(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一のエレメント(1)及び第二のエレメント(2)が、相互に相対速度2mm/秒で0.10より小さい前記表面の滑り摩擦係数を与える材料から形成される、請求項1に記載の医療デバイス。
第一のエレメント(1)及び第二のエレメント(2)が、相互に相対速度2mm/秒で0.08より小さい前記表面の滑り摩擦係数を与える材料から形成される、請求項1に記載の医療デバイス。
第一のエレメント(1)が駆動スリーブ(4)であり、そして第二のエレメント(2)がピストンロッド(7)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療デバイス。
薬物又は薬液が、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む薬剤であって、該薬学的に活性な化合物は少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセジン−3若しくはエキセジン−4又はエキセジン−3若しくはエキセジン−4の類似体若しくは誘導体を含む、請求項12に記載の医療デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【0025】
図1は、ハウジング又は本体14内に機構を備えたペン形状の注射デバイスの断面を示す。近位端は操作ボタン9を備え、そして遠位端は、針16を通して注射されるべき薬物又は薬学的流体のために提供される貯蔵器15を備えている。薬物の送達は、ピストンロッド7によりデバイスの縦延長方向に移動されるピストン17によりもたらされ、それ故、投与すべき用量によって貯蔵器15の容積を減らす。貯蔵器15は、薬物を含むカートリッジの挿入のために供することができる。この場合、ピストン17はカートリッジ内を移動し、そして、ピストンロッド7はカートリッジの底にある孔を通して移動する。
【0026】
本明細書で使用する用語「薬剤又は薬液」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又はペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン若しくはオリゴヌクレオチド、又は上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は関節リウマチの処置、及び/又は予防に有用であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置、及び/又は予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセジン−3又はエキセジン−4、若しくはエキセジン−3又はエキセジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0027】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;位置B28におけるプロリンが、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで置き換えられ、そして位置B29において、Lysが、Proで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0028】
インスリン誘導体は、例えばB29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0029】
エキセンジン−4は、例えばエキセンジン−4(1−39)、配列H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2のペプチドを意味する。
【0030】
エキセンジン−4誘導体は、例えば以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH
2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0031】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体;
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
又は前述のエキセンジン−4誘導体のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0032】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に表示されているような脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は調節活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0033】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはそれらの誘導体などのグルコアミノグリカン、又は上述の多糖類の硫酸化された、例えば、多硫酸化形態、及び/又は、薬学的に許容可能なそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0034】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えばアルカリ又はアルカリ土類金属、例えばNa
+、又は、K
+、又は、Ca
2+から選択されるカチオン、又はアンモニウムイオンN
+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されたC1−C6アルキル基;場合により置換されたC2−C6アルケニル基;場合により置換されたC6−C10アリール基、又は場合により置換されたC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0035】
薬学的に許容可能な溶媒和物は、例えば、水和物である。
【0036】
図1に記載の実施態様は、機構が駆動するとき、互いに摺動する表面を有する可動なエレメント1、2の対のいくつかの実施例を示す。ピストンロッド7はねじ山3を運び、そして、その中心を通じる孔の内壁上に同じピッチのねじ山を有するピストンロッドナット8で取り囲まれる。ピストンロッド7及びピストンロッドナット8はねじ山3でインターロックされ、そして互いに回転することができる。回転と同時に、ねじ山3は、軸方向の相対移動を発生させ、その結果、全体のらせん相対移動をもたらす。ピストンロッド7及びピストンロッドナット8は、このように、1対の摺動エレメントを形成する。これらのエレメント間の摩擦は、それらが低摩擦合成材料で形成される場合には、低下する。ピストンロッド7は、例えば、液晶ポリマーであってよい、そして、ピストンロッドナット8は、例えば、ポリオキシメチレンであってよい
【0037】
ピストンロッド7は、ピストンロッド7の更なるねじ山13に合うねじ山を有する駆動スリーブ4によって駆動することができる。駆動スリーブ4及びピストンロッド7は、互いに摺動するねじ山表面を備えた摺動エレメントの別の対を形成する。
【0038】
図2は、ピストンロッド7及び駆動スリーブ4の拡大断面を示す。ピストンロッド7の更なるねじ山13及び駆動スリーブ4の対応するねじ山は、駆動スリーブ4がピストンロッド7に対して、らせん状に回転するとき、互いに摺動する第一表面11及び第二表面12を形成する。これらのエレメント間の摩擦を低下させるために、それらは、また、低摩擦合成材料から形成することができる。ピストンロッド7が、前述の実施例の通り液晶ポリマーである場合、駆動スリーブ4は、例えば、更に、ポリオキシメチレンであってもよい。
【0039】
投与は、更なる駆動スリーブ6、及び更なる駆動スリーブ6を取り巻くダイアルナット5を含む1対の機構によりもたらされる。更なる駆動スリーブ6は、ねじ山を有し、そして、ダイアルナット5は、同じピッチの内部ねじ山を有する。更なる駆動スリーブ6及びダイアルナット5は、ねじ山でインターロックされ、そして、それらが、また、1対の摺動エレメントを形成するように、互いに、相対的にらせん運動で回転することができる。これらのエレメント間の摩擦は、また、低摩擦合成材料の使用により低下させることができる。更なる駆動スリーブ6は、例えば、ポリブチレンテレフタレートであってもよく、そして、ダイアルナット5は、例えば、ポリオキシメチレンであってもよい。
【0040】
機構、特に、更なる駆動スリーブ6は、操作ボタン9により操作される。更なる駆動スリーブ6又は幾つかの中間エレメントが、本体14に対して回転が固定できるように維持される操作ボタン9に対して相対的に回転するとき、操作ボタン9は、ワッシャ10の上を摺動する。これらのエレメント間の摩擦を低下させるために、それらは、また、低摩擦合成材料を用いて形成することができる。金属製の操作ボタン9を有することは好ましい。操作ボタン9が、例えば、アルミニウムの場合、ワッシャ10は、例えば、ポリオキシメチレンであってもよい。アルミニウムとポリオキシメチレンの互いの滑り摩擦係数は、相対速度2mm/秒で、0.14より小さい。
【0041】
図1で示すような医療デバイスで都合よく使用できる市販の低摩擦合成材料としては、例えば、以下のものがある:
ポリブチレンテレフタレート:
Celanex(登録商標)2404MT又はCelanex(登録商標)2404MT20/9107、白:Ticona社製;
ポリオキシメチレン:
a)POM:MT8F02(例えば、ダイアルナット5及びワッシャ10で使用された):Hostaform(登録商標)MT8F02、自然色、Ticona社製;
b)POM:MTF01(例えば、ピストンロッドナット8で使用された):
Hostaform(登録商標)MT8F01、自然色、Ticona社製;及び
c)POM:MT12U01(例えば駆動スリーブ4で使用された):
Hostaform(登録商標)MT12U01、自然色、Ticona社製;
液晶ポリマー:
LCP:MT1335(例えば、ピストンロッド7で使用された):
Vectra(登録商標)MT1335、自然色、マスターバッチ:LKX1057、黒色、との組み合わせ;両者ともTicona社製。
【0042】
参照数字:
1. 第一のエレメント
2. 第二のエレメント
3. ねじ山
4. 駆動スリーブ
5. ダイアルナット
6. 更なる駆動スリーブ
7. ピストンロッド
8. ピストンロッドナット
9. 操作ボタン
10.ワッシャ
11.第二のエレメントの表面
12.第一のエレメントの表面
13.ねじ山
14.本体
15.貯蔵器
16.針
17.ピストン