(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
容器のバルブと接続し内容物を外部に噴射するノズル部と、該ノズル部を押し下げ容器のバルブを開閉するボタン部と、前記ノズル部および前記ボタン部を収容するカバー部とから成るエアゾール容器用アクチュエータであって、
前記ボタン部が前記ノズル部に対し前後方向にスライド可能に構成されていると共に、前記カバー部に対し上下方向位置の異なる2箇所でそれぞれ係合可能に構成され、前記ボタン部を前方にスライドした時に、該ボタン部が押し下げられ、内容物が噴射される噴射ロック解除状態に移行するように構成されてなり、
前記ノズル部は、前記ボタン部がスライドする横ガイドプレートと縦ガイドプレートを備えていると共に、前記ボタン部は、前記横ガイドプレート上をスライドする凸状スライダーと、前記縦ガイドプレートを狭みながらスライドする一対の縦スライドプレートをそれぞれ備えていることを特徴とするエアゾール容器用アクチュエータ。
前記ノズル部の縦ガイドプレートの外周面には前記ボタン部の縦スライドプレートの内周面に形成された凸部に係合する第1凸部及び第2凸部がそれぞれ形成されている請求項1に記載のエアゾール容器用アクチュエータ。
前記ボタン部は前記カバー部に係合する第1および第2係合片を備えていると共に、前記カバー部は該第1係合片に係合する内側ハウジングと、該第2係合片に係合する外側ハウジングをそれぞれ備えている請求項1に記載のエアゾール容器用アクチュエータ。
前記カバー部の内側ハウジングには前記ボタン部の第1係合片が係合する内側ハウジング開口が形成されていると共に、前記外側ハウジングには前記第2係合片が係合する外側ハウジング開口が形成され、該内側ハウジング開口は該外側ハウジング開口よりも後方に形成されている請求項6に記載のエアゾール容器用アクチュエータ。
前記カバー部底面には、前記ノズル部を接続するポート部と、該ポート部を取り囲む形態で前記カバー部の胴部内周面にまで延びる第1切り欠き部と、該第1切り欠き部を取り囲む形態で前記カバー部の胴部内周面にまで延びる残底面と、該残底面を取り囲む形態で胴部内周面にまで延びる第2切り欠き部がそれぞれ形成されている請求項7又は8に記載のエアゾール容器用アクチュエータ。
【背景技術】
【0002】
使用済みのエアゾール容器をゴミとして廃棄する際、容器内部に残存するガスを脱気しなければならないこととされている。そのため、種々のエアゾール容器用ガス抜き機構が提案されている。
その1つには、容器のバルブを開閉する押し下げ部材が、枢着軸を中心として回動可能にカバー筒内に取り付けられ、その押下げ部材の上面には、横方向に巾広のストッパーが長手方向に対し摺動自在に設けられ、そのストッパーを押し下げながらノズル側に移動させることにより、ストッパーのストッパ片がカバー筒の係止片の受面に係合し、その結果、押下げ部材の押下げ状態がロックされ、手を離してもノズルからガスが噴出し続けるように構成されているエアゾール容器が知られている(特許文献1を参照。)。
上記エアゾール容器は、アクチュエータ部に予めガス抜き機構を組み込んだものであるが、ガス抜き機構を治具として容器底部にアクチュエータ部とは別途独立に着脱可能に構成し、廃棄する際に、アクチュエータ部を取り外し、それに換えてその治具(ガス抜き用キャップ)を、容器のステムと、その外側のマウンティングカップに嵌合させることにより、ステムの押し下げ状態が維持(ロック)され、その結果、ガスの噴出状態が維持され、容器内部の残存ガスを脱気することが出来るように構成されたエアゾール容器が知られている(特許文献2を参照。)。
上記エアゾール容器では、ガス抜き機構を容器のステムに装着するため、容器のステムに予め取り付けられているアクチュエータ部を取り外す作業が別途発生する。
その作業を不要にするために、治具としての係合片がカバー体の側方に格納され、ガス抜きの際、この係合片がカバー体から取り外され、操作ボタンのノズルと反対側の端部に嵌め込まれ、ユーザーが操作ボタンを押し下げることにより、係合片がカバー体のフック部に係合し、ステムの押し下げ状態がロックされ、その結果、ガスの噴出状態が維持され、容器内部の残存ガスを脱気することが出来るように構成されたエアゾール容器が知られている(特許文献3を参照。)。
ところで、上記ガス抜き機構の他に、ユーザーが誤ってアクチュエータを押した場合に、アクチュエータの押し下げを制限する噴射ロック機構(誤噴射防止機構)を備えたエアゾール容器が知られている(特許文献4を参照。)。
このエアゾール容器では、スライド可能な移動部材がノズルの倒れ方向にスライドすることにより、固定部材の傾動規制部が移動部材の貫通孔の内周面に嵌合し、その結果ノズルの倒れを防止する邪魔部材となり、これにより内容物が噴射されないように構成されている(特許文献4を参照。)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガス抜き機構と噴射ロック(誤噴射防止)機構は、一般に相反する機構である。従って、従来のエアゾール容器は、ガス抜き機構または噴射ロック機構の何れか一方の機構のみを備えていた。
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み考案されたものであって、その目的は、指先のワンタッチの動作で噴射ロック解除モード及び通常噴射モードに加え、誤噴射防止モード(噴射ロックモード)及びガス抜きモード(連続噴射モード)等の各モード設定を容易に実施することが出来ると共に、ボタン部の前方へのスライド操作で容易に噴射ロック解除モードを実施することが出来るエアゾール容器及びそのアクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために請求項1に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、容器のバルブと接続し内容物を外部に噴射するノズル部と、該ノズル部を押し下げ容器のバルブを開閉するボタン部と、前記ノズル部および前記ボタン部を収容するカバー部とから成るエアゾール容器用アクチュエータであって、
前記ボタン部が前記ノズル部に対し前後方向にスライド可能に構成されていると共に、前記カバー部に対し上下方向位置の異なる2箇所でそれぞれ係合可能に構成され、前記ボタン部を前方にスライドした時に、該ボタン部が押し下げられ、内容物が噴射される噴射ロック解除状態に移行するように構成されてなり、
前記ノズル部は、前記ボタン部がスライドする横ガイドプレートと縦ガイドプレートを備えていると共に、前記ボタン部は、前記横ガイドプレート上をスライドする凸状スライダーと、前記縦ガイドプレートを狭みながらスライドする一対の縦スライドプレートをそれぞれ備えていることを特徴とする。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、ボタン部がノズル部に対し前後方向にスライド可能に、更にはカバー部に対し上下方向位置が異なる2箇所でそれぞれ係合可能に構成されているため、ボタン部のノズル部に対する前後方向両端のスライド停止位置によって、「噴射ロック解除モード及び通常噴射モード」又は「噴射ロックモード及びガス抜きモード」の何れか一方を選択することが可能となり、更にはボタン部のカバー部に対する上下方向の係合位置によって、「噴射ロックモード」又は「ガス抜きモード」の何れか一方を選択することが可能となる。
また、上記エアゾール容器用アクチュエータでは、指先のワンタッチの動作で各モードを切り換えることが出来るように、特に、指先のワンタッチの動作でボタン部を上記スライド停止位置に素早く移動させることが出来るように、ボタン部の凸状スライダーがノズル部の横ガイドプレート上をスライドすると共に、ボタン部の一対の縦スライドプレートがノズル部の縦ガイドプレートを挟みながらスライドするようにした。
【0007】
請求項
2に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、前記ノズル部の縦ガイドプレートの外周面には前記ボタン部の縦スライドプレートの内周面に形成された凸部に係合する第1凸部及び第2凸部がそれぞれ形成されていることとした。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、ノズル部の縦ガイドプレートの外周面と、ボタン部の縦スライドプレートの内周面に上記凸部がそれぞれ形成されていることにより、例えば、上記凸部が上記第1凸部に係合する位置、あるいは上記凸部が上記第2凸部に係合する位置に、ボタン部の上記スライド停止位置をそれぞれ対応させることにより、ボタン部を上記スライド停止位置で素早く停止させることが出来るようになる。
【0008】
請求項
3に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、前記ボタン部が前記ノズル部の横ガイドプレートに当接すると同時に、該ボタン部の縦スライドプレートの凸部が前記縦ガイドプレートの第1凸部に係合するように構成されていることとした。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、上記構成によって、ボタン部を上記スライド停止位置で素早く停止させることが出来るようになる。
【0009】
請求項
4に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、前記ボタン部が前記ノズル部の縦ガイドプレートに当接すると同時に、該ボタン部の縦スライドプレートの凸部が前記縦ガイドプレートの第2凸部に係合するように構成されていることとした。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、上記構成によって、ボタン部を上記スライド停止位置で素早く停止させることが出来るようになる。
【0010】
請求項
5に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、前記ボタン部の指先を受ける面は、先端部が上方に反っていることとした。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、ボタン部の指先を受ける面を上記構成とすることによって、ユーザがボタン部を操作し易くなる。
【0011】
請求項
6に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、前記ボタン部は前記カバー部に係合する第1および第2係合片を備えていると共に、前記カバー部は該第1係合片に係合する内側ハウジングと、該第2係合片に係合する外側ハウジングをそれぞれ備えていることとした。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、上記構成によって、ボタン部をカバー部の上下方向位置が異なる2箇所でそれぞれ係合させることが可能となる。
【0012】
請求項
7に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、前記カバー部の内側ハウジングには前記ボタン部の第1係合片が係合する内側ハウジング開口が形成されていると共に、前記外側ハウジングには前記第2係合片が係合する外側ハウジング開口が形成され、該内側ハウジング開口は該外側ハウジング開口よりも後方に形成されていることとした。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、ボタン部の第1係合片をカバー部内側ハウジングの上下方向位置が異なる開口外と開口内の2箇所でそれぞれ係合させることにより、ノズル部の噴射制限ロックまたは噴射状態持続を選択することが可能となる。また、第2係合片をカバー部の外側ハウジング開口に係合させることにより、ボタン部を前後方向のスライド端部で素早く停止させることに寄与するようになる。
特に、カバー部の内側ハウジング開口が外側ハウジング開口よりも後方に設けられ、且つボタン部の第1係合片が第2係合片よりも後方に形成されている場合は、ボタン部を前方にスライドさせる時にボタン部を押し下げることが出来る噴射ロック解除モードに移行するように構成することが出来る。
【0013】
請求項
8に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、前記カバー部内側ハウジング開口には、前記ボタン部の前後方向のスライドを阻害する邪魔板が設けられていることとした。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、上記邪魔板の存在によって、ユーザーは邪魔板を破損しなければ、ガス抜きモードを実施できなくなり、邪魔板を破損する際、ガス抜きモードに移行する意思の確認を求められることになる。これにより、ユーザーが誤ってガス抜きモードに移行することを防止することが可能となる。
【0014】
請求項
9に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、前記カバー部底面には、前記ノズル部を接続するポート部と、該ポート部を取り囲む形態で前記カバー部の胴部内周面にまで延びる第1切り欠き部と、該第1切り欠き部を取り囲む形態で前記カバー部の胴部内周面にまで延びる残底面と、該残底面を取り囲む形態で胴部内周面にまで延びる第2切り欠き部がそれぞれ形成されていることとした。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、上記第1切り欠き部と上記第2切り欠き部によって挟まれる残底面は、上下方向に揺動可能な、いわゆる片持ちはり(後述の揺動床)を構成する。従って、カバー胴部内周面の反対の端部に交差プレートを設ける場合、ボタン部は前後方向にスライド可能であるから、ボタン部内周面に、例えば交差プレートに係合するカムプレートを設けることにより、ボタン部の前後方向のスライド又は上下方向の移動に連動させて、カムプレートが交差プレートに係合するようにすることが可能となる。
【0015】
請求項
10に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、前記残底面は、上下方向に対し揺動可能に構成されていると共に、前記ポート部側の端部には交差プレートを備えることとした。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、残底面を上記構成とすることにより、交差プレートの上下方向の変位によってノズル部の噴口近傍を遮蔽あるいは露出させることが選択的に出来るようになる。
【0016】
請求項
11に記載のエアゾール容器用アクチュエータでは、前記ボタン部の内周面には前記交差プレートに係合する係合プレートを備えることとした。
上記エアゾール容器用アクチュエータでは、前記ボタン部内周面に係合プレートを設けることにより、交差プレートによるノズル部噴口近傍の遮蔽あるいは露出を、ボタン部の前後方向のスライド又は上下方向の移動に連動させることが出来るようになる。これにより、例えば、内容物の噴射を制限する噴射ロックモードにおいてはノズル部の噴口を遮蔽し、光による内容物の変性を防ぐと共に内容物が付着した噴口周りを外部に露出させないようにする一方、内容物の噴射を制限しない通常噴射モード等においてはノズル部の噴口周りを露出させ、内容物の噴霧・拡散の妨げにならないようにすることが出来るようになる。
【0017】
請求項
12に記載のエアゾール容器では、請求項1から
11の何れかに記載のアクチュエータが取り付けられていることを特徴とする。
上記エアゾール容器では、アクチュエータとして請求項1から
11の何れかに記載のアクチュエータが取り付けられていることにより、指先のワンタッチの動作で、例えばボタン部を前方にスライドさせる時に噴射ロック解除モードに移行し、噴射ロック解除モードからボタン部を押し下げることにより通常噴射モードに移行し、他方、噴射ロック解除モードからボタン部を後方にスライドさせる時に誤噴射防止モード(噴射ロックモード)に移行し、或いは噴射ロック解除モードからボタン部を押し下げた状態で後方にスライドさせる時にガス抜きモード(連続噴射モード)に移行することが出来るようになる。更に、内容物の噴射を制限する噴射ロックモードにおいてはノズル部の噴口を遮蔽し、光による内容物の変性を防ぐと共に内容物が付着した噴口周りを外部に露出させないようにする一方、内容物の噴射を制限しない通常噴射モード等においてはノズル部の噴口周りを露出させ、内容物の噴霧・拡散の妨げにならないようにすることが指先のワンタッチの動作で出来るようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のエアゾール容器用アクチュエータによれば、エアゾール容器に適用することにより、指先のワンタッチの動作で噴射ロック解除モード及び通常噴射モードに加え、誤噴射防止モード(噴射ロックモード)及びガス抜きモード(連続噴射モード)を実施することが出来るようになる。
特に、指先のワンタッチの動作で、上記各モードを軽快に素早く切り換えることが出来るように、ボタン部の内周面前方に形成された凸状スライダーがノズル部の横ガイドプレート上をスライドすると共に、ボタン部の内周面後方に形成された一対の縦スライドプレートがノズル部の縦ガイドプレートを挟みながらスライドするように構成され、更にはボタン部の縦スライドプレートの内周面ならびにノズル部の縦ガイドプレートの外周面には凸部、第1凸部および第2凸部がそれぞれ形成され、ボタン部とノズル部が当たる前後方向スライド両端位置において凸部と第1凸部、凸部と第2凸部がそれぞれ係合するように構成されている。他方、ボタン部はカバー部に対し上下方向位置が異なる2箇所で係合することが出来るように、カバー部が外側ハウジングと内側ハウジングの2段構造から成り、各ハウジングには開口が設けられ、ボタン部の上部両側に形成されたロック片が内側ハウジング開口の上縁と、上面にそれぞれ係合し、なお且つ、ロック片よりも更に外側に形成されたストッパ片が、ボタン部とノズル部が当たる前後方向スライド両端位置において外側ハウジング開口内側に係合するように構成されている。また、ボタン部の指先を受ける受面は先端部が上方に反った構造を成している。これにより、本発明の上記アクチュエータを備えたエアゾール容器は、指先のワンタッチの動作で軽快に素早く噴射ロック解除モード、通常噴射モード、噴射ロックモード及びガス抜きモードの各モードを容易に切り換えることが出来るようになる。
また、本発明のエアゾール容器用アクチュエータによれば、カバー部の内側ハウジング開口が外側ハウジング開口よりも後方に設けられ、且つボタン部のロック片がストッパ片よりも後方に形成されている場合は、ボタン部が前方にスライドした時に噴射ロック解除モード(噴射可能状態)に移行するように構成することが出来るようになる。
また、本発明のエアゾール容器用アクチュエータによれば、内容物の噴射を制限する噴射ロックモードにおいてはノズル部の噴口を遮蔽し、光による内容物の変性を防ぐと共に内容物が付着した噴口周りを外部に露出させないようにする一方、内容物の噴射を制限しない通常噴射モード等においてはノズル部の噴口周りを露出させ、内容物の噴霧・拡散の妨げにならないようにすることが指先のワンタッチの動作で出来るようになる。
特に、カバー部底面の一部分がノズル部接続ポートを取り囲む形態で上下方向に対し揺動可能に構成され、且つポート側の端部に交差プレートが設けられ、なお且つボタン部内周面に交差プレートに係合する係合プレートが設けられている。これにより、交差プレートによるノズル部の噴口周りの遮蔽あるいは露出を、ボタン部の前後方向のスライド又は上下方向の移動、すなわち上記各噴射モードの切り換えに連動させることが出来るようになる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0021】
図1は、本発明のエアゾール容器用アクチュエータ100を示す要部断面説明図である。
このエアゾール容器用アクチュエータ100は、容器のバルブ(ステム)に連結し、内容物を外部に噴霧・拡散する噴口としてのノズル部10と、ノズル部10を押し下げてバルブを開として内容物をノズル部10に導入するボタン部20と、ノズル部10及びボタン部20を収容するカバー部30とを具備して構成される。なお、詳細については、
図5−7を参照しながら後述するが、本アクチュエータ100は、指先の軽い動作、いわゆるワンタッチで「噴射ロック解除モード」(中立モード)、「通常噴射モード」(「オン/オフ噴射モード」)、「誤噴射防止モード」(「噴射ロックモード」)、「ガス抜きモード」(「連続噴射モード」又は「噴射状態維持モード」)という4つのモードを容易に切り換えることが出来るように、ボタン部20はノズル部10に対し前後方向にスライドすることが出来ると共に、ボタン部20はカバー部30に対し上下方向位置の異なる2箇所でそれぞれ係合することが出来るように構成されている。つまり、本アクチュエータ100では、先ずボタン部20のノズル部10に対する前後方向のスライド両端位置によって、噴射ロック解除モード及び通常噴射モードと、誤噴射防止モード及びガス抜きモードの切り換えが行われ、そして誤噴射防止モードとガス抜きモードの切り換えはボタン部20のカバー部30に対する上下方向係合位置によって決定されるように構成されている。なお、本実施例では、ボタン部20の操作性について、ボタン部20を前方にスライドさせる時に、ボタン部20を押し下げることにより内容物が直ちに噴射される噴射ロック解除モード(中立モード)に移行し、他方、ボタン部20を後方にスライドさせる時にボタン部20を押し下げることが出来なくなる噴射ロックモードに移行するように構成されている。また、ここで言う「前方」とはノズル部10から噴霧される内容物の噴霧方向を示し、「後方」とは上記噴霧方向の反対方向を示すものとする。
以下、各構成について説明する。
【0022】
図2は、本発明に係るノズル部10を示す説明図である。なお、
図2(a)は上面図であり、同(b)は正面図であり、同(c)は左側面図であり、同(d)は同(a)のA−A断面図である。
図2(a)〜(c)に示すように、このノズル部10は、ボタン部20がノズル部10に対し前後方向にスライドすることが出来るように、ボタン部20を支持しながらボタン部20を前後方向にスライドさせ、ボタン部20のスライドに係る一方のスライド端位置を規定する横ガイドプレート11と、同じくボタン部20をスライドさせ、ボタン部20のスライドに係る他方のスライド端位置を規定すると共に、ボタン部20をスライド両端位置において素早く停止させる縦ガイドプレート12と、内容物を外部に噴射する噴射部13とを備えている。
【0023】
横ガイドプレート11は、両側部がボタン部20の側方内周面に形成された溝に嵌合し、その上面を後述するボタン部20の凸スライダーがスライドする。
【0024】
縦ガイドプレート12は、後述するボタン部20の縦スライドプレート間に嵌合し、その縦スライドプレートが縦ガイドプレート12の外周面に沿ってスライドする。また、縦ガイドプレート12の両側面には第1凸部12a、第2凸部12bがそれぞれ形成されている。詳細については後述するが、ボタン部20が第1凸部12aに嵌合する時が、本アクチュエータの「誤噴射防止モード」と「ガス抜きモード」に対応し、一方、ボタン部20が第2凸部12bに嵌合する時が、本アクチュエータの「噴射ロック解除モード」と「通常噴射モード」にそれぞれ対応することになる。なお、「誤噴射防止モード」と「ガス抜きモード」の切り換えは、ボタン部20のカバー部30に対する上下方向係合位置によって決定される。すなわち、ユーザがボタン部20を押し下げずに後方にスライドさせる時が、誤噴射防止モードに対応し、一方、ユーザがボタン部20を押し下げて後方にスライドさせる時が、ガス抜きモードに対応する。
【0025】
図2(d)に示すように、噴射部13の内面には容器バルブが挿通される導管部13aが形成されている。なお、噴射部13の下方外周面は後述するカバー部30の接続ポート内に嵌め込まれる。
【0026】
図3は、本発明に係るボタン部20を示す説明図である。なお、
図3(a)は上面図であり、同(b)は同(a)のB−B断面図であり、同(c)は右側面図であり、同(d)は左側面図である。
ボタン部20は、ユーザの指先を受けるフィンガーチップ受け21と、カバー部30と係合するロック片22(第1係合片)と、同じくカバー部30と係合するストッパ片23(第2係合片)とを備えている。
【0027】
図3(a),(c),(d)に示すように、ボタン部20の上部の両サイド部には、横方向に張り出したロック片22,22と、更に外側に張り出したストッパ片23,23がそれぞれ形成されている。ロック片22は、後述するカバー部30の内側ハウジングに係合し、ボタン部20の押し下げを制限し内容物の噴射をロックし、或いはボタン部20の戻りを制限し内容物の噴射状態を持続(ロック)させる。ストッパ片23は、ボタン部20がノズル部10に当接する位置で、後述するカバー部30の外側ハウジング開口に係合し、ボタン部20の素早い停止を補助するように構成されている。なお、ボタン部20を前方にスライドさせる時に噴射ロック解除モード(中立モード)に移行するように、ロック片22はストッパ片23よりも先端に対し後方に形成されている。
【0028】
また、
図3(b)に示すように、ボタン部20の上部内周面には、ノズル部10の横ガイドプレート11上をスライドする凸スライダー24が形成されている。また、後部内周面にはノズル部10の縦ガイドプレート12に沿ってスライドする一対の縦スライドプレート25,25が形成されている。また、詳細については
図5−6を参照しながら後述するが、縦スライドプレート25の内周面には、ノズル部10の縦ガイドプレート12の第1凸部12aおよび第2凸部12bに係合する凸部25aが形成されている。なお、一対の縦スライドプレート25,25の最小隙間は、ノズル部10の縦ガイドプレート12の最大幅(第1凸部12aまたは第2凸部12bでの最大幅)よりも狭くなっている。
【0029】
また、
図3(b)に示すように、フィンガーチップ受け21は、先端部が上方に反っており、ユーザーが指先で操作し易いように構成されている。
【0030】
図4は、本発明に係るカバー部30を示す説明図である。なお、
図4(a)は、斜視図であり、同(b)は上面図であり、同(c)は同(b)のC−C断面図であり、同(d)は同(b)のD矢視図である。
図4(a)に示すように、カバー部30は、ノズル部10が嵌め込まれるノズル部接続ポート31と、ボタン部20のロック片22が係合する内側ハウジング32と、ボタン部20のストッパ片23が係合する外側ハウジング33とから成る。内側ハウジング32および外側ハウジング33は中空構造を成している。
【0031】
また、
図4(c)に示されるように、内側ハウジング32の内側内周面の、隣接する2面がそれぞれ矩形状に切り取られ、内側ハウジング開口32aが形成されている。一方、外側ハウジング33の内側内周面は矩形状に切り取られ、外側ハウジング開口33aが形成されている。
【0032】
内側ハウジング開口32aはボタン部20のロック片22が係合し、外側ハウジング開口33aは、ボタン部20のストッパ片23が係合する。誤噴射防止モードでは、ボタン部20のロック片22が内側ハウジング32の上面32bに係合し、ガス抜きモードでは、ロック片22は内側ハウジング開口32aの開口上縁32cに係合する。また、誤噴射防止モード又はガス抜きモードに切り換わる際、ストッパ片23が外側ハウジング開口33aの縦後縁33a_rに当接し、一方、噴射ロック解除モード又は通常噴射モードに切り換わる際は、ストッパ片23が外側ハウジング開口33aの縦前縁33a_fに当接するように構成されている。なお、ボタン部20を前方にスライドさせる時に噴射ロック解除モード(中立モード)に移行するように、内側ハウジング開口32aは外側ハウジング開口33aよりも邪魔板32dに対し後方に形成されている。
【0033】
また、
図4(c),(d)に示すように、内側ハウジング開口32aの、外側ハウジング開口33aに隣接する部位には、邪魔板32dが形成されている。この邪魔板32dは、通常噴射モード時においてユーザが誤ってガス抜きモードに移行させることを防止するためのものである。つまり、ユーザは、ガス抜きモードに移行する際、邪魔板32dを破断(除去)しなければならなくなり、必然的にガス抜きモードに移行する意思の確認を迫られることになり、自己の意思と無関係に誤ってガス抜きモードに移行することが防止されることになる。
【0034】
図5−6は、ノズル部10とボタン部20の係合形態を示す説明図である。なお、
図5は誤噴射防止モード又はガス抜きモード時の係合形態を示し、一方、
図6は噴射ロック解除モード又は通常噴射モード時の係合形態を示している。
図5(a)に示すように、誤噴射防止モード又はガス抜きモードでは、ボタン部20がノズル部10に対し最後方までスライドした状態にある。この時、
図5(b)に示すように、ボタン部20の縦スライドプレート25の凸部25aが、ノズル部10の縦ガイドプレート12の第1凸部12aに係合するのと同時に、ノズル部10の横ガイドプレート11の先端がノズル部20の内周面前方に当接している。なお、モードに移行する時ノズル部20のストッパ片23はカバー部30の外側ハウジング開口33aの縦後縁33a_rに当接し、全体としてボタン部20がノズル部10に対し素早く停止するように構成されている。
【0035】
一方、
図6(a)に示すように、噴射ロック解除モード又は通常噴射モードでは、ボタン部20がノズル部10に対し最前方までスライドした状態にある。この時、
図6(b)に示すように、ボタン部20の凸部25aがノズル部10の縦ガイドプレート12の第2凸部12bに係合するのと同時に、ノズル部10の縦ガイドプレート12はノズル部20の後方内周面に当接している。なお、モードに移行する時ノズル部20のストッパ片23はカバー部30の外側ハウジング開口33aの縦前縁33a_fに当接し、全体としてボタン部20がノズル部10に対し素早く停止するように構成されている。
【0036】
図7は、本発明のエアゾール容器用アクチュエータ100の動作を示す説明図である。 この図は、
図4のE−E断面における本アクチュエータ100の各モードでのボタン部20とカバー部30との係合状態を示している。
図7(a)は、上記アクチュエータ100が噴射ロック解除モード(中立モード)、すなわちボタン部20を押し下げることにより内容物が直ちに噴射される状態にあることを示している。この中立モードでは、ボタン部20はノズル部10(図示せず)に対し最前方にスライドした位置にあり、ボタン部20のストッパ片23は、カバー部30の外側ハウジング33の外側ハウジング開口33aの縦前縁33a_f近傍にある。
【0037】
図7(b)は、上記アクチュエータ100が通常噴射モード状態にあることを示している。ボタン部20を
図7(a)の中立位置から押し下げて容器のバルブを開とし、ノズル部10(図示せず)から内容物が噴射されている。ユーザーがボタン部20の押し下げを停止すると、バルブに内蔵されるバネの弾性力によってボタン部20は自動的に
図7(a)の中立位置まで戻されることになる。
【0038】
図7(c)は、上記アクチュエータ100が誤噴射防止モード状態にあることを示している。ボタン部20を
図7(a)の中立位置から押し下げずに後方にスライドさせて、ボタン部20のロック片22を内側ハウジング32の上面32bに載せてある。これにより、ユーザーはボタン部20を押し下げることが出来なくなり、内容物の噴射が制限される。
【0039】
図7(d)は、上記アクチュエータ100がガス抜きモード状態にあることを示している。ボタン部20を
図7(a)の中立位置から押し下げて後方にスライドさせて、ボタン部20のロック片22を内側ハウジング32の開口上縁32cに係合させてある。これにより、ボタン部20の押し下げ状態がロックされ、内容物の噴射状態が持続される。
【0040】
このように、本発明のエアゾール容器用アクチュエータ100によれば、指先のワンタッチの動作で噴射ロック解除モード及び通常噴射モードに加え、誤噴射防止モード(噴射ロックモード)及びガス抜きモード(連続噴射モード)を実施することが出来るようになる。
【0041】
図8は、本発明の変形例1に係るエアゾール容器用アクチュエータ200を示す説明図である。なお、
図8(a)は斜視図であり、同(b)は正面図である。
このエアゾール容器用アクチュエータ200は、上記アクチュエータ100と同様に、ユーザーが指先のワンタッチの動作で噴射ロック解除モード、通常噴射モード、誤噴射防止モード及びガス抜きモードを実施することが出来るように構成されている。それに加え、更にノズル保護に係るノズルカバー機構が新たに付加されている。詳細については後述するが、ノズル部10’とボタン部20’の正面開口との間には、ノズルカバープレート34(交差プレート)が設けられ、本アクチュエータ200が誤噴射防止モード(噴射ロックモード)またはガス抜きモード状態にある時に、ノズルカバープレート34によってノズル部10’の噴口が覆われる(遮蔽される)ように構成され、その他の噴射モードでは噴口が露出するように構成されている。従って、本アクチュエータ200を構成するカバー部30’、ボタン部20’及びノズル部10’は、
図9−12に示す通り、上記アクチュエータ100を構成するカバー部30、ボタン部20及びノズル部10に対し、ノズルカバー機構に係る新たな構成が付加されている。
ノズルカバープレート34は、光による内容物の変性を防ぐと共に内容物が付着したノズル噴口周りを外部に露出させないようにするためのものであるから、光を遮蔽する材質から成る。
【0042】
図9は、本発明の変形例1に係るカバー部30’を示す斜視説明図である。
このカバー部30’は、上記アクチュエータ100のカバー部30と同様に、ボタン部20’を、内側ハウジング32’の上下方向位置の異なる2箇所、すなわち上面32bおよび開口上縁32cに係合させるものであるが、ノズルカバープレート34を上下方向に変位可能に構成するために、底面にはノズル部接続ポート31を取り囲む形態で内切り欠き(図示せず)と外切り欠き35が順に形成されている。外切り欠き35が形成されているため、カバー部30’では
図4(a)のような内側ハウジング開口32aと外側ハウジング開口33aを隔てる壁は設けられていない。
【0043】
図10は、本発明の変形例1に係るカバー部30’を示す説明図である。なお、
図10(a)は上面図であり、同(b)は同(a)のF−F断面図である。
図10(a)に示されるように、カバー部30’の底面には、ノズル部接続ポート31を取り囲む形態で、貫通した外切り欠き35及び内切り欠き36がそれぞれ形成され、これらの切り欠きの間には一端を胴部内周面で支持された、いわゆる片持ちばりの揺動床37が形成され、この揺動床37の他方の端部にはノズルカバープレート34が垂直に設けられている。従って、この揺動床37によって、ノズルカバープレート34は上方から荷重を印加されると、下方に変位する一方、荷重が取り除かれると元の位置に戻るようになる。
【0044】
図10(a),(b)に示されるように、ノズルカバープレート34の両側には後述するボタン部20’のカムプレート26(係合プレート)と係合するカム受け部34aがそれぞれ設けられている。なお、このノズルカバープレート34の動作については、
図13を参照しながら後述する。
【0045】
図11は、本発明の変形例1に係るボタン部20’を示す説明図である。なお、
図11(a)は下面図であり、同(b)は同(a)のG−G断面図である。
図11(a)に示されるように、このボタン部20’は上記アクチュエータ100のボタン部20と同様に、ユーザーの指先の動作に応じてノズル部10’に対し前後方向にスライドすると共に、カバー部30’に対し上下方向の異なる2箇所で係合するものであるが、ノズルカバープレート34を上下方向に変位させる駆動手段として、カムプレート26が凸スライダー24に関し対称に、内周面前方にそれぞれ設けられている。ボタン部20’のその他の部位は、ボタン部20と同じである。
【0046】
図11(b)に示されるように、カムプレート26は、ノズルカバープレート34のカム受け部34aに係合するテーパー片26a及び水平片26bと、ノズル部10’の横ガイドプレート11’に当接する垂直片26cとを備えている。ノズルカバープレート34は、カムプレート26のテーパー片26aと係合する際は、ボタン部20’の前方へのスライド量に応じて、下方へ変位させられる一方、水平片26bと係合する際は、ボタン部20’の前後方向へのスライド量に拘わらず、一定位置に拘束されるようになる。従って、例えば、ノズルカバープレート34の初期位置がテーパー片26a近傍にある場合、ボタン部20’を前方へスライドさせると、ノズルカバープレート34は、始め、ボタン部20’の後方へのスライド量に比例して下方へ変位するようになり、その後水平片26bと係合し一定位置を維持するようになる。
【0047】
なお、ボタン部20’の内周面前方に上記カムプレート26を設けたことにより、
図12に示すように、ノズル部10’の横ガイドプレート11’は、
図2(a)に示される横ガイドプレート11に比べ、カムプレート26の横幅長Lに相当する分だけ長手方向の全長が短くなっている。なお、ノズル部10’のその他の縦ガイドプレート12及び噴射部13は変わらない。
【0048】
図13は、本発明の変形例1に係るエアゾール容器用アクチュエータ200におけるボタン部20’のカムプレート26と、カバー部30’のノズルカバープレート34との係合状態を示す説明図である。また、
図14は、
図13の各噴射モードにおけるノズルカバープレート34の位置を示す説明図である。なお、
図13中の各噴射モードは、
図7の各噴射モードと同じである。
【0049】
図13(a)に示される誤噴射防止モードでは、ボタン部20’のロック片22(図示せず)がカバー部30’の内側ハウジング32(図示せず)の上面32b(図示せず)に係合し、ボタン部20’がカバー部30’に対し最も上方に変位した状態にある。この状態では、カムプレート26はノズルカバープレート34に接触していない。従って、
図14(a)に示されるように、ノズルカバープレート34はノズル噴口13bを完全に覆っており、その結果、ノズル噴口13b周りが光に直接曝されなくなると共に、ノズル噴口13b周り(内容物の付着)を外部から視認することは出来なくなる。これにより、ノズル噴口13b周りに付着した内容物が光によって変性・変質されなくなると共に、エアゾール容器としての美的外観が損なわれなくなる。
【0050】
ボタン部20’が前方へスライドする過程で、カムプレート26のテーパー片26aが、ノズルカバープレート34のカム受け部34aに係合し、その結果、揺動床37に曲げ荷重が作用し揺動床37が下方へ変位し、その結果、ノズルカバープレート34はボタン部20’のスライド量に比例して下方へ押し下げられ、その後、水平片26bが、カム受け部34aに係合し、ノズルカバープレート34はボタン部20’のスライド量に拘わらず一定位置に保持されるようになる。その後、
図13(b)に示されるように、ボタン部20’がノズル部の縦ガイドプレート12に当接し、ボタン部20’の位置およびノズルガイドプレート34の位置が固定される。この状態では、
図14(b)に示されるように、ノズルカバープレート34は、
図14(a)の誤噴射防止モードに比べ、テーパー片26aの高さh分だけ下方へ変位している。ノズル噴口13bは外部から視認することが出来る。
【0051】
ボタン部20’を更に下方へ押すと、揺動床37に更に曲げ荷重が作用し、その結果、ノズルカバープレート34が更に下方へ変位する。同時に、ノズル部10’はボタン部20’によって下方へ押し下げられ、容器のバルブが開となって内容物がノズル噴口13bから外部に噴射されるようになる。この状態では、
図14(c)に示されるように、ノズルカバープレート34は、
図14(b)の中立モードに比べ、容器バルブのストローク量分だけ下方へ更に変位し、ノズルカバープレート34のノズル噴口13b近傍の遮蔽率が最も小さい(ノズル噴口13b近傍が最も露出した)状態である。
【0052】
図13(c)の通常噴射モードからボタン部20’を後方へスライドさせると、ノズルカバープレート34のカム受け部34aは、カムプレート26の水平片26bからの拘束から解かれ、テーパー片26aと係合するようになる。その後、ボタン部20’のカムプレート26がノズル部10’の横ガイドプレート11に当接しボタン部20’が停止すると、ノズルカバープレート34はカムプレート26のテーパー片26aによって一定位置に保持されるようになる。従って、ノズルカバープレート34は、水平片26bによって押された状態(
図13(c))に比べ上方へ変位した一定位置でテーパー片26aによって保持されるようになる。この状態では、
図14(d)に示されるように、ノズルカバープレート34は、
図14(c)の通常噴射モードに比べ、テーパー片26a移動量の正弦波(サイン)分だけ上方へ変位している。