(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787239
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、これを用いたレジストパターンの形成方法、印刷レジスト積層体およびプリント配線基板
(51)【国際特許分類】
C09D 11/101 20140101AFI20150910BHJP
H05K 3/06 20060101ALI20150910BHJP
C08L 83/08 20060101ALI20150910BHJP
C08G 77/28 20060101ALN20150910BHJP
【FI】
C09D11/101
H05K3/06 H
C08L83/08
!C08G77/28
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-133307(P2013-133307)
(22)【出願日】2013年6月26日
(65)【公開番号】特開2014-28938(P2014-28938A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2014年3月17日
(31)【優先権主張番号】特願2012-146645(P2012-146645)
(32)【優先日】2012年6月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴史
(72)【発明者】
【氏名】辻 雅之
(72)【発明者】
【氏名】福田 猛
(72)【発明者】
【氏名】合田 秀樹
【審査官】
西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−320564(JP,A)
【文献】
特開2013−112721(JP,A)
【文献】
特開2010−152284(JP,A)
【文献】
特開2000−191710(JP,A)
【文献】
特開平04−369652(JP,A)
【文献】
特開平02−008270(JP,A)
【文献】
特開昭56−118472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/00− 11/54
C08L 83/00− 83/16
H05K 3/00− 3/46
C08G 77/00− 77/62
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):R1Si(OR2)3 (式中、R1は少なくとも1個のチオール基を有する炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。)で示されるチオール基含有アルコキシシラン類(a1)を加水分解(但し、R2がすべて水素原子の場合を除く。)および縮合して得られる縮合物(A)、ならびに分子中に少なくとも1個のカルボキシル基及び少なくとも1個の炭素−炭素2重結合を有する化合物(B)を含有することを特徴とする、印刷方式でパターンを形成する印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
縮合物(A)が、その構成成分としてチオール基を有しない金属アルコキシド類(a2)を含む請求項1に記載の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
構成成分として、カルボキシル基を有さず少なくとも2個の炭素−炭素2重結合を有する化合物(C)を含む請求項1または2に記載の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
構成成分として、重量平均分子量1000〜50000のエチレン性不飽和基含有モノマーを重合させたポリマー(F)を含む請求項1〜3のいずれかに記載の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を基材上に印刷後、硬化させることを特徴とするレジストパターンの形成方法。
【請求項6】
請求項5に記載のレジストパターンの形成方法により得られる印刷レジスト積層体。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷レジスト積層体をエッチング後、さらに印刷レジストを剥離して得られるプリント配線基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化させることでパターン形成されたレジスト層を基材、もしくは導体層に印刷するためのレジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、これを用いたレジストパターンの形成方法、印刷レジスト積層体およびプリント配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
パターン形成されたレジスト層は、プリント配線基板、リードフレーム、LCD等の産業分野で一般的に使用されている。通常、レジスト層は、少なくとも3つの処理工程からなるフォトリソグラフィ法によりパターン形成される。すなわち溶液タイプのレジストを基材にコーティングする工程、コーティングした層にフォトマスク露光を行いレジストにパターンを転写する工程、およびレジストの現像工程など、長く複雑な工程が必要であり生産効率やコストの点において問題がある。さらに永久レジストでない場合、すなわちプリント基板やリードフレームなどでは、基材のエッチング工程、メッキ工程やレジスト剥離工程が必要である。またLCD用のフォトリソグラフィ工程は、フォトマスク露光、現像、および通常はパターン形成された層の乾燥および焼き付けを必要とするので、LCDディスプレイ製造のコストを増大させる。
【0003】
これに対し、フォトリソグラフィを用いず、凸版反転印刷法によってレジストパターンを形成する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、該レジスト用インキは溶剤を含むためレジスト形成工程時に焼成が充分でないとレジスト被膜強度が弱くなることから、焼成工程に多くの時間を要するため生産効率の点から望ましくない。
【0004】
【特許文献1】特開2010−116525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、印刷方式でパターンを形成でき、紫外線硬化によりレジスト層を形成させることにより、焼成、乾燥工程が不要で、銅、アルミニウムなどの導体に対する密着性をもち、エッチング工程や電解めっき工程にも耐え、後に容易に剥離できる印刷レジスト層を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、チオール基含有アルコキシシラン類の加水分解縮合物と、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基、及び少なくとも1個の炭素−炭素2重結合を有する化合物とからなる組成物、およびその硬化物によって上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、一般式(1):R
1Si(OR
2)
3 (式中、R1は少なくとも1個のチオール基を有する炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜4の炭化水素基を表す。)で示されるチオール基含有アルコキシシラン類(a1)を加水分解(但し、R2がすべて水素原子の場合を除く。)および縮合して得られる縮合物(A)(以下、成分(A)という)、ならびに分子中に少なくとも1個のカルボキシル基及び少なくとも1個の炭素−炭素2重結合を有する化合物(B)(以下、成分(B)という)を必須成分として含有することを特徴とする
、印刷方式でパターンを形成する印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下、レジスト用樹脂組成物という場合がある。);前記レジスト用樹脂組成物を基材上に印刷後、硬化させることを特徴とするレジストパターンの形成方法;前記レジストパターンの形成方法により得られる印刷レジスト積層体;前記印刷レジスト積層体をエッチング後、さらに印刷レジストを剥離して得られるプリント配線基板。
【発明の効果】
【0008】
本発明の印刷レジスト用樹脂組成物は、印刷方式によりパターンを形成でき、紫外線硬化によりレジスト層を形成させることができるので、硬化に焼成、乾燥工程が不要で、生産効率よく、銅、アルミニウムなどの導体に対する密着性を有し、エッチング工程や電解めっき工程にも耐え、後に容易に剥離できる印刷レジスト層を提供することができる。また、当印刷レジスト層の金属基材をエッチング後、さらに印刷レジストを剥離することでプリント配線基板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で用いられる成分(A)は、一般式(1):
R
1Si(OR
2)
3
(式中、R
1は少なくとも1個のチオール基を有する炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R
2は水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。)で示されるチオール基含有アルコキシシラン類(a1)を加水分解および縮合して得られる化合物である。なお、一般式(1)のR
2がすべて水素原子の場合は、加水分解なしに縮合反応のみにより得られる。チオール基含有アルコキシシラン類(a1)(以下、成分(a1)という)の具体例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、1,4−ジメルカプト−2−(トリメトキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリエトキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリプロポキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリブトキシシリル)ブタン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリメトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリエトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリプロポキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリブトキシシランなどがあげられ、該例示化合物はいずれか単独で、または適宜に組み合わせて使用できる。該例示化合物のうち、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランは、加水分解反応の反応性が高く、かつ入手が容易であるため特に好ましい。
【0010】
また、成分(a1)に加えて、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシランなどのトリアルキルアルコキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのジアルキルジアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどのアルキルトリアルコキシシラン類、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどのテトラアルコキシチタン類、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのテトラアルコキシジルコニウム類などのチオール基を有しない金属アルコキシド類(a2)(以下、成分(a2)という)を使用しうる。成分(a2)は、いずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、トリアルキルアルコキシシラン類、ジアルキルジアルコキシシラン類、テトラアルコキシシラン類を用いることで、成分(A)の架橋密度を調整することができる。アルキルトリアルコキシシラン類を用いることで、成分(A)中に含まれるチオール基の量を調整することができる。
【0011】
成分(a1)と成分(a2)を併用する場合は、[成分(a1)に含まれるチオール基のモル数]/[成分(a1)と成分(a2)の合計モル数](モル比)が0.2以上であることが好ましい。0.2以上とすることにより活性エネルギー線硬化性に寄与する(A)成分中に含まれるチオール基の数が十分に確保され、硬化物の硬度などの物性の向上が可能になる点で好ましい。
また、[成分(a1)と成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数]/[成分(a1)と成分(a2)の合計モル数](モル比)が2.5以上3.5以下であることが好ましく、2.7以上3.2以下であることがより好ましい。前記モル比の範囲内とすることにより、ゲル化を防止しつつ、高い架橋密度の硬化膜を得ることができる。
【0012】
本発明に用いられる成分(A)は、成分(a1)単独やこれに成分(a2)を併用して、それらを加水分解後、縮合させて得ることができる。加水分解反応によって、成分(a1)や成分(a2)に含まれるアルコキシ基が水酸基となり、アルコールが副生する。加水分解反応に必要な水の量は、[加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)と成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数](モル比)が0.4以上10以下が好ましく、より好ましくは1である。前記モル比の範囲とすることにより、加水分解されずに残存するアルコキシ基の数を少なくし、かつ、縮合反応(脱水反応)の際に除くべき水の量を少なくして効率よく製造することができる。
なお、一般式(1)のR
2がすべて水素原子である(a1)成分のみで成分(A)を得る場合は、加水分解を経由せず縮合反応のみとなるため、水の添加は必要でない。
【0013】
また、成分(a2)としてテトラアルコキシチタン類、テトラアルコキシジルコニウム類等、特に加水分解性および縮合反応性の高い金属アルコキシド類を併用する場合には、急速に加水分解および縮合反応が進行し、系がゲル化してしまう場合がある。この場合、成分(a1)の加水分解反応を終了させ、実質的にすべての水が消費された状態にした後、該成分(a2)を添加することによって、ゲル化を避けることができる。
【0014】
加水分解反応に用いる触媒としては、特に限定はされず、公知の加水分解触媒を任意に用いることができる。加水分解触媒としては、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸(蓚酸)、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等を挙げることができる。有機塩基としては、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等を挙げることができる。無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これらのうちギ酸は、触媒活性が高く、除去が容易である点から好ましい。触媒の添加量は、成分(a1)および成分(a2)の合計100重量部に対して、0.1〜25重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。25重量部よりも多いと、得られる印刷レジスト用樹脂組成物の安定性が低下する傾向があり、また後工程で触媒を除去できるとしても該除去量が多くなるため、生産効率の点において不利である。一方、0.1重量部よりも少ないと、実質的に反応が進行しなかったり、反応時間が長くなる傾向がある。反応温度、時間は、成分(a1)や成分(a2)の反応性に応じて任意に設定できるが、通常0〜100℃程度、好ましくは20〜60℃、1分間〜2時間程度である。該加水分解反応は、溶剤の存在下または不存在下で行うことができる。溶剤の種類は特に限定されず、任意の溶剤を1種類以上選択して用いることができるが、後述の縮合反応に用いる溶剤と同一のものを用いることが好ましい。成分(a1)や成分(a2)の反応性が低い場合は、無溶剤で行うことが好ましい。
【0015】
加水分解反応は、[成分(a1)に含まれる水酸基のモル数/成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数]、成分(a2)を併用する場合は、[成分(a1)と成分(a2)に含まれる水酸基の合計モル数]/[成分(a1)と成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数](モル比)が0.5以上になるように進行させることが好ましく、0.8以上に調整することがさらに好ましい。加水分解反応に続く縮合反応は、加水分解で生じた水酸基間だけでなく、該水酸基と残存アルコキシ基との間でも進行するため、必ずしもすべてのアルコキシ基が水酸基に加水分解されている必要はない。前記モル比が0.5程度になるまで加水分解を進行させればより安定して印刷レジスト樹脂組成物を得やすくなる。
【0016】
縮合反応においては、前記の水酸基間で水が副生し、また水酸基とアルコキシ基間ではアルコールが副生して、ガラス化する。縮合反応には、従来公知の脱水縮合触媒を任意に用いることができる。脱水縮合触媒としては、前記の加水分解触媒に例示したものがあげられる。前記のように、ギ酸は触媒活性が高く、除去が容易である点から好ましい。反応温度、時間は成分(a1)や成分(a2)の反応性に応じてそれぞれ任意に設定できるが、通常は40〜150℃程度、好ましくは60〜100℃、30分〜12時間程度である。
【0017】
上記方法で縮合反応を行うが、[未反応の水酸基および未反応のアルコキシ基の合計モル数]/[成分(a1)と成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数](モル比)が0.3以下になるように進行させることが好ましく、0.2以下に調整することがさらに好ましい。前記モル比の範囲とすることにより、未反応の水酸基およびアルコキシ基がレジスト用樹脂組成物の保管中に縮合反応してゲル化することが防止され、より保管安定性の高いものが得られる。また、硬化後に縮合反応が防止され、揮発分が発生することもなく、得られる印刷レジスト層におけるクラックの発生が低減される。
【0018】
当該縮合反応は、成分(a1)(成分(a2)を併用する場合は両者)の濃度が2〜80重量%程度になるように溶剤希釈して行うことが好ましく、15〜60重量%であることがより好ましい。縮合反応によって生成する水およびアルコールの沸点より高い沸点を有する溶剤を用いると、反応系中よりこれらを留去することができるため好ましい。溶剤としては、任意のものを1種類以上選択して用いることができるが、沸点が低いものの方が後に反応系中より容易に留去することができるため好ましい。
【0019】
当該縮合反応の終了後、用いた溶媒を除去すると、最終的に得られる印刷レジスト用樹脂組成物によるパターンの形成工程の前に乾燥工程が必要なくなるため好ましい。また、印刷によるパターン形成の場合、ある程度の粘度を必要とする場合があるため、この点でも望ましい。
【0020】
当該縮合反応の終了後、用いた触媒を除去すると、最終的に得られるレジスト用樹脂組成物の安定性が向上するため好ましい。除去方法は、用いた触媒に応じて各種の公知の方法から適宜に選択できる。例えば、ギ酸を用いた場合は、縮合反応の終了後、該沸点以上に加熱する、減圧するなどの方法により容易に除去でき、この点からもギ酸の使用が好ましい。
【0021】
本発明で用いられる成分(B)は、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基及び少なくとも1個の炭素−炭素2重結合を有する化合物であれば特に限定はされないが、カルボキシル基当量が50〜2000g/molとすることが好ましく、70〜600g/molとすることがより好ましい。50g/mol以上とすることで極性を低く抑え、得られるレジスト硬化物の耐エッチング性を向上させるとともに、2000g/mol以下とすることで、レジスト硬化物のアルカリ液による剥離が容易になり、金属密着性をより向上させることができる。このような成分(B)としては市販の不飽和カルボン酸や、分子中に1個のヒドロキシル基及び1個の炭素−炭素2重結合を有する化合物と多価カルボン酸との部分エステル化合物や、エポキシ基及び炭素−炭素2重結合を各1個のみ有する化合物と多価カルボン酸との部分エステル化物を挙げることができる。
【0022】
不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、2−ブテン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、3−ペンテン酸、2−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、4−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、2−ヘキセン酸等の直鎖状不飽和炭化水素基を有するカルボン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ニシン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、2−ペンテンニ酸、メチレンコハク酸、アリルマロン酸、イソプロピリデンコハク酸、2,4−ヘキサジエンニ酸、アセチレンジカルボン酸、アコニチン酸などが挙げられる。また、ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等も用いることができる。これらのうちアクリル酸、メタクリル酸、3−ブテン酸は低分子であり、シリコーンゴムブランケットへの吸収性が良好である。よって、より多くの量がブランケット内に保持されることにより、転写性に優れ高精細化が可能となる点において好ましい。
【0023】
分子中に1個のヒドロキシル基及び1個の炭素−炭素2重結合を有する化合物と多価カルボン酸との部分エステル化合物を用いる場合、その製造方法は公知であり、例えば、二塩基酸、三塩基酸等の酸無水物と分子中に1個のヒドロキシル基及び1個の炭素−炭素2重結合を有する化合物とを、必要に応じて触媒を用い、加熱により反応させることによって得られる。この反応の場合、モノエステル化物で留めることが望ましい。この酸無水物の具体例としては例えばコハク酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナジック酸、メチルナジック酸、ドデシルコハク酸、クロレンディック酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)、ポリアゼライン酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、3−プロピルテトラヒドロフタル酸、4−プロピルテトラヒドロフタル酸、3−ブチルテトラヒドロフタル酸、4−ブチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、3−プロピルヘキサヒドロフタル酸、4−プロピルヘキサヒドロフタル酸、3−ブチルヘキサヒドロフタル酸、4−ブチルヘキサヒドロフタル酸等の多価カルボン酸に対応する無水物を挙げることができる。これらの酸無水物は単独又は二種以上を適宜組み合わせて用いることができるものである。
また分子中に1個のヒドロキシル基及び1個の炭素−炭素2重結合を有する化合物の具体例としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等との反応物等を挙げることができ、これらのものは、単独又は二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0024】
エポキシ基及び炭素−炭素2重結合を各1個のみ有する化合物と多価カルボン酸との部分エステル化物を用いる場合、この化合物の製造方法は公知であり、例えばエポキシ基及び炭素−炭素2重結合を各1個のみ有するエチレン性不飽和化合物と二塩基酸、三塩基酸等の酸無水物とを、必要に応じ触媒を用い、加熱反応させることによって得られる。この反応の場合、モノエステル化で留めることが望ましい。
エポキシ基及び炭素−炭素2重結合を各1個のみ有する化合物と多価カルボン酸との部分エステル化物の具体例としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル(メタ)アクリレート類、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類等が挙げられる。これらのものは、単独又は二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。また多価カルボン酸としては、上記酸無水物に対応するものを用いることができる。
【0025】
本発明では必要に応じて、カルボキシル基を有さず少なくとも2個の炭素−炭素2重結合を有する化合物(C)(以下、成分(C)という)を用いることができる。成分(C)としては、カルボキシル基を有さず少なくとも2個の炭素−炭素2重結合を有する化合物であれば、特に限定されない。成分(C)としては、アリル化合物および(メタ)アクリレート類が挙げられる。
成分(C)におけるアリル化合物としては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、トリプロピレングリコールジアリルエーテルなどのアリル基を2つ含有する化合物、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテルなどのアリル基を3つ以上含有する化合物があげられる。これらの化合物は、いずれか単独で、または組み合わせて使用できる。
【0026】
成分(C)における(メタ)アクリレート類としては、ノナンジオールジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの化合物は、いずれか単独で、または組み合わせて使用できる。
【0027】
成分(C)は成分(A)を架橋させることが目的であるため、炭素−炭素2重結合を有する官能基とチオール基との反応より優先して、炭素−炭素2重結合を有する官能基同士が重合する不都合が起こらないよう、ラジカル重合性が低いものを用いることが好ましい。この観点から、前記アリル化合物が好ましく、さらにその中でもトリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルが好ましい。
【0028】
このような成分(C)は、市販品として入手可能である。例えば、メチルアリルシロキサンとジメチルシロキサンとからなる共重合物、エピクロルヒドリンとアリルグリシジルエーテルとからなる共重合物(ダイソー(株):商品名「エピクロマー」、日本ゼオン(株):商品名「Gechron」など)、アリル基末端ポリイソブチレンポリマー((株)カネカ:商品名「エピオン」)、ウレタンアクリレート(荒川化学工業(株)製:商品名「ビームセット550B」)などがあげられる。これらの市販品は、ラジカル重合性が低く、かつ、レジスト用樹脂組成物の粘度を確保し、硬化物の可撓性も向上させることができる点において好ましい。これらの市販品は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
ここで、エン=チオール反応と同時に成分(B)、および(C)同士の重合反応が起こりえるため、(A)中のチオール基に対する(B)および(C)中の炭素−炭素2重結合の比率(モル比)が1以上であることが好ましい。
【0030】
上記の観点から、本発明の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製に際しての成分(A)と(B)の使用割合は、[成分(B)に含まれる炭素−炭素2重結合のモル数]/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)が、0.9〜100となるよう配合することが好ましい。100を超える場合、用いる成分(A)の量が少なくなりすぎるため、本願発明所望の効果が得られにくくなる傾向がある。また、0.9未満である場合、チオール基が残存し、その分解によって悪臭を発生させる場合がある。また、該組成物中のカルボキシル基当量が高くなるため本願発明所望の効果が得られにくくなる傾向がある。
【0031】
成分(C)の使用に際しては、成分(B)全量に対して、50重量%以下の量で配合することが好ましい。50重量%を超える場合、硬化物の架橋密度が上がり過ぎるため、アルカリ可溶性が低下する傾向がある。また、成分(C)を併用する場合における、成分(A)、成分(B)および成分(C)の使用割合は、[成分(B)と成分(C)に含まれる炭素−炭素2重結合のモル数]/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)が、0.9〜100とすることが好ましい。前記モル比が100を超える場合、用いる成分(A)の量が少なくなりすぎるため、本願発明所望の効果が得られにくくなる傾向がある。また、0.9未満である場合、チオール基が残存し、その分解によって悪臭を発生させる場合がある。また、カルボキシル基のモル比が少なくなりすぎるため本願発明所望の効果が得られにくくなる傾向がある。
【0032】
本発明の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に使用可能な重合開始剤としては、特に限定されず、従来公知の光カチオン開始剤、光ラジカル開始剤などを任意に選択できる。光カチオン開始剤としては、紫外線の照射により酸を発生する化合物であるスルホニウム塩、ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾイントシレート等があげられ、それらの市販品としては、たとえばサイラキュアUVI−6970、同UVI−6974、同UVI−6990(いずれも米国ユニオンカーバイド社製商品名)、イルガキュア264(チバジャパン株式会社)、CIT−1682(日本曹達(株)製)などがある。光カチオン重合開始剤の使用量は、該組成物100重量部に対し、通常10重量部程度以下、好ましくは1〜5重量部とされる。光ラジカル開始剤としては、ダロキュア1173、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア907(チバジャパン株式会社)、ベンゾフェノン等があげられ、該組成物100重量部に対して15重量部程度以下、好ましくは1〜15重量部とされる。なお、得られる硬化物の耐候性低下が懸念される場合、特に高い耐候性、透明性が求められる光学部材などに用いられる場合には、光反応開始剤や光増感剤を使用しないほうがよい。
【0033】
また、印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の保管中における保管安定性をより向上させるため、エン−チオール反応を抑制する化合物を配合できる。このような化合物としては、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等があげられる。このうち、亜リン酸トリフェニルはエン−チオール反応の抑制効果が高く、かつ室温で液状であり取り扱いが容易であるため好ましい。印刷レジスト用樹脂組成物に配合する該化合物の量は、組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部程度であることが好ましい。かかる範囲で使用することにより、十分なエン−チオール反応を抑制しつつ、得られる硬化物の物性低下の要因となる残存チオール基の量も低減することができる。
【0034】
また、本発明の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて溶剤を配合することができる。溶剤としては、従来公知のものを任意に用いることができるが、パターン形成後は揮発分が発生してはならないため、パターン形成前に揮発させやすいよう、揮発しやすいものを用いることが好ましい。印刷レジスト用樹脂組成物をコーティングして用いる場合は、溶剤で希釈し、所望の粘度とすればよい。印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度は、印刷方式や用途により適宜設定すればよいが、通常0.5Pa・S〜5000 Pa・S、好ましくは2Pa・S〜1000 Pa・Sである。粘度が0.5 Pa・Sを下回る場合には滲みにより印刷時にパターンが精度よく印刷されない可能性があり、粘度が5000Pa・Sを超える場合には、パターン版に効率良く流れ込まない可能性がある。
また、パターン形成する際には、形成後に溶剤の揮発によって気泡が発生し、パターンが乱れてしまうおそれがあるため印刷レジスト用樹脂組成物中における成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計濃度を90重量%以上とすることが好ましく、95重量%以上とすることがより好ましい。該合計濃度は、成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計濃度と印刷レジスト用樹脂組成物の調製時に加えた溶剤の量とより計算で求めてもかまわないし、印刷レジスト用樹脂組成物に含まれる溶剤の沸点以上で2時間程度加熱し、加熱前後の重量変化により求めてもよい。なお、成分(A)合成の際に溶剤を使用する場合には、反応終了後、不揮発分含有量が90重量%以上となるよう溶剤を揮発させておいてもよい。また、印刷レジスト用脂組成物を調製した後、用いた溶剤を揮発させて、成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計濃度を高めることもできる。
【0035】
また、本発明の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、さらに別の態様として、成分(a1)および任意成分(a2)を触媒の存在下に加水分解した後、溶剤ならびに成分(B)、および(C)の存在下に縮合反応させても得られる。反応温度、反応時間、溶剤種などの条件は、いずれも前記成分(A)における場合と同様である。
【0036】
さらに本発明の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、用途に応じ、前記成分(a1)および/またはその加水分解物(D)(但し、該縮合物を除く)[以下、併せて成分(D)という]を配合できる。成分(D)は、成分(A)の合成に際して用いた成分(a1)をそのままで用いても、その加水分解物を用いても、これらを組み合わせて用いてもよい。成分(D)を用いることにより、密着性をより向上できる利点がある。成分(D)の配合量は、固形分換算で、印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部中に、0.1〜20重量部含有させることが好ましい。0.1重量部以上とすることにより、印刷レジスト用樹脂組成物の基材に対する密着性向上効果が充分となるため好ましい。また、20重量部以下とすることにより、成分(D)が加水分解、縮合反応する際の揮発分が少なくなるため、印刷レジスト用樹脂組成物が厚膜化でき、または得られる硬化物が脆くなりにくいため好ましい。このような成分(D)としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが、当該密着性向上効果の点で特に好ましい。
【0037】
また、本発明の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、用途(レジスト等)に応じ、前記成分(a2)および/またはその加水分解物(但し、縮合物を除く)(E)(以下、併せて成分(E)という)を配合できる。成分(E)は、成分(A)の合成に際して用いた成分(a2)をそのままで用いるか、その加水分解物を用いるか、これらを組み合わせて使用できる。成分(E)を含有する印刷レジスト用樹脂組成物を用いることで、得られる硬化物の屈折率を調整することができる。印刷レジスト用樹脂組成物を高屈折率のコーティング剤として用いる場合には、成分(E)としてアルコキシチタン類、アルコキシジルコニウム類が好適である。成分(E)の配合量は、固形分換算で、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜20重量部程度であることが好ましい。0.1重量部以上20重量部以下とすることにより、硬化時の発泡やクラックの発生を抑制できるため好ましい。
【0038】
また、本発明の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、印刷時の転写性を向上させるためにエチレン性不飽和基含有モノマーを重合させたポリマー成分(F)(以下、成分(F)という)を配合できる。成分(F)を配合することにより、転写性を向上させることができる。ポリマー成分(F)は、成分(B)、成分(C)に溶解するものであれば特に限定されるものではない。(F)成分の重量平均分子量(ゲルパーメーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算値)は、1000〜50000程度、好ましくは、5000〜20000程度である。重量平均分子量が1000以下であると粘度が向上の効果が低くなる可能性があり、重量平均分子量が50000以上であると成分(B)、成分(C)に溶解しなくなる可能性がある。
【0039】
このような成分(F)としては、特に制限はないが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテル等の(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸オリゴエチレンオキシド、(メタ)アクリル酸オリゴプロピレンオキシド、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、メタクリル酸、アクリル酸、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の単独重合または共重合して得られる (メタ)アクリレート系ポリマー、前記(メタ)アクリレート系ポリマーのモノマー成分にスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレンなどを併用したポリマー、さらに、上記重量平均分子量を満たす限り、前記モノマー成分やポリマーに限られることなく、不飽和炭化水素基を含有する単量体の単独重合体、または共重合体であればよい。これらの(F)成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用され得る。
【0040】
成分(F)の配合量は、固形分換算で、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜70重量部程度であることが好ましい。0.1重量部以上20重量部以下とすることにより、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度が増加し、転写性が向上するため好ましい。70重量部以上になると用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の量が少なくなりすぎるため、本願発明所望の効果が得られにくくなる傾向がある。
【0041】
さらに、本発明の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種用途での必要性に応じて、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、フィラー等を配合してもよい。
【0042】
例えば、本発明の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、用途に応じ、粘度を上昇させるためのシリカフィラーを分散させることもできる。
【0043】
この目的で添加されるシリカフィラーについては、特に制限されるものではないが、比表面積が50〜400m
2/g、一次平均粒子径が7〜40nmの範囲のものが好ましい。また、シリカ粒子としては、所謂熱分解法(ヒュームド)又はゾルゲル法により製造されたシリカのいずれでも好適に用いることが出来る。また、分散性向上の観点から、シリカ粒子の表面は表面処理剤により疎水化されているものが好ましく、特に、ジメチルジクロロシランにより表面処理されたものが好適である。シリカ粒子の配合量としては、固形分換算で、本発明の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜5重量部、更には1〜3重量部の範囲が好ましい。0.1重量部に満たない場合は、粘度上昇の効果があまり現れず、また5重量部を超える場合は、硬化物の物性が低下する傾向がある。
【0044】
親水性ヒュームドシリカの具体例としては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL90 、AEROSIL130、AEROSIL150、AEROSIL200、AEROSIL300、AEROSIL380、AEROSIL
OX50、AEROSIL EG50、AEROSIL TT600、(株)トクヤマ製のレオロシールQS−09、QS−10L、QS−10、QS−102、CP−102、QS−20L、QS−20、QS−25C、QS−30、QS−30C、QS−40等が挙げられる。また、疎水性ヒュームドシリカの具体例としては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL
R972、AEROSIL R974、AEROSIL R104、AEROSIL R106、AEROSIL R202、AEROSIL R805 、AEROSIL R812、AEROSIL
R816、AEROSIL R7200、AEROSIL R8200、AEROSIL R9200、AEROSIL RY50、AEROSIL NY50、AEROSIL
RY200、AEROSIL RY200S、AEROSIL RX50、AEROSIL NAX50、AEROSIL RX200、AEROSIL RX300、AEROSIL
R504、AEROSIL DT4、(株)トクヤマ製のレオロシールMT−10、MT−10C、DM−10、DM−10C、DM−20S、DM−30、DM−30S、KS−20S、KS−20SC、HM−20L、HM−30S、PM−20L等が挙げられる。
【0045】
シリカフィラーの分散は、3本ロールミル、2本ロールミル、サンドミル、アトライター、ボールミル、ニーダー、プロペラミキサー、超音波撹拌機、カッターミル等の各種分散混合手段を用いて行うことができる。分散時にフィラーの分散を良好にするために適宜、分散助剤を添加できる。分散助剤は分散を助け、かつ分散後の再凝集を防止する効果があるため、均一な組成を持ち保存安定性に優れた光硬化性組成物が得られる。
【0046】
本発明の、印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、あらかじめ印刷方式により目的の形状(パターン)に印刷レジスト用樹脂組成物を基板上に塗布した後、光照射により硬化させるレジストパターン形成方法に適するものである。これを用いることにより、印刷方式により目的とするレジストパターンが形成された印刷レジスト積層体を効率よく生産することができる。
【0047】
本発明のパターン形成に用いる基材には、PEDOT、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマー、ITO、ZTO、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛などの金属酸化物、ガラスやシリコンなどの無機材料、アルミ、ステンレス、銅等の金属材料、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリノルボルネン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂等の樹脂材料の他、紙等を用いることができる。これらの基材の表面を酸化処理、酸処理、プラズマ処理、放電処理などで処理して印刷レジスト用樹脂組成物の付着性を向上させてもよい。印刷レジスト用樹脂組成物は通常基材の表面にあるため、基材の厚さは任意に設定できる。また印刷レジスト用樹脂組成物と基板との間には、光反応には関与しない樹脂層等を設けてもよい。これらの中では、ガラス、金属シリコン、ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。なお、基材は、基板、フィルムまたはシートであることが、印刷レジスト用樹脂組成物の塗布が容易になるため好ましい。
【0048】
本発明に用いる印刷方法としては、特に限定されないが、例えば凸版反転転写印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凸版オフセット印刷が挙げられる。
【0049】
活性エネルギー線の照射量は特に限定されず、印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物で用いる化合物の種類、膜厚等に応じて適宜決定すればよいが、紫外線の場合には、たとえば、積算光量が50〜10000mJ/cm
2程度となるよう照射すればよい。また、厚膜でコーティングや充填を行った場合には、前述のように該組成物に光反応開始剤や光増感剤を添加することにより、光硬化性を向上させることが好ましい。
【0050】
硬化に用いる活性エネルギー線としては、高エネルギー電離放射線および紫外線が挙げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。活性エネルギー線の照射時間は特に限定されず、公知の条件を採用することができる。印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、溶剤を含有する場合には、溶剤の揮発方法は溶剤の種類、量、膜厚等に応じて適宜決定すればよいが、40〜150℃程度、好ましくは60〜100℃に加熱し、常圧または減圧下で5秒〜2時間程度の条件とされる。
【0051】
なお、加熱硬化を行う場合には、硬化温度および加熱時間は、使用した成分(B)、および成分(C)の種類、および溶剤の種類、硬化物の厚みなどを考慮して、適宜決定すればよい。通常は20〜150℃程度で1分〜24時間程度の条件とするのが好ましい。また、硬化終了後さらに100℃〜300℃程度、好ましくは120℃以上250℃未満で、1分〜6時間程度加熱することにより、残存溶剤を完全に除くとともに硬化反応をさらに進行させる。こうして得られる硬化膜はシリカ複合化の効果によって、耐熱性、耐薬品性に優れるという特徴を有する。硬化は活性エネルギー線硬化、加熱硬化をそれぞれ単独で行ってもよく、併用してもよい。併用する場合には、その順序は特に限定されるものではないが、通常は紫外線照射して得られた硬化物を、さらに加熱することで、硬化物の物性を一層向上させることができる。加熱の方法は適宜決定すればよいが、40〜300℃程度、好ましくは100〜250℃に加熱し、1分〜6時間程度の条件とされる。
【0052】
上記のパターン形成において、光照射等により硬化後の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化部分、もしくは未硬化部分を溶解除去して現像処理する場合、現像液用の溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、トルエン、シクロヘキサン、イソホロン、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチル-エチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アルカリ水溶液等が挙げられる。これらは、単独または2種以上組み合わせて用いてもよい。さらにこれら溶剤にトリメチルアミン、トリエチルアミン等の塩基性物質や界面活性剤類を加えてもよい。
【0053】
上記アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩の水溶液、ヒドロキシテトラメチルアンモニウム、ヒドロキシテトラエチルアンモニウムなどの有機塩の水溶液を用いることができる。これらは単独または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0054】
このようにして得られたレジストパターンが形成された積層体は、透明であり、パターン形成前後での硬化収縮率が0.1〜5%程度である。
【0055】
上記のレジストパターンが形成された積層体をエッチング液でエッチングすることでパターン化されたプリント配線基板を得ることができる。これをそのまま用いてもよいし、レジストパターンを剥離させて用いてもよい。
【0056】
上記エッチング液としては、特に限定されるものではないが、例えば塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸塩類、過酸化水素/硫酸の水溶液が挙げられる。
【0057】
レジストパターンを剥離させる手段としては、特に限定されるものではないが、例えば上記の現像液用の溶剤に対応するものを用いることができる。これらの中でも水酸化ナトリウム水溶液、ヒドロキシテトラメチルアンモニウム水溶液などのアルカリ性の水溶液が特に好ましい。
【実施例】
【0058】
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、各例中、部および%は特記しない限り重量基準である。
【0059】
製造例1(縮合物(A−1)の製造)
攪拌機、冷却管、分水器、温度計、窒素吹き込み口を備えた反応装置に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製:商品名「KBM−803」)3400部、イオン交換水936部([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=1.0)、95%ギ酸17.0部を仕込み、室温で30分間加水分解反応させた。反応中、発熱によって最大35℃温度上昇した。反応後、トルエン5670部を仕込み、加熱した。71℃まで昇温したところで、加水分解によって発生したメタノールと、トルエンの一部が留去され始めた。2時間かけて75℃まで昇温し、縮合反応させて水を留去した。さらに1時間、75℃で反応させた後、70℃、20kPaで減圧して、残存するトルエンの一部、メタノール、水、ギ酸を留去した。濃度は99.0%であった。また縮合物(A−1)のチオール基の濃度は、7.41ミリモル/gであった。
【0060】
製造例2(縮合物(A−2)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン2500部、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製:商品名「KBM−11」)347部([成分(a1)に含まれるチオール基のモル数]/[成分(a1)と成分(a2)の合計モル数]=0.83、[成分(a1)と成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数]/[成分(a1)と成分(a2)の合計モル数]=3)、イオン交換水824部([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)と成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数](モル比)=1.0)、95%ギ酸14部を仕込み、室温で30分間加水分解反応させた。反応中、発熱によって最大32℃温度上昇した。反応後、トルエン3000部を仕込み、加熱した。71℃まで昇温したところで、加水分解によって発生したメタノールとトルエンの一部が留去され始めた。1時間かけて75℃まで昇温し、縮合反応させて水を留去した。さらに1時間、75℃で反応させた後、70℃、20kPaで減圧して、残存するトルエンの一部、メタノール、水、ギ酸を留去した。さらに70℃、0.7kPaで減圧してトルエンを留去することで、縮合物(A−2)を1820部得た。濃度は98.7%であった。また、縮合物(A−2)のチオール基の濃度は、7.00ミリモル/gであった。
【0061】
実施例1(印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造)製造例1で得られた縮合物(A−1)28.8部に対し、成分(B)としてアクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸(共栄社油脂化学工業(株)製:商品名「ライトアクリレートHOA−HH」、炭素‐炭素二重結合の濃度3.6ミリモル/g、カルボン酸価281.96、以下、HOA−HHという。)120.4部([成分(B)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数]/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)=2.
0)、光硬化用触媒としてヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株):商品名「イルガキュア184」、以下、Irg184という)0.75部、Irg184を溶解させる溶剤としてエチレングリコールジメチルエーテル(日本乳化剤(株):商品名「DMG」、以下DMGという)1.5部を配合し、カルボキシル基当量354.67g/molの印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0062】
実施例2(印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造)製造例2で得られた縮合物(A−2)43.0部に対し、成分(B)としてHOA−HH158部([成分(B)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数]/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)=
1.9)、光硬化用触媒としてIrg184を1.0部、Irg184を溶解させる溶剤としてDMG2.0部を配合し、カルボキシル基当量364.57g/molの印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0063】
実施例3(印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造)製造例2で得られた縮合物(A−2)34.2部に対し、成分(B)としてHOA−HH100部、成分(C)としてトリアリルイソシアヌレート(以下TAIC、日本化成(株)製:商品名「TAIC」、炭素‐炭素二重結合の濃度は12.0ミリモル/g)12.5部(([成分(B)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数]+[成分(C)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数])/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)=
2.1)、光硬化用触媒としてIrg184を0.75部、Irg184を溶解させる溶剤としてDMG1.5部を配合し、カルボキシル基当量421.39g/mol印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0064】
実施例4(印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造)製造例2で得られた縮合物(A−2)37.2部に対し、成分(B)としてHOA−HH96.5部、成分(C)としてTAIC12.1部(([成分(B)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数]+[成分(C)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数])/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)=
1.9)、光硬化用触媒としてIrg184を0.75部、Irg184を溶解させる溶剤としてDMG1.5部を配合し粘度調整用としてシリカフィラー(以下DM−20S、トクヤマ(株)製:商品名「レオロシールDM−20S」3.5部をディスパーを用いて分散させることでカルボキシル基当量431.26g/molの印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0065】
実施例5(印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造)製造例2で得られた縮合物(A−2)19.2部に対し、成分(B)としてメタクリル酸(以下MAA、三菱レイヨン(株)製:商品名「メタクリル酸」、炭素‐炭素二重結合の濃度は11.6ミリモル/g)17.1部、成分(C)としてTAIC4.2部(([成分(B)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数]+[成分(C)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数])/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)=
1.9)、光硬化用触媒としてIrg184を0.20部、Irg184を溶解させる溶剤としてDMG0.4部を配合し粘度調整用としてシリカフィラー1.4部をディスパーを用いて分散させることでカルボキシル基当量214.27g/molの印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0066】
実施例6(印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造)製造例2で得られた縮合物(A−2)15.6部に対し、成分(B)としてMAA18.2部とHOA−HH8.6部、成分(C)としてTAIC5.0部(([成分(B)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数]+[成分(C)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数])/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)=
2.8)、光硬化用触媒としてIrg184を0.21部、Irg184を溶解させる溶剤としてDMG0.42部を配合し粘度調整用としてシリカフィラー1.7部をディスパーを用いて分散させることでカルボキシル基当量205.18g/molの印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0067】
実施例7(印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造)製造例2で得られた縮合物(A−2)15.6部に対し、成分(B)としてMAA18.2部とHOA−HH8.6部、成分(C)としてTAIC5.0部(([成分(B)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数]+[成分(C)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数])/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)=
2.8)、成分(F)としてビームセット255D(以下BS255D、荒川化学(株)製:商品名「ビームセット255D」)を 26.0部、光硬化用触媒としてIrg184を0.21部、Irg184を溶解させる溶剤としてDMG0.42部を配合し粘度調整用としてシリカフィラー2.6部をディスパーを用いて分散させることでカルボキシル基当量314.76g/molの印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0068】
比較例1(印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造)
成分(B)HOA−HHを100部に対し、光硬化用触媒としてIrg184を1.0部、Irg184を溶解させる溶剤としてDMG2.0部を配合しカルボキシル基当量290.42g/molの印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0069】
比較例2(印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造)製造例1で得られた縮合物(A−1)44.0部に対し、成分(B)を使用せず、成分(C)としてTAIC23.7部([成分(C)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数]/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)=
0.9)、光硬化用触媒としてIrg184を1.0部、Irg184を溶解させる溶剤としてDMG2.0部を配合し、カルボキシル基当量0g/molの印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0070】
比較例3(印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造)成分(A)の代わりのチオール成分としてペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトブチレート)(昭和電工(株)製:商品名「カレンズMT PE1」以下、PE1という)38.7部に対し、成分(B)としてHOA−HH160部([成分(B)に含まれる炭素―炭素2重結合のモル数]/[成分(A)に含まれるチオール基のモル数](モル比)=
2.0)、光硬化用触媒としてIrg184を1.0部、Irg184を溶解させる溶剤としてDMG2.0部を配合し、カルボキシル基当量355.31g/mol印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0071】
以上の実施例1〜7、比較例1〜3の印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の組成を表1に示す。
【表1】
【0072】
(パターンの形成)
実施例1〜7、比較例1〜3で得られた印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を銅箔、もしくはアルミ箔に膜厚10μmとなるようコーティングし、紫外線照射装置(ウシオ電機(株)製:商品名「UV−152」)を用いて254nmの検出器で積算光量が500mJ/cm
2となるよう紫外線を照射することでレジスト層を得た。
【0073】
実施例1〜7、比較例1〜3で得られた印刷レジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物より得たレジスト層のアルミ箔への密着性、アルカリ可溶性、エッチング耐性、シリコーンゴムブランケットから基材への転写性の検査結果を表2に示す。
【0074】
表2に示す銅、アルミ密着性はレジスト層に10×10にマス目を作成し、セロハンテープ(ニチバン(株)製CT−24)を貼り、上方に引っ張り剥離状況で評価した。評価基準は下記の通りである。
1:剥離が全く見られない。
2:剥離はほとんど見られないが材料破壊がやや見られる。
3:剥離が見られる。
【0075】
表2に示すアルカリ可溶性はレジスト層を1.0%水酸化ナトリウム水溶液に1分間浸し評価したものである。耐エッチング性はレジスト層を40%FeCl
3水溶液に1分間浸し評価したものである。評価基準は下記の通りである。
1:レジスト層が完全に溶解する。
2:レジスト層の一部が溶解しない。
3:レジスト層が全く溶解しない。
【0076】
表2に示す転写性はシリコーンゴムブランケットから銅基材へのワニスの写り具合を評価したものである。評価基準は下記の通りである。
1:ワニスが完全に基材に転写される
2:ワニスがほぼ基材に転写される
3:ワニスが基材に転写されるが、シリコーンゴムブランケットにも半分程度残っている
4:ワニスがシリコーンゴムブランケットにほぼ残っている
【0077】
【表2】
【0078】
実施例8(印刷によるレジストのパターニング)
実施例4で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をシリコーンゴムブランケット(線幅200μm、線間隔300μmのストライプパターン)によって銅めっきされたポリイミドフィルムにグラビア印刷し、254nmの検出器で積算光量が500mJ/cm
2となるよう紫外線を照射したところ、ストライプのエッチングレジストパターンを持つ積層体が得られた。この積層体を40%の塩化第二鉄水溶液で銅をエッチングし、2%の水酸化ナトリウム水溶液でレジストパターンを剥離することで線幅200μm、線間隔300μmの銅のストライプパターンが形成されたポリイミドフィルムを得た。
【0079】
実施例9(印刷によるレジストのパターニング)
実施例8と同様に実施例5で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をシリコーンゴムブランケット(線幅200μm、線間隔300μmのストライプパターン)によって銅めっきされたポリイミドフィルムにグラビア印刷し、254nmの検出器で積算光量が500mJ/cm
2となるよう紫外線を照射したところ、ストライプのエッチングレジストパターンを持つ積層体が得られた。この積層体を40%の塩化第二鉄水溶液で銅をエッチングし、2%の水酸化ナトリウム水溶液でレジストパターンを剥離することで線幅200μm、線間隔300μmの銅のストライプパターンが形成されたポリイミドフィルムを得た。
【0080】
実施例10(印刷によるレジストのパターニング)
実施例8と同様に実施例6で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をシリコーンゴムブランケット(線幅200μm、線間隔300μmのストライプパターン)によって銅めっきされたポリイミドフィルムにグラビア印刷し、254nmの検出器で積算光量が500mJ/cm
2となるよう紫外線を照射したところ、ストライプのエッチングレジストパターンを持つ積層体が得られた。この積層体を40%の塩化第二鉄水溶液で銅をエッチングし、2%の水酸化ナトリウム水溶液でレジストパターンを剥離することで線幅200μm、線間隔300μmの銅のストライプパターンが形成されたポリイミドフィルムを得た
【0081】
実施例11(印刷によるレジストのパターニング)
実施例8と同様に実施例7で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をシリコーンゴムブランケット(線幅200μm、線間隔300μmのストライプパターン)によって銅めっきされたポリイミドフィルムにグラビア印刷し、254nmの検出器で積算光量が500mJ/cm
2となるよう紫外線を照射したところ、ストライプのエッチングレジストパターンを持つ積層体が得られた。この積層体を40%の塩化第二鉄水溶液で銅をエッチングし、2%の水酸化ナトリウム水溶液でレジストパターンを剥離することで線幅200μm、線間隔300μmの銅のストライプパターンが形成されたポリイミドフィルムを得た
【0082】
実施例8〜11によって硬化後に導体密着性、エッチング耐性、アルカリ可溶性に優れ、印刷によるレジストパターン付き基板を得ることができ、さらにエッチング、レジスト剥離によって基板上に回路パターンを形成できることが示された。このことより、本発明のレジスト用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、プリント配線基板、リードフレーム、LCD工業に用いられるレジスト層として好適に用いることができる。