(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
  
図1は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の斜視図、
図2は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の側面断面図である。
  
図1、
図2において、本実施の形態に係る加熱調理器は、本体1の内部に前面が開口した調理室2を備え、本体1の前側に調理室2の前面開口を閉塞する、窓3を有する扉体4が設けられている。この扉体4は、下部を本体1に軸支されており、上部に設けられたハンドル7により開閉可能に構成されている。
  そして、加熱調理器を正面から見て扉体4の右側に位置する略長方形状の領域には、使用者が調理に関する所定の操作入力を行う操作部8が扉体4と一体的に形成され、扉体4の開放時に扉体4と同時に可動するようになっている。この操作部8には、後述する複数の操作キー(入力のための全ての操作キー)が設けられている。また、この操作部8の上方には、操作入力の状態と調理状況を表示する表示部9が設けられている。
 
【0011】
  次に、調理室2内部には、被調理物5を載置するセラミックによって構成された調理プレート6が着脱自在に設置され、調理室2側面に設けられたガイドレール(図示せず)に支持されるように構成されている。
  調理室2の上面外側には、発熱体であるニクロム線をマイカで挟んで構成したフラットヒーター18が配置されている。フラットヒーター18は、断熱材19と、これらを覆う板金20によって上部を覆われており、調理室2内部を上側から加熱するように構成されている。
 
【0012】
  次に、調理室2の下部には、本体1内に設置されたインバーター基板(図示せず)により電力供給されるマグネトロン(図示せず)の発生する周波数約2450MHzのマイクロ波を、調理室2に伝播するアンテナ21が備えられている。
  このアンテナ21は、調理室2とセラミックプレート23で隔てられた下部加熱室24内に、回転可能に軸支され、モーター25によって回転しながら、導波管26を介して伝播されるマイクロ波を調理室2に伝播するものである。
  また、下部加熱室24内部には、本体1内に設置された電源基板(図示せず)により電力供給される、アンテナ21を取り囲むように配置されたシーズヒーター22が配置されており、セラミックプレート23を通して調理室2内部を下側から加熱するように構成されている。
 
【0013】
  次に、扉体4には、調理室2内部に伝播したマイクロ波が、扉体4と調理室2の合わせ目から漏洩することを防止するための金属製の袋小路構造を有するチョーク28と、マイクロ波の漏洩を遮断しつつ、前面に設けられた窓3を通して調理室2内部を外側から見通せるようにするための直径1mm程度の複数の開口を有する金属製の開口パネル29を内部に備えている。
  調理室2の背面外側には、背面加熱室30が形成され、背面加熱室30内には赤外線を発生する背面ガラス管ヒーター31と、これを取り囲む反射部32が設けられている。
 
【0014】
  次に、調理室2と背面加熱室30を仕切る壁面の背面ガラス管ヒーター31の前側には、反射部32の開口と同等もしくは、それよりも広い領域に赤外線入射部となる直径約4mmの複数の連通孔でなる背面開口部33が設けられている。
  この背面開口部33は、背面ガラス管ヒーター31の発生する赤外線を調理室2内に透過させるが、調理室2内部に伝播されたマイクロ波を背面加熱室30内に伝播することを防止する機能を持つ。
 
【0015】
  また、反射部32は、背面加熱室30内の下部位置に設けられた送風ファン34を収容する循環室35に連通している。この循環室35の後方には、送風ファン34を駆動するファンモーター36が設けられている。
  調理室2と背面加熱室30を仕切る壁面における送風ファン34前側には、直径約4mmの複数の吸気口37が設けられている。
 
【0016】
  送風ファン34は、ファンモーター36により回転されることにより、調理室2内の空気を、吸気口37を介して循環室35内に吸気し、反射部32の背面ガラス管ヒーター31に送る機能を持つ。
  そして、反射部32内で背面ガラス管ヒーター31によって加熱された空気は、背面開口部33を介して調理室2内部に送出される。
  このように、送風ファン34を駆動させると、調理室2内部に熱風の対流を発生させることが可能となり、調理室2内の温度の立ち上りを早くすることができる。
 
【0017】
  また、セラミックからなる調理プレート6を調理室2側面のガイドレール(図示せず)に支持させて、吸気口37に差し掛かる高さに設置すると、調理プレート6の上の空間内で空気が循環し、この空間の温度が高くなる。
  このため、調理プレート6上での調理時間を短縮することが可能となる。
 
【0018】
  また、本実施の形態の加熱調理器においては、前述のように構成されているため、マグネトロン(図示せず)の発生するマイクロ波によるレンジ調理と、調理室2上部のフラットヒーター18による加熱のみ、もしくは、フラットヒーター18に加えて背面ガラス管ヒーター31による加熱を加えて上側から加熱を行うグリル調理と、グリル調理で用いる加熱源にシーズヒーター22による加熱を組み合わせて、庫内全体を均一に加熱するオーブン調理を行うことができる。
 
【0019】
  また、セラミックプレート23はマイクロ波を透過するため、セラミックプレート23上に被調理物5を載置させた状態でマイクロ波加熱とヒーター加熱を組み合わせて調理することができる。
  つまり、マイクロ波加熱とヒーター加熱を同時、あるいは交互に行うことにより、ヒーター加熱のみでは均一な加熱調理が困難であった、厚みのある食材や、水分の多い食材も早く調理することができる。
 
【0020】
それから、前述のように本体1内にはノイズの発生源となるインバーター基板(図示せず)等が配置されているので、操作入力のための全ての操作キーを備える操作部8を扉体4と一体として構成し本体1から分離することで、操作部8を操作することで発生する入力信号へノイズがのることを低減することができ、誤動作を防止することができる。
 
【0021】
  図3(a)は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の操作部の正面図、
図3(b)は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の操作部の光拡散部材を示す正面図、
図4(a)は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の操作部の支持部材の正面図、
図4(b)は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の操作部の支持部材の正面方向の斜視図、
図5(a)は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の操作部の支持部材の背面図、
図5(b)は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の操作部の支持部材の背面方向の斜視図、
図6は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の操作部の基板の正面図、
図7は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の操作部の組立図である。
 
【0022】
図8(a)は
図3(a)の断面A−Aにおける部分断面図、
図8(b)は
図3(a)の断面B−Bにおける部分断面図、
図8(c)は
図8(b)におけるキーが押下されたときのスイッチ閉状態の部分断面図、
図9は
図3(a)の断面C−Cにおける部分断面図である。
 
【0023】
  図3(a)に示すように、操作部8の表面は、樹脂製薄板で例えばPC(ポリカーボネート)樹脂からなる厚み0.5mmの可撓性を有するシート状パネル125で構成された略長方形状であり、第1の操作入力領域101と第2の操作入力領域110と第3の操作入力領域123と表示部9を有する。表示部9は透明で、後述する液晶92からなる略長方形状の表示領域であり、固定の文字と記号により、操作部8への操作入力の状態と調理状況を表示する。
 
【0024】
表示部9の下側の領域に設けられた、調理メニューを選択する第1の操作入力領域101には、レンジキー102、レンジグリルキー103、グリルキー104、オーブンキー105の各キーと、前記各キーの上側に配置された発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が配置されている。  
 
【0025】
  第1の操作入力領域101の各キーは調理メニューの選択を行うものであり、レンジキー102はマグネトロンによるマイクロ波加熱を用いたレンジ調理の選択、レンジグリルキー103はマイクロ波加熱の後にフラットヒーター18および背面ガラス管ヒーター31の加熱を連続して行うレンジグリル調理の選択、グリルキー104はグリル調理の選択、オーブンキー105はフラットヒーター18とシーズヒーター22の加熱によるオーブン調理の選択を行う。
  なお、調理メニューとは、レンジ調理、レンジグリル調理、グリル調理、オーブン調理のことを言う。
 
【0026】
  これらの調理メニューの選択を行う各キーは、左から、レンジキー102、レンジグリルキー103、グリルキー104、オーブンキー105の順番で横一列となるように配列されている。
  また、これらの発光部106、発光部107、発光部108、発光部109も、横方向に一列に配置されており、ドアを開閉した際の初期状態で点滅し、キーが選択された場合に点灯するように構成されている。
 
【0027】
  尚、発光部106はレンジキー102の上方に位置し、発光部107はレンジグリルキー103の上方に位置し、発光部108はグリルキー104の上方に位置し、発光部109はオーブンキー105の上方に位置し、それぞれのキーに対応した位置関係となるように配置されている。
  このように、第1の操作入力領域は上記の各キー群の配列により、略長方形状に形成されている。
 
【0028】
  次に、第1の操作入力領域101の下側の離間した位置には、第2の操作入力領域110が設けられている。
  この第2の操作入力領域110は、各調理メニューが選択された際に、調理の仕上がりに関わる加熱の強さを調節する2つの仕上がり調節キー111(プラスキー)、112(マイナスキー)と、調理時間を設定する3つの調理時間設定キー115、116、117と、調理を開始する調理開始キーであるスタートキー121から構成されている。また、これらキーに対応してキーの外側に発光部113、発光部114、発光部118、発光部119、発光部120、スタートキー121の内側に発光部122が設けられている。
  尚、第2の操作入力領域110は、これらのキー及び発光部の配置により、略円形状に形成されている。
 
【0029】
  次に、第2の操作入力領域110の各キーを説明すると、まず、仕上がり調節キーは、調理物5の調理の仕上がり具合を上げるプラスキー111と、仕上がり具合を下げるマイナスキー112からなる。仕上がり具合とは、仕上がり状態の調理物5の温度や焼目の具合や量などのことである。
  また、これらの仕上がり調節キーの形状は、中心から所定の半径の領域が切り欠かれた開角が略90度の扇形状である。
 
【0030】
  次に、調理時間設定キーは、調理時間を任意に設定する際に用いるものであり、5分単位で時間設定を行う5分キー115と、1分単位で時間設定を行う1分キー116と、10秒単位で時間設定を行う10秒キー117からなる。これらの時間設定キーの形状は、中心から所定の半径の領域が切り欠かれた開角が略60度の扇形状である。
  尚、仕上がり調節キーと時間設定キーをなす扇形状のキーは、全て同じ半径で構成されており、また、切り欠かれた部分の領域の半径も同じである。
 
【0031】
  次に、スタートキー120は、第1の操作入力領域又は仕上がり調節キー又は調理時間設定キーにより各種設定を行った後、加熱調理を開始するためのキーである。このスタートキー120は、円形状に構成されており、この円の半径は仕上がり調節キーや時間設定キーの切り欠かれた部分の領域の半径よりも小さい。
  また、スタートキー121には、キー入力が可能な場合に点滅する発光部122が設けられている。
 
【0032】
  以上のように構成された第2の操作入力領域110を構成するキーは、次のように配置される。
  まず、プラスキー111とマイナスキー112と5分キー115と1分キー116と10秒キー117は、各キーの直線部分を隣り合わせて配置される。つまり、プラスキー111とマイナスキー112は開角が略90度であり、5分キー115と1分キー116と10秒キー117は開角が略60であり、各キーをなす扇形状は全て同じ半径であり、また、それぞれ切り欠かかれた部分の領域の半径も同じであることから、これらのキーの配列により円形状(円盤状)が形成される。
 
【0033】
  そして、この円形状の中心となる位置に、スタートキー121が配置され、第2の操作入力領域110は、これらのキーの配置により、円形状に形成される。
  尚、マイナスキー112とプラスキー111は、第2の操作入力領域の上半分に配置され、左側にマイナスキー112、右側にプラスキー111が位置する。
 
【0034】
  また、5分キー115、1分キー116、10秒キー117は、第2の操作入力領域の下半分に配置され、左側に5分キー115、中心に1分キー116、右側に10秒キー117が位置する。
  また、仕上がり調節キー及び調理時間設定キーのそれぞれのキーの外周部には、キー入力が可能な場合に点灯する発光部113、発光部114、発光部118、発光部119、発光部120が配置されている。
 
【0035】
  次に、第2の操作入力領域110の左下側の離間した位置には、第3の操作入力領域123が形成されており、領域内部に第1の操作入力領域110及び第2の操作入力領域110で行った操作入力を解除する円形状の取消しキー124が配置されている。
  この第3の操作入力領域123は、略長方形状である操作部8の下辺8aと、この下辺に略垂直に交わる左辺8bと、円形状である第2の操作入力領域110に囲まれている。
 
【0036】
  ここで、操作部8における第2の操作入力領域110の占める割合が大きくなり、第2の操作入力領域110が操作部8の下辺8aと左辺8bに近づいても、第2の操作入力領域110は円形状であるので、第2の操作入力領域110と下辺8aと左辺8bに囲まれた部分には隙間が形成される。
  従って、操作部8における第2の操作入力領域110の占める割合が大きくなっても、取消しキー124を設けるスペースを確保することができる。
 
【0037】
  次に、操作部8の内部構成について図を用いて説明する。
図3(b)に示すようにシート状パネル125の各発光部の裏側には発光部106、発光部107、発光部108、発光部109に対応する光拡散部材91a、発光部113、発光部114、発光部118、発光部119、発光部120に対応する光拡散部材91b、発光部122に対応する光拡散部材91cがそれぞれ設けられている。ここで光拡散部材とは、照射された光を拡散させて輝度むらを少なくするためのものである。
 
【0038】
  シート状パネル125の後方には
図7に示すように、基板126上に設置される樹脂成形品で例えばABS(アクリロニトリルブタジェンスチレン)樹脂からなる支持部材127が配置されている。支持部材127には
図4(a)、
図4(b)に示すように、シート状パネル125に設けられたマイナスキー112に対応する可動部128が2本の支持アーム93により、シート状パネル125の法線方向に揺動可能に支持されている。
 
【0039】
同様にプラスキー111に対応する可動部138が2本の支持アーム139に、10秒キー117に対応する可動部140が2本の支持アーム141に、1分キー116に対応する可動部142が2本の支持アーム143に、5分キー115に対応する可動部144が2本の支持アーム145に、それぞれシート状パネル125の法線方向に揺動可能に支持されていて支持部材127に一体成形されている。
 
【0040】
図3(a)に示すようにマイナスキー112、プラスキー111、10秒キー117、1分キー116、5分キー115は円形状に配置されているので、それぞれのキーに対応する可動部128、可動部138、可動部140、可動部142、可動部144も同様に円形状に配置されている。
 
【0041】
以下、マイナスキー112を一例としてキー周辺構造を説明する。
マイナスキー112は、円形状に連続的に配置された第2の操作入力領域110において4分の1の面積を占める大きさであり、これを受ける可動部128は使用者の指の太さに対して十分な幅が確保されている。
 
【0042】
  マイナスキー112の外周部には、キー形状に沿った細長い発光部114が設けられている。発光部114の裏側には前述の通り光拡散部材91bが設けられており、ここに光を照射することで光が拡散される。発光部114の後方の支持部材127には
図4(a)、
図4(b)に示すように、発光部114の形状に沿った導光溝95が設けられ、中央付近の可動部128に対向する壁面に傾斜面を有する第1の反射部96が設けられている。また、第1の反射部96の両端に、光拡散部材91bに向けて間隔が広がるように対向する一対の傾斜面を有する第2の反射部97が設けられている。
 
【0043】
  可動部128の裏側中央付近には
図5(a)、
図5(b)に示すように、第1の反射部96側に向けて略100度の角度でくの字状に開いた光反射リブ98が、
図7(a)に示すように、基板126上のLED130の側方を囲むように、基板126に隙間を開けて設けられている。
 
【0044】
このように構成されているのでLED130が発光すると、その光はまずLED130の側方に設けられた光反射リブ98に照射され、光反射リブ98によって側方にある第1の反射部96と第2の反射部97に向けて横向きに反射される。反射した光は傾斜面で上向きに広がりながら導光溝95が形成する導光空間に導かれ、光拡散部材91bに照射される。このように光拡散部材91bに反射光が照射されるようにしたので、LED130が点光源であっても発光部114は全域で端部まで発光することが可能となる。ここで第1の反射部96や第2の反射部97、光反射リブ98が一体で成形されている支持部材127は、光源であるLED130の光をより反射しやすくするため白色で調色成形している。但し、白色に限るものではなく光を反射しやすい色であれば適宜用いることが可能である。
 
【0045】
なお、前述の説明で光反射リブ98の角度は略100度としたが、これに限定されるものではなく、90度から135度の範囲で設定可能であり、この範囲に設定すれば同様の反射性能が得られる。
 
【0046】
  前述のように点光源の光を側方に反射させ、更に傾斜面に反射させて上方に反射させるようにしたので、光を広げるための奥行きを大きくとらなくても発光部114は全域で端部まで発光することが可能となり、発光部114と同じ構成である各発光部113、114、115、116、117が発光した場合、各発光部が全域で端部まで発光するので、発光領域が円形状に連結したようになり操作性に加え、意匠性を高めることができる。
 
【0047】
次に、可動部128の裏側には
図5(a)、
図5(b)、
図8(b)に示すように、光反射リブ98の両端で端部近傍に一対の突起94が設けられており、
図6に示すように基板126上でLED130の両側に設置されたマイナスキー112に対応する一対の機械接点式のスイッチ129をそれぞれ押下できるように構成されている。
 
【0048】
前述のように可動部128の裏側中央付近には光反射リブ98が設けられ、可動部128の中央付近の基板126上にLED130を配置しているので、スイッチ129を可動部128の中央付近に配置が困難である。
 
【0049】
マイナスキー112は大きい面積を有しているので、片方の端部側だけにスイッチ129を配置すると操作性が悪くため、可動部128の裏側両端部近傍に突起94が設け、基板126上に設置されたマイナスキー112に対応する一対のスイッチ129を押すようにすることで、マイナスキー112のどちらかの端部が押下された場合でも、一方のスイッチ129が閉状態となり入力状態となり、中央が押下された場合は、両方のスイッチ129が同時に閉状態となり同様に入力状態となる。すなわち、どちらか片方のスイッチ129のみが閉状態となっても、両方のスイッチ129が閉状態となっても、同様のマイナスキー112の入力として認識される設定となっている。
 
【0050】
  図8(c)に示すように、マイナスキー112をスイッチ129が閉状態となるまで押下すると光反射リブ98も基板126側へ移動する。この時、基板126と光反射リブ98が近接し更にマイナスキー112を押し込もうとすると、光反射リブ98が先に基板126に接触しそれ以上押し込めなくなるようになっている。このように構成することで、スイッチ129の押し込みすぎによる故障を防止する機能を光反射リブ98に持たせることができる。
 
【0051】
  スタートキー121は例えばボタン状の樹脂成形部品で構成され、
図3(a)、
図9に示すように、シート状パネル125の円形状である第2の操作入力領域110の中央に開口した部分に設けられ、支持部材127に揺動可能に支持された可動部132に固定されている。
 
【0052】
スタートキー121は、その内側に透過性の高い樹脂成形部品の発光部122を備えており、発光部122の裏側には光拡散部材91cが設けられている。可動部132の後方には基板に設置されたスイッチ136とLED135が配置されている。可動部132にはLED135の光を導光する導光空間137と、光を光拡散部材91cに向けて反射する傾斜を有する第1の反射部133と、第1の反射部133の両端に設けられた第2の反射部134が設けられている。
 
【0053】
  発光部122は、点光源であるLED135からの光を側方から照射して第1の反射部133と第2の反射部134で上方に向かって反射させ、直接光ではなく反射光を光拡散部材91cに照射しているので、広い幅方向全域で端部まで発光させることができる。
 
【0054】
ここで、スタートキーと発光部の構成は、
図9ではボタン状の樹脂成形部品の一部に透過性の高い樹脂成形部品を挿入して発光部122とし、その裏側に光拡散部材91cを設けたものとして説明しているが、これに限定されるものではなく、ボタン状の樹脂成形部品を透過性の高い樹脂で形成、その裏側に一部を除いて隠蔽力のある塗装を施し、塗装の無い部分を発光部122としてその箇所に光拡散部材91cを設けてもよく、適宜選択可能である。
 
【0055】
なお、ここまでスイッチ129のような機械接点式スイッチで説明してきているが、
図10に示すような接点が導電性ゴムからなり、シート状パネルと一体化したメンブレンスイッチを使うことも可能である。
図10において131はメンブレンスイッチであり、機械接点式のスイッチ129のように突起94が不要で機械式にスイッチ129を押下する構造を設ける必要がなく、操作部の奥行きを抑えることができる。
 
【0056】
  操作部8は、以上のように構成されており、使用者が操作を行う際の手順として、まず調理メニューを選択することが明確であるため、使用者が被調理物5を調理するのに適した調理メニューを選択しやすい。
  また、仕上がり調節キーと時間設定キーとスタートキー121が1つの纏りになって第1の操作入力領域の下側に配置されていることにより、調理メニューの選択の後に操作を行うという操作手順を理解し易い。
 
【0057】
  また、取消しキー124は第1の操作入力領域101、および第2の操作入力領域110から離れた位置に独立して配置されているため、認識し易く、どの操作入力ステップにおいても容易に操作を行うことができる。
 
【0058】
  また、本実施の形態の加熱調理器は、被調理物5を加熱する加熱源として、マイクロ波による加熱手段と、ヒーター(フラットヒーター18、背面ガラス管ヒーター31、シーズヒーター22)による加熱手段と、これらの加熱手段を組み合わせて用いる複合加熱手段の3通りの加熱手段を有し、また、調理メニューとして、レンジ調理と、グリル調理と、オーブン調理と、レンジ調理とグリル調理の複合調理であるレンジグリル調理の4通りの調理メニューを有する。
 
【0059】
  従って、グリルキー104とオーブンキー105を一つの領域にまとめながら、2つのキーとして配置することにより、加熱手段(加熱方法)で3通り備え、調理メニューとして4通り備えることを理解し易くしている。
  また、以上で説明した各部の動作は、加熱調理器に設けられた制御部(図示せず)により、操作部からの入力や加熱調理器の各部に設けられた各種センサー(図示せず)からの検知結果に基づき、記憶部(図示せず)に記憶された各種プログラムを実行することで、制御される。
 
【0060】
  次に、本実施の形態において、各種調理を行う場合の操作手順について説明する。
  
図11(a)〜
図11(c)、
図12(a)〜
図12(c)は、マイクロ波加熱によるレンジ調理の機能切り替えの操作手順と発光部の点灯状況、及び、表示部9の表示内容を示した説明図である。なお、
図11(a)〜
図11(c)から
図12(a)〜
図12(c)にかけて、連続する一連の操作の流れを示している。
  また、図中に示す手のポインタは、図に示す状態において、手のポインタの位置するキーを押下して、次の状態に移ることを示す。
 
【0061】
  図11(a)は、被調理物5を調理室2に載置して扉体4を閉じた初期状態の操作部8の状態であり、表示部9には「0」が表示され、レンジキー102と、レンジグリルキー103と、グリルキー104と、オーブンキー105の各キーに対応した発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が点滅し、調理メニューを選択する4つのキーが有効であることを示している。
 
【0062】
  図11(a)において、レンジキー102を1回押下した場合は、
図11(b)の状態となる。レンジキーに対応する発光部106は、点滅から点灯に変わり、レンジ調理のモードに入ったことを示す。
  また、表示部9には、「レンジ調理」が選択されていることが表示され、レンジ調理のモードである「自動」「あたため」のそれぞれのモード表示がされる。このようにレンジ調理には、自動モードと手動モードがあり、自動モードには、あたため、のみもの、ゆでもの、解凍のモードが選択できる。
 
【0063】
  ここで、レンジ調理の「自動」「あたため」のモードにおける、レンジ調理の仕上がりの調節項目は仕上がり温度であり、表示部9には初期設定時の温度である「80℃」が表示される。
  この状態で、レンジ調理の「自動」「あたため」モードで仕上がり温度設定ができているため、発光部122が点滅し、スタートキー121が有効であることが示される。
  また、発光部114と発光部113も点灯し、初期設定時の温度をプラスキー111とマイナスキー112によって、仕上がり温度を変更できることも示される。
 
【0064】
  次に、
図11(b)において、レンジキー102を1回押下した場合、自動モードの選択状態から手動モードへと選択状態が切り替わり、
図11(c)の状態となる。
  この時、レンジキー102に対応する発光部106は点灯を継続し、レンジ調理のモードであることを示す。そして、表示部9は「手動」のモード表示となる。この状態では、レンジ調理の仕上がりの調節項目はレンジ出力であり、表示部9には初期設定時の出力である「600W」が表示される。また、調理時間の設定値として初期値の「0秒」が表示される。
 
【0065】
  また、発光部118、発光部119、発光部120が点滅し、5分キー115と1分キー116と10秒キー117による調理時間の設定が促される。レンジ調理の手動モードでは、調理時間の設定は必須の操作であり、設定がされなければ調理が開始されない。
  従って、調理時間が設定されるまで、スタートキー121は有効とならず、スタートキー121の有効状態を示す発光部122は点滅しない。
 
【0066】
  また、発光部113、発光部114は点灯し、プラスキー111とマイナスキー112により、レンジ出力の調節が可能なことが示される。
  また、発光部113、発光部114と、発光部118、発光部119、発光部120は異なる色に発光するようになっており、使用者がキーの種類の違いを認識しやすい。
 
【0067】
  図11(c)において、レンジキー102を1回押下した場合、
図12(a)で示す状態となる。発光部106は点灯を継続し、レンジ調理のモードであることを示す。また、表示部9は、「自動」「のみもの」のモード表示となる。
  この時、レンジ調理の仕上がりの調節項目は仕上がり温度であり、表示部9には初期設定時の温度である「60℃」が表示される。
 
【0068】
  この状態で、レンジ調理の「自動」「のみもの」モードで仕上がり温度設定ができているため、発光部122が点滅し、スタートキー121が有効であることが示される。
  また、発光部114と発光部113も点灯し、初期設定時の温度をプラスキー111とマイナスキー112によって仕上がり温度を変更できることも示される。
 
【0069】
  図12(a)において、レンジキー102を1回押下した場合、
図12(b)で示す状態となる。発光部106は点灯を継続し、レンジ調理のモードであることを示す。また、表示部9は、「自動」「ゆでもの」のモード表示となる。
  この時、レンジ調理の仕上がりの調節項目は5段階の仕上がりの強弱レベルであり、表示部9には初期設定時の強弱レベル「3」が表示される。
 
【0070】
  この状態で、レンジ調理の「自動」「ゆでもの」モードで仕上がりの強弱レベルの設定ができているため、発光部122が点滅し、スタートキー121が有効であることが示される。
  また、発光部114と発光部113も点灯し、初期設定時の温度をプラスキー111とマイナスキー112によって仕上がりの強弱レベルを変更できることも示される。
 
【0071】
  図12(b)において、レンジキー102を1回押下した場合、
図12(c)の状態となる。発光部106は点灯を継続し、レンジ調理のモードであることを示す。この時、表示部9は、「自動」「解凍」のモード表示となる。表示部9、操作部8の動作は「自動」「ゆでもの」と同様であるため、説明を省略する。
  そして、
図12(c)において、レンジキー102を1回押下すると、
図11(b)の状態に戻る。
 
【0072】
  以上、レンジ調理の機能切り替えの操作手順と発光部の点灯状況、及び、表示部9の表示内容を説明したが、これらの操作によって調理形態を設定した後、スタートキー121を押下することにより、調理を開始する。
  尚、調理室2には、被調理物5の表面温度を検出する赤外線センサ(図示せず)と、調理室内温度と調理物5のより発生する蒸気温度を検出する温度センサ(図示せず)が設けられており、レンジ調理の自動モードでの調理時は、前記センサにより検出された調理物5の表面温度と蒸気温度とによって、調理時間が調節され、自動で調理が完了する。
 
【0073】
  次に、レンジ調理の「自動」「あたため」モードを使用する際の操作手順について説明する。
  
図13(a)〜
図13(c)は、レンジ調理の「自動」「あたため」のモードを使用する場合の操作手順と発光部の点灯状況、及び、表示部9の表示内容を示した説明図である。
 
【0074】
  図13(a)は被調理物5を調理室2に載置して扉体4を閉じた初期状態の操作部8の状態であり、表示部9には0が表示され、レンジキー102と、レンジグリルキー103と、グリルキー104と、オーブンキー105の各キーに対応した発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が点滅し、調理メニューを選択する4つのキーが有効であることを示している。
 
【0075】
  図13(a)において、レンジキー102を1回押下した場合、
図13(b)の状態となる。発光部106は、点滅から点灯に変わり、レンジ調理のモードに入ったことを示す。表示部9には、レンジ調理の選択であることが表示され、「自動」「あたため」のモード表示となる。
  この時、レンジ調理の仕上がりの調節項目は仕上がり温度であり、表示部9には初期設定時の温度である「80℃」が表示される。
 
【0076】
  この状態で、レンジ調理の「自動」「あたため」モードで仕上がり温度設定ができているため、発光部122が点滅し、スタートキー121が有効であることが示される。
  また、発光部114と発光部113も点灯し、初期設定時の温度をプラスキー111とマイナスキー112によって仕上がり温度を変更できることも示される。
 
【0077】
ここで、
図13(b)に示すように、マイナスキー112を1回押下した場合、
図13(c)の状態となる。マイナスキー112の1回の押下で、仕上がり温度が10℃低く設定され、表示部9に「70℃」が表示される。
  この状態で、プラスキー111、マイナスキー112は継続して押下可能であり、仕上がり温度の調節が終了した時点で、スタートキー121を押下することにより、調理が開始される。
 
【0078】
  次に、レンジ調理の「手動」モードを使用する際の操作手順について説明する。
  
図14(a)〜
図14(d)は、レンジ調理の「手動」のモードを使用する場合の操作手順と発光部の点灯状況、及び、表示部9の表示内容を示した説明図である。
  
図14(a)は被調理物5を調理室2に載置して扉体4を閉じた初期状態の操作部8の状態であり、表示部9には「0」が表示され、レンジキー102と、レンジグリルキー103と、グリルキー104と、オーブンキー105の各キーに対応した発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が点滅し、調理メニューを選択する4つのキーが有効であることを示している。
 
【0079】
  図14(a)において、レンジキー102をつづけて2回押下した場合、
図14(b)の状態となる。
  発光部106は点灯状態となり、表示部9は「手動」のモード表示となる。このとき、レンジ調理の仕上がりの調節項目はレンジ出力であり、表示部9には初期設定時の出力である「600W」が表示される。また、調理時間の設定値として初期値の「0秒」が表示される。
 
【0080】
  次に、発光部118、発光部119、発光部120が点滅し、5分キー115と1分キー116と10秒キー117による調理時間の設定が促される。レンジ調理の手動モードでは、調理時間の設定は必須の操作であり、設定がされなければ調理が開始されない。
  したがって、調理時間が設定されるまで、スタートキー121は有効とならず、発光部122は点滅しない。
  また、発光部113、発光部114は点灯し、プラスキー111とマイナスキー112により、レンジ出力の調節が可能なことが示される。
 
【0081】
  ここで、
図14(b)に示すように、マイナスキー112を1回押下した場合、
図14(c)の状態となる。
  マイナスキー112の1回の押下でレンジ出力が「500W」に設定される。この状態で、プラスキー111、マイナスキー112は継続して押下可能であるが、調理時間の設定が行われていないため、発光部122は点滅せず、スタートキー121が有効でないことが示される。
 
【0082】
  図14(c)において、5分キー115を1回押下した場合、
図14(d)の状態となる。表示部9の調理時間表示が5分加えられて「5分00秒」となる。ここで、調理時間が設定されたため、「手動」モードでの調理を行うことができるようになり、発光部118、発光部119、発光部120は点滅から点灯に変わり、発光部122が点滅状態となり、スタートキー121が有効となる。
 
【0083】
  この状態でも発光部113、発光部114、及び、発光部118、発光部119、発光部120は点灯を継続し、プラスキー111とマイナスキー112によるレンジ出力の調節と、5分キー115と1分キー116と10秒キー117による調理時間の設定の変更を行うことができる。
  そして、以上の調理設定を行った後、スタートキー121を押下することにより、加熱調理が開始される。
 
【0084】
  次に、レンジグリル調理を選択した場合の操作手順を説明する。
  
図15(a)〜
図15(c)は、マイクロ波加熱によるレンジ調理の後に、フラットヒーター18と背面ガラス管ヒーター31を同時通電するグリル調理を連続して行うレンジグリル調理における機能切り替えの操作手順と発光部の点灯状況、および表示部9の表示内容を示した説明図である。
 
【0085】
  図15(a)は、被調理物5を調理室2の調理プレート6上に載置して扉体4を閉じた初期状態の操作部8の状態であり、表示部9には「0」が表示され、レンジキー102と、レンジグリルキー103と、グリルキー104と、オーブンキー105の各キーに対応した発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が点滅し、調理メニューを選択する4つのキーが有効であることを示している。
 
【0086】
  図15(a)において、レンジグリルキー103を1回押下した場合、
図15(b)の状態となる。レンジグリルキー103に対応する発光部107は、点滅から点灯に変わり、レンジグリル調理のモードに入ったことを示す。
  表示部9には「レンジ→グリル」が表示され、レンジグリル調理の選択であることが示され、「自動」のモード表示となる。
 
【0087】
  レンジグリル調理において、レンジ調理のステップでは、レンジ出力は600Wで固定され、レンジ調理からグリル調理に自動的に移行するタイミングは、調理室2に設けられた赤外線センサ(図示せず)と温度センサ(図示せず)によって検出された調理物5の加熱状況によって決定される。
  また、グリル調理のステップに移行した後のヒーター加熱による調理時間は、調理の仕上がりの強弱レベルによって決定される。
 
【0088】
  レンジグリル調理の「自動」モードを選択した状態で、表示部9には初期設定時の強弱レベル「3」が表示され、発光部122が点滅し、スタートキー121が有効であることが示される。
  また、発光部114と発光部113も点灯し、初期設定時の温度をプラスキー111とマイナスキー112によって仕上がり温度を変更できることも示される。
 
【0089】
  図15(b)において、レンジグリルキー103を1回押下した場合、
図15(c)の状態となる。
  発光部107は点灯を継続し、レンジグリル調理のモードであることを示す。表示部9は「手動」のモード表示となる。ここで、レンジ調理のステップでの設定可能項目はレンジ加熱時間のみであり、レンジ出力は600W固定となる。また、グリル調理のステップでの調節可能項目は加熱時間のみとなる。
  この状態において、表示部9のレンジ加熱時間表示エリア9aにはレンジ加熱時間の設定値として初期値の「0秒」が表示され、ヒーター加熱時間表示エリア9bには、グリル加熱時間の初期値である「0秒」が表示され、連続加熱する双方の加熱モードでの加熱時間が両方同時に表示されている。
 
【0090】
  また、発光部118、発光部119、発光部120が点滅し、5分キー115と1分キー116と10秒キー117によるレンジ加熱時間の設定が促される。レンジグリル調理の手動モードでは、レンジ加熱時間とグリル加熱時間の設定は必須の操作であり、設定がされなければ調理が開始されない。
  従って、加熱時間が設定されるまで、スタートキー121は有効とならず、発光部122は点滅しない。
 
【0091】
  以上の調理設定を行った後、スタートキー121を押下することにより、加熱調理が開始される。
  なお、
図15(c)において、レンジキー103を1回押下すると、
図15(b)の状態である「レンジグリル調理の自動」に戻る。
 
【0092】
  次に、レンジグリル調理の「手動」モードを使用する際の操作手順について説明する。
  
図16(a)〜
図16(c)、
図17(a)〜
図17(b)は、マイクロ波加熱によるレンジ調理の後に、フラットヒーター18と背面ガラス管ヒーター31を同時通電するグリル調理を連続して行うレンジグリル調理の「手動」のモードを使用する場合の操作手順と発光部の点灯状況、及び、表示部9の表示内容を示した説明図である。なお、
図16(a)〜
図16(c)から
図17(a)〜
図17(b)にかけて、連続する一連の操作の流れを示している。
 
【0093】
  図16(a)は被調理物5を加熱室2の調理プレート6上に載置して扉体4を閉じた初期状態の操作部8の状態であり、表示部9には0が表示され、レンジキー102と、レンジグリルキー103と、グリルキー104と、オーブンキー105の各キーに対応した発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が点灯し、調理メニューを選択する4つのキーが有効であることを示している。
 
【0094】
  図16(a)において、レンジグリルキー103を2回押下した場合、
図16(b)の状態となる。
  発光部107は、点灯を継続し、他の発光部106、108、109は消灯に変わり、レンジグリル調理のモードに入ったことを示す。表示部9には「レンジ→グリル」が表示され、レンジグリル調理の選択であることが示され、「手動」のモード表示となる。発光部118、発光部119、発光部120が点滅し、5分キー115と1分キー116と10秒キー117によるレンジ加熱時間の設定が促される。
  表示部9の下段の左側に設けられたレンジ加熱時間表示エリア9aには、レンジ加熱時間の設定値として初期値の「0秒」が表示され、右側のヒーター加熱時間表示エリア9bにはグリル加熱時間の初期値である「0秒」が表示される。
 
【0095】
  次に、
図16(b)において、5分キー115を1回押下すると、
図16(c)の状態となる。表示部9のレンジ加熱時間表示エリア9aに表示されたレンジ加熱時間表示が5分加えられて「5分00秒」となる。
  ここで、レンジ加熱時間が設定されたため、次のステップ、すなわちグリル加熱時間設定ステップへの切り替え操作であるプラスキー111の設定操作を促すべく、発光部113が点滅する。発光部113は、点滅状態を継続し、プラスキー111の押下を促し続けるが、一定時間(例えば5秒)経過しても、プラスキー111の押下などのキー操作が無い場合、よりいっそうプラスキー111の設定操作を促すように、5分キー115と1分キー116と10秒キー117の各発光部118、119、120を消灯するとともに、発光部113の輝度を高くして点滅させ、プラスキー111への注目度を高めるようになっている。なお、この状態でも5分キー115と1分キー116と10秒キー117によるレンジ加熱時間の設定の変更を行うことができるように構成されている。なお、本実施の形態では、発光部113輝度を高くする例を挙げているが、発光部113の発行色を変化させたりして注目度を高くしてもよい。
 
【0096】
  次に、プラスキー111が押下されると、
図17(a)のグリル調理時間の設定ステップとなる。発光部118、発光部119、発光部120が点滅し、10分キー115と5分キー116と1分キー117によるグリル加熱時間の設定が促される。
図17(a)の状態から、5分キー116が押下されると、
図17(b)の状態、すなわち、ヒーター加熱時間表示エリア9bに設定された5分秒が表示されるとともに、発光部118、発光部119、発光部120は点滅から点灯に変わり、発光部122が点滅状態となり、スタートキー121が有効となる。
  以上の調理設定を行った後、スタートキー121を押下することにより、加熱調理が開始される。
 
【0097】
  次に、グリル調理を選択した場合の操作手順を説明する。
  
図18(a)〜
図18(c)は、フラットヒーター18と背面ガラス管ヒーター31の同時通電によるグリル調理を行う場合の操作手順と発光部の点灯状況、及び、表示部9の表示内容を示した説明図である。
 
【0098】
  図18(a)は、被調理物5を調理室2の調理プレート6上に載置して扉体4を閉じた初期状態の操作部8の状態であり、表示部9には「0」が表示され、レンジキー102と、レンジグリルキー103と、グリルキー104と、オーブンキー105の各キーに対応した発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が点滅し、調理メニューを選択する4つのキーが有効であることを示している。
 
【0099】
  図18(a)において、グリルキー104を1回押下した場合、
図18(b)の状態となる。
  発光部108は、点滅から点灯に変わり、グリル調理のモードに入ったことを示す。表示部9には「グリル」調理の選択であることが表示される。
 
【0100】
  また、発光部118、発光部119、発光部120が点滅し、5分キー115と1分キー116と10秒キー117によるグリル調理時間の設定が促される。
  グリル調理には、自動調理は無く、調理時間を設定する手動調理のみであるため、調理時間の設定は必須の操作であり、設定がされなければ調理が開始されない。
  従って、調理時間が設定されるまで、スタートキー121は有効とならず、発光部122は点滅しない。
 
【0101】
  図18(b)において、5分キー115を1回押下した場合、
図18(c)の状態となる。表示部9の調理時間表示が5分加えられて「5分00秒」となる。
  ここで、調理時間が設定されたため、調理を行うことができるようになり、発光部118、発光部119、発光部120は点滅から点灯に変わり、発光部122が点滅状態となり、スタートキー121が有効となる。ここで、スタートキー121を押下すると調理が開始される。
 
【0102】
  次に、オーブン調理を選択する場合の操作手順を説明する。
  
図19(a)〜
図19(c)は、フラットヒーター18とシーズヒーター22の同時通電によるオーブン調理における機能切り替えの操作手順と発光部の点灯状況、及び、表示部9の表示内容を示した説明図である。
 
【0103】
  図19(a)は、被調理物5を調理室2の調理プレート6上に載置して扉体4を閉じた初期状態の操作部8の状態であり、表示部9には0が表示され、レンジキー102と、レンジグリルキー103と、グリルキー104と、オーブンキー105の各キーに対応した発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が点滅し、調理メニューを選択する4つのキーが有効であることを示している。
 
【0104】
  図19(a)において、オーブンキー105を1回押下した場合、
図19(b)の状態となる。発光部109は、点滅から点灯に変わり、オーブン調理のモードに入ったことを示す。表示部9には「オーブン」調理の選択であることが表示される。
 
【0105】
  オーブン調理には自動調理は無く、手動による予熱なしのオーブン調理と「予熱あり」又は「予熱なし」のオーブン調理が選択できる。
  予熱なしのオーブン調理モードでは、表示部9には「手動」「予熱なし」が表示され、表示部9下段の左側にはオーブン温度の初期値である「200℃」が表示され、右側には調理時間の設定値として初期値の「0秒」が表示される。
 
【0106】
  また、発光部118、発光部119、発光部120が点滅し、5分キー115と1分キー116と10秒キー117によるオーブン調理時間の設定が促され、発光部114と発光部113が点灯し、初期設定時の温度をプラスキー111とマイナスキー112によってオーブン温度を変更できることが示される。
 
【0107】
  図19(b)において、オーブンキー105を1回押下した場合、
図19(c)の状態となる。表示部9には「手動」「予熱あり」が表示され、表示部9下段の左側にはオーブン温度の初期値である「200℃」が表示されるが、右側には調理時間の設定値は表示されず、発光部122が点滅し、スタートキー121が有効となる。
  以上の調理設定を行った後、スタートキー121を押下することにより、加熱調理が開始される。
  なお、
図19(c)において、オーブンキー105を1回押下すると、
図19(b)の状態に戻る。
 
【0108】
  次に、オーブン調理の予熱なしの場合の操作手順について説明する。
  
図20(a)〜
図20(d)はフラットヒーター18とシーズヒーター22の同時通電による予熱なしのオーブン調理を行う場合の操作手順と発光部の点灯状況、及び、表示部9の表示内容を示した説明図である。
 
【0109】
  図20(a)は、被調理物5を調理室2の調理プレート6上に載置して扉体4を閉じた初期状態の操作部8の状態であり、表示部9には「0」が表示され、レンジキー102と、レンジグリルキー103と、グリルキー104と、オーブンキー105の各キーに対応した発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が点滅し、調理メニューを選択する4つのキーが有効であることを示している。
 
【0110】
  図20(a)において、オーブンキー105を1回押下した場合、
図20(b)の状態となる。
  発光部109は点滅から点灯に変わり、オーブン調理のモードに入ったことを示す。表示部9には「予熱なし」「オーブン」調理の選択であることが表示される。これは、
図19(b)と同じ状態である。
 
【0111】
図20(b)において、プラスキー113を5回押下した場合、
図20(c)の状態となる。表示部9下段左側のオーブン温度が「250℃」に設定される。予熱なしオーブン調理の手動モードでは、調理時間の設定は必須の操作であり、設定がされなければ調理が開始されない。
  従って、調理時間が設定されるまで、スタートキー121は有効とならず、発光部122は点滅しない。
 
【0112】
  図20(c)において、5分キー115を1回押下すると、
図20(d)の状態となる。表示部9のオーブン調理時間表示が5分加えられて「5分00秒」となる。ここで、オーブン調理時間が設定されたため、調理を行うことができるようになり、発光部118、発光部119、発光部120は点滅から点灯に変わり、発光部122が点滅状態となり、スタートキー121が有効となる。
 
【0113】
  この状態でも、発光部113、発光部114、および、発光部118、発光部119、発光部120は点灯を継続し、プラスキー111とマイナスキー112によるオーブン温度の調節と、5分キー115と1分キー116と10秒キー117によるオーブン調理時間の設定の変更を行うことができる。
  以上の調理設定を行った後、スタートキー121を押下することにより、加熱調理が開始される。
 
【0114】
  次に、オーブン調理の予熱ありの場合の操作手順について説明する。
  
図21(a)〜
図21(d)は、フラットヒーター18とシーズヒーター22の同時通電による予熱ありのオーブン調理を行う場合の操作手順と発光部の点灯状況、および表示部9の表示内容を示した説明図である。
 
【0115】
  図21(a)は被調理物5を調理室2の調理プレート6上に載置して扉体4を閉じた初期状態の操作部8の状態であり、表示部9には「0」が表示され、レンジキー102と、レンジグリルキー103と、グリルキー104と、オーブンキー105の各キーに対応した発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が点滅し、調理メニューを選択する4つのキーが有効であることを示している。
 
【0116】
  図21(a)において、オーブンキー105を2回押下した場合、
図21(b)の状態となる。発光部109は点滅から点灯に変わり、オーブン調理のモードに入ったことを示す。
  表示部9には「手動」「予熱あり」が表示され、表示部9下段の左側にはオーブン温度の初期値である「200℃」が表示されるが、右側には調理時間の設定値は表示されず、発光部122が点滅し、スタートキー121が有効となる。これは、
図19(c)と同じ状態である。
 
【0117】
  図21(b)において、スタートキー121を押下すると、フラットヒーター18とシーズヒーター22が通電し、調理室2の予熱が開始する。調理室2の温度センサ(図示せず)により、調理室2内がオーブン設定温度200℃に達したことを検出すると、フラットヒーター18とシーズヒーター22の通電が停止し、予熱が完了し、
図21(c)の状態となる。
 
【0118】
  図21(c)において、表示部9の下段には「予熱完」が表示され、オーブンの調理時間の初期値「0秒」が表示される。また、発光部118、発光部119、発光部120が点滅し、5分キー115と1分キー116と10秒キー117によるオーブン調理時間の設定が促される。このとき、発光部113、発光部114は点灯せず、オーブン温度の調節できない。
 
【0119】
  図21(c)において、5分キー115を1回押下すると
図21(d)の状態となる。表示部9のオーブン調理時間表示が5分加えられて「5分00秒」となる。
  ここで、オーブン調理時間が設定されたため、調理を行うことができるようになり、発光部118、発光部119、発光部120は点滅から点灯に変わり、発光部122が点滅状態となり、スタートキー121が有効となる。
  以上の調理設定を行った後、スタートキー121を押下することにより、加熱調理が開始される。
 
【0120】
  以上のように各部が構成されているので、使用者が操作を行う際の手順として、まず調理メニューを選択することが明確であるため、使用者が調理物5を調理するのに適した調理メニューを選択しやすい。
  つまり、調理メニューを選択するキーであるレンジキー102とレンジグリルキー103とグリルキー104とオーブンキー105が1つの纏りとなって第1の操作入力領域を形成し、表示部9の近傍で、操作入力領域としては一番上の位置に配置されていることから、使用者が最初に認識しやすい。
 
【0121】
  また、レンジキー102と、レンジグリルキー103と、グリルキー104と、オーブンキー105の各キーに対応した発光部106、発光部107、発光部108、発光部109が一体的に点滅し、調理メニューを選択する4つのキーが有効であることを示す。
  これにより、上記の効果に加え、使用者が、調理メニューを選択するキーを最初に操作すべきキーであることを認識しやすく構成されている。
 
【0122】
  また、第2の操作入力領域を構成する仕上がり調節キーと時間設定キーとスタートキー121が、1つの纏りとなって第1の操作入力領域の下側に配置されているので、使用者は、第1の操作入力領域における調理手段の選択の後に、第2の操作入力領域のキーの操作を行うという操作手順を理解し易い。
  また、第1の操作入力領域を構成するキーの配列形状が略長方形であるのに対し、第2の操作入力領域を構成するキーの配列形状が円形状であるので、視覚的に大きく形状が異なり、使用者がキー操作を間違えにくく、それぞれの領域のキーの意味を理解しやすいものとなっている。
 
【0123】
  また、本実施の形態の加熱調理器は、マイクロ波による加熱手段と、ヒーター(フラットヒーター18、背面ガラス管ヒーター31、シーズヒーター22)による加熱手段と、これらの加熱手段を複合して用いる複合加熱手段の3通りの加熱モードを有し、調理メニューとして、レンジ調理と、グリル調理と、オーブン調理と、レンジ調理とグリル調理の複合調理の4通りの調理メニューを有する。
  従って、グリルキー104とオーブンキー105を一つの領域にまとめながら、2つのキーとして配置することにより、加熱モードで3通り備え、調理メニューとして4通り備えることを理解し易くしている。
 
【0124】
  また、取消しキー124は、第1の操作入力領域101、及び、第2の操作入力領域110から離れた位置に独立して配置されているため、使用者は認識し易く、どの操作入力ステップにおいても容易に操作を行うことができる。
  また、取消しキー124は、第2の操作入力領域の中心から斜め下の位置に設けられているため、略長方形状である操作部8における第2の操作入力領域110の占める割合が大きくなり、第2の操作入力領域110が操作部8の下辺8aと横辺(左辺8b又は右辺8c)に近づいても、第2の操作入力領域110は円形状であるので、第2の操作入力領域110と下辺8aと横辺に囲まれた部分には隙間が形成される。
  従って、操作部8における第2の操作入力領域110の占める割合が大きくなっても、取消しキー124を設けるスペースを確保することができる。
 
【0125】
  また、調理時間の設定キーとして、5分キー115と1分キー116と10秒キー117を備えたことにより、3つのキーにそれぞれ異なる数字が記述されるため、キーの種類が認識し易く、誤操作が起こりにくくなる。
  特に、各キーの意味を示す表示である「5分」「1分」「10秒」は、各キーの略中央に記載してあるので、キーの中心に表示が記載されている統一感がある文字表示であると共に、これらのキーを仕上がり調節キーと共に第2の操作入力領域として円形状に配置した場合、表示された文字が、横方向に連続して並ぶことが無い。つまり、キーに記載された「1分」の表示は、左右に隣り合うキーの表示である「5分」「10秒」より下に位置するので、使用者がキーの種類を間違え難く配列されている。
 
【0126】
  また、5分単位、及び、1分単位の時間設定キーを備えることで、5分から10分の調理時間を設定することが容易になる。
  つまり、マイクロ波加熱によるレンジ調理の後に、ヒーター加熱によるグリル調理を連続して行うレンジグリル調理では、グリル調理やオーブン調理だけでは時間のかかった焼き調理を短時間で行うことができるため、10分以内で行う焼き調理の実施頻度が高い。
  従って、レンジグリル調理を備えた加熱調理器において、5分単位、および、1分単位の時間設定キーを備えることにより、調理時間設定が容易になる。
 
【0127】
  また、第2の操作入力領域110の外形状を仕上がり調節キーと時間設定キーにより円形状に構成し、この円形状内部にスタートキー121を配置することにより、各キーの操作性や視認性を向上させることができる。
  つまり、スタートキー121が、調理の設定を行う仕上がり調節キーや時間設定キーの中心に位置するので、スタートキー121と各調節キーとが近く、また、スタートキー121と各調節キーの距離が同じであることから、いずれの設定キーからも設定操作後、スタートキー121をスムーズに操作することができる。
 
【0128】
  また、調理の設定のために様々なキーを操作する際に、使用者の視線もキー操作に連動して様々な方向を移動するが、スタートキー121はこれらの設定キーの中心に位置するので、設定キーの操作中の使用者の視野に入りやく、キー操作をしながらスタートキー121の位置を認識することができ、視認性がよい。
  従って、調理の設定操作の後、迷わずスタートキー121を操作しやすい。
 
【0129】
  また、調理の仕上がり調節キーとして、プラスキー111、マイナスキー112をスタートキー121の上側に配置し、調理時間の設定キーとして、5分キー115、1分キー116、10秒キー117をスタートキー121の下側に配置することにより、スタートキー121の上側に2つのキー、下側に3つのキーという配置となるため、上側が軽い印象の見た目となり、意匠性が向上する。
 
【0130】
  ただし、プラスキー111、マイナスキー112をスタートキーの上側に配置し、5分キー115、1分キー116、10秒キー117をスタートキー121の下側に配置することに限ったものでなく、プラスキー111、マイナスキー112をスタートキーの下側に配置し、5分キー115、1分キー116、10秒キー117をスタートキー121の上側に配置してもよい。
  このような配置とした場合、調理の仕上がり調節を行わない調理の場合には、調理メニューの選択と、調理時間設定の後にスタートキー121を押下する操作が上から下への操作となるため、操作が容易になる。
 
【0131】
  また、プラスキー111、マイナスキー112と、5分キー115、1分キー116、10秒キー117をスタートキー121の上下に配置し、第2の操作入力領域110が円形状になるように配置したことにより、視認性が向上するとともに、スタートキー121配置の面積を極力広くする場合に、スペース効率のよい配置方法となる。
  但し、第2の操作入力領域110は円形状に限るものでなく、スタートキー121の周囲に、近接して仕上がり調節キーや時間設定キーを配置すればよく、楕円形状や矩形の配置としても、操作を容易にする効果が損なわれるものではない。
 
【0132】
  また、操作部8に設けられた各種キーについて、入力操作を行う際に、選択した調理メニューや、各調理メニューのモードに対応して、キーの外側あるいは内側に設けられた発光部が点灯、あるいは点滅するため、操作が容易になるとともに誤操作が起こりにくくすることができる。
  尚、本発明の実施の形態1において、発光部をキーの近傍に設けているが、これに限るものでなく、キーの領域を面で発光させる構成としてもよい。
 
【0133】
以上のように構成したので、点光源を使用する機器の操作部、加熱調理器に広く応用が可能である。