(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787437
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】テスター
(51)【国際特許分類】
G01N 33/38 20060101AFI20150910BHJP
G01N 31/22 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
G01N33/38
G01N31/22 122
【請求項の数】11
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-54748(P2011-54748)
(22)【出願日】2011年2月23日
(65)【公開番号】特開2012-173283(P2012-173283A)
(43)【公開日】2012年9月10日
【審査請求日】2014年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】511065071
【氏名又は名称】鈴木 義久
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(73)【特許権者】
【識別番号】513079960
【氏名又は名称】有限会社AES
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義久
【審査官】
清水 督史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−178210(JP,A)
【文献】
特開2008−308357(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3134870(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/38
G01N 31/22
G01N 33/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤がコンクリート構造物の表面に塗布又は散布されたことを検出するためのテスターであって、
染料又は顔料が含浸されるとともに、前記薬剤との定性的な反応により前記染料又は顔料を溶出可能な定性検出部と、
前記定性検出部から溶出した前記染料又は顔料によって着色される確認部と、
前記確認部における前記染料又は顔料の浸潤量を表す目盛りと、を備えたことを特徴とするテスター。
【請求項2】
薬剤がコンクリート構造物の表面に塗布又は散布されたことを検出するためのテスターであって、
染料又は顔料が含浸されるとともに、前記薬剤との定性的な反応により前記染料又は顔料を溶出可能な定性検出部と、
前記定性検出部から溶出した前記染料又は顔料によって着色される確認部と、を備え、
前記定性検出部は、前記薬剤が浸潤可能な吸水性基材を有し、
前記染料又は顔料は油溶性の物質であることを特徴とするテスター。
【請求項3】
薬剤がコンクリート構造物の表面に塗布又は散布されたことを検出するためのテスターであって、
染料又は顔料が含浸されるとともに、前記薬剤との定性的な反応により前記染料又は顔料を溶出可能な定性検出部と、
前記定性検出部から溶出した前記染料又は顔料によって着色される確認部と、を備え、
前記コンクリート構造物において基準となる前記薬剤の塗布量または散布量を基準量と定義した際、前記定性検出部における前記染料又は顔料の溶出量が前記基準量を超えた場合に、前記確認部が着色されることを特徴とするテスター。
【請求項4】
薬剤がコンクリート構造物の表面に塗布又は散布されたことを検出するためのテスターであって、
染料又は顔料が含浸されるとともに、前記薬剤との定性的な反応により前記染料又は顔料を溶出可能な定性検出部と、
前記定性検出部から溶出した前記染料又は顔料によって着色される確認部と、
前記定性検出部に接するとともに、前記薬剤が浸潤する浸潤調整部と、を備え、
該浸潤調整部を介して前記薬剤が前記定性検出部に到達することを特徴とするテスター。
【請求項5】
前記浸潤調整部は、前記確認部の着色条件を調節することを特徴とする請求項4記載のテスター。
【請求項6】
前記浸潤調整部は、前記薬剤を前記定性検出部へ通す浸透口を有することを特徴とする請求項4または5記載のテスター。
【請求項7】
薬剤がコンクリート構造物の表面に塗布又は散布されたことを検出するためのテスターであって、
染料又は顔料が含浸されるとともに、前記薬剤との定性的な反応により前記染料又は顔料を溶出可能な定性検出部と、
前記定性検出部から溶出した前記染料又は顔料によって着色される確認部と、を備え、
前記確認部は、前記染料又は顔料を含浸可能な浸透性基剤を有することを特徴とするテスター。
【請求項8】
前記確認部のうち前記染料又は顔料によって着色された範囲は、前記確認部への前記染料又は顔料の浸潤量に比例することを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項記載のテスター。
【請求項9】
前記定性検出部は、前記染料又は顔料が含浸した状態のまま乾燥していることを特徴とする請求項1ないし8のうちいずれか1項記載のテスター。
【請求項10】
前記定性検出部及び前記確認部を前記コンクリート構造体に貼り付ける粘着部と、
前記確認部及び前記粘着部との間に配される遮断部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし9のうちいずれか1項記載のテスター。
【請求項11】
前記薬剤は、コンクリート表面保護材であることを特徴とする請求項1ないし10のうちいずれか1項記載のテスター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
コンクリート構造体に薬剤が塗布又は散布されたことを検出・確認するためのテスターに関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物の表面に塗布または噴霧することによりコンクリート内部に深く浸透し、あるいはコンクリートの表層付近で撥水等の効果を発揮し、コンクリートの劣化を抑制しコンクリートの耐久年数を延ばすタイプのコンクリート表面保護材、改質材、撥水材が近年着目され、需要が拡大している。しかし、透明性の高い薬剤を用いる同工法は、完成直後の外観に目立った違いを生じない事もあいまって、施工品質の管理が難しい工法とされていた。同様の工程で運用されるコンクリート表面保護材の内、ケイ酸塩系の材料については、信頼性の高い塗布量管理技術が確立されている。このような管理技術は下記特許文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−178210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、以上の技術では、ケイ酸塩系以外の材料については対応する事ができず、現場の条件が多様化するにつれて、適切な材料も多岐に渡ることとなっている現在の状況では、信頼性の高い施工管理には、多数の労力と時間とを必要とし、又、ケイ酸塩系材料で確立された事後検査の対応等も、困難であった。
そこで、この発明は、ケイ酸塩系以外の、施工品質管理が困難なコンクリート表面保護材についても適量のコンクリート表面保護材がコンクリート構造物の表面に施工されたことを目視にて容易、確実且つ客観的に確認することができる新規な手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、薬剤がコンクリート構造物の表面に塗布又は散布されたことを検出するためのテスターであって、染料又は顔料が含浸されるとともに、前記薬剤との定性的な反応により前記染料又は顔料を溶出可能な定性検出部と、前記定性検出部から溶出した前記染料又は顔料によって着色される確認部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
前記確認部のうち前記染料又は顔料によって着色された範囲は、前記確認部への前記染料又は顔料の浸潤量に比例することが好ましい。また、前記確認部における前記染料又は顔料
の浸潤量を表す目盛りをさらに備えたことが好ましい。さらに、前記定性検出部は、前記薬剤が浸潤可能な吸水性基材を有し、前記染料又は顔料は油溶性の物質であることが好ましい。加えて、前記定性検出部は、前記染料又は顔料が含浸した状態のまま乾燥していることが好ましい。そして、前記コンクリート構造物において基準となる前記薬剤の塗布量または散布量を基準量と定義した際、前記定性検出部における前記染料又は顔料の溶出量が前記基準量を超えた場合に、前記確認部が着色されることが好ましい。ここで、
前記定性検出部に接するとともに、前記薬剤が浸潤する浸潤調整部をさらに備え、該浸潤調整部を介して前記薬剤が前記定性検出部に到達することが好ましい。また、前記浸潤調整部は、前記確認部の着色条件を調節することが好ましい。さらに、前記浸潤調整部は、前記薬剤を前記定性検出部へ通す浸透口を有することが好ましい。
【0008】
前記確認部は、前記染料又は顔料を含浸可能な浸透性基剤を有することが好ましい。また、前記定性検出部及び前記確認部を前記コンクリート構造体に貼り付ける粘着部と、前記確認部及び前記粘着部との間に配される遮断部と、をさらに備えたことが好ましい。さらに、前記薬剤は、コンクリート表面保護材であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本
発明によれば、コンクリート構造体に薬剤が塗布又は散布されたことを検出・確認することができる。また、この検出・確認に用いられたテスターを保存する事で、コンクリート構造体における薬剤の施工記録が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施形態1を、
図1に示す。定性検出部
2は浸透性基材に染料又は顔料を含浸させることで構成され、確認部
3に接する。確認部
3は浸透性基材に塗布量確認用の目盛りを付し、表面に保護用の透明カバー
4を有する。遮断部
5はプラスチック等、一般的な液状の物質を浸透しない素材によって構成され、テスター裏面からの薬剤等の浸透を遮断する。粘着部
6はテスターを構造物に貼り付けるために用いられる。
【0015】
この発明の実施形態2を、
図2に示す。浸潤調整部1は浸透性基材で構成され、浸透口2を外部に露出し、それ以外の全体を透明カバー3によって覆われ、全体に薬剤の塗布量の目安となる様な目盛りを有する。定性検出部
5は浸透性基材に染料又は顔料を含浸させることで構成され、浸潤調整部1を介して到達した薬剤の成分によってその染料又は顔料を溶出させる。確認部
6は浸透性基材で構成され、定性検出部
5より溶出する染料又は顔料を含む薬剤によって着色される事で、薬剤の定性検出の結果を確認できる。遮断部
4はプラスチック等、一般的な液状の物質を浸透しない素材によって構成され、テスター裏面からの薬剤等の浸透を遮断する。粘着部7はテスターを構造物に貼り付けるために用いられる。
「実施形態1の効果」
この実施形態によれば、定性検出部
2より染料又は顔料が溶出する事により定性検出部
2に塗布された薬液の定性が特定される。又、確認部
3に浸潤する着色された薬剤の量を目盛りによって確認する事が出来る。遮断部
5によって裏面より薬剤が浸潤する事を防ぎ、粘着部
6によって構造物に貼り付けて用いる。
「実施形態2の効果」
この実施形態によれば、浸透口2に塗布された液状の薬剤の量が浸潤調整部1に付された目盛りにて確認できる。必要量が塗布された際に定性検出部
5に液状の薬剤が到達することにより、薬剤の定性によって定性検出部
5に含まれる染料又は顔料が溶出する事により確認部
6が着色される事が確認出来る。遮断部
4によって裏面より薬剤が浸潤する事を防ぎ、粘着部7によって構造物に貼り付けて用いる。
【符号の説明】
【0016】
[
図1]
1 浸透口
2 定性検出部
3 確認部
4 透明カバー
5 遮断部
6 粘着部
【0017】
[
図2]
1 浸潤調整部
2 浸透口
3 透明カバー
4 定性検出部
5 確認部
6 遮断部
7 粘着部