特許第5787684号(P5787684)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787684
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】時分割複信方式無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20150910BHJP
   H04L 7/10 20060101ALI20150910BHJP
   H04J 3/06 20060101ALI20150910BHJP
   H04L 5/14 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   H04L7/00 930
   H04L7/10
   H04J3/06 Z
   H04L5/14
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-202103(P2011-202103)
(22)【出願日】2011年9月15日
(65)【公開番号】特開2013-65947(P2013-65947A)
(43)【公開日】2013年4月11日
【審査請求日】2014年9月4日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成22年度、総務省、電波資源拡大のための研究開発における委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】小島 和也
(72)【発明者】
【氏名】鳥山 泰弘
【審査官】 森谷 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−236576(JP,A)
【文献】 特開平10−285021(JP,A)
【文献】 特表2002−512476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
H04J 3/06
H04L 5/14
H04L 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信網に接続された主無線装置と、第2の通信網に接続された従無線装置とが、時分割複信方式で無線通信可能に接続され、
前記主無線装置に、
同期網である前記第1の通信網から受信した伝送データから同期クロックを抽出する同期クロック抽出部と、
前記同期クロックに周波数同期された無線処理クロックを生成する無線処理クロック生成部と、
前記同期クロックに基づいて前記第1の通信網からの伝送データを抽出する伝送データ抽出部と、
前記無線処理クロック生成部で生成された無線処理クロックと、前記伝送データ抽出部で抽出された伝送データとに基づいて、無線フレームを生成して変調信号として前記従無線装置に送信する無線送信処理部と、
を有する無線送信部を備え、
前記従無線装置に、
前記主無線装置からの変調信号に基づいてバースト信号の位置を検出する受信バースト検出部と、
前記受信バースト検出部による検出位置に基づいて前記主無線装置からのバースト信号の検出周期を算出し、この検出周期に基づいて無線フレームクロックを生成する無線フレーム周期検出部と、
前記無線フレーム周期検出部で生成された無線フレームクロックに周波数同期された再生同期クロックを生成する同期クロック再生部と、
前記同期クロック再生部で生成された再生同期クロックを前記第2の通信網に送信する再生同期クロック送信部と、
を有する無線受信部を備える、
ことを特徴とする時分割複信方式無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、同期がとられた通信網においてTDD(Time Division Duplex、時分割複信)方式の無線通信を行う時分割複信方式無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
SONET/SDH(高速デジタル通信方式の国際規格のひとつ)やT1/E1(高速デジタル回線の規格のひとつ)などを用いた同期網の一部に無線通信システムを適用する場合、主無線装置から従無線装置へ同期クロックを伝送する必要があり、従来、FDD(Frequency Division Duplex、周波数分割複信)方式の無線通信システムが用いられていた(例えば、特許文献1等参照。)。なぜなら、FDD方式では、送信信号が連続変調信号であるため、復調器に電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator:VCO)などを備えたクロック再生回路を用いることで、連続変調信号から容易かつ安定して同期クロックを伝送することができるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−211587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、データのトラフィックに応じて適応的に上下回線の伝送帯域を対称もしくは非対称に制御可能なTDD方式は、周波数利用効率の観点でFDD方式よりも有利である場合がある。すなわち、FDD方式では、2つの周波数チャネルが必要であるのに対して、TDD方式では、1つの周波数チャネルで上下方向の通信が可能である。
【0005】
しかしながら、TDD方式では、送信信号がバースト変調信号であり、復調器でクロック自体を再生するのではなく、バースト変調信号を信号補間して受信シンボルを再生する手法などが採られている(参考文献、松本洋一、守倉正博、加藤修三、「バーストモード全ディジタル化高速クロック再生回路−蓄積型クロック再生方式−」、電子情報通信学会論文誌 B−II Vol.J75−B−II No.6 pp.354−362 1992年5月)。このため、安定して同期クロックを伝送することが難しく、同期網に適用することが困難であった。また、FDD方式と同様な電圧制御発振器を備えたクロック再生回路を用いたとしても、バースト変調信号とバースト変調信号との間の無信号期間において、クロックを再生することができず、同様に、安定して同期クロックを伝送することが困難である。
【0006】
そこでこの発明は、時分割複信方式の無線通信において、安定して同期クロックを伝送することが可能な時分割複信方式無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
第1の通信網に接続された主無線装置と、第2の通信網に接続された従無線装置とが、時分割複信方式で無線通信可能に接続され、
前記主無線装置に、
同期網である前記第1の通信網から受信した伝送データから同期クロックを抽出する同期クロック抽出部と、
前記同期クロックに周波数同期された無線処理クロックを生成する無線処理クロック生成部と、
前記同期クロックに基づいて前記第1の通信網からの伝送データを抽出する伝送データ抽出部と、
前記無線処理クロック生成部で生成された無線処理クロックと、前記伝送データ抽出部で抽出された伝送データとに基づいて、無線フレームを生成して変調信号として前記従無線装置に送信する無線送信処理部と、
を有する無線送信部を備え、
前記従無線装置に、
前記主無線装置からの変調信号に基づいてバースト信号の位置を検出する受信バースト検出部と、
前記受信バースト検出部による検出位置に基づいて前記主無線装置からのバースト信号の検出周期を算出し、この検出周期に基づいて無線フレームクロックを生成する無線フレーム周期検出部と、
前記無線フレーム周期検出部で生成された無線フレームクロックに周波数同期された再生同期クロックを生成する同期クロック再生部と、
前記同期クロック再生部で生成された再生同期クロックを前記第2の通信網に送信する再生同期クロック送信部と、
を有する無線受信部を備える、
ことを特徴とする時分割複信方式無線通信システムである。
【0008】
この発明によれば、第1の通信網から同期クロックを主無線装置が受信すると、無線送信部の無線処理クロック生成部によって、同期クロックに周波数同期された無線処理クロックが生成されるとともに、伝送データ抽出部によって、同期クロックに基づいて第1の通信網からの伝送データが抽出される。そして、生成された無線処理クロックと抽出された伝送データとに基づいて、無線送信処理部によって無線フレームが生成されて、変調信号が従無線装置に送信される。ここで、無線処理クロックに基づいて生成される無線フレームの周期の逆数(周波数)は、第1の通信網からの同期クロックの周波数に対して、所定の逓倍数、分周比の関係を有する。
【0009】
一方、主無線装置からの変調信号を従無線装置が受信すると、無線受信部の受信バースト検出部によってバースト信号の位置が検出され、この検出位置に基づいて無線フレーム周期検出部によって、バースト信号の検出周期が算出され無線フレームクロックが生成される。続いて、同期クロック再生部によって、無線フレームクロックに周波数同期された再生同期クロックが生成され、生成された再生同期クロックが再生同期クロック送信部によって第2の通信網に送信される。ここで、無線フレームクロックに基づいて生成される再生同期クロックの周波数は、主無線装置からのバースト信号の検出周期の逆数(周波数)に対して、所定の逓倍数、分周比の関係を有する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、従無線装置における受信バースト信号の検出周期は、主無線装置における無線フレームの周期と等しくなる。このため、第1の通信網から主無線装置に伝送された同期クロックが、従無線装置を介して周波数同期して第2の通信網に伝送される。つまり、時分割複信方式の無線通信において、第1の通信網から第2の通信網に安定して同期クロックを伝送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施の形態1に係る時分割複信方式無線通信システムにおける、主無線装置の無線送信部を示す概略構成ブロック図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る時分割複信方式無線通信システムにおける、従無線装置の無線受信部を示す概略構成ブロック図である。
図3】この発明の実施の形態における、(a)P−P型の無線フレームフォーマットと、(b)P−MP型の無線フレームフォーマットを示す図である。
図4】この発明の実施の形態2に係る時分割複信方式無線通信システムにおける、従無線装置の無線受信部を示す概略構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1、2は、この実施の形態に係る時分割複信方式無線通信システム(以下、適宜単に、「通信システム」という)における、主無線装置の無線送信部1と、従無線装置の無線受信部2を示す概略構成ブロック図である。この通信システムは、同期がとられた通信網において時分割複信方式の無線通信を行うシステムであり、第1の通信網(同期網)に接続された主無線装置と、第2の通信網(同期網)に接続された従無線装置とが、時分割複信方式で無線通信可能に接続されている。ここで、主無線装置は、無線受信部を備え、従無線装置は、無線送信部を備えており、これらは、後述するように、第1の通信網と第2の通信網との同期がとられた後において通常の無線装置と同等な動作を行うため、無線送信部1と無線受信部2について、主として以下に説明する。
【0014】
また、この実施の形態では、第1の通信網の同期クロックを基準クロックとし、この同期クロックを主無線装置および従無線装置を介して、第2の通信網に伝送する場合について説明し、主無線装置と従無線装置との無線接続形態は、P−P(Point to Point、1対1)型であってもよいし、P−MP(Point to Multi Point、1対多)型であってもよい。
【0015】
すなわち、主無線装置から従無線装置への回線を下り回線、従無線装置から主無線装置への回線を上り回線と定義する場合、P−P型およびP−MP型ともに、図3に示すように、上下回線のバースト長が動的に変化することはある。しかしながら、無線フレームの周期T、つまり、主無線装置から従無線装置への下り回線のバースト変調信号の先頭のタイミングおよび周期は、一定であるとする。また、P−MP型の場合、主無線装置を基地局、複数の従無線装置を子局と呼ぶ場合がある。
【0016】
主無線装置の無線送信部1は、図1に示すように、主として、同期クロック抽出・再生部11と、無線処理クロック生成部12と、伝送データ抽出部13と、無線送信処理部14とを備えている。
【0017】
同期クロック抽出・再生部11は、第1の通信網からの伝送データに同期クロックが重畳されている場合に、伝送データから同期クロックを抽出・再生するものであり、抽出・再生した同期クロックは、無線処理クロック生成部12と伝送データ抽出部13とに入力されるようになっている。ここで、伝送データとは別に、第1の通信網から同期クロックが伝送・入力される場合には、同期クロック抽出・再生部11を設ける必要はない。
【0018】
無線処理クロック生成部12は、同期クロック抽出・再生部11から入力された同期クロックに周波数同期させた、無線送信部1の無線処理クロックを生成するものであり、例えば、PLL(Phase Locked Loop、位相同期)回路によって構成されている。そして、生成された無線処理クロックは、無線送信処理部14に入力されるようになっている。
【0019】
伝送データ抽出部13は、同期クロック抽出・再生部11から入力された同期クロックに基づいて、第1の通信網からの伝送データを抽出するものである。すなわち、同期クロックのタイミングおよび周期で、第1の通信網から受信した伝送フレームから伝送データを抽出し、抽出した伝送データを無線送信処理部14に入力する。
【0020】
無線送信処理部14は、無線処理クロック生成部12で生成された無線処理クロックと、伝送データ抽出部13で抽出された伝送データとに基づいて、無線フレームを生成して変調信号として従無線装置に送信するものである。すなわち、通信路符号化部141と、無線フレーム生成部142と、変調器143とを備え、入力された伝送データを通信路符号化部141で符号化し、無線処理クロックを基にして無線フレーム生成部142で無線フレームを組み立て、これを変調器143で変調して従無線装置に無線送信する。
【0021】
このような無線送信部1で生成される無線フレームの周期Tは、無線処理クロックに基づいており、この無線処理クロックは、第1の通信網からの同期クロックに周波数同期されたものである。このため、無線フレームの周期Tの逆数(周波数)は、第1の通信網からの同期クロックの周波数F0に対して、次のような式1の関係を有する。
【0022】
1/T=(N1/M1)×F0
ここで、N1は、無線処理クロック生成部12(PLL回路)で特定される逓倍数で、M1は、無線処理クロック生成部12で特定される分周比である。
【0023】
従無線装置の無線受信部2は、図2に示すように、主として、無線受信処理部21と、無線フレーム周期検出部22と、同期クロック再生部23と、伝送フレーム生成部(再生同期クロック送信部)24とを備えている。また、無線受信処理部21は、A/D変換部211と、受信バースト検出部212と、復調器213と、通信路復号部214とを備え、さらに、この無線受信処理部21は、独立した自走の基準発振器25による無線処理クロックで、処理・動作するようになっている。
【0024】
A/D変換部211は、主無線装置から受信した変調信号をA/D変換し、受信バースト検出部212は、A/D変換部211からのデジタル信号に基づいてバースト信号の位置を検出するものである。すなわち、無線フレーム周期Tの間隔で受信するバースト信号の、例えば先頭位置を検出し、その検出位置すなわちバースト検出タイミングを復調器213と無線フレーム周期検出部22とに入力する。
【0025】
無線フレーム周期検出部22は、入力された検出位置に基づいて、主無線装置から受信したバースト信号の検出周期T´を算出し、この検出周期T´に基づいて無線フレームクロックを生成するものである。すなわち、まず、受信バースト検出部212から検出位置が入力される周期を、検出周期T´として算出する。この際、検出周期T´の精度を高めるために、平均化回路などを設け、検出位置が入力される周期を平均化して検出周期T´を算出してもよい。次に、検出周期T´を基に無線フレームクロックを生成し、これを同期クロック再生部23に入力する。
【0026】
同期クロック再生部23は、無線フレーム周期検出部22で生成された無線フレームクロックに周波数同期させた再生同期クロックを生成・再生するものであり、例えば、PLL回路によって構成されている。これにより、検出周期T´に周波数同期された再生同期クロックが得られ、この再生同期クロックが、伝送フレーム生成部24に入力されるようになっている。
【0027】
伝送フレーム生成部24は、同期クロック再生部23で生成された再生同期クロックを第2の通信網に送信するものであり、この実施の形態では、伝送データに重畳させて再生同期クロックを送信する。すなわち、A/D変換部211からのデジタル信号を復調器213によって、受信バースト検出部212からの検出位置に従って復調し、さらに、通信路復号部214によって復号して受信データを得る。そして、伝送フレーム生成部24において、受信データに再生同期クロックを重畳して、第2の通信網に対応するように伝送フレームを組み立て、この伝送フレームに従って伝送データとして第2の通信網に送信する。ここで、伝送データとは別に再生同期クロックを出力・送信する場合には、同期クロック再生部23で生成された再生同期クロックを出力・送信すればよい。
【0028】
このように、無線受信部2からの伝送フレームは、再生同期クロックに基づいて組み立てられ、この再生同期クロックは、無線フレームクロックに周波数同期されたものであり、さらに、無線フレームクロックは、検出周期T´を基に生成されたものである。このため、無線受信部2で生成される再生同期クロックの周波数F0´は、受信バースト信号の検出周期T´の逆数(周波数)に対して、次のような式2の関係を有する。
【0029】
F0´=(N2/M2)×(1/T´)
ここで、N2は、同期クロック再生部23(PLL回路)で特定される逓倍数で、M1は、同期クロック再生部23で特定される分周比である。
【0030】
次に、このような構成の本通信システムの作用などについて説明する。
【0031】
まず、第1の通信網から主無線装置に伝送データが伝送されると、同期クロック抽出・再生部11によって同期クロックが抽出・再生され、無線処理クロック生成部12において、同期クロックに周波数同期させた無線処理クロックが生成される。一方、伝送データ抽出部13によって、同期クロックに基づいて伝送データが抽出され、無線送信処理部14において、無線処理クロックと伝送データとに基づいて無線フレームが生成され、変調信号として従無線装置に送信される。
【0032】
次に、主無線装置からの変調信号が従無線装置で受信されると、受信バースト検出部212によって、バースト信号の位置が検出され、無線フレーム周期検出部22において、検出位置に基づいて、バースト信号の検出周期T´が算出され、この検出周期T´に基づく無線フレームクロックが生成される。続いて、同期クロック再生部23によって、無線フレームクロックに周波数同期させた再生同期クロックが生成・再生され、伝送フレーム生成部24によって、無線受信処理部21で得られた受信データに再生同期クロックが重畳され、伝送フレームに従って伝送データが第2の通信網に送信される。
【0033】
ここで、上記のように、従無線装置による再生同期クロックの周波数F0´は、受信バースト信号の検出周期T´の逆数に対して、式2の関係を有し、また、主無線装置の無線フレームの周期Tの逆数は、第1の通信網からの同期クロックの周波数F0に対して、式1の関係を有する。さらに、従無線装置における受信バースト信号の検出周期T´は、主無線装置における無線フレームの周期Tと等しく、第2の通信網に伝送される再生同期クロックは、第1の通信網からの同期クロックに等しくなる。このように、第1の通信網から主無線装置に伝送された同期クロックが、従無線装置を介して周波数同期して第2の通信網に伝送される。これにより、第1の通信網と第2の通信網とが同期され、その後は、第1の通信網と第2の通信網との間で同期がとられた状態で、送受信が行われるものである。
【0034】
以上のように、この通信システムによれば、第1の通信網から主無線装置に伝送された同期クロックが、従無線装置を介して周波数同期して第2の通信網に伝送されるため、時分割複信方式の無線通信において、第1の通信網から第2の通信網に安定して同期クロックを伝送することが可能となる。
【0035】
(実施の形態2)
図4は、この実施の形態に係る時分割複信方式無線通信システムの従無線装置の無線受信部を示す概略構成ブロック図である。この実施の形態では、基準発振器25に代わって無線処理クロック再生部26を備える点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することで、その説明を省略する。
【0036】
すなわち、実施の形態1では、自走発振器である基準発振器25によって、無線受信処理部21で使用する無線処理クロックを生成し、この無線処理クロックで受信変調信号をA/D変換部211にてサンプリングしている。しかしながら、主無線装置の無線送信部1の無線処理クロックと、従無線装置の無線受信部2の無線処理クロックとには、周波数偏差があり得るため、受信バースト検出部212によるバースト信号の位置検出タイミングが、最大で1サンプリングクロック分の誤差が生じる場合がある。
【0037】
そして、この誤差は、主無線装置の無線フレーム周期Tに対する従無線装置の検出周期T´の誤差となって現れ、同期網である第2の通信網に出力される再生同期クロックの揺らぎ(ジッタまたはワンダ)となる。また、主無線装置と従無線装置との無線処理クロックの周波数偏差が大きい場合や、無線フレーム周期Tに対して無線処理クロックの周波数が小さい場合などには、同期クロックの伝送品質に影響を与えることもあり得る。
【0038】
そこで、この実施の形態では、基準発振器25に代わって無線処理クロック再生部26を備え、無線フレーム周期検出部22で生成された無線フレームクロックを無線処理クロック再生部26に入力する。この無線処理クロック再生部26は、例えばPLL回路によって構成され、無線フレームクロックに周波数同期させた無線処理クロックを生成するものであり、この無線処理クロックに基づいて無線受信処理部21(受信バースト検出部212)が処理・動作する。すなわち、この実施の形態では、検出周期T´による無線フレームクロックが、伝送データに反映されるのみではなく、無線受信部2の内部処理にも反映され、無線受信部2の内部処理が検出周期T´に同期する。従って、受信バースト検出部212は、無線処理クロック再生部26によって生成された無線処理クロックでサンプリングされた受信変調信号に基づいて、バースト信号の位置を検出する。
【0039】
ここで、主無線装置の無線送信部1で無線フレームを生成する際には、予め、無線処理クロックの周波数の理想値から無線フレーム周期Tに対応した無線処理クロック数を得ることができる。このため、無線処理クロック再生部26では、無線フレームクロックの周期が理想的な無線処理クロック数になるように、無線処理クロックの周波数を制御すればよい。
【0040】
このような無線処理クロック再生部26によって、無線フレームクロックから無線処理クロックを生成・再生し、無線受信処理部21に入力することで、受信バースト検出部212によるバースト信号の位置検出タイミングの誤差が、最大でも1サンプリングクロック未満となる。この結果、第2の通信網に出力される再生同期クロックの揺らぎを低減することができる。さらに、無線フレーム周期Tに対して無線処理クロックの周波数が大きくなるように、無線フレーム周期Tと無線処理クロックの周波数とを設定することで、再生同期クロックの揺らぎをより低減することができる。
【0041】
以上のように、この実施の形態によれば、主無線装置の無線送信部1と従無線装置の無線受信部2とを介して、第1の通信網からの同期クロックを、揺らぎを抑えて第2の通信網に伝送することが可能となる。
【0042】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、A/D変換部211が無線受信処理部21に含まれているが、A/D変換部211を無線受信処理部21の上流側に位置させてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 主無線装置の無線送信部
11 同期クロック抽出・再生部
12 無線処理クロック生成部
13 伝送データ抽出部
14 無線送信処理部
141 通信路符号化部
142 無線フレーム生成部
143 変調器
2 従無線装置の無線受信部
21 無線受信処理部
211 A/D変換部
212 受信バースト検出部
213 復調器
214 通信路復号部
22 無線フレーム周期検出部
23 同期クロック再生部
24 伝送フレーム生成部(再生同期クロック送信部)
25 発振器
26 無線処理クロック再生部
図1
図2
図3
図4