特許第5787440号(P5787440)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787440
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】部品実装機の画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20150910BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   H05K13/04 M
   H05K13/08 Q
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-154393(P2011-154393)
(22)【出願日】2011年7月13日
(65)【公開番号】特開2013-21196(P2013-21196A)
(43)【公開日】2013年1月31日
【審査請求日】2014年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】天野 雅史
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3434004(JP,B2)
【文献】 特開2002−144267(JP,A)
【文献】 特開2006−049868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品実装機の吸着ノズルに吸着した部品と、該吸着ノズルと所定の位置関係で設けられた基準位置部とをカメラの視野内に収めて撮像して画像処理することで、前記基準位置部の位置を基準にして前記吸着ノズルに対する部品の吸着位置を認識する部品実装機の画像処理装置において、
前記カメラは、カラー撮像用のカメラであり、
前記基準位置部は、所定形状のマークが所定ピッチで二次元的に配列され且つ画像処理で前記部品の色とは異なる色に認識される色に着色された位置認識パターンであり、前記カラー撮像用のカメラで前記部品を撮像したときに該位置認識パターンが背景となって該位置認識パターンの中に該部品の外形が重なって撮像されるように設けられ
前記吸着ノズルに吸着した部品を前記位置認識パターンを背景として前記カラー撮像用のカメラで撮像したカラー画像を画像処理することで、該位置認識パターンのマークの位置を基準にして該吸着ノズルに対する部品の吸着位置を認識することを特徴とする部品実装機の画像処理装置。
【請求項2】
前記位置認識パターンは、ドットパターン又は碁盤目状パターンであることを特徴とする請求項1に記載の部品実装機の画像処理装置。
【請求項3】
前記位置認識パターンは、前記吸着ノズルの上部に設けられた背景板に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装機の画像処理装置。
【請求項4】
前記カメラで撮像した画像に基づいて前記吸着ノズルに吸着した部品の有無を判定する手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の部品実装機の画像処理装置。
【請求項5】
予め前記吸着ノズルに部品が吸着されていない状態を前記カメラで撮像して画像処理することで、前記位置認識パターンの画像の歪みを各マーク毎に認識して、その歪みを補正する補正データを取得する手段と、前記部品実装機の稼働中に前記吸着ノズルに吸着した部品を前記カメラで撮像した画像の歪みを前記補正データで補正する手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の部品実装機の画像処理装置。
【請求項6】
前記吸着ノズルに吸着した部品のサイズが前記カメラの視野サイズより大きい場合に、該部品の撮像領域を複数の部分撮像領域に分割して、各部分撮像領域をそれぞれ前記カメラで撮像し、撮像した複数の部分撮像領域の画像を各画像に写った前記位置認識パターンの位置を基準にして合成して該部品の全体画像を作成する手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の部品実装機の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装機の吸着ノズルに対する部品の吸着位置を認識する部品実装機の画像処理装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来より、部品実装機においては、特許文献1(特開平5−63398号公報)に記載されているように、吸着ノズルに吸着した部品と、該吸着ノズルを保持する装着ヘッドの下面に設けられた基準マークとをカメラの視野内に収めて撮像して画像処理することで、前記基準マークの位置を基準にして吸着ノズルに対する部品の吸着位置(ずれ量)を認識するようにしたものがある。
【0003】
また、特許文献2(特許第3434004号公報)では、装着ヘットの下面に明部と暗部をY方向に交互に配列した帯状の認識パターンを設けると共に、帯状の認識パターンの配列方向(Y方向)に対して直交する方向(X方向)に走査するラインセンサを設け、このラインセンサで帯状の認識パターンを認識することで、帯状の認識パターンを基準にして吸着ノズルに吸着した部品の位置を認識するようにしている。
【0004】
また、特許文献3(特開2006−48315号公報)では、吸着ノズルに吸着した部品の外形を画像処理で明瞭に認識することを目的として、吸着ノズルの上部に設けられた背景板の下面を青色又は赤色に着色することで、吸着ノズルに吸着した部品の背景を青色又は赤色に着色したカラー画像を撮像し、そのカラー画像を白黒濃淡画像に変換して、吸着ノズルに対する部品の吸着位置のずれ量を認識するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−63398号公報
【特許文献2】特許第3434004号公報
【特許文献3】特開2006−48315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1では、吸着ノズルに吸着した部品のサイズが大きい場合は、基準マーク全体が部品と重なって基準マークを全く認識できない場合がある。また、基準マークの一部のみが部品と重なった場合でも、部品認識用のカメラとして用いられるモノクロカメラで撮像した白黒濃淡画像を用いて基準マークと部品を認識する際に、基準マークと部品との濃度差(輝度差)が小さいため、部品と重なった基準マークを部品と区別して認識することが困難である。
【0007】
また、上記特許文献2は、撮像素子としてラインセンサを用いて部品の位置を認識する技術であるが、ラインセンサに代えて、二次元画像を撮像するカメラを用いた場合でも、帯状の認識パターンと部品とが離れているため、カメラのレンズ系による画像の歪み(視差)の影響を受けて部品の吸着位置の認識精度が低下するという欠点がある。
【0008】
また、上記特許文献3では、部品の周囲の背景が青色又は赤色となるカラー画像を撮像することで、部品の外形を明瞭に認識できるが、基準マーク全体が部品と重なった場合には、基準マークを全く認識できない。また、基準マークと部品とが離れている場合は、両者を明瞭に認識できるが、カメラのレンズ系による画像の歪み(視差)の影響を受けて部品の吸着位置の認識精度が低下するという問題は解消できない。
【0009】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、比較的低コストの手法で、吸着ノズルに対する部品の吸着位置の認識精度を向上できる部品実装機の画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、部品実装機の吸着ノズルに吸着した部品と、該吸着ノズルと所定の位置関係で設けられた基準位置部とをカメラの視野内に収めて撮像して画像処理することで、前記基準位置部の位置を基準にして前記吸着ノズルに対する部品の吸着位置を認識する部品実装機の画像処理装置において、前記カメラは、カラー撮像用のカメラであり、前記基準位置部は、所定形状のマークが所定ピッチで二次元的に配列され且つ画像処理で前記部品の色とは異なる色に認識される色に着色された位置認識パターンであり、前記カラー撮像用のカメラで前記部品を撮像したときに該位置認識パターンが背景となって該位置認識パターンの中に該部品の外形が重なって撮像されるように設けられ、前記吸着ノズルに吸着した部品を前記位置認識パターンを背景として前記カラー撮像用のカメラで撮像したカラー画像を画像処理することで、該位置認識パターンのマークの位置を基準にして該吸着ノズルに対する部品の吸着位置を認識することを特徴とするものである。
【0011】
この構成では、撮像する部品の周囲の背景となる位置認識パターンは、画像処理で部品の色とは異なる色に認識される色に着色されているため、位置認識パターンの中に部品の外形が重なった状態になっていても、背景の位置認識パターンに対して部品の外形を区別して認識できると共に、部品の外形の位置をその直近の位置認識パターンのマークの位置で認識できるため、比較的低コストの手法で、カメラのレンズ系による画像の歪み(視差)の影響を受けずに部品の外形の位置を精度良く認識することができ、吸着ノズルに対する部品の吸着位置の認識精度を向上することができる。
【0012】
この場合、請求項2のように、位置認識パターンは、ドットパターン又は碁盤目状パターンを用いると良い。ここで、ドットパターンは、ドット(円形のマーク)を格子状又は千鳥状に配列したパターンであり、碁盤目状パターンは、正方形又は長方形のマークを二次元的に配列したパターンである。その他、円形、四角形以外の形状のマークを二次元的に配列した位置認識パターンであっても良い。要は、画像処理で認識可能な一定の形状のマークを所定ピッチで二次元的に配列した位置認識パターンであれば良い。
【0013】
本発明は、吸着ノズルを保持する装着ヘッドに位置認識パターンを設けても良いが、請求項3のように、吸着ノズルの上部に設けられた背景板に位置認識パターンを設けるようすると良い。このようにすれば、吸着ノズルに対する位置認識パターンの位置精度を向上できる。
【0014】
ところで、吸着ノズルに小型の部品を吸着する場合に、従来の黒色系の背景では小型の部品の有無を画像で認識することが困難である場合があった。
この点、本発明では、背景の位置認識パターンの中に重なった部品の外形を区別して認識できるため、請求項4のように、カメラで撮像した画像に基づいて吸着ノズルに吸着した部品の有無を判定するようにしても良い。吸着ノズルに部品が吸着されていない場合には、背景の位置認識パターン全体を認識できるため、部品が無いことを容易に認識できる。
【0015】
また、請求項5のように、予め吸着ノズルに部品が吸着されていない状態をカメラで撮像して画像処理することで、位置認識パターンの画像の歪みを各マーク毎に認識して、その歪みを補正する補正データを取得し、部品実装機の稼働中に吸着ノズルに吸着した部品をカメラで撮像した画像の歪みを前記補正データで補正するようにしても良い。このようにすれば、予め吸着ノズルに部品が吸着されていない状態で撮像した画像を用いて、画像の歪みを補正する補正データを取得できるため、部品実装機の稼働中に吸着ノズルに吸着した部品をカメラで撮像する毎に、その画像の歪みを前記補正データで精度良く補正することができる。
【0016】
また、請求項6のように、吸着ノズルに吸着した部品のサイズがカメラの視野サイズより大きい場合に、該部品の撮像領域を複数の部分撮像領域に分割して、各部分撮像領域をそれぞれカメラで撮像し、撮像した複数の部分撮像領域の画像を各画像に写った位置認識パターンのマークの位置を基準にして合成して該部品全体の画像を作成するようにしても良い。このようにすれば、大型の部品の撮像領域を複数の部分撮像領域に分割して各部分撮像領域毎にカメラで撮像して部品全体の合成画像を作成する際に、位置認識パターンのマークの位置を基準にして、精度の良い合成画像を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の一実施例を示す部品実装機の構成を示す縦断面図である。
図2図2は位置認識パターンの第1例を示す図である。
図3図3は位置認識パターンの第2例を示す図である。
図4図4(a)〜(f)は、吸着ノズルに対する部品の吸着位置を認識する方法を説明する図である。
図5図5(a)、(b)は、カメラのレンズ系による画像の歪み(視差)を補正する方法を説明する図である。
図6図6(a)〜(c)は、大型の部品の撮像領域を2つの部分撮像領域に分割して撮像して2つの画像を合成して部品全体の画像を作成する方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいて部品実装機全体の概略構成を説明する。
X軸スライド11は、X軸ボールねじ12によってX軸方向(図1の左右方向)にスライド移動可能に設けられ、このX軸スライド11に対して、Y軸スライド13がY軸ボールねじ14によってY軸方向(図1の紙面垂直方向)にスライド移動可能に設けられている。
【0019】
Y軸スライド13には、装着ヘッド15が設けられ、この装着ヘッド15にノズルホルダ16がZ軸駆動機構(図示せず)を介してZ軸方向(上下方向)に昇降可能に設けられ、このノズルホルダ16に吸着ノズル17が下向きに取り付けられている。
【0020】
一方、X軸スライド11には、吸着ノズル17に吸着した部品18をその下面側から一対の反射鏡20,21を介して撮像するカメラ22が設けられている。部品18を撮像するカメラ22は、カラー撮像用のカメラが用いられている。吸着ノズル17に吸着した部品18の下方に位置する反射鏡20の上方には、吸着ノズル17に吸着した部品18をその下面側から照明する照明光源としてリング状のフロントライト23が設けられている。尚、カラー撮像用のカメラ22を吸着ノズル17の真下に配置した構成としても良い。
【0021】
吸着ノズル17の上部に鍔状に設けられた背景板19の下面には、図2又は図3に示す位置認識パターン24又は25(基準位置部)が吸着ノズル17と所定の位置関係で設けられている。図2に示す位置認識パターン24は、正方形又は長方形のマーク26を所定ピッチでXY両方向に配列し且つ画像処理で部品18の色とは異なる色に認識される2色に着色された碁盤目状パターンである。図3に示す位置認識パターン25は、円形のマーク27(ドット)を所定ピッチでXY両方向に配列し且つ画像処理で部品18の色とは異なる色に認識される2色に着色されたドットパターンである。
【0022】
ここで、位置認識パターン24,25に用いる色は、電子部品で一般的に用いられることのない原色(赤、緑、青、シアン、マゼンタ、黄)を用いることが好ましい。図2に示す位置認識パターン24では、例えば、赤のマーク26と青のマーク26を交互に配列し、図3に示す位置認識パターン25では、例えば、赤を背景にして緑のマーク27を格子状に配列している。マーク27を千鳥状に配列したドットパターンを用いても良い。
【0023】
その他、円形、四角形以外の形状のマークを所定ピッチで二次元的に配列した位置認識パターンを用いても良い。要は、画像処理で認識可能な一定の形状のマークを所定ピッチで二次元的に配列した位置認識パターンを用いれば良い。
【0024】
以下、図2に示す位置認識パターン24を用いて、吸着ノズル17に対する部品18の吸着位置を認識する方法を説明する。
部品実装機の制御装置(画像処理装置)は、生産中に、フィーダ(図示せず)から供給される部品18を吸着ノズル17に吸着して回路基板に実装する動作を制御すると共に、吸着ノズル17に吸着した部品18を回路基板側へ移送する途中で、該部品18を撮像位置(フロントライト23の上方位置)を通過させ、該部品18と位置認識パターン24の両方を下方からフロントライト23で照明してカラー撮像用のカメラ22の視野内に部品18と位置認識パターン24を収めてカラー撮像する動作を制御する。
【0025】
これにより、図4に示すように、カメラ22で撮像したカラー画像には、背景となる位置認識パターン24の中に部品18の外形が重なって撮像される。このカラー画像を画像処理して、位置認識パターン24のマーク26と部品18を認識して、位置認識パターン24のマーク26の位置を基準にして吸着ノズル17に対する部品18の吸着位置を認識する。その後、吸着ノズル17に対して部品18の吸着位置がずれた分だけ吸着ノズル17の位置(装着ヘッド15の位置)をオフセットさせて、該吸着ノズル17に吸着されている部品18を回路基板に実装する。
【0026】
この場合、背景となる位置認識パターン24の中に部品18の外形が重なって撮像されるが、背景となる位置認識パターン24は、画像処理で部品18の色とは異なる色に認識される色に着色されているため、位置認識パターン24の中に部品18が重なった状態になっていても、背景の位置認識パターン24に対して部品18の外形を区別して認識できる。
【0027】
また、撮像毎に撮像タイミングが少しずつずれるため、図4(a)〜(c)に示すように、撮像タイミングによってカラー画像内の位置認識パターン24と部品18の位置が少しずつずれるが、背景となる位置認識パターン24は、マーク26が所定ピッチでXY両方向に配列され、且つ、画像処理で部品18の色とは異なる色に認識される色に着色されているため、部品18の外形の位置をその直近の位置認識パターン24のマーク26の位置で認識することができる。これにより、カメラ22のレンズ系による画像の歪み(視差)の影響を受けずに部品18の外形の位置を精度良く認識することができ、吸着ノズル17に対する部品18の吸着位置の認識精度を向上できる。
【0028】
尚、図4(a)〜(c)は、同一の部品18を撮像タイミングを少しずつずらして撮像したときのカラー画像の例であり、(a)〜(c)は撮像タイミングが少しずつずれただけで、吸着ノズル17に対する部品18の吸着位置は全て同じであり、(d)〜(f)はそれぞれ(a)〜(c)の部品18の位置や各マーク26の位置が図4の紙面上で同じ位置となるようにカラー画像をオフセットさせて示したものである。吸着ノズル17に対する部品18の吸着位置が同じであれば、撮像タイミングがずれて、カラー画像内の位置認識パターン24と部品18の位置がずれても、部品18の外形が位置認識パターン24のマーク26と重なる位置は同じであるため、部品18の外形が重なるマーク26の位置や重なり量を認識することで、部品18の外形の位置を精度良く認識することができる。
【0029】
本実施例では、吸着ノズル17の上部に鍔状に設けられた背景板19の下面に位置認識パターン24を設けているため、吸着ノズル17に対する位置認識パターン24の位置精度を向上できる利点がある。但し、本発明は、吸着ノズル17を保持する装着ヘッド15に、位置認識パターン24が描かれた背景板を設けても良く、要は、吸着ノズル17と所定の位置関係で設ければ良い。
【0030】
ところで、吸着ノズル17に小型の部品を吸着する場合に、従来の黒色系の背景では小型の部品の有無を画像で認識することが困難である場合があった。
そこで、本実施例では、背景の位置認識パターン24の中に重なった部品の外形を区別して認識できる特長を利用して、カメラ22で撮像した画像に基づいて吸着ノズル17に吸着した部品の有無を判定するようにしている。吸着ノズル17に部品が吸着されていない場合には、背景の位置認識パターン24全体を認識できるため、部品が無いことを容易に認識することができる。
【0031】
また、図5(a)に示すように、カメラ22のレンズ系による画像の歪み(視差)の影響を無視できない場合がある。
そこで、本実施例では、予め吸着ノズル17に部品が吸着されていない状態をカメラ22で撮像して画像処理することで、位置認識パターン24の画像の歪みを各マーク26毎に認識して、その歪みを補正する補正データを取得して部品実装機の制御装置の記憶装置(図示せず)に記憶しておき、部品実装機の稼働中(生産中)に吸着ノズル17に吸着した部品をカメラ22で撮像した画像の歪みを前記補正データで補正して、図5(b)に示すような歪みのない画像を生成するようにしている。このようにすれば、予め吸着ノズル17に部品が吸着されていない状態で撮像した画像を用いて、画像の歪みを補正する補正データを取得できるため、部品実装機の稼働中に吸着ノズル17に吸着した部品をカメラ22で撮像する毎に、その画像の歪みを前記補正データで精度良く補正することができる。
【0032】
また、本実施例では、吸着ノズル17に吸着した部品31のサイズがカメラ22の視野サイズより大きい場合に、該部品31の撮像領域を複数の部分撮像領域に分割して、各部分撮像領域をそれぞれカメラ22で撮像し、撮像した複数の部分撮像領域の画像を各画像に写った位置認識パターン24のマーク26の位置を基準にして合成して該部品31全体の画像を作成するようにしている。図6は、部品31の撮像領域を2つの部分撮像領域に分割して、撮像した2つの部分撮像領域の画像を合成して該部品31全体の画像を作成する例を示している。このようにすれば、大型の部品31の撮像領域を複数の部分撮像領域に分割して各部分撮像領域毎にカメラ22で撮像して部品31全体の合成画像を作成する際に、位置認識パターン24のマーク26の位置を基準にして、精度の良い合成画像を作成することができる。
【0033】
尚、本発明を適用可能な部品実装機は、図1に示す構成のものに限定されず、部品を吸着する吸着ノズルを備えた部品実装機であれば、どの様な構成の部品実装機にも本発明を適用して実施できる。
【符号の説明】
【0034】
11…X軸スライド、13…Y軸スライド、15…装着ヘッド、16…ノズルホルダ、17…吸着ノズル、18…部品、19…背景板、20,21…反射鏡、22…カラー撮像用のカメラ、23…フロントライト、24,25…位置認識パターン、26,27…マーク、31…大型の部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6