【実施例1】
【0009】
図1は第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側断面図である。
図1において、画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた画像形成ユニットを備えたものであり、例えばプリンタ、ファクシミリ装置、複写機、複合機等である。
画像形成装置100は、印刷媒体18bを収容・保管する給紙トレイ21と、給紙トレイ21から搬出された印刷媒体18bを挟持して搬送する搬送部材としての搬送ローラ22、23、24と、現像剤像としてのトナー像を印刷媒体18aに形成する画像形成ユニット110と、印刷媒体18aに転写されたトナー像を定着させる定着装置20とにより構成されている。
【0010】
また、画像形成ユニット110は、回転可能な像担持体としての感光ドラム11と、帯電ローラ2および帯電クリーニングローラ3を有する帯電装置12と、露光装置13と、現像装置14と、現像ローラ15と、転写装置17と、クリーニング部材19と、ドラムクリーニングローラ1とにより構成されている。
感光ドラム11は、回転可能なドラム状のものであり、印刷時は図中矢印Aが示す方向へ回転する。この感光ドラム11の周辺には、図中矢印Aが示す方向における上流側から帯電装置12、露光装置13、現像装置14、転写装置17、およびクリーニング装置19が順に配設されている。
【0011】
画像形成装置100は、画像形成ユニット110を2つ以上並べ、各画像形成ユニット110に異なる色の現像剤としてのトナーを供給することによりカラー印刷などの複数色印刷が可能になる。
このように構成された画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)等で構成された制御部と、メモリ等で構成された記憶部とを備え、記憶部に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御部が画像形成装置100全体の動作を制御する。
【0012】
感光ドラム11は、導電性支持体上に、電荷発生物質およびバインダー樹脂を主成分とする電荷発生層と、電荷輸送物質およびバインダー樹脂を主成分とした電荷輸送層とを積層して構成される。
本実施例では、導電性支持体としてのアルミニウム管の表面にアルマイト処理を用い、電荷発生層には電荷発生物質としてフタロシアニンを用い、またバインダー樹脂としてポリビニルアセタール系樹脂を用いた。電荷輸送層には、電荷輸送物質としてヒドラゾン系化合物を用い、バインダー樹脂としてポリカーボネート系樹脂を用い、さらに酸化防止剤を添加したものを用いた。また、感光ドラム11の電荷輸送層の膜厚を15μmとした。
【0013】
帯電手段としての帯電装置12は、感光ドラム11の表面を帯電させるものであり、回転可能な帯電部材としての帯電ローラ2を備え、その帯電ローラ2が感光ドラム11と接触(以下、「ニップ」という。)または近接するように配置され、さらに帯電ローラ2の表面をクリーニングするための回転可能な帯電クリーニング手段としての帯電クリーニングローラ3を備えている。
帯電ローラ2は、導電性支持体としての金属シャフト2bの表面に導電性弾性層の導電性ゴム層2aが形成され、必要に応じてその導電性ゴム層2aの表面に表面処理やコーティングをすることができる。なお、帯電ローラ2の導電性支持体には帯電電圧を印加する帯電電源が接続されている。
【0014】
帯電ローラ2の導電性ゴム層2aには、感光ドラム11との間で適正な放電を得るため、感光ドラム11と接触するようにゴムや熱可塑性エラストマー、樹脂等を含有する弾性体を用いることができる。導電性ゴム層2aは、単層に限らず、必要に応じて2層以上の多層構造とし、抵抗の調整や感光ドラム11の汚染防止、および硬さの調整等を行う。
帯電ローラ2の導電性ゴム層2aを構成する材料として、例えばエピクロルヒドリンゴム(CO,ECO,GECO)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム、シリコーンゴム等、一種または二種以上を混合したものを主成分とするゴム組成物を用いることができる。その中でも、特にエピクロルヒドリンゴム(ECO)が主成分として用いられることが多い。
【0015】
導電特性としては、イオン導電性のゴムやエラストマーや樹脂、イオン導電剤、カーボンブラックや金属性酸化物等を用いて所定の導電性を与える。導電性として、電子導電性またはイオン導電性のどちらも用いることが可能であるが、部分的な抵抗ムラが感光ドラム11の帯電ムラに影響しやすいこともあり、その抵抗ムラを抑制するために、電子導電性よりもイオン導電性のものが用いられることが多い。
【0016】
また、帯電ローラ2の導電性ゴム層2aは、抵抗値が10
6〜10
9Ωとなる抵抗層が望ましい。このときの抵抗測定は、
図2に示す方法を用い、抵抗測定器41には、ハイレジスタンスメータ(アジレント・テクノロジー社製4339B)を用いて測定する。帯電ローラ2には、幅2.0mm、直径6.0mmのSUS(ステンレス)材のベアリング42を接触させ、軸方向にスライドさせながら測定する。帯電ローラ2の抵抗値は、一般的に温度・湿度や測定電圧により異なる値を示すものが多く、ここでは温度20℃、湿度50%RHの環境下で帯電ローラ2の芯金側にマイナス500Vの直流電圧を印加して測定する。
【0017】
帯電ローラ2の導電性ゴム層2aの硬さは、帯電ローラ2表面と感光ドラム11表面に微小のギャップを形成し、パッシェンの法則に基づいた放電に寄与する領域を確保する必要があり、感光ドラム11との間で適正なニップを得るために調整する。
帯電ローラ2の導電性ゴム層2aの外側表面形状は、切削、研磨工程により、所定の研磨目および表面粗さを形成する。このとき、帯電ローラ2の表面粗さは、印加する電圧や使用環境により多少前後するが、パッシェンの法則により、最大高さRy(準拠:JIS B 0601:1994)が1μmから40μm程度の範囲が好ましい。
【0018】
ここで、帯電ローラ2の導電性ゴム層2aの外側表面の研磨方法について説明する。
帯電ローラ2の導電性ゴム層2aの外側表面の研磨方法には、湿式研磨方法と乾式研磨方法とがある。湿式研磨方法は、例えばテープ研磨やフィニッシャ研磨などが挙げられ、また乾式研磨方法は、例えばグラインダー研磨や金属歯での研磨などが挙げられる。
湿式研磨方法で帯電ローラ2の導電性ゴム層2aの外側表面の研磨を行った場合、
図3に示す帯電ローラ2の表面には図中矢印が示す帯電ローラ2の回転方向に延在する溝、すなわち
図4に示す縦溝52aが形成される。
【0019】
一方、乾式研磨方法で帯電ローラ2の導電性ゴム層2aの外側表面の研磨を行った場合、
図3に示す帯電ローラ2の表面には帯電ローラ2の長手方向に延在する溝、すなわち
図5に示す横溝52bが形成される。
なお、
図4および
図5は、
図3における帯電ローラ2の導電性ゴム層2aの外側表面の一部の領域51を拡大した図である。
帯電ローラ2の導電性ゴム層2aの外側表面には、表面処理やコーティングを行うことができる。表面処理やコーティングにより、感光ドラム11の汚染防止や導電層の抵抗調整を行うことができる。
【0020】
本実施例の帯電ローラ2は、導電性支持体として快削鋼(SUM)からなる金属製の軸体を用い、導電性ゴム層2aには主成分としてエピクロルヒドリンゴムからなる弾性体を用いてイオン導電剤を添加して抵抗調整を行った。
また、導電性ゴム層2aの外側表面は、湿式研磨を行った後、イソシアネート化合物を含む表面処理液を塗布したものを用いた。したがって、導電性ゴム層2aの外側表面には、帯電ローラ2の回転方向に延びる
図4に示す縦溝52aが形成される。表面粗さは、帯電ローラ2の軸方向における最大高さRyがおよそ10μm、帯電ローラ2の軸方向における凹凸平均間隔Smをおよそ100μmとした。導電層の硬さは、高分子計器社製のマイクロゴム硬度計MD−1capa(TypeA)を用いて測定し、54度とした。
【0021】
帯電クリーニングローラ3は、帯電ローラ2の導電性ゴム層2aの表面に接触し、表層に発泡セルを有するものであり、支持体としての金属シャフト3bの表面に弾性層である発泡弾性層としての発泡ゴム層3aが設けられ、発泡ゴム層3aの表面にはセル目である発泡セルが形成されている。この帯電クリーニングローラ3は、導電性または非導電性のどちらでも用いることができる。
帯電クリーニングローラ3の発泡ゴム層3aには、発泡ゴムやウレタンフォーム、メラミンフォームなどの発泡体を用いることができる。
【0022】
帯電クリーニングローラ3は、帯電クリーニングローラ3表面の線速度(周速度)が帯電ローラ2の周速度とほぼ同等であることが望ましい。
本実施例の帯電クリーニングローラ3は、支持体として快削鋼(SUM)からなる金属製の軸体を用い、弾性層にはウレタンフォームを用い、帯電ローラ2に対して所定の周速比で回転させる。
本実施例では、帯電ローラ2の線速度をV
2、帯電クリーニングローラ3の線速度をV
3としたとき、V
3=0.95×V
2とした。良好な線速度比(周速比)は、0.8〜1.2である。このように線速度比に制限を設けるのは、線速度比が大きすぎると帯電クリーニングローラ3が帯電ローラ2の表面を傷つけてしまうためである。
【0023】
露光手段としての露光装置13は、感光ドラム11表面に画像情報に対応した光を照射する光源を備えたものであり、本実施例では、露光装置13としてLED(Light Emitting Diode)ヘッドを用いた。
露光装置13は、感光ドラム11表面に画像情報に対応した光を照射して露光させることで、露光された部分の帯電電位が小さくなり、感光ドラム11表面に静電潜像が形成される。
【0024】
現像手段としての現像装置14は、感光ドラム11の表面に形成された静電潜像に現像剤を現像するものであり、現像ローラ15を備え、その現像ローラ15が感光ドラム11と近接または摺接するように配設されている。現像装置14の内部には、現像剤としてのトナー16を備え、現像ローラ15は、その表面にトナー16が均一に塗布されてトナー層が形成され、表面にトナー層が形成された状態で感光ドラム11と近接または摺接する。
現像ローラ15は、導電性支持体上に、導電性の導電層を形成し、必要に応じて導電層の表面に表面処理やコーティングすることができる。また、現像ローラ15の導電性支持体には、現像電圧を印加する現像電源が接続されている。
【0025】
本実施例では、導電性支持体として快削鋼(SUM)からなる金属製の軸体を用い、導電層には主成分としてウレタンゴムを用い、電子導電剤としてのカーボンブラック(ケッチェンブラック)を添加して抵抗調整を行い、弾性層の外側表面にイソシアネート化合物とカーボンブラック(アセチレンブラック)を含む表面処理液を塗布したものを用いた。
現像装置14内の現像剤としてのトナー16は、ベースとなるトナー粒子に外添剤を混合したものを用いることができる。
【0026】
本実施例では、非磁性一成分の負帯電重合トナーを用い、乳化重合法によって製造されたスチレンアクリル共重合樹脂と着色剤とワックスとを混合して凝集させて生成されたトナー粒子に、外添剤としてのシリカおよび酸化チタンの微粉末を加えて混合したものを用いた。トナー粒子は、円形度として0.94〜0.98、粒径は5.5〜7.0μm程度のものを用い、外添剤には粒径50〜200nmのものを用いた。
現像装置14は、露光装置13により感光ドラム11表面に形成された静電潜像にトナーを搬送してトナー像を形成する。このとき、現像ローラ15には、現像電源により現像バイアス電圧が印加される。本実施例では、現像バイアス電圧に直流−250Vを用いた。
【0027】
転写手段としての転写装置17は、感光ドラム11の表面に現像されたトナーを印刷媒体18aに転写するものであり、転写ローラ17aを備え、転写ローラ17aが感光ドラム11と接触するように配置されている。転写ローラ17aは、導電性支持体上に、導電性の弾性層が形成されている。転写ローラ17aの導電性支持体には、転写電圧を印加するための転写電源が接続されている。また、転写装置17には、必要に応じて転写部材としての転写ローラ17aをクリーニングするためのクリーニング部材を備えることがある。
【0028】
本実施例では、転写ローラ17aの導電性支持体として快削鋼(SUM)からなる金属製の軸体を用い、導電性弾性層には、ゴム発泡体を用い、主成分としてエピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリルブタジエンゴムとを混合し、エピクロルヒドリンゴムの配合比により抵抗調整を行い、発泡セル径は50〜300μmでゴムの硬さはアスカーCで35度程度のものを用いた。
このように構成された転写装置17は、感光ドラム11表面に形成されたトナー像を印刷媒体18aに転写させる。
【0029】
第1のクリーニング手段としてのクリーニング装置19は、転写装置17により転写しきれず感光ドラム11の表面に残存したトナーを除去するものであり、クリーニングブレード19aを備えている。クリーニングブレード19aは、支持体に弾性体のブレード部材が固着されており、そのブレード部材のエッジ部分が感光ドラム11に摺接するように配置されている。
本実施例のクリーニング装置19は、支持体にSECC(電気亜鉛メッキ鋼板)を用い、クリーニングブレード19aにはポリウレタン部材を用いた。
クリーニング装置19は、転写装置17により印刷媒体18aに転写しきれなかった感光ドラム11のトナー16をクリーニングブレード19aのエッジ部分で掻き落とす。
【0030】
このようにクリーニング装置19は、感光ドラム11に残留したトナー16のトナー粒子を掻き落とすことができるが、外添剤の一部はクリーニング装置19をすり抜けて感光ドラム11に付着したままとなってしまう。クリーニング装置19をすり抜ける外添剤の量は、トナー16の種類やクリーニングブレード19a、感光ドラム11、および温度湿度環境等により左右され、また感光ドラム11表面にトナー像を形成した部分であるか否かによっても左右される。一般的に、感光ドラム11の全表面積に対して外添剤の微粒子が感光ドラム11の表面を覆っている面積の比率は5%以下が望ましく、3%以下でなるべく小さい方がより望ましい。本実施例では、感光ドラム11の全表面積に対する外添剤が感光ドラム11の表面を覆っている面積比を平均でおよそ3%になるようにした。
【0031】
第2のクリーニング手段としてのドラムクリーニングローラ1は、クリーニング装置19により除去できず感光ドラム11の表面に残存したトナーの外添剤を均一に散在させるものであり、表層に発泡セルを有する回転可能な部材である。このドラムクリーニングローラ1は、支持体としての金属シャフト1bの表面に弾性層である発泡弾性層としての発泡ゴム層1aが設けられ、発泡ゴム層1aの表面にはセル目である発泡セルが形成されている。また、ドラムクリーニングローラ1は、導電性または非導電性のどちらでも用いることができる。
【0032】
ドラムクリーニングローラ1の発泡ゴム層1aには、発泡ゴムやウレタンフォーム、メラミンフォームなどの発泡体を用いることができる。
ドラムクリーニングローラ1と感光ドラム11とのニップ状態は、帯電ローラ2と帯電クリーニングローラ3とのニップ状態とは異なり、感光ドラム11の長手方向に一様に接触している必要がある。なお、ドラムクリーニングローラ1の駆動は、感光ドラム11との接触による従動駆動であっても良く、また周速比を設けても良い。
本実施例のドラムクリーニングローラ1は、支持体として快削鋼(SUM)からなる金属製の軸体を用い、発泡ゴム層1aにはウレタンフォームを用い、感光ドラム11に対して所定の周速比で回転させる。
【0033】
本実施例では、感光ドラム11の線速度をV
0、ドラムクリーニングローラ1の線速度をV
1としたとき、V
1=0.95×V
0とした。良好な線速度比(周速比)は、0.8〜0.98、または1.02〜1.2である。このように線速度比を設定するのは、ドラムクリーニングローラ1が感光ドラム11上に付着した外添剤を分散または感光ドラム11上に塗布するようにするためである。一方、線速度比が大きすぎるとドラムクリーニングローラ1が感光ドラム11の表面を傷つけたり、感光層の膜減りが生じたりしてしまうためである。
【0034】
ドラムクリーニングローラ1は、クリーニング装置19をすり抜けてきた外添剤を回収、または散在させ、また回収した外添剤を再び感光ドラム11表面に塗布することにより、感光ドラム11の表面に付着している単位面積当たりの外添剤を均一化させる。
定着装置20は、印刷媒体18a上に転写されたトナー像を加熱および加圧して印刷媒体18aに定着させるものである。
本実施例では、上述したドラムクリーニングローラ1の発泡セルの密度を25、50、100(個/25mm)とし、また帯電クリーニングローラ3の発泡セルの密度を25、50、100(個/25mm)とし、それぞれを組み合わせて以下の6種類(No.1〜6)の組み合わせとした。
【0035】
<No.1>
ドラムクリーニングローラ1の発泡ゴム層1aは、発泡セルの密度がおよそ25(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
帯電クリーニングローラ3の発泡ゴム層3aは、発泡セルの密度がおよそ25(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
【0036】
<No.2>
ドラムクリーニングローラ1の発泡ゴム層1aは、発泡セルの密度がおよそ50(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
帯電クリーニングローラ3の発泡ゴム層3aは、発泡セルの密度がおよそ50(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
【0037】
<No.3>
ドラムクリーニングローラ1の発泡ゴム層1aは、発泡セルの密度がおよそ100(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
帯電クリーニングローラ3の発泡ゴム層3aは、発泡セルの密度がおよそ100(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
【0038】
<No.4>
ドラムクリーニングローラ1の発泡ゴム層1aは、発泡セルの密度がおよそ25(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
帯電クリーニングローラ3の発泡ゴム層3aは、発泡セルの密度がおよそ50(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
【0039】
<No.5>
ドラムクリーニングローラ1の発泡ゴム層1aは、発泡セルの密度がおよそ25(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
帯電クリーニングローラ3の発泡ゴム層3aは、発泡セルの密度がおよそ100(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
【0040】
<No.6>
ドラムクリーニングローラ1の発泡ゴム層1aは、発泡セルの密度がおよそ50(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
帯電クリーニングローラ3の発泡ゴム層3aは、発泡セルの密度がおよそ100(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
また、比較例として以下の3種類(比較例1〜3)のドラムクリーニングローラ1の発泡セルの密度と帯電クリーニングローラ3の発泡セルの密度の組み合わせを採用した。
【0041】
<比較例1>
ドラムクリーニングローラ1の発泡ゴム層1aは、発泡セルの密度がおよそ50(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
帯電クリーニングローラ3の発泡ゴム層3aは、発泡セルの密度がおよそ25(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
【0042】
<比較例2>
ドラムクリーニングローラ1の発泡ゴム層1aは、発泡セルの密度がおよそ100(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
帯電クリーニングローラ3の発泡ゴム層3aは、発泡セルの密度がおよそ25(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
【0043】
<比較例3>
ドラムクリーニングローラ1の発泡ゴム層1aは、発泡セルの密度がおよそ100(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
帯電クリーニングローラ3の発泡ゴム層3aは、発泡セルの密度がおよそ50(個/25mm)、スポンジの硬さがアスカーF30度以下のエーテル系ウレタンフォームを用いた。
【0044】
上述した構成の作用について説明する。
まず、画像形成装置の動作を
図1に基づいて説明する。
画像形成装置100の制御部が上位装置等から印刷動作を指示する信号を受け取ると、印刷動作を開始し、受信した信号を画像情報に変換する。
感光ドラム11は、図中矢印Aが示す方向へ回転し、帯電装置12によりその表面が一様に所定の電位に帯電される。帯電された感光ドラム11は、露光装置13により画像情報の信号に応じて光が照射されて表面に静電潜像が形成される。感光ドラム11の表面に形成された静電潜像に、現像装置14によりトナー16が付着され、トナー像が形成される。
【0045】
感光ドラム11の表面に形成されたトナー像は、転写装置17により感光ドラム11上から印刷媒体18aに転写される。トナー像が転写された印刷媒体18aは、定着装置20を通過するときに、トナー像が定着され、画像形成装置100の外へ搬出される。
一方、感光ドラム11の表面は、転写装置17を通過した後、クリーニング装置19に到達すると、そのクリーニング装置19により転写されずに感光ドラム11表面に残留したトナーが掻き落とされる。
【0046】
クリーニング装置19において、感光ドラム11の表面に残留したトナー粒子は一様に回収されるが、外添剤は回収されるものとクリーニング装置19をすり抜けるものがある。
クリーニング装置19をすり抜けた外添剤は、ドラムクリーニングローラ1により回収、または散在させられる。
ドラムクリーニングローラ1を通過した感光ドラム11の表面は、再び帯電装置12により一様に帯電され、以降、印刷動作が完了するまで上述した動作が繰り返される。
【0047】
本実施例では、ドラムクリーニングローラ1の発泡セルの密度を25、50、100(個/25mm)とし、また帯電クリーニングローラ3の発泡セルの密度を25、50、100(個/25mm)とし、それぞれを組み合わせたNo.1からNo.6までのドラムクリーニングローラ1および帯電クリーニングローラ3、および比較例1から比較例3までのドラムクリーニングローラ1および帯電クリーニングローラ3の評価試験を行った。
【0048】
この評価試験は、A4紙で連続印刷を行い、印刷面積が5%Coverage(印刷可能な全領域に対して印刷を行う面積の比)の印刷パターンを10000枚印刷した毎に、評価画像を印刷し、その評価画像の評価を、印刷面積が5%Coverageの印刷パターンを60000枚印刷するまで行う。また、この評価試験は、温度湿度環境を23±3℃(温度)、50±15%RH(湿度)として行った。
【0049】
評価画像は、600dpi(dots per inch)で2by2のハーフトーン画像、および印刷面積が0%Coverageの印刷パターンの2種類とした。なお、2by2のハーフトーン画像とは、縦方向4ドット分及び横方向4ドット分で形成される16マスのうち、縦方向2ドットおよび横方向2ドットで形成される4マスの印刷ドットで形成される画像である。
評価基準は、2種類の評価画像において、画像チリ、縦スジ、縦帯の発生が目視で確認された場合を「不良」とし、発生しなかった場合を「良」とした。
【0050】
ここで、画像チリは、帯電ローラ2上に塊状の外添剤が付着し、感光ドラム11上に斑点状の帯電不良が発生するために、評価画像に形成される黒点であり、縦スジは、帯電ローラ2上にリング状(帯電ローラ2の回転方向)に外添剤が付着し、感光ドラム11上にスジ状の帯電不良が発生するために、評価画像に形成される黒スジであり、縦帯は、その黒スジの幅が太くなり帯状になったものである。
また、連続印刷後の帯電ローラ2の抵抗測定を行い、連続印刷開始前と連続印刷終了後の抵抗値を比較し、抵抗値の変化が2倍以上のものを「不良」、2倍未満のものを「良」とした。
上記の評価試験の評価結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
このように、ドラムクリーニングローラ1のセル密度を帯電クリーニングローラ3のセル密度と比較して同等以下、すなわち帯電クリーニングローラ3の発泡セル密度を、ドラムクリーニングローラ1の発泡セル密度以上にすることにより、画像評価および帯電ローラ抵抗上昇の評価において、良好な評価結果が得られた。
一方、ドラムクリーニングローラ1のセル密度を帯電クリーニングローラ3のセル密度より大きくした比較例1から比較例3は、評価画像において帯電ローラ2の回転周期に相当する画像チリ(黒チリ)の汚れが発生し、評価結果は不良であった。
【0053】
これは、ドラムクリーニングローラ1に一度回収された外添剤の一部がドラムクリーニングローラ1の発泡セル内で凝集し、凝集した外添剤が感光ドラム11に塊として塗布され、塗布された外添剤の塊が帯電ローラ2に付着することがあるが、このとき、帯電クリーニングローラ3により清掃されることなく、逆に外添剤の塊が帯電ローラ2表面に押し付けられる状態になり、除去することができなくなった外添剤によるものと考えられる。
また、比較例1から比較例3は、連続印刷終了後の帯電ローラ2の抵抗値が連続印刷開始前の帯電ローラ2の抵抗値の2倍以上になっているのは、帯電ローラ2の表面に付着した外添剤により抵抗値が上昇し、帯電ローラ2の表面に付着した外添剤を除去できていないことを表している。
【0054】
以上説明したように、第1の実施例では、湿式研磨の帯電ローラを使用する場合、帯電クリーニングローラの発泡セル密度を、ドラムクリーニングローラの発泡セル密度以上にすることにより、ドラムクリーニングローラから吐き出された外添剤が帯電ローラに付着しても、その外添剤を帯電クリーニングローラにより除去することができ、感光ドラムの帯電不良による帯電ローラの回転周期に相当する画像不良の発生を抑制することができるという効果が得られる。