特許第5787243号(P5787243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787243
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】電流測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20150910BHJP
【FI】
   G01R15/20
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2007-7595(P2007-7595)
(22)【出願日】2007年1月17日
(65)【公開番号】特開2007-192820(P2007-192820A)
(43)【公開日】2007年8月2日
【審査請求日】2010年1月15日
【審判番号】不服2014-1124(P2014-1124/J1)
【審判請求日】2014年1月22日
(31)【優先権主張番号】0096/06
(32)【優先日】2006年1月19日
(33)【優先権主張国】CH
(31)【優先権主張番号】0739/06
(32)【優先日】2006年5月8日
(33)【優先権主張国】CH
(31)【優先権主張番号】0985/06
(32)【優先日】2006年6月14日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】510223287
【氏名又は名称】メレクシス テッセンデルロ エヌヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ラクズ ロバート
(72)【発明者】
【氏名】フーバー サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】グロール マルクス
【合議体】
【審判長】 森 竜介
【審判官】 新川 圭二
【審判官】 中塚 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5942895(US,A)
【文献】 特開2004−170091(JP,A)
【文献】 特開平5−312840(JP,A)
【文献】 特開平7−92199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦な電流導体(1)と、ハウジング(24)に包まれた、前記電流導体(1)を流れる電流によって生じる磁界を測定するための磁界センサ(2)と、ヨーク(3)とを備える電流測定装置であって、前記電流導体(1)は長方形の横断面を有し、前記ヨーク(3)は、底面と、2つの側壁と、空隙(14)を有する上面とを有するように長方形の板金片又は板金の積層体から形成され、前記上面は前記底面に対して並行に走り、前記ヨーク(3)の2つの端部(10、11)の正面は、前記空隙(14)を挟んで互いに向かい合い、前記ヨーク(3)は、前記空隙(14)を除いて前記電流導体(1)を完全に取り囲み、前記板金は、少なくとも100の相対透磁率を有する磁性材料であり、前記磁界センサ(2)を備えた前記ハウジング(24)は、前記ヨーク(3)の内側であり且つ前記ヨーク(3)の前記空隙(14)の外側に配置され、
前記ハウジング(24)は、さらに前記電流導体(1)の上部面に直接接着される、または前記電流導体(1)の前記上部面に固定されたプリント回路板に取り付けられ、前記電流導体(1)の前記上部面は前記ヨーク(3)の前記空隙(14)に面しており、
前記磁界センサ(2)は、前記空隙(14)から第1の距離であり且つ前記ヨーク(3)の前記側壁から第2の距離に配置され、前記磁界センサ(2)を通過するのが実質的に前記ヨーク(3)の前記端部(10、11)から出る磁界の漂遊線となるように前記第1の距離は前記第2の距離より短く、そのため前記ヨーク(3)は、一方で前記電流導体(1)を流れる電流によって生じる磁界を増幅し、他方で外部磁性の漂遊磁界を遮蔽する効果を持ち、前記第1の距離を増加させるとヨークの磁界の増幅率は減少し、前記電流導体(1)を流れる電流の方向に対して直角且つ前記ヨーク(3)の前記空隙(14)に対して平行に測定される前記ヨーク(3)の長さは、前記電流導体(1)を流れる電流の方向に対して直角且つ前記空隙(14)に対して垂直に測定される前記ヨーク(3)の高さと少なくとも同じサイズであり、前記ヨーク(3)は、前記電流導体(1)に直接又は距離保持手段を用いて固定される電流計測装置。
【請求項2】
前記ヨーク(3)の前記端部(10、11)にテーパがつけられている、請求項1に記載の電流測定装置。
【請求項3】
前記ヨーク(3)の前記端部(10、11)が、拡大されている若しくは凹部を備えている又は拡大され且つ凹部を備えている、請求項1に記載の電流測定装置。
【請求項4】
前記磁界センサ(2、19)が、少なくとも1つのホール素子(5A、5B)を備えた半導体チップ(4)を備え、更なる空隙(6)によって隔てられた2つの磁界集線装置(7、8)が前記半導体チップ(4)の表面上に配置され、前記空隙(6)の近傍にて前記第1の磁界集線装置(7)から出て、前記空隙(6)の近傍にて前記第2の磁界集線装置(8)に衝突する磁界の磁力線(9)が、少なくとも1つの前記ホール素子を通過する、請求項1〜3のいずれかに記載の電流測定装置。
【請求項5】
更なる磁界センサ(19)が、前記電流導体(1)の、前記ヨーク(3)の底面に面する側に配置される、請求項1〜4のいずれかに記載の電流測定装置。
【請求項6】
少なくとも100の相対透磁率を有する磁性材料から成る、三方で前記ヨーク(3)と境を接する実質的にU型のスクリーン(21)を更に備え、前記スクリーン(21)が3つの部分を有し、その中間部分が、前記ヨーク(3)の前記空隙(14)に並行に走る、請求項1〜5のいずれかに記載の電流測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような電流測定装置はまた、特に1つの単一の構成要素から構成される製品として販売される場合、電流センサと称することができる。そのような一体成形の電流センサは、EP772046から公知である。電流センサは、電流導体、電流導体に流れる電流によって生成される磁界を測定するための磁界センサ、および、強磁性のヨークから構成されている。磁界センサは、空隙によって切り離される半導体チップ、および、空隙の両側に配置される半導体チップにおいて一体化される2つのホール素子を含むので、空隙の近くで第1の磁界集線装置から出て、空隙の近くで第2の磁界集線装置に当たる磁力線はそれを通して通過する。半導体チップは、さらにホール素子の動作およびホール素子によって供給される電圧信号の増幅および処理のために必要な電子回路を含む。磁界センサは電流導体に配置されるので、電流によって生じる磁力線は半導体チップの表面にほぼ並列に走り、したがって、磁界集線装置に対しても並列である。ヨークは、3つの側面上の電流導体に接し、2つの磁界集線装置と共にほぼ閉じた磁回路を形成する。ヨークと2つの磁界集線装置は電流によって生じる磁界を増幅する磁気増幅器を形成する。この電流センサの欠点は、一体型の電流導体を有する電流センサとしてのその構造により、それは、最高20Aまでの比較的小さい電流の測定に適しているだけであり、その外部磁界はほとんど遮蔽されないということである。
【0003】
CH659、138から、これにより高い透磁率の磁性材料のスクリーンが漂遊磁界を遮蔽する、電流導体を流れる電流を測定する装置は公知である。
【発明の要約】
【0004】
本発明の目的は、一時的に最高1000Aの過負荷電流がかかり、外部磁性の漂遊磁界に対してよく遮蔽される0から200Aまたは300Aまでの比較的大きい測定範囲の電流の測定は勿論のこと、0から一般に20Aまたは50Aまたは100Aまでの比較的小さい測定範囲における電流測定のために簡単な方法で設計することができる電流測定装置を開発することである。
本発明による電流測定装置は、電流導体を流れる電流によって生成される磁界の測定のための磁界センサ、および、測定領域の電流導体に接している高い透磁率を有する磁性材料のヨークからなる。原則として、ヨークは、屈曲によって、正面が互いの反対側に存在し、空隙によって切り離されるような2つの端を有する長方形の薄板金属片から構成されている。それゆえに、ヨークは管の方向に走るスリットを有する管片のようである。空隙を除いては、ヨークは完全に電流導体に接している。
磁界センサは好ましくは、半導体チップに一体化されるホール素子、および、ホール素子の動作のための半導体チップに一体化される電子回路を有し、半導体チップの活性表面に配置されそして空隙によって分離される2つの磁界集線装置を有し、ここで、磁界の磁力線は、それが、空隙の近くで第1の磁界集線装置から出て、空隙の近くで第2の磁界集線装置に当たるホール素子を通過する。
しかしながら、磁界センサはまた、例えば、AMR(異方性の磁気抵抗)、または、GMR(巨大磁気抵抗)センサまたは磁束ゲート・センサのような別のセンサであってもよい。
ヨークは、一方で電流によって生じる磁界の増幅に役立ち、他方で外部磁性の漂遊磁界を遮蔽するために役立つ。磁界センサおよびヨークは、磁界センサは、例えばx構成要素と称される磁界の単一の構成要素にのみ感度が高く、ヨークが正確にこのx構成要素を遮蔽するように互いに適応する。それゆえに、磁界センサは、電流導体を流れる電流によって生じる磁界のx構成要素のみを測定し、外部磁性の漂遊磁界の遮蔽されたx構成要素を測定しない。高いゲインを達成するため、ヨークの端はテーパをつけられるので、ヨークの端の幅はヨークの幅より小さい。加えて、遮蔽される方向(ここではx方向)のヨークの拡張部分は、それに直角方向において測定される高さと少なくとも同じく大きい。遮蔽は、3つの側面上でヨークに接している追加的なほぼU型のスクリーンによってさらに増加することができる。
遮蔽率および増幅率間の関係もまた、ヨークの端が拡大されおよび/または凹部を備えることで改良される。この形状のヨークはまた、0から200Aまたは300Aの比較的大きい範囲の電流の測定、また1000Aの電流の測定にも適している。
【好適な実施例の詳細な説明】
【0005】
図1および図3はそれぞれ、本発明による一般に0から20Aまたは50A、または最大約100Aの範囲における電流の測定のために設計される電流導体1の中を流れる電流1を測定する装置の斜視図または横断面を示す。電流導体1の横断面は好ましくは長方形であるが、例えば、円形形状のような任意の別の形状でもよい。デカルト座標系の座標は、x、yおよびzで指示される。電流は、y方向に流れる。電流測定装置は、電流1によって生じる磁界を測定する磁界センサ2および高い透磁率を有する材料のヨーク3から構成される。高い透磁率は、少なくとも100(空気の相対透磁率を1として)の相対透磁率を意味する。ヨーク3は、一般に100および100、000間の範囲の相対透磁率を有する例えば鉄またはパーマロイ、またはミューメタルの薄板金属片から形成される。ヨーク3は、2つの端10および11がほとんど完全に電流導体1に接しているように、言い換えれば薄板金属の端10および11の2つの正面12および13が、互いに反対側に存在し、空隙14によって切り離されるように2つの端部10及び11を有する約0.5から2mmの厚みを有する薄板金属の長方形片から形成される。電流導体1および磁界センサ2は、ヨーク3の中に完全に配置される。ヨーク3の端部10および11はテーパをつけられるので、それらの幅Bは、薄板金属またはヨーク3の幅Bより狭くなる。電流導体1はヨーク3の領域内でテーパをつけられることが好ましい。
【0006】
磁界センサ2のための好適な例は、図2においてさらに詳細に示される:それは、2つの5Aホール素子および5Bの例において、少なくとも1つのホール素子を有する半導体チップ4、および、少なくとも1つのホール素子の動作および少なくとも1つのホール素子によって供給されるホール電圧の処理のための電子回路を含む。半導体チップ4の活性の表面上、すなわち集積回路を有する表面上において、空隙6によって切り離される2つの磁界集線装置7、8は、空隙6の近くで第1の磁界集線装置7から出て、空隙6の近くで第2の磁界集線装置8に当たる磁力線9(図3参照)が少なくとも1つのホール素子を通過するように配置される。このような磁界センサ2の構造は、欧州特許EP 772、046から公知である。ホール素子(または2つのホール素子5Aおよび5B)は、半導体チップ4の活性表面に対して垂直に走る磁界、それゆえに、ここではz方向に感度が高いいわゆる水平ホール素子である。ホール素子という用語は、単一のホール素子のみを意味せず、それはまた、並列または反並列で連結され、および/または、時分割で作動する一群のホール素子でもよい。ホール素子のこのような配置は、ホール電圧のオフセットを減少するために用いられる。しかしながら、ホール素子はまた、半導体チップ4の活性表面に並列に走り、電流方向に対して垂直、それゆえにここではx方向である磁界に感度が高いいわゆる垂直ホール素子であってもよい。
【0007】
磁界センサ2は、ハウジング24の内部に閉じ込められる。磁界センサ2は(ヨーク3がない場合)x方向に走る磁界に感度が高く、yおよびz方向に走る磁界に無感応である。2つの磁界集線装置7および8は、x方向に伸びる。ハウジング24は、ヨーク3の空隙14において得られるものよりも多くの空間を必要とする。ハウジング24はそれゆえに、ヨーク3内に位置するが、空隙14の外側に位置する。
【0008】
ヨーク3の端部10および11の正面12および13の間に存在する空隙14は、2つの磁界集線装置7および8間、または、幾何学的に表した空隙6より“上”に位置する:そこで、空隙14を通るのと同様に空隙6を通過する半導体チップ4の表面に対して垂直に走る平面が存在する。ヨーク3および2つの磁界集線装置7および8は、したがって空隙6および、2つのさらなる空隙15、16(図3参照)で遮られる磁界を形成し、ここにおいて、ヨーク3の第1の端部10から出る磁界の磁力線17(図3参照)は、第1の磁界集線装置7に当たり、空隙6を周知の方法で通過し、第2の磁界集線装置8を出て、ヨーク3の第2の端部11に当たる。電流測定装置は、2つの磁界集線装置7および8が直接ヨーク3の空隙14に位置しないが、ヨーク3の端部10および11から出る磁界の漂遊線によって基本的に通過する空隙14の下に位置するように設計される。これを達成するため、磁界集線装置7および8の表面からヨーク3の空隙14までの磁界センサ2の距離Dは好ましくは、磁界集線装置7および8の外端部からヨーク3の側壁までの磁界センサ2の距離Eよりも短い。
【0009】
ヨーク3は、2つの機能、すなわち一方で電流導体を流れる電流によって生じる磁界の磁性の増幅、他方では外部磁性の漂遊磁界に対して磁界センサの遮蔽を実行する。その構造のため、磁界センサ2は、yおよび/またはz方向の外部磁界に反応しない。ホール素子の場所で電流導体を流れる電流によって生じる磁界の増幅は、増幅率によって特徴付けられる。増幅率は、ヨーク3の形状次第であり、電流1の周波数次第でもある。以下において、増幅率は通常、特定の限界周波数f以下でDC電流またはAC電流で増幅率を指定する。x方向の外部磁界に対する磁界センサ2の遮蔽効率は、遮蔽率によって特徴付けられる。幅Bに対する端部10および11の縮小は、率B/Bによって増幅率を増加させる効果を有し、一方で、遮蔽率はほとんど変化しないままである。増幅率および遮蔽率は、ヨーク3の端部10および11の間の空隙14までの磁界センサ2の距離次第である。この状態は、電流測定装置の横断面を示す図3を用いて図示される。電流導体1およびヨーク3は、長方形の横断面を有し、対称平面18に関して対称に配置される。磁界センサ2は、ヨーク3の空隙14に面している電流導体1側に位置し、および対称平面18に関して対称にまた配置される取付け誤差の範囲内であるので、対称平面18は、2つの磁界集線装置7および8間の空隙6を通ってまた走る。金型磁界集線装置7および8は、ヨーク3の空隙14への距離Dに位置する。ヨーク3の1つの端部10から出て、磁界集線装置7に到達する磁力線17の比率が距離Dの増加と共に減少するので、ヨーク3の増幅率は距離Dの増加と共に減少する。これに反して、同じ理由から、ヨーク3の遮蔽率は距離Dの増加と共に増加する。距離Dの適当な選択により、増幅率は一般に約10に達し、遮蔽率は約100から1000に達する。
【0010】
x方向に走る外部磁界の遮蔽が効果的であるように、電流導体1に直交し、空隙14に並列で測定されるヨーク3の長さLは、空隙14に直交して測定されるヨーク13の高さHと少なくとも同じサイズである。好ましくは、長さLは高さHの少なくとも1.5倍より大きい。
【0011】
図4は、磁界センサ19がヨーク3の空隙14に面していない電流導体1側に配置される電流測定装置を示す。磁界センサ19は、先の例の磁界センサ2と同様である。磁界センサ19の遮蔽率は、ここでもきわめて大きい。磁界センサ19のためのヨーク3の増幅率は、しかしながら、0および1の間に存在する、すなわち、ヨーク3は第2の磁界センサ19の場所で磁界を増幅しないが、増幅率が1より小さい場合、磁界を減少させる。増幅率が1より小さい場合、これは、磁界センサ19の周波数応答を改善するために用いることができる。電流の周波数の機能としてヨーク3のない磁界センサ19の出力信号は、0からfG1(fG1は例えば50kHzに達する)の周波数範囲において一定であり、一般に20dB/オクターブで減少する。ヨーク3の増幅率も限界周波数fG2より上で低下するので、ヨーク3は周波数応答を変える。しかしながら、DC電流のためのヨーク3の増幅率がすでに1より小さい場合、増幅率の減衰は限界周波数fG2より上ではほとんど効果を有しないので、全般的に見て、限界周波数fG2より上の減衰は、減少する。この効果は、電流センサの周波数応答を改善するために用いることができる。図示された実施例において、ヨーク3は薄板金属の単一片から構成される。ヨーク3の限界周波数fG2は、薄板金属の厚みd次第である:
G2〜1/d
薄板金属の厚みdを選ぶことにより、fG2はほとんどfG1に等しくなる。薄板金属、したがってヨーク3の厚みの減少と共に、磁気的にヨーク3を飽和させる磁界はより小さくなる。これを回避するため、ヨーク3は、絶縁層によって切り離される厚みdのいくつかの薄板金属の積層体として形成される。1つの金属シートの厚みdは一般に、約0.02から0.1まで、最大0.2mmに達する。
【0012】
図5は、磁界センサ2が、ヨーク3の空隙14に面する電流導体1側に配置され、磁界センサ19が、ヨーク3の空隙14に面しない電流導体1側に配置される電流測定装置を示す。第1の磁界センサ2は、一般に0から50A、または0から100Aまでのあらかじめ定義された動作範囲における電流の精密な測定のために役に立ち、一方で、第2の磁界センサ19は、ここで50Aまたは100Aから一般に1000Aのあらかじめ定義された過負荷範囲においてあらかじめ定義された動作範囲より上の電流の測定の役に立つ。この実施例において、ヨーク3は、絶縁層によって分離された薄板金属20からの積層体として示される。
【0013】
すべての実施例に関して、遮蔽率は、3つの側面上のヨーク3に接している高い透磁率を有する材料の追加的なほぼU型のスクリーン21により増加させることができる。スクリーン21は、中間部分がヨーク3の空隙14に並列である3つの部分から構成される。スクリーン21は、好ましくはヨーク3と同じ材料から構成される。スクリーン21は、ヨーク3までの距離Eに配置される。距離Eは非常に大きく選択されるので、スクリーン21はヨーク3の増幅率を減少せず、または、わずかに減少させるのみである。
【0014】
図6は、電流導体1を流れる電流の機能として、2つの磁界センサ2および19の出力信号22および23を示す。第1の磁界センサ2の出力信号22は、あらかじめ定義された動作範囲Aにおける電流1に比例している。作業範囲Aより上において、第1の磁界センサ2の磁界集線装置7、8の飽和効果が起こり、それは、出力信号22を平坦にする。より小さい増幅率の結果として、磁界集線装置7、8の飽和状態の効果は過負荷範囲Bの上限以上の電流のみによって起こるので、第2の磁界センサ19の出力信号23は、過負荷範囲Bの電流1に比例する。
【0015】
発明の電流測定装置は、単純かつ小型の構造および単純なアセンブリによって特徴付けられる。磁界センサ2を有するハウジング24は、電流導体1上に直接接着することができる。代替的に、ハウジング24はプリント回路板に載置することができ、プリント回路板は電流導体1に固定することができる。同じく、ヨーク3は、直接対向する側面上に接着されるかまたは最終的に電流導体1までの追加的な距離保持手段で接着することができる。
【0016】
磁界センサ2または19はそれぞれ、基本的に外部磁界のx構成要素のみに感度が高くあるべきであり、外部磁界のyおよびz構成要素に反応しない。上記の2つの磁界集線装置およびホール素子を有する磁界センサは、高度にこれらの必要条件を満たす。磁界センサ2または19は、しかしながら、すべての実施例においてこれらの必要条件を満たし、例えば、AMR(異方性磁気抵抗)または、GMR(巨大磁気抵抗)センサのような別のセンサであってもよい。これらのセンサは、その電気抵抗が磁界の強度次第である強磁性の抵抗性素子からなる。磁界センサ2または19はさらに磁束ゲート・センサであってもよい。磁束ゲート・センサは、強磁性のコアから構成される。強磁性の抵抗性素子または強磁性のコアは、半導体チップ4の活性表面に配置される。強磁性の抵抗性素子または強磁性のコアは、先行する実施例における磁界集線装置7、8に類似した方法で磁力線の発生に影響する。
【0017】
ヨークの他の変更された形状もまた可能である。互いの反対側に存在するヨークの2つのテーパのついた端部も例えば、ヨークの側壁から解放されかつ湾曲した穴をあけられた舌部の形で存在することができる。
【0018】
図7および図8は、本発明による0から200Aまたは300Aのより大きい範囲の電流測定用に設計された電流を測定するため2つの装置の斜視図を示す。これらの装置については、その端部が磁界センサ2の場所の磁界が、テーパもつけられず、拡張もされず、凹部を有さず、それゆえに、幅Bを有する直線の前方側面を有するヨーク3を有する電流測定装置においてよりも小さいように形成される。図7の実施例については、ヨーク3の端部10および11は幅Bを有するが、ヨーク3の前方側面12および13は、幅Bの凹部を備える。図8の実施例については、ヨーク3の端部10および11は幅Bに拡大される。組合せもまた可能である、すなわち、幅B > Bで端部を拡大し、および幅Bで凹部を形成する。したがって、遮蔽率がわずかに変化する一方、ヨーク3の増幅率はかなり減少する。そうする際に、一方で増幅率に対する遮蔽率の比率は増やすことができ、他方で、増幅率は低下する。
【0019】
示された実施例は、単にヨーク3の端部の形状を変えることによって、電流測定装置が可変の大きい最大電流の測定のために設計することができることを図示する。同じ磁界センサ2は、同じ方法で、電流導体1上の同じ位置に取り付けることができる。
【0020】
本発明の実施例および用途が図と共に記載される一方、本願明細書における発明の概念から逸脱することなく、前述したものより多くの変更が可能であることは、この開示の利点を有する当業者には明白である。本発明はそれゆえに、添付の請求の範囲およびそれらの同等物の趣旨を除いて制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
明細書に組み込まれ、この明細書の部分を構成する添付の図面、は、本発明の1つまたはそれ以上の実施例を図示し、詳細な説明と共に、この発明の原則および実施を説明するのに役立つ。図は、一定の縮尺ではない。
図面の説明は以下の通りである:
図1】磁界センサおよびヨークを有する発明による電流測定装置の斜視図を示す。
図2】好適な磁界センサの実施例を示す。
図3】電流測定装置の横断面を示す。
図4】さらなる電流測定装置の横断面を示す。
図5】さらなる電流測定装置の横断面を示す。
図6図5の実施例による電流測定装置の出力信号を示す。
図7】磁界センサおよびヨークを有するさらなる電流測定装置の斜視図を示す。
図8】磁界センサおよびヨークを有するさらなる電流測定装置の斜視図を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8