混ぜて有機混合物を形成し、前記有機混合物を前記導電性ポリマー層の上に堆積する方法であり、
前記電荷ブロッキング層の形成方法は熱蒸着法であって、前記電荷ブロッキング層の材料には、バトクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン;BCP)が含まれ、前記電荷ブロッキング層の厚さは18nmから22nmの範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項2】
検出能を高めるために電荷ブロッキング層を有し、光電子増倍効果を備えるフォトダイオードデバイスであって、前記デバイスは、
基板、
前記基板に設置された透明導電性フィルム、
前記透明導電性フィルムに設置された導電性ポリマー層、
前記導電性ポリマー層に設置された有機活性層、
前記有機活性層に設置された電荷ブロッキング層、および、
前記電荷ブロッキング層に設置された陰極金属層から構成され、
前記透明導電性フィルムは厚さ1μmから100μmの酸化インジウムスズ(ITO)であって、
前記導電性ポリマー層の厚さは1nmから1000nmの範囲にあり、
前記有機活性層はポリ3−ヘキシルチオフェン(poly 3−hexylthiophene、P3HT)、フェニルC61酪酸メチルエステル([6,6]−phenyl C61−butyric acid methyl ester 、PCBM)、および有機染料であるIr−125を含み、
前記有機活性層の形成方法は、まずポリ3−ヘキシルチオフェン(poly 3−hexylthiophene、P3HT)及びフェニルC61酪酸メチルエステル([6,6]−phenyl C61−butyric acid methyl ester 、PCBM)を準備し、有機染料であるIr−125を前記P3HT及びPCBMに混ぜて有機混合物を形成し、前記有機混合物を前記導電性ポリマー層の上に堆積する方法であり、
前記電荷ブロッキング層の材料には、バトクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン;BCP)が含まれ、前記電荷ブロッキング層の厚さは18nmから22nmの範囲にあり、
前記陰極金属層は陰極材料と配線からなり、前記陰極材料は外部回路に電気的に接続され、前記陰極材料はカルシウム、リチウム、炭酸セシウム(CsCO)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)のうちから選択され、前記配線の材料は金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛のうちから選択される、ことを特徴とするフォトダイオードデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトダイオードデバイス及びその形成方法を開示するものであり、特に、検出能を高めるフォトダイオードデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォトダイオードは使用する材質の違いにより、無機感光体装置と有機感光体装置に分けられる。無機感光体装置は、電荷結合素子センサ(charge−coupled device、CCD)、相補型金属酸化物半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)など様々な分野で幅広く使われている。これに対し、有機感光体装置は、優れた可撓性、製造工程における使用温度の低さなど、無機感光体装置を勝る特性を備えている。
【0003】
さらに、有機感光体装置を開発していく上において、近年では米国カリフォルニア大学のY. YangチームがNature nanotechnologyにおいて発表した論文[H. Y. Chen, M. K. F. Lo, G. Yang, H. G. Monbouquette, and Y. Yang, Nature Nanotech. 3, 543 (2008)]が最も注目を浴びた。作者はP3HT:PCBMにカドミウムテルル半導体(CdTe)材料を混ぜて有機感光体装置を製作した。当文献において、CdTeをデバイスの活性層内部に混ぜることで、全体的な外部量子効率(EQE)が引き上げられ、光電子倍増が効果的に行われる。
【0004】
そして、2010年には、本案件出願者が有機近赤外線吸收材料を活性層内に混ぜることで光電子倍増において効果を挙げており[F. C. Chen, S. C. Chien and G. L. Cious, Appl. Phys. Lett., 97, 103301 (2010).]、有機赤外線材料を混ぜることにより、フォトダイオードデバイス全体を近赤外線波長部分(750nm〜950nm)へと伸ばし、感光体装置の応用範囲を広げるという点で大きな効果を上げている。ここで特筆すべきは、出願者が無機ナノ粒子を使わず、有機染料分子を使ったことである。こうした背景には、次のメリットがある。第1に、現在多数の長波長の有機染料分子が提供されており、その多様な化学的構造が将来的にデバイスの改善に役に立つと見られ、一段と長い波長を作れる可能性を秘めていること。第2に、これまでの経験から、有機無機ハイブリッド型装置のほとんどで相分離の問題について考量しなければならなかったこと。有機染料分子を使ったからといって、決して相分離現象が現れないわけではないが、相分離の問題が発生する確率は極めて低く、デバイス効能が比較的良好なこと。第3に、有機分子は多くの半導体無機ナノ粒子に比べて毒性が低いことが挙げられる。しかし、残念ながら、有機染料分子の低エネルギーギャップにおいて、デバイスの漏電量が比較的大きく、それによって検出能も制限を受けてしまう。
【0005】
一方、2011年にはG. Sarasqueta氏などが有機及び無機のブロッキングレイヤ(blocking layer)を使って、有機無機ハイブリッド・フォトダイオードデバイスの暗電流を引き下げることで、デバイスの検出能(detectivity)を引き上げている[G. Sarasqueta, K. R. Chiudhury, J. Subbiah and F. So, Adv. Funct. Mat. 21, 167 (2011)]。しかしながら、このデバイスは光導電利得(photoconductive gain)がなく、信号の拡大効果も非常に劣る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】H. Y. Chen, M. K. F. Lo, G. Yang, H. G. Monbouquette, and Y. Yang, Nature Nanotech. 3, 543 (2008)
【非特許文献2】F. C. Chen, S. C. Chien and G. L. Cious, Appl. Phys. Lett., 97, 103301 (2010)
【非特許文献3】G. Sarasqueta, K. R. Chiudhury, J. Subbiah and F. So, Adv. Funct. Mat. 21, 167 (2011)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
習得技術によれば、有機光伝導体は、一般的なフォトダイオードデバイスの操作メカニズムと異なる。従って、電荷ブロッキング層を使ってデバイス性能を引き上げられるかどうかは未知数である。そこで、デバイスの暗電流を顕著に改善し、さらに有機感光性光電子デバイスの検出能を引き上げることを新しい解決方法として提供する。前述のH. Y. Chen氏をはじめとする諸氏及び本研究室の研究成果においても、光電子倍増現象を持つ有機感光体装置を使うことにより、高い光電導利得(photoconductive gain)を得ることはいとも簡単なことだが、仮にデバイスに近赤外線分子を加えた場合、低エネルギーギャップが原因でデバイスに大きな暗電流が流れやすくなり、逆にデバイスの検出能を上げにくくなってしまう。つまり、このような光利得を応用した有機感光体装置には、その暗電流を効果的に引き下げる方法を探求することが不可欠である。
【0008】
本発明の目的は、電荷ブロッキング層を使ってフォトダイオードデバイスの暗電流を引き下げ、それによりフォトダイオードデバイスの検出能を引き上げると同時に、良好な光感応及び外部量子効率(external quantum efficiency)を維持できるようにすることである。
【0009】
本発明のもう一つの目的は、現有の無機感光体装置に代替することで、製品コストを引き下げることである。
【0010】
本発明の最後の目的は、有機フォトダイオードデバイスを可撓型電子製品又は光式タッチパネルなどの表示装置にも応用できるようにすることである。
【0011】
上述の目的を達成するため、本発明では、フォトダイオードデバイスの形成方法について開示する。それには、基板と、基板において形成される透明導電性フィルムと、透明導電性フィルムにおいて形成される導電性ポリマー層と、導電性ポリマー層において形成される有機活性層と、有機活性層において形成される電荷ブロッキング層と、電荷ブロッキング層において形成される陰極金属が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明において開示する技術に係るフォトダイオードデバイスデバイスを形成することを示す断面図である。
図2】本発明において開示する技術に係るフォトダイオードデバイスデバイスの内デバイス材料のエネルギー準位を示す図である。
図3】本発明において開示する技術に係るフォトダイオードデバイスデバイスにそれぞれ異なる厚さの電荷ブロッキング層を挿入した後の暗電流の流れを示す図である。
図4】本発明において開示する技術に係るフォトダイオードデバイスデバイスが逆方向の偏圧マイナス0.2ボルトの状態において示すデバイスの外部量子転換効率である。
図5】本発明において開示する技術に係るそれぞれ違う厚さの電荷ブロッキング層におけるそれぞれ違う波長の下でのデバイスの検出能を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、図1はフォトダイオードデバイスを形成する断面図である。そのフォトダイオードデバイス1の形成ステップは、まず基板10を提供する。次に、基板10において透明導電性フィルム12を成長させる。その成長方法には、スパッタリング、真空蒸着、化学気相成長などが含まれ、透明導電性フィルム12の成長の厚さは1〜100マイクロメートル(μm)とする。そして、透明導電性フィルム12において形成される導電性ポリマー層14(conductive polymer)の形成方法にはコーティング法(coating)及びスピンコート法(spin−coating)が含まれ、その導電性ポリマー層14に形成される厚さは1〜1000ナノ(nm)とする。その後、導電性ポリマー層14において、有機活性層16(又は有機半導体層)を成長させる。なお、それはポリ3−ヘキシルチオフェン混合物(poly(3−hexylthiophene)(P3HT)及びフェニルC6酪酸メチルエステル([6,6]−phenyl C61−butyric acid methyl ester、PCBM)、有機染料Ir−125によってできている。次に、有機活性層16において、熱真空蒸着方法によって電荷ブロッキング層(charge blocking layer)18を形成する。焼きなましステップを経て、再び電荷ブロッキング層18において陰極金属20を製作する。そのうち、陰極金属20は陰極材料及び接続コードから構成され、その陰極材料は一般的にカルシウム、リチウムなどの低仕事関数金属又はよく見かける炭素セシウム(CsCO)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)などの金属酸化物を使い、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル及び亜鉛等の導線を外部電子回路との接続コードとして使用する。さらに、空気中の水分に触れても気化しないカルシウムなどで陰極材料を保護する。この実施例における透明導電性フィルム12の材料には酸化インジウムスズ(ITO、 indium tin oxide)が含まれる。
【0014】
本発明の実施例において、有機近赤外線染料Ir−125はキャリアを捕らえることから、電荷ブロッキング層18によって主に正孔(電子の欠落したホール)をブロックする。電荷ブロッキング層18の材料にバトクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、BCP)を使った時のそのデバイスすべてのエネルギー準位図は図2に示すとおりである。
【0015】
次に、図2に示すように、フォトダイオードデバイスの操作メカニズムについて説明する。デバイスが光子を吸收し、正孔ができて分離した後、逆方向偏圧という条件では、正孔からデバイスが順調に流出するものの、ポテンシャルエネルギーにおいて電子を捕らえるため、大量の電子がデバイスに蓄積さていると、強大な磁場を発生させ、逆方向偏圧という条件下で、もともと正孔に注入されていたポテンシャルエネルギーを大幅に低下させてしまい、余分な正孔から大量にデバイスの中に注入される。最後に、電極につなぎ大量に発生した電流値によって、いわゆる光導電効果を上げることができる。
【0016】
次に、図3について説明する。図3はフォトダイオードデバイスにそれぞれ違う厚さの電荷ブロッキング層18を加えた後の暗電流図である。電荷ブロッキング層18によって効果的にデバイスの暗電流を下げられることが明らかにわかる。図2に示すエネルギー準位図を見ると、逆方向偏圧の時、正孔はP3HT又はIr−125の最高被占有分子軌道(high occupied molecular orbital、HOMO)を注入する可能性があり、電荷ブロッキング層18を加えた後、その実験結果から正孔の注入を大幅に引き下げられることが推察できる。このほか、その電子にデバイスを注入した後、收集される確率も低下することから、デバイス全体の暗電流を低下させられる。
【0017】
次に、図4について説明する。図4は、逆方向偏圧がマイナス0.2ボルトの状態におけるフォトダイオードデバイスの外部量子転換効率である。図4が示すように、電荷ブロッキング層18の厚さが22ナノ(nm)の時、デバイスの最高外部量子転換効率は2000%に達する。
【0018】
このほか、フォトダイオードデバイスにとって、学理上、外部量子転換効率は非常に重要な指標であり、実際に応用する上で重要になるもう一つの指標が検出能(detectivity)である。そのうち、検出能の定義は次に示すとおりである。
D*=(AΔf)0.5/NEP (1)
【0019】
そのうち、Aはデバイスの検出面積で、単位はcmである。Δfは帯域幅で、単位はHzである。NEPとは雑音等価パワー(Noise equivalent power)のことで、光が検出装置に形成される電流信号において雑音が含まれ、これらの雑音は暗電流(Dark current)、熱雑音(ジョンソン・ノイズ、Johnson noise)、フリッカ雑音(Thermal fluctuation noise or flicker noise)が原因となっており、一般的に、暗電流の最も重要な雑音源である。このため、NEPは次の公式によって得られる。
NEP=i/R,i=(2qIΔf) (2)
【0020】
そのうち、iは雑音信号の強度であり、Rは光感応度(Responsivity)である。公式(2)に公式(1)を当てはめると次の通りになる。
D*=((AΔf)0.5R/i=R/(2qJ0.5
【0021】
そのうち、Rの単位はA/Wで、Jの単位はAcm−2である。従って、D*の単位はHz0.5cm/Wとなり、さらに1 Jones=Hz0.5cm/Wとなる。この公式からわかるように、デバイスの暗電流低下とデバイスの光電流上昇を同時に行えたなら、フォトダイオードデバイスの検出能は大幅に上昇する。
【0022】
次に、図5について説明する。図5はそれぞれ違う電荷ブロッキング層18の厚さである。それぞれ違う波長におけるデバイスの検出能から電荷ブロッキング層18の厚さが18 nmの時、波長550nmにおける検出能は2.4×1012 Jones(1 Jones=Hz0.5cm/W)であり、これに対し、電荷ブロッキング層18をデバイスに加えなかった時の検出能(4.5×1011 Jones)と比べて明らかに上昇していることがわかる。つまり、上記実験分析結果は、電荷ブロッキング層18を加えることにより、有機感光体装置の検出能が改善できることを示すものである。このほか、本発明で開示したように、電荷ブロッキング層を加えることにより、有機感光性光電子装置の暗電流が低下させられることである。逆方向偏圧がマイナス4Vの時、暗電流の検出能は−43.8から 1.82 mA/cmに低下した。一方で、やや低い暗電流は、有機感光性光電子装置の検出能を大幅に改善させるのに役立った。
【0023】
本発明の出願特許範囲は、これらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加は、本出願の特許請求範囲の範囲に含まれる。
【実施例】
【0024】
以下に、この発明の実施例を記載する。本発明の実施例において、上述の導電性ポリマー層の形成方法にはコーティング法が含まれる。
【0025】
本発明の実施例において、上述の導電性ポリマー層の形成方法には、スピンコート法が含まれる。
【0026】
本発明の実施例において、上述の有機活性層形成のステップには、ポリ3−ヘキシルチオフェン(poly(3−hexylthiophene、P3HT)及びフェニルC6酪酸メチルエステル([6,6]−phenyl C61−butyric acid methyl ester、PCBM)、有機染料をポリ3−ヘキシルチオフェンに混ぜることで有機化合物を形成すること、有機化合物層を成長させて導電性ポリマー層に有機活性層を形成することが含まれる。
【0027】
本発明の実施例において、上述の陰極金属の形成方法には、真空蒸着法が含まれる。
【0028】
本発明において著述するフォトダイオードデバイスの形成方法に基づき、本発明では検出能を高めるフォトダイオードデバイスについて開示する。それには、基板と、基板に設置された透明導電性フィルムと、透明導電性フィルムに設置された導電性ポリマー層と、導電性ポリマー層に設置された有機活性層と、有機活性層に設置された電荷ブロッキング層と、電荷ブロッキング層に設置された陰極金属層が含まれる。
【0029】
本発明の実施例において、上述の透明導電性フィルムの材料は酸化インジウムスズ(ITO、indium tin oxide)とする。
【0030】
本発明の実施例において、上述の有機活性層の材料には、ポリ3−ヘキシルチオフェン(poly(3−hexylthiophene、P3HT)及びフェニルC6酪酸メチルエステル([6,6]−phenyl C61−butyric acid methyl ester、PCBM)及び有機染料が含まれる。
【0031】
本発明の実施例において、上述の有機染料の組成には、4,5−benzoindotricarbocyanine (Ir−125)が含まれる。
【0032】
本発明の実施例において、上述の電荷ブロッキング層の材料には、バトクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、BCP)が含まれる。
【0033】
本発明の実施例において、上述の陰極金属には、陰極材料及び接続コードが含まれ、その接続コードは陰極材料と電気的接続され、さらに外部電子回路と電気的に接続されている。
【0034】
本発明の実施例において、上述の陰極材料はカルシウムである。
【0035】
本発明の実施例において、上述の接続コードはアルミニウムである。
【0036】
上述の本発明とその他目的、特徴、メリットをよりわかりやすく説明するために、添付の図面を参照し、図面はその一部を表し、いくつかの実施の形態を例示する。
【符号の説明】
【0037】
10基板
12透明導電性フィルム
14導電性ポリマー層
16有機活性層
18電荷ブロッキング層
20陰極電極
図1
図2
図3
図4
図5