【文献】
Elena Sanchez-Heras et al.,The Fibroblast Growth Factor Receptor Acid Box Is Essential for Interactions with N-Cadherin and All of the Major Isoforms of Neural Cell Adhesion Molecule,THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY,2006年11月17日,vol.281/ no.46,pp.35208-35216
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
FGFR4細胞外ドメイン(ECD)酸性領域突然変異タンパク質が、FGFR4 ECD酸性領域キメラおよびFGFR4ロング酸ボックス(long acid box)変種より選択され、かつ該FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質が、野性型FGFR4 ECDよりも多数の酸性残基をD1-D2リンカー領域中に有する、該FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質を含むポリペプチド。
前記FGFR4 ECD酸性領域キメラが、FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラ、FGFR4 ECDエキソン4キメラ、FGFR4 ECD酸ボックス(acid box)キメラ、FGFR4 ECDロング酸ボックスキメラ、およびFGFR4 ECDショート酸ボックス(short acid box)キメラより選択される、請求項1に記載のポリペプチド。
(a)前記FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラが、FGFR4 D1-D2リンカーの代わりに、FGFR1 D1-D2リンカー、FGFR2 D1-D2リンカー、およびFGFR3 D1-D2リンカーより選択されるD1-D2リンカーを含み;
(b)前記FGFR4 ECDエキソン4キメラが、FGFR4 エキソン4の代わりに、FGFR1エキソン4、FGFR2エキソン4、およびFGFR3エキソン4より選択されるエキソン4を含み;
(c)前記FGFR4 ECD酸ボックスキメラが、
(i)FGFR4酸ボックスの代わりに、FGFR1酸ボックス、FGFR2酸ボックス、およびFGFR3酸ボックスより選択される酸ボックス、
(ii)該FGFR4酸ボックスの代わりに、FGFR1酸ボックス領域、FGFR2酸ボックス領域、およびFGFR3酸ボックス領域より選択される酸ボックス領域、
(iii)FGFR4酸ボックスの代わりに、FGFR1酸ボックス領域、FGFR2酸ボックス領域、およびFGFR3酸ボックス領域より選択される酸ボックス領域、
(iv)FGFR4酸ボックス領域の代わりに、該FGFR1酸ボックス、該FGFR2酸ボックス、および該FGFR3酸ボックスより選択される酸ボックス を含み;
(d)前記FGFR4 ECDロング酸ボックスキメラが、FGFR4ロング酸ボックスの代わりに、FGFR1 ロング酸ボックス、FGFR2ロング酸ボックス、およびFGFR3ロング酸ボックスより選択されるロング酸ボックスを含み;かつ
(e)前記FGFR4 ECDショート酸ボックスキメラが、FGFR4ショート酸ボックスの代わりに、FGFR1ショート酸ボックス、FGFR2ショート酸ボックス、およびFGFR3ショート酸ボックスより選択されるショート酸ボックスを含む、
請求項2に記載のポリペプチド。
前記FGFR4 ECDロング酸ボックス変種が、FGFR4野性型ロング酸ボックスと比べて増加した数の酸性アミノ酸残基をロング酸ボックス中に有するFGFR4 ECDの変種を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
(a)前記FGFR4 ECDのロング酸ボックス内の少なくとも2個の非酸性残基が、それぞれ独立して、Glu(E)およびAsp(D)より選択される酸性残基により置き換えられているか;
(b)該FGFR4 ECDのロング酸ボックス内の少なくとも3個の非酸性残基が、それぞれ独立して、Glu(E)およびAsp(D)より選択される酸性残基により置き換えられているか;または
(c)該FGFR4 ECDのロング酸ボックス内の少なくとも4個の非酸性残基が、それぞれ独立して、Glu(E)およびAsp(D)より選択される酸性残基により置き換えられている、
請求項5に記載のポリペプチド。
(a)FGFR4 ECD 残基104〜114(SEQ ID NO:145)が、FGFR1 ECD 残基106〜117(SEQ ID NO:149)により置き換えられているか;
(b)FGFR4 ECD 残基104〜114(SEQ ID NO:145)が、FGFR1 ECD 残基107〜117(SEQ ID NO:150)により置き換えられているか;
(c)FGFR4 ECD 残基104〜110(SEQ ID NO:146)が、FGFR1 ECD 残基105〜113(SEQ ID NO:151)により置き換えられているか;
(d)FGFR4 ECD 残基113〜116(SEQ ID NO:147)が、FGFR1 ECD 残基116〜119(SEQ ID NO:152)により置き換えられているか;
(e)FGFR4 ECD 残基109〜113(SEQ ID NO:148)が、FGFR1 ECD 残基112〜116(SEQ ID NO:153)により置き換えられているか;または
(f)前記FGFR4 ECDロング酸ボックス変種が、SEQ ID NO:111〜119より選択されるアミノ酸配列を含む、
請求項5に記載のポリペプチド。
グリコシル化を阻害する少なくとも1つの前記点突然変異が、N91A、N156A、N237A、N269A、N290A、およびN301Aより選択される、請求項10に記載のポリペプチド。
前記FGFR4酸性領域突然変異タンパク質が、SEQ ID NO:120、121および168より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載のポリペプチド。
SEQ ID NO:86〜88、124〜140、143、144および158より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項15に記載のFGFR4 ECD融合分子。
請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリペプチドまたは請求項13〜17のいずれか一項に記載のFGFR4 ECD融合分子をコードする核酸配列を含む、ポリヌクレオチド。
FGFR2 ECD酸性領域突然変異タンパク質が野性型FGFR2 ECDよりも多数の酸性残基をD1-D2リンカー領域中に有する、該FGFR2 ECD酸性領域突然変異タンパク質を含むポリペプチド。
前記FGFR2 ECDショート酸ボックスキメラが、少なくともFGFR2ショート酸ボックスの代わりに、少なくともFGFR1ショート酸ボックスを含む、請求項24に記載のポリペプチド。
(a)FGFR2 ECD 残基111〜118(SEQ ID NO:155)が、FGFR1 ECD 残基105〜112(SEQ ID NO:154)により置き換えられているか;または
(b)前記FGFR2 ECDショート酸ボックスキメラがSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む、
請求項24に記載のポリペプチド。
FGFR3 ECD酸性領域突然変異タンパク質が野性型FGFR3 ECDよりも多数の酸性残基をD1-D2リンカー領域中に有する、該FGFR3 ECD酸性領域突然変異タンパク質を含むポリペプチド。
前記FGFR3 ECDショート酸ボックスキメラが、少なくともFGFR3ショート酸ボックスの代わりに、少なくともFGFR1ショート酸ボックスを含む、請求項28に記載のポリペプチド。
(a)FGFR3 ECD 残基110〜117(SEQ ID NO:156)が、FGFR1 ECD 残基105〜112(SEQ ID NO:154)により置き換えられているか;または
(b)前記FGFR3 ECDショート酸ボックスキメラがSEQ ID NO:123のアミノ酸配列を含む、
請求項28に記載のポリペプチド。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ある態様の詳細な説明
本明細書において使用される項目の見出しは、構成上の目的のためにすぎず、記載されている対象を限定するものと解釈すべきではない。
【0029】
定義
特に定義されない限り、本発明に関して使用される科学的用語および技術的用語は、当業者に一般に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈により特に必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。
【0030】
組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織培養および形質転換(例えば、電気穿孔、リポフェクション)に関して使用されるある技術、酵素反応、ならびに精製技術は、当技術分野において公知である。多くのそのような技術および手順は、例えば、とりわけ、Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989))に記載されている。さらに、化学合成、化学分析、薬学的調製、製剤化および送達についてのある技術、ならびに患者の治療も、当技術分野において公知である。
【0031】
本出願において、「または」の使用は、特に記述のない限り、「および/または」を意味する。複数従属形式の請求項の文脈において、「または」の使用は、複数の先行する独立請求項または従属請求項を択一的に引用する。また、「エレメント」または「成分」のような用語は、特に記述のない限り、1つの単位を含むエレメントおよび成分ならびに複数のサブユニットを含むエレメントと成分の両方を包含する。
【0032】
本開示に関して利用される以下の用語は、特に示さない限り、以下の意味を有すると解されるものとする。
【0033】
用語「核酸分子」および「ポリヌクレオチド」は、交換可能に使用することができ、ヌクレオチドのポリマーを指す。そのようなヌクレオチドのポリマーは、天然および/または非天然のヌクレオチドを含有することができ、限定されるものではないが、DNA、RNA、およびPNAを含む。
【0034】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、交換可能に使用され、アミノ酸残基のポリマーを指す。そのようなアミノ酸残基のポリマーは、天然および/または非天然のアミノ酸残基を含有することができ、限定されるものではないが、ペプチド、オリゴペプチド、アミノ酸残基の二量体、三量体、および多量体を含む。用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、天然および非天然のアミノ酸配列、ならびに完全長タンパク質とそれらの断片の両方を含む。それらの用語は、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、および/またはリン酸化されたポリペプチドおよびタンパク質を含む、翻訳後修飾されたポリペプチドおよびタンパク質も含む。
【0035】
用語「酸性アミノ酸」、「酸性アミノ酸残基」、および「酸性残基」は、本明細書において交換可能に使用され、生理学的pHにおいて負に荷電するアミノ酸残基を指す。酸性アミノ酸は、限定されるものではないが、アスパラギン酸(Asp、D)およびグルタミン酸(Glu、E)を含む。
【0036】
用語「非酸性アミノ酸」、「非酸性アミノ酸残基」、および「非酸性残基」は、交換可能に使用され、生理学的pHにおいて負に荷電しないアミノ酸残基を指す。
【0037】
用語「FGFR 細胞外ドメイン」および「FGFR ECD」は、本明細書で定義されたFGFR1 ECD、FGFR2 ECD、FGFR3 ECD、およびFGFR4 ECDを含む。
【0038】
用語「FGFR1 細胞外ドメイン」および「FGFR1 ECD」は、天然FGFR1 ECD、FGFR1 ECD断片、およびFGFR1 ECD変種を含む。本明細書において使用される用語「天然FGFR1 ECD」は、SEQ ID NO:21および25より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR1 ECDを指す。本明細書において使用される用語「FGFR1 ECD断片」は、SEQ ID NO:21および25より選択されるアミノ酸配列を有するが、アミノ酸残基がアミノ末端および/またはカルボキシ末端から欠失したポリペプチドを指し、この断片はFGF2に結合することができる。本明細書において使用される用語「FGFR1 ECD変種」は、細胞外空間に伸長するFGFR1ポリペプチドの一部の変種と、D1、D2、およびD3を含むそれらの断片の変種とを指し、これらの変種はFGF2に結合することができる。FGFR1 ECD変種が依然としてリガンド結合することができるという条件で、そのような変種は、アミノ酸の付加、欠失、および置換を含有することができる。
【0039】
ある態様において、FGFR1 ECDはシグナルペプチドを欠く。ある態様において、FGFR1 ECDは、天然FGFR1シグナルペプチドおよび/または異種シグナルペプチドより選択することができる少なくとも1個のシグナルペプチドを含む。
【0040】
用語「FGFR2細胞外ドメイン」および「FGFR2 ECD」は、天然FGFR2 ECD、FGFR2 ECD 断片、およびFGFR2 ECD変種を含む。本明細書において使用される用語「天然FGFR2 ECD」は、SEQ ID NO:27のアミノ酸配列を有するFGFR2 ECDを指す。本明細書において使用される用語「FGFR2 ECD断片」は、SEQ ID NO:27より選択されるアミノ酸配列を有するが、アミノ酸残基がアミノ末端および/またはカルボキシ末端から欠失したポリペプチドを指し、この断片はFGF2に結合することができる。非限定的な例示的なFGFR2 ECD断片は、SEQ ID NO:160のアミノ酸配列を有し、これはSEQ ID NO:27のアミノ酸配列に対応するが、最後の3個のカルボキシ末端アミノ酸残基YLEが欠失している。本明細書において使用される用語「FGFR2 ECD変種」は、細胞外空間に伸長するFGFR2ポリペプチドの一部の変種と、D1、D2、およびD3を含むそれらの断片の変種とを指し、これらの変種はFGF2に結合することができる。FGFR2 ECD変種が依然としてリガンド結合することができるという条件で、そのような変種は、アミノ酸の付加、欠失、および置換を含有することができる。FGFR2 ECD変種は、本明細書において交換可能に「FGFR2 ECDグリコシル化変異体」および「FGFR2 ECD N-グリカン変異体」と称される、N-グリコシル化を阻害するFGFR2 ECD内のアミノ酸置換を含むことができる。ある態様において、FGFR2 ECD内の少なくとも1個のアミノ酸が、ポリペプチド中のその部位におけるグリコシル化を防止するように突然変異している。グリコシル化され得る非限定的な例示的なFGFR2 ECDアミノ酸は、SEQ ID NO:27のN62、N102、N207、N220、N244、N276、N297、およびN310を含む。FGFR4 ECDグリコシル化変異体の非限定的な例示的なアミノ酸突然変異は、SEQ ID NO:27のN62A、N102A、N207A、N220A、N244A、N276A、N297A、およびN310Aを含む。
【0041】
ある態様において、FGFR2 ECDは、シグナルペプチドを欠く。ある態様において、FGFR2 ECDは、天然FGFR2シグナルペプチドおよび/または異種シグナルペプチドより選択することができる少なくとも1個のシグナルペプチドを含む。
【0042】
用語「FGFR3 細胞外ドメイン」および「FGFR3 ECD」は、天然FGFR3 ECD、FGFR3 ECD断片、およびFGFR3 ECD変種を含む。本明細書において使用される用語「天然 FGFR3 ECD」は、SEQ ID NO:31のアミノ酸配列を有するFGFR3 ECDを指す。本明細書において使用される用語「FGFR3 ECD断片」は、SEQ ID NO:31より選択されるアミノ酸配列を有するが、アミノ酸残基がアミノ末端および/またはカルボキシ末端から欠失したポリペプチドを指し、この断片はFGF2に結合することができる。非限定的な例示的なFGFR3 ECD断片は、SEQ ID NO:161のアミノ酸配列を有し、これはSEQ ID NO:31のアミノ酸配列に対応するが、最後の3個のカルボキシ末端アミノ酸残基YAGが欠失している。本明細書において使用される用語「FGFR3 ECD変種」は、細胞外空間に伸長するFGFR3ポリペプチドの一部の変種と、D1、D2、およびD3を含むそれらの断片の変種とを指し、これらの変種はFGF2に結合することができる。FGFR3 ECD変種が依然としてリガンド結合することができるという条件で、そのような変種は、アミノ酸の付加、欠失、および置換を含有することができる。FGFR3 ECD変種は、本明細書において交換可能に「FGFR3 ECD グリコシル化変異体」および「FGFR3 ECD N-グリカン変異体」と称される、N-グリコシル化を阻害するFGFR3 ECD内のアミノ酸置換を含むことができる。ある態様において、FGFR3 ECD内の少なくとも1個のアミノ酸が、ポリペプチド中のその部位におけるグリコシル化を防止するように突然変異している。グリコシル化され得る非限定的な例示的なFGFR3 ECDアミノ酸は、SEQ ID NO:31のN76、N203、N240、N272、N293、およびN306を含む。FGFR3 ECDグリコシル化変異体の非限定的な例示的なアミノ酸突然変異は、SEQ ID NO:31のN76A、N203A、N240A、N272A、N293A、およびN306Aを含む。
【0043】
ある態様において、FGFR3 ECDは、シグナルペプチドを欠く。ある態様において、FGFR3 ECDは、天然FGFR3シグナルペプチドおよび/または異種シグナルペプチドより選択することができる少なくとも1個のシグナルペプチドを含む。
【0044】
用語「FGFR4 細胞外ドメイン」および「FGFR4 ECD」は、天然FGFR4 ECD、FGFR4 ECD断片、およびFGFR4 ECD変種を含む。本明細書において使用される用語「天然 FGFR4 ECD」は、SEQ ID NO:1、2、3および93より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR4 ECDを指す。本明細書において使用される用語「FGFR4 ECD断片」は、SEQ ID NO:1、2、3および93より選択されるアミノ酸配列を有するが、配列LEASEEVE(SEQ ID NO:70)の全部または一部がアミノ末端から欠失し、および/または配列
の全部または一部がポリペプチドのカルボキシ末端から欠失したポリペプチドを指し、この断片はFGF2および/またはFGF19に結合することができる。非限定的な例示的なFGFR4 ECD断片は、SEQ ID NO:6〜10および76〜81に示されるアミノ酸配列を有する。本明細書において使用される用語「FGFR4 ECD変種」は、細胞外空間に伸長するFGFR4ポリペプチドの一部の変種と、D1、D2、およびD3を含むそれらの断片の変種とを指し、これらの変種はFGF2および/またはFGF19に結合することができる。FGFR4 ECD変種が依然としてFGF2および/またはFGF19に結合することができるという条件で、そのような変種は、アミノ酸の付加、欠失、および置換を含有することができる(FGFR細胞外ドメインの構造/機能関係の記述を以下参照のこと)。
【0045】
FGFR4 ECD変種は、本明細書において交換可能に「FGFR4 ECDグリコシル化変異体」および「FGFR4 ECD N-グリカン変異体」と称される、N-グリコシル化を阻害するFGFR4 ECD内のアミノ酸置換を含むことができる。ある態様において、FGFR4 ECD内の1個またはそれ以上のアミノ酸が、ポリペプチド中のその部位におけるグリコシル化を防止するように突然変異している。グリコシル化され得る非限定的な例示的なFGFR4 ECDアミノ酸は、SEQ ID NO:1および2のN91、N156、N237、N269、N290、およびN301を含む。FGFR4 ECDグリコシル化変異体の非限定的な例示的なアミノ酸突然変異は、SEQ ID NO:1および2のN91A、N156A、N237A、N269A、N290A、およびN301Aを含む。
【0046】
ある態様において、FGFR4 ECDは、シグナルペプチドを欠く。ある態様において、FGFR4 ECDは、天然FGFR4シグナルペプチドおよび/または異種シグナルペプチドより選択することができる少なくとも1個のシグナルペプチドを含む。
【0047】
用語「FGFR4 2Ig 細胞外ドメイン」および「FGFR4 2Ig ECD」は、FGFR4 2Ig ECD、FGFR4 2Ig ECD断片、およびFGFR4 2Ig ECD変種を含む。本明細書において使用される用語「FGFR4 2Ig ECD」は、酸ボックスおよびドメインD2およびD3を含み、SEQ ID NO:1、2、3および93より選択されるアミノ酸配列を有するが、少なくともD1の一部が欠失しているポリペプチドを指す。例示的なFGFR4 2Ig ECDは、SEQ ID NO:94のアミノ酸配列を有する。本明細書において使用される用語「FGFR4 2Ig ECD断片」は、配列
の全部または一部がポリペプチドのカルボキシ末端から欠失したFGFR4 2Ig ECDポリペプチドを指す。本明細書において使用される用語「FGFR4 2Ig ECD変種」は、上記のFGFR4 2Ig ECDおよびFGFR4 2Ig ECD断片の変種を指し、これらの変種はFGF2および/またはFGF19に結合することができる。FGFR4 2Ig ECD変種が依然としてFGF2および/またはFGF19に結合することができる条件で、そのような変種は、アミノ酸の付加、欠失、および置換を含有することができる(FGFR細胞外ドメインの構造/機能関係の記述を以下参照のこと)。
【0048】
「FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラ」は、天然FGFR4 ECD、FGFR4 ECD断片、およびFGFR4 ECD変種より選択され、免疫グロブリン様ドメインI(D1)と免疫グロブリン様ドメインII(D2)との間のリンカー領域(本明細書において、交換可能に「リンカードメイン」、「リンカー領域」、「D1-D2リンカー」、および「D1-D2リンカー領域」と称される)がFGFR1、FGFR2、またはFGFR3からのD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECDを指す。FGFR4 ECDのD1-D2リンカーは、SEQ ID NO:1のアミノ酸98〜124(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有するか;またはSEQ ID NO:2のアミノ酸98〜124(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有する。FGFR1のD1-D2リンカーは、SEQ ID NO:21のアミノ酸99〜128(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有するか;またはSEQ ID NO:25のアミノ酸99〜130(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有する。FGFR2のD1-D2リンカーは、SEQ ID NO:27のアミノ酸105〜131(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有する。FGFR3のD1-D2リンカーは、SEQ ID NO:31のアミノ酸105〜127(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有する。ある例示的なFGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:35〜38のアミノ酸配列を有するFGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラを含む。
【0049】
「FGFR4 2Ig ECD D1-D2リンカーキメラ」は、FGFR4 2Ig ECD、FGFR4 2Ig ECD断片、およびFGFR4 2Ig ECD変種より選択され、FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラについて上記の通り、免疫グロブリン様ドメインI(D1)と免疫グロブリン様ドメインII(D2)との間のリンカー領域(本明細書において、交換可能に「リンカードメイン」、「リンカー領域」、「D1-D2リンカー」、および「D1-D2リンカー領域」と称される)がFGFR1、FGFR2、またはFGFR3からのD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 2Ig ECDを指す。
【0050】
用語「対応するアミノ酸残基」および「対応する残基」は、配列アラインメントにおいて示される、第2のFGFR ECD D1-D2リンカー領域のアミノ酸残基またはアミノ酸配列中のギャップ(「-」で示す)と整列させる第1のFGFR ECD D1-D2リンカー領域のアミノ酸残基またはアミノ酸配列中のギャップ(「-」で示す)を指すために、本明細書において交換可能に使用される。本明細書で定義されたFGFR4とFGFR1との間の対応するアミノ酸残基を
図11Aに示す。本明細書で定義されたFGFR4とFGFR2との間の対応するアミノ酸残基を
図11Bに示す。本明細書で定義されたFGFR4とFGFR3との間の対応するアミノ酸残基を
図11Cに示す。本明細書で定義されたFGFR1とFGFR2との間の対応するアミノ酸残基を
図11Dに示す。本明細書で定義されたFGFR1とFGFR3との間の対応するアミノ酸残基を
図11Eに示す。ある態様において、第1のFGFR ECDのアミノ酸残基は、第2のFGFR ECDの対応するアミノ酸残基により置き換えられている。そのようなある態様において、第2のFGFR ECDの対応するアミノ酸がギャップである場合、第1のFGFR ECDのアミノ酸残基は欠失している。そのようなある態様において、第1のFGFR ECDのアミノ酸がギャップである場合、第2のFGFR ECDの対応するアミノ酸残基は第1のFGFR ECD中に挿入されている。
【0051】
用語「対応するアミノ酸配列」および「対応する配列」は、FGFR ECDの特定領域内のアミノ酸残基の配列を指すために本明細書において交換可能に使用される。
【0052】
「FGFR4 ECDエキソン4キメラ」は、天然FGFR4 ECD、FGFR4 ECD断片、およびFGFR4 ECD変種より選択され、エキソン4によりコードされるアミノ酸配列(本明細書において交換可能に「エキソン4」または「エキソン4領域」と称される)がFGFR1、FGFR2、またはFGFR3からのエキソン4によりコードされるアミノ酸配列により置き換えられたFGFR4 ECDを指す。FGFR4 ECDのエキソン4は、SEQ ID NO:1のアミノ酸98〜123(両端のアミノ酸を含む)である配列
をコードするか;またはSEQ ID NO:2のアミノ酸98〜123(両端のアミノ酸を含む)である配列
)をコードする。FGFR1のエキソン4は、SEQ ID NO:21のアミノ酸99〜126(両端のアミノ酸を含む)である配列
をコードするか;またはSEQ ID NO:25のアミノ酸99〜128(両端のアミノ酸を含む)である配列
をコードする。FGFR2のエキソン4は、SEQ ID NO:27のアミノ酸105〜130(両端のアミノ酸を含む)である配列
をコードする。FGFR3のエキソン4は、SEQ ID NO:31のアミノ酸105〜126(両端のアミノ酸を含む)である配列
をコードする。ある例示的なFGFR4 ECDエキソン4キメラは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:39〜42のアミノ酸配列を有するFGFR4 ECDエキソン4キメラを含む。
【0053】
「FGFR4 2Ig ECDエキソン4キメラ」は、FGFR4 2Ig ECD、FGFR4 2Ig ECD断片、およびFGFR4 2Ig ECD変種より選択され、FGFR4 ECDエキソン4キメラについて上記の通り、エキソン4によりコードされるアミノ酸配列(本明細書において交換可能に「エキソン4」または「エキソン4領域」と称される)がFGFR1、FGFR2、またはFGFR3からのエキソン4によりコードされるアミノ酸配列により置き換えられたFGFR4 2Ig ECDを指す。
【0054】
「FGFR4 ECD酸ボックスキメラ」は、天然FGFR4 ECD、FGFR4 ECD 断片、およびFGFR4 ECD変種より選択され、少なくとも酸ボックスがFGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの少なくとも酸ボックスにより置き換えられたFGFR4 ECDを指す。本明細書で定義されたFGFR4の酸ボックスは、配列DDEDPKSHR(SEQ ID NO:20)を有する。本明細書で定義されたFGFR1の酸ボックスは、配列
を有する。本明細書で定義されたFGFR2の酸ボックスは、配列DDEDDTD(SEQ ID NO:30)を有する。本明細書で定義されたFGFR3の酸ボックスは、配列DDEDGE(SEQ ID NO:34)を有する。
【0055】
「FGFR4 2Ig ECD酸ボックスキメラ」は、FGFR4 2Ig ECD、FGFR4 2Ig ECD 断片、およびFGFR4 2Ig ECD変種より選択され、FGFR4 ECD酸ボックスキメラについて上記の通り、少なくとも酸ボックスがFGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの少なくとも酸ボックスにより置き換えられたFGFR4 ECDを指す。
【0056】
本明細書において使用される用語「酸ボックス領域」は、上記で定義された酸ボックスを、酸ボックスのアミノ末端、カルボキシ末端、またはアミノ末端とカルボキシ末端との両方のFGFR ECD配列からの付加アミノ酸とともに、上記で定義されたFGFR ECDのD1-D2リンカー中に見出される全ての付加アミノ酸までのかつ全ての該付加アミノ酸を含むFGFR ECDの領域を意味する。本明細書で定義された用語FGFR4 ECD酸ボックスキメラは、FGFR4の酸ボックスがFGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの酸ボックス領域により置き換えられているポリペプチドを含む。用語FGFR4 ECD酸ボックスキメラは、FGFR4の酸ボックス領域がFGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの酸ボックス領域により置き換えられているポリペプチドも含む。用語FGFR4 ECD酸ボックスキメラは、FGFR4の酸ボックス領域がFGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの酸ボックスにより置き換えられているポリペプチドも含む。ある例示的なFGFR4 ECD酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:43〜45および157のアミノ酸配列を有するFGFR4 ECD酸ボックスキメラを含む。
【0057】
「ロング酸ボックス」は、酸ボックスと酸ボックスのアミノ末端および/またはカルボキシ末端上のある付加アミノ酸残基とを含むFGFR ECDの領域を指す。本明細書で定義されたFGFR4 ECDのロング酸ボックスは、SEQ ID NO:1のアミノ酸104〜118(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有するか;またはSEQ ID NO:2のアミノ酸104〜118(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有する。本明細書で定義されたFGFR1 ECDのロング酸ボックスは、SEQ ID NO:21および25のアミノ酸105〜121(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有する。本明細書で定義されたFGFR2 ECDのロング酸ボックスは、SEQ ID NO:27のアミノ酸111〜125(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有する。本明細書で定義されたFGFR3 ECDのロング酸ボックスは、SEQ ID NO:31のアミノ酸110〜121(両端のアミノ酸を含む)である配列
を有する。
【0058】
用語「FGFR4 ECDロング酸ボックスキメラ」は、天然FGFR4 ECD、FGFR4 ECD断片、およびFGFR4 ECD変種より選択され、少なくともロング酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域が、FGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの少なくともロング酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECDを指す。
【0059】
用語「FGFR4 2Ig ECDロング酸ボックスキメラ」は、天然FGFR4 2Ig ECD、FGFR4 2Ig ECD断片、およびFGFR4 2Ig ECD変種より選択され、少なくともロング酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域が、FGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの少なくともロング酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECDを指す。
【0060】
用語「ショート酸ボックス」は、酸ボックス内の連続する酸性アミノ酸残基のストレッチを有するFGFR ECDの領域を指す。本明細書で定義されたFGFR4 ECDのショート酸ボックスは、SEQ ID NO:1および2のアミノ酸105〜108(両端のアミノ酸を含む)である配列DDED(SEQ ID NO:101)を有する。本明細書で定義されたFGFR1 ECDのショート酸ボックスは、SEQ ID NO:21および25のアミノ酸105〜112(両端のアミノ酸を含む)である配列EDDDDDDD(SEQ ID NO:102)を有する。本明細書で定義されたFGFR2 ECDのショート酸ボックスは、SEQ ID NO:27のアミノ酸111〜115(両端のアミノ酸を含む)である配列DDEDD(SEQ ID NO:103)を有する。本明細書で定義されたFGFR3 ECDのショート酸ボックスは、SEQ ID NO:31のアミノ酸111〜114(両端のアミノ酸を含む)である配列DDED(SEQ ID NO:104)を有する。
【0061】
用語「FGFR4 ECDショート酸ボックスキメラ」は、天然FGFR4 ECD、FGFR4 ECD断片、およびFGFR4 ECD変種より選択され、FGFR4からの少なくともショート酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域が、FGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの少なくともショート酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECDを指す。
【0062】
用語「FGFR4 2Ig ECDショート酸ボックスキメラ」は、天然FGFR4 2Ig ECD、FGFR4 2Ig ECD断片、およびFGFR4 2Ig ECD変種より選択され、FGFR4からの少なくともショート酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域が、FGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの少なくともショート酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECDを指す。
【0063】
用語「FGFR2 ECDショート酸ボックスキメラ」は、天然FGFR2 ECD、FGFR2 ECD断片、およびFGFR2 ECD変種より選択され、FGFR2からの少なくともショート酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域がFGFR1からの少なくともショート酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR2 ECDを指す。FGFR2 ECDショート酸ボックスキメラのある態様において、少なくともFGFR2酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域が、FGFR1ショート酸ボックスにより置き換えられている。
【0064】
用語「FGFR3 ECDショート酸ボックスキメラ」は、天然FGFR3 ECD、FGFR3 ECD断片、およびFGFR3 ECD変種より選択され、FGFR3からの少なくともショート酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域がFGFR1からの少なくともショート酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR3 ECDを指す。FGFR3 ECDショート酸ボックスキメラのある態様において、少なくともFGFR3酸ボックスであるが多くともD1-D2リンカー領域が、FGFR1ショート酸ボックスにより置き換えられている。
【0065】
用語「FGFR4 ECD酸性領域キメラ」は、以下の5種の分子型を便宜上指すために本明細書において使用される:FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラ、FGFR4 ECDエキソン4キメラ、FGFR4 ECD酸ボックスキメラ、FGFR4 ECDロング酸ボックスキメラ、およびFGFR4 ECDショート酸ボックスキメラ。
【0066】
用語「FGFR4 2Ig ECD酸性領域キメラ」は、以下の5種の分子型を便宜上指すために本明細書において使用される:FGFR4 2Ig ECD D1-D2リンカーキメラ、FGFR4 2Ig ECDエキソン4キメラ、FGFR4 2Ig ECD酸ボックスキメラ、FGFR4 2Ig ECDロング酸ボックスキメラ、およびFGFR4 2Ig ECDショート酸ボックスキメラ。
【0067】
用語「FGFR4 ECDロング酸ボックス変種」は、天然FGFR4 ECD、FGFR4 ECD断片、およびFGFR4 ECD変種より選択され、FGFR4 野性型ロング酸ボックスと比べてロング酸ボックスの増加した酸性度を有するFGFR4 ECDの変種を指す。FGFR4 ECDロング酸ボックス変種のある態様において、FGFR4 ECDのロング酸ボックス内の少なくとも2個の非酸性残基が、それぞれ独立して、酸性残基により置き換えられている。FGFR4 ECDロング酸ボックス変種のある態様において、FGFR4 ECDのロング酸ボックス内の少なくとも1個の残基が、FGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの対応するアミノ酸残基により置き換えられている。FGFR4 ECDロング酸ボックス変種のある態様において、FGFR4 ECDのロング酸ボックス内の少なくとも1個の酸性残基が異なる酸性残基により置き換えられている。FGFR4 ECDロング酸ボックス変種のある態様において、1個または2個の酸性残基がSEQ ID NO:1および2のアミノ酸103と104との間に挿入されている。FGFR4 ECDロング酸ボックス変種のある態様において、最大3個の非酸性残基がFGFR4 ECDのロング酸ボックスから欠失している。FGFR4 ECDロング酸ボックス変種のある態様において、FGFR4 ECD酸性領域変種のロング酸ボックス内の酸性残基の総数は、SEQ ID NO:1および2のアミノ酸103と104との間に挿入されている任意の酸性残基を含めて、少なくとも7個である。
【0068】
用語「FGFR4 2Ig ECDロング酸ボックス 変種」は、天然FGFR4 2Ig ECD、FGFR4 2Ig ECD断片、および FGFR4 2Ig ECD変種より選択され、FGFR4 野性型ロング酸ボックスと比べて増加したロング酸ボックスの酸性度を有するFGFR4 ECDの変種を指す。FGFR4 2Ig ECDロング酸ボックス変種のある態様において、FGFR4 2Ig ECDのロング酸ボックス内の少なくとも2個の非酸性残基が酸性残基により置き換えられている。FGFR4 2Ig ECDロング酸ボックス変種のある態様において、FGFR4 2Ig ECDのロング酸ボックス内の少なくとも1個の残基が、FGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの対応するアミノ酸残基により置き換えられている。FGFR4 2Ig ECDロング酸ボックス変種のある態様において、FGFR4 2Ig ECDのロング酸ボックス内の少なくとも1個の酸性残基が異なる酸性残基により置き換えられている。FGFR4 2Ig ECDロング酸ボックス変種のある態様において、1個または2個の酸性残基が、例示的なFGFR4 2Ig ECDであるSEQ ID NO:94のアミノ酸15と16との間に挿入されている。FGFR4 2Ig ECDロング酸ボックス変種のある態様において、最大3個の非酸性残基がFGFR4 ECDのロング酸ボックスから欠失している。FGFR4 2Ig ECDロング酸ボックス変種のある態様において、FGFR4 2Ig ECD酸性領域変種のロング酸ボックス内の酸性残基の総数は、SEQ ID NO:94のアミノ酸15と16との間に挿入されている任意の酸性残基を含めて、少なくとも7個である。
【0069】
「FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質」は、野性型FGFR4 ECDよりも多数の酸性残基をD1-D2リンカー領域中に有する天然FGFR4 ECD、FGFR4 ECD断片、およびFGFR4 ECD変種より選択されるFGFR4 ECDである。用語FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質は、本明細書において、以下の分子型を指すために使用される:FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラ、FGFR4 ECDエキソン4キメラ、FGFR4 ECD 酸ボックスキメラ、FGFR4 ECDロング酸ボックスキメラおよびFGFR4 ECDショート酸ボックスキメラを含むFGFR4 ECD酸性領域キメラ;ならびにFGFR4 ECDロング酸ボックス変種。
【0070】
「FGFR4 2Ig ECD酸性領域突然変異タンパク質」は、野性型FGFR4 2Ig ECDよりも多数の酸性残基をD1-D2リンカー領域中に有する天然FGFR4 2Ig ECD、FGFR4 2Ig ECD断片、およびFGFR4 2Ig ECD変種より選択されるFGFR4 2Ig ECDである。用語FGFR4 2Ig ECD酸性領域突然変異タンパク質は、本明細書において、以下の分子型を指すために使用される:FGFR4 2Ig ECD D1-D2リンカーキメラ、FGFR4 2Ig ECDエキソン4キメラ、FGFR4 2Ig ECD酸ボックスキメラ、FGFR4 2Ig ECDロング酸ボックスキメラおよびFGFR4 2Ig ECDショート酸ボックスキメラを含むFGFR4 2Ig ECD酸性領域キメラ;ならびにFGFR4 2Ig ECDロング酸ボックス変種。
【0071】
「FGFR2 ECD酸性領域突然変異タンパク質」は、野性型FGFR2 ECDよりも多数の酸性残基をD1-D2リンカー領域中に有する天然FGFR2 ECD、FGFR2 ECD断片、およびFGFR2 ECD変種より選択されるFGFR2 ECDである。
【0072】
「FGFR3 ECD酸性領域突然変異タンパク質」とは、野性型FGFR3 ECDよりも多数の酸性残基をD1-D2リンカー領域中に有する天然FGFR3 ECD、FGFR3 ECD断片、およびFGFR3 ECD変種より選択されるFGFR3 ECDである。
【0073】
用語「FGFR4 ECD融合分子」は、FGFR4 ECDおよびFGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質より選択されるポリペプチドと、融合パートナーとを含む分子を指す。用語「FGFR4 2Ig ECD融合分子」は、FGFR4 2Ig ECDおよびFGFR4 2Ig ECD酸性領域突然変異タンパク質より選択されるポリペプチドと、融合パートナーとを含む分子を指す。用語「FGFR2 ECD融合分子」は、FGFR2 ECDおよびFGFR2 ECD酸性領域突然変異タンパク質より選択されるポリペプチドと、融合パートナーを含む分子とを指す。ある態様において、FGFR2 ECD融合分子は、FGFR2 ECDまたはFGFR2 ECD酸性領域突然変異タンパク質と融合パートナーとの間に「GS」リンカーを含有する。用語「FGFR3 ECD融合分子」は、FGFR3 ECDおよびFGFR3 ECD酸性領域突然変異タンパク質より選択されるポリペプチドと、融合パートナーとを含む分子を指す。ある態様において、FGFR3 ECD融合分子は、FGFR3 ECDまたはFGFR3 ECD酸性領域突然変異タンパク質と融合パートナーとの間に「GS」リンカーを含有する。融合パートナーは、ポリペプチドのアミノ末端とカルボキシ末端のいずれかに結合させることができる。ある態様において、ポリペプチドおよび融合パートナーは、共有結合している。融合パートナーもポリペプチド(「融合パートナーポリペプチド」)である場合、ポリペプチドおよび融合パートナーポリペプチドは、連続するアミノ酸配列の一部であり得る。そのような場合、ポリペプチドおよび融合パートナーポリペプチドは、ポリペプチドと融合パートナーポリペプチドの両方をコードするコーディング配列から単一のポリペプチドとして翻訳させることができる。ある態様において、ポリペプチドおよび融合パートナーは、他の手段を介して、例えば、ペプチド結合以外の化学結合などを介して共有結合している。ポリペプチドを他の分子(例えば、融合パートナー)に共有結合させる多くの方法は、当技術分野において公知である。当業者は、共有結合させる特定のポリペプチドおよび融合パートナーに基づく共有結合の適した方法を選択することができる。
【0074】
ある態様において、ポリペプチドおよび融合パートナーは、非共有結合している。そのようなある態様において、それらは、例えば、結合ペアを使用して結合させることができる。例示的な結合ペアは、限定されるものではないが、ビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジン、抗体およびその抗原などを含む。
【0075】
ある例示的な融合パートナーは、限定されるものではないが、免疫グロブリンFcドメイン、アルブミン、およびポリエチレングリコールを含む。ある例示的なFcドメインのアミノ酸配列を、SEQ ID NO:72〜74に示す。
【0076】
用語「シグナルペプチド」は、哺乳細胞からのポリペプチドの分泌を容易にするアミノ酸残基の配列を指す。シグナルペプチドは、典型的には、ポリペプチドが哺乳細胞から輸送されると切断される。ある例示的なシグナルペプチドは、限定されるものではないが、FGFR1、FGFR2、FGFR3、およびFGFR4のシグナルペプチド、例えば、SEQ ID NO:66〜69および75のアミノ酸配列などを含む。ある例示的なシグナルペプチドは、異種タンパク質からのシグナルペプチドも含む。「シグナル配列」は、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を指す。
【0077】
「ベクター」は、対象となるポリペプチドを宿主細胞中で発現させるために使用されるポリヌクレオチドを指す。ベクターは、以下のエレメントの1種または複数種を含むことができる:複製起点、対象となるポリペプチドの発現を調節する1種または複数種の調節配列(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサーなど)、および/または1種以上の選択可能なマーカー遺伝子(例えば、抗生物質耐性遺伝子および比色アッセイ法において使用することができる遺伝子、例えば、β-ガラクトシダーゼなど)。当業者は、特定の宿主細胞および対象の用途に適したベクターエレメントを選択することができる。
【0078】
「宿主細胞」は、ベクターまたは単離されたポリヌクレオチドのレシピエントになり得るかまたは該レシピエントになった細胞を指す。宿主細胞は、原核細胞または真核細胞であり得る。例示的な真核細胞は、哺乳細胞、例えば、霊長類または非霊長類動物細胞;真菌細胞;植物細胞;および昆虫細胞を含む。ある例示的な哺乳細胞は、限定されるものではないが、293細胞およびCHO細胞を含む。
【0079】
本明細書において使用される用語「単離された」は、分子が典型的には天然に見出される成分の少なくとも一部から分離された分子を指す。例えば、ポリペプチドは、それが産生された細胞の成分の少なくとも一部から分離された場合に「単離された」と称される。ポリペプチドが発現後に細胞により分泌される場合、ポリペプチドを産生した細胞からのポリペプチドを含有する上澄みを物理的に分離することがポリペプチドを「単離する」とみなされる。同様に、ポリヌクレオチドは、それが典型的には天然に見出されるより大きいポリヌクレオチド(例えば、DNAポリヌクレオチドの場合、ゲノムDNAまたはミトコンドリアDNAなど)の一部でない場合、またはそれが産生された細胞の成分の少なくとも一部から分離された場合、例えばRNAポリヌクレオチドの場合に、「単離された」と称される。したがって、宿主細胞内部のベクター中に含有されるDNAポリヌクレオチドは、そのポリヌクレオチドがそのベクター中で天然に見出されないほどの長さなので、「単離された」と称することができる。
【0080】
用語「対象」および「患者」は、限定されるものではないが、げっ歯類、サル、ヒト、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、実験用哺乳動物、家畜用哺乳動物、競技用哺乳動物、および愛玩用哺乳動物を含む哺乳動物を指すために、本明細書において交換可能に使用される。
【0081】
用語「血管新生」は、毛細血管を含む新しい血管の発生を指す。血管新生は、健常組織または疾患組織、例えば、癌および黄斑変性症などにおいて生じ得る。この用語は、新血管形成、血管再生、血管化、および脈管形成を含む。新しい血管の成長は、典型的には、増殖性病態において、例えば、癌または黄斑変性症において活性であり得る血管新生因子による内皮細胞の刺激からもたらされる。「血管新生因子」は、血管新生を促進する因子である。
【0082】
用語「血管新生障害」は、新しい血管が不適切に発生する病態を指す。
【0083】
本明細書において使用される「治療」は、ヒトを含む哺乳動物における疾患のための治療物の任意の投与または適用を含み、例えば、退縮を引き起こすことにより、または喪失、欠如、もしくは欠損した機能を回復させ、もしくは修復することにより;または非効率的なプロセスを刺激することにより、疾患を阻害すること、その発生を停止させること、または疾患を軽減させることを含む。治療は、手術、放射線照射、および/または、限定されるものではないが、小分子およびポリマー、例えば、ポリペプチドを含む1種または複数種の分子の投与により達成することができる。
【0084】
「薬学的に許容される担体」は、対象に投与するための治療剤とともに使用される、無毒性の固体、半固体、もしくは液体の充填剤、希釈剤、カプセル封入材料、製剤化助剤、または当技術分野において従来の担体を指す。薬学的に許容される担体は、用いられる投与量および濃度においてレシピエントに無毒性であり、製剤の他の成分と適合性がある。薬学的に許容される担体は、用いられる製剤に適切である。例えば、治療剤が経口投与されることになっている場合、担体はゲルカプセルであり得る。治療剤が皮下投与されることになっている場合、担体は、理想的には、皮膚刺激性ではなく、注射部位の反応を引き起こさない。
【0085】
FGFR4細胞外ドメイン
ある例示的なFGFR4 ECDは、天然FGFR4 ECD、FGFR4 ECD断片、およびFGFR4 ECD変種を含む。上記の通り、FGFR4 ECD断片は、配列LEASEEVE(SEQ ID NO:70)の全部もしくは一部がアミノ末端から欠失していてよく、かつ/または配列
の全部もしくは一部がポリペプチドのカルボキシ末端から欠失していてよい。例示的なFGFR4 ECDは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:1、2、3、93、6〜10および76〜81より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR4 ECDを含む。
【0086】
当業者は、FGFRの構造/機能関係について利用可能な広範なデータに基づきFGF2および/またはFGF19に結合することができるFGFR4 ECD変種を作製することができる。
【0087】
ある態様において、FGFR4 ECDは単離されている。
【0088】
FGFR4 ECD酸性領域キメラ
FGFR4 ECD酸性領域キメラは、野性型FGFR4 ECDよりも多数の酸性残基をD1-D2リンカー領域中に有する天然FGFR4 ECD、FGFR4 ECD断片、およびFGFR4 ECD変種より選択されるFGFR4 ECDである。FGFR4 ECD酸性領域キメラは、FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラ、FGFR4 ECDエキソン4キメラ、FGFR4 ECD酸ボックスキメラ、FGFR4 ECDロング酸ボックスキメラ、およびFGFR4 ECDショート酸ボックスキメラを含む。ある態様において、FGFR4 ECD酸性領域キメラは単離されている。
【0089】
例示的なFGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラは、限定されるものではないが、FGFR4のD1-D2リンカー、
(それぞれ、SEQ ID NO:16または17)が、FGFR1のD1-D2リンカー、
(それぞれ、SEQ ID NO:22または26)により置き換えられたFGFR4 ECD(それぞれ、「FGFR4 ECD R1 D1-D2リンカーキメラ」および「FGFR4 ECD R1 RM D1-D2 リンカーキメラ」と総称される)、FGFR2のD1-D2リンカー、
により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R2 D1-D2リンカーキメラ」と総称される)、またはFGFR3のD1-D2リンカー、
により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R3 D1-D2リンカーキメラ」と総称される)を含む。
【0090】
FGFR4 ECDについて上述した通り、FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラは、シグナルペプチドを含んでもまたは欠いてもよい。FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラは、配列LEASEEVE(SEQ ID NO:70)の全部もしくは一部がアミノ末端から欠失していてよく、かつ/または配列
の全部もしくは一部がポリペプチドのカルボキシ末端から欠失していてよい。例示的なFGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:35〜38より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラを含む。ある態様において、FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラは、少なくとも1つのFGFR4 ECDグリコシル化突然変異を含む。グリコシル化突然変異を含む例示的なFGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラは、限定されるものではないが、N91Aグリコシル化突然変異、N159Aグリコシル化突然変異、またはN91AとN159Aの両方のグリコシル化突然変異を有するSEQ ID NO:35のFGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラを含む。ある態様において、FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラグリコシル化変異体は、SEQ ID NO:120、121および168より選択されるアミノ酸配列を含む。
【0091】
例示的なFGFR4 ECDエキソン4キメラは、限定されるものではないが、FGFR4エキソン4アミノ酸配列、
(それぞれ、SEQ ID NO:18および19)が、FGFR1エキソン4アミノ酸配列、
もしくは
により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R1エキソン4キメラ」と総称される)、FGFR2エキソン4アミノ酸配列、
により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R2エキソン4キメラ」と総称される)、またはFGFR3エキソン4アミノ酸配列、
により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R3エキソン4キメラ」と総称される)を含む。
【0092】
FGFR4 ECDについて上述した通り、FGFR4 ECDエキソン4キメラは、シグナルペプチドを含んでもまたは欠いてもよい。FGFR4 ECDエキソン4キメラは、配列LEASEEVE(SEQ ID NO:70)の全部もしくは一部がアミノ末端から欠失しており、かつ/または配列
の全部もしくは一部がポリペプチドのカルボキシ末端から欠失していてよい。例示的なFGFR4 ECDエキソン4キメラは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:39〜42より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR4 ECDエキソン4リンカーキメラを含む。ある態様において、FGFR4 ECDエキソン4キメラは、SEQ ID NO:39のアミノ酸配列を含む。ある態様において、FGFR4 ECD エキソン4キメラは、少なくとも1つのFGFR4 ECDグリコシル化突然変異を含む。
【0093】
例示的なFGFR4 ECD酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、本明細書においてDDEDPKSHR(SEQ ID NO:20)と定義される少なくともFGFR4酸ボックスが、本明細書において
と定義される少なくともFGFR1酸ボックスにより置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R1酸ボックスキメラ」と総称される)、本明細書においてDDEDDTD(SEQ ID NO:30)と定義される少なくともFGFR2酸ボックスにより置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R2酸ボックスキメラ」と総称される)、または本明細書においてDDEDGE(SEQ ID NO:34)と定義される少なくともFGFR3酸ボックスにより置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R3酸ボックスキメラ」と総称される)を含む。
【0094】
ある態様において、上記の酸ボックス配列に隣接する付加アミノ酸も、FGFR4 ECD中で置き換えられており、および/またはFGFR1、FGFR2、またはFGFR3 ECDからも挿入されている。付加アミノ酸を含むそのような酸ボックスは、「酸ボックス領域」と呼ばれる。ある態様において、FGFR1、FGFR2、またはFGFR3酸ボックス領域からの付加アミノ酸は、その隣の酸性アミノ酸までおよびその隣の酸性アミノ酸を含む。したがって、例えば、FGFR4酸ボックスまたはFGFR4酸ボックス領域(例えば、SEQ ID NO:20および46〜55より選択されるアミノ酸配列)は、
より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR1酸ボックスまたはFGFR1酸ボックス領域により置き換えることができる。同様に、FGFR4酸ボックスまたはFGFR4酸ボックス領域は、
より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR2酸ボックスまたはFGFR2酸ボックス領域により置き換えることができる。最後に、FGFR4酸ボックスまたはFGFR4酸ボックス領域は、
より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR3酸ボックスまたはFGFR3酸ボックス領域により置き換えることができる。ある態様において、例えば、酸ボックス領域における特定の間隔または構造を保持するため、付加アミノ酸も、D1-D2リンカー中の全てのアミノ酸までかつ全ての該アミノ酸を含んで、置き換えることができる。
【0095】
非限定的な例として、SEQ ID NO:21のアミノ酸配列を有するFGFR4酸ボックスまたはSEQ ID NO:46〜55より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR4酸ボックス領域は、(1)SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を有するFGFR1酸ボックスもしくはSEQ ID NO:56〜58より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR1酸ボックス領域;(2)SEQ ID NO:30のアミノ酸配列を有するFGFR2酸ボックスもしくはSEQ ID NO:59〜61より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR2酸ボックス領域;または(3)SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を有するFGFR3酸ボックスもしくはSEQ ID NO:62〜65より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR3酸ボックス領域により置き換えることができる。ある態様において、SEQ ID NO:51のFGFR4酸ボックス領域は、SEQ ID NO:56のFGFR1酸ボックス領域により置き換えられている。
【0096】
FGFR4 ECDについて上述した通り、FGFR4 ECD酸ボックスキメラは、シグナルペプチドを含んでもまたは欠いてもよい。FGFR4 ECD酸ボックスキメラは、配列LEASEEVE(SEQ ID NO:70)の全部もしくは一部がアミノ末端から欠失していてよく、かつ/または配列
の全部もしくは一部がポリペプチドのカルボキシ末端から欠失していてよい。例示的なFGFR4 ECD酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:44〜45および157より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR4 ECD酸ボックスキメラを含む。ある態様において、FGFR4 ECD酸ボックスキメラは、少なくとも1つのFGFR4 ECDグリコシル化突然変異を含む。
【0097】
例示的なFGFR4 ECDロング酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、少なくともFGFR4のロング酸ボックス、
(それぞれ、SEQ ID NO:96または97)であるが多くともD1-D2リンカー領域が、少なくともFGFR1のロング酸ボックス、
であるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R1ロング酸ボックスキメラ」と総称される);少なくともFGFR2のロング酸ボックス、
であるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R2ロング酸ボックスキメラ」と総称される);または少なくともFGFR3のロング酸ボックス、
であるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R3ロング酸ボックスキメラ」と総称される)を含む。
【0098】
FGFR4 ECDについて上述した通り、FGFR4 ECDロング酸ボックスキメラは、シグナルペプチドを含んでもまたは欠いてもよい。FGFR4 ECDロング酸ボックスキメラは、配列LEASEEVE(SEQ ID NO:70)の全部もしくは一部がアミノ末端から欠失しており、かつ/または配列
の全部もしくは一部がポリペプチドのカルボキシ末端から欠失していてよい。例示的なFGFR4 ECDロング酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:105〜107より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR4 ECDロング酸ボックスキメラを含む。ある態様において、FGFR4 ECDロング酸ボックスキメラは、少なくとも1つのFGFR4 ECDグリコシル化突然変異を含む。
【0099】
例示的なFGFR4 ECDショート酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、少なくともFGFR4のショート酸ボックス、DDED(SEQ ID NO:101)であるが多くともD1-D2リンカー領域が、少なくともFGFR1のショート酸ボックス、EDDDDDDD(SEQ ID NO:102)であるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R1ショート酸ボックスキメラ」と総称される);少なくともFGFR2のショート酸ボックス、DDEDD(SEQ ID NO:103)であるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R2ショート酸ボックスキメラ」と総称される);または少なくともFGFR3のショート酸ボックス、DDED(SEQ ID NO:104)であるが多くともD1-D2リンカー領域により置き換えられたFGFR4 ECD(「FGFR4 ECD R3ショート酸ボックスキメラ」と総称される)を含む。
【0100】
FGFR4 ECDについて上述した通り、FGFR4 ECDショート酸ボックスキメラは、シグナルペプチドを含んでもまたは欠いてもよい。FGFR4 ECDショート酸ボックスキメラは、配列LEASEEVE(SEQ ID NO:70)の全部もしくは一部がアミノ末端から欠失していてよく、かつ/または配列
の全部もしくは一部がポリペプチドのカルボキシ末端から欠失していてよい。例示的なFGFR4 ECDショート酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:108〜110より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR4 ECDショート酸ボックスキメラを含む。ある態様において、FGFR4 ECDショート酸ボックスキメラは、少なくとも1つのFGFR4 ECDグリコシル化突然変異を含む。
【0101】
FGFR4 ECDロング酸ボックス変種
FGFR4 ECDロング酸ボックス変種は、FGFR4野性型ロング酸ボックスと比べて増加した数の酸性アミノ酸残基をロング酸ボックス中に有するFGFR4 ECDの変種を含む。例示的なFGFR4 ECDロング酸変種は、限定されるものではないが、FGFR4 ECDのロング酸ボックス内の少なくとも2個の非酸性残基がそれぞれ酸性残基により置き換えられているFGFR4 ECDの変種;FGFR4 ECDのロング酸ボックス内の少なくとも1個の残基がFGFR1、FGFR2、またはFGFR3からの対応するアミノ酸残基により置き換えられているFGFR4 ECDの変種;FGFR4 ECDロング酸ボックス内の少なくとも1個の酸性残基が別の酸性残基により置き換えられているFGFR4 ECDの変種;最大3個の非酸性残基がFGFR4 ECDのロング酸ボックスから欠失しているFGFR4 ECDの変種;ならびにFGFR4 ECDロング酸ボックス内の酸性残基の総数がSEQ ID NO:1および2のアミノ酸103と104との間に挿入されている任意の酸性残基を含めて少なくとも7個であるFGFR4ロング酸ボックスの変種を含む。
【0102】
FGFR4 ECDロング酸ボックス変種の非限定的な例として、FGFR4 ECD 残基N104は、FGFR1の対応するD107残基により置き換えられており;FGFR4 ECD 残基P109は、FGFR1の対応するD112残基により置き換えられており;FGFR4 ECD 残基R113は、FGFR1の対応するE116残基により置き換えられており;FGFR4 ECD 残基S116は、FGFR1の対応するE119残基により置き換えられている。FGFR4 ECDロング酸ボックス変種の非限定的な例として、FGFR4 ECD 残基104〜114、
は、FGFR1 ECD 残基106〜117、
により置き換えられており;FGFR4 ECD 残基104〜114、
は、FGFR1 ECD 残基107〜117、
により置き換えられており;FGFR4 ECD 残基104〜110、NDDEDPK(SEQ ID NO:146)は、FGFR1 ECD 残基105〜113、EDDDDDDDS(SEQ ID NO:151)により置き換えられており;FGFR4 ECD 残基113〜116、RDPS(SEQ ID NO:147)は、FGFR1 ECD 残基116〜119、EEKE(SEQ ID NO:152)により置き換えられており;FGFR4 ECD 残基109〜113、PKSHR(SEQ ID NO:148)は、FGFR1 ECD 残基112〜116、DSSSE(SEQ ID NO:153)により置き換えられている。
【0103】
FGFR4 ECDについて上述した通り、FGFR4 ECDロング酸ボックス変種は、シグナルペプチドを含んでもまたは欠いてもよい。FGFR4 ECDロング酸ボックス変種は、配列LEASEEVE(SEQ ID NO:70)の全部もしくは一部がアミノ末端から欠失していよく、かつ/または配列
の全部もしくは一部がポリペプチドのカルボキシ末端から欠失していてよい。例示的なFGFR4 ECDロング酸ボックス突然変異タンパク質は、限定されるものではないが、SEQ ID NO:111〜119より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR4 ECDロング酸ボックス変種を含む。ある態様において、FGFR4 ECDロング酸ボックス変種は、少なくとも1つのFGFR4 ECDグリコシル化突然変異を含む。
【0104】
FGFR2 ECDショート酸ボックスキメラ
例示的なFGFR2 ECDショート酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、少なくともFGFR2酸ボックスがFGFR1ショート酸ボックスにより置き換えられているFGFR2 ECDを含む。ショート酸ボックスキメラの非限定的な例として、FGFR2 ECD 残基111〜118、DDEDDTDG(SEQ ID NO:155)は、FGFR1 ECD 残基105〜112、EDDDDDDD(SEQ ID NO:154)により置き換えられている。
【0105】
FGFR4 ECDについて上述した通り、FGFR2 ECDショート酸ボックスキメラは、シグナルペプチドを含んでもまたは欠いてもよい。さらに、FGFR2 ECDショート酸ボックスキメラは、1個またはそれ以上のアミノ酸残基がECDのアミノ末端および/またはカルボキシ末端から欠失し、FGF2に結合することができるFGFR2 ECDショート酸ボックスキメラを含む。非限定的な例示的なFGFR2 ECDショート酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:122およびSEQ ID NO:164より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR2 ECDショート酸ボックスキメラを含む。
【0106】
FGFR3 ECDショート酸ボックスキメラ
例示的なFGFR3 ECDショート酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、少なくともFGFR3酸ボックスがFGFR1ショート酸ボックスにより置き換えられているFGFR3 ECDを含む。ショート酸ボックスキメラの非限定的な例として、FGFR3 ECD 残基110〜117、GDDEDGED(SEQ ID NO:156)は、FGFR1 ECD 残基105〜112、EDDDDDDD(SEQ ID NO:154)により置き換えられている。
【0107】
FGFR4 ECDについて上述した通り、FGFR3 ECDショート酸ボックスキメラは、シグナルペプチドを含んでもまたは欠いてもよい。さらに、FGFR3 ECDショート酸ボックスキメラは、1個またはそれ以上のアミノ酸残基がECDのアミノ末端および/またはカルボキシ末端から欠失する、FGFR3 ECDショート酸ボックスキメラを含み、かつこのFGFR3 ECDショート酸ボックスキメラはFGF2に結合することができる。非限定的な例示的なFGFR3 ECDショート酸ボックスキメラは、限定されるものではないが、SEQ ID NO:123および165より選択されるアミノ酸配列を有するFGFR3 ECDショート酸ボックスキメラを含む。
【0108】
FGFR ECD融合分子
FGFR ECDおよび融合パートナーを含む、FGFR ECD融合分子が提供される。ある態様において、FGFR ECD融合分子は単離されている。
【0109】
融合パートナーおよび結合体
ある態様において、好ましい薬物動態および/または薬動力学をFGFR ECD融合分子に付与する、融合パートナーが選択される。例えば、ある態様において、FGFR ECD融合分子の半減期を、融合パートナーを有しない対応するFGFR ECDと比べて増加させる融合パートナーが選択される。分子の半減期を増加させることにより、より低い用量および/またはより少ない頻度の投与レジメンが、治療的処置に必要とされる場合がある。さらに、得られるFGFR ECD血清レベルの変動の低下は、FGFR ECDベースの治療の安全性および忍容性を改善する場合がある。
【0110】
融合パートナーの多くの異なる型が当技術分野において公知である。当業者は、意図される使用に従って適した融合パートナーを選択することができる。非限定的な例示的な融合パートナーは、ポリマー、ポリペプチド、親油性部分、およびスクシニル基を含む。例示的なポリペプチド融合パートナーは、血清アルブミンおよび抗体Fcドメインを含む。例示的なポリマー融合パートナーは、限定されるものではないが、分枝鎖および/または直鎖を有するポリエチレングリコールを含むポリエチレングリコールを含む。
【0111】
オリゴマー化ドメイン融合パートナー
種々の態様において、オリゴマー化は、融合タンパク質に、限定されるものではないが、多価性、結合強度の増加、および異なるドメインの組み合わされた機能を含むある機能的利点を提供する。したがって、ある態様において、融合パートナーは、オリゴマー化ドメイン、例えば、二量体化ドメインを含む。例示的なオリゴマー化ドメインは、限定されるものではないが、α-ヘリックスコイルドコイルドメインを含むコイルドコイルドメイン;コラーゲンドメイン;コラーゲン様ドメイン、およびある免疫グロブリンドメインを含む。ある例示的なコイルドコイルポリペプチド融合パートナーは、テトラネクチンコイルドコイルドメイン;軟骨オリゴマー基質タンパク質のコイルドコイルドメイン;アンジオポエチンコイルドコイルドメイン;およびロイシンジッパードメインを含む。ある例示的なコラーゲンオリゴマー化ドメインまたはコラーゲン様オリゴマー化ドメインは、限定されるものではないが、コラーゲン、マンノース結合レクチン、肺サーファクタントプロテインAおよびD、アディポネクチン、フィコリン、コングルチニン、マクロファージスカベンジャー受容体、およびエミリン中に見出されるものを含む。
【0112】
抗体Fc免疫グロブリンドメイン融合パートナー
融合パートナーとして使用することができる多くのFcドメインが当技術分野において公知である。当業者は、意図される使用に従って適切なFcドメイン融合パートナーを選択することができる。ある態様において、融合パートナーは、Fc免疫グロブリンドメインである。Fc融合パートナーは、天然に存在する抗体中に見出される野性型Fc、その変種、またはその断片であり得る。非限定的な例示的なFc融合パートナーは、ヒトIgG、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のヒンジならびにCH2定常ドメインおよびCH3定常ドメインを含むFcを含む。ある追加のFc融合パートナーは、限定されるものではないが、ヒトIgAおよびIgMを含む。ある態様において、Fc融合パートナーは、C237S突然変異を含む。ある態様において、Fc融合パートナーは、米国特許第6,900,292号に記載のP331S突然変異を有するヒトIgG2のヒンジ、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含む。ある例示的なFcドメイン融合パートナーを、SEQ ID NO:72〜74、170および171に示す。
【0113】
ある例示的なFGFR4 ECDを含むFGFR4 ECD融合分子は、限定されるものではないが、SEQ ID NO:5および11〜15のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。ある例示的なFGFR4 ECD酸性領域キメラを含むFGFR4 ECD融合分子は、限定されるものではないが、SEQ ID NO:86〜88および158のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。ある態様において、FGFR4 ECD融合分子は、SEQ ID NO:86のアミノ酸配列を含む。ある態様において、FGFR4 ECD融合分子は、SEQ ID NO:86のアミノ酸配列からなる。
【0114】
アルブミン融合パートナーおよびアルブミン結合分子融合パートナー
ある態様において、融合パートナーはアルブミンである。ある例示的なアルブミンは、限定されるものではないが、アルブミンが融合されるポリペプチドの血清半減期および/またはバイオアベイラビリティを増加させることができるヒト血清アルブミン(HSA)およびHSAの断片を含む。ある態様において、融合パートナーは、アルブミン結合分子、例えば、アルブミンを結合させるペプチドまたはアルブミンを結合させる脂質もしくは他の分子と結合する分子などである。ある態様において、HSAを含む融合分子は、米国特許第6,686,179号に記載の通り調製される。
【0115】
ポリマー融合パートナー
ある態様において、融合パートナーは、ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)である。PEGは、分枝鎖および/または直鎖を含むことができる。ある態様において、融合パートナーは、少なくとも1個のPEG成分が付着している、化学的に誘導体化されたポリペプチドを含む。ポリペプチドのペグ化は、当技術分野において公知の任意の方法により実施することができる。当業者は、特定のポリペプチドをペグ化する適切な方法を、ポリペプチドの意図される使用を考慮して選択することができる。ある例示的なPEG付着方法は、例えば、EP 0 401 384;Malik et al.,Exp.Hematol.,20:1028-1035(1992);Francis, Focus on Growth Factors,3:4-10(1992);EP 0 154 316;EP 0 401 384;国際公開公報第92/16221号;および国際公開公報第95/34326号を含む。非限定的な例として、アシル化反応またはアルキル化反応を介してペグ化を実施し、アシルまたはアルキル基を介して1個または複数個のPEG部分の付着をもたらすことができる。ある態様において、PEG部分は、1個または複数個のアミノ酸のα-アミノ基またはε-アミノ基を介してポリペプチドに付着しているが、当技術分野において公知の任意の他の結合点も企図される。
【0116】
アシル化によるペグ化は、典型的には、PEG部分の活性化エステル誘導体をポリペプチドと反応させることを含む。非限定的な例示的な活性化PEGエステルは、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)にエステル化されたPEGである。本明細書において使用されるアシル化は、限定されることなく、以下の、ポリペプチドおよびPEG:アミド、カルバメート、およびウレタンの結合型を含むことを企図される。例えば、Chamow,Bioconjugate Chem.,5:133-140(1994)を参照のこと。アルキル化によるペグ化は、典型的には、還元剤の存在下でPEG部分の末端アルデヒド誘導体をポリペプチドと反応させることを含む。非限定的な例示的な反応性PEGアルデヒドは、水安定性のPEGプロピオンアルデヒド、およびそのモノC1-C10アルコキシまたはアリールオキシ誘導体を含む。例えば、米国特許第5,252,714号を参照のこと。
【0117】
ある態様において、ペグ化反応は、ポリペグ化されたポリペプチドをもたらす。ある態様において、ペグ化反応は、モノペグ化、ジペグ化、および/またはトリペグ化されたポリペプチドをもたらす。当業者は、所望レベルのペグ化を達成するために適切なペグ化化学物質(pegylation chemistry)および反応条件を選択することができる。さらに、望ましいペグ化種は、とりわけ、透析、塩析、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、および電気泳動を含む当技術分野において公知の種々の精製技術を使用して、他のペグ化種および/または未反応の出発物質を含有する混合物から分離することができる。
【0118】
融合パートナーの例示的な付着
融合パートナーは、FGFR ECDのアミノ末端またはカルボキシ末端に、共有結合によりまたは非共有結合により付着していてもよい。付着は、アミノ末端またはカルボキシ末端以外のFGFR ECD内の位置においても、例えば、アミノ酸側鎖(例えば、システイン、リジン、ヒスチジン、セリン、またはトレオニンの側鎖など)を介して生じ得る。
【0119】
共有結合または非共有結合による付着の態様において、リンカーは、融合パートナーとFGFR ECDとの間に含めることができる。そのようなリンカーは、アミノ酸および/または化学物質部分で構成されてもよい。当業者は、使用される付着方法、FGFR ECD融合分子の意図される使用、およびFGFR ECDと融合パートナーとの間の所望の間隔に応じて適したリンカーを選択することができる。
【0120】
融合パートナーをFGFR ECDに共有結合により付着させる例示的な方法は、限定されるものではないが、融合パートナーとFGFR ECDとの単一のアミノ酸配列としての翻訳、ならびに融合パートナーのFGFR ECDへの化学的付着を含む。融合パートナーおよびFGFR ECDを単一のアミノ酸配列として翻訳させる場合、融合パートナーとFGFR ECDとの間にリンカーとして付加アミノ酸を含めることができる。ある態様において、リンカーは、グリシン-セリン(「GS」)である。ある態様において、リンカーは、単一発現構築物への融合パートナーおよび/またはFGFR ECDのクローニングを容易にするように、それをコードするポリヌクレオチド配列に基づき選択される(例えば、特定の制限部位を含有するポリヌクレオチドを、融合パートナーをコードするポリヌクレオチドとFGFR ECDをコードするポリヌクレオチドとの間に位置させることができ、制限部位を含有するポリヌクレオチドは短いアミノ酸リンカー配列をコードする)。
【0121】
融合パートナーおよびFGFR ECDを化学的手段により共有結合させる場合、典型的には、種々のサイズのリンカーを結合反応中に含めることができる。当業者は、例えば、融合パートナーのアイデンティティに応じておよびFGFR ECD融合分子について意図される特定の使用に応じて、融合パートナーをFGFR ECDに共有結合により付着させる適した方法を選択することができる。当業者は、所望により、適したリンカーの型および長さを選択することもできる。
【0122】
融合パートナーをFGFR ECDに非共有結合により付着させる例示的な方法は、限定されるものではないが、付着ペアを介した付着を含む。例示的な結合ペアは、限定されるものではないが、ビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジン、抗体およびその抗原などを含む。この場合も、当業者は、例えば、融合パートナーのアイデンティティに応じておよびFGFR ECD融合分子について意図される特定の使用に応じて、融合パートナーをFGFR ECDに非共有結合により付着させる適した方法を選択することができる。選択された非共有結合による付着法は、例えば、pH、塩濃度、および温度を考慮して、FGFR ECD融合分子が使用される条件に適しているべきである。
【0123】
本発明のポリペプチドをコードする核酸分子
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子が提供される。また、FGFR ECDおよび融合パートナーが単一ポリペプチドとして翻訳されるFGFR ECD融合分子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子が提供される。そのような核酸分子は、当業者が当技術分野において従来の組換えDNA技術を使用して構築することができる。
【0124】
ある態様において、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、本発明のFGFRポリペプチドのアミノ末端に翻訳される場合に融合されるシグナルペプチドをコードする、ヌクレオチド配列を含む。上述した通り、シグナルペプチドは、天然シグナルペプチド、FGFR1、FGFR2、FGFR3もしくはFGFR4のシグナルペプチドであり得、または別の異種シグナルペプチドであり得る。ある例示的なFGFRシグナルペプチドについてのアミノ酸配列を、例えば、SEQ ID NO:66〜69および75に示す。ある例示的なシグナルペプチドは、当技術分野において公知であり、例えば、Department of Biochemistry,National University of Singaporeにより管理されているオンラインSignal Peptide Database、http://proline.bic.nus.edu.sg/spdb/index.html(Choo et al.,BMC Bioinformatics,6:249(2005)も参照のこと);およびPCT公報国際公開公報第2006/081430号に記載されている。
【0125】
ある態様において、対象となる遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子は、選択された宿主細胞内での発現に適した発現ベクターである。
【0126】
本発明のタンパク質の発現および産生
ベクター
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。そのようなベクターは、限定されるものではないが、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどを含む。当業者は、発現されるポリペプチドおよび発現のために選択された宿主細胞に応じて、適したベクターを選択することができる。
【0127】
ある態様において、CHO-S細胞中またはCHO-S由来細胞中でのポリペプチドの発現に最適化されているベクターが選択される。例示的なそのようなベクターは、例えば、Running Deer et al.,Biotechnol.Prog.20:880-889(2004)に記載されている。
【0128】
ある態様において、ヒトを含む動物中での本発明のポリペプチドのインビボ発現用のベクターが選択される。そのようなある態様において、ポリペプチドの発現は、組織特異的な様式で機能するプロモーターの制御下にある。例えば、肝臓特異的プロモーターは、例えば、PCT公報国際公開公報第2006/076288号に記載されている。
【0129】
宿主細胞
本発明のポリペプチドは、種々の態様において、細菌細胞などの原核細胞中;または真菌細胞、植物細胞、昆虫細胞、および哺乳細胞などの真核細胞中で発現させることができる。そのような発現は、例えば、当技術分野において公知の手順に従って実施することができる。ポリペプチドを発現させるために使用することができる、ある例示的な真核細胞は、限定されるものではないが、Cos 7細胞を含むCos細胞;293-6E細胞および293-T細胞を含む293細胞;CHO-S細胞およびDG44細胞を含むCHO細胞;ならびにNS0細胞を含む。当業者は、発現されるポリペプチド、そのポリペプチドの所望の使用、および産生のスケール(例えば、実験室の使用については少量、または薬学的使用についてはより大きい量)に応じて、適した宿主細胞を選択することができる。ある態様において、特定の真核宿主細胞が、本発明のポリペプチドのある所望の翻訳後修飾を行うその能力に基づき選択される。例えば、ある態様において、CHO細胞は、293細胞中で産生される同一のポリペプチドよりも高いレベルのグリコシル化および/またはシアリル化を有するFGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質および/またはFGFR4 ECD融合分子を産生する。
【0130】
所望の宿主細胞中への核酸の導入は、限定されるものではないが、リン酸カルシウム形質移入、DEAE-デキストランにより媒介される形質移入、カチオン性脂質により媒介される形質移入、電気穿孔、形質導入、感染などを含む当技術分野において公知の任意の方法により達成することができる。ある例示的な方法は、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3
rd ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press (2001)に記載されている。核酸は、当技術分野において公知の方法に従って、所望の宿主細胞中に一過的または安定的に形質移入することができる。
【0131】
ある態様において、ポリペプチドは、当技術分野において公知の方法に従って、ポリペプチドをコードする核酸分子により遺伝子操作または形質移入された動物中でインビボで産生させることができる。
【0132】
FGFR ECDポリペプチドの精製
本発明のポリペプチドは、当技術分野において公知の種々の方法により精製することができる。そのような方法は、限定されるものではないが、親和性基質、イオン交換クロマトグラフィー、および/または疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用を含む。適した親和性リガンドは、FGFR ECDもしくは融合パートナーの任意のリガンド、またはそれに対する抗体を含む。例えば、プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、または抗体親和性カラムを使用してFc融合パートナーに結合させて本発明のポリペプチドを精製することができる。本発明のポリペプチドに対する抗体を使用して本発明のポリペプチドを精製することもできる。疎水性相互作用クロマトグラフィー、例えば、ブチルカラムまたはフェニルカラムも、あるポリペプチドの精製に適している場合がある。ポリペプチドを精製する多くの方法が当技術分野において公知である。当業者は、精製されるポリペプチドもしくは分子のアイデンティティに応じて、および精製のスケール(すなわち、産生されるポリペプチドまたは分子の量)に応じて、適した方法を選択することができる。
【0133】
治療用組成物
投与経路および担体
種々の態様において、本発明のポリペプチドは、限定されるものではないが、静脈内経路、動脈内経路、皮下経路、非経口経路、鼻腔内経路、筋肉内経路、心臓内経路、脳室内経路、気管内経路、頬側経路、直腸経路、腹腔内経路、皮内経路、局所経路、経皮経路、および鞘内経路を含む当技術分野において公知の種々の経路により、またはそうでなければ移植もしくは吸入により、インビボで投与することができる。本組成物は、限定されるものではないが、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、液剤、坐剤、浣腸剤、注射剤、吸入剤、およびエアゾールを含む固体形態、半固体形態、液体形態、またはガス状形態の調製物に製剤化することができる。本発明のポリペプチドをコードする核酸分子は、金微粒子上に被覆し、文献(例えば、Tang et al.,Nature 356:152-154(1992)を参照のこと)に記載の通り、粒子衝撃装置、または「遺伝子銃」により皮内送達することができる。当業者は、意図される適用に従って、適切な製剤および投与経路を選択することができる。
【0134】
種々の態様において、本発明のポリペプチドを含む組成物が、薬学的に許容される担体との製剤で提供され、広範な担体が当技術分野において公知である(例えば、Gennaro,Remington: The Science and Practice of Pharmacy with Facts and Comparisons:Drugfacts Plus,20th ed.(2003);Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th ed.,Lippencott Williams and Wilkins(2004);Kibbe et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,3
rd ed.,Pharmaceutical Press(2000)を参照のこと)。ビヒクル、アジュバント、担体、および希釈剤を含む種々の薬学的に許容される担体は、公に利用可能である。さらに、種々の薬学的に許容される助剤物質、例えば、pH調整剤および緩衝剤、張性調整剤、安定剤、湿潤剤なども公に利用可能である。ある非限定的な例示的な担体は、生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストローズ、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組合せを含む。当業者は、意図される使用に従って適した担体を選択することができる。
【0135】
種々の態様において、本発明のポリペプチドを含む組成物は、ポリペプチドを、所望により、従来の添加剤と、例えば、可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤および保存剤と、水性または非水性の溶媒、例えば、植物油または他の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステル、またはプロピレングリコール中で、溶解、懸濁または乳化させることにより注射用に製剤化することができる。種々の態様において、組成物は、例えば、許容される加圧噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などを使用して吸入用に製剤化することができる。組成物は、種々の態様において、生分解性または非生分解性のポリマーを有するなどの徐放性マイクロカプセルに製剤化することもできる。非限定的な例示的な生分解性製剤は、ポリ乳酸-グリコール酸ポリマーを含む。非限定的な例示的な非生分解性製剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含む。そのような製剤を作製するある方法は、例えば、EP 1 125 584 A1に記載されている。当業者は、当技術分野において公知の技術および成分を使用して、意図される投与経路に応じて適した製剤を選択することができる。
【0136】
本発明のポリペプチドの1回または複数回の用量をそれぞれ含有する1個または複数個の容器を含む、薬学的パックおよびキットも提供される。ある態様において、1種または複数種の追加の薬剤とともにまたは1種または複数種の追加の薬剤を有さずに本発明のポリペプチドを含む組成物の所定量を含有する、単位投与物が提供される。ある態様において、そのような単位投与物は、使い捨ての事前充填された注射用シリンジで供給される。種々の態様において、単位投与物中に含有される組成物は、生理食塩水もしくはスクロースなど、またはリン酸のような緩衝液などを含むこと;および/または安定かつ有効なpH範囲内で製剤することができる。または、ある態様において、組成物は、適切な液体、例えば、滅菌水を添加すると再構成することができる凍結乾燥粉末として提供することができる。ある態様において、組成物は、限定されるものではないが、スクロースおよびアルギニンを含む、タンパク質凝集を阻害する1種または複数種の物質を含む。ある態様において、本発明の組成物は、ヘパリンおよび/またはプロテオグリカンを含む。
【0137】
薬学的組成物は、規定の適応症の治療および/または予防に有効な量で投与される。有効量は、典型的には、治療される対象の体重、その対象の身体または健康状態、治療すべき病態の広がり、および/または治療される対象の年齢に依存する。一般に、本発明のポリペプチドは、1用量当たり約50μg/kg体重〜約30mg/kg体重の範囲の量で投与すべきである。任意で、本発明のポリペプチドは、1用量当たり約100μg/kg体重〜約20mg/kg体重の範囲の量で投与することができる。さらに任意で、本発明のポリペプチドは、1用量当たり約0.5mg/kg体重〜約20mg/kg体重の範囲の量で投与することができる。
【0138】
本発明のポリペプチドを含む組成物は、必要に応じて対象に投与することができる。投与頻度の決定は、当業者、例えば、担当医が、治療される病態、治療される対象の年齢、治療される病態の重篤度、治療される対象の全身健康状態などの考慮に基づき行うことができる。ある態様において、本発明のポリペプチドの有効用量は、対象に1回または複数回投与される。種々の態様において、本発明のポリペプチドの有効用量は、対象に少なくとも月に2回、1週間に1回、1週間に2回、または1週間に3回投与される。種々の態様において、本発明のポリペプチドの有効用量は、対象に少なくとも1週間、少なくとも1ヵ月間、少なくとも3ヵ月間、少なくとも6ヵ月間、または少なくとも1年間投与される。
【0139】
組合せ療法
本発明のポリペプチドは、単独で、または他の治療様式とともに投与することができる。本発明のポリペプチドは、他の治療様式、例えば、手術、化学療法、放射線療法の前に、実質的にそれと同時に、またはその後に、または治療用抗体などの生物工学物の投与の前に、実質的にそれと同時に、またはその後に提供することができる。
【0140】
FGFR ECDポリペプチドを使用して疾患を治療する方法
本明細書に記載の実験からの結果は、FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質は、FGF2および/またはFGF19を結合させるFGFR4の能力を保持することを示す。例えば、表3および4を含めて実施例8を参照のこと。したがって、それらのキメラは、天然FGFR4 ECDと同様の手法において種々の治療方法において使用することができる(例えば、米国特許出願公開第US2008/0171689号を参照のこと)。
【0141】
例えば、本発明のポリペプチドは、FGFRファミリーの1種または複数種のリガンド、例えば、FGF2および/またはFGF19に関連する疾患を治療するためにリガンドトラップとしてインビボで使用することができる。FGFR ECDポリペプチドリガンドトラップは、例えば、一連の癌および/または血管新生障害を治療するために使用することができる。ある態様において、FGFR ECDポリペプチドリガンドトラップは、融合パートナー、例えば、Fc、アルブミン、またはポリエチレングリコール(上述)を含む。
【0142】
ある態様において、FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質は、結腸癌を治療するために使用することができる。原発性結腸癌およびいくつかの結腸腫瘍細胞株においては、FGFR4とFGF19の両方の発現が検出されている(例えば、Desnoyers, Oncogene,27:85-97(2008);米国特許出願第20070248604号を参照のこと)。FGF19に対するモノクローナル抗体の投与は、2種のヒト結腸癌細胞株異種移植モデルにおいて腫瘍成長を顕著に低減させた(HCT116およびColo201;Desnoyersを参照のこと)。本明細書における実験は、FGFR4 ECD酸性領域キメラABMut1がHCT116異種移植モデルにおいて腫瘍成長を低減させたことを実証する。腫瘍成長の低減は、ABMut1投与後のColo201モデルにおいても見られた(データは示さず)。したがって、ある態様において、本発明のFGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質は、例えば、上記の通り、結腸癌を罹患する患者に投与することができる。ある態様において、FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質は、少なくとも1種の他の治療レジメンおよび/または薬剤とともに、結腸癌患者に投与することができる。
【0143】
FGFR4およびFGF19の発現は、肝臓および肺の腫瘍においても検出されている(例えば、Desnoyers,Oncogene,27:85-97(2008);米国特許出願公開第2007/0248604号を参照のこと)。FGF19に対するモノクローナル抗体は、FGF19-トランスジェニックマウス肝細胞癌腫モデルにおいて腫瘍量を低減させた(Desnoyersを参照のこと)。FGFR4の発現は、乳癌にも関与している(例えば、米国特許第7,297,774号を参照のこと)。エストロゲン受容体陽性乳癌における高いFGFR4 mRNAレベルは、第一選択治療としてのタモキシフェンについての患者における不十分な臨床利益と相関した(Meijer et al.,Endocr. Relat.Cancer.,15(1):101-11(2008))。したがって、FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質は、肝臓癌、浸潤する管癌および腺癌を含む乳癌、ならびに小細胞肺癌および非小細胞肺癌を含む肺癌を治療するために使用することもできる。
【0144】
FGFR1およびFGFR4の過剰発現は、前立腺癌においても検出されており、グレード5の癌がグレード1〜3の癌よりも大きい頻度の高レベルのタンパク質発現を伴う(Sahadevan et al.,J.Pathol.,213(1):82-90 (2007))。RNA干渉によるFGFR4の抑制は、前立腺癌細胞の増殖をインビトロで遮断した(同文献を参照のこと)。したがって、FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質は、前立腺癌を治療するために使用することもできる。
【0145】
FGFRリガンド、例えば、FGF2は、公知の血管新生の刺激因子である。したがって、FGFR ECDポリペプチドを血管新生障害、例えば、癌および/または黄斑変性症を罹患する患者に投与して血管新生を阻害することができる。本発明のFGFR ECDポリペプチドにより治療することができる追加の癌は、例えば、限定されるものではないが、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、肝転移、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎性癌、甲状腺癌、例えば、未分化甲状腺癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、膠芽細胞腫、および網膜芽細胞腫を含む、肉腫および癌腫を含む。また、本発明の範囲内の癌には、血液悪性腫瘍;前立腺癌;膀胱癌;膵臓癌;卵巣癌、唾液腺癌;下垂体癌;腎細胞癌;黒色腫;膠芽細胞腫;および網膜芽細胞腫を含む。
【0146】
増殖不良性の変化を含む腫瘍、例えば、過形成、化生、および異形成、さらに、例えば、子宮頸部、食道、および肺を含む上皮組織中に見出されるものなども、FGFR ECDポリペプチドにより治療、調節、または予防することができる。過形成は、構造または機能の顕著な変化を示さない、組織中または器官中の細胞数の増加を伴う制御された細胞増殖の形態である。例として、子宮内膜癌に先行して子宮内膜過形成が生じることが多い。化生は、ある型の成人細胞または完全に分化した細胞が別の型の成人細胞の代わりになる、制御された細胞増殖の形態である。化生は上皮または結合組織細胞中で生じ得る。異型化生は、いくぶん無秩序な化生上皮を伴う。異形成は多くの場合、癌の徴候であり、主に上皮中に見出され;異形成は、非新生物細胞成長の無秩序な形態であり、個々の細胞の均一性および細胞の構造的配向の損失を伴う。異形成は、慢性の過敏または炎症がある場所に特徴的に生じ、子宮頸部、気道、口腔、および胆嚢内で見出されることが多い。本発明により治療、調節または予防することができる良性腫瘍の他の例は、動静脈(AV)奇形、特に頭蓋内部位および筋細胞膜におけるものを含む。
【0147】
FGFは正常な骨形成に寄与し、骨間質環境において局所的に発現されるので、それらは骨転移の播種、成長、および生存に役割を果たし得る。FGFは骨形成に関与しており、前骨芽細胞の複製、骨芽細胞の分化、およびアポトーシスに影響を与える。したがって、癌、例えば、前立腺癌および乳癌における骨転移を治療するために、FGFR ECDポリペプチドを含む、FGF/FGFRの相互作用を遮断する薬剤を使用することができる。そのような薬剤は、局所的な骨芽細胞の転換事象を阻害するだけでなく、癌の骨転移の最初の播種、成長、および生存も阻害する。
【実施例】
【0148】
以下に記述する実施例は、単に本発明の例示であることを意図し、いかなる様式においても本発明を限定するものと見なすべきではない。実施例は、以下の実験が、実施した実験の全てであるということまたは実施した実験のみであるということを示すことを意図しない。使用した数(例えば、量、温度など)に関して精度を保証する努力はなされているが、ある程度の実験誤差および偏差を考慮すべきである。特に示さない限り、部は重量による部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度の温度であり、圧力は大気圧またはその付近の圧力である。
【0149】
実施例1:あるFGFR4 ECD-Fc融合分子の構築
本実施例において使用するR1Mut4融合タンパク質のクローニング、発現および精製は、既に記載されている(国際公開公報第2007/014123号)。本実施例において使用する親FGFR4 ECD-Fc融合タンパク質のクローニングも記載されている(国際公開公報第2007/014123号、「R4Mut4」と呼ばれる)。293-6E細胞中での一過的発現のため、R4Mut4をベクターpTT5(Biotechnology Research Institute,Montreal,Canada)中にクローニングし、このベクターから発現させた。R4Mut4融合タンパク質のキメラは、PCR技術および従来の突然変異誘発技術を使用して構築した。R4Mut4キメラは、293-6E細胞内での一過的発現のため、最初に哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1(Invitrogen)中にクローニングした。
【0150】
親R4Mut4構築物中のFGFR4部分の一次配列およびドメイン構造を
図1に示す。第1の免疫グロブリン(Ig)ドメインと第2の免疫グロブリン(Ig)ドメインとの間のアミノ酸のストレッチ(アミノ酸98〜124)は、本明細書において交換可能に「リンカードメイン」「リンカー領域」、「D1-D2リンカー」、および「D1-D2リンカー領域」と示す(
図1を参照のこと)。リンカードメイン内には、FGFRファミリー内に見出される「酸ボックス」(「AB」)と呼ばれるより小さい領域が存在する。R4Mut4リンカードメイン内の領域がFGFR1リンカードメインからの対応する配列により置き換えられている、親R4Mut4の3種のキメラを構築した。
図2は、FGFR1およびFGFR4からのリンカードメインの配列アラインメントならびに構築したABMut1、ABMut2、およびABMut3(
図1を参照のこと)と呼ばれる3種の変種におけるスワッピング領域の境界および配列を示す。表1は、本実施例において使用する種々のFGFR-Fc融合タンパク質を名称および簡単な説明とともに列記する。
【0151】
(表1)FGFR-Fc融合タンパク質
【0152】
CHO-S宿主細胞は、293-6E宿主細胞と比較した場合、より高い収量および/または異なるグリコシル化パターンを組換えタンパク質に与えることができる。CHO-S宿主細胞中での融合タンパク質の発現のため、本発明者らは、pTT5ベクターおよびpDEF38(ICOS Corporation,Bothell,WA)ベクターを使用した。R4Mut4およびFGFR4 ECD-Fc酸性領域突然変異タンパク質は、PCR技術および従来のサブクローニング技術を使用してpTT5ベクター中およびpDEF38ベクター中にサブクローニングした。
【0153】
DG44(Invitrogen,Carlsbad,CA)は、本発明者らが組換えタンパク質のより高い収量を与えることができることを見出した、CHO-S細胞株の派生細胞株である。DG44宿主細胞中での融合タンパク質の発現のため、本発明者らはベクターpDEF38を使用した。
【0154】
実施例2:293-6E細胞中およびCHO-S宿主細胞中での融合タンパク質の一過的発現
本明細書のある実施例において、融合タンパク質を293-6E細胞中で一過的に発現させた。実施例1に記載のR4Mut4/pTT5発現ベクターは、293-6E宿主細胞中での一過的発現を提供するように設計した。発現に使用する293-6E宿主細胞は、Free-Style培地(Invitrogen)中での血清不含懸濁培養に事前に適合させた。細胞が9×10
5個/ml〜1.2×10
6個/mlの細胞密度において対数増殖期(log期増殖)である間に、細胞に発現ベクターを形質移入した。
【0155】
500mlの293-6E細胞懸濁液に形質移入するため、25mlの滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の500マイクログラム(μg)の発現ベクターDNAを、25mlの滅菌PBS中の1mgのポリエチレンイミン(滅菌水中の1mg/ml溶液から)と混合することにより、形質移入混合物を作製した。この形質移入混合物を、室温において15分間インキュベートした。インキュベートした後、形質移入のため、形質移入混合物をlog期増殖中の293-6E細胞に添加した。次いで、細胞および形質移入混合物を37℃、5%CO
2中で24時間インキュベートした。インキュベートした後、Trypton-N1(Organotechnie S.A.,La Courneuve,France;滅菌FreeStyle培地中の20%溶液)を0.5%(v/v)の最終濃度まで添加した。細胞が約3〜4×10
6個の細胞/mlの密度に達し、>80%の生存度を示すまで、混合物を37℃および5%CO
2において約6〜8日間維持した。融合タンパク質を細胞培養用培地から収集するために、細胞を400×gにおいて4℃で15分間ペレット化し、上澄みをデカントした。3315×gにおいて4℃で15分間遠心分離することにより、上澄みを細胞片から取り出した。次いで、融合タンパク質を含有する、取り出した上澄みを精製に供した。
【0156】
インビボ実験のためのR4Mut4の小バッチ(1〜2mg)を短時間で提供するため、プラスミド構築物R4Mut4/pDEF38を使用して懸濁CHO-S宿主細胞からの一過的産生を実施した。簡単に述べると、懸濁CHO-S細胞(Invitrogen)を、L-グルタミン(Invitrogen)を補ったFreestyle CHO発現培地中で培養した。形質移入の前日にCHO-S細胞を約5×10
5個/mlの密度において振盪フラスコ中に播種し、次いで形質移入の日に約1×10
6個/mlの密度に達した。125mlの細胞懸濁液に形質移入するため、156.25μgの発現ベクターDNAを2.5mlのOptiPro血清不含培地と混合した。156.25μlのFreestyleMax形質移入試薬(Invitrogen)を、2.5mlのOptiPro血清不含培地と別個に混合した。形質移入混合物を、DNA/OptiPro培地混合物およびFreestyleMax/Optipro培地混合物を室温において10分間合わせることにより作製した。インキュベートした後、形質移入混合物をCHO-S細胞に添加した。次いで、細胞および形質移入混合物を37℃において5%CO
2中で6日間インキュベートした。インキュベートした後、細胞密度は約3.3〜3.7×10
6個/mlであり、生存度は約82〜88%であった。培養物からの上澄みを遠心分離により細胞から分離し、精製のため回収した。この方法を使用して、1mgのR4Mut4を400 mlの一過的に形質移入した細胞培養物から約1週間で産生させることができる。
【0157】
R4Mut4変種ABMut1、ABMut2、およびABMut3は、以下に示す場合、実施例1に記載のpDEF38発現ベクターを使用するCHO-S細胞中での一過的発現により同様に産生させた。
【0158】
実施例3:発現したタンパク質の精製
組合せ宿主細胞から発現させたFGFR ECD-Fc融合タンパク質を、第1の精製工程のプロテイン-Aアフィニティークロマトグラフィー、次いで第2の精製工程のブチル疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用して細胞培養物の上澄みから精製した。プロテイン-Aアフィニティークロマトグラフィー工程のため、培地の成分を、融合分子のFc領域に結合するMabselectプロテイン-A Sepharoseカラム(GE Healthcare Bio-Sciences,Piscataway,NJ)上で分離した。カラムを10mMのTris、100mMのNaCl、pH8.0の10カラム容量の滅菌緩衝液により平衡化し;次いで細胞培養物の上澄みをカラムにアプライした。カラムを8カラム容量の滅菌10mMのTris、100mMのNaCl緩衝液、pH8.0により洗浄した。次いで、R4Mut4を含む結合した物質を、7カラム容量の溶出緩衝液(100mMのグリシン、100mMのNaCl、pH2.7)を使用する一工程の溶出により10ml/分の速度において溶出させた。10mlの画分を、1mlの1M Tris pH8.0(Ambion,Austin,TX)を含有する試験管中に回収して溶出物を中和した。R4Mut4を含む画分をゲル電気泳動により同定し、プールした。
【0159】
第2の精製工程のブチル疎水性相互作用クロマトグラフィーのため、プールしたプロテイン-Aカラム溶出物を、GE Healthcare Akta Purifier 100(GE Healthcare Bio-Sciences,Piscataway,NJ)を使用してブチルSepharoseカラム上でさらに精製した。カラムを最初に5カラム容量の滅菌10mMのTris、1Mの硫酸アンモニウム、pH8.0により平衡化した。次いで、半容量の3M硫酸アンモニウムを溶出物に添加し、次いで、平衡化したブチルSepharoseカラムにアプライした。カラムを4カラム容量の平衡化緩衝液により洗浄し、結合した物質を、20カラム容量の全量について、50%平衡化緩衝液/50%溶出緩衝液(10mMのTris pH8.0)において開始し、90%溶出緩衝液/10%平衡化緩衝液において終了する直線勾配により、5ml/分の速度において溶出させた。最後に、追加の2カラム容量の100%溶出緩衝液を使用した。14mlの画分を回収した。R4Mut4を約40〜60%の溶出緩衝液により溶出させた。R4Mut4のバルクを含有する画分をゲル電気泳動により同定し、プールした。
【0160】
精製した後、エンドトキシンレベルをカブトガニアメーバ様細胞溶解物(LAL)アッセイ法(Cambrex,Walkersville,MD)により確認した。エンドトキシンレベルは、1mgのR4Mut4当たり1エンドトキシン単位(EU)以下になるように確保した。
【0161】
実施例4:DG44細胞中での安定的産生
R4Mut4の安定的産生のため、実施例1に記載の発現ベクターR4Mut4/pDEF38を使用してDG44宿主細胞に形質移入した。形質移入していないDHFR陰性CHO細胞株DG44を、8mMのL-グルタミン、1×ヒポキサンチン/チミジン(HT;Invitrogen)、および18ml/LのPluronic-68(Invitrogen)を補ったCHO-CD血清不含培地(Irvine Scientific, Irvine, CA)中で培養した。約50μgのR4Mut4/pDEF38プラスミドDNAを、制限酵素PvuIによる消化により線状にし、次いでエタノールの添加により沈殿させ、短時間風乾させ、次いで400μlの滅菌蒸留水中に再懸濁した。形質移入の前日にDG44細胞を約4×10
5個/mlの密度において振盪フラスコ中に播種し、形質移入の日に約0.8×10
6個/mlの密度に達した。細胞を遠心分離により収集し、形質移入当たり約1×10
7個の細胞を使用した。
【0162】
形質移入のため、各細胞ペレットを0.1mlのNucleofector V溶液中に再懸濁し、Amaxa Nucleofectorキュベット(Amaxa,Cologne,Germany)に移した。約5μgの再懸濁した線状化プラスミドDNAを添加し、キュベット中で懸濁したDG44細胞と混合した。次いで、プログラムU-024を使用するAmaxa Nucleofector Device IIにより細胞を電気穿孔した。電気穿孔した細胞をCHO-CD培地中で2日間培養し、次いで選択培地(8mMのL-グルタミンおよび18ml/LのPluronic-68を補ったCHO-CD血清不含培地)中に移した。選択培地を週に1回交換した。約12日後、1μg/mlのR3 Long IGF I成長因子(Sigma, St. Louis, MO)を培地に添加し、培養をコンフルエントになるまでもう1週間継続した。安定的に形質移入した細胞株のプールからの上澄みをサンドイッチ型R4Mut4 ELISAによりアッセイして産生力価を求めた。この形質移入法は、安定的に形質移入した細胞のプールから約30μg/mlのR4Mut4の発現レベルをもたらした。
【0163】
実施例5.インビトロでの肝細胞への結合
予備実験は、R4Mut4が異種移植モデルにおいて抗腫瘍特性を有することを実証したが、マウスの尾静脈中に注射した場合の最初の血清濃度降下が極めて早いことを示した(データは示さず)。引き続いての実験は、FGFR1 ECD融合タンパク質R1Mut4とは異なり、R4Mut4が、インビトロで細胞外基質Matrigelに濃度依存的様式で結合することを実証した。例えば、
図6および実施例9を参照のこと。R4Mut4がインビボで肝臓に結合しているかどうかを確認するため、さらなるインビトロ結合実験を行ってR4Mut4およびR1Mut4が肝細胞に結合するかどうか決定し、さらにはその結合のヘパリン感受性も求めた。
【0164】
R4Mut4およびR1Mut4は、実施例2および3に記載の通り、CHO-S細胞から発現させ、精製した。本実験のため、R4Mut4の3種の異なるバッチを試験し;各バッチを、独立に発現させ、精製した。ヒトIgG1対照タンパク質は、Caltag(現在はInvitrogenの一部門)から入手した。
【0165】
肝細胞は、成体ラットから単離した。ラットをイソフルランにより麻酔し、この動物を加熱エレメントにより可能な限り約37℃で飼育した。正中切開を行い、臓器を腔から摘出して門脈にアクセスした。門脈に、ブルドッグ鉗子により固定したバタフライカテーテルをカニューレ挿入した。ポンプを8ml/分においてCa
2+またはMg
2+を有さず、10mMのHepes、0.5mMのEGTA、50μg/mlのゲンタマイシンを有するハンクス平衡塩溶液、pH7.38により開始した。次いで、下大静脈(IVC)を肝臓約2cm下部で切開し、心臓を切開することにより出口点を作製した。この流れは、40ml/分に調整し、潅流の明確な徴候が観察されたら、IVCを肝臓とIVCの後方切開部との間でクランプ固定した。4分後、Liver Digest medium (Invitrogen)を潅流ラインに添加した。両方の溶液を一緒に30秒間潅流させ、次いでハンクス平衡塩溶液を停止させた。次いで、Liver Digest mediumの流速を20ml/分に低下させ、潅流を約10分間継続した。肝臓を切除し、各葉の被膜に小さい細隙を作った。肝臓をビーカー頂部に固定した滅菌ガーゼ上に置き、Liver Digest mediumを使用して肝細胞をビーカー中に継続的にリンスしながら穏やかに巻きつけた。
【0166】
肝細胞を含有する培地を、50mlのコニカル試験管中に注ぎ、400rpmにおいて約2分間遠心分離した。培地を吸引除去し、25mlの培養培地(Williams培地E(Sigma)、100IU/mlのペニシリン(Cellgro)、100μg/mlのストレプトマイシン(Cellgro)、1×ITS(インスリン、トランスフェリンおよび亜セレン酸ナトリウム、Sigma製)および10%FBS(Cellgro))を試験管の半分に添加し、細胞を再懸濁した。次いで、再懸濁させた細胞を残りの試験管中にデカントし、培養培地の容量を各試験管中で50mlにした。試験管を上記の通り再度遠心分離し、デカント工程を繰り返した。次いで、細胞を氷冷染色緩衝液(1%ウシ血清アルブミン(BSA;w/v)および0.1%NaN
3(w/v)(両方ともSigma製)を補ったCa
2+およびMg
2+不含PBS(Invitrogen))中で、1ml当たり500,000個の細胞の濃度において再懸濁した。次いで、肝細胞を5μg/mlのR1Mut4、R4Mut4、または対照ヒトIgG1と30分間インキュベートした。ヘパリンが存在する試料において、R1Mut4、R4Mut4、または対照ヒトIgG1を10倍モル過剰のヘパリンナトリウム(ブタ腸粘膜由来、カタログ#086K2231、Sigma)とプレインキュベートしてから肝細胞と混合した。
【0167】
細胞を融合タンパク質または対照IgG1と、ヘパリンとともにまたはヘパリン無しでインキュベートした後、染色緩衝液中で洗浄し、5μg/mlのビオチン化ヤギ抗ヒトFc(Becton Dickinson)と氷上で30分間インキュベートした。次いで、細胞を染色緩衝液中で洗浄し、1μg/mlのストレプトアビジン-APC結合体(Becton Dickinson)と氷上で30分間インキュベートした。細胞を染色緩衝液により再度洗浄し、次いで0.5μg/mlのヨウ化プロピジウム(Sigma)により染色した。ヨウ化プロピジウムを吸収した非生細胞を、フローサイトメトリー分析において生細胞のみが含まれるようにゲートアウトした。生細胞をAPC蛍光のために定量した。
図3に示す通り、本実験においてR4Mut4は対照IgG1またはR1Mut4よりも10倍多いラット肝細胞への結合を示した。さらに、R4Mut4の3種全てのバッチがラット肝細胞を同様の親和性で結合させ、このことは、ラット肝細胞に対するR4Mut4の高い親和性が特異な発現または精製条件に起因しないことを示す。最後に、本実験においてヘパリンの添加はR4Mut4の肝細胞への結合を防止した。
【0168】
実施例6.ヘパリンはインビボで血漿中のR4Mut4のCmaxを増加させる。
実施例5に記述された実験は、R4Mut4が肝細胞に結合することおよびヘパリンがその結合を干渉することができることを実証した。ヘパリンが血清中に存在するR4Mut4の量をインビボで増加させることができるかどうかを試験するため、R4Mut4を外因性ヘパリンとともにおよび外因性ヘパリン無しでマウスに投与し、血清中のR4Mut4の量を注射後の異なる時点においてELISAにより分析した。本実験において注射したR4Mut4は、実施例2および3に記載の通りCHO-S細胞から発現させ、精製した。
【0169】
30匹の雄Balb/Cマウス(Jackson Laboratories,Bar Harbor,ME)を秤量し、それぞれ体重の無作為分布に基づき15匹のマウスの2群に分けた。第1群のマウスに、全量0.5mlのPBS(Cellgro,Herndon,VA)中の3mg/kgのR4Mut4を静脈内注射した(尾静脈を介する)。第2群のマウスに、IV投与30分〜2時間前に5mg/kgのヘパリンナトリウム(ブタ腸粘膜由来、Sigma)と予備混合した3mg/kgのR4Mut4を静脈内注射した(尾静脈を介する)。
【0170】
マウスからの血液をIV投与後の6つの異なる時点、約2分、2時間、8時間、1日、4日、および6日において採取した。血液は、各マウスから2回のみ採取し、第1の採取は眼窩後出血により、第2の採取は最終的な心臓穿刺によるものであった。各IV群からの15匹のマウスを5匹の3つの下位群にさらに分割した。第1下位群は、2分および2時間において血液を採取するために使用した。第2下位群は、24時間および4日において血液を採取するために使用した。第3下位群は、8時間および6日において血液を採取するために使用した。
【0171】
眼窩後出血は、ヘパリン被覆毛細管(Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)に通してK
2-EDTA被覆管(BD Biosciences;San Jose,CA)中に採取し、湿潤氷上に約30分間置き、次いで10,621×g(10,000rpm)において微量遠心管中で8分間回転させた。第2の最終出血を、未被覆注射器に通してK
2-EDTA被覆管(BD Biosciences)中に採取し、次いで上記の通りに処理した。遠心分離した後、血漿を除去し、ELISAにより分析するまで-80℃において冷凍した。
【0172】
血漿試料中のR4Mut4の検出のため、FGF2結合活性のためのダイレクトELISAを使用した。簡単に述べると、Maxisorp 96ウェルプレート(Nunc,Rochester,NY)をPBS(Mediatech,Herndon,VA)中の組換えヒトFGF2(PeproTech,Rocky Hill,NJ)により、1μg/mlにおいて4℃で一晩被覆した。次いで、プレートをブロッキング緩衝液(PBS中1%BSA(Sigma))により室温において2〜3時間ブロッキングした。プレートを洗浄緩衝液(PBS中0.05%Tween-20(v/v;Sigma))により6回洗浄した。試験試料の種々の希釈物およびR4Mut4基準物を、各試料中5%血漿の一定の最終濃度で作製した。100μlの試験試料を各ウェルに添加し、次いで室温において約90分間インキュベートした。プレートを洗浄緩衝液により6回洗浄し、次いでアッセイ希釈液(PBS中1%BSAおよび0.05%Tween-20)中で1:60,000に希釈したペルオキシダーゼ結合AffiPureヤギ抗ヒトIgG-Fc抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories,West Grove,PA)を各ウェルに添加し、室温において約1時間インキュベートした。プレートを洗浄緩衝液により6回洗浄した。次いで、1ウェル当たり100μlのTMB基質(Pierce Biotechnology,Chicago,IL)を添加し、10分間インキュベートした。反応を50μlの停止溶液(2N H
2SO
4)によりクエンチングした。次いで、450nmにおける吸光度をSPECTRAmax PLUSマイクロプレートリーダー(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)上で読み取った。
【0173】
本実験からの6つの時点全てについての結果を表2に示し、最初の4つの時点を
図4にグラフとして示す。
【0174】
(表2)R4Mut4血清レベル
【0175】
これらの結果は、本実験において、ヘパリンのR4Mut4との同時投与により、R4Mut4を単独で投与した場合と比較して血漿中の最大R4Mut4濃度(C
max)が2分の時点において約9倍、および2時間の時点において約7倍増加することを実証している。2つの曲線は、8時間の時点において合わさる。それらのデータは、本実験において、ヘパリンが血清中に遊離しているR4Mut4の量を増加させるが、保護が8時間で失われることを示す。事前の報告は、ヘパリンがインビボで短い半減期(約45〜60分;Bjornsson and Levy,J. Pharmacol.Exp.Ther.(1979)210:243-246を参照のこと)を有することを示しており、本実験においてこれがヘパリンの保護効果の持続時間において役割を果たし得る。
【0176】
実施例7.インビトロでのFGFR ECD-Fcの細胞外基質成分への結合
4種のFGFR ECD-Fc融合タンパク質のそれぞれの細胞外基質成分(ECM)への結合能を特性決定するため、インビトロ結合実験を行った。本実験のため、野性型FGFR1 ECD-Fc、FGFR2 ECD-Fc、FGFR3 ECD-FcおよびFGFR4 ECD-Fc融合タンパク質をR&D Systems (Minneapolis,MN)から購入した。
【0177】
96ウェルMatrigelプレート(Becton-Dickinson)をBSA(Sigma)の1%(w/v)溶液によりブロッキングした。FGFR ECD-Fc融合タンパク質を段階希釈し、Matrigelプレートに移し、室温において1時間結合させた。未結合の融合タンパク質をPBS(EMD Biosciences;La Jolla,CA)および0.5%Tween(v/v;Sigma)により3回洗浄することにより除去した。結合した融合タンパク質を、製造業者の説明書に従ってペルオキシダーゼが結合している抗ヒトFc抗体(Bethel Laboratories,Montgomery,TX)およびOPD(o-フェニレンジアミン二塩酸塩)基質(Sigma)を使用して検出した。FGFR4 ECD-Fcは、本実験においてMatrigelプレートに約300ng/mLのEC
50でタイトに結合した。
図5を参照のこと。FGFR1 ECD-Fc、FGFR2 ECD-Fc、およびFGFR3 ECD-Fcは全て、FGFR4 ECD-Fcよりも顕著に弱いMatrigelプレートへの結合を示し、本実験において10,000ng/mlの濃度においても最大半量の結合は観察されなかった。
図5を参照のこと。
【0178】
実施例8.FGFR4 ECD酸性領域キメラ-Fc融合タンパク質はFGF2およびFGF19に結合する。
組織結合を低減させ、薬物動態プロファイルを改善するため、3種のFGFR4 ECD酸性領域キメラをFcに融合させ、293-6E細胞中で発現させ、精製した。さらに、D1またはD1+酸ボックス領域が欠失している2種のFGFR4 2Ig ECD-Fc融合タンパク質を構築し、発現させ、精製した。
【0179】
親R4Mut4および5種の異なるFGFR4 ECD-Fc融合タンパク質(まとめて「R4タンパク質」)のFGF2およびFGF19リガンド結合親和性ならびに動態は、Biacore(登録商標)X表面プラズモン共鳴(SPR)技術(Uppsala,Sweden)を使用して求めた。FGF2は、それが成人組織中で広く発現され、癌の進行および血管新生に関与しているので選択した。FGF19は、他のタンパク質補助因子の不存在下で、それがFGFR4に特異的に結合するので選択した。簡単に述べると、製造業者の説明書に従ってプロテイン-AをCM5チップに共有結合させた。R4タンパク質を実施例2に記載の通り293-6E宿主細胞中で産生させ、実施例3に記載の通り精製し、次いでFcドメインとプロテイン-Aとの相互作用によりチップに結合させた。フローチャネル1を参照として機能させる一方、R4タンパク質をフローチャネル2〜4上に捕捉した。FGF2はPeprotech(Rocky Hill,NJ)から購入し、FGF19はR&D Systemsから購入した。各FGFリガンドを5つの濃度(100nM、25nM、6.25nM、1.56nM、および0nM)において2分間注射し、解離を4分間モニタリングした。50uMヘパリンをランニング緩衝液中に含めた。FGF2およびFGF19に対するR4タンパク質のそれぞれの会合定数、解離定数、親和性、および結合能は、1:1結合モデルを使用するBiacore T100 Evaluationソフトウエアパッケージを使用して算出した。
【0180】
本実験の結果を表3および4に示す。
【0181】
(表3)FGF2リガンド結合
【0182】
(表4)FGF19リガンド結合
【0183】
表3および4に示す通り、3種のキメラABMut1、ABMut2、およびABMut3は、本実験において、FGF2とFGF19の両方について、平衡解離定数(K
D)により測定した親R4Mut4と同じまたはそれ以上の親和性を有した。
【0184】
さらに、D1が欠失しているFGFR4 ECD-Fc融合タンパク質は、本実験において、D1-D2リンカー領域の存在(R4(2Ig+L))下または不存在(R4(2Ig-L))下のいずれにおいても、平衡解離定数(K
D)により測定した親R4Mut4と同じまたはそれ以上の親和性でFGF2を結合させた。本実験において、D1の欠失により、FGF19への結合が、D1-D2リンカー領域(R4(2Ig+L))の存在下で約10倍、D1-D2リンカー領域(R4(2Ig-L))の不存在下で約5倍低減した。
【0185】
これらの結果は、本実験において、試験したR4タンパク質の全てがFGF2および/またはFGF19への結合能を保持するが、D1欠失タンパク質は親または酸性領域キメラよりも弱いFGF19への結合を示すことを示す。
【0186】
実施例9.インビトロでのFGFR4 ECD酸性領域キメラ-Fc融合タンパク質の細胞外基質(ECM)成分への結合
FGFR4 ECD酸性領域キメラのECMへの結合能を特性決定するためのインビトロ結合実験を行った。FGFR4-Fc酸性領域キメラ-Fc融合タンパク質を実施例2に記載の通り293-6E細胞中で発現させ、全てを実施例3に記載の通り精製した。親R4Mut4は、実施例2に記載通りCHO細胞中で発現させ、これも実施例3に記載の通り精製した。
【0187】
結合実験を実施例7に記載の通り実施し、結果のグラフ表示を
図6に示す。本実験において、親R4Mut4は、Matrigelプレートに約100ng/mlのEC
50で結合した。3種全てのFGFR ECD酸性領域キメラ-Fc融合タンパク質が、本実験において、10,000ng/mlの濃度までMatrigelプレートへの最小の結合を示した。したがって、本実験において、FGFR4 ECDの対応する領域から、FGFR1 D1-D2リンカー、FGFR1エキソン4、またはFGFR1酸ボックス領域への置換により、FGFR4 ECDのインビトロ細胞外基質結合が見られなくなった。
【0188】
実施例10.インビトロでのFGFR4 ECD酸性領域キメラ-Fc融合タンパク質の肝細胞への結合
FGFR4 ECD酸性領域キメラ-Fc融合タンパク質ABMut1、ABMut2およびABMut3を、それらの肝細胞結合能について試験した。融合タンパク質を実施例2に記載の通り293-6E細胞中で発現させ、実施例3に記載の通り精製した。R1Mut4タンパク質およびR4Mut4タンパク質を実施例2に記載の通りCHO-S細胞中で発現させ、実施例3に記載の通り精製した。ヒトIgG1対照タンパク質をCaltagから入手した。
【0189】
肝細胞結合実験を実施例5に記載の通り実施し、結果のグラフ表示を
図7に示す。本実験において、3種全てのFGFR4 ECD酸性領域キメラ-Fc融合タンパク質が、R1Mut4と等価であり、親R4Mut4と比較してかなり低減した肝細胞結合を示した。
【0190】
実施例11.マウスにおけるFGFR4 ECD酸性領域キメラ-Fc融合タンパク質の薬物動態
ABMut1の薬物動態特性を、インビボで親R4Mut4と比較した。両タンパク質を実施例2に記載の通りCHO-S細胞中で発現させ、実施例3に記載の通り精製した。
【0191】
40匹の雌Balb/Cマウス(Charles River Laboratories, Wilmington, MA)を秤量し、体重の無作為分布に基づき20匹のマウスの2群に分けた。第1群のマウスはR4Mut4を受容し、第2群のマウスはABMut1を受容した。各マウスは、体重1キログラム当たり5mgのタンパク質を全量0.2mlのPBS(Cellgro)中で尾静脈を介する静脈内注射を介して受容した。
【0192】
血漿をIV投与後の9つの異なる時点、約2分、30分、2時間、7時間、1日、2日、3日、5日、および7日において採取した。血液を各マウスから2回または3回採取し、最初の1回または2回の採取は眼窩後出血により、最後の採取は最終的な心臓穿刺によるものであった。各処置群からの20匹のマウスを、5匹のマウスの4つの下位群にさらに分割した。各群を表5に示す時間において採血した。
【0193】
(表5)試料採取時間および方法
【0194】
血漿血清を採取し、R4Mut4およびABMut1タンパク質レベルを実施例7に記載の通りダイレクトFGF2結合ELISAにより求めた。結果を
図8に示し、ある薬物動態パラメーターを表6に挙げる。結果は、FGFR4 ECDのD1-D2リンカーをFGFR1 D1-D2リンカーにより置き換えると、投与したタンパク質の半減期(t
1/2)が126%増加し、観察される最大血漿濃度(C
max)が183%増加し、クリアランス時間(CL)が302%増加することを示す。ABMut1の改善された薬物動態プロファイルは、それが治療濃度において親R4Mut4分子よりも長く血液中に存在することを示す。
【0195】
(表6)R4Mut4およびABMut1の薬物動態パラメーター
【0196】
実施例12.HCT116sc癌異種移植モデルにおける活性
親R4Mut4およびABMut1の抗癌活性を、ヒト結腸癌HCT116sc細胞を使用する異種移植結腸癌モデルにおいて試験した。HCT116sc細胞株は、皮下HCT116腫瘍から単離され、標準的な細胞培養および異種移植技術を使用してより安定したインビボ成長について選択されたHCT116結腸癌細胞株(ATCC,Manassas,VA)の下位株である。異種移植実験用のHCT116sc細胞を調製するため、細胞を、10%FBS(容量/容量)、2mMのL-グルタミン、100IU/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシン(全てCellgro製)を補ったRPMI 1640培地中で37℃において5%CO
2を有する加湿雰囲気中で5代継代培養した。セミコンフルエント細胞(約80%)を、カルシウムおよびマグネシウムを有しないPBS(Cellgro)中で1ml当たり1×10
8個の細胞の濃度において再懸濁した。Matrigel基底膜基質(BD Biosciences)を50%(容量/容量)まで添加して1ml当たり5×10
7個の細胞の最終濃度を得、混合物をマウスに移植するまで氷上に保存した。
【0197】
異種移植実験のため、60匹のCB17 SCIDマウス(Charles River Laboratories)を使用した。1日目、各マウスの体重を測定した。マウスをそれらの体重に基づき10匹の6つの群に無作為に分布した。処置群に割り当てたら、マウスの右後側腹部上を剃り、次いでマウスに上記の通り調製した5×10
6個(100μl)のHCT116sc細胞を皮下接種した。
【0198】
翌日、表7に示す投与スキームに従って動物に試験物を投与した。R4Mut4およびABMut1を、それぞれ、実施例2および3に記載の通りCHO-S細胞中で発現させ、精製した。
【0199】
(表7)HCT116sc異種移植投与群
【0200】
腫瘍サイズは、腫瘍細胞接種日の後7、14、および21日目に各マウスにおいて測定した。各腫瘍の長さおよび幅を、カリパスを使用して測定し、腫瘍サイズを式:
腫瘍サイズ(mm
3)=幅
2(mm)×長さ(mm)×(π/6)
に従って算出した。
【0201】
図9は、本実験の結果を示す。R4Mut4またはABMut1を受容したマウスの全ての群は、ビヒクル処置動物と比較して腫瘍成長の縮小を示した。表8は、14および21日目におけるビヒクル処置群と比較した各処置群についての腫瘍成長の平均阻害率(%)、および対応するp値を示す。p値は、ANOVA分析後にBonferonni t-検定を使用して算出した。例えば、
Mathematical Statistics and Data Analysis,1988,WadsworthおよびBrooks,Pacific Grove,CAを参照のこと。この分析は、本実験において、ABMut1が腫瘍成長を親R4Mut4と同様の、またはそれを上回る程度まで低減させることを実証した。
【0202】
(表8)HCT116sc異種移植結果
【0203】
実施例13.FGFR4 ECD酸性領域キメラの濃度を増加させると、インビトロで検出可能なECM結合をもたらす。
実施例9に記載の通り、かつ
図6に示す通り、前のインビトロ結合実験は、最大10,000ng/mlの精製タンパク質をMatrigelプレートとインキュベートした場合、3種のFGFR4 ECD酸性領域キメラ-Fc融合タンパク質(ABMut1、ABMut2、およびABMut3)のECM成分への最小結合を示した。より高い濃度(最大1mg/ml)のABMut1融合タンパク質が同一のインビトロECM結合アッセイ法においてECM結合のレベルの増加を示すことができるかどうかを決定するための実験を実施した。
【0204】
本実験において、R1Mut4融合タンパク質、R4Mut4融合タンパク質、およびABMut1融合タンパク質を使用した。R1Mut4 融合タンパク質はECM結合についての陰性対照として機能し(データは示さず)、R4Mut4 融合タンパク質は、ECM結合についての陽性対照として機能した。3種全ての融合タンパク質を実施例2に記載の通りCHO細胞中で発現させ、実施例3に記載の通り精製した。R4Mut4およびABMut1融合タンパク質も、293-T細胞中で一過的に発現させた。293-T細胞中での一過的発現のため、0.5〜0.65×10
6個の細胞を6ウェルプレート(ポリリジン被覆を有するものまたは有しないもの)の各ウェル中で10%FBSを補った2mlのDMEM中でプレーティングした。Fugene(商標)(Roche)原液を、93.5μlのOptimemを6.5μlのFugene(商標)と合わせ、次いで5分間インキュベートすることにより作製した。DNA原液を、1.3μg DNAをOptimemと100μlの最終容量まで合わせることにより作製した。Fugene(商標)原液(100μl)をDNA原液(100μl)に添加し、合わせた溶液(200μl)を6ウェルプレートの1つのウェルに添加した。溶液を穏やかにかき混ぜ、細胞と室温において30分間インキュベートした。細胞を、5%CO
2を有する加湿インキュベーター中でインキュベートした。40時間後、培地を除去し、細胞を洗浄し、1.5mlのOptimemを各ウェルに添加した。培地を交換して49時間後、上澄みを回収し、1,400rpmにおいて10分間回転させ、新たな試験管に移した。第1の精製工程のプロテイン-Aアフィニティークロマトグラフィーのみを使用したことを除いて、融合タンパク質を実施例3に記載の通り培養培地から精製した。タンパク質レベルを、AlphaScreen(hu IgG AlphaLISA;Perkin-Elmer #AL205C)を使用して求めた。最大1mg/mlの各FGFR ECD-Fc融合タンパク質をインビトロECM結合アッセイ法において使用したことを除いて、ECM結合実験を実施例7に記載の通り実施した。結果のグラフ表示を
図12に示す。
図12に示す通り、より高い濃度におけるABMut1融合タンパク質について検出可能なECM結合のレベルが観察されたが、ABMut1融合タンパク質によるECM結合は、R4Mut4融合タンパク質のそれよりも依然としてかなり低かった。
【0205】
実施例14.FGFR4 ECDロング酸ボックス中のある個々の非酸性残基をFGFR1からの対応する酸性残基により置き換えることは、インビトロでECM結合を阻害するのに不十分である。
FGFR4 ECDロング酸ボックス中の個々の非酸性残基をFGFR1からの対応する酸性残基により置き換えると、インビトロでECM結合を阻害することができるかどうかを決定するための実験を実施した。本実験は、R4Mut4のFGFR4 ECDからの単一の非酸性残基がFGFR1からの対応する酸性残基により置き換えられている4種のFGFR4 ECDロング酸ボックス変種を使用した。従来のクローニング法および部位特異的突然変異導入法を用い、R4Mut4(N104D)融合タンパク質、R4Mut4(P109D)融合タンパク質、R4Mut4(R113E)融合タンパク質、およびR4Mut4(S116E)融合タンパク質をコードするpTT5ベクター中のクローンを生成した。R4Mut4(N104D)ロング酸ボックス変種、R4Mut4(P109D)ロング酸ボックス変種、R4Mut4(R113E)ロング酸ボックス変種、およびR4Mut4(S116E)ロング酸ボックス変種は、それぞれ、SEQ ID NO:130、131、132および133に対応する。R4Mut4(N104D)変種、R4Mut4(P109D)変種、R4Mut4(R113E)変種、およびR4Mut4(S116E)変種は、それぞれ、SEQ ID NO:1および2におけるアミノ酸104、109、113および116において単一のアミノ酸変化を含有した。単一のアミノ酸置換を有する4種のFGFR4 ECDロング酸ボックス変種のインビトロECM結合を、R1Mut4融合タンパク質、R4Mut4融合タンパク質、およびABMut1融合タンパク質と比較した。
【0206】
R1Mut4、R4Mut4、ABMut1、R4Mut4(N104D)、R4Mut4(P109D)、R4Mut4(R113E)、およびR4Mut4(S116E)を含む全ての融合タンパク質を、実施例1に記載の通り293-T細胞中で一過的に発現させ、精製した。タンパク質レベルを、AlphaScreen(hu IgG AlphaLISA;Perkin-Elmer #AL205C)を使用して求めた。精製したR4Mut4(N104D)およびR4Mut4(S116E)の濃度は低すぎて、ECM結合を信頼性をもって求めることができなかった。精製したR4Mut4(P109D)およびR4Mut4(R113E)の融合タンパク質の濃度は、精製したR1Mut4、R4Mut4、およびABMut1の融合タンパク質の濃度よりも低く、最大濃度におけるそれらのECM結合の分析を行うことができなかった。インビトロECM結合アッセイ法において試験した融合タンパク質の多くについてはより高いタンパク質レベルを使用したことを除いて、ECM結合実験は実施例7に記載の通りに実施した。結果のグラフ表示を
図13に示す。
図13に示す通り、ECM結合を求めるのに十分なレベルにおいて発現させた単一のアミノ酸置換を有するR4Mut4変種(すなわち、R4Mut4(P109D)およびR4Mut4(R113E))は、R4Mut4と比べてECM結合の低下を示さなかった。
【0207】
実施例15.少なくとも2個の付加酸性残基を含有するFGFR4 ECDロング酸ボックス変種はECM結合の低下を示す。
実施例14に記載の実験は、FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質のロング酸ボックス中の酸性アミノ酸残基の総数を1個増加させることがインビトロでECM結合を阻害するのに不十分であることを示した。したがって、SEQ ID NO:1および2のアミノ酸103と104との間に挿入されている任意の酸性アミノ酸残基を含む、FGFR4 ECD酸性領域突然変異タンパク質のロング酸ボックス中の酸性アミノ酸残基の数をさらに増加させるとインビトロでECM結合を阻害することができるかどうかを決定するための実験を実施した。
【0208】
それぞれSEQ ID NO:134、135、136、137、および138に対応するR4(104-114):R1(106-117)、R4(104-114):R1(107-117)、R4(104-110):R1(105-113)、R4(113-116):R1(116-119)、およびR4(109-113):R1(112-116)と呼ばれる5種のFGFR4 ECDロング酸ボックス変種融合分子を、本実験において使用した。R4(104-114):R1(106-117)FGFR4 ECDロング酸ボックス変種においては、FGFR1 ECDのアミノ酸106〜117がFGFR4 ECDのアミノ酸104〜114に置き換わっている。R4(104-114):R1(107-117)FGFR4 ECDロング酸ボックス変種においては、FGFR1 ECDのアミノ酸107〜117がFGFR4 ECDのアミノ酸104〜114に置き換わっている。R4(104-110):R1(105-113)FGFR4 ECDロング酸ボックス変種においては、FGFR1 ECDのアミノ酸105〜113がFGFR4 ECDのアミノ酸104〜110に置き換わっている。R4(113-116):R1(116-119)FGFR4 ECDロング酸ボックス変種においては、FGFR1 ECDのアミノ酸116〜119がFGFR4 ECDのアミノ酸113〜116に置き換わっている。R4(109-113):R1(112-116)FGFR4 ECDロング酸ボックス変種においては、FGFR1 ECDのアミノ酸112〜116がFGFR4 ECDのアミノ酸109〜113に置き換わっている。従来のクローニングおよび部位特異的突然変異導入を用い、R4Mut4親クローンをテンプレートとして使用してR4(104-114):R1(106-117)融合タンパク質、R4(104-114):R1(107-117)融合タンパク質、R4(104-110):R1(105-113)融合タンパク質、R4(113-116):R1(116-119)融合タンパク質、およびR4(109-113):R1(112-116)融合タンパク質をコードするpTT5ベクター中のクローンを生成した。4種のFGFR4 ECDロング酸ボックス変種のインビトロECM結合を、R1Mut4融合タンパク質、R4Mut4融合タンパク質、およびABMut1融合タンパク質と比較した。
【0209】
R1Mut4、R4Mut4、ABMut1、R4(104-114):R1(106-117)、R4(104-114):R1(107-117)、R4(104-110):R1(105-113)、R4(113-116):R1(116-119)、およびR4(109-113):R1(112-116)を含む全ての融合タンパク質を、実施例11に記載の通り293-T細胞中で一過的に発現させ、精製した。タンパク質レベルを、AlphaScreen(hu IgG AlphaLISA;Perkin-Elmer #AL205C)を使用して求めた。最大1mg/mlのFGFR ECD-Fc融合タンパク質をインビトロECM結合アッセイ法において使用したことを除いて、ECM結合実験を実施例7に記載の通り実施した。結果のグラフ表示を
図14に示す。
図14に示す通り、少なくともR4(104-114):R1(106-117)ロング酸ボックス変種およびR4(104-110):R1(105-113)FGFR4 ECDロング酸ボックス変種は、R4Mut4融合タンパク質とABMut1融合タンパク質の中間のECM結合レベルを示した。
【0210】
実施例16.個々のN-グリカン部位を欠くFGFR4 ECD酸性領域キメラは、ECM結合の低下を示す。
FGFR4 ECDは、質量分析により決定されている通り、5個のN-グリカン部位を含有する。(データは示さず。)SEQ ID NO:1および2のアミノ酸N91およびN156におけるFGFR4 ECD N-グリカン部位は、それぞれ、FGFR4 D1-D2リンカーのアミノ末端に近接しておよびD2ヘパリン結合ドメイン中に、局在する。SEQ ID NO:25のABMut1 FGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラにおいて、それらのN-グリカン部位は、アミノ酸N91およびN159に局在する。N91AとN159AのN-グリカンのいずれかに突然変異を導入すると、ABMut1融合タンパク質のインビトロECM結合をさらに低減させることができるかどうかを決定するための実験を実施した。従来のクローニング法および部位特異的突然変異導入法を用い、N91AまたはN159AのN-グリカン突然変異を有するABMut1融合タンパク質(本明細書において、それぞれ、ABMut1(N91A)およびABMut1(N159A)と称される)をコードするpTT5ベクター中のクローンを生成した。ABMut1(N91A)およびABMut1(N159A)融合タンパク質は、それぞれ、SEQ ID NO:139および140に対応する。
【0211】
本実験において、R4Mut4融合タンパク質、ABMut1融合タンパク質、ABMut1(N91A) 融合タンパク質、およびABMut1(N159A)融合タンパク質を使用した。4種全ての融合タンパク質をCHO-S細胞中で一過的に発現させた。簡単に述べると、CHO-S細胞(Invitrogen)の500ml培養物を、0.5×10
6個の細胞/mlを8mMのL-グルタミン(Invitrogen)を含有する新たな37℃Freestyle CHO培地中で接種することにより確立させた。細胞は、2lのプラスチックフラスコ中で成長させ、20代継代まで継続的に維持した種株から由来するものであった。翌日、細胞を計数し、必要に応じて、37℃のFreestyle CHO培地(Invitrogen)中で、95%を超える細胞生存率で1×10
6個の細胞/mlに希釈した。細胞を、8mMのL-グルタミンを含有する10mlの37℃のOptiPRO SFM培地(希釈培地)を2本の50ml試験管中に移すことにより形質移入した。第1の試験管(A)に、625μlのFreestyleMax形質移入試薬(Invitrogen)を添加した。第2の試験管(B)に、625μgのDNAを添加した。両方の試験管を逆さにすることにより穏やかに混合し、試験管Aの内容物を直ちに試験管Bに添加し、次いで逆さにすることにより穏やかに混合した。混合物を室温において10〜20分間インキュベートし、次いで2lの培養フラスコ中の500ml細胞培養物中に滴下送達する一方、フラスコをゆっくりかき混ぜた。次いで、培養物を37℃、5%CO
2、125rpmのインキュベーターに移した。6日後、細胞生存率は80%を超えており、培養物の上澄みを遠心ボトル中に回収した。上澄みを1,000×gにおいて10分間遠心分離し、新たな遠心ボトルに移し、4,000×gにおいて10分間遠心分離した。上澄みを新たなボトル中に回収し、0.2μmのフィルターに通して濾過した。精製工程前に上澄みを37℃において保存した。第2の精製工程としてQ Sepharose陰イオン交換クロマトグラフィーを使用したことを除いて、融合タンパク質を実施例3に記載の通り培養物の上澄みから精製した。プロテイン-A溶出液を、5カラム容量の滅菌緩衝液(10mMのTris、50mMのNaCl、pH8.0)により平衡化したQ Sepharose HPカラム(GE Healthcare 17-1014-01)にアプライした。カラムを5カラム容量の同一緩衝液により洗浄し、結合した物質を5ml/分の速度において15カラム容量の溶出緩衝液(10mMのTris、2MのNaCl、pH8.0)、次いで5カラム容量の100%溶出緩衝液の直線勾配で溶出させた。14ml画分を回収し、FGFR ECD-Fcを含む画分をゲル電気泳動により同定し、プールした。FGFR ECD-Fc融合タンパク質を約10〜25%溶出緩衝液により溶出させた。
【0212】
タンパク質レベルを、280nmにおける吸光度測定に基づき求めた。最大1mg/mlの融合タンパク質をインビトロECM結合アッセイ法において使用したことを除いて、ECM結合実験を実施例7に記載の通り実施した。結果のグラフ表示を
図15に示す。
図15に示す通り、N91AとN159AのいずれかのN-グリカン突然変異を有するABMut1融合タンパク質は、インビトロECM結合のさらなる低下を示し、C
maxとバイオアベイラビリティの両方のさらなる増加も予期される。
【0213】
ABMut1(N91A)融合タンパク質およびABMut1(N159A)融合タンパク質がFGF2またはFGF19の、表面結合したFGFR4 ECD-Fc(R4Mut4)への結合を阻害することができるかどうかを決定するために、FGF2競合ELISAアッセイ法を実施した。本アッセイ法において、ABMut1は参照標準であり、ABMut1(N91A)およびABMut1(N159A)は試験試料であった。精製したABMut1、ABMut1(N91A)、およびABMut1(N159A)を試料希釈液(1%のBSA(画分V; Sigma #A3059)、0.05%のTween-20、200ng/mlのFGF2(PreproTech #100-18B)または50ng/mlのFGF19(PeproTech #100-32)、および20μg/mlのヘパリン(Sigma #H3149)を含有するPBS)中で1.5ng/ml〜90,000ng/mlの範囲の濃度に段階希釈した。タンパク質混合物を60分間インキュベートした。96ウェルプレートを100μlの5μg/mlのR4Mut4と4℃において一晩インキュベートし、3回洗浄し、ブロッキング緩衝液(1%のBSAを含有するPBS)中で室温において1時間から2時間ブロッキングし、3回洗浄した。次いで、タンパク質混合物(100μl)を96ウェルプレートのウェルに移し、振盪しながら室温において1時間インキュベートした。
【0214】
本アッセイ法において、最初のインキュベーション工程の間に試験試料または参照標準に結合しなかったFGF2またはFGF19は、表面結合したR4Mut4に自由に結合することができる。プレートウォッシャーを使用してウェルを3回洗浄し、次いでビオチン化抗FGF2抗体(R&D Systems #BAM233)またはビオチン化抗FGF19抗体(R&D Systems #BAF969)を使用し、VECTASTAIN ABC Kit(Vector Laboratories #PK-4000)により検出した。ビオチン化抗FGF2抗体またはビオチン化抗-FGF19を、アッセイ希釈液(1%のBSAおよび0.05%のTween-20を含有するPBS)中で1μg/mlに希釈し、100μlを各ウェルに添加し、次いで振盪しながら室温において1時間インキュベートした。ABC溶液を、3滴の溶液Aを3滴の溶液Bと15mlのPBS中で混合することにより再構成し、溶液を室温において30分間静置した。プレートウォッシャーを使用してプレートを6回洗浄し、新たに再構成したABC溶液100μlを各ウェルに添加し、次いで室温において45分から1時間インキュベートした。TMB基質(100μl)を各ウェルに添加し、次いで穏やかに振盪しながら暗所で室温において6〜8分間インキュベートした。100マイクロリットルの停止溶液を各ウェルに添加し、プレートをタッピングにより混合した。プレート光学密度(OD)を450nmにおいて、570nmにより差し引いて読み取った。
【0215】
次いで、OD値をタンパク質濃度に対してlogスケール上でプロットして標準曲線を作成した。各ウェルについてのOD値は、結合したFGF2またはFGF19の量に正比例し、試験溶液中の活性FGFR4 ECD-Fc融合タンパク質の量に反比例した。試験試料および参照標準についての濃度プロファイルを、4パラメーターロジスティックを使用してフィッティングさせた。各試験試料の相対結合活性(生物活性%)を、参照標準についてのIC
50値を試験試料についてのIC
50値により除し、次いで100%を乗じることにより算出した。本アッセイ法におけるABMut1(N91A)およびABMut1(N159A)の相対FGF2結合活性は、それぞれ、44%および42%であった。本アッセイ法におけるABMut1(N91A)およびABMut1(N159A)の相対FGF19結合活性は、それぞれ、51%および56%であった。
【0216】
実施例17.FGFR2 D1-D2リンカーまたはFGFR3 D1-D2リンカーを有するFGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラは、インビトロでECM結合の低下を示す。
FGFR4 D1-D2リンカーがFGFR2 D1-D2リンカー(「R4(D1-D2):R2(D1-D2)」)とFGFR3 D1-D2リンカー(「R4(D1-D2):R3(D1-D2)」)のいずれかにより置き換えられているFGFR4 ECD D1-D2リンカーキメラが、インビトロでECM成分への結合の低下を示すかどうかを決定するための実験を実施した。FGFR2 D1-D2リンカーとFGFR3 D1-D2リンカーの両方が、FGFR4 D1-D2リンカーよりも多くの酸性残基を含有する。従来のクローニング技術を用い、R4(D1-D2):R2(D1-D2)融合タンパク質およびR4(D1-D2):R3(D1-D2)融合タンパク質をコードするpTT5ベクター中のクローンを生成した。R4(D1-D2):R2(D1-D2)およびR4(D1-D2):R3(D1-D2)は、それぞれ、SEQ ID NO:143および144に対応する。
【0217】
本実験において、R1Mut4融合タンパク質、R4Mut4融合タンパク質、ABMut1融合タンパク質、R4(D1-D2):R2(D1-D2)融合タンパク質、およびR4(D1-D2):R3(D1-D2)融合タンパク質を使用した。全ての融合タンパク質を実施例11に記載の通り293-T細胞中で発現させた。タンパク質レベルを、AlphaScreen(hu IgG AlphaLISA; Perkin-Elmer #AL205C)を使用して求めた。精製したR4(D1-D2):R3(D1-D2)融合タンパク質の濃度は、精製したR1Mut4融合タンパク質、R4Mut4融合タンパク質、ABMut1融合タンパク質、およびR4(D1-D2):R2(D1-D2)融合タンパク質の濃度よりも低く、より高い濃度においてそのECM結合を分析することができなかった。ECM結合実験を実施例7に記載の通り実施したが、但し、最大約1mg/mlのFGFR ECD-Fc融合タンパク質をインビトロECM結合アッセイ法において使用した。結果のグラフ表示を
図16に示す。
図16に示す通り、R4(D1-D2):R2(D1-D2)融合タンパク質とR4(D1-D2):R3(D1-D2)融合タンパク質の両方が、ABMut1融合タンパク質と同様のECM結合レベルを示した。
【0218】
実施例18.FGFR1ショート酸ボックスを有するFGFR2およびFGFR3のショート酸ボックスキメラは、インビトロでECM結合の低下を示す。
FGFR2およびFGFR3のロング酸ボックス内の酸性残基の総数を増加させると、インビトロでそれらのECM結合をさらに低下させることができるかどうかを決定するための実験を実施した。FGFR1のショート酸ボックスのアミノ酸残基がFGFR2およびFGFR3のロング酸ボックス内の対応するアミノ酸残基に置き換わっているFGFR2およびFGFR3のショート酸ボックスキメラ(それぞれ、R2(111-118):R1(105-112)およびR3(110-117):R1(105-112)と称される)を生成した。従来のクローニング技術を用い、R2(111-118):R1(105-112)融合タンパク質およびR3(110-117):R1(105-112)融合タンパク質をコードするpTT5ベクター中のクローンを生成した。R2(111-118):R1(105-112)およびR3(110-117):R1(105-112)は、それぞれ、SEQ ID NO:166および167に対応する。
【0219】
本実験において、FGFR2 ECD-Fc融合タンパク質、FGFR3 ECD-Fc融合タンパク質、R2(111-118):R1(105-112)融合タンパク質、およびR3(110-117):R1(105-112)融合タンパク質を使用した。FGFR2 ECD-Fc融合タンパク質、FGFR3 ECD-Fc融合タンパク質、R2(111-118):R1(105-112)融合タンパク質、およびR3(110-117):R1(105-112)融合タンパク質を、実施例16に記載の通りCHO-S細胞中で一過的に発現させ、精製した。タンパク質レベルを、280nmにおける吸光度測定を使用して求めた。最大1mg/mlの各融合タンパク質をインビトロECM結合アッセイ法において使用したことを除いて、ECM結合実験を実施例7に記載の通り実施した。結果のグラフ表示を
図17A〜Bに示す。
図17Aおよび
図17Bに示す通り、R2(111-118):R1(105-112)およびR3(110-117):R1(105-112)融合タンパク質は、それぞれ、FGFR2 ECD-FcおよびFGFR3 ECD-Fc融合タンパク質と比べてわずかに低いECM結合をインビトロで示した。
【0220】
産業上の利用可能性
本明細書に記載のFGFR ECD酸性領域突然変異タンパク質およびFGFR ECD融合分子は、癌および黄斑変性症を含む増殖性疾患ならびに血管新生を含む疾患の治療において有用である。それらは、これらの疾患を診断、予防、および治療するために使用することができる。
【0221】
配列の表
表11は、本明細書に記述のある配列を提供する。特に示さない限り、全てのFGFR配列を、シグナルペプチドを用いずに示す。
【0222】
(表11)配列および説明