(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787258
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】電子部品の接点素子の位置を測定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20150910BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
G01B11/00 H
H05K13/08 Q
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-520004(P2011-520004)
(86)(22)【出願日】2009年6月26日
(65)【公表番号】特表2011-528800(P2011-528800A)
(43)【公表日】2011年11月24日
(86)【国際出願番号】MY2009000082
(87)【国際公開番号】WO2010011124
(87)【国際公開日】20100128
【審査請求日】2012年6月26日
(31)【優先権主張番号】PI20082704
(32)【優先日】2008年7月21日
(33)【優先権主張国】MY
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510327183
【氏名又は名称】ヴィトロックス コーポレーション ビーエイチディー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ティン リク
(72)【発明者】
【氏名】ロー,チェー キット
(72)【発明者】
【氏名】イェウ,チェン チュン
【審査官】
▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2000/062012(WO,A1)
【文献】
特開2004−340728(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/106851(WO,A1)
【文献】
特開2009−139285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の接点素子(2、3)のそれぞれの位置を測定するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
a)前記接点素子(2,3)の全てを含むことのできる大きさのベース層、および、前記ベース層の面上に周知の厚さを有し、かつ前記接点素子(2,3)の各々に対応する、正方形(10,11)を備えた較正レチクル手段(9)を準備するステップ、
b)前記較正レチクル手段(9)を前記電子部品の測定場所に置き、前記較正レチクル手段(9)に照明を当て、前記較正レチクル手段(9)のベース層面に垂直に設置された第1のカメラ(4)と前記ベース層面に垂直な方向に対して一定角度傾斜して設置された第2のカメラ(5)でそれぞれ第1の画像及び第2の画像を撮影するステップ、
c)前記較正レチクル手段(9)の前記ベース層の面上の複数点における、前記第1の画像上の位置と前記第2の画像上の位置との関係から、前記ベース層の面上の各点における第1の画像上の位置と第2の画像上の位置の相対関係を求めるステップ、
d)前記較正レチクル手段(9)の前記正方形(10,11)の表面上の点の、第1の画像上の位置を前記相対関係に当てはめて計算した第2の画像上の位置と実際の前記第2の画像上の位置との距離と、前記正方形(10,11)の厚さとから、計算した第2の画像上の位置と実際の第2の画像上との位置との距離と、前記正方形(10,11)の厚さすなわちベース層の面からの高さとの比であるz−倍率を求めるステップ、
e)前記較正レチクル手段(9)を前記測定場所から外し、前記接点素子(2,3)を含む前記電子部品を前記測定場所に、前記電子部品の表面が画像撮影時の前記較正レチクル手段(9)のベース層の面と平行になるように置き、前記接点素子(2,3)に照明を当て、前記第1のカメラ(4)と前記第2のカメラ(5)でそれぞれ第1の画像と第2の画像を撮影するステップ、及び、
f)前記接点素子(2,3)の、前記第1の画像上の位置を前記相対関係に当てはめて計算した第2の画像上の位置と実際の前記第2の画像上の位置との距離と、ステップd)で求めた、前記接点素子(2,3)の各々に対応する、前記正方形(10,11)のz−倍率によって、前記接点素子(2,3)の較正レチクル手段(9)のベース層の面からの高さを決定するステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
さらに前記第1のカメラ(4)に対して傾斜した第3のカメラ(6)を備え、ステップb)及びe)において前記較正レチクル手段(9)及び前記接点素子(2,3)を前記第3のカメラで第3の画像として撮影し、ステップc)及びd)において前記較正レチクル手段(9)の前記第2の画像の代わりに前記第3の画像を用いて第1の画像上の位置と第3の画像上の位置との相対関係およびz−倍率を求め、ステップf)において前記接点素子(2,3)の前記第1の画像と前記第3の画像を用いて前記接点素子(2,3)の一部の高さを決定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電子部品の接点素子(2、3)のそれぞれの位置を測定するための装置であって、前記装置は、
前記接点素子(2,3)の全てを含むことのできる大きさのベース層、および、前記ベース層の面上に周知の厚さを有し、かつ前記接点素子(2,3)の各々に対応する、正方形(10,11)を備えた較正レチクル手段(9)、
前記較正レチクル手段(9)および前記接点素子(2,3)のそれぞれに照明を当てるための照明光源(7,8)、
前記較正レチクル手段(9)および前記接点素子(2,3)のそれぞれに垂直に設置された第1のカメラ(4)、及び、
前記較正レチクル手段(9)および前記接点素子(2,3)のそれぞれに垂直な方向に対して一定角度傾斜して設置された第2のカメラ(5)、を備え、
前記較正レチクル手段(9)が前記電子部品の測定場所に置かれ、前記第1のカメラ及び前記第2のカメラで第1の画像及び第2の画像が撮影され、
前記較正レチクル手段(9)の前記ベース層の面上の複数点における、前記第1の画像上の位置と前記第2の画像上の位置との関係から、前記ベース層の面上の各点における第1の画像上の位置と第2の画像上の位置の相対関係が求められ、
前記較正レチクル手段(9)の前記正方形(10,11)の表面上の点の、第1の画像上の位置を前記相対関係に当てはめて計算された第2の画像上の位置と実際の前記第2の画像上の位置との距離と、前記正方形(10,11)の厚さとから、計算された第2の画像上の位置と実際の第2の画像上との位置との距離と、前記正方形(10,11)の厚さすなわちベース層の面からの高さとの比であるz−倍率が求められ、
前記接点素子(2,3)を含む前記電子部品が、前記測定場所に前記電子部品の表面が画像撮影時の前記較正レチクル手段(9)のベース層の面と平行になるように置かれ、第1のカメラ(4)と第2のカメラ(5)でそれぞれ第1の画像と第2の画像が撮影され、
前記接点素子(2,3)の、前記第1の画像上の位置を前記相対関係に当てはめて計算された第2の画像上の位置と実際の前記第2の画像上の位置との距離と、前記接点素子(2,3)の各々に対応する、前記正方形(10,11)のz−倍率によって、前記接点素子(2,3)の前記較正レチクル手段(9)のベース層の面からの距離が決定されることを特徴とする、装置。
【請求項4】
さらに前記第1のカメラ(4)に対して傾斜した第3のカメラを備え、前記較正レチクル手段(9)及び前記接点素子(2,3)が前記第3のカメラで第3の画像として撮影され、前記較正レチクル手段(9)の前記第2の画像の代わりに前記第3の画像を用いて第1の画像上の位置と第3の画像上の位置との相対関係およびz−倍率が求められ、前記接点素子(2,3)の第1の画像と第3の画像を用いて前記接点素子(2,3)の一部高さが決定されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品上のマシンビジョン検査および接点素子位置の測定の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、電子部品の接点素子の位置を測定するための方法および手段は、電子デバイスの底面に対する接点素子の相対的z−位置の決定のためにそれぞれ第1および第2の画像を収集する三角測量角度上で設置される2台のカメラを活用する。接点素子の決定された位置の精度は、第1および第2の画像を記録するために設置される2台のカメラの間の三角測量角度に影響を受ける。しかしながら使用するデータが2次元情報に由来するので、算出された三角測量の精度に対して限界がある。さらに、算出された三角測量角度の精度はまた、レンズ歪に影響を受ける可能性があり、および、不均一照射が導出式に対する誤差の一因となる可能性がある。したがって、測定された接点素子の3次元位置を与えるために較正および測定中により確固としていて多くの不確かな要因に影響を受けない代替方式を提供することが有利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、電子部品の接点素子のそれぞれの位置を測定するための方法であって、以下のステップ、すなわち、較正されたスペース内に前記接点素子をもたらすステップと、前記接点素子を照明するステップと、校正面と実質的に平行して延伸する第1の像平面を有する第1のカメラによって前記接点素子の第1の画像を記録するステップと、第2のカメラによって前記接点素子の第2の画像を記録するステップと、各前記接点素子上で各前記接点素子に対して第1の像点を決定するために前記第1の画像を処理するステップであって、各前記第1の像点が、各前記接点素子上に位置する点であるステップと、各前記接点素子上で各前記接点素子に対して第2の像点を識別するために前記第2の画像を処理するステップであって、各前記接点素子に対して前記第2の像点および前記第1の像点が、各前記接点素子上の同じ点に対応するステップと、前記第2の画像内で位置マッピングアルゴリズムによって第3の像点を決定するステップと、前記第2の画像内で前記第2の像点と前記第3の像点との間の変位を決定するステップであって、前記第3の像点が、前記校正面に直交して投影される前記第1の像点であるステップと、を含む方法に関する。
【0004】
本発明は、電子部品の接点素子のそれぞれの位置を測定するための手段であって、較正されたスペース内に事前配置される前記接点素子を照明するための照明光源と、第1のカメラおよび第2のカメラであって、それぞれ前記接点素子の第1および第2の画像を記録するために用意される前記第1のカメラおよび前記第2のカメラと、処理デバイスであって、前記処理デバイスが、各前記接点素子に対する前記第1の画像内の第1の像点および各前記接点素子に対する前記第2の画像内の第2の像点の位置を取り出すための前記第1のカメラおよび前記第2のカメラに接続され、各前記接点素子に対する前記第1の像点および前記第2の像点が、前記第2の画像位置内の位置マッピングアルゴリズムによって第3の像点を取り出す、各前記接点素子上の同じ位置に対応し、前記第3の像点が、前記第1の像点から直交して投影され、かつ前記第2の像点と前記第3の点の間の変位を決定する点である、ことを特徴とする処理デバイスと、を備える手段に関する。
【0005】
追加的な第3のカメラが、第2のカメラ上で記録されることができない第1のカメラ上で記録される像点を補正するために含まれることができる。第3のカメラの包含はまた、全体的な検査時間を短縮する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
同様な文字が図面の全体にわたって同様な部分を表す添付の図面を参照して、以下の詳細な説明が読み込まれるときに、本発明のこれらの、そしてまた他の、特徴、態様および効果がよりよく理解され、そこにおいて
【0007】
【
図1A】本発明に従う照明およびカメラのセットアップを図式的に例示する。
【
図1B】本発明に従う照明およびカメラのセットアップを図式的に例示する。
【
図2A】第1の、第2のおよび第3のカメラによって記録されるような、BGA部品の第1の、第2の、第3の画像の例をそれぞれ示す。
【
図2B】第1の、第2のおよび第3のカメラによって記録されるような、BGA部品の第1の、第2の、第3の画像の例をそれぞれ示す。
【
図2C】第1の、第2のおよび第3のカメラによって記録されるような、BGA部品の第1の、第2の、第3の画像の例をそれぞれ示す。
【
図3】較正手段のための複数層レチクルの1つの例を示す。
【
図4A】第1の、第2のおよび第3のカメラによって記録されるような、較正手段のためのレチクルの画像の1つの例を示す。
【
図4B】第1の、第2のおよび第3のカメラによって記録されるような、較正手段のためのレチクルの画像の1つの例を示す。
【
図4C】第1の、第2のおよび第3のカメラによって記録されるような、較正手段のためのレチクルの画像の1つの例を示す。
【
図5】第1の較正画像から第2の較正画像への座標のマッピングアルゴリズムを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に従う方法は、BGA(ボールグリッドアレイ)/CSP(チップスケールパッケージング)、フリップチップデバイス、リード付きデバイス(QFP、TSOP)、および、リードレスデバイス(MLP、QFN)のような電子部品の接点素子の3次元位置の自動計算のために設計される。本発明は、単一のデバイス上で見いだされる接点素子の組合せ、例えば
図1にて図示したように、リード付きデバイスとのBGA/CSPデバイス(1)の組合せ、の3次元位置を自動的に計算することが可能である。
【0009】
図1は、その接点素子(2)および(3)が照明光源(7)および(8)によって照明されるような方法で、電子部品(1)が較正されたスペース内に事前配置されることを例示する。第1のカメラ(4)が、
図2Aにて図示したように、部品の底部から第1の画像を記録するために校正面に対して実質的に垂直に設置される。第2のカメラ(5)および第3のカメラ(6)が、
図2Bおよび2C内にそれぞれ例示されるような電子部品の側面斜視図の第2のおよび第3の画像を記録するために設置される。本発明の第1の実施態様において、2台のカメラだけが電子部品の接点素子の3次元位置を決定するために必要とされる。これらの接点素子が第2の画像から観察されることができない場合には、第3のカメラが電子部品の接点素子の画像を記録するのに用いられる。第3のカメラの使用はまた、より短い全体的な画像収集時間を可能にする。第3のカメラが使われるときに、第1および第3のカメラのそれぞれの第1および第3の画像内に記録される他の接点素子の位置を測定するための方法および手段は第1および第2のカメラによって使われる方法および手段と同じである。したがって、本発明の動作は第1および第2のカメラだけを使用して記載される。
【0010】
好ましくは、カメラ1および2は、両方のカメラが
図1Aおよび1Bにて図示したように、電子部品の方へ向けられるように、互いに対して配置される。さらに、電子部品全体の全ての接点素子が少なくとも2台の異なるカメラによって観察されることができる限り、カメラ1、2および3は異なる位置に配置されることができる。例えば、
図1Aおよび1Bの両方が、接点素子の全ての可能な位置が少なくとも2台の異なるカメラの視野内にあるように、全ての3台のカメラが異なるx、yおよびz座標に位置することを合わせて例示する。
【0011】
接点素子の位置の測定が始まることができる前に、3次元接点素子を測定するための装置が較正される。較正は、第1の画像内の位置X1と第2の画像内の対応する位置X3、すなわち校正面に直交して投影される像点、との間の関係を確立する。
図3にて図示したように、較正レチクル手段(9)が較正のために使われる。それは、例えば位置が正確に知られている正方形によって代表される複数の所定のマーキングを備える。このレチクル(9)は、例えば測定されるべき電子部品を事前配置するために用意される位置に配置される基板でできている。基板は、例えば、好ましくはベースガラス層上にアレイ方法で配設される複数層のガラスから成る。正方形は、非常に正確なスクリーン印刷プロセスを用いてこれらのガラス層の各々上に印刷される。全てのこれらの上位層ガラスの厚さは正確であり、および、正確に印刷されたマーキングはカメラによる容易な検出のために明確に画成される。例示されないが、前もって記載されている較正レチクル手段が正確に周知の位置で層から突き出る垂直構造を備えたレチクルのような他の較正レチクル手段と取り替えられるということはありえる。
【0012】
正確な較正を得るために、較正レチクル手段上に印刷される正方形の位置および寸法は、好ましくは0.1ミクロンの精度に知られる。較正レチクル手段によって測られる面積および体積は、x、yおよびz方向に較正されることができるスペースを画成する。したがって、より大きなスペースおよび面積がx、yおよびz方向に較正レチクル手段によってカバーされるときに、より大きなスペースがより大きい電子部品に対して測定をすることに利用できる。測定が後で実施されるときに、接点が位置している平面が校正面(11)上に正確に置かれることは必要でない。接点が位置している平面が確立された較正されたスペース内にある限り、測定が実施されることができる。
【0013】
図4A、4Bおよび4Cは、それぞれ第1の、第2のおよび第3のカメラによって記録される較正レチクル手段の第1の、第2のおよび第3の画像をそれぞれ例示する。較正レチクル手段上の正方形のような、個々のマーキングが識別されることができるので、マッピングアルゴリズムは、後ほど
図5内に図的に例示されるように、両方の画像の間でマッピングを可能にするように校正手順を通して決定される。それぞれ
図4Aおよび4Bに示すように、第1のカメラ(4)および第2のカメラ(5)は各々較正レチクル手段のその較正画像を記録する。
図4Aおよび4Bに示すように、較正は第1のカメラ(4)および第2のカメラ(5)によって記録されるような第1の画像(
図4A)および第2の画像(
図4B)の同じ正方形(10)(11)または類似した特徴の位置の決定を含む。位置マッピングアルゴリズムは、各第1および第2の画像で決定された各対応する特徴に対する位置に由来する。例えば、
図5にて図示したように、第1の画像内の点(111)の座標は、第2の画像内のその対応点(111’)にマップされる。それゆえに、その表面の特徴が第1の像平面内の画素を第2の画像にマップするために使われるので、平面(11)は校正面である。
【0014】
図5によれば、双一次補間技法が任意の2つのマーキングの間の全ての位置に対する座標を決定するのに用いられる。例えば、第1の画像内の点X1の位置は、dxおよびdyの割合で表されて、第1の画像上の矩形のマトリックスによって形成される座標(111)、(112)、(221)および(222)に対して考慮される。第2の画像内の点X3は第1の画像内の点X1から直交して投影される点であり、および、前者はdx’およびdy’の割合で表される。第1の画像内の第1の像点と第2の画像内の像点との間の位置マッピングアルゴリズムは、第2の画像内の像点が、校正面に第1の像点から直交して投影される点であり、dxおよびdx’に関する関係ならびにdyおよびdy’に関する関係を決定することによって得られる。例えば、第1の像平面内のX1および第2の像平面内のX3に関する位置マッピングアルゴリズムは、x−座標に対するdxおよびdx’に関する関係ならびにy−座標に対するdyおよびdy’に関する関係である。位置マッピングアルゴリズムが次いで、校正面に直交して投影される第1の像点である第2の像平面内の点を決定するために測定中に使われる。
【0015】
図3、4A、4Bおよび5を参照して、z−倍率が、較正レチクル手段上の、正方形(10)のような特徴に対して、それぞれ第1および第2の画像内のそれぞれの画素座標X1およびX2を最初に決定することによって決定される。X3は、位置マッピングアルゴリズムを用いて点X1から校正面に直交して投影される点である。X2とX3の間のz距離が正確にわかるので、第2の画像(4B)および第3の画像(4C)内のそれぞれのz−倍率が決定されることができる。例えば、X2とX3の間の距離が10mmであり、および、第2の画像上のそれらの対応する距離が25画素であると想定すると、z−倍率は10mm/25画素=0.4mm/画素であろう。
【0016】
校正手順を完了した後に、x−y座標位置マッピングアルゴリズムおよびz−倍率が、第1および第2の画像内の部品上の接点素子の位置を決定するために得られた。加えて、接点素子X、YおよびZ軸間の距離がそれぞれのx、yおよびz−倍率から決定されることができる。位置が較正レチクル手段によって正確に決定されるので、接点素子の位置もまた、ミクロンで正確に決定されることができる。校正手順はまた、カメラ対カメラの較正が実施されることを可能にし、第1のカメラ(4)と第2のカメラ(5)との間の関係を確立する。第1のカメラとの第3のカメラの関係もまた、本願明細書に記載されている方法で確立される。
【0017】
測定のためのスペースが較正され、ならびに、第1および第2のカメラのセットアップが説明された今、本発明に従う測定原理が
図6の助けを借りて説明される。第3のカメラ(6)が、第2のカメラと同様の方法で第1のカメラ(4)に対して設置される。電子部品が較正されたスペース内にもたらされ、および、その接点素子の1つが校正面、pに対して点Pに位置すると想定する。第1のカメラが、接点素子の第1の画像を記録して、第1の点Pを選ぶ。接点素子の第1の画像内の第1の点Pに対する第1の像点X1の位置が、決定される。
【0018】
第2のカメラ(5)が、点Pによる接点素子の第2の画像を記録し、および点Pが第2の画像内の第2の像点X2と確認される。点Pは、第2の点P’を与える校正面、pに位置マッピングアルゴリズムを使用して、直交して投影される。第2の画像において、第3の像点X3はその時位置P’の像点である。接点素子Pが校正面p内に局所化されるであろう場合には、X3は予想される位置である。第2の画像内の点X3の位置は、位置マッピングアルゴリズムによって決定される。X2とX3との間の変位は、実物の接点素子が通常正確に校正面上にではなく、測定されるべき高さの差異、DELTA.zで置かれる事実に起因している。前述に続いて、変位DELTA.zはX3とX2の間の距離(すなわちDELTA.z’)および第2の画像のZ軸内のz−倍率の相乗積によって決定される。
【0019】
本発明が較正されたスペース内で点の測定を可能にするので、2点が較正されたスペース内に位置する限り、本発明を使用して任意の2点間の距離を測定するために本発明を活用することは当業者に明白である。
【0020】
したがって、接点素子がその上に位置している集積回路であることができる、部品の接点素子間の距離、および、較正されたスペース内の校正面からの接点素子の距離を測定するためのこの種のシステム及び方法の実用性および効用に関しては、当業者にとって明らかである。したがって、上記の記述は説明的であり、かつ有効範囲および実施態様を下記のように請求する、本発明自体の本質の限定では決してない。
【符号の説明】
【0021】
1 電子部品
2、3 接点素子
4 第1のカメラ
5 第2のカメラ
6 第3のカメラ
7、8 照明光源
9 較正レチクル手段
10、11 正方形
11 校正面
111 第1の画像内の点
111’ 第2の画像内のその対応点
111、112、221、222 座標