特許第5787549号(P5787549)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787549
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】携帯端末機の外装型アンテナ構造
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/24 20060101AFI20150910BHJP
   H04B 1/08 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   H01Q1/24 A
   H04B1/08 A
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-38532(P2011-38532)
(22)【出願日】2011年2月24日
(65)【公開番号】特開2011-176826(P2011-176826A)
(43)【公開日】2011年9月8日
【審査請求日】2014年2月24日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0016468
(32)【優先日】2010年2月24日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 承 淳
【審査官】 富澤 哲生
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0102727(US,A1)
【文献】 特開2007−214673(JP,A)
【文献】 特開2003−315475(JP,A)
【文献】 特開2009−5270(JP,A)
【文献】 特開2006−108103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの内側部に設けられたチューブを介して外部に引き出されるか、または内部に挿入されるスリーブと、前記スリーブの下端部に連結されたストッパーと、前記ストッパーの内部及び下端部に設けられたポゴピンとを備える外装型アンテナ、並びに、
前記外装型アンテナが前記ケースの内部に挿入される時、前記ポゴピンと電気的に接触する追加アンテナパターン、を含み、
前記ポゴピンは、
(i)前記ストッパーの内部に設けられた弾性部材と、前記弾性部材の下端と接触し、前記ストッパーの下端部に設けられた接触ピンとを含み、
(ii)前記外装型アンテナのスリーブが引き出されるか、または挿入されることにより、前記チューブの下端に位置した前記追加アンテナパターン及び前記チューブの上端に位置した給電部の間を移動することを特徴とする携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項2】
前記追加アンテナパターンは、前記ポゴピンと接触する接触部と、前記追加アンテナパターンを前記ケースに固定するための固定部と、前記接触部と前記固定部を連結する連結部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項3】
前記固定部は、融着によって前記固定部を前記ケースに固定させるための1つ以上のホールを含むことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項4】
前記固定部の幅は、前記ストッパーの幅より小さいことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項5】
前記固定部は、前記スリーブの長さ方向に沿って延長されている形状よりなることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項6】
前記固定部は、上部が前記スリーブの長さ方向に沿って延長され、下部が前記ケースの下端部に沿って延長されることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項7】
前記スリーブと前記ストッパーは、前記チューブの内部に沿って挿入され、引き出されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項8】
前記スリーブは、前記ケースの外部に引き出される時、前記スリーブの長さが延長されるように外部スリーブ及び内部スリーブを含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項9】
前記チューブの上端部には、前記スリーブまたは前記ストッパーと接触する前記給電部が形成されることを特徴とする請求項7に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項10】
前記チューブは、PVCよりなることを特徴とする請求項7に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項11】
前記ストッパーは、ヒンジ結合部によって前記スリーブの下端部と連結されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【請求項12】
前記外装型アンテナのストッパーは、外装型アンテナが前記給電部から離脱するのを防止できる一定の幅を有し、且つ前記チューブに沿って移動可能にするために、実質的に直線形状を有することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末機の外装型アンテナ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機の外装型アンテナ構造に係り、より詳細には、携帯端末機の外装型アンテナがケース内に挿入されたとき、アンテナパターンの長さを延長できる携帯端末機のアンテナ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電話のような携帯端末機の場合、音声通信機能のほか、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)、DVB−H(Digital Video Broadcasting−Handheld)、MediaFLO(Media Forward Link Only)のようなモバイル放送を受信できる機能に対する需要が増加している。このようなモバイル放送を受信するためのアンテナとして、携帯端末機のケース内に挿入するか、またはケースから引き出すことができるホイップアンテナ(whip antenna)のような外装型アンテナが主に使用されている。
【0003】
図1は、従来の携帯端末機の外装型アンテナ構造を示す平面図である。従来の携帯端末機の外装型アンテナ構造は、スリーブ14とストッパー16を備える外装型アンテナ10を含む。スリーブ14の上端部には、ヘッド12が形成されている。また、スリーブ14とストッパー16がケース11に挿入されるか、またはケース11から引き出されることを案内するチューブ15がケース11の内側部に形成されている。チューブ15の下端には、ストッパー16がチューブ15の外に突出することを防止する蓋体17が嵌着されている。チューブ15の上端部には、スリーブ14またはストッパー16と接触する給電部13が形成されている。ストッパー16は、ヒンジ結合部19によってスリーブ14の下端部に連結されている。
【0004】
このような携帯端末機の外装型アンテナ構造は、モバイル放送を予約録画する場合、通常、外装型アンテナ10がケース11の内部に挿入されているので、外装型アンテナ10が引き出されている時より受動利得(passive gain)が30dB程度低くなるという問題点があった。また、外装型アンテナ10周辺のサイドキー18とケース11が信頼性向上のために金属よりなる場合は、プラスチックよりなる場合に比べて受動利得が10dB程度さらに低くなるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、外装型アンテナがケース内部に挿入されている場合、受動利得の低下を最小化できる携帯端末機の外装型アンテナ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明は、ケースの内側部に設けられたチューブを介して外部に引き出されるか、または内部に挿入されるスリーブと、前記スリーブの下端部に連結されたストッパーと、前記ストッパーの内部及び下端部に設けられたポゴピンとを備える外装型アンテナ、並びに、前記外装型アンテナが前記ケースの内部に挿入される時、前記ポゴピンと電気的に接触する追加アンテナパターン、を含み、前記ポゴピンは、(i)前記ストッパーの内部に設けられた弾性部材と、前記弾性部材の下端と接触し、前記ストッパーの下端部に設けられた接触ピンとを含み、(ii)前記外装型アンテナのスリーブが引き出されるか、または挿入されることにより、前記チューブの下端に位置した前記追加アンテナパターン及び前記チューブの上端に位置した給電部の間を移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外装型アンテナがケース内部に挿入されている場合、追加アンテナパターンが外装型アンテナと接触するので、受動利得の低下を最小化できる。
また、ストッパーに設けられたポゴピンによって、ケース内に挿入された外装型アンテナと追加アンテナパターンの安定的な電気的接触が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来の携帯端末機の外装型アンテナ構造を示す平面図である。
図2】本発明の第1実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造を示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造の外装型アンテナ及びポゴピンを示す平面図である。
図4図2に示された追加アンテナパターンを示す斜視図である。
図5図2に示された外装型アンテナがケースから引き出された状態の携帯端末機の外装型アンテナ構造を示す平面図である。
図6】本発明の第2実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による携帯端末機の外装型アンテナ構造の好ましい実施形態を詳しく説明する。
【0010】
図2は、本発明の第1実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造を示す平面図であり、図3は、本発明の第1実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造の外装型アンテナ及びポゴピンを示す平面図であり、図4は、図2に示した追加アンテナパターンを示す斜視図であり、図5は、図2に示した外装型アンテナがケースから引き出された状態の携帯端末機の外装型アンテナ構造を示す平面図である。
【0011】
以下、図2図5を参照して、本発明の第1実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造を説明する。本実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造は、スリーブ114とストッパー116及びポゴピン120を備える外装型アンテナ100と、追加アンテナパターン130とを含む。
【0012】
スリーブ114は、ケース111の外部に引き出し可能であり、上端部には、ケース111の角部を成すヘッド112が形成されている。スリーブ114は、図5に示したように、ケース111の外部に引き出された時、アンテナとしての長さが延長されるように外部スリーブ114a及び内部スリーブ114bよりなることが好ましい。スリーブ114、好ましくは内部スリーブ114bの下端部には、ストッパー116がヒンジ結合部119によって連結されている。ストッパー116は、図5に示したように、スリーブ114全体が引き出される時、外装型アンテナ100が給電部113から離脱するのを防止する役目をする。スリーブ114とストッパー116は、ケース111の内側部に設けられたチューブ115の内部に沿って挿入され、引き出される。チューブ115は、透明PVC(polyvinyl chloride)材質よりなることが好ましい。チューブ115の上端部にはスリーブ114またはストッパー116と接触する給電部113が形成されている。
【0013】
ストッパー116の内部及び下端部には、図3に示したように、ポゴピン120が設けられている。ポゴピン120は、ストッパー116の内部に設けられた弾性部材121と、弾性部材121の下端と接触し、ストッパー116の下端部に設けられた接触ピン122とを含む。弾性部材121は、追加アンテナパターン130により接触ピン122が加圧される時、接触ピン122を追加アンテナパターン130側に押し付ける役目をする。弾性部材121は、図3にバネで示したが、ゴムまたは空圧/油圧アブソーバのように、弾性により接触ピン122を押し付けることができる他の手段も使用可能である。
【0014】
ケース111の内部には、外装型アンテナ100がケース111の内部に挿入されている時、ポゴピン120と電気的に接触する追加アンテナパターン130が設けられている。追加アンテナパターン130は、図4に示したように、ポゴピン120と接触する接触部131と、追加アンテナパターン130をケース111に固定するための固定部133と、接触部131と固定部133を連結する連結部132とを含む。本実施形態の追加アンテナパターン130の固定部133は、融着によって固定部133をケース111に固定するための1つ以上のホール134a、134bを含み、図2に示したように、スリーブ114の長さ方向に沿って延伸されている。また、固定部133の幅W2は、ストッパー116の幅W1より小さいことが好ましい。
【0015】
本実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造によれば、外装型アンテナ100が、例えばモバイル放送予約録画の際に、ケース111内に挿入されている時、追加アンテナパターン130と電気的に接触する。したがって、外装型アンテナ100がケース111内に挿入されている時の受動利得の低下を最小化できる。具体的に、外装型アンテナ100が挿入された場合を比較すれば、本実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造は、図1に示したような追加アンテナパターン130が無い、従来の携帯端末機の外装型アンテナ構造に比べて受動利得が10dB高い効果があった。
【0016】
また、外装型アンテナが引き出された場合の実験結果を比較すれば、図5に示したように、外装型アンテナが追加アンテナパターン130と完全に分離する本実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造は、引き出された外装型アンテナが追加アンテナパターンと接触している構造よりさらに良好な受動利得を示した。
【0017】
また、外装型アンテナ100のストッパー116は、外装型アンテナ100が給電部113から離脱するのを防止するために、一定の幅W1を有しなければならないし、且つチューブ115に沿って移動可能にするために、実質的に直線形状を有しなければならない。しかしながら、追加アンテナパターン130は、ストッパー116より幅W2を大きく低減でき、直線から変形された形状、例えば直線を曲げて折り畳んだ形状を作ることが容易である。したがって、本実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造によれば、従来技術により外装型アンテナ自体を単に延長した構造より、ケースの下端部の空間活用度をさらに高くできる。
【0018】
図6は、本発明の第2実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造の平面図である。
【0019】
図6は、図2の携帯端末機の外装型アンテナ構造と類似の特徴を含む。さらに具体的に、外装型アンテナ200は、スリーブ214及びストッパー216を含む。スリーブ214は、ケース211の外部に引き出し可能である。ケース211の角部を形成するヘッド212は、スリーブ214の上端部に設けられる。スリーブ214の長さは、ケース211の外部に延長できる。ストッパー216は、スリーブ214全体が引き出される時、外装型アンテナ200が給電部213から分離するのを防止する。スリーブ214とストッパー216は、ケース211の内側に設けられたチューブ215の内部に沿って挿入され、引き出される。
【0020】
また、連結部232は、固定部233を接触部に連結されている。追加アンテナパターン230の固定部233は、固定部233をケース211に固定する1つ以上のホール234a、234bを含む。第2実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造の追加アンテナパターン230は、図2に示した第1実施形態による携帯端末機の外装型アンテナ構造の追加アンテナパターン130と異なる形状を有する。すなわち、固定部233の上部233aがスリーブ114の長さ方向に沿って延長され、固定部233の下部233bが上部233aから折り曲げられてケース111の下端部に沿って延長されている。このような第2実施形態の追加アンテナパターン230の形状によって、第2実施形態のケース211の長さが第1実施形態のケース111の長さよりさらに短くできる。第2実施形態の構成は、この点を除いて第1実施形態の構成と同一である。
【0021】
図示はしないが、上部233a及び下部233bの一方又は双方をさらに折り曲げて折り畳むことにより、固定部233の総延長対占有面積(体積)比を上げて、ケース下端部の空間活用度をさらに向上できる。
【0022】
本発明は、添付の図面を参照しながら好ましい実施形態を中心に説明したが、これに限定せず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が特許請求範囲に記載された技術的思想の範囲内で多様な変形例で実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0023】
10、100、200 外装型アンテナ
11、111、211 ケース
12、112、212 ヘッド
13、113、213 給電部
14、114、214 スリーブ
15、115、215 チューブ
16、116、216 ストッパー
17 蓋体
18、118 サイドキー
19、119、219 ヒンジ結合部
114a、114b 外部スリーブ、内部スリーブ
120 ポゴピン
121 弾性部材
122 接触ピン
130、230 追加アンテナパターン
131、231 接触部
132、232 連結部
133、233 固定部
134a、134b、234a、234b ホール
233a
図1
図2
図3
図4
図5
図6