特許第5787266号(P5787266)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787266
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】起重遮断機
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/02 20060101AFI20150910BHJP
   H01H 73/04 20060101ALI20150910BHJP
   H01H 73/18 20060101ALI20150910BHJP
   H01H 9/38 20060101ALI20150910BHJP
   H01H 9/46 20060101ALI20150910BHJP
   H01H 33/12 20060101ALI20150910BHJP
   H01H 33/20 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   H01H73/02 C
   H01H73/04
   H01H73/18 A
   H01H73/18 B
   H01H9/38
   H01H9/46
   H01H33/12
   H01H33/20
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-553244(P2014-553244)
(86)(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公表番号】特表2015-507834(P2015-507834A)
(43)【公表日】2015年3月12日
(86)【国際出願番号】KR2012011261
(87)【国際公開番号】WO2014098288
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2014年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】513235337
【氏名又は名称】ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リュー,ジェ グ
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−174686(JP,A)
【文献】 特開2011−151023(JP,A)
【文献】 特開2005−158751(JP,A)
【文献】 特開2013−8675(JP,A)
【文献】 特開2013−8676(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/098288(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 73/02
H01H 9/38
H01H 9/46
H01H 33/12
H01H 33/20
H01H 73/04
H01H 73/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端は固定突起を形成し、中心部に長さ方向の溝を形成し、アークの移動経路を提供するアークガイダー(Arc Guider)と、
主接点、前記主接点と離隔されたアーク接点及び挿入溝を順次に具備し、前記挿入溝は、前記アークガイダーを収容する固定子と、
前記挿入溝の両端に形成され、外部からの力により前記収容されたアークガイダー方向に屈折して、前記固定突起が抜けないようにし、前記外部からの力による三角のV字型溝跡が形成された複数の突起固定部と
を備える起重遮断機。
【請求項2】
前記三角のV字型溝跡のうちの何れか一つは、前記アークガイダーにある溝間の前記アーク接点と遠い突起固定部に形成され、前記三角のV字型溝跡のうち、残りは、前記アーク接点と近い突起固定部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の起重遮断機。
【請求項3】
前記突起固定部は、前記アーク接点をコーキング(cauking)処理して形成されることを特徴とする請求項1に記載の起重遮断機。
【請求項4】
前記突起固定部は、前記固定突起と噛合う引っかかり部であることを特徴とする請求項3に記載の起重遮断機。
【請求項5】
前記アークガイダーの一端に貫通孔が形成されたことを特徴とする請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載の起重遮断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された技術は、起重遮断機に関し、特に、固定子とアークガイダーとを溶接せずに両方向に圧着して固定でき、起重遮断機の長時間に渡った繰り返し的な開閉動作による衝撃にもかかわらず、アークガイダーが歪まないか、固定子から離脱しない起重遮断機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、起重遮断機(ACB:Air Circuit Breaker)は、ビル、工場、船舶などが産業プラントまたは発電機を保護するために使用される配線設備である。
【0003】
起重遮断機の内部導体は、稼動導体部と固定導体部とに大別されるが、動力源であるメカニズムにより稼動子が回転運動しながら稼動導体部と固定導体部とが互いに対向しながら接触するようになっている構造であって、接触部に電流が通電するようになる。
【0004】
図1は、従来の起重遮断機の固定子とアークランナーとを固定する方法を示す図である。図1に示すように、従来の起重遮断機100は、固定接触子110とアークランナー120とを溶接して固定する。
【0005】
一般に固定接触子110は、銀の材質からなるので、固定接触子110とアークランナー120とを溶接するためには、アークランナー120も銀の材質からならなければならず、銀ろうで溶接しなければならない。したがって、このような従来の起重遮断機100は、費用が多くかかり、溶接のための別途の工程が追加されて製作時間が長くなるという短所がある。
【0006】
図2は、韓国特許公開公報第10−2009−0020394号に開示された技術であって、従来の片方の方向を圧着して固定する起重遮断機を示す図である。
【0007】
図2に示すように、片方の方向を圧着して固定する起重遮断機200は、主接点211とアーク接点212とを有する固定接触子210、一端に固定突起221を有するアークランナー220、及び前記固定突起221を固定させる突起固定手段230を備える。従来の片方の方向を圧着して固定する起重遮断機200は、突起固定手段230を圧着してアークランナー220を固定接触子210に固定する。したがって、従来の起重遮断機100のように溶接を行わなくても固定接触子210とアークランナー220とを固定できる。
【0008】
しかしながら、起重遮断機200は、長時間の間に数多くの開閉動作を行うので、固定子210に衝撃が持続的に加えられる。したがって、従来の片方の方向を圧着して固定する起重遮断機200は、アークランナー220が歪むか、または固定子210から離脱されうるという短所がある。
【0009】
そのため、溶接しなくても固定子とアークランナーとを固定することができ、固定子に持続的な衝撃が加えられてもアークランナーが歪まないか、または固定子から離脱しない起重遮断機が切実に必要となる。
【発明の概要】
【0010】
本出願は、上述した問題点を解決するためになされたものであって、固定子とアークガイダーとを溶接しなくて両方向に圧着して固定でき、起重遮断機の長時間に渡った繰り返し的な開閉動作による衝撃にもかかわらず、アークガイダーが歪まないか、または固定子から離脱しない起重遮断機を提供することを目的とする。
【0011】
実施の形態のうち、起重遮断機は、一端は固定突起を形成し、中心部に長さ方向の溝を形成し、アークの移動経路を提供するアークガイダー(Arc Guider)と、主接点、前記主接点と離隔されたアーク接点及び挿入溝を順次に具備し、前記挿入溝は、前記アークガイダーを収容する固定子と、前記挿入溝の両端に形成され、外部からの力により前記収容されたアークガイダー方向に屈折して、前記固定突起が抜けないようにし、前記外部からの力による三角のV子状溝跡が形成された複数の突起固定部とを備える。
【0012】
一実施の形態において、起重遮断機は、前記三角のV子状溝跡のうちの何れか一つは、前記アークガイダーにある溝間の前記アーク接点と遠い突起固定部に形成され、前記三角のV字型溝跡のうち、残りは、前記アーク接点と近い突起固定部に形成されることができる。
【0013】
前記突起固定部は、前記アーク接点をコーキング(cauking)処理して形成されることができる。
【0014】
一実施の形態において、前記突起固定部は、前記固定突起と噛合む引っかかり部であることを特徴とすることができる。
【0015】
一実施の形態において、前記アークガイダーは、一端に貫通孔が形成されることができる。
(発明の効果)
【0016】
本出願の開示された技術によれば、アークガイダーを両方向に圧着して固定することによって、起重遮断機の長時間に渡った繰り返し的な開閉動作による衝撃にもかかわらず、アークガイダーが歪まないか、または固定子から離脱しないという効果がある。
【0017】
また、本出願の開示された技術によれば、固定子とアークガイダーとを溶接しなくて固定するから、起重遮断機の製作時間を短縮させることができ、製造単価を低くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来の起重遮断機を示す図である。
図2】従来の片方の方向を圧着して固定する起重遮断機を示す図である。
図3】開示された本発明の一実施の形態に係る起重遮断機を示す図である。
図4図3の複数の突起固定部の位置を示す図である。
図5図3の起重遮断機の固定子とアークガイダーとを固定させる方法を示す図である。
図6図3の固定突起と複数の突起固定部とを示す側面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
開示される技術に関する説明は、構造的ないし機能的説明のための実施の形態に過ぎないので、開示された技術の権利範囲は、本文に説明された実施の形態によって制限されるものと解析されてはならない。すなわち、実施の形態は、多様な変更が可能であり、様々な形態を有することができるから、開示された技術の権利範囲は、技術的思想を実現できる均等物を含むものと理解されなければならない。
【0020】
一方、本出願において述べられる用語の意味は、以下のように理解されねばならない。
【0021】
「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するためのものであって、これらの用語により権利範囲が限定されてはならない。例えば、第1構成要素は、第2構成要素と名づけられることができ、同様に第2構成要素も第1構成要素と名づけられることができる。
【0022】
「及び/または」の用語は、一つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されねばならない。例えば、「第1項目、第2項目及び/または第3項目」の意味は、第1、第2または第3項目だけでなく、第1、第2または第3項目のうち、2個以上から提示されうるすべての項目の組み合わせを意味する。
【0023】
ある構成要素が他の構成要素に「接続」しているとするときには、その他の構成要素に直接的に接続している場合だけでなく、その中間に他の素子を介在している場合もあると理解されねばならない。また、ある構成要素がある構成要素に「直接接続」していると言及されるとき、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。一方、構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち、「〜の間に」と「ちょうど〜の間に」または「〜に隣接する」と「〜に直接隣接する」なども同様に解釈されねばならない。
【0024】
単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含むものと理解されねばならなく、「含む」または「有する」などの用語は、説示された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはそれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されねばならない。
【0025】
ここで使用されるすべての用語は、別に定義されない限り、開示された技術が属する分野における通常の知識を有した者により、一般に理解されるものと同一の意味を有する。一般に使用される、事前に定義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致するものと理解されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味を有するものと解析されてはならない。
【0026】
図3は、開示された発明の一実施の形態による起重遮断機を示す図である。
【0027】
図3に示すように、起重遮断機300は、一端は固定突起311を形成し、アークの移動経路を提供するアークガイダー(Arc Guider)310、主接点321、アーク接点322及び挿入溝323を有する固定子320、挿入溝323の両端に形成される複数の突起固定部330を備える。
【0028】
アークガイダー310は、固定子32から発生したアークを消弧機構(図示せず)に移動させる移動経路を提供する。アークガイダー310は、一端に固定突起311を形成し、中心部に長さ方向に溝312を形成する。
【0029】
一実施の形態において、アークガイダー310は、フレーム(図示せず)に結合されうるように、一端に貫通孔313が形成されることができる。一実施の形態において、固定突起311は、アークガイダー310を固定子320に挿入した場合、アークガイダー310の一端と複数の突起固定部330がそれぞれ当接する部分に形成されることができる。
【0030】
固定子320は、四角板状に形成され、主接点321、主接点321と離隔されたアーク接点322及び挿入溝323を順次に具備する。主接点321は、固定子320の一端に突出して形成される。アークガイダー322は、主接点321と離隔されて固定子320の一端に突出して形成される。挿入溝323は、固定子320の一端に形成され、アークガイダー310の一端を収容する。
【0031】
図4は、図3の複数の突起固定部の位置を示す図である。
【0032】
図4に示すように、複数の突起固定部330は、挿入溝323の両端に形成される。複数の突起固定部330は、外部からの力により収容されたアークガイダー310の方向に屈折する。屈折した複数の突起固定部330は、固定突起311が外れないようにし、複数の突起固定部330は、外部からの力による三角のV子状溝跡331が形成される。
【0033】
一実施の形態において、三角のV子状溝跡のうちの何れか一つは、アークガイダー310にある溝間のアーク接点322と遠い突起固定部330aに形成され、三角のV子状溝跡のうち、残りは、アーク接点322と近い突起固定部330bに形成されることができる。一実施の形態において突起固定部330は、アーク接点310をコーキング(cauking)処理して形成されることができる。一実施の形態において、突起固定部330は、固定突起と噛み合う引っかかり部であることを特徴とすることができる。
【0034】
よって、アークガイダー310を両方向に圧着して固定することによって、起重遮断機の長時間に渡った繰り返し的な開閉動作による衝撃にもかかわらず、アークガイダー310が歪まないか、または固定子320から離脱しないという効果がある。
【0035】
図5は、図3の起重遮断機の固定子とアークガイダーとを固定させる方法を示す図であり、図6は、図3の固定突起と複数の突起固定部とを示す側面拡大図である。
【0036】
図5及び図6に示すように、アークガイド310を固定子320の挿入溝323に挿入し、複数の突起固定部330を三角ヘッダ状の圧着ジグ600で圧着すると、複数の突起固定部330は、三角のV子状溝跡331が形成され、収容されたアークガイダー310の方向に屈折する。屈折した複数の突起固定部330は、固定突起311が抜けないように固定する。
【0037】
よって、アークガイダーを両方向に圧着して固定することによって、起重遮断機の長時間に渡った繰り返し的な開閉動作による衝撃にもかかわらず、アークガイダーが歪まないか、固定子から離脱しないという効果がある。
【0038】
また、固定子とアークガイダーとを溶接せずに固定して起重遮断機の製作時間を短縮させることができ、製造単価を低くすることができるという効果がある。
【0039】
以上、本出願の好ましい実施の形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本出願の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本出願を多様に修正及び変更させうることを理解できるはずである。
図2
図3
図4
図5
図6
図1