特許第5787416号(P5787416)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5787416反応容器矯正装置およびこれを用いた反応容器の矯正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787416
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】反応容器矯正装置およびこれを用いた反応容器の矯正方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 3/14 20060101AFI20150910BHJP
【FI】
   B21D3/14 B
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-12014(P2013-12014)
(22)【出願日】2013年1月25日
(65)【公開番号】特開2014-140880(P2014-140880A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2013年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】390007227
【氏名又は名称】東邦チタニウム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】中島 悟
(72)【発明者】
【氏名】冨田 太郎
(72)【発明者】
【氏名】阪上 敦
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−212443(JP,A)
【文献】 特開2001−038421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 3/00− 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の反応容器内部に装入して反応容器の歪みを室温下で矯正する矯正装置であって、
円周方向に放射状に伸長可能な複数のシリンダアームと、
前記各シリンダアームの先端部に装着された矯正ヘッドと、
前記各シリンダアームに接続され前記矯正ヘッドを駆動する油圧装置と、
前記各矯正ヘッドのストローク検出手段と、
前記反応容器に対する押圧力測定手段と
を備え、ダンパーを介して昇降装置に支持されていることを特徴とする反応容器の矯正装置。
【請求項2】
前記矯正装置には、前記矯正装置全体を支持する治具が装着されており、前記具には、 前記ダンパーが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の反応容器の矯正装置。
【請求項3】
前記検出手段および測定手段で測定された測定値を、前記反応容器外部の記録手段に伝送するためのデータ伝送手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の反応容器の矯正装置。
【請求項4】
円筒状の反応容器内部に矯正装置を装入して反応容器の歪みを矯正する方法であって、
前記矯正装置は、円周方向に放射状に伸長可能な複数のシリンダアームと、前記シリンダアームの先端部に装着された矯正ヘッドと、前記シリンダアームに接続され前記矯正ヘッドを駆動する油圧装置と、前記矯正ヘッドのストローク検出手段と、前記反応容器に対する押圧力測定手段とを備え、
前記反応容器の変形量に応じて、前記反応容器の最大変形荷重を超えないように前記矯正ヘッドのストロークを調整しながら前記反応容器を押圧することにより室温下で矯正することを特徴とする反応容器の矯正方法。
【請求項5】
前記矯正装置は、前記反応容器内面の半径方向の変形量を測定するセンサーを備え、
前記センサーで測定された測定値を通信によって管理室に設置したコンピュータに伝送し、
前記コンピュータに装着された記録手段に前記測定値を記録することを特徴とする請求項4に記載の反応容器の矯正方法。
【請求項6】
前記記録手段に記録された反応容器の変形情報に基づき、反応容器全体の矯正量を前記コンピュータにより演算し、
前記矯正量に基づいて、反応容器全体を矯正することを特徴とする請求項5に記載の反応容器の矯正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポンジチタンの反応容器の矯正装置およびこれを用いた反応容器の矯正方法に係り、特に、効率よく反応装置の変形を矯正することができる装置および方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
スポンジチタンは、ステンレス製の反応容器内に事前に仕込んだ溶融マグネシウム浴の表面に四塩化チタンを滴下することで四塩化チタンが溶融マグネシウムで還元される還元工程を経ることにより生成される(クロール法)。このスポンジチタンを、さらに、高温・減圧下に保持する真空分離工程を経ることで、塩化マグネシウムや金属マグネシウムを殆ど含有しない純度の高いスポンジチタンが製造されている。
【0003】
前記した還元工程や真空分離工程は、温度が900〜1000℃という高温であるため、反応バッチを重ねていくうちに、反応容器が次第に変形する傾向を示す。
【0004】
前記した反応容器の変形は、反応容器の頂部がネッキング(鉛直方向の長さが増大するとともに内径が減少)を起こすような形に変形する場合が多く、この状態が進行すると反応容器内で生成したスポンジチタンを反応容器から抜き出すことができなくなるという課題に遭遇する。
【0005】
このため、上記のような反応容器の変形が矯正可能な許容限度内にあるときに、前記反応容器を矯正する対策が講じられている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
前記した矯正対策は、反応容器を高温に保持した状態で、反応容器内に装入した矯正装置に装着したシリンダアームを伸張させて押圧することにより、反応容器壁に生起したネッキング状の変形を効率よく矯正することができている。
【0007】
しかしながら、前記した矯正作業は、700〜800℃という高温で作業するために、同温度まで反応容器を加熱するための時間と電気エネルギーを要するという課題が残る。
【0008】
また、矯正装置自身も前記した高温環境に曝されるため、遮熱耐熱対策が必要となり、装置自身の重量が重くなりハンドリングの点で支障が出る場合があり、改善が求められている。
【0009】
更には、当該矯正作業を進めるに先立って、反応容器内の変形状態を事前に把握しておくことが必要となり、当該測定作業を含めた作業効率という点では、改善の余地が残されている。
【0010】
また、変形した反応容器に対して、どの程度の矯正量が最適であるかという点についての認識が十分ではなく、反応容器の矯正中あるいは矯正後に、矯正装置による押圧に起因して反応容器壁にクラックが入る場合があり改善が求められている。
【0011】
このように、変形の進んだスポンジチタンの製造用反応容器に対して効率よく矯正作業を進めることができる矯正装置および矯正方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平05−212443号公報(本文)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、クロール法によるスポンジチタンの製造に用いる反応容器の矯正に際して、上記諸問題を解決した、好適な矯正装置および矯正方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる実情に鑑み前記課題について鋭意検討を進めたところ、スポンジチタンの製造に用いる反応容器の矯正装置であって、矯正装置に設けた矯正ヘッドの変位ストロークを検出し、かつ、前記ストロークを保持するための応力を検出するための設備を内装することにより、反応容器壁のクラックを生起させることなく、反応容器の変形部位を効率よく矯正することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
また、本発明に係る矯正装置に、反応容器内壁面と矯正装置との距離を測定する装置を併設することにより、反応容器内壁面の変形状況を簡便に知ることができることも見出した。
【0016】
更には、反応容器の内面方向に伸張可能なシリンダの容量を強化することにより従来高温で作業していた矯正作業を室温下において矯正作業を進めることができることも知見して、本発明を完成するに至った。
【0017】
即ち、本発明に係る反応容器の矯正装置は、円筒状の反応容器内部に装入して反応容器の歪みを室温下で矯正する矯正装置であって、円周方向に放射状に伸長可能な複数のシリンダアームと、シリンダアームの先端部に装着された矯正ヘッドと、シリンダアームに接続され矯正ヘッドを駆動する油圧装置と、矯正ヘッドのストローク検出手段と、反応容器に対する押圧力測定手段とを備え、ダンパーを介して昇降装置に支持されていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明においては、前記矯正装置には、矯正装置全体を支持する治具が装着されており、冶具には、ダンパーが接続されていることを好ましい態様とするものである。
【0019】
本発明においては、前記検出手段および測定手段で測定された測定値を、反応容器外部の記録手段に伝送するためのデータ伝送手段を備えたことを好ましい態様とするものである。
【0020】
また、本発明に係る反応容器の矯正方法は、円筒状の反応容器内部に矯正装置を装入して反応容器の歪みを矯正する方法であって、矯正装置は、円周方向に放射状に伸長可能な複数のシリンダアームと、シリンダアームの先端部に装着された矯正ヘッドと、シリンダアームに接続され矯正ヘッドを駆動する油圧装置と、矯正ヘッドのストローク検出手段と、反応容器に対する押圧力測定手段とを備え、反応容器の変形量に応じて、反応容器の最大変形荷重を超えないように矯正ヘッドのストロークを調整しながら反応容器を押圧することにより室温下で矯正することを特徴とするものである。
【0022】
本発明においては、前記矯正装置は、反応容器内面の半径方向の変形量を測定するセンサーを備え、センサーで測定された測定値を通信によって管理室に設置したコンピュータに伝送し、コンピュータに装着された記録手段に測定値を記録することを好ましい態様とするものである。
【0023】
本発明においては、前記記録手段に記録された反応容器の変形情報に基づき、反応容器全体の矯正量を前記コンピュータにより演算し、矯正量に基づいて、反応容器全体を矯正することを好ましい態様とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明に従うことにより、四塩化チタンの還元工程に供される中で変形した反応容器を効率よく矯正することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の反応容器の矯正装置を示す側面図である。
図2】本発明の反応容器の矯正装置を反応容器に装入した状態を示す平面図である。
図3】本発明の反応容器の矯正装置を反応容器に装入した状態を示す側面図である。
図4】本発明の反応容器の矯正装置を反応容器に装入した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の最良の実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明に係る好ましい装置構成を表している。また、図2および3は、当該装置が反応容器内に装入された状態を表している。本発明に係る反応容器の矯正装置Mは、矯正装置本体1、矯正ヘッド2、シリンダアーム3及びストローク検出器4、ダンパー5、変位測定装置6、データ伝送装置7から構成されており、同装置全体が昇降装置10のフックに懸垂されている状態を表している。
【0027】
前記懸垂状態にある矯正装置Mは、昇降装置10の昇降操作により、変形の進んだ反応容器8内に装入され、矯正したい鉛直位置に矯正装置Mを配置した後、前記矯正装置Mに具備されたシリンダアーム3を伸張させて、内側に収縮する方向に変形した反応容器8の変形部位を矯正ヘッド2で押圧して矯正することができる。
【0028】
本発明に係る矯正装置Mには、前記伸縮するシリンダアーム3のストローク検出器4が配置されており、事前に設定した変位量まで反応容器8の変形部位を適正範囲まで矯正することができるという効果を奏するものである。
【0029】
更に、本発明に係る反応容器8の矯正装置Mには、ダンパー5が介装されており、昇降装置10に接続されている。前記ダンパー5は、矯正装置本体1が矯正操作中に上下に揺動する際の衝撃を緩和させるという効果を奏するものである。
【0030】
矯正装置本体1に具備された変位測定装置6は、音波または光を放射してその反射波により対象物(この場合は反応容器8壁)までの距離やその表面性状を測定する公知のセンサーを有する装置を採用することができる。
【0031】
変位測定装置6に具備されたデータ伝送装置7は、通信手段により、変位測定装置6の測定値を反応容器外部に伝送するための装置である。前記通信は、無線あるいは有線手段により実施することができる。
【0032】
次に、反応容器8の内壁面の変位測定装置6を用いた場合の好ましい態様について、以下述べる。当該実施態様では、反応容器8の変形量測定工程と反応容器8の矯正工程の二つに分けて、説明する。
【0033】
1)反応容器の変形量測定工程
本発明に係る反応容器の矯正装置本体1には、反応容器8の内壁面の変位測定装置6が具備されていることを好ましい態様とするものである。矯正装置本体1に具備された変位測定装置6によれば、矯正装置Mを反応容器内に挿入することにより、反応容器内壁面に形成されている凹凸を測定することができる、という効果を奏するものである。
【0034】
前記変位測定装置6には、データ伝送装置7を具備させることもできる。前記したようなデータ伝送装置7を具備させることにより、その場で測定されたデータをリアルタイムに、例えば、管理室に設けたサーバーに転送することができるという効果を奏するものである。
【0035】
2)反応容器の矯正工程
本発明に係る反応容器8の矯正工程においては、前記反応容器8の変形量測定工程で測定されたデータに基づき、変形した反応容器の変位量を自動計算させ、その後、目標とする同反応容器壁の矯正量を計算させるような構成とすることが好ましい。
【0036】
図4を用いて、前記した測定値の具体的な内容について以下に説明する。図4は、反応容器矯正装置Mを反応容器8内の或る鉛直位置に位置させた場合の一状況を平面図によって模式的に表している。
【0037】
ここで、反応容器矯正装置Mに具備した矯正ヘッド2の表面から矯正装置Mの中心までの距離をR、矯正前の容器壁8aの内面までの距離をδとし、更に、矯正後の容器壁8bまでの距離をδ’とする。なお、図4ではシリンダアーム3および矯正ヘッド2が4基設置された例を示しているので、i=1、2、3、4を取る。しかしながら、本発明においては、シリンダアーム3および矯正ヘッド2は4基に限定されず任意の基数に変更することができ、その場合、iの取る値は変化する。
【0038】
図4のとき、矯正前の反応容器壁8aの平均半径Rは、
=Σ(R+δ)/4 (mm)
で表わせる。
【0039】
また、矯正後の反応容器壁8bの平均半径R’は、
’=Σ(R+δ+δ’)/4 (mm)
で表せる。
【0040】
よって、反応容器8の矯正時に反応容器に生起された歪(ε)は、
ε=π・(R−R’)/π・R
で表される。
【0041】
したがって、反応容器全体に印加される応力σは、上記εとヤング率(YK)により、次式で表現できる。
σ=E・ε
【0042】
ここで、Eは、ヤング率という係数である。よって、ヤング率と矯正時に印加される歪が決まれば、反応容器に印加される応力σも決定される。よって、上記σが、反応容器材料の破壊応力を超えないにように制御する必要がある。
【0043】
以上のような情報処理を行なわせることにより、過矯正による矯正部の割れを効率よく抑制することができる、という効果を奏するものである。
【0044】
前記した方式で計算された矯正量は、反応容器高さの関数として保存しておくことが好ましい。この関数を保存しておくことにより、前記したような矯正量を入力値として、本発明に係る矯正装置に具備させたシリンダアーム3の伸張量(変位量)を制御することができる、という効果を奏する。
【0045】
また、本発明に係る矯正装置Mが係合されている昇降装置10のフックを上下させることにより、同矯正装置の鉛直位置を確定することができ、その際、サーバーに保管されている関数により、その鉛直位置における矯正目標値が算出され、シリンダアーム3を目標値まで伸張させることができ、その結果、最適な矯正量として保持することができる、という効果を奏するものである。
【0046】
以上述べたような操作を行うことで、反応容器壁に生起されている凹凸部を効率よく、また精度よく矯正することができる、という効果を奏するものである。
【実施例】
【0047】
以下、実施例および比較例により本発明をより具体的に説明する。
実施例で使用した設備および条件を以下に列記する。
1.設備条件
1)反応容器
形状:内径1900mm×高さ5000mm
材質:ステンレス鋼
2)反応容器矯正装置
図1に示すような装置を用いた。同装置に装備されているセンサーの仕様以下のとおり。
矯正ヘッドストローク検出装置:機械式ストローク長検出装置
反応容器壁からの距離測定装置:光学式センサー
矯正装置の鉛直位置把握装置:光学式センサー
3)手動矯正
反応容器内に挿入された矯正装置に内装されたシリンダアームを伸張させて目標とされるストロークまで矯正ヘッドを伸張させた。
4)自動矯正
測定データ処理および自動矯正装置
手順1:ADコンバーターにより信号をデジタル化した後、無線通信手段により同データを管理室にあるサーバーにデータを転送。
手順2:サーバーに保持された反応容器壁のプロフィールと照合して、反応容器鉛直位置の関数として反応容器壁の形状を復元するに必要な矯正装置に内装されたシリンダーのストローク長を計算してサーバーに保存。
手順3:反応容器内に挿入された反応容器の矯正装置の鉛直方向の位置情報に基づき反応容器壁の伸張量を計算させて、同計算値を超えない範囲で、シリンダーのストロークを調整して、反応用容器変形を矯正した。
2.試験方法
前記した装置構成を使用して、反応容器の矯正作業を進めた。
【0048】
[実施例1]
内壁の変形した反応容器の状態を人手により測定して鉛直方向の変形プロフィールを作成した後、同プロフィールに基づき、本発明に係る矯正装置を反応容器上部より反応容器内に懸垂した状態で所定の鉛直位置まで降下させた。
【0049】
次いで、同装置に内装されているシリンダーを所定の長さだけ伸張させた。その際同装置に敷設されたストローク検出器4の表示を見ながら、シリンダーを所定ストロークまで伸張させた。
【0050】
上記操作を鉛直下方に沿って順次操作することにより、反応容器の頂部から底部までの全体を冷間で矯正することができた。なお、矯正終了後、容器を密閉して所定の1気圧まで加圧して、割れに起因するようなリークがないことを確認後、スポンジチタンの製造容器として使用した。
【0051】
[比較例1]
実施例1において、反応容器を1000℃まで加熱して矯正操作を実施した以外は、同じ条件下にて反応容器の矯正操作を行った。その結果、冷間で矯正を行った実施例1に比べて、矯正時間は66%ほど悪化した。さらに、矯正に先立って行う反応容器の加熱時間があり、総合的には、実施例1に比べて、約3〜4倍の時間を要した。
【0052】
[実施例2]
実施例1において、反応容器壁の変形の測定を本発明に係る矯正装置Mに設置した容器壁変位測定装置を使用して、反応容器内内壁の鉛直方向の変形プロフィールを測定して管理室にあるサーバーに転送した。
【0053】
次いで、反応容器内の頂部近傍に、矯正装置Mを移動させた。反応容器内に停止している矯正装置Mの高さをセンサーにより自動計測してその信号をサーバーに送信した後、同位置における適正矯正量を計算させて矯正装置にフィードバックさせて、当該矯正装置に内装させたシリンダーの伸張量を自動で制御して反応容器の矯正を実施した。
【0054】
[比較例2]
実施例1において、反応容器内に配設した矯正装置のストローク変位を目視で調節しつつ矯正作業を進めた。その結果、自動矯正作業を進めた実施例1に比べて、1.5倍の時間を要した。また、同矯正作業終了後にリークチェックを行なったところ、反応容器の矯正部位の一部よりガスのリークが検出された。同ガスリーク箇所を詳細に調べたところ線状のクラックが観察された。ガスリークの検出された同部位に対して補修を行なった後、同反応容器は、スポンジチタンの製造工程に供された。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明はスポンジチタン製造に使用する反応容器の矯正操作に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0056】
M…矯正装置、
1…矯正装置本体、
2…矯正ヘッド、
3…シリンダアーム、
4…ストローク検出器、
5…ダンパー、
6…変位測定装置、
7…データ伝送装置、
8…反応容器(壁)、
8a…矯正前反応容器壁、
8b…矯正後反応容器壁、
10…昇降装置。
図1
図2
図3
図4