(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787390
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】微生物検出装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 15/14 20060101AFI20150910BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20150910BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
G01N15/14 C
G01N15/14 P
G01N33/483 C
G01N21/64 Z
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-504004(P2014-504004)
(86)(22)【出願日】2012年4月5日
(65)【公表番号】特表2014-514556(P2014-514556A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】US2012032413
(87)【国際公開番号】WO2012138918
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2014年4月15日
(31)【優先権主張番号】61/472,614
(32)【優先日】2011年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513250628
【氏名又は名称】インスタント バイオスキャン, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100116757
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 英雄
(74)【代理人】
【識別番号】100123216
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 祐一
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(72)【発明者】
【氏名】ジアン,ジアンピン
【審査官】
大塚 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/080642(WO,A1)
【文献】
特開平10−019779(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/105893(WO,A1)
【文献】
米国特許第04273443(US,A)
【文献】
特開2007−183655(JP,A)
【文献】
米国特許第04523841(US,A)
【文献】
特表平09−502794(JP,A)
【文献】
特表平03−500816(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0223063(US,A1)
【文献】
国際公開第2009/076678(WO,A1)
【文献】
米国特許第04606636(US,A)
【文献】
特開平05−209832(JP,A)
【文献】
米国特許第08085399(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00−15/14
G01N 21/62−21/74
G01N 33/48−33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Science Direct
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放物面反射装置と、
光ビームを前記放物面反射装置の焦点の方へと導くように構成される光源であって、前記放物面反射装置が、前記放物面反射装置の放物面の深さの約1/9から前記放物面の全深さまでの範囲内の焦点距離を有する光源と、
前記放物面の前記焦点で前記光ビームの光路と交差するように前記放物面反射装置の前記焦点を通る流体流管であって、流体流を内包するように構成される流体流管と、
前記流管を通る前記流体中の微生物から発せられる蛍光を検出する第1の検出器と、
前記流管を通る前記流体中の粒子からのミー散乱光を検出する第2の検出器と、
ミー散乱光と蛍光とを分離するように構成されるダイクロイックビームスプリッタと、
光電子増倍管を含む前記第1の検出器上に前記蛍光を集束させる第1のレンズと、
フォトダイオードを含む前記第2の検出器上に前記ミー散乱光を集束させる第2のレンズと、
前記ダイクロイックビームスプリッタの中心付近、または前記第2のレンズの中心付近に配置されて、前記光源から発せられる光の非散乱部分を遮断するビーム遮断器と
を含む、微生物検出装置。
【請求項2】
(a)前記流管が光透過性材料を含み、光の入射及び散乱光の出射を可能にすることと、
(b)前記流管が、
(i)空気中に浮遊する微生物の検出のために流体が前記流管内に引き込まれると共に前記流管を介して流れることを可能にするように構成されるか、又は(ii)水又は液体中に浮遊する微生物の検出のために、水又はその他の液体が前記流管内に引き込まれると共に前記流管を介して流れることを可能にするように構成されることと、
(c)前記流体中の前記粒子の前記検出された蛍光及びミー散乱情報を用いて微生物と不活性粒子とが区別されること
のうち1つを特徴とする、請求項1に記載の微生物検出装置。
【請求項3】
前記光源から発せられる励起光波長を遮断する干渉フィルタ
を更に含み、
前記光源がレーザーを含み、
前記放物面反射装置が穴を含み、該穴が、前記光源からの光の入射を可能にすると共に前記流管が前記放物面反射装置を貫通することを可能にし、
前記放物面反射装置の対称軸が、前記レーザービームの光路と一致すると共に同じ方向に延在する、請求項1又は2に記載の微生物検出装置。
【請求項4】
前記光源が発光ダイオード(LED)を含む、請求項3に記載の微生物検出装置。
【請求項5】
前記放物面反射装置の対称軸に沿って配置されて励起光波長を遮断する干渉フィルタ
を更に含み、
前記光源がレーザーを含み、
前記放物面反射装置が穴を含み、該穴が、前記光源からの光の入射と散乱光の出射を可能にすると共に、前記流管が前記放物面反射装置を貫通することを可能にし、
前記光源が、前記放物面反射装置の前記対称軸に対して垂直を成す光路に沿って光が発せられるように配置される、請求項1又は2に記載の微生物検出装置。
【請求項6】
前記光源が発光ダイオード(LED)を含む、請求項5に記載の微生物検出装置。
【請求項7】
流体流を運ぶように構成される流体流管と、
光ビームを前記流管の方へと導くように構成される光源と、
前記光源からの光との相互作用時に前記流体中の微生物から発せられる蛍光を反射する放物面反射装置であって、前記放物面反射装置が、前記放物面反射装置の放物面の深さの約1/9から前記放物面の全深さまでの範囲内の焦点距離を有する放物面反射装置と、
前記流管を通る前記流体中の微生物から発せられる蛍光を検出する第1の検出器と、
前記流管を通る前記流体中の粒子からのミー散乱光を検出する第2の検出器と、
前記放物面反射装置の対称軸に沿って配置されて励起光波長を遮断する干渉フィルタと、
光電子増倍管を含む前記第1の検出器上に前記蛍光を集束させる第1のレンズと、
フォトダイオードを含む前記第2の検出器上に前記ミー散乱光を集束させる第2のレンズと
を含み、
ビーム遮断器が前記第2のレンズの中心付近に配置され、前記光源から発せられる光の非散乱部分を遮断し、
前記光ビームの光路と前記流管が前記放物面反射装置の焦点で交差し、
前記放物面反射装置が穴を含み、該穴が、前記光源からの光の入射を可能にすると共に、前記流管が前記放物面反射装置を貫通することを可能にし、
前記光源が、前記放物面反射装置の前記対称軸に対して斜角を成す光路に沿って光が発せられるように配置される、微生物検出装置。
【請求項8】
前記光源が発光ダイオード(LED)又はレーザーを含む、請求項7に記載の微生物検出装置。
【請求項9】
流体流を運ぶように構成される流体流管と、
光を前記流管の方へと導くように構成される鏡の方に光ビームを導くように構成される光源であって、前記光源から発せられる光ビームが前記流管に到達する前に前記鏡に反射する光源と、
前記光源からの光との相互作用時に前記流体中の微生物から発せられる蛍光を反射する放物面反射装置であって、前記鏡により反射された光が、前記放物面反射装置の焦点に向かって内向きに進むと共に、前記放物面反射装置の対称軸に対して斜角を成して前記焦点を通過し、前記放物面反射装置が、前記放物面反射装置の放物面の深さの約1/9から前記放物面の全深さまでの範囲内の焦点距離を有する放物面反射装置と、
前記流管を通る前記流体中の微生物から発せられる蛍光を検出する第1の検出器と、
前記流管を通る前記流体中の粒子からのミー散乱光を検出する第2の検出器と、
前記放物面反射装置の対称軸に沿って配置されて励起光波長を遮断する干渉フィルタと、
光電子増倍管を含む前記第1の検出器上に前記蛍光を集束させる第1のレンズと、
フォトダイオードを含む前記第2の検出器上に前記ミー散乱光を集束させる第2のレンズと
を含み、
ビーム遮断器が前記第2のレンズの中心付近に配置され、前記光源から発せられる光の非散乱部分を遮断し、
前記鏡により反射された前記光ビームと前記流管が、前記放物面反射装置の前記焦点で交差し、
前記鏡が前記干渉フィルタの中心付近に配置され、
前記放物面反射装置が穴を含み、該穴が、前記光源からの光の出射を可能にすると共に、前記流管が前記放物面反射装置を貫通することを可能にし、
前記鏡によって反射した光が前記放物面反射装置の前記焦点に向かって内向きに進み、前記焦点を通過する、微生物検出装置。
【請求項10】
(a)前記光源が発光ダイオード(LED)又はレーザーを含むことと、
(b)前記鏡が平面状の反射鏡であることと、
(c)前記鏡が、前記放物面反射装置の前記焦点の方へと前記光を反射するプリズム角を有するプリズムを含むことと、
(d)前記流管が、
(i)空気中に浮遊する微生物の検出のために流体が前記流管内に引き込まれると共に前記流管を介して流れることを可能にするように構成されるか、又は(ii)水又は液体中に浮遊する微生物の検出のために、水又はその他の液体が前記流管内に引き込まれると共に前記流管を介して流れることを可能にするように構成されることのうち1つを特徴とする、請求項9に記載の微生物検出装置。
【請求項11】
放物面反射装置の焦点を通る流管を介して流体流を供給するステップであって、前記放物面反射装置が、前記放物面反射装置の放物面の深さの約1/9から前記放物面の全深さまでの範囲内の焦点距離を有するステップと、
前記放物面反射装置の焦点で前記流管と交差する光ビームを前記流管の方へと導くステップであって、前記光ビームが前記放物面反射装置の対称軸に対して垂直あるいは斜角を成す方向に沿って発せられるステップと、
前記光ビームとの相互作用時に前記流体中の微生物から発せられる蛍光を前記放物面反射装置により反射するステップと、
光電子増倍管を含む第1の検出器上に前記蛍光を集束させる第1のレンズを設けるステップと、
前記発せられる蛍光を前記第1の検出器を用いて検出するステップと、
フォトダイオードを含む第2の検出器上にミー散乱光を集束させる第2のレンズを設けるステップであって、光源から発せられる光の非散乱部分を遮断するためにビーム遮断器が前記第2のレンズの中心付近に配置されているステップと、
前記光ビームと前記流体中の粒子の相互作用の結果として生じる前記ミー散乱光を前記第2の検出器を用いて検出するステップと
を含む、微生物検出方法。
【請求項12】
(a)前記放物面反射装置の対称軸に沿って配置されて励起光波長を遮断する干渉フィルタを設けるステップ
を更に含むことと、
(b)前記光ビームが、前記放物面反射装置の前記対称軸に対して斜角を成す光路に沿って発せられることと、
(c)前記光ビームが、前記放物面反射装置の前記対称軸と一致すると共に同じ方向に延在する光路に沿って発せられることと、
(d)前記光ビームはレーザービームを含むことと、
(e)前記光ビームが、前記放物面反射装置の前記対称軸に対して垂直を成す光路に沿って発せられることと、
(f)前記流体が環境空気を含むことと、
(g)前記流体が水又は別の液体を含むことのうち1つを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
光を前記流管の方に反射するように構成される鏡を設けるステップであって、前記鏡が前記干渉フィルタの中心付近に配置されるステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
(a)前記鏡により反射された光が、前記放物面反射装置の前記焦点に向かって内向きに進むと共に、前記放物面反射装置の前記対称軸に対して斜角を成して前記焦点を通過することと、
(b)前記鏡が平面状の反射鏡であることと、
(c)前記鏡が、前記放物面反射装置の前記焦点の方へと前記光を反射するプリズム角を有するプリズムを含むこと
のうち1つを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2011年4月6日に出願された特許文献1の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般に微生物検出に関し、特に微生物細胞からの蛍光を検出することにより空気中及び液体中に浮遊する微生物(例えば細菌及び真菌類)を検出する装置及び方法に関する。本発明は、汚染抑制のための環境微生物の検出において特に有用性を有するが、その他の用途も考えられる。
【背景技術】
【0003】
多くの製造環境では、塵粒と細菌との両方を含む汚染物質の存在を厳密に抑制することが必要である。公衆衛生関連産業において、例えば、医薬品及び医療用具製造環境では、空気中の粒子の数だけではなく細菌及び真菌類の数も抑制することが必要である。微生物汚染によって、何ロットもの医薬品が患者にとって有害なものになってしまうこともある。更に、医薬品又は医療用具の製造設備において、汚染事象が生物学的なものか又は非生物学的なものかに関する即時的情報を含む汚染事象の実時間検出を達成することが有利である。このような汚染物質の実時間検出は、公衆衛生、空気質監視、水処理、及び飲料産業においても有用である。
【0004】
これらの多くの用途では、環境空気及び液体(水及び液体の形態の最終製品)のいずれについても、存在する微生物の量を監視することが必要である。
【0005】
従来の微生物検出方法は、空気中に浮遊する細菌を捕集すると共に、或る期間(通常的に数日)にわたって培養する増殖培地の使用を必要とする。捕集と検出の間の遅延が製造工程に問題を引き起こす。最近、環境中の細菌を実時間検出するための新手法が業界に導入された。例えば、光学検出器は、細菌の細胞の内側の代謝化合物(例えばNADH及びリボフラビン)からの蛍光を検出するように設計された。これらの光学検出器は、細菌汚染の結果を実時間で得られるという利点を有する。細菌の実時間検出は保健医療関連の産業に有益である。
【0006】
細菌の細胞から発せられる蛍光の量は一般に極めて少なく、実時間検出器における検出時間が短いため、蛍光測定感度は効果的な細菌検出器の重要な基準となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/472,614号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、当該産業において、これまで対処されなかった上記の欠点及び不備に対処することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、微生物検出装置と微生物検出方法とを提供する。簡単に説明すると、構造において、微生物検出装置の一実施形態は、とりわけ、以下のように実施可能である。この微生物検出装置は、放物面反射装置を含む。光源は、光ビームを放物面反射装置の焦点の方へと導くように構成される。光ビームの光路と流管が放物面の焦点で交差するように放物面反射装置の焦点を通る流体流管が含まれる。流体流管は、流体流を内包するように構成される。流管を通る流体中の微生物から発せられる蛍光を検出する第1の検出器が含まれる。流管を通る流体中の粒子からのミー散乱光を検出する第2の検出器が含まれる。
【0010】
別の実施形態において、流体流を運ぶように構成される流体流管を含む微生物検出装置を提供する。光源は、光ビームを流管の方へと導くように構成される。光源からの光との相互作用時に流体中の微生物から発せられる蛍光を反射する放物面反射装置が含まれる。第1の検出器は、流管を通る流体中の微生物から発せられる蛍光を検出する。第2の検出器は、流管を通る流体中の粒子からのミー散乱光を検出する。干渉フィルタが放射面反射装置の対称軸に沿って配置されて、励起光波長を遮断する。蛍光を第1の検出器上に集束させる第1のレンズが含まれ、第1の検出器は光電子増倍管を含む。ミー散乱光を第2の検出器上に集束させる第2のレンズが含まれ、第2の検出器はフォトダイオードを含む。ビーム遮断器が第2のレンズの中心付近に配置されて、光源から発せられる光の非散乱部分を遮断する。光ビーム路と流管は、放物面反射装置の焦点で交差する。放物面反射装置は穴を含み、この穴は、光源からの光の入射を可能にすると共に、流管が放物面反射装置を貫通することを可能にする。光源は、光が放物面反射装置の対称軸に対して斜角を成す光路に沿って発せられるように配置される。
【0011】
また別の実施形態において、流体流を運ぶように構成される流体流管を含む微生物検出装置を提供する。光源は光ビームを鏡の方へと導くように構成され、鏡は光を流管の方へと導くように構成される。光源からの光との相互作用時に流体中の微生物から発せられる蛍光を反射する放物面反射装置が含まれる。第1の検出器は、流管を通る流体中の微生物から発せられる蛍光を検出する。第2の検出器は、流管を通る流体中の粒子からのミー散乱光を検出する。干渉フィルタが放物面反射装置の対称軸に沿って配置され、励起光波長を遮断する。蛍光を第1の検出器上に集束させる第1のレンズが含まれ、第1の検出器は光電子増倍管を含む。ミー散乱光を第2の検出器上に集束させる第2のレンズが含まれ、第2の検出器はフォトダイオードを含む。ビーム遮断器が第2のレンズの中心付近に配置され、光源から発せられる光の非散乱部分を遮断する。鏡により反射される光ビームと流管は、放物面反射装置の焦点で交差する。鏡は干渉フィルタの中心付近に配置される。放物面反射装置は穴を含み、この穴は、光源からの光の出射を可能にすると共に、流管が放物面反射装置を貫通することを可能にする。鏡により反射された光は、放物面反射装置の焦点に向かって内向きに進み、この焦点を通過する。
【0012】
また別の実施形態において、放物面反射装置の焦点を通る流管を介して流体流を供給するステップと、放物面反射装置の焦点で流体流と交差する光ビームを流管の方へと導くステップと、光ビームとの相互作用時に流体中の微生物から発せられる蛍光を放物面反射装置により反射するステップと、第1の検出器を用いて、発せられた蛍光を検出するステップと、第2の検出器を用いて、光ビームと流体中の粒子との相互作用によって生じるミー散乱光を検出するステップとを含む微生物検出方法を提供する。
【0013】
本発明の目的は、放物面反射装置を蛍光増幅装置として最適に用いる方法及び設計を提供することである。本発明により得られる方法及び装置は、特に、この設計手法を反射装置に実際に適用することを可能にする、最近利用可能になった光学特性反射面の迅速なプロトタイプ作製に関する。
【0014】
適切な励起波長を用いると、細菌の細胞内の或る特定の代謝補因子及びその他の生化学物質が内部蛍光を発し、この内部蛍光を生物マーカーとして用いて環境中の微生物と不活性粒子とを区別することができる。本発明によって得られる微生物検出装置及び方法の目的は、光源により適切に励起された細菌細胞からの内部蛍光を効率的に測定することにある。
【0015】
環境(例えば空気又は液体)中の微生物は、適切な導管又は流管(空気ノズル又は液体管)を介して検出装置内に導入される。光ビーム(例えばレーザーによる)は、放物面反射装置の焦点と一致する限定的な点で微生物の流路と交差する。適切な波長を有する光が代謝産物からの蛍光と微生物からのその他の生化学物質とを励起する。放物反射面の焦点から発出する微生物の蛍光が集光されると共に、放物面反射装置の軸に対して平行を成す平行ビームとして放物面反射装置から出射する。干渉フィルタは一般に平行光ビームにおいて最も効果的に機能することから、適切な光フィルタ(例えば干渉フィルタ)システムを反射装置の手前で出射光ビームの平行部分に配置して、蛍光と励起光とを分離することができる。フィルタシステムの後に、今度は適切に選択されたレンズシステムが蛍光を光検出器(例えば光電子増倍管(PMT))の感応部上に集束させて計測を行う。同時に、流管内の粒子(例えば微生物)との相互作用によって散乱するミー散乱光が検出され、粒径が判定される。
【0016】
放物面反射装置の形状及び断面は、集光効率を最適化し、且つ関連ある機能に必要な検出器のその他の要素(流体流管、励起光の入射孔等)を収容できるように設計される。
【0017】
本発明のその他のシステム、方法、特徴、及び利点は、以下の図面と詳細な説明を考察することによって、当業者には明らかであるか又は明らかになるであろう。このような全てのその他のシステム、方法、特徴、及び利点は、本明細書に含まれると共に、本発明の範囲内に含まれ、且つ、添付の特許請求の範囲により保護されることを意図している。
【0018】
以下の図面を参照することにより、本発明の多くの態様をよりよく理解できる。図面中の要素は、必ずしも縮尺通りに示されているわけではなく、寧ろ本発明の原理を明快に示すことに重点を置いている。更に、図面において、同様の参照符号は、複数の図面全体にわたって、対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】本発明に係る放物面反射装置最適化技術を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施例に係る微生物検出器の略図である。
【
図4】本発明の第2の実施例に係る微生物検出器の略図である。
【
図5】本発明の第3の実施例に係る微生物検出器の略図である。
【
図6】本発明の第4の実施例に係る微生物検出器の略図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る微生物検出方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、放物面反射装置10の図である。反射装置10の焦点Fから出射する光は、放物面反射装置10の反射面によって反射されて平行ビーム(Q
1、Q
2、Q
3)となる。
【0021】
下式に示すように、放物面反射装置10の対称軸が、(0、0)を頂点としてy軸に平行である場合、点(0、f)、即ちFから出射する光が放物面反射装置10によって反射され、y軸に対して平行を成す平行光ビーム(Q
1,Q
2,Q
3)となる焦点Fが存在する。
y=ax
2 (1)
【0022】
焦点距離f(即ち焦点Fから(0、0)の頂点までの距離)は、式(2)で表される。
f=1/4a (2)
【0023】
放射面反射装置10の形状は、式(1)のパラメータaによって決まる。
【0024】
下記のステップを行って、放物面反射装置10の設計を、特に実時間の光学的微生物検出装置における蛍光測定とその他の計測上の問題に関して最適化することができる:
(A)反射装置用の放物面の適切な形状の計算及び選択
(B)集光効率及びその他の計測上の要素の最適化
(C)完全な微生物検出システムに必要なその他の特徴の組込み。
【0025】
図2に放物面反射装置10が示されており、a=0.025である。
図2に示すように、a=0.025のとき、焦点距離fは10mmとなる。
【0026】
焦点Fの配置の考察:
(1)反射装置10の表面は可能な限り焦点Fから出射する蛍光をカバーする。このため、焦点Fは、可能な限り大きい立体角をカバーするために、好ましくは放物面の頂点に接近して配置される。
(2)反射装置10に穴を切削し、例えばレーザービームを反射装置の空間内に入射させ、流体管(例えば空気ノズル又は液体管)を挿入することができる。焦点F(蛍光の発出点でもある)が放物面の頂点に接近している場合は、これらの穴による光の損失が増大する。このため、焦点Fは、好ましくは、実質的な光が穴によって失われるほどには、過度に接近して配置されない。
(3)焦点距離fの適切な位置は、好ましくは、放物面の深さ(放物面反射装置の口部から頂点までの寸法)の1/9から放物面の全深さまでの範囲内とする。焦点Fは、好ましくは放物面の頂点に実際的に可能な限り接近して(流管及びレーザー孔と抵触せずに)配置される。
【0027】
以下の例証的な数値計算において、放物面反射装置10の寸法は
図2に示す通りである。
【0028】
光検出器(例えば、8mmの検出部直径を有する光電子増倍管(PMT))が蛍光源(
図2のF)から80mmに配置されるとする。装置がカバーする立体角は、放物面反射装置を有する場合と有さない場合について、以下のように計算できる:
(a)反射装置を有さない場合:
PMTから見た時の平面角:θ
1=arctan(4/80)=2.9度
カバーされる立体角:Ω
1=2
π(1−cosθ
1)=7.8x10
−3
(b)放物面反射装置を有する場合:
反射装置のカバー範囲の平面角:θ
2=113度
(ここで、θ
2=180°−θ)
カバーされる立体角:Ω
2=2
π(1−cosθ
2)=8.74
放物面反射装置による向上率:Ω
2/Ω
1=8.74/7.8x10
−3=1120
【0029】
したがって、本発明に係る放物面反射装置を用いることにより、有意な蛍光集光効率が得られる。
【0030】
次に、放物面反射装置の立体角カバー範囲の計算式を導出する。
【0031】
放物線式:y=ax
2
平面角θ=arctan(x/(y−f))=arctan[x/(ax
2−l/(4a))]=arctan[4ax/(4(ax)
2−l)]
t=ax (3)
とすると、
θ=arctan[4t/(4t
2−1)] (4)
立体角:Ω=2
π(l+cosθ)=2
π(l+cos(arctan[4t/(4t
2−1)])) (5)
焦点距離:f=1/4a
となる。
【0032】
設計目的で、x(放物面反射装置の口部の直径)の数値を適切な測定値に固定することができる。放物線パラメータaを調節することにより、式(3)及び(5)から、放物面反射装置10の立体角カバー範囲(反射装置の集光効率を示す)の様々な値を得ることができる。放物面反射装置の最適化は、このパラメータの適正な調節によって達成される。
【0033】
微生物の内部蛍光の検出に加えて、本発明の実施形態を用いて、検出器により採取される粒子の大きさを測定できる。粒子の大きさを測定することにより、更なる分類のための情報が得られ、偽陽性を減らすことができる。粒径測定は、ミー散乱原理に従って粒子からの散乱光を測定することによって達成される。光学検出器を放物面反射装置10から下流に設け、粒径を測定することができる。
【0034】
図3に、本発明の第1の実施形態に係る微生物検出器300の略図を示す。微生物検出器300は、流管330内の流体中の微生物から発せられる蛍光を集光するための放物面反射装置310を含む。反射装置310は、例えば光源320(例えばレーザービームであってよい)の入射と流管330の挿入とを可能にするために1個以上の穴311を含んでよい。流管330は、流体流(例えば空気又は液体)を運ぶが、この流体流中に微生物が存在することがあって、この微生物は微生物検出器300により検出される。流管330と光源320との交点323は、放物面反射装置310の焦点に配置される。放物面反射装置310と光源320の軸は互いに一致する。
【0035】
ダイクロイックビームスプリッタ340は、ミー散乱光346と蛍光348とを分離する。励起光ビーム(即ち、光源320からの光)は、ビームスプリッタ340の中心にあるビーム遮断器341により遮断される。微生物検出器300は更に干渉フィルタ350を含み、励起光波長を遮断することができる。
【0036】
第1のレンズ360は、微生物検出器300に含まれ、光を集束させるいかなる光学レンズであってもよい。第1のレンズ360は、平行蛍光ビーム348を第1の光検出器370上に集束させる。第1の光検出器370は、
図3に示す光電子増倍管(PMT)を含めて、蛍光測定用のいかなる種類の光検出器であってもよい。
【0037】
第2のレンズ362は、微生物検出器300に含まれ、光を集束させるいかなる光学レンズであってもよい。第2のレンズ362は、ミー散乱光346を第2の光検出器372上に集束させる。第2の光検出器372は、
図3に示すフォトダイオードを含めて、粒径測定用のいかなる種類の光検出器であってもよい。
【0038】
図3の実施形態において、放物面反射装置310の幾何学形状が式(2)及び(5)により最適化され、最適な集光効率が達成される一方で、検出器のその他の構成要素を適切に設置することが可能になる。ダイクロイックビームスプリッタ340は、ミー散乱式粒径測定(例えば、ミー散乱光346を別途の光検出器370により検出させることによる)の実施を簡単にすることと、同時にミー散乱光346(弾性散乱)と蛍光348(非弾性散乱)とをそれらの波長の相違に従って分離すること、の2つの役割を果たす。干渉フィルタ350は、平行光ビームで作用させるのが最も効果的であるため、干渉フィルタ350を放物面反射装置310とダイクロイックビームスプリッタ340との後に蛍光ビーム348の平行部分に配置することにより、残存する弾性散乱光の効果的な排除が促進される。ビーム遮断器341は、光源320によるグレアを減少させる。
【0039】
図4に、本発明の第2の実施例に係る微生物検出器400の略図を示す。微生物検出器400は、流管430内の流体中の微生物から発せられる蛍光を集光するための放物面反射装置410を含む。反射装置410は、例えば光源420(例えばレーザービームであってよい)の入射と散乱光の出射(例えば光検出器472へと向かう)と流管430の挿入とを可能にするために1個以上の穴411を含んでよい。流管430は、流体流(例えば空気又は液体)を運ぶが、この流体流中に微生物が存在することがあって、この微生物は微生物検出器400により検出される。流管430と光源420の交点413は、放物面反射装置410の焦点に配置される。放物面反射装置410と光源420の軸は互いに対して垂直を成す。
【0040】
干渉フィルタ450は、放物面反射装置410により反射する蛍光448の光路内に、例えば放物面反射装置410の軸の方向に配置されてよい。干渉フィルタ450は励起光(即ち、光源420からの光)の波長を遮断する。
【0041】
第1のレンズ460は、流管430内の流体中の微生物から発せられる平行蛍光ビーム448を第1の光検出器470上に集束させる。第1の光検出器470は、
図4に示す光電子増倍管(PMT)を含めて、蛍光測定用のいかなる種類の光検出器であってもよい。
【0042】
ビーム遮断器441は、光源420の光路内に配置され、光源420からの光を遮断すると共にミー散乱光446を通過させる。ビーム遮断器441は、第2のレンズ462の中心付近に配置されてよい。流管430内の粒子によって散乱したミー散乱光446は、第2のレンズ462により第2の光検出器472上に集束する。第2の光検出器472は、
図4に示すフォトダイオードを含めて、粒径測定用のいかなる種類の光検出器であってもよい。
【0043】
図4の実施形態において、放物面反射装置410の幾何学形状が式(2)及び(5)により最適化され、最適な集光効率が達成される一方で、検出器のその他の構成要素を適切に設置することが可能になる。放物面反射装置410は、好ましくは、流管430と光源420の光路を好都合に構成できる位置に配置された焦点413を有するように構成されるべきである。光源420と放物面反射装置410の軸を互いに対して垂直にすることの利点は、光源420(例えばレーザー)から蛍光検出チャネル(例えば蛍光448の光路)に迷光が送り込まれることを防ぐことにより、このチャネルにおけるバックグラウンドノイズを減少させることができるところにある。このような設計の別の利点は、放物面反射装置410から蛍光検出用光検出器470(例えばPMT)までの距離を短縮することにより、より小型の検出器パッケージが得られると共に、蛍光検出チャネルの集光能力を向上させることができるところにある。更に、
図4の実施形態により、ビームスプリッタが不要になる。
【0044】
図5に、本発明の第3の実施例に係る微生物検出器500の略図を示す。微生物検出器500は、流管530内の流体中の微生物から発せられる蛍光を集光するための放物面反射装置510を含む。反射装置510は、例えば光源520(例えばレーザービームであってよい)の入射と流管530の挿入とを可能にするために1個以上の穴511を含んでよい。流管530は流体流(例えば空気又は液体)を運び、この流体流中に微生物が存在することがあって、微生物検出器500により検出される。流管530と光源520の交点513は、放物面反射装置510の焦点に配置される。放物面反射装置510と光源520の軸は互いに対して斜角(即ち直角又は直角の倍数ではない)θを成す。
【0045】
干渉フィルタ550は、蛍光548の光路内に、例えば放物面反射装置510の軸の方向に配置されてよい。干渉フィルタ550は励起光(即ち光源420からの光)の波長を遮断する。
【0046】
第1のレンズ560は、流管430内の流体中の微生物から発せられると共に放物面反射装置510により反射された平行蛍光ビーム548を第1の光検出器570上に集束させる。第1の光検出器570は、
図5に示す光電子増倍管(PMT)を含めて、蛍光測定用のいかなる種類の光検出器であってもよい。
【0047】
ビーム遮断器541は、光源520の光路内に配置されて、光源520からの光を遮断すると共にミー散乱光546を通過させる。ビーム遮断器541は、第2のレンズ562の中心付近に配置されてよい。流管430内の粒子によって散乱したミー散乱光546は、第2のレンズ562により第2の光検出器572上に集束する。第2の光検出器572は、
図5に示すフォトダイオードを含めて、粒径測定用のいかなる種類の光検出器であってもよい。
【0048】
図5の実施形態において、放物面反射装置510の幾何学形状が式(2)及び(5)により最適化され、最適な集光効率が達成される一方で、検出器のその他の構成要素を適切に設置することが可能になる。放物面反射装置510は、好ましくは、流管530と光源520の光路を好都合に構成できるような位置に配置された焦点513を有するように構成されるべきである。光源520と放物面反射装置510の軸を互いに対して斜角にすることの利点は、光源520(例えばレーザー)から蛍光検出チャネル(例えば蛍光548の光路)に迷光が送り込まれることを防ぐことによって、このチャネルにおけるバックグラウンドノイズを減少させることができることである。このような設計の別の利点は、放物面反射装置510から蛍光検出用光検出器570(例えばPMT)までの距離を短縮することにより、より小型の検出器パッケージが得られると共に、蛍光検出チャネルの集光能力を向上させることができることである。更に、
図5の実施形態により、ビームスプリッタの必要性をなくす(
図3の実施形態と対照的に)ことができる。
【0049】
更に、ミー散乱光の光路546及び/又はミー散乱検出装置(即ち、光検出器572と第2のレンズ562とビーム遮断器541)を、
図5に示すように、放物面反射装置510の領域の外側に配置できるような態様に、軸間の斜角θを選択して実施することができる。その場合には、例えば反射装置の表面上にミー散乱チャネルの出射穴として必要である筈の追加の穴を放物面反射装置510に創出(例えば
図4の実施形態に示すように)しなくてもよくなるので、反射装置の集光力を高めることができる。
【0050】
図6に、本発明の第4の実施例に係る微生物検出器600の略図を示す。微生物検出器600は、流管630内の流体中の微生物から発せられる蛍光を集光するための放物面反射装置610を含む。反射装置610は、例えば光源620(例えばレーザービームであってよい)の出射と流管630の挿入とを可能にするために1個以上の穴611を含んでよい。流管630は流体流(例えば空気又は液体)を運ぶが、この流体流中に微生物が存在することがあって、この微生物は微生物検出器600により検出される。
【0051】
光源620は、鏡680により反射されると共に流管630の方へと導かれる光を生じる。流管630と光源620の交点613は、放物面反射装置610の焦点に配置される。放物面反射装置610と光源620との軸は互いに一致するが、逆方向を成す。即ち、光源620からの光は、鏡680と相互作用した後に、放物面反射装置610の頂点の方へと向かうと共にこの頂点を通過するが、放物面反射装置610の軸は頂点から外方に延在すると考えられる。
【0052】
干渉フィルタ650は、蛍光648の光路内に、例えば放物面反射装置610の軸の方向に配置されてよい。干渉フィルタ650は励起光(即ち光源620からの光)の波長を遮断する。鏡680は、干渉フィルタ650の中心又は中心付近に配置されてよい。
【0053】
第1のレンズ660は、流管630内の流体中の微生物から発せられると共に放物面反射装置610により反射される平行蛍光ビーム648を、第1の光検出器670上に集束させる。第1の光検出器670は、
図6に示す光電子増倍管(PMT)を含めて、蛍光測定用のいかなる種類の光検出器であってもよい。
【0054】
流管630内の粒子によって散乱したミー散乱光646は、第2のレンズ662により第2の光検出器672上に集束する。第2の光検出器672は、
図6に示すフォトダイオードを含めて、粒径測定用のいかなる種類の光検出器であってもよい。
【0055】
図6の実施形態において、放物面反射装置610の幾何学形状が式(2)及び(5)により最適化され、最適な集光効率が達成される一方で、検出器のその他の構成要素を適切に設置することが可能になる。放物面反射装置610は、好ましくは、流管630と光源620の光路を好都合に構成できるような位置に配置された焦点613を有するように構成されるべきである。光源620と放物面反射装置610との軸を一致させつつこれらが逆方向を成すようにすることの利点は、光源620から蛍光検出チャネル(例えば蛍光548の光路)に迷光が送り込まれることを防ぐことによって、このチャネルにおけるバックグラウンドノイズを低減可能なことである。
図6の実施形態によって得られる別の利点は、反射装置610の表面上に光源又はレーザービーム620の入射穴を切削することが不要になるので、反射装置の集光力を高められることにある。
【0056】
なお、放物面反射装置610と光源620(例えばレーザービーム)の軸は一致しなくてもよい。例えば、本実施形態の利点を失わずに、レーザービームを放物面の軸に対して斜角を成して流管630の方へと導くことができる。
【0057】
図7は、本発明の実施形態に係る微生物検出方法を示す流れ
図700である。流れ図のあらゆるプロセス記述又はブロックは、そのプロセスにおいて特定の論理的機能を実施するための1つ以上の命令を含むモジュール、セグメント、コード部分、又はステップを表すものと理解されるべきであり、当業者には理解されるように、含まれる機能によっては実質的に同時に逆の順序で実行されることを含めて、図面又は説明に示す順序とは異なる順序で実行され得るまた別の実施形態も、本発明の範囲内に含まれることに留意されたい。
【0058】
ブロック702に示すように、流体流は流管を介して供給される。流管は放物面反射装置の焦点を通る。ブロック704において、光ビームが流管の方へと導かれる。光ビームは、放物面反射装置の焦点において流管と交差する。ブロック706において、光ビームとの相互作用時に流体中の微生物から発せられる蛍光が放物面反射装置により反射される。ブロック708において、発せられた蛍光を第1の検出器が検出する。ブロック710において、第2の検出器がミー散乱光を検出する。
【0059】
本発明の上記の実施形態、特に、あらゆる「好適な」実施形態は、本発明の原理を明確に理解するために示された可能な実施形態の例にすぎないことを強調しておく。本発明の本質及び範囲から実質的に逸脱することなく、本発明の上記の実施形態に多くの変更及び改変を加えることができる。こうした全ての改変及び変更は、本発明及び本開示の範囲内に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることを意図している。