(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ステップ(c)において、前記検知されたパラメータが、前記地面(14)に対して実質的に垂直に向いた前記反力の成分に対応するように、前記少なくとも1つのひずみゲージが配向される、請求項4に記載の方法。
前記少なくとも1つのひずみゲージが、前記ひずみゲージによって測定される力の少なくとも大部分が、前記地面(14)に対して垂直に向くように配向されたゲージ軸を有する、請求項12に記載の建設機械。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ミリングドラムを有する建設機械の制御を維持するために、特に(前方又は後方に)急に傾く事態の発生を低減させるために又は完全に無くすためにシステムを改良することが、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1又は2に記載の方法、及び、請求項9又は10に記載の装置によって解決される。
【0006】
第1の実施形態では、フレームと、このフレームから支持された、地面を掘削するためのミリングドラムと、地面と係合しフレームを支持する複数の地面係合支持部と、この地面係合支持部のうちの少なくとも1つに連結され、少なくとも1つの地面係合支持部に推進力を提供する前進駆動装置とを有する建設機械を制御するための方法が提供される。この方法は、以下のステップを含む。
【0007】
ミリングドラムは、下向き削りモードで操作される(ステップa)。前進駆動装置に推進パワーが加えられ、前進速度で建設機械を前方に移動させる(ステップb)。ミリングドラムに作用する反力に対応するパラメータが検知される(ステップc)。反力の増大に対応するパラメータの変化が検出される(ステップd)。この変化を検出することに応答して、かつ下向き削りモードでミリングドラムの操作を継続しながら、前進駆動装置に供給される推進パワーを低減させて前進速度を低下させ、それにより、反力を低減させて、前方に急に傾く事態を防止する(ステップe)。
【0008】
第2の実施形態では、フレーム、及び、このフレームから支持された、地面を掘削するためのミリングドラムを有する建設機械を制御するための方法が提供される。ミリングドラムが回転する(ステップa)。回転するミリングドラムが、地面に対して下げられる(ステップb)。ミリングドラムに作用する反力に対応するパラメータが検知される(ステップc)。反力の増大に対応するパラメータの変化が検出される(ステップd)。この変化を検出することに応答して、かつミリングドラムの回転を継続しながら、ミリングドラムを下げる速度を低下させ、それにより、前方又は後方に急に傾く事態を防止する(ステップe)。
【0009】
第1又は第2の実施形態のステップ(e)はさらに、地面係合支持部のうちの少なくとも1つに制動力を加えるステップを含んでもよい。これは、ステップ(e)でさらに実行されることが好ましい。
【0010】
第1の実施形態のステップ(e)はさらに、建設機械の前進速度が、選択された動作速度を超えることを防止するステップを含んでもよい。建設機械は、フレームからミリングドラムを支持するミリングドラムハウジングを備えることが好ましく、第1の実施形態のステップ(c)において、検知されたパラメータは、フレーム又はミリングドラムハウジングのいずれかに配置された、少なくとも1つのひずみゲージからの出力を含む。
【0011】
ステップ(c)では、検知されたパラメータが、地面に対して実質的に垂直に向いた反力の成分に対応するように、少なくとも1つのひずみゲージが配向されてもよい。
【0012】
少なくとも1つのひずみゲージはまた、地面に対して実質的に垂直に配向されてもよい。
【0013】
検知されたパラメータは、フレーム又はミリングドラムハウジングの両側に配置された、少なくとも2つのひずみゲージからの出力を含んでもよい。
【0014】
あるいは、検知されたパラメータは、動作可能なようにフレーム及び/又はミリングドラムに連結されたロードセルからの出力を含んでもよい。
【0015】
前述の代替実施形態のいずれにおいても、地面係合支持部のうちの1つをフレームに接続する液圧ラム内の圧力が検知されてもよく、また、液圧ラム内の検知された圧力が所定の値を下回って降下する場合には、ミリングドラムの動作が停止することになる。
【0016】
さらなる代替実施形態では、ステップ(c)での検知されたパラメータは、フレーム上に配置された、フレームの曲がりを検出している少なくとも1つのひずみゲージからの出力を含んでもよい。
【0017】
ステップ(c)での検知されたパラメータはまた、フレームからミリングドラムを回転可能なように支持する、少なくとも1つのベアリング内の負荷を含んでもよい。
【0018】
第1及び第2の実施形態のステップ(d)はさらに、反力が、0%より大きい下端及び100%未満の上端によって規定された、建設機械の重量パーセンテージの範囲として規定された動作範囲内にあるかどうか検出するステップを含んでもよく、またステップ(e)はさらに、反力が動作範囲内、もしくは動作範囲を超える場合にのみ、前進速度を低下させるステップ、又はミリングドラムを下げる速度を低下させるステップを含んでもよい。
【0019】
第1の実施形態のステップ(e)はさらに、動作範囲全体を通して、反力に対して線形に比例して前進速度を低下させるステップを含んでもよい。あるいは、第1及び第2の実施形態のステップ(e)はさらに、前進駆動装置への推進パワーをゼロまで低減させるステップを含んでもよく、また、反力が、動作範囲の上端と等しいかそれよりも大きい場合に、回転するミリングドラムを地面に向けて下げることを停止してもよい。
【0020】
ステップ(d)での一例として、下端は少なくとも50%であり、上端は95%以下である。
【0021】
第1及び第2の実施形態のステップ(c)では、検知されたパラメータは、フレームもしくはミリングドラムハウジングのいずれかに配置された少なくとも1つのひずみゲージからの出力、又はフレームもしくはミリングドラムハウジングの両側に配置された少なくとも2つのひずみゲージからの出力、フレーム及びミリングドラムに動作可能に連結されたロードセルからの出力、フレームに配置され、このフレームの曲がりを検知する少なくとも1つのひずみゲージからの出力、フレームからミリングドラムを回転可能に支持する少なくとも1つのベアリング内の負荷を含んでもよい。
【0022】
同様に、この目的は、請求項9又は10の特徴によって解決される。
【0023】
第1の実施形態では、建設機械は、フレーム、及び、このフレームから支持された、地面を掘削するためのミリングドラムを備える。ミリングドラムは、下向き削りモードで動作するように構成される。複数の地面係合支持部が、地面からフレームを支持する。前進駆動装置は、地面係合支持部のうちの少なくとも1つと連結して、地面全体にわたって建設機械を前進させるための推進パワーを供給する。ミリングドラムに作用する地面からの反力に対応するパラメータを検出するための、センサが配置されている。アクチュエータが、前進駆動装置に動作可能なように連結されていて、前進駆動装置による推進パワー出力を制御する。制御装置が、センサに接続されて、このセンサからの入力信号を受信し、またアクチュエータに接続されて、このアクチュエータに制御信号を送信する。この制御装置は、反力の増大に対応する検知されたパラメータの変化を検出し、その変化に応答して、前進駆動装置に供給される推進パワーを低減させて、建設機械が前方に急に傾く事態を防止するのに役立つ動作ルーチンを含む。
【0024】
第2の実施形態では、建設機械は、フレーム、及び、このフレームから支持された、地面を掘削するためのミリングドラムを備える。複数の地面係合支持部が、地面からフレームを支持する。ミリングドラムに作用する地面からの反力に対応するパラメータを検出するための、少なくとも1つのセンサが配置されている。ミリングドラムが地面に向けて下げられる速度を制御するための作動手段が、動作可能なようにミリングドラム又はフレームに連結されている。制御装置が、センサに接続されて、このセンサからの入力信号を受信し、またアクチュエータに接続されて、このアクチュエータに制御信号を送信する。この制御装置は、反力の増大に対応する検知されたパラメータの変化を検出し、その変化に応答して、ミリングドラムが下げられる速度を低下させて、建設機械が前方又は後方に急に傾く事態を防止するのに役立つ動作ルーチンを含む。
【0025】
作動手段は、前進駆動装置に連結されたアクチュエータ、又はフレームとともにミリングドラムを上げ下げするためにフレームに連結された、つり上げアクチュエータでもよい。
【0026】
両方の実施形態の建設機械はさらに、地面係合支持部のうちの1つ又は複数の支持部に接続された制動システムを備えてもよく、制御装置がまた、この制動システムに接続されており、動作ルーチンがさらに、前方に急に傾く事態を防止するのに役立つように制動力を加えるよう、この制動システムに指示する。
【0027】
建設機械の両方の実施形態のセンサは、少なくとも1つのひずみゲージを備えてもよい。
【0028】
少なくとも1つのひずみゲージは、このひずみゲージによって測定される力の少なくとも大部分が、地面に対して垂直に向くように配向されたゲージ軸を有してもよい。
【0029】
少なくとも1つのひずみゲージを、フレーム上に配置してもよい。
【0030】
少なくとも2つのひずみゲージを、フレームの両側に設けてもよい。
【0031】
建設機械はさらに、フレームからミリングドラムを支持するミリングドラムハウジングを備えてもよく、少なくとも1つのひずみゲージが、このミリングドラムハウジングに配置されている。
【0032】
あるいは、少なくとも2つのひずみゲージを、ミリングドラムハウジングの両側に設けてもよい。
【0033】
別の実施形態では、センサは、少なくとも1つのロードセルを備えてもよい。
【0034】
センサは、フレームに連結され、このフレームの曲がりを検出するように配向された、少なくとも1つのひずみゲージを備えてもよい。
【0035】
一代替実施形態では、センサは、少なくとも1つのベアリング負荷センサを備えてもよい。
【0036】
制御装置の動作ルーチンは、下端から上端に至る動作範囲内に反力があるかどうか検出してもよく、またこの動作ルーチンは、反力が動作範囲内にある場合には、第1の実施形態において、前進駆動装置への推進パワーを低減させるか、又は第2の実施形態において、ミリングドラムを地面に向けて下げる速度を低減させる。
【0037】
動作ルーチンは、反力が動作範囲の上端に等しいか、又はそれを超える場合、推進パワーをゼロまで低減させてもよい。
【0038】
添付図面と併せて以下の開示を読めば、本発明の数多くの目的、特徴、及び利点が、当業者には容易に明らかになろう。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、符号10で全体を示した建設機械の側面図を示す。
図1に示した建設機械10は、ミリングマシンである。建設機械10はまた、スタビライザ/リサイクラでも、ミリングドラム12を含むタイプの他の建設機械でもよい。ミリングドラム12が、地面14と係合している状態で、
図2に概略的に示してある。
【0041】
図1の建設機械10は、フレーム16と、フレーム16に取り付けられたミリングドラムハウジング18とを備える。ミリングドラム12は、ミリングドラムハウジング18内で回転可能に支持される。
【0042】
図2のミリングドラム12は、下向き削りモードで動作している状態を概略的に示されている。下向き削りモードでは、建設機械10は、
図1及び
図2の矢印20で示した方向に、左から右に前進している。
【0043】
ミリングドラム12は、矢印22で示すように、時計回りに回転している。ミリングドラム12は、その上に取り付けられた複数の切削工具24を備える。切削工具24のそれぞれは、順に地面14と係合し、地面を貫いて、符号26など下向きの円弧状経路を削り出す。
図2の概略図では、切削工具24Aが、円弧状の経路26Aの切削をちょうど終えたところである。次の切削工具24Bが、地面と係合しようとしており、破線で示した次の円弧状の経路26Bを切削することになる。
図2は、概略図に過ぎず、当業者には理解されるように、ドラム12には、実際には非常に多数の切削工具が、その全幅にわたって取り付けられており、進行方向でのドラムの任意の断面においては、1つ又は2つの切削工具のみが実際に存在することになる。しかし、ドラム12の全幅にわたって、30個もの切削工具が、常に地面と係合することができる。
【0044】
切削ドラム12によって地面14に加えられる力が、建設機械のドラムが移動するのと同じ方向において建設機械10を前方に駆動することに留意されたい。
【0045】
図1を参照すると、建設機械10は、符号28や30などの複数の地面係合支持部を備える。地面係合支持部28及び30はまた、走行装置を呼ばれることがあり、図に示すような無限軌道でもよく、また車輪及びタイヤでもよい。建設機械10には、1つ又は複数の前方地面係合支持部28、及び、1つ又は複数の後方地面係合支持部30が含まれ得る。当業者には理解されるように、建設機械10は、通常、3つ又は4つのこうした地面係合支持部を有する。符号28や30などの各地面係合支持部は、符号32や34などの液圧ラムの下端に取り付けられて、調整可能なように地面14からフレーム16を支持する。ラム32及び34は、入れ子式ハウジング36及び38に内蔵され、これらのハウジングにより、フレーム16の高さが地面14に対して調節できるようになる。
【0046】
1つ又は複数の、地面係合支持部28及び30は、それと連結する符号40や42などの前進駆動装置を有して、地面14全体にわたって建設機械10を前進させるための推進パワーを供給することになる。前進駆動装置40及び42は、液圧式駆動装置もしくは電気駆動装置、又は他の任意の適切な前進駆動機構でよい。
【0047】
建設機械10は、人間のオペレータがオペレータ椅子46に着座するか立った状態で、制御端末48から建設機械10の動作を制御する、運転台44すなわちオペレータ台を備える。
【0048】
一般に、ミリングドラムを有する建設機械は、
図2に概略を示した下向き削りモードか、それともミリングドラムが逆向きに回転する上向き削りモードのいずれかで動作することができる。もちろん、上向き削りモードで動作する場合、切削刃24の傾きは逆になるはずである。下向き削りモード又は上向き削りモードでの動作の概念は、地面係合支持部の回転の方向に関連することに留意されたい。ドラムが、地面係合支持部(車輪又は軌道)が回転しているのと同じ方向で回転している場合、機械は下向き削りモードで動作している。ドラムが、地面係合支持部の向きとは逆の向きで回転している場合、機械は上向き削りモードで動作している。前方向に移動するときに下向き削りモードで動作する、
図1に示したような機械は、逆向きに移動する場合には上向き削りモードで動作することになる。上向き削りモードでの動作は、当業界では「通常削り(conventional milling)」と呼ばれることがあるが、下向き削りモードでの動作は、「登り式削り(climb milling)」と呼ばれることがある。
【0049】
様々な作業状況において、様々な建設機械で、上向き削りモード又は下向き削りモードのいずれかを利用してもよい。スタビライザ/リサイクラマシンとして知られている建設機械の1つのタイプでは、地面が掘削され、掘削された物質が直ちに散布され、次いで再び押し固められる。このようなスタビライザ/リサイクラマシンで下向き削りモードの動作が好ましいというのも、それにより、上向き削りモードの場合よりも粉砕された道路の物質の粒子が細かくなる傾向にあるからである。
【0050】
図2に示した下向き削りモードで動作する建設機械10を用いて掘削シーケンスの作業を開始するために、建設機械は、ミリングドラム12を地面14上の高い位置に保持された状態で、所望の開始位置まで移動される。ミリングマシンにおいて、地面に対するミリングドラム12の高さは、通常、符号32や34などの液圧ラムの伸長及び収縮によって制御される。スタビライザ/リサイクラマシンにおいて、地面に対するミリングドラム12の高さは、通常、機械のフレームに対してドラムを下げる液圧ラムによって制御される。ミリングドラム12は、
図2に示すように、方向22に回転する。ミリングドラム12の回転速度は、通常、およそ100rpm程度の一定速度であり、この速度は、機械10の主要な動力源、典型的にはディーゼルエンジンと、クラッチを介してこの動力源をミリングドラム12に連結するドライブトレイン、典型的にはミリングドラム12に内蔵された歯車減速機を駆動するVベルト及びプーリー装置との動作速度によって決定される。次いで、切削工具24が地面14の切削を開始するまで、回転するミリングドラムが地面14に対して下げられる。回転するドラムは、所望の掘削深度まで、引き続きゆっくりと下げられる。次いで、建設機械10は、符号40や42などの前進駆動装置に推進パワーを加えることにより、方向20に前方移動される。
【0051】
ミリングドラム12によって形成される切削の深さは、通常、プロファイル制御システムによって制御され、このシステムは、地面の上のガイドストリング又は誘導路などの基準線を監視し、ミリングドラム12の切削の所望の高さを維持する。建設機械10の前進速度は、運転台44に着座している人間のオペレータが制御してもよく、所望の前進速度の設定ポイントの、制御システムへのセッティングを含んでもよい。
【0052】
図2に示した下向き削りモードで動作する建設機械10を使用する際に直面することがある1つの問題は、制御されない状態で前方に急に傾く事態であり、そこでは、ミリングドラム12に加えられるパワーにより、ミリングドラム12が切削部からずり上がって地面14上に乗り、その結果、ミリングドラムが、実際に機械10を前方に駆動することがある。ミリングドラム表面の速度が、機械を推進する車輪又は軌道の速度の何倍もの速度であるという事実により、このように前方に急に傾く事態が発生することがある。
【0053】
ミリングドラム12の動作は、地面によってミリングドラム12にもたらされる反力の関数として説明することができる。反力は、垂直成分及び水平成分を有すると考えることができる。反力の垂直成分は、本質的に、ミリングドラム12が地面14と係合することによって支持される建設機械10の総重量の垂直部分に起因する。反力の水平成分は、本質的に、前進駆動装置がドラムを地面に向けて前方に移動させることに起因する。本明細書に記載の本発明のいくつかの実施形態は、主に、反力の垂直成分に焦点を当てるが、本発明は、もっぱら垂直成分を検知することだけに限定されるものではない。
【0054】
ミリングドラム12が地面14と係合する前に、ミリングドラム12が地面14の上に保持されているとき、反力はゼロに等しい。符号28や30などの様々な地面係合支持部によって、建設機械10の重量全体が支持される。ミリングドラム12が地面14と係合するように下げられるとき、建設機械10の重量のある部分が、実際にミリングドラム12によって支持され、したがって、符号28や30などの様々な地面係合支持部によって支持される垂直負荷が、ミリングドラム12によって支持されている負荷の量だけ低減される。地面係合支持部28及び30が地面から完全に持ち上げられ、機械全体がミリングドラム12の上に載っている点にまで液圧ラム32及び34が収縮している場合、反力の垂直成分は、建設機械の重量の100%に等しいはずである。したがって、ミリングドラム12が地面と係合している状態で装置10が動作している間、反力の垂直成分は、建設機械の重量のゼロ%から100%の間のいずれかにあることになる。数多くの要因が、この反力の一因になる。これら要因は、数ある中で以下のものを含む。
1.切削工具24の状態。すなわち、それらが新しいか使い古されているか。
2.切削される地面14の材質の硬さ。
3.機械10が方向20に前方移動するときの前進速度。
4.ミリングドラムが地面14を切削するときの掘削深度50。
【0055】
ミリングドラム12がまず、地面14と係合するように下げられるときに作用し始める他の要因は、回転するミリングドラム12が地面14に向けて下げられるときの下降速度である。以下のように、反力と、予期せず「前方に急に傾く」又は「後方に急に傾く」事態が生じる可能性とに、これら様々な要因が影響を及ぼす。
【0056】
切削工具24の状態に関しては、切削工具が新しく鋭い場合は反力が低く、切削工具が使い古されてくると反力が増大する。
【0057】
地面14の材質の硬さに関しては、材質が硬いほど、ミリングドラム12への反力が強くなる。機械10が、地面の材質の硬さが増大する状態に予期せず直面する場合、この機械10は、予期せず前方に急に傾くことがある。
【0058】
前進速度に関しては、前進速度が高くなるほど、ミリングドラム12への反力が高くなる。さらに、前進速度が切削工具24の周辺チップ速度に近づくほど、前方に急に傾く危険性が高くなる。
【0059】
掘削深度に関しては、掘削深度が深くなるほど、反力が高くなる。しかし、掘削深度の反力への寄与は、前方に急に傾く事態が生じる可能性への影響とは実際には異なる。掘削深度が深くなると反力が増大するが、掘削深度が深くなるにつれて、ミリングドラムが、切削部の深い部分から乗り上げ、前方に急に傾く事態が生じるはずである。切削部が深くなると、ミリングドラムが切削部から乗り上げることが難しくなり、したがって、切削部が深くなると、前方に急に傾く事態が生じる可能性が低くなることがある。
【0060】
装置10は、
図5に概略示した適応前進駆動制御システム52を備え、このシステムは、ミリングドラム12に作用するこの反力を監視し、この反力に寄与する要因のうちの1つ又は複数の要因を制御することにより、前方に急に傾く事態を防止するのに役立つ。
【0061】
建設機械10が正常に動作している間、もっとも容易に制御できる前述の要因は前進速度であり、したがって、適応前進駆動制御システム52の一実施形態では、ミリングドラム12への監視された反力に応答して、前進駆動装置40及び42に供給される推進パワーが制御される。
【0062】
他の実施形態では、回転するミリングドラム12がまず、地面14と係合するように下げられているとき、地面に向けてミリングドラムを下げている速度を制御することにより、反力を制御してもよい。
【0063】
制御システム52は、地面14からミリングドラム12への反力に対応するパラメータを検出するように構成された、少なくとも1つのセンサ54、ならびに好ましくは一対のセンサ54及び56を備える。
図3及び
図4に示す実施形態では、センサ54及び56は、ミリングドラムハウジング18の両側の壁に取り付けられたひずみゲージである。
図3及び
図4には、第1のひずみゲージ(センサ)54が、ミリングドラムハウジング18の側壁内に画定された溝58の中に取り付けられている状態が示してある。電気リード60が、ひずみゲージ54を制御装置62に接続する。ふた板(図示せず)は、通常、溝58を覆って、動作中にひずみゲージ54及び関連する配線60を保護する。
【0064】
図3及び
図4を見るともっともよく分かるように、ひずみゲージ54は、地面14に対して実質的に垂直になるように、実質的に垂直に配向された縦軸を64有することが好ましく、ミリングドラム12の回転軸66上に直接配置され、この回転軸に実質的に交差することが好ましい。
【0065】
ひずみゲージ54を正確に垂直に配向する必要はなく、ひずみゲージ54が、回転軸66の上に直接配置され、その軸64が回転軸66に交差する必要はないことが理解されよう。より一般的に言えば、ひずみゲージ54によって測定される力の少なくとも大部分が、地面に対して実質的に垂直な向きになるように、このひずみゲージを配向しなければならない。
【0066】
動作中のドラム12に対する、その幅全体に及ぶ反力の負荷は均一でないことがあるので、ミリングドラム12の両端に隣接するミリングドラムハウジング18の両側に取り付けられた2つのこうしたひずみゲージ54及び56を有することが好ましく、その結果、ひずみゲージ54及び56の測定値を組み合わせた値が、ミリングドラム12上に作用する反力全体を表す。
図2に関しては、実際には、適時任意のポイントで地面14と係合する多数の切削刃24が存在することが理解されよう。本発明の反力センサは、適時任意のポイントで地面内に係合する刃のすべてに作用する反力のすべての合計の垂直成分に反応することが好ましい。センサ54及び56に使用することができる1つの適切なひずみゲージが、ドイツのHennigsdorfにあるME−Meβsysteme GmbHから入手可能なModel DA 120である。
【0067】
制御装置62は、符号60などの電気ラインを介して、センサ54及び56からの信号を受信する。制御装置62は、適切な入力及び出力を有する、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置、ならびに動作ルーチンを含む適切なプログラミングを備え、この動作ルーチンでは、反力の増大に対応する検知されたパラメータの変化を検出し、その変化に応答して、通信ライン68及び70を介して、1つ又は複数の、アクチュエータ72及び74に制御信号を送信して、符号40や42などの前進駆動装置に供給される推進パワーを制御する。アクチュエータ72及び74は、例えば、液圧式駆動装置40及び42への作動液の流れを制御して機械10の前進速度を制御する、電気的に制御されるバルブでもよい。
【0068】
制御装置62が、ミリングドラムが地面に向けて下げられる速度を制御している場合、アクチュエータ72及び74は、電気的に制御されるバルブでもよく、これらのバルブは、地面に対してドラムを上げ下げする液圧ラム、又は、地面に対してドラムを有するフレームを上げ下げする液圧ラム32、34への作動液の流れを制御する。
【0069】
図6は、制御装置62の動作ルーチンの一実施形態によって実施される場合の、前進速度と反力の間の関係を表すグラフである。
図6に示す実施形態では、機械10の総重量の百分率として測定された反力が、水平軸上に表され、0%〜100%にまで及ぶ。0%の反力は、ミリングドラム12が地面14の上に完全に持ち上げられた状況を表す。100%の反力は、機械10の総重量がミリングドラム12の上に載っており、28や30などの地面係合支持部に支持される重量が存在しない状況を表す。
【0070】
図6の左側の垂直目盛りは、機械の前進速度をメートル/分で表す。破線71は、制御システム62の動作ルーチンの一実施形態によって制御される機械10の、制御された前進速度を表す。実線73は、オペレータが選択する前進速度についての設定ポイントを表す。図示した例では、設定ポイントは20.0m/分である。
【0071】
図6では、水平軸に沿った下端77と上端79の間で、動作範囲75が定義されている。図示した実施形態では、下端77は、総機械重量のほぼ70%であり、上端79は、総機械重量のほぼ90%である。反力が動作範囲の下端を下回るとき、破線の水平部分71Aで表される機械10の前進速度は、機械のオペレータが選択する前進速度についての設定ポイントにほぼ等しい。この設定ポイントは、オペレータが、所望の一定速度を選択し、その一定速度を制御システムが維持するようにできる、自動車におけるクルーズ・コントロールのような自動化された速度制御によく似ている。
【0072】
しかし、
図6で表される動作ルーチンは、反力が動作範囲の下端77を超えると、前進速度を低下させるように設計される。
【0073】
破線の傾斜部分71Bは、制御システム62の動作ルーチンによって制御される、機械10の前進速度の所望の低減を表す。線71Bが、線形の低減を表す。他の実施形態では、非線形の低減を使用することもできる。検出された反力が、動作範囲75全体を通してほぼ70%からほぼ90%まで増大し続けるとき、前進速度は、水平線部分71Aで表される設定ポイント速度からゼロまで線形に低減する。したがって、例えば、水平軸上に示すように、検出された反力が80%である場合、前進速度は、設定ポイント速度のほぼ半分にまで低減される。検出された反力がほぼ90%に等しいとき、前進速度はゼロにまで低減される。ほぼ90%の上端を上回る反力においては、前進速度はゼロに維持される。
【0074】
場合によっては、
図6で分かるように、動作範囲75の上端79に近い又はそれを超える過剰レベルにまで反力が上昇するときには、場合により、前進駆動装置40及び42に加えられる推進パワーがゼロにまで低減されるときでさえ、回転するミリングドラム12によって地面14に加えられる前進駆動力は、依然として機械を前方に押し続ける可能性がある。こうした場合には、制御装置62は、地面係合支持部28及び30のうちの、1つ又は複数に連結された制動システム78に、制御ライン76を介してさらなる制御信号を送信してもよい。制御装置62は、機械10の前進速度を減少させるのにさらに役立つように、地面係合支持部に制動力を加えるよう制動システム78に命令することになる。
【0075】
図6の実施形態では、動作範囲75は、例えば、ほぼ70%の下端77から、ほぼ90%の上端79まで及ぶものとして示してある。70%〜90%の範囲は、適切な動作範囲の一例に過ぎず、限定するものと考えるべきではないことに留意されたい。より具体的には、好ましい動作範囲は、建設機械の重量の少なくとも50%の下端、及び建設機械の重量の95%未満の上端を有するものとして説明することができる。
【0076】
図6の破線71は、制御装置62の振る舞い、及びこの制御装置が機械10に課そうとする目標前進速度を表すことが理解されよう。
図6の破線は、機械10の現実の前進速度を表すものではなく、現実の速度は、はるかに不規則になる。
【0077】
制御システム52及び制御装置62の動作ルーチンは、機械10の正常動作において、ミリングドラム12に作用する反力が、
図6に示すような、動作範囲75のほぼ下端77に維持されるよう設計されることが好ましい。このことは、機械10が、その最大出力に近い相対的に高い出力で動作しているが、依然として制御下にあることを意味する。機械10が、その前進速度がその設定ポイントを下回って一定に維持されるように、動作範囲75の下端77を下回って一貫して動作している場合、この機械10は、実行できるレベルを下回る働きを遂行することになる。一方で、機械10が高速に前進し、その結果、反力が動作範囲75の下端77をしばしば超える場合、前方に急に傾く可能性が高まることになる。
【0078】
また、任意の制御システムのように、設定ポイントは、正確に維持することはできず、この設定ポイントの周りのある許容可能な範囲内(不感帯と呼ばれることがある)に維持しなければならないことに留意されたい。例えば、制御システムが、この範囲のほぼ下端77で反力を維持しようとする一実施形態において、不感帯がプラス/マイナス2%に設定される場合、前進速度が72%に達するまで推進パワーは低減されないことになり、次いで、前進速度が68%を下回って低下するまで推進パワーは増大されないことになる。理想的には、反力は、所望の70%動作ポイントの周りの不感帯内に維持されることになる。地面の特性がより硬い表面に変化する場合にのみ、不感帯を超えるより高い反力の値に達し、この硬い表面により、前進駆動装置への推進パワーを下げているにもかかわらず、反力が上昇し続けることがある。制御範囲の上端79に決して達しないことが、制御システムの一実施形態の目的である。
【0079】
図6の線71Bで表される、前進速度と制御装置62によって課される反力との間の線形の関係は、制御プログラムの一例に過ぎないことにも留意されたい。革新的な特性の非線形の制御関係を使用することもできる。
【0080】
図8は、制御装置62が実行する基本的な動作ルーチン内で使用されるロジックの概略を示す流れ図である。ドラム12上に作用する反力が、ブロック110で示すように、頻繁に検出されることになる。
図6の破線71で表すような所望の速度制御を実施するために、このルーチンは、その反力が、範囲の下端77を下回るのかをブロック112で問い合わせ、又は範囲の上端79を上回るのかをブロック114で問い合わせることになる。反力が範囲75内にある場合、ブロック116で示すように、支持部28及び30への推進パワーが制御されて、
図6の傾斜ライン71Bで示す反力と前進速度の間の線形の関係によって前進速度を制御する。反力が下端77を下回る場合、ブロック118で示すように、前進速度は、設定ポイントの速度又はその速度の近くに維持される。反力が上端79を上回る場合、ブロック120で示すように、前進速度をさらに低減させるように、制動を加えてもよい。
【0081】
図7では、機械10が、検出された反力が一貫して動作範囲75内にあるような前進速度で動作している状態での、この機械の実際の試験を表すグラフ・データが示してある。水平軸は、
図7の下部に沿って示すように、試験中の時系列の時間を表す。
図7の上部の実線80は、前進速度の設定ポイントを表し、この例では17m/分である。破線82は、
図7の下部の水平軸上に表された時間間隔にわたっての、機械の測定された前進速度を表す。
【0082】
図7の下側部分では、点線84が、2つのひずみゲージ54及び56の合計で検出される、測定された反力を表す。
図7の下側部分の左側に示した反力の目盛りは逆になっており、したがって、左から右へ下向きに傾斜するラインは、実際には測定された反力の増大を表し、左から右へ上向きに傾斜するラインは、実際には測定された反力の低減を表していることに留意されたい。測定された反力を表す点線84の全体的な形状を、測定された前進速度を表す破線82と比較することによって理解できるように、測定された反力が増大するにつれて、測定された前進速度は低減する。このことが生じるのも、反力のレベルが増大したことを検出すると、機械10に前進速度の低減を課すように、
図6で表される動作ルーチンに従って制御装置62が動作するからである。
【0083】
点線84を見て分かるように、試験の期間全体を通して、測定された反力は、70〜90%の動作範囲内に留まり、したがって、
図7に示す試験全体を通して、制御装置62は、前進駆動装置40及び42に向けられる推進パワーを変化させて低減し、それにより、機械10が、前方に急に傾くことを依然として防止しながら高い効率で動作するように動作している。
【0084】
Lentらによる米国特許第4,929,121号、及びLentによる米国特許第5,318,378号に記載されているように、キック・バック制御に対する従来技術の1つのアプローチが、地面係合支持部からフレームを支持する液圧式支柱のうちの1つ又は複数の支柱内の圧力を測定することによって動作する。
【0085】
図7で表される試験中、試験機械の2つの後部液圧支持ラム34が、単一の動作ラムとしてセットアップされ、それらラム内の支持圧力が両方とも測定されて、
図7の鎖線86でまとめて表してある。線86の圧力測定値についての目盛りが、
図7の右下側にバールで示してある。点線84で表される、このシステムを利用して測定された反力を、鎖線86で表される、ラム34内の測定された液圧と比較することにより、2つのことが明らかになる。
【0086】
第1に、液圧の測定値は、短期間での反力の変化に対して、はるかに影響を受けにくい。圧力の測定値は、負荷変化の測定値を平滑化する傾向があり、短期間での急速な変化を全く示さない。例えば、およそ16:36:10〜16:37:40の時刻の間を進むと、この期間全体を通して、点線84が、全体として非常に短期間に何度も上下する事態を繰り返して下降線をたどることが理解される。一方で、鎖線86もまた、下降線をたどるが、短期間での事態が完全に消える。例えば、ほぼ5秒という相対的に短い期間での線84上のポイント88で示すようなピークは、鎖線86には明白な影響を全く及ぼさない。したがって、本発明の制御装置62は、液圧式支柱内の測定された圧力に基づいて動作するシステムよりも、はるかに迅速に、また持続時間がはるかに短い事態に反応できることが理解される。
【0087】
第2に、鎖線86で表される液圧の測定値は、その応答内で時間シフトされる。したがって、線86の測定された圧力に反映するのに十分に持続時間が長い反力の変化でさえ、実際にその事態が生じた後、一定の十分な時間が経過するまでは記録されない。例えば、
図7の右端付近を見ると、線84で示した反力の、大幅で相対的に急速な増大が、時刻16:39:40から16:40:00までの間で生じ、結果として、およそ16:39:55の時刻でピーク90に達することになる。ポイント92で表されるおよそ16:40:10の時刻まで、鎖線86で表される圧力測定値は、まだこの同じレベルには達しない。したがって、線84に示したこのシステムによって測定されたピーク反力と、線86に示した液圧ラム内の液圧の変化として測定された、遅れてピークが現れる反力との間には、10〜15秒の時間遅延がある。
【0088】
およそポイント94で開始する時刻16:38:15から、およそポイント96で終了する時刻16:38:55までの間の点線84の部分を比較することにより、同様の時間遅延を見ることができる。同じ時間間隔における鎖線86を見ると、この鎖線は、同様に同じ方向に傾斜しているが、やはり応答時間における約15秒の遅延を表すおよそ時刻16:39:10まで、そのもっとも低いポイント98には達しないことが分かる。
【0089】
したがって、このシステムは、支持ラム内の液圧を測定することに基づくシステムよりも、短期間の反力の変化を測定することに、はるかに影響を受けやすいことが明白である。このシステムはまた、すべての反力の変化に、より迅速に応答する。このことにより、このシステムは、より迅速に反応し、前方に急に傾くことを実際に防止できるようになるが、従来技術のシステムのようなシステムは、事態がすでに生じた後に、その事態を検出できるだけである。
【0090】
このシステムが、フレームを支持する液圧ラム内の圧力を測定することに基づくシステムよりも、反力の変化に迅速に反応するのには、いくつかの理由が考えられる。
【0091】
第1の理由は、慣性質量である。フレームを支持するラム内の液圧の変化を測定するシステムにおいては、実質的に、建設機械10全体が、ラム内の圧力に作用するよう移動しなければならない。対照的に、センサ54及び56のようなセンサは、ミリングドラム12によって直接ミリングドラムハウジング18に加えられる力の変化を測定し、したがって、フレームを介して伝送して、実際に機械10を持ち上げる必要はない。したがって、機械10全体が反応するのではなく、ミリングドラムだけが機械ハウジング内で反応する必要があり、これにより、センサを反応させるのに必要な物理的な動きにもたらされる慣性質量がはるかに小さくなる。
【0092】
第2に、ラム32及び34、ならびに入れ子式ハウジング36及び38との摩擦による大幅な減衰係数が存在する。この摩擦減衰に関して、やはり、付着摩擦に対する滑り摩擦の概念を考慮しなければならない。知られているように、ラム32及び34、ならびに円筒形ハウジング36及び38内で最初に摩擦に打ち勝つには、増大する圧力変化を反映するのに必要となる動きを継続する場合よりも大きい力を必要とする。したがって、相対的に小さい反力の変化は、ラム及びその円筒形ハウジングによってもたらされる付着摩擦に打ち勝つのに十分ではないことがあり、したがって、それら相対的に小さい変化は、ラム内での圧力測定値には、全く見られないことになる。
【0093】
第3の要因は、ラム32及び34、ならびにその円筒形ハウジング36及び38の物理的な変形であり、この変形は、重い使用負荷が機械10に加えられるときに生じる。このシステムは、反力が、機械10の総重量の例えば70〜90%などの範囲の相対的に高いレベルにある状態で動作するように設計されていることを思い出さなければならない。このことは、機械10が、その最大能力に近い状態で、前方に押し出されているときに生じる。機械10ならびに垂直支持ラム32及び34の幾何学的形状により、機械10が重い負荷の下で前方に押しのけながら進むとき、円筒形のハウジング36及び38が物理的に曲がることになり、この曲がりにより、それらの構成部品内に存在する摩擦が大幅に増大し、さらに、ラム内で変化する圧力、及びラムとそのハウジングの間の遊びとしての反力の変化を、それらが忠実かつ迅速に反映できにくくなることが理解されよう。
【0094】
ミリングドラムの反力負荷の変化を求めるために、液圧ラム内の圧力測定値を利用する場合の他の問題は、こうした圧力測定値が、単一の動作液圧ラムからのみ確実に得ることができることである。しかし、建設機械10のような建設機械を使用する場合、通常、少なくとも前部又は後部のラムが、地面14上の機械10の姿勢を適切に制御することを可能にするための複動式のラムであることが必要である。したがって、液圧ラムからの圧力データは、通常、前部又は後部のラムのみから得られることになる。機械の前部及び後部において、反力の変化が等しく反映されないことがあるので、前部又は後部のみで支持ラム内の圧力の変化を測定することに基づくシステムは、動作中のドラム12自体に隣接する位置で反力を測定するシステムよりも正確性に劣ることになる。したがって、ミリングドラム12のほぼ真上でその両側にあるセンサ54及び56を有する本発明のシステムは、ミリングドラム上での負荷変化全体に反応することができるが、前方又は後方の支持円筒内の圧力変化の測定に基づくシステムは、ミリングドラムで生じる変化全体を見なくてもよい。
【0095】
前述の実施形態では、センサ54及び56がそれぞれ、
図3及び
図4に示すようなひずみゲージを備えるが、センサ54又は56のぞれぞれは、別法としてロードセルを備えてもよい。
【0096】
ロードセルは、電子装置、すなわち力を電気信号に変換するのに使用される変換器である。この変換は、間接的であり、2つのステージで起きる。機械的な構成については、検知される力は、通常、1つ又は複数のひずみゲージを変形させる。ひずみゲージは、変形、すなわちひずみを電気信号に変換する。ロードセルは通常、ホイートストンブリッジ構成などでの、4つのひずみゲージを備える。1つ又は2つのひずみゲージのロードセルも利用可能である。電気信号出力は、通常、およそ数ミリボルト程度であり、使用できるようにするには、計測用増幅器による増幅がしばしば必要になる。変換器の出力は、ロードセルに加えられる力を計算するためのアルゴリズムで使用される。
【0097】
ひずみゲージタイプのロードセルがもっとも一般的であるが、使用することのできる他のタイプのロードセルもある。工業用途によっては、液圧式又は静圧式ロードセルが使用され、これらを利用して、ひずみゲージベースのロードセルがもたらすいくつかの問題を解消することができる。一例として、液圧式ロードセルは、雷などの過渡的な電圧に影響されず、屋外環境によっては、より有効になることがある。
【0098】
さらに、他のタイプのロードセルには、圧電ロードセル及び振動ワイヤロードセルが含まれる。
【0099】
他の代替実施形態では、センサ54及び56のようなセンサは、ミリングドラムハウジング18上ではなく、フレーム16上に配置してもよい。このようなセンサ54Aの位置が、
図1に概略示してある。このようなセンサは、前述のセンサ54及び56と同様に構成されることが好ましく、ミリングドラム12の真上に配置され、上記センサ54及び56について説明したのと同様に配向されることが好ましいはずである。
【0100】
第2の代替実施形態では、54B’及び/又は54B’’などのひずみゲージタイプのセンサは、フレーム16上に配置することもでき、フレーム16の曲がりを測定するように配向することもできる。したがって、
図1には、第1のセンサ54B’が、ミリングドラムと前方支持部28の間の位置でフレーム16上に配置されている状態が示してあり、第2のセンサ54B’’が、ミリングドラムと後方支持部30の間のフレーム16上に配置されている状態が示してある。センサ54B’及び54B’’は、センサ54及び56について前述したのと同様のワイヤひずみゲージタイプのセンサでもよい。この場合、各センサは、フレーム16内に存在する曲げ応力により反応するように、地面14に対して実質的に平行の長手方向に配向してもよい。センサ54B’及び54B’’は、任意の所望の方式で配向してもよく、地面14に対して平行である必要はないことがさらに理解されよう。さらに、センサ54B’及び54B’’は、ブリッジ構成又は他の任意の所望の構成などでの、複数のひずみゲージを備えてもよい。さらに、フレーム16の反対側に、1つ又は複数の追加のセンサがあることが好ましく、その結果、センサは、ミリングドラム12の幅全体への負荷の変化を完全に反映するように、同様の構成で機械10の両側に配置されることが好ましい。
【0101】
反力の変化を検出するさらなる1つの代替方式は、ベアリング負荷センサの形態であるセンサ54及び56を利用することである。例えば、
図9で概略示すように、ミリングドラム12は、通常、ミリングドラムハウジング18内の、ミリングドラム12の両軸端の近くに配置された第1のベアリング150と第2のベアリング152の内側に取り付けられる。
【0102】
ベアリング150及び152は、
図9に概略示した符号54Dや56Dなどの一体式の負荷センサを組み込んでもよい。例えば、米国特許第6,170,341号、米国特許第6,338,281号、米国特許第6,407,475号、米国特許出願公開第2008/0199117号などに示した、ベアリング内の一体式負荷センサ用の、いくつかの設計が知られている。
【0103】
さらに、このシステムは、前方に急に傾く事態を防止するように設計されているが、極端な場合には、制御システムが、そうした事態を首尾よく完全に防止できないこともあり、前方に急に傾く事態が実際に起きる可能性があることに留意されたい。したがって、支持圧力がその支持ラムによって支持されている負荷を表すよう、単一動作モードで動作するように構成された支持ラム32又は34のうちの1つ又は複数の内部の液圧を測定する、圧力センサなどのバックアップシステムを設けることが有用になることがある。
【0104】
したがって、
図5に概略示した圧力センサ100は、ラム34などのラム上に配置して、そのラム内の圧力を測定してもよい。ラム34内の圧力は、例えば、
図7の鎖線86の逆のように見えることも予想される。したがって、センサ100で測定されるラム34内の圧力低下が、ある所定のレベルを下回って降下することが検出される場合、制御システム62は、さらなる安全ルーチンを実施して、駆動システム内のクラッチ102をミリングドラム12に対して動作させることなどにより、ミリングドラム12にパワーを加えることを完全に停止してもよい。