特許第5787752号(P5787752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787752
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】抗腫瘍免疫療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/00 20060101AFI20150910BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20150910BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20150910BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   A61K37/02ZNA
   A61P35/00
   A61P13/12
   A61P13/08
【請求項の数】13
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-513943(P2011-513943)
(86)(22)【出願日】2009年6月16日
(65)【公表番号】特表2011-524390(P2011-524390A)
(43)【公表日】2011年9月1日
(86)【国際出願番号】EP2009004337
(87)【国際公開番号】WO2010003520
(87)【国際公開日】20100114
【審査請求日】2012年6月4日
(31)【優先権主張番号】61/061,778
(32)【優先日】2008年6月16日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512323527
【氏名又は名称】メディオラヌム・ファルマチェウティチ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】ジルベルト フィラチ
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ インディヴェリ
(72)【発明者】
【氏名】パオロ トラヴェルソ
【審査官】 佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−520293(JP,A)
【文献】 J. Immunology, 2005, Vol.174, pp.3798-3807
【文献】 CARPENTER ERICA L,TELOMERASE-BASED IMMUNOTHERAPY OF CANCER,EXPERT OPINION ON BIOLOGICAL THERAPY,英国,INFORMA HEALTHCARE,2006年10月 1日,V6 N10,P1031-1039
【文献】 PAAL F BRUNSVIG,TELOMERASE PEPTIDE VACCINATION: A PHASE I/II STUDY IN PATIENTS WITH NON-SMALL CELL LUNG CANCER,CANCER IMMUNOLOGY, IMMUNOTHERAPY,ドイツ,SPRINGER,2006年 2月21日,V55 N12,P1553-1564
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00−38/58
A61K 41/00−45/08
A61K 48/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類のテロメラーゼからの4つのペプチド:
(i)1つのHLAクラスI拘束性ペプチド、及び
(ii)3つのHLAクラスII拘束性ペプチド
を含む腎癌又は前立腺癌を治療するための組成物であって、前記組成物は1つ以上のアジュバントと組み合わせて用いられることを特徴とし;ここで、
(a)該HLAクラスI拘束性ペプチドが、ILAKF LHWL(配列番号1)であり、
(b)該3つのHLAクラスII拘束性ペプチドが、各々RPGLL GASVL GLDDI(配列番号2)、LTDLQ PYMRQ FVAHL(配列番号3)及びEARPA LLTSRL RFIPK(配列番号4)であり、
(c)前記ペプチドが唯一の有効成分であり、
(d)該1つ以上のアジュバントがイミキモドである、組成物。
【請求項2】
該1つ以上のアジュバントが、MONTANIDE ISA−51をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
哺乳類のテロメラーゼがヒトのテロメラーゼである、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
各ペプチドが100〜1000μgの量で存在する請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
各ペプチドが200〜800μgの量で存在する請求項4記載の組成物。
【請求項6】
各ペプチドが400〜600μgの量で存在する請求項5記載の組成物。
【請求項7】
医薬における使用のための請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
該医薬がヒト医薬である請求項7記載の使用のための組成物。
【請求項9】
腎癌又は前立腺癌のためのワクチンとしての使用のための請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
腎癌が進行した腎癌である請求項9記載の使用のための組成物。
【請求項11】
HLA適合したヒト患者への投与のために適切である請求項7から10までのいずれか1項記載の使用のための組成物。
【請求項12】
該HLA適合したヒト患者が、HLA−A2アレルについて試験して陽性であった患者である請求項11記載の使用のための組成物。
【請求項13】
皮内注射による投与のために適切である請求項7から12までのいずれか1項記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、全ての癌患者の治療のための、特に腎癌又は前立腺癌を有する患者の治療のためのテロメラーゼ由来のペプチドの使用に関する。
【0002】
腎臓細胞癌腫(RCC)は成人における腫瘍の3%を示し、かつその罹患率は一年に1.5〜5.9%の速度で増加する。この疾病のための死亡率はこの罹患率の増加に比例して増大する。約25〜30%の患者は、進行した、転移性疾病を診断の際に有し、そして、診断時に転移の臨床上の証拠を有しない幾人かの患者は既に播種性のミクロ転移を有する。これは実際の療法上のアプローチの乏しい効能及び低い生存率の原因である(診断から5年後に0〜13%の転移性患者が生存する)。
【0003】
前立腺癌は主要な医学的問題である。ヨーロッパでは毎年260万人の新しい症例が存在する。これは男性における腫瘍症例の11%を構成し、かつ、ヨーロッパにおける癌による死の9%の原因である。さらに、男性集団におけるその罹患率は肺癌の2倍である:前立腺癌は高められた死亡率でもって男性における新しい異常増殖症例の30%を構成する。
【0004】
診断時に45%の患者が既に、療法上のアプローチの種類とは無関係に、5年で生存率<50%との進行した疾病を有する。
【0005】
テロメラーゼは、染色体のテロメア領域の合成のために必要とされる真核細胞の逆転写酵素である。テロメラーゼは胚細胞に存在するが、成人の体細胞には、胚芽細胞及び活動的に増殖する細胞により構成されるわずかな例外を除き、存在しない。しかしながら、これら細胞におけるテロメラーゼ発現の速度は余りに低く、このためテロメラーゼはテロメラーゼ特異的細胞傷害性リンパ球(CTL)により認識されることができない。テロメラーゼは細胞不死化のために本質的である:これは、なぜ約90%の腫瘍が(組織学的種類とは無関係に)テロメラーゼを発現するのかを説明することになる。この理由のために今、テロメラーゼは可能性のある「普遍的な」腫瘍抗原であると考えられている。この観点は更に、ヒトのテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)の触媒性サブユニット由来のペプチドの特異的な認識を介して癌細胞を殺すことができる細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が、健康な被験体及び癌患者の両者の末梢血液中で同定されたという知見により裏付けられている。特に、約90%の癌患者がテロメラーゼ特異的CTLを有する。
【0006】
これを基礎として、単一テロメラーゼペプチド又は2のテロメラーゼペプチドの組み合わせを用いて癌患者の免疫化の安全性及び免疫学的効果を分析するための臨床試験が実施されている(又は進行中である)。これら試験は、テロメラーゼ免疫化が安全な手段であることを実証している。特に、造血幹細胞に対する毒性は検出されていない(Vonderheide RH, et al. Vaccination of cancer patients against telomerase induces functional antitumor CD8+ T lymphocytes. Clin Cancer Res 2004;10:828-839. Danet-Desnoyers GH, et al. Telomerase vaccination has no detectable effect on SCID-repopulating and colony-forming activities in the bone marrow of cancer patients. Exp Hematol 2005;33: 1275-1280. Brunsvig PF, et al. Telomerase peptide vaccination: a phase I/I I study in patients with non-small cell lung cancer. Cancer Immunol Immunother. 2006;55:1553-1564)。更なるテロメラーゼ特異的免疫応答が幾人かの癌患者において誘発された。しかしながら、様々な実験的アプローチが適用されたにもかかわらず、部分的又は完全な臨床的応答は処置患者の少数だけで得られている。
【0007】
本発明者らは今や、免疫原性ペプチド及び有効なアジュバントの正確な選択が、有効なテロメラーゼペプチドを基礎とする免疫療法プロトコルの開発のために必須であることを見出した。本発明によれば、複数のテロメラーゼ由来ペプチドを含有する組成物を、抗原提示細胞による提示のために投与する。この組成物は、HLAクラスI及びHLAクラスII拘束性ペプチドの両者を含有する。HLAクラスI又はII分子により拘束され、それ故、それぞれCD8+又はCD4+Tリンパ球により認識されるテロメラーゼエピトープの有用性は極めて大きな重要性を有し、というのも、完全に生理学的な免疫応答を模倣する可能性のある能動免疫のプロトコルを設計する機会を提供するからである。事実、腫瘍特異的CTLだけでなく腫瘍特異的CD4+T細胞の活性化により特徴付けられる免疫応答が、有効な抗腫瘍作用を達成するのに本質的であることが実証されている。これは、CD4+T細胞が、CTL媒介免疫応答また同様に直接的な抗腫瘍死滅の、誘導、調節及び維持のプロセスを担うという事実によるものである。HLAクラスII分子により拘束されるテロメラーゼ由来エピトープの分子的特徴は、その乱雑性にあり、すなわち、様々なHLAクラスIIアレルにより結合かつ提示されるその能力にある。これは免疫療法的プロトコルを設計するのには大きな利点であり、というのも、これにより、単一ペプチドエピトープが、様々なHLAハプロタイプを有する個体を免疫化するために有効に使用されてよいことが可能となるからである。このため、多数の患者が、適した組み合わせのテロメラーゼ由来ペプチドを用いた免疫化に対して応答性である可能性がある。
【0008】
第1の観点において、本発明は、
(i)少なくとも1つのHLAクラスI拘束性ペプチド、及び
(ii)少なくとも2つのHLAクラスII拘束性ペプチド
を含有する、哺乳類のテロメラーゼ、特にヒトのテロメラーゼからの少なくとも3つのペプチドの組成物に関する。
【0009】
本発明のペプチド組成物は、少なくとも3つのペプチド、例えば3、4、5又はそれより多いペプチドを含有する。有利には、この組成物は4つのペプチドを含有する。より有利には、この組成物は1つのHLAクラスI拘束性ペプチド及び少なくとも2つ、特に少なくとも3つのHLAクラスII拘束性ペプチドを含有する。このHLAクラスI拘束性ペプチドは有利にはHLA−A2拘束性ペプチドである。このHLAクラスII拘束性ペプチドは有利にはHLA−DR1、−DR4、−DR7、−DR15、−DP4及び−DQ4拘束性ペプチドである。HLAクラスI拘束性ペプチドは有利には約7〜約11アミノ酸、例えば約9アミノ酸の長さを、HLAクラスII拘束性ペプチドは有利には約12〜約18アミノ酸、例えば約15アミノ酸の長さを有する。
【0010】
有利にはこの組成物のペプチドは単一容器中に存在する。この組成物中の各ペプチド量は通常は、100〜1000μg、有利には200〜800μg、より有利には400〜600μgである。最も有利には各ペプチドはおおよそ同じ量で、例えば約500μgの量で存在する。
【0011】
このHLAクラスI拘束性ペプチド(i)は有利には、ヒトのテロメラーゼのアミノ酸540〜548に相当するアミノ酸配列ILAKF LHWL(配列番号1)を含有する。しかしながら、HLAクラスIアレルの任意の遺伝子産物に結合することができ、かつ、ペプチド特異的CTLsの活性化を誘発することができる任意のテロメラーゼ由来ペプチドが、本発明において含まれる特異的な使用に適していると考慮されるべきである。HLAクラスII拘束性ペプチド(i)は有利には、ヒトテロメラーゼのアミノ酸672〜686に相当するアミノ酸配列RPGLL GASVL GLDDI(配列番号2)、ヒトテロメラーゼのアミノ酸766〜780に相当するLTDLQ PYMRQ FVAHL(配列番号3)、及び、ヒトのテロメラーゼのアミノ酸611〜626に相当するEARPA LLTSRL RFIPK(配列番号4)を含むペプチドから選択されている。しかしながら、任意のHLAクラスIIアレルの任意の遺伝子産物に結合することができ、かつ、ペプチド特異的CD4+Tリンパ球の活性化を誘発することができる任意のテロメラーゼ由来ペプチドが、本発明において含まれる特異的な使用に適していると考慮されるべきである。
【0012】
このペプチドは既知の方法により、例えば固相合成技術により合成されてよい。所望の場合には、ペプチドはN−及び/又はC−末端改変、例えばアシル化又はアミド化を含んでよい。
【0013】
本発明の有利な一実施態様において、このペプチド組成物はアジュバント、特にtoll様レセプター(TLRs)と相互作用し、かつ、炎症誘発性支持を提供することができるアジュバントと組み合わせて投与される。本発明の特に有利な一実施態様において、アジュバントはイミキモド、イミダゾキノリン誘導体であってヒト樹状細胞上のTLR7及び8に結合し、これら細胞の成熟を、HLA及び共刺激性分子の発現の増加により、ケモカインレセプター、例えばCCR7の発現の増加及び/又はTh1サイトカイン、例えばIFNγ、IN12又はTFNαの分泌の誘発により、抗原提示にむかって誘発するものである。更なる有利なアジュバントは、TLRs、例えばCpG−含有オリゴヌクレオチドに結合及び/又はこれを活性化する剤である。さらに、注射部位で投与されるペプチドのクリアランスを減少させ、かつアジュバント活性を発揮させることができる化合物、例えばモンタニドISA−51の付加的な使用も本発明の一部である。
【0014】
本発明の組成物は、医薬、特にヒト医薬における、とりわけ癌のためのワクチンとしての使用のために適している。この組成物は、テロメラーゼ陽性である全ての癌に対するワクチン化のために有用である。有利な例は腎癌、例えば腎臓細胞癌腫、前立腺癌、例えば前立腺の腺癌であり、しかし肺、胸部、卵巣の癌及びリンパ腫でもある。癌は任意のステージに、例えば初期ステージに又は進行したステージに、例えば少なくともステージIVにあってよい。
【0015】
有利な一実施態様において、組成物はHLA適合ヒト患者、すなわち、ペプチド(i)及び/又は(ii)のTリンパ球に対する提示を拘束するHLAクラスI又はIIアレルに相当するHLAアレルに対して陽性であるヒト患者への投与のために使用される。特に有利なのは、配列番号1を含有する好ましいHLAクラスI拘束性ペプチド(i)に相当するHLA−A2アレルについて試験して陽性であった患者への投与である。
【0016】
本発明の組成物は、任意の適した経路により、例えば注射により、特に皮内注射により投与される。免疫応答を促進するために、この組成物は通常はアジュバント、例えばイミキモドと一緒に投与される。
【0017】
更に、この組成物を、複数の引き続く投与、例えば5回以上の引き続く投与を含むプロトコルにより投与することが有利である。特に有利な一実施態様において、この組成物は
−第1週:2〜4回の投与、有利には約48時間の間隔での3回の投与、
−第2〜4週:1週間に1〜2回、有利には1週間に1回の投与、
−第5〜7週、1回の投与、有利には第6週に1回の投与、
−第9〜12週から第12週:1回の投与、有利には第10週に1回の投与
を含むプロトコルによる投与のためである。
【0018】
各投与前及び後に、アジュバント、例えばイミキモドを有利にはこの投与部位に、例えば少なくとも30秒間にわたり塗り広げ、その作用を開始させる。
【0019】
この投与された用量は有利には各ペプチドをおおよそ同じ量で、例えば約500μg含有する。
【0020】
さらに、本発明は、以下の実施例により更に詳細に説明される。
【0021】
実施例
IVステージの腎臓又は前立腺癌を有する患者の治療のための第I/II相臨床試験
1. 前立腺癌を罹患する患者のための選択基準
−前立腺の腺癌の組織学的診断
−4週間の治療後のプログレッションとして定義されるホルモン療法に対する抵抗性
−疾病のIVステージ
−最後の月にPSA>10マイクロg/ml増加
−次のように定義される許容可能な肝機能:全ビリルビン<UNL(「正常上限値」)、AST及びALT<2.5×UNL、アルカリホスファターゼ<5×UNL
−次のとおり定義される許容可能な腎機能:血清クレアチニン<1.5×UNL
−次のとおり定義される許容可能な造血機能:ヘモグロビン>7g/l、白血球>3×109/l、血小板>100×109/l
−HLA−A2アレルについて陽性(positivity)
−ECOGパフォーマンスステータス<3
−余命>3ヶ月
−研究開始30日前からの共存する免疫抑制療法又は化学療法なし
−共存する自己免疫疾患なし
−患者はプロトコル要求を厳守できなくてはならない
−患者は書面のインフォームドコンセントを提供しなくてはならない
−年齢>18歳。
【0022】
2. 腎癌を罹患する患者のための選択基準
−腎細胞癌腫の組織学的診断
−罹患してない腎臓の正常な腎機能
−次のように定義される許容可能な肝機能:全ビリルビン<UNL(「正常上限値」)、AST及びALT<2.5×UNL、アルカリホスファターゼ<5×
−次のとおり定義される許容可能な造血機能:ヘモグロビン>7g/l、白血球>3×109/l、血小板>100×109/l
−HLA−A2アレルについて陽性
−ECOGパフォーマンスステータス<3
−余命>3ヶ月
−男性患者
−女性患者は妊娠しておらず、母乳栄養中でなく、有効な避妊療法下
−研究開始30日前からの共存する免疫抑制療法又は化学療法なし
−共存する自己免疫疾患なし
−患者はプロトコル要求を厳守できなくてはならない
−患者は書面のインフォームドコンセントを提供しなくてはならない
−年齢>18歳。
【0023】
3. 治療プロトコル
3.1 テロメラーゼ由来ペプチド
以下の免疫原性の、テロメラーゼ由来ペプチドをこの研究において使用した:
hTERT540−548(配列:ILAKFLHWL(配列番号1):拘束:HLA−A2);
hTERT672−686(配列:RPGLLGASVLGLDD(配列番号2):拘束:HLA−DR1、DR7、DR15);
hTERT766−780(配列:LTDLQPYMRQFVAHL(配列番号3):拘束:HLA−DR4、DR7、DR15);
hTERT611−626(配列:EARPALLTSRLRFIPK(配列番号4):拘束:HLA−DP4、DQ4)。
【0024】
3.2 群組成
2群の患者を構成し、疾病の各組織学的種類につき1である。一群につき10人の患者が登録。
【0025】
3.3 治療
上述のテロメラーゼ由来ペプチドの皮内注射を介した能動的免疫療法により患者を治療する。4つの異なるペプチドのプールを、各注射でもって投与する(注射につき各ペプチド500μg)。合計の注射した体積は0.4mlである。
【0026】
治療スケジュールは以下のとおりである:
第1週:3回の皮内注射、48時間の間隔で;
第2〜4週:毎週1回の注射;
第6週:1回の注射;
第10週:1回の注射。
【0027】
注射前及び後にイミキモド(市販名:Aldara)を注射部位で30秒間塗り広げ、吸収させる。
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]