(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0033】
(第1の実施の形態)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
【0034】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0035】
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個の駆動モータ(図示せず)と、この各駆動モータによってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記駆動モータ及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる演出装置70が形成されている。この演出装置70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、表示装置84と、演出用ランプ78とを備えている。
【0036】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置84を有する演出ユニットを構成するものである。
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0037】
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0038】
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。この精算スイッチ36の左側には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又はベットスイッチの操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。なお、後述するCBB中には上記3枚投入が2枚投入に設定されている。
【0039】
なお、マックスベットスイッチ34に加えて、又はマックスベットスイッチ34に代えて、クレジットしたメダル数を1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ34を設けてもよい。
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(
図3参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
【0040】
前記前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、後述するメイン制御装置110の各遊技状態に対応した抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0041】
なお「有効ライン86」は後述の停止図柄判定手段150の判定対象となるラインを意味し、後述する小役の「入賞」等は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組合せが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64、中回転リール66の中段と、右回転リール68の下段とを結んだ折れ線状の1本のみからなるものである。
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「赤7」、「青7」、「白7」、「ベル(BEL)」、「リプレイ(REP)」、「チェリー1(CH1)」、「チェリー2(CH2)」、「スイカ1(WM1)」、「スイカ2(WM2)」、「BAR」の複数の種々の図柄61が形成されている。
【0042】
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄の番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御装置110と、このメイン制御装置110からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御装置300とを備えている。
【0043】
ここで、メイン制御装置110の制御に基づくスロットマシンの作動状態を遊技状態といい、サブ制御装置300の制御に基づくスロットマシンの作動状態を演出状態というものとする。なお、メイン制御装置110とサブ制御装置300との間は、メイン制御装置110への不正操作を防止するために、メイン制御装置110からサブ制御装置300への一方向の通信により行われ、サブ制御装置300からメイン制御装置110への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御装置110は、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。サブ制御装置300は、メイン制御装置110から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御装置300の出力側には、演出装置70としてのスピーカー72、表示装置84、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0044】
なお、特に図示していないが、メイン制御装置110を有するメイン基板と、サブ制御装置300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御装置110は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御装置300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
メイン制御装置110及びサブ制御装置300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0045】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常に行われる通常遊技が設けられている。この通常遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が通常遊技よりも高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)状態と、ストップスイッチ50の停止操作順番や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組合せを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態とが設けられている。なお、RT状態は、メイン制御装置110により制御され、AT状態は、サブ制御装置300により制御される。上記リプレイタイム(RT)状態や、アシストタイム(AT)状態は、通常状態よりも遊技者に利益となる特典を付与する可能性が高い特典遊技となるように形成されている。
【0046】
ここで、RT状態で行われている遊技をリプレイタイム遊技(RT遊技)、AT状態で行われている遊技をアシストタイム遊技(AT遊技)としている。
AT状態は、所定の移行抽選の結果に応じて所定の遊技回数だけ実行可能であるが、この実行可能な遊技回数は、所定の抽選により上乗せ可能に設定されている。この上乗せを決定する際には、いわゆる上乗せ演出が実行可能であり、この上乗せ演出としては、回転リール62を用いたリール演出と、表示装置84を用いた表示演出との両方が実行可能に形成されている。
【0047】
この上乗せ演出は、複数種類が設けられ、所定の抽選(具体的には後述する上乗せ演出獲得抽選手段185による上乗せ演出獲得抽選)により、決定される。
具体的には、上乗せ演出は、その演出内容の相違により、第1の上乗せ演出と、第2の上乗せ演出と、第3の上乗せ演出との合計3個設けられている。なお、この上乗せ演出の個数は3個に限定されるものではなく、第1及び第2の2個だけでもよく、さらに、第4、第5・・第nの上乗せ演出のように、4個以上に数値に設定してもよい。
各上乗せ演出は、メイン制御装置110で制御される複数種類のリール演出の1つと、サブ制御装置300で制御される複数種類の表示演出の1つの組み合わせからなるものである。リール演出は、回転リール62を用いた演出であって、3個の回転リール62の回転や停止、回転方向の変更、回転速度の変更、回転加速度の変更、所定図柄を揃えた状態で回転させる等の種々の手段により行われるものである。表示演出は、液晶表示装置である表示装置84に表示される動画像や静止画像等により行われる演出である。なお、表示演出に伴ってスピーカー72からの音声や音楽や効果音等は適宜行われる。
【0048】
第1の上乗せ演出は、所定のリール演出及び所定の表示演出を有する。
第2の上乗せ演出は、第1の上乗せ演出と同一のリール演出を有し、且つ第1の上乗せ演出の表示演出とは異なる表示演出を有する。
第3の上乗せ演出は、第1及び第2の上乗せ演出のリール演出とは異なるリール演出を有し、且つ第1及び第2の上乗せ演出の表示演出とは異なる表示演出を有する。
第1の上乗せ演出の表示演出は、第2及び第3の上乗せ演出の表示演出よりも、遊技者が見て期待感の高い演出になっている。
【0049】
第2の上乗せ演出の表示演出は、第3の上乗せ演出の表示演出よりも、遊技者が見て期待感の低い演出になっている。
すなわち、上乗せ演出の表示演出を遊技者が見たときの期待感は、第1、第3、第2の順に低くなっている。別の言い方をすると、第1の上乗せ演出の表示演出の期待感は、これらの中で最も高く、第2の上乗せ演出の表示演出の期待感は、これらの中で最も低く、第3の上乗せ演出の表示演出の期待感は、第1及び第2の上乗せ演出の表示演出の期待感の中程度になっている。
【0050】
また、第3の上乗せ演出における上乗せ遊技回数は、予め定めた遊技回数(基準遊技回数)に固定されている。もちろん、第3の上乗せ演出の遊技回数は、当該基準遊技回数に限定されるものではない。例えば、この基準遊技回数以外の数値に予め設定してもよい。
なお、さらに第4、第5・・の上乗せ演出のように上乗せ演出の種類を増加させるような場合には、それらの表示演出の期待感は、第1及び第2の上乗せ演出の表示演出の期待感の間となるのが好ましいものである。
なお、ここで、表示演出における期待感の高い演出とは、遊技者が当該表示演出を見て遊技者に対して大きな特典(大きな利益)が付与されるであろうと想像できるような通常の演出とは異なる演出である。具体的には、例えば、メインキャラクターと、敵のキャラクターとが、バトルを行い、メインキャラクターが勝利するような動画像が表示装置84に表示されるようなものである。また、背景画面等の一部において、その色が暗い色から赤色等の明るい色や金色等に変更される場合や、背景画面等の一部において、レインボー色(虹色である7色の色)の各色が交互に又は縞模様状に出現するような場合が含まれる。
【0051】
メイン制御装置110は、役抽選手段120、リール制御手段130、停止図柄判定手段150、通常遊技制御手段160、RT制御手段170、ボーナス遊技制御手段180、上乗せ演出獲得抽選手段185、上乗せ演出決定手段190、リール演出実行手段200、払出制御手段210及び送信手段220の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
なお、これらの手段、特に、上乗せ演出決定手段190は、メイン制御装置110ではなく、サブ制御装置300が有しても良い。
以上の構成をもって、メイン制御装置110は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
【0052】
メイン制御装置110は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段120により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。なお、本実施の形態では、後述するボーナス遊技(CBB)中のみ上記規定数が2に設定されている。
【0053】
本実施の形態では、役として、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0054】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0055】
本実施の形態に係る遊技機10では、遊技状態として、通常に行われる(一般的な遊技である)通常状態と、この通常状態よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得るボーナス状態(CBB状態)と、このボーナス状態へ移行するためのボーナス移行役に当選したにも拘わらず当該ボーナス移行役に入賞しなかった場合、すなわちボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止しなかった場合に行われるボーナス当選中状態とが設けられている(
図4参照)。
さらに、再遊技役(リプレイ役)の抽選状態として、再遊技役(リプレイ役)の抽選確率が異なる複数の状態が設けられている。遊技状態として、再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が通常遊技状態での遊技よりも高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム状態(RT状態)が設けられている。このRT状態は、メイン基板を有するRT制御手段170により制御される。
【0056】
ボーナス遊技は、移行役としてのボーナス移行役に当選し、さらにボーナス移行役に対応した図柄61の組合せ(例えば、「青7、青7、BAR」)が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から開始される遊技である。なお、ボーナス移行役は、当選時の遊技で有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組合せが揃わなくても、次回の遊技以降、有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組合せが揃うまでボーナス移行役に当選した状態が有効である。その他の役は、当選時の遊技で有効ライン86上に役に対応する図柄61の組合せが揃わなければ、次回の遊技以降は無効となる。ボーナス遊技状態は、ボーナス遊技状態中に遊技者へ払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数を超えたときに終了する。
【0057】
本実施の形態では、ボーナス遊技状態として、主にメイン制御装置110により制御されるチャレンジボーナス遊技状態(CBB)が設けられている。チャレンジボーナス遊技状態は、全ての小役を当選状態にすることで小役の入賞を容易にしているものである。なお、チャレンジボーナス遊技状態中は所定の場合にストップスイッチ50の操作時から75ms以内に停止させることになっており、通常遊技状態よりもいわゆる滑りコマ数が少なくなっている。具体的には、本実施の形態に係るチャレンジボーナス遊技状態では、右回転リール68は、右ストップスイッチRを停止操作したときのタイミングで表示位置にある図柄61と、その図柄61の1コマ上の図柄61との2コマの範囲内の中から停止可能な、いわゆる「1コマすべり」の状態となっている。本実施の形態に係るチャレンジボーナス遊技状態は28枚を超える払出枚数で終了する。もちろん、この終了条件は28枚に限定されるものではなく、他の枚数でもよいものである。
【0058】
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
役抽選手段120は、メイン制御装置110が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段120は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類として通常状態用、ボーナス状態(CBB状態)用、RT1状態(CBB当選中状態)用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御装置110のROM上に記憶されている。役抽選手段120は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段120による処理は、後述するステップ113(
図6参照)において行われる。
【0059】
リール制御手段130は、メイン制御装置110が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段130は、役抽選手段120の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段130は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(停止操作順番)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段130による処理は、後述するステップ114(
図6参照)において行われる。
【0060】
リール制御手段130は、後述する上乗せ演出決定手段190が上乗せ演出を決定した場合、表示演出の実行の前に当該上乗せ演出のリール演出を実行するものである。
停止図柄判定手段150は、メイン制御装置110が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段150による処理は、後述するステップ115(
図6参照)において行われる。
通常遊技制御手段160は、通常遊技の進行を制御するものである。ここで、通常遊技とは、後述するRT制御手段170によるリプレイタイム(RT)や、ボーナス遊技制御手段180によるCBB以外の遊技状態をいう。なお、通常遊技中は、再遊技役の当選確率は、リプレイタイム(RT)遊技中よりも低く設定されている。
【0061】
RT制御手段170は、本実施の形態では、リプレイタイム(RT)状態を制御するものである。
ボーナス遊技制御手段180は、ボーナス遊技、具体的には、CBB状態を制御するものである。
上乗せ演出獲得抽選手段185は、上乗せ演出を実行するか否かを抽選により決定するものである。具体的には、この上乗せ演出獲得抽選手段185は、役抽選手段120の役抽選の結果、予め定めた特定の役(いわゆるレア役)に当選した場合に、上乗せ演出を実行するか否かの抽選を行う。この上乗せ演出獲得抽選手段185は、遊技者のスタートスイッチ40の押下操作時の役抽選の際、上記条件を満足している場合に上乗せ演出を決定する上乗せ演出獲得抽選を実行可能に形成されている。すなわち、上乗せ演出獲得抽選手段185は、この上乗せ演出獲得抽選を実行するか否かを抽選により決定する。
【0062】
なお、この上乗せ演出獲得抽選手段185による抽選のタイミングはこれに限定されるものではなく、他の所定の契機に行うようにしてもよい。具体的には、例えば、上述したようなレア役に当選したときに限らず、毎回の遊技毎に抽選を行ってもよく、また、所定の契機から所定の遊技回数を経過したこと(いわゆる天井到達)を条件としてもよく、また、所定の遊技状態や演出状態の開始時や終了時等の所定の契機に行うようにしてもよい。また、契機となるスイッチもスタートスイッチに限定されるものではなく、ベットスイッチやストップスイッチ等の他のスイッチでもよいものであり、また、別個に専用のスイッチを設けて遊技者が操作できるようにしてもよいものである。
【0063】
上乗せ演出決定手段190は、上乗せ演出獲得抽選手段185の抽選結果、上乗せ演出獲得抽選を行うと決定された場合に、複数種類の上乗せ演出から1つの上乗せ演出を抽選により決定するものである。
リール演出実行手段200は、上乗せ演出決定手段190が決定した上乗せ演出のリール演出を実行するためのものである。
払出制御手段210は、停止図柄判定手段150の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段210は、停止図柄判定手段150の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
【0064】
送信手段220は、サブ制御装置300へ信号を送信するためのものである。
サブ制御装置300は、受信手段310及びAT制御手段320の各手段を有する。AT制御手段320は、移行抽選手段330、上乗せ遊技回数決定手段340、表示演出変更手段350及び表示演出実行手段360の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
なお、これらの手段、特に、移行抽選手段330、上乗せ遊技回数決定手段340及び表示演出変更手段350は、サブ制御装置300ではなくメイン制御装置110に配置しても良い。
以上の構成をもって、サブ制御装置300は、メイン制御装置110からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0065】
受信手段310は、送信手段220からの信号を受信するものである。
AT制御手段320は、AT状態の演出状態を制御するものである。具体的には、AT制御手段320は、移行抽選手段330と、上乗せ遊技回数決定手段340と、表示演出変更手段350と、表示演出実行手段360とを備えている。
移行抽選手段330は、AT状態へ移行するか否かを抽選(移行抽選)で決定するものである。
上乗せ遊技回数決定手段340は、上乗せ演出決定手段190による上乗せ演出の決定後に、特典遊技としてのAT状態の遊技回数に上乗せする遊技回数(上乗せ遊技回数)を決定するためのものである。
【0066】
表示演出変更手段350は、上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数に応じて表示演出を変更可能なものである。
表示演出変更手段350は、上乗せ演出決定手段190が上乗せ演出を第1の上乗せ演出に決定し、且つ上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数が予め定めた遊技回数(基準遊技回数)に達していない場合、第1の上乗せ演出の表示演出から第2の上乗せ演出の表示演出へ変更する。
表示演出変更手段350は、上乗せ演出決定手段190が上乗せ演出を第1の上乗せ演出に決定し、且つ上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達している場合、第1の上乗せ演出の表示演出を変更しない。すなわち、上乗せ演出の表示演出として、第1の上乗せ演出の表示演出が保持されることになる。
【0067】
表示演出実行手段360は、リール演出の実行中に表示演出を開始して表示演出を実行するものである。
図4に示すように、メイン制御装置110における移行状態は、通常状態と、RT1状態(CBB当選中状態)と、ボーナス状態(CBB状態)とがある。
メイン制御装置110側で管理している遊技状態の移行状態の一例を示している。
通常状態は、通常遊技制御手段160により制御される通常遊技が行われる遊技状態である。通常状態において役抽選手段120による役抽選によりボーナス(CBB)に当選した場合に、通常状態からRT1状態(CBB当選中状態)に移行する。なお、このRT1状態(CBB当選中状態)では、通常状態よりも再遊技の抽選確率が高いリプレイタイム状態(RT状態)となっている。
【0068】
なお、本実施の形態において、通常状態中では数ゲーム以内にボーナス(CBB)に当選するように設定されており、遊技状態は、RT1状態(CBB当選中状態)で遊技される割合が大きいように設定されている。
このRT1状態(CBB当選中状態)におけるRT状態は、RT制御手段170により制御される再遊技が高確率で当選する遊技状態である。RT状態において、CBBのボーナス移行役の図柄61の組合せ(青7、青7、BAR)が揃った場合に、CBB当選中状態、いわゆるRT状態からボーナス状態(CBB状態)に移行する。このボーナス状態(CBB状態)は、ボーナス遊技制御手段180により制御される。
【0069】
ボーナス状態(CBB状態)において所定枚数、例えば、28枚の払出がされた場合に、CBB状態から通常状態に移行する。
図5に示すように、サブ制御装置300において、管理される演出状態には、主なものに、サブ通常状態と、AT状態である第1AT状態(AT1)と、第1AT状態とは異なるAT状態である第2AT状態(AT2)との3つが設けられている。サブ通常状態と第1状態(AT1)との間に、第1高確率状態と、第1前兆状態と、第1準備状態とが設けてある。また、第1状態(AT1)と、第2状態(AT2)との間に、第2前兆状態と、第2準備状態とが設けてある。
【0070】
サブ通常状態中に移行抽選手段330により第1高確率状態及び第1前兆状態への移行抽選(第1高確率状態移行抽選、第1前兆状態移行抽選)が行われる。なお、サブ通常状態の遊技を予め定められた回数実行すると、いわゆる天井として第1状態(AT1)や、第1高確率状態や、第1前兆状態へ直接、移行するようにしてもよい。
また、第1状態には、第1高確率状態から第1準備状態を経て移行可能な第1状態iと
、第1前兆状態から第1準備状態を経て移行可能な第1状態ii(第1状態iとは演出内容が異なるもの)とが設けてある。
【0071】
第1高確率状態への移行に当選した場合は、第1状態(AT1)、具体的には第1状態iに移行する確率の高い状態である第1高確率状態に移行する。
第1高確率状態は、抽選によりサブ通常状態から移行する。この第1高確率状態の遊技は、所定の遊技回数(なお、この遊技回数は、予め定めた特定の遊技回数であってもよいし、また、所定の契機時に当該遊技回数を抽選により決定するようにしてもよい)だけ行われるように設定されている。なお、この遊技回数を抽選により変動させてもよい。その遊技回数の遊技中の間に、第1状態への移行抽選に当選した場合は、その遊技回数に達した後に、第1準備状態へ移行する。また、当該移行抽選に当選しなかった場合は、サブ通常状態へ戻る。なお、第1高確率状態から第1前兆状態へ抽選により移行するようにしてもよい。
【0072】
サブ通常状態において、第1前兆状態への移行に当選した場合は、所定の遊技回数(なお、この遊技回数は、予め定めた特定の遊技回数であってもよいし、また、所定の契機時に当該遊技回数を抽選により決定するようにしてもよい)の間、第1状態に当選している可能性を示唆する前兆演出を行う第1前兆状態へ移行する。
また、第1前兆状態へ移行した場合であっても、第1状態への移行に当選している場合と、第1状態への移行に当選していない場合とが含まれ、所定の遊技回数に達した場合に、第1状態への移行に当選している場合は、第1準備状態へ移行し、第1状態への移行に当選していない場合は、サブ通常状態へ戻る。
【0073】
第1準備状態は、第1状態(AT1)を実行するための準備状態である。第1準備状態は、サブ制御装置300の演出状態がすでにAT状態であるという情報をメイン制御装置110では認識されていない状態である。この状態で特定の役が当選し、所定の停止操作順序でストップスイッチ50が予め定めた所定回数だけ操作された場合に、メイン制御装置110がサブ制御装置300の演出状態を認識することとなり、第1状態(AT1)への移行や、外部出力端子への出力等の処理が行われる。
第1状態(AT1)は、演出状態がAT状態であり、AT制御手段320(
図3参照)により制御される。
【0074】
この第1状態(AT1)中の役抽選において、所定の役(いわゆるレア役と呼ばれる役)に当選した場合、上乗せ演出獲得抽選が行われる。
また、上乗せ演出獲得抽選は、上述した所定の役(いわゆるレア役)に当選した場合に限定されるものではなく、この第1状態(AT1)の初回発動時(AT1の最初の遊技)等の所定の契機で上乗せ演出獲得抽選が行われるようにしてもよく、また、毎遊技行うようにしてもよく、また、所定の遊技回数経過等により行われるようにしても良い。
なお、上乗せ演出獲得抽選に当選した際に後述する表示演出変更処理(
図7参照)が行われる。
【0075】
第1状態(AT1)中に第2状態(AT2)への移行抽選に当選しなかった場合は、所定の遊技回数に達した後に、サブ通常状態に戻る。
なお、第2状態(AT2)への移行抽選に当選しない場合であっても、第2前兆状態への移行抽選に当選する場合があり、この場合には、当該第2前兆状態終了後、第2準備状態へ移行せず、第1状態(AT1)へ戻る、いわゆるガセ前兆が行われる。
第2前兆状態への移行に当選した場合は、予め定めた所定の遊技回数(なお、この遊技回数は抽選により決定するようにしてもよい)の間、第2状態に当選している可能性を示唆する前兆演出を行う第2前兆状態へ移行する。
【0076】
また、第2前兆状態へ移行した場合であっても、第2状態(AT2)への移行に当選している場合と、第2状態(AT2)への移行に当選していない場合とが含まれ、第2前兆状態の所定の遊技回数に達した場合に、第2状態(AT2)への移行に当選している場合は、後述する第2準備状態へ移行し、第2状態(AT2)への移行に当選していない場合は、第1状態(AT1)へ戻る。
第2準備状態は、第2状態(AT2)を実行するための準備状態である。この第2準備状態は、サブ制御装置300の演出状態がすでにAT状態であるという情報をメイン制御装置110では認識されていない状態である。この状態で特定の役が当選し、所定の停止操作順序でストップスイッチ50が予め定めた所定回数だけ操作された場合に、メイン制御装置110がサブ制御装置300の演出状態を認識することとなり、第2状態(AT2)への移行や、外部出力端子への出力等の処理が行われる。
【0077】
第1準備状態中や、第2準備状態中では、予め定められた役の当選時に予め定められた停止操作順でストップスイッチ50が操作された場合には、メイン制御装置110が、サブ制御装置300の現在の演出状態が第1状態(AT1)や、第2状態(AT2)であると認識できるように設定されている。
第2状態(AT2)は、第1状態とは異なるAT状態であり、AT制御手段320により制御される。
この第2状態(AT2)中の役抽選でも、第1状態と同様に、所定の役(いわゆるレア役と呼ばれる役)に当選した場合、上乗せ演出獲得抽選が行われる。
【0078】
また、上乗せ演出獲得抽選は、上述した所定の役(いわゆるレア役)に当選した場合に限定されるものではなく、この第2状態(AT2)の初回発動時(AT2の最初の遊技)等の所定の契機で上乗せ演出獲得抽選が行われるようにしてもよく、また、毎遊技行うようにしてもよく、また、所定の遊技回数経過等により行われるようにしても良い。
なお、上乗せ演出獲得抽選に当選した際に後述する表示演出変更処理(
図7参照)が行われる。
また、ここで、本実施の形態では、上乗せ演出獲得抽選及びそれに伴う表示演出変更処理は、第1状態(AT1)と第2状態(AT2)との両方において実施可能であるが、これに限定されるものではなく、いずれか一方だけ実施可能となるようにしてもよい。
【0079】
なお、移行抽選手段330及び上乗せ遊技回数決定手段340をメイン制御装置110に配置して、AT状態の遊技回数をメイン制御装置により管理するようにしてもよい。かかる場合、上述した第1準備状態及び第2準備状態が不要となる。なお、移行抽選手段330、上乗せ遊技回数決定手段340及び表示演出変更手段350をメイン制御装置110に配置した一例を後述する第4の実施の形態で説明する。かかる場合には第1準備状態及び第2準備状態が不要になる。
図6に示すフローチャートに基づいて、メイン制御装置110が1回の遊技毎に実行する遊技制御処理について説明する。
【0080】
ステップ112において、メイン制御装置110により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御装置110により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ113に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ112となる。
なお、このステップ112の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御装置110により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(2又は3)に達しているか否かの判定が行われる。
【0081】
ステップ113において、役抽選手段120により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップ114に進む。
なお、この役抽選処理の結果に基づいて、上乗せ獲得抽選処理が行われ、上乗せ獲得抽選に当選した場合には、さらに上乗せ演出の種類の抽選処理が行われる等の一連の処理が行われる。詳細は、
図7のフローチャートで説明する。
ステップ114において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御装置110により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段130により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する停止操作順番は、メイン制御装置110に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
【0082】
また、全ての停止操作終了後、メイン制御装置110の送信手段220からサブ制御装置300の受信手段310へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、全ての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップ115に進む。
ステップ115において、停止図柄判定手段150により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップ116に進む。
【0083】
ステップ116において、払出制御手段210により、停止図柄判定手段150の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
図7に示すフローチャートに基づいて、上乗せ演出獲得抽選を有する表示演出変更処理について説明する。
先ず、ステップ210において、役抽選手段120の役抽選の結果、予め定めた所定の役(いわゆるレア役)に当選したか否かが判定される。当該役に当選したと判定された場合、次のステップ211に進み、当該役に当選していないと判定された場合、表示演出変更処理は終了する。
【0084】
ステップ211において、上乗せ演出獲得抽選手段185により、上乗せ演出獲得抽選処理が行われる。そして、次のステップ212に進む。
ステップ212において、上乗せ演出獲得抽選処理における上乗せ演出獲得抽選に当選したか否かが判定される。そして、上乗せ演出獲得抽選に当選していると判定された場合、次のステップ213に進み、上乗せ演出獲得抽選に当選していないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ213において、上乗せ演出決定手段190により、複数の上乗せ演出(第1〜3の上乗せ演出)の種類のうち、いずれか1つの上乗せ演出が抽選により選択される。そして、次のステップ214に進む。
【0085】
ステップ214において、ステップ213の上乗せ演出種類の抽選で第1の上乗せ演出に決定されたか否かが判定される。そして、第1の上乗せ演出に決定されたと判定された場合、次のステップ215に進み、当該抽選で第1の上乗せ演出に決定されていないと判定された場合、ステップ221に進む。
なお、第1の上乗せ演出に決定された場合、表示演出の実行の前にリール制御手段130により第1の上乗せ演出のリール演出が実行されるものである。
ステップ215において、上乗せ遊技回数決定手段340により、上乗せ遊技回数抽選処理が行われる。そして、次のステップ216に進む。
【0086】
ステップ216において、前記上乗せ遊技回数抽選処理により決定された上乗せ遊技回数と、予め定められて記憶されている基準遊技回数とが採取され、両者の数値の比較が行われる。そして、次のステップ217に進む。
ステップ217において、前記上乗せ遊技回数抽選処理で決定された上乗せ遊技回数が、予め定められた基準遊技回数に未達成か否かが判定される。前記上乗せ遊技回数が基準遊技回数に未達成である(すなわち達成していない)と判定された場合、次のステップ218に進み、前記上乗せ遊技回数が基準遊技回数に未達成でない(すなわち達成している)と判定された場合、ステップ220に進む。
【0087】
ステップ218において、表示演出変更手段350により、上乗せ演出の演出データが、第1の上乗せ演出から第2の上乗せ演出に変更される。そして、次のステップ219に進む。
ステップ219において、表示演出実行手段360により、演出装置70の表示装置84等により第2の上乗せ演出が実行される。そして、表示演出変更処理が終了する。
一方、前記ステップ214で、上乗せ演出種類の抽選で第1の上乗せ演出が決定されなかったと判定された場合は、ステップ221において、表示演出実行手段360により第3の上乗せ演出が実行される。そして、表示演出変更処理が終了する。
【0088】
一方、前記ステップ217で上乗せ遊技回数抽選で決定された上乗せ遊技回数が基準遊技回数に未達成でない(すなわち達成している)と判定された場合、ステップ220において、表示演出実行手段360により第1の上乗せ演出が実行される。
ここで、上述したフローチャートでは、メイン制御装置110で行われる部分と、サブ制御装置300で行われる部分とを分けることなく、制御装置100全体で行われる処理として記載されている。
図7のフローチャートでは、AA点線ラインより上に記載されているステップ210〜214がメイン制御装置110で行われ、AA点線ラインより下に記載されているステップ215〜221がサブ制御装置300で行われている。その際、ステップ214の上乗せ演出として、第1の上乗せ演出が決定されている、又は、決定されていない旨の情報が、メイン制御装置110の送信手段220から、サブ制御装置300の受信手段310へ送信される。
【0089】
なお、メイン制御装置110とサブ制御装置300への各手段の配置は、上述したものに限定されることはない。例えば、
図7のフローチャートのBB点線ラインより上に記載されているステップ210〜218がメイン制御装置110で行われ、BB点線ラインより下に記載されているステップ219〜221がサブ制御装置300で行われるようにしてもよい。この場合の各手段の配置は、例えば後述する
図11のようになるものであり、これらの詳細は、第4の実施の形態で説明する。
本実施の形態では、上述したような構成を有することにより、以下のような作用及び効果を有する。
【0090】
本実施の形態では、上乗せ演出決定手段190が複数の上乗せ演出(第1〜第3の上乗せ演出)から1つの上乗せ演出を決定し、リール演出実行手段200が、その上乗せ演出のリール演出を実行する。上乗せ演出決定手段190による上乗せ演出の決定後に、上乗せ遊技回数決定手段340が特典遊技としてのAT状態の遊技回数に上乗せする遊技回数(上乗せ遊技回数)を決定する。表示演出変更手段350が前記上乗せ遊技回数に応じて表示演出を変更した場合、表示演出実行手段360がリール演出の実行中に前記表示演出を開始する。
本実施の形態では、上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数に応じて表示演出変更手段350が表示演出を変更することができるので、遊技者に付与される特典としての上乗せ遊技回数に見合った表示演出を実行することが可能になる。
【0091】
上乗せ演出により遊技者が期待する期待感と、特典としての上乗せ遊技回数との間に対応関係を発生させることができ、結果として遊技者の期待を裏切らず遊技者に対して上乗せ演出に対する不信感を与えずに信頼感を発生させることが可能となる。
具体的に説明すると、以下のようになる。
図7のステップ217及び218に示すように、上乗せ演出決定手段190により第1の上乗せ演出に決定され、上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達していない場合、表示演出変更手段350により、表示演出が第1の上乗せ演出の表示演出から、それよりも期待感が低い第2の上乗せ演出の表示演出に変更される。そして、表示演出実行手段360により、第2の上乗せ演出の表示演出が開始されて当該表示演出が実行される。
【0092】
かかる場合、第1の上乗せ演出のリール演出は既に実行されているが、第1の上乗せ演出のリール演出と、第2の上乗せ演出のリール演出とは同一であるため、第2の上乗せ演出の表示演出が開始されることで、当初より第2の上乗せ演出のリール演出が実行されていたものと遊技者に思わせることができる。第2の上乗せ演出の表示演出が実行されることで、遊技者が抱く期待感は第1及び第3の上乗せ演出よりも低いものとなり、上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達していないこと(すなわち少ない上乗せ遊技回数)に対応させることができ、遊技者が感じた低い期待感に見合った少ない上乗せ遊技回数を表示装置84により表示させることができる。遊技者が自ら感じた期待感(第1及び第3の上乗せ演出の期待感よりも低い期待感)に相当する上乗せ遊技回数が表示されることとなり、遊技者の予想した範囲内の結果であるので遊技者を納得させることができ、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させることはなく、リール演出及び表示演出からなる上乗せ演出に対する不信感や、当該遊技機10に対する不信感を発生させることは無い。
【0093】
一方、
図7のステップ217及び220に示すように、上乗せ演出決定手段190により第1の上乗せ演出に決定され、上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数が基準遊技回数に未達成でない場合(すなわち達している場合)、表示演出変更手段350は、表示演出として第1の上乗せ演出の表示演出を変更しない。そして、表示演出実行手段360により、第1の上乗せ演出の表示演出が開始されて当該表示演出が実行される。
かかる場合、第1の上乗せ演出のリール演出は既に実行され、そのまま、第1の上乗せ演出の表示演出が開始される。第1の上乗せ演出の表示演出が実行されることで、遊技者が抱く期待感は第2及び第3の上乗せ演出よりも高いものとなり、上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達していること(すなわち他と比べて高い上乗せ遊技回数)に対応させることができ、遊技者が感じた高い期待感に見合った多い上乗せ遊技回数を表示装置84により表示させることができる。遊技者が自ら感じた期待感(第2及び第3の上乗せ演出の期待感よりも高い期待感)に相当する上乗せ遊技回数が表示されることとなり、遊技者の予想した範囲内の結果であるので遊技者を納得させることができ、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させることはなく、リール演出及び表示演出からなる上乗せ演出に対する不信感や、当該遊技機10に対する不信感を発生させることは無い。
【0094】
本実施の形態では、メイン制御装置110において、上乗せ演出決定手段190が複数の上乗せ演出から実行する上乗せ演出を決定し、その決定した上乗せ演出のリール演出がリール演出実行手段200により開始される。送信手段220により、その決定した上乗せ演出に関する情報がサブ制御装置300の受信手段310へ送信される。
サブ制御装置300において、送信手段220からの前記情報を受信手段310が受信し、上乗せ遊技回数決定手段340により、上乗せ遊技回数が決定される。
表示演出変更手段350が、その上乗せ遊技回数に基づいて、表示演出を変更する場合には、表示演出実行手段360が、変更後の表示演出を表示装置84を用いて実行する。
【0095】
表示演出変更手段350が、その上乗せ遊技回数に基づいて、表示演出を変更しない場合には、表示演出実行手段360が、前記情報に基づく表示演出を表示装置84を用いて実行する。
本実施の形態では、メイン制御装置110において、上乗せ演出として第1の上乗せ演出と第2の上乗せ演出とのいずれかに決定されて、その上乗せ演出のリール演出が開始される場合、その後にサブ制御装置300において、上乗せ遊技回数の決定に応じて表示演出が変更になっても、第1の上乗せ演出のリール演出と第2の上乗せ演出のリール演出とは同一であるため、サブ制御装置300からメイン制御装置110へ上乗せ演出の変更の有無等の情報を出力する(又は情報を伝達する)必要もなく、遊技や演出の進行にあたって何の不都合も発生しない。
【0096】
ここで、信号は、メイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信されるのみの一方通行である。すなわち、メイン制御装置110からサブ制御装置300への一方向の通信のみであり、サブ制御装置300からメイン制御装置110への通信を有する双方向の通信ではない。サブ制御装置300で上乗せ演出の変更を決定しているが、その情報をメイン制御装置110に戻す必要はなく、サブ制御装置300からメイン制御装置110へ情報を伝達するための時間や手間も発生せず、スムーズな遊技進行を維持することができ、遊技者に対して待ち時間等によるストレスを与えない良好な遊技性を維持することができる。
【0097】
さらに、上乗せ遊技回数決定手段340及び表示演出変更手段350を、サブ制御装置300側に設けたことにより、これらの手段をメイン制御装置110に記憶させて、それらの処理を行うようなものと比較して、メイン制御装置110の記憶容量や処理量に負担をかけないようにすることができる。メイン制御装置110とサブ制御装置300とは、一般的に不正操作処理等を考慮して、メイン制御装置110の方がサブ制御装置300よりも記憶容量が小さく処理速度も遅いものが用いられている。かかる場合、本実施の形態に係る遊技機10はメイン制御装置110の記憶容量の負担の軽減や処理速度の増加に大きな効果を有する。
【0098】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態で用いた図面のうち、
図7の代わりに
図8を用いているものである。さらに、表示演出変更手段350が、上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数に応じて表示演出を変更可能である点は、第1の実施の形態と同様であるが、その変更の条件が第1の条件とは異なるものである。以下に第1の実施の形態と異なる点を主に説明する。
表示演出変更手段350は、上乗せ演出決定手段190が上乗せ演出を第2の上乗せ演出に決定し、且つ上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数が予め定めた遊技回数(基準遊技回数)に達していない場合、表示演出変更手段350は第2の上乗せ演出の表示演出を変更しない(
図8のステップ317、320参照)。すなわち、上乗せ演出の表示演出として、第2の上乗せ演出の表示演出が保持されることになる。
【0099】
表示演出変更手段350は、上乗せ演出決定手段190が上乗せ演出を第2の上乗せ演出に決定し、且つ上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達している場合、表示演出変更手段350は第2の上乗せ演出の表示演出から第1の上乗せ演出の表示演出へ変更する(
図8のステップ317、318参照)。
その他の構成は、第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。
図8に示すフローチャートに基づいて、上乗せ演出獲得抽選を有する表示演出変更処理について説明する。
【0100】
図8のステップ310、311、312、313は、第1の実施の形態で説明した
図7のステップ210、211、212、213の内容と同一であるので、これらの説明を省略する。以下に、ステップ314以降の説明をする。
ステップ314において、ステップ313の上乗せ演出種類の抽選で第2の上乗せ演出に決定されたか否かが判定される。そして、当該抽選で第2の上乗せ演出に決定されたと判定された場合、次のステップ315に進み、当該抽選で第2の上乗せ演出に決定されていないと判定された場合、ステップ321に進む。
【0101】
なお、第2の上乗せ演出に決定された場合、表示演出の実行の前にリール制御手段130により第2の上乗せ演出のリール演出が実行されるものである。
ステップ315において、上乗せ遊技回数決定手段340により、上乗せ遊技回数抽選処理が行われる。そして、次のステップ316に進む。
ステップ316において、前記上乗せ遊技回数抽選処理により決定された上乗せ遊技回数と、予め定められて記憶されている基準遊技回数とが採取され、両者の数値の比較が行われる。そして、次のステップ317に進む。
【0102】
ステップ317において、前記上乗せ遊技回数抽選処理で決定された上乗せ遊技回数が、予め定められた基準遊技回数に達成しているか否かが判定される。前記上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達成している(すなわち基準遊技回数以上である)と判定された場合、次のステップ318に進み、前記上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達成していない(すなわち基準遊技回数未満である)と判定された場合、ステップ320に進む。
ステップ318において、表示演出変更手段350により、上乗せ演出の演出データが、第2の上乗せ演出から第1の上乗せ演出に変更される。そして、次のステップ319に進む。
【0103】
ステップ319において、表示演出実行手段360により、演出装置70の表示装置84等により第1の上乗せ演出が実行される。そして、表示演出変更処理が終了する。
一方、前記ステップ314で、第2の上乗せ演出が決定されなかったと判定された場合は、ステップ321において、表示演出実行手段360により第3の上乗せ演出が実行される。そして、表示演出変更処理が終了する。
一方、前記ステップ317で、上乗せ遊技回数抽選で決定された上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達成していない(すなわち基準遊技回数未満である)と判定された場合、ステップ320において、表示演出実行手段360により第2の上乗せ演出が実行される。
【0104】
ここで、上述したフローチャートでは、メイン制御装置110で行われる部分と、サブ制御装置300で行われる部分とを分けることなく、制御装置100全体で行われる処理として記載されている。
図8のフローチャートでは、AA点線ラインより上に記載されているステップ310〜314がメイン制御装置110で行われ、AA点線ラインより下に記載されているステップ315〜321がサブ制御装置300で行われている。その際、ステップ314の上乗せ演出として、第2の上乗せ演出が決定されている、又は、決定されていない旨の情報が、メイン制御装置110の送信手段220から、サブ制御装置300の受信手段310へ送信される。
【0105】
なお、メイン制御装置110とサブ制御装置300への各手段の配置は、上述したものに限定されることはない。例えば、
図8のフローチャートのBB点線ラインより上に記載されているステップ310〜318がメイン制御装置110で行われ、BB点線ラインより下に記載されているステップ319〜321がサブ制御装置300で行われるようにしてもよい。この場合の各手段の配置は、例えば後述する
図11のようになるものであり、これらの詳細は、第4の実施の形態で説明する。
上述したような構成を有することにより以下に示す作用及び効果を奏する。
【0106】
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、上乗せ演出決定手段190が複数種類の上乗せ演出から1つを決定し、リール演出実行手段200が、その上乗せ演出のリール演出を実行する。上乗せ演出決定手段190による上乗せ演出の決定後に、上乗せ遊技回数決定手段340が特典遊技の遊技回数に上乗せする遊技回数(上乗せ遊技回数)を決定する。表示演出変更手段350が前記上乗せ遊技回数に応じて表示演出を変更した場合、表示演出実行手段360がリール演出の実行中に前記表示演出を開始する。
本実施の形態でも第1の実施の形態と同様に、上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数に応じて表示演出変更手段350が表示演出を変更することができるので、遊技者に付与される特典としての上乗せ遊技回数に見合った表示演出を実行することが可能になる。上乗せ演出により遊技者が期待する期待感と、特典としての上乗せ遊技回数との間に対応関係を発生させることができ、結果として遊技者の期待を裏切らず遊技者に対して上乗せ演出に対する不信感を与えずに信頼感を発生させることが可能となる。
【0107】
上述したような効果は、第1の実施の形態と同様であるが、変更の条件が第1の実施の形態と相違することにより、下記に示すような作用及び効果を有する。
図8のステップ317及び318に示すように、上乗せ演出決定手段190により第2の上乗せ演出に決定されて上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達している場合、表示演出変更手段350により表示演出が第2の上乗せ演出の表示演出からそれよりも期待感が高い第1の上乗せ演出の表示演出に変更される。そして、表示演出実行手段360により、第1の上乗せ演出の表示演出が開始されるとともに当該表示演出が実行される。
【0108】
かかる場合、第2の上乗せ演出のリール演出は既に実行されているが、第1の上乗せ演出及び第2の上乗せ演出のリール演出は同一であるため、第1の上乗せ演出の表示演出が開始されることで、当初より第1の上乗せ演出のリール演出が実行されていたものと遊技者に思わせることができる。
第1の上乗せ演出の表示演出が実行されることで、遊技者が抱く期待感は第2及び第3の上乗せ演出よりも高いものとなり、上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達していること(すなわち他と比べて多い上乗せ遊技回数)に対応させることができ、遊技者が感じた高い期待感(第2及び第3の上乗せ演出の期待感よりも高い期待感)に見合った多い上乗せ遊技回数を表示装置84により表示させることができる。遊技者が自ら感じた期待感に相当する上乗せ遊技回数が表示されることとなり、遊技者の予想した範囲内の結果(遊技者の期待感に応えた結果)であるので遊技者を納得させることができ、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させることはなく、リール演出及び表示演出からなる上乗せ演出に対する不信感や、当該遊技機10に対する不信感を発生させることは無い。
【0109】
一方、
図8のステップ317及び320に示すように、上乗せ演出決定手段190により第2の上乗せ演出に決定されて上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達していない場合、表示演出変更手段350は、表示演出として第2の上乗せ演出の表示演出を変更しない。そして、表示演出実行手段360により、第2の上乗せ演出の表示演出が開始されるとともに当該表示演出が実行される。
かかる場合、第2の上乗せ演出のリール演出は既に実行され、そのまま、第2の上乗せ演出の表示演出が開始される。
【0110】
第2の上乗せ演出の表示演出が実行されることで、遊技者が抱く期待感は第1及び第3の上乗せ演出よりも低いものとなり、上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達していないこと(すなわち他と比べて少ない上乗せ遊技回数)に対応させることができ、遊技者が感じた低い期待感(第1及び第3の上乗せ演出の期待感よりも低い期待感)に見合った少ない上乗せ遊技回数を表示装置84により表示させることができる。遊技者が自ら感じた期待感に相当する上乗せ遊技回数が表示されることとなり、遊技者の予想した範囲内の結果(遊技者の期待感に応えた結果)であるので遊技者を納得させることができ、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させることはなく、リール演出及び表示演出からなる上乗せ演出に対する不信感や、当該遊技機10に対する不信感を発生させることは無い。
【0111】
その他の構成や作用及び効果は、第1の実施の形態で説明したものと同様であって、それらの説明を省略する。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態で用いた図面のうち、
図7の代わりに
図9及び
図10を用いているものである。さらに、表示演出変更手段350が、上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数に応じて表示演出を変更可能である点は、第1及び第2の実施の形態と同様であるが、変更の条件が第1の実施の形態で説明した内容と第2の実施の形態で説明した内容との両者を兼ね添えているものである。以下に主として第1及び第2の実施の形態と異なる点を説明する。
【0112】
表示演出変更手段350は、上乗せ演出決定手段190が上乗せ演出を第1の上乗せ演出に決定し、且つ上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数が予め定めた遊技回数(基準遊技回数)に達していない場合、第1の上乗せ演出の表示演出から第2の上乗せ演出の表示演出へ変更する(
図9のステップ418、419参照)。
表示演出変更手段350は、上乗せ演出決定手段190が上乗せ演出を第1の上乗せ演出に決定し、且つ上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達している場合、第1の上乗せ演出の表示演出を変更しない(
図9のステップ420参照)。すなわち、上乗せ演出の表示演出として、第1の上乗せ演出の表示演出が保持されることになる。
【0113】
さらに、表示演出変更手段350は、ステップ414で第1の上乗せ演出が決定されなかった場合には、
図10のステップ510に移行し、上乗せ演出決定手段190が上乗せ演出を第2の上乗せ演出に決定し、且つ上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数が予め定めた遊技回数(基準遊技回数)に達していない場合、表示演出変更手段350は第2の上乗せ演出の表示演出を変更しない(
図10のステップ516参照)。すなわち、上乗せ演出の表示演出として、第2の上乗せ演出の表示演出が保持されることになる。
【0114】
表示演出変更手段350は、上乗せ演出決定手段190が上乗せ演出を第2の上乗せ演出に決定し、且つ上乗せ遊技回数決定手段340により決定された上乗せ遊技回数が基準遊技回数に達している場合、表示演出変更手段350は第2の上乗せ演出の表示演出から第1の上乗せ演出の表示演出へ変更する(
図10のステップ514、515参照)。
その他の構成は、第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。
図9及び
図10に示すフローチャートに基づいて、上乗せ演出獲得抽選を有する表示演出変更処理について説明する。
【0115】
本実施の形態は、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせたものである。
第1の実施の形態では、上乗せ演出の種類の抽選結果、上乗せ演出として第1の上乗せ演出に決定した場合の処理であり、第2の実施の形態では、上乗せ演出の種類の抽選結果、上乗せ演出として第2の上乗せ演出に決定した場合の処理である。本実施の形態では、上乗せ演出の種類の抽選結果、上乗せ演出として第1の上乗せ演出に決定されている場合の処理(
図9のステップ414〜420)と、この第1の上乗せ演出に決定されなかったときに第2の上乗せ演出に決定されている場合の処理(
図10のステップ510〜517)とが組み合わされているものである。
【0116】
図9のステップ410〜420は、第1の実施の形態で説明した
図7のステップ210〜220の内容と(ステップ414のNoの場合の行き先を除いて)同一であるので、これらの説明を省略する。
図10のステップ510〜517は、第2の実施の形態で説明した
図8のステップ314〜321の内容と同一であるので、これらの説明を省略する。
本実施の形態では、第1の実施の形態で説明した作用及び効果と、第2の実施の形態で説明した作用及び効果との両方を有するものである。
これにより、第1及び第2の実施の各形態よりも広範囲で、遊技者が表示演出により自ら感じた期待感に相当する上乗せ遊技回数が表示されることとなり、遊技者を納得させることができ、モチベーションの低下や、不信感の発生を抑えることができる。
【0117】
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態で説明した
図3及び
図5の代わりに、
図11及び
図12を用いるもので、その他の図面は、第1の実施の形態で用いた図面と同一のものが適用されるものである。
図11に示すように、本実施の形態は、第1の実施の形態の
図3で示した各手段の一部において、メイン制御装置110及びサブ制御装置300のいずれに配置されているかが第1の実施の形態とは異なるものである。具体的には、移行抽選手段330、上乗せ遊技回数決定手段340、表示演出変更手段350が、第1の実施の形態ではサブ制御装置300に配置されていたのに対して、本実施の形態ではメイン制御装置110に配置されているものである。
【0118】
また、本実施の形態では、メイン制御装置110で変更の有無にかかわらず最終的な上乗せ処理の種類が決定され、当該情報がサブ制御装置300へ送信されているため、サブ制御装置300の処理の結果に対応して遊技者の停止操作順序等を介してメイン制御装置110の処理を連動させるための
図5で説明した第1準備状態及び第2準備状態が不要となる。本実施の形態におけるサブ制御装置の移行状態は、それらの準備状態を有しない
図12のようになる。
また、
図7に示すフローチャートにおいて、メイン制御装置110で行われる部分と、サブ制御装置300で行われる部分との境界線は、AA点線ラインではなく、BB点線ラインが用いられる。すなわち、
図7のフローチャートのBB点線ラインより上に記載されているステップ210〜218がメイン制御装置110で行われ、BB点線ラインより下に記載されているステップ219〜221がサブ制御装置300で行われるものである。
【0119】
メイン制御装置110において、上乗せ遊技回数の抽選処理や、上乗せ遊技回数と基準遊技回数とを比較して,上乗せ演出の表示演出の内容を変更するか否か等は全てメイン制御装置110において処理される。そして、最終的に決定した上乗せ演出の種類の情報が、メイン制御装置110の送信手段220からサブ制御装置300の受信手段310へ送信され、その情報に基づいて、サブ制御装置300において当該上乗せ演出の表示演出が実行されるものである。
その他の構成は、第1の実施の形態の内容と同一のものである。
【0120】
図7に示すように、本実施の形態では、メイン制御装置110において、上乗せ演出決定手段190が複数の上乗せ演出から実行する上乗せ演出を決定する(ステップ213)。メイン制御装置110において、上乗せ遊技回数決定手段340により上乗せ遊技回数が決定される(ステップ215)。
メイン制御装置110において、表示演出変更手段350が、その上乗せ遊技回数に基づいて、表示演出を変更する場合には、変更後の上乗せ演出に関する情報が送信手段220によりサブ制御装置300の受信手段310へ送信される。
【0121】
メイン制御装置110において、表示演出変更手段350が、その上乗せ遊技回数に基づいて、表示演出を変更しない場合には、上乗せ演出決定手段190により決定された上乗せ演出に関する情報が送信手段220によりサブ制御装置300の受信手段310へ送信される。
サブ制御装置300の表示演出実行手段360が、前記受信手段310の受信した情報に基づく表示演出を、表示装置84により実行する(ステップ219〜221)。
本実施の形態では、メイン制御装置110において、上乗せ遊技回数の決定及びそれに基づく表示演出の変更を決定している。そして、変更無しの場合には元の情報が、また、変更有りの場合には変更後の情報が、メイン制御装置110の送信手段220からサブ制御装置300の受信手段310へ送信されて、サブ制御装置300により前記情報に基づく表示演出が実行されている。
【0122】
ここで、信号は、メイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信されるのみの一方通行である。すなわち、メイン制御装置110からサブ制御装置300への一方向の通信のみであり、サブ制御装置300からメイン制御装置110への通信を有する双方向の通信ではない。上乗せ遊技回数及びそれに基づく表示演出の変更をメイン制御装置110で決定しているため、その結果の情報を、メイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信することで、一方通行の信号の伝達方向に沿ってスムーズな制御処理を行うことができる。
具体的には、サブ制御装置300において決定された内容を遊技者の停止操作順序等を介してメイン制御装置110に伝達する(同期させる)ための準備状態(具体的には
図5の第1準備状態や第2準備状態)が不要となる。
【0123】
結果として、最初にメイン制御装置110によるリール演出が開始され、その後に、サブ制御装置300による表示演出が開始されるというスムーズな演出の進行を行うことができる。
その他の作用及び効果は第1の実施の形態で説明したものと同様のものである。
なお、本実施の形態は、
図3及び
図5の代わりに
図11及び
図12を用いて、第1の実施の形態における各手段の一部をメイン制御装置110とサブ制御装置300とのいずれに配置するかが、第1の実施の形態と異なるものである。第2の実施の形態においても、同様に
図3及び
図5の代わりに
図11及び
図12を用いて、第2の実施の形態に係る各手段の一部(移行抽選手段330、上乗せ遊技回数決定手段340、表示演出変更手段350)の配置をサブ制御装置300からメイン制御装置110に配置させるようにしてもよい。かかる場合には、第2の実施の形態の
図8に示すフローチャートにおいて、メイン制御装置110とサブ制御装置300との処理の境界線は、AA点線ラインではなくBB点線ラインとなるものである。かかる場合にも、上述したような本実施の形態と同様の作用及び効果を奏するものである。なお、それ以外の構成及び作用効果は、第2の実施の形態で説明したものと同様のものである。
【0124】
また、第3の実施の形態においても、同様に
図3及び
図5の代わりに
図11及び
図12を用いて、第3の実施の形態に係る各手段の一部(移行抽選手段330、上乗せ遊技回数決定手段340、表示演出変更手段350)の配置をサブ制御装置300からメイン制御装置110に配置させるようにしてもよい。かかる場合には、第3の実施の形態の
図9及び
図10に示すフローチャートにおいて、メイン制御装置110とサブ制御装置300との処理の境界線は、AA点線ラインではなくBB点線ラインとなるものである。かかる場合にも、上述したような本実施の形態と同様の作用及び効果を奏するものである。なお、それ以外の構成及び作用効果は、第3の実施の形態で説明したものと同様のものである。
【0125】
なお、上述した実施の形態において、表示演出変更処理を行う上乗せ演出の特典遊技としてAT状態の遊技で説明しているが、その上乗せ演出に係る特典遊技としては特にこれに限定されるものではなく、いわゆるAT状態及びRT状態の両方が組み合わさったART状態の遊技や、RT状態の遊技等、他の遊技でもよいものである。