【実施例】
【0040】
1.炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液の濃度の検討
277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウムを含む0.0005M、0.005M、0.05M、0.1M、0.3M、0.5M、1.0M又は1.5M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は30℃で1分間あたり220回転させて好気的に撹拌しながら行った。なお、対照には炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液の代わりに蒸留水を用い、該混合液を5M水酸化カリウム溶液でpH10.0に調整した。反応開始48時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、この希釈液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1に示したように、1.0M炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)を用いた場合、D−酒石酸の生成量が最大値を示し、11.3g/L(モル収率は16.5%)であった。
【0043】
2.炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液中に添加する遷移金属化合物の検討
277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.01%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)、塩基性炭酸銅(II)1水和物(和光純薬社)、硫酸マンガン(II)5水和物(和光純薬社)、粉末酸化マンガン(IV)(シグマ社)、硫酸ニッケル(II)6水和物(和光純薬社)、硫酸鉄(III)n水和物(和光純薬社)又は硫酸鉄(II)6水和物(和光純薬社)を含む0.3M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は28℃で1分間あたり220回転させて好気的に撹拌しながら行った。なお、遷移金属化合物無添加の場合を対照とした。反応開始46時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、これら希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
表2に示したように、試験した7種の遷移金属化合物の全ての場合において、反応液中のD−酒石酸濃度が無添加(対照)の場合より高い値を示した。特に銅化合物、マンガン化合物又は鉄化合物の添加がD−酒石酸の生成に有効であった。
【0046】
3.炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液中に添加する酸化銅(II)濃度の検討
277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.0001%(w/v)、0.001%(w/v)、0.01%(w/v)、0.05%(w/v)、0.1%(w/v)、0.5%(w/v)、1.0%(w/v)又は2.0%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)を含む0.3M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は28℃で1分間あたり220回転させて好気的に撹拌しながら行った。なお、該粉末酸化銅(II)無添加の場合を対照とした。反応開始44時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、これら希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
表3に示したように、酸化銅(II)(粉末)を添加した全ての場合において、反応液中のD−酒石酸濃度が無添加(対照)の場合より高い値を示した。特に、0.01%(w/v)添加の場合では、23.6g/L(モル収率は34.4%)、0.05%(w/v)添加の場合では21.9g/L(モル収率は31.9%)とD−酒石酸の生成に有効であった。
【0049】
4.酸化銅(II)単独によるD−酒石酸への変換
277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.0001%(w/v)、0.001%(w/v)、0.01%(w/v)、0.05%(w/v)、0.1%(w/v)、0.5%(w/v)、1.0%(w/v)又は2.0%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)を含む蒸留水(5M水酸化カリウム溶液でpH10.0に調整した。)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は28℃で1分間あたり220回転させて好気的に撹拌しながら行った。なお、粉末酸化銅(II)無添加の場合を対照とした。反応開始48時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、これら希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
表4に示したように、炭酸塩非存在下において、酸化銅(II)による触媒効果はほとんど認められず、反応液中のD−酒石酸濃度が0.5〜1.8g/L(モル収率0.7〜2.6%)であった。この結果から、酸化銅(II)単独では、4−ケト−D−アラボン酸からのD−酒石酸への変換効率は低いことが分かった。
【0052】
5.炭酸塩の検討
277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.01%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)を含む0.3M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)、0.3M(終濃度)炭酸二ナトリウム−炭酸水素ナトリウム溶液(pH10.0)又は0.3M(終濃度)炭酸二アンモニウム−アンモニア溶液(pH10.0)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は28℃で1分間あたり220回転させて好気的に撹拌しながら行った。反応開始48時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、これら希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】
表5に示したように、試験した全ての場合においてD−酒石酸は生成され、特に炭酸二カリウム−炭酸水素カリウムの場合及び炭酸二ナトリウム−炭酸水素ナトリウムの場合で高い値を示した。
【0055】
6.粉末酸化銅(II)存在下での炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム濃度の検討
277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.01%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)を含む0.0005M、0.005M、0.05M、0.1M、0.3M、0.5M、1.0M又は1.5M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は28℃で1分間あたり220回転させて好気的に撹拌しながら行った。なお、対照には炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液の代わりに蒸留水を用い、該混合液を5M水酸化カリウム溶液でpH10.0に調整した。反応開始48時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、これら希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】
表6に示したように、炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)の濃度が0.3〜0.5Mの場合、反応液中のD−酒石酸濃度が20.3〜22.9g/L(収率は29.6〜33.4モル%)と特に高い値を示した。
【0058】
7.酸化銅(II)存在下での炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液のpHの検討
277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.01%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)を含む0.3M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH8.00、9.00、10.0、11.0又は12.0)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は28℃で1分間あたり220回転させて好気的に撹拌しながら行った。反応開始48時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、これら希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表7に示す。
【0059】
【表7】
【0060】
表7に示したように、試験した全てのpHにおいてD−酒石酸が16.2〜23.6g/L(モル収率は23.6〜34.4%)生成され、特にpH10.0の場合に最も高い値を示した。
【0061】
8.温度の検討
277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.01%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)を含む0.3M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は15℃、28℃、40℃又は60℃で1分間あたり220回転させて好気的に撹拌しながら行った。反応開始44時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、これら希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表8に示す。
【0062】
【表8】
【0063】
表8に示したように、試験した全ての温度においてD−酒石酸が11.5〜23.6g/L(モル収率は16.8〜34.4%)生成され、特に反応温度が28℃の場合に、23.6g/L(収率は34.4モル%)と最も高い値を示した。
【0064】
9.酸素の有無
277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.01%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)を含む0.3M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は28℃で1分間あたり220回転させて大気雰囲気下又は窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら行った。反応開始48時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、これら希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表9に示す。
【0065】
【表9】
【0066】
表9に示したように、大気雰囲気下ではD−酒石酸が23.6g/L(モル収率34.4%)生成され、一方、窒素ガス雰囲気下においてはD−酒石酸は全く生成されなかった。
【0067】
10.基質濃度の検討
5%(w/v)、7.5%(w/v)、10%(w/v)又は15%(w/v)の4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.01%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)を含む0.3M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は28℃で1分間あたり220回転させて好気的に撹拌しながら行った。反応開始48時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、これら希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表10に示す。
【0068】
【表10】
【0069】
表10に示したように、試験した全ての濃度においてD−酒石酸が14.2〜30.7g/L(モル収率は23.6〜34.4%)生成された。
【0070】
11.Tris・HCl溶液での検討
D−酒石酸の生成に及ぼす炭酸塩の有無について、炭酸塩からなる炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH9.5)と、炭酸塩を含まず同様の緩衝能をもつTris・HCl溶液(pH9.5)とを用い、粉末酸化銅(II)の存在下又は非存在下でのD−酒石酸の生成について検討した。
【0071】
すなわち、粉末酸化銅(II)の存在下の場合では、277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.01%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)を含む0.3M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH9.5)又は0.75M(終濃度)Tris・HCl溶液(pH9.5)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。
【0072】
一方、粉末酸化銅(II)の非存在下の場合では、277mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウムを含む0.3M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH9.5)又は0.75M(終濃度)Tris・HCl溶液(pH9.5)の総量が3mlとなるように100ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。
【0073】
これらの反応は28℃で1分間あたり220回転させて撹拌しながら行った。なお、対照には蒸留水を用い、該混合液を5M水酸化カリウム溶液でpH9.5に調整した。反応開始48時間後、該反応液を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、これら希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量した。なおこの時、1g/L濃度のD−酒石酸標準液を基準にして定量を行った。また、反応液中のD−酒石酸濃度に換算した結果を表11に示す。
【0074】
【表11】
【0075】
表11に示したように、Tris・HCl溶液を用いた場合、粉末酸化銅(II)非存在下では1.9g/L(モル収率2.8%)、粉末酸化銅(II)存在下では9.1g/L(モル収率13.3%)のD−酒石酸が生成された。一方、炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液の場合では、D−酒石酸が粉末酸化銅(II)非存在下では6.5g/L(モル収率9.5%)、粉末酸化銅(II)存在下では22.5g/L(モル収率32.8%)のD−酒石酸が生成され、Tris・HCl溶液を用いた場合のそれぞれの値と比べて高い値を示した。
【0076】
12.D−酒石酸の精製及び同定
923mgの4−ケト−D−アラボン酸カリウム及び0.01%(w/v)の粉末酸化銅(II)(シグマ社)を含む0.3M(終濃度)炭酸二カリウム−炭酸水素カリウム溶液(pH10.0)の総量が10mlとなるように300ml容三角フラスコ内で調製して反応を開始した。また、該反応は28℃で1分間あたり220回転させて好気的に撹拌しながら行った。また、反応開始45時間後、該反応液の一部を9mM過塩素酸で51倍に希釈し、この希釈液を10,000回転で10分間の遠心分離を行い、該遠心上澄液に含まれるD−酒石酸をHPLCで定量したところ、23.5g/L(モル収率は34.3%)のD−酒石酸が生成した。
【0077】
前記反応液を10℃、10,000回転で10分間遠心分離を行い、遠心上澄液を得た。また、この遠心上澄液に6M塩酸を徐々に加えてpH3.7とし、沈殿物が生成したところで、5℃の冷蔵庫で一晩保持した。
【0078】
前記沈殿物を含む冷水溶液を5℃、10,000回転で10分間遠心分離を行い、沈殿物と上澄液とに分けた。なお、目的のD−酒石酸塩が沈殿物に含まれていることをHPLCで確認した後、該沈殿物に5M水酸化カリウム溶液を加えてpH12に調整することで再度これを溶解し、5℃、10,000回転で10分間遠心分離を行い、微細粒子を除去した。
【0079】
前記遠心上澄液に、再度6M塩酸を徐々に加えてpH3.7とし、沈殿物が生成したところで、5℃の冷蔵庫で一晩保持した。
【0080】
前記沈殿物をガラスフィルタ−で集め、これを粉砕した後、室温で4時間、真空乾燥を行い、221mg(回収率は94%)の白色粉末のD−酒石酸水素カリウムを得た。
【0081】
また、前記白色粉末を用いて正確に1g/Lの水溶液を調製し、これをHPLCで分析したところ、検出されたピークはD−酒石酸の保持時間と一致し、その純度は99.7%であることが分かった。さらに、前記白色粉末200mgを水に溶解し、これを50mlのアーバンライトCG120陽イオン交換樹脂(H
+型、ロ−ム・アンド・ハ−ス社製)を充填したカラムに通過させた後、さらに脱イオン水でカラムの洗浄を行い、該カラムを通過した非吸着画分及び洗液を回収した。
【0082】
前記回収液を35℃で減圧濃縮し、得られたペ−スト状の濃縮物を50℃で少量のエタノ−ルに溶解させ、これを5℃の冷蔵庫で2〜3日保持し、結晶を得た。
【0083】
該結晶を遠心分離によって回収し、これを4時間の真空乾燥を行い、57mgの結晶を得た。
【0084】
ところで、酒石酸の分子中には2つの不斉炭素が存在するため、酒石酸にはD体、L体、meso体の3つの立体異性体が存在し、D体、L体の酒石酸が光学活性を有する。
【0085】
そこで、前記で得た結晶の比旋光度を測定し、その光学純度を求めた。すなわち、前記結晶20mgを2mlの純水に溶かし、ミクロセルを装着した旋光計(高速自動旋光計SEPA−300、堀場社製)で旋光度を3回測定し、それらの平均値から比旋光度を求めた。また、該結晶の融点を融点測定器(モデルMP−500D、柳本製作所社製)によって3回測定した。その結果を表12に示す。
【0086】
【表12】
【0087】
表12に示したように、該結晶の比旋光度及び融点は、報告されているD−酒石酸の比旋光度及び融点ともに近似値を示し、上述のHPLCにおける保持時間とも一致していることから、該結晶はD−酒石酸と同定された。