特許第5787888号(P5787888)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セージ ボタニック メディア リミテッド ライアビリティー カンパニーの特許一覧

特許5787888植物性メディアを展示する自立の垂直構造体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787888
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】植物性メディアを展示する自立の垂直構造体
(51)【国際特許分類】
   G09F 19/22 20060101AFI20150910BHJP
   G09F 7/18 20060101ALI20150910BHJP
   A01G 1/00 20060101ALI20150910BHJP
   A01G 9/02 20060101ALI20150910BHJP
   A01G 9/00 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   G09F19/22 P
   G09F19/22 F
   G09F7/18 Y
   A01G1/00 301C
   A01G9/02 103T
   A01G9/02 103G
   A01G9/00 B
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-524745(P2012-524745)
(86)(22)【出願日】2010年8月4日
(65)【公表番号】特表2013-501966(P2013-501966A)
(43)【公表日】2013年1月17日
(86)【国際出願番号】US2010044371
(87)【国際公開番号】WO2011019555
(87)【国際公開日】20110217
【審査請求日】2013年8月5日
(31)【優先権主張番号】12/661,848
(32)【優先日】2010年3月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/233,188
(32)【優先日】2009年8月12日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512034900
【氏名又は名称】セージ ボタニック メディア リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エイチ.ジーン シルバーバーグ
【審査官】 櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/073001(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3079857(JP,U)
【文献】 特開平09−009787(JP,A)
【文献】 特開平08−322377(JP,A)
【文献】 実開昭63−174384(JP,U)
【文献】 特開2002−305961(JP,A)
【文献】 特開2008−118888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 1/00− 1/02
1/06− 1/12
5/00− 9/10
16/00−17/02
17/18
E04H17/00−17/26
G09F 7/00− 7/22
19/00−27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を伝達するための自立の垂直構造体(20,30)であって、
当該構造体(20,30)を垂直に固定する土台(10)、
当該土台(10)から垂直に延びている少なくとも1つの壁で囲われたエレメント(16,90,102)、
当該壁で囲われたエレメント(16,90,102)の少なくとも一部に除去可能に固定される複数の草木モジュール(200)であって、各モジュールが、不活性の生育培地及び複数の生きた水耕栽培の草木(40)を保持する、複数の草木モジュール(200)に形成された複数の開口を含み、当該複数の草木(40)は当該不活性の生育培地に植えられており、そして当該複数の草木モジュール(200)は、個々の草木モジュールが他の草木モジュール(200)を取外すことなく壁で囲われたエレメント(16,90,102)から取外されるのを許容すべく壁で囲われたエレメント(16,90,102)上に構成され、且つ、当該複数の草木モジュール(200)は、不活性の生育培地で栽培されている個々の草木(40)が当該複数の草木モジュール(200)を当該壁で囲われたエレメント(16,90,102)から取外すことなく取外されるのを許容すべく構成されており、
当該少なくとも1つの壁で囲われたエレメント(16、90,102)と当該複数の草木モジュール(200)との間で、当該少なくとも1つの壁で囲われたエレメント(16、90,102)に各々が位置された防水の背板及び排水マットであって、当該防水の背板及び排水マットは互いに隣り合って位置され、そして、当該防水の背板は当該少なくとも1つの壁で囲われたエレメント(16、90,102)に隣り合って位置され、当該排水マットは当該複数の草木モジュール(200)に隣り合って位置されており、及び
当該壁で囲われたエレメント(16,90,102)は、当該壁で囲われたエレメント(16,90,102)の少なくとも一部に非植物性メディア(50,60)をさらに備え、当該非植物性メディア(50,60)は、通行人によって容易に知覚される情報を伝達すべく当該壁で囲われたエレメント(16,90,102)上に構成されている少なくとも1つのグラフィックメディアエレメントを備えることを特徴とする自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項2】
複数の生きた水耕栽培の草木(40)の少なくとも一部は、通行人によって容易に観察される情報を表示するべく当該壁で囲われたエレメント(16)上に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項3】
当該複数の草木(40)に水及び栄養素を供給するかんがいシステムをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項4】
自立の垂直構造体は、中空の自立の構造体を形成すべく、互いに隣り合う少なくとも2つの壁で囲われたエレメント(16,90,102)を備えることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項5】
当該壁で囲われたエレメント(16,90,102)は、ほぼ中空の内部を有する壁で囲われた多角形から成ることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項6】
当該壁で囲われたエレメント(16,90,102)は、少なくとも1つの平坦なパネル(12)を備えることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項7】
当該少なくとも1つの平坦なパネル(12)は、ジグザグ形態を有することを特徴とする請求項6に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項8】
当該少なくとも1つの壁で囲われたエレメント(16,90,102)は、予め成型したコンクリート、現場打ちのコンクリート、金属、合金、又は木材の少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項9】
当該壁で囲われたエレメント(16)は、断面においてほぼ円形であることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項10】
当該壁で囲われたエレメント(16,90,102)は、断面においてほぼ三角形であることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項11】
複数の生きた草木(40)又は非植物性メディア(50)の少なくとも1つは、第1の方向から見られたときに第1の情報セットを、及び第2の方向から見られたときに第2の情報セットを表示すべく構成されていることを特徴とする請求項7に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項12】
当該少なくとも1つのグラフィックメディアエレメントは、ビデオ又はプリントのすくなくとも1つを備えることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項13】
当該少なくとも1つの壁で囲まれたエレメント(16,90,102)は、ほぼ中空の自立の構造体を形成していることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【請求項14】
当該複数の草木(40)は、当該少なくとも1つの壁で囲われたエレメント(16、90,102)からほぼ水平方向外方に成長すべく構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自立の垂直構造体(20,30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は2009年8月12日に出願された米国仮特許出願第61/233,188号の優先権を主張し、その開示内容は参照によりここに組み入れられている。
【0002】
本開示は、複数の草木を含み、そして情報を表示するための、ここに植物性メディアと称される新しい混合メディア形式を形成すべく、伝統的なメディア、例えば、芸術作品、グラフィックデザイン、又は広告用材料のような非植物性メディアを含み得る、情報を伝達するための自立の垂直構造体に向けられている。
【背景技術】
【0003】
都市部はその名の通り相対的に人口が集中した環境である。必然的に、かかる都市環境は密集したビルディング及びコンクリートとアスファルトの車道や歩道を含んでいる。都市環境のこれらの特徴の全てが、通常、草木又は他の植生に利用可能な空間を減少させている。これはまた、「ヒートアイランド」現象と称されていることの一因でもある。
【0004】
加えて、都市部は、家及び住居から離れている人々に製品及びサービスを売っている者にとって極めて望ましい環境である。都市部は、出資者及び種々の組織に、環境にやさしい「グリーン」メッセージ、製品又はサービスを含んで、それらの商品又はサービスを大きなグループの人々に売るため、公共サービス案内を提供するため、又は権利擁護団体に連絡媒体を提供するための機会を提供する。
【0005】
歴史的に見て、出資者及び組織は商品及びサービスのためのマーケティング及び広告用のメッセージ、公共サービス案内、及び擁護メッセージを、これらの案内が多数の人々によって見られる場所の領域内に置いてきた。理想的な場所は、にぎわった幹線道路、州間ハイウエイ、又は競技場及びアリーナを含んでいる。しかしながら、審美的な理由により、屋外の公共サービスマーケティングへの規制が米国の多くの都会及び田舎の地域において起こっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
市街及び他の交通量の多い地域においてメッセージのための十分な空間を提供する構造体であり、都会の地平線上に利用可能な限定された空間を飾りかつ改良すべく特別にデザインされた生きた草木を含む構造体についての必要性が存している。同時に、周囲環境、大気環境、及び二酸化炭素排出量を改善しつつ、マーケティング、財政援助、広告、環境上、公共サービス、又は他のメッセージを提供する構造体についての必要性が存する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここで、当該教示は、環境を壊さずに利用可能な材料を用いかつまたメディア情報を表示する環境にやさしいグリーン構造体である自立の垂直構造体を提供することによって、上述の注目されている問題の1つ以上を和らげる。当該自立の垂直構造体は都市部におけるヒートアイランド現象の影響を軽減し、大気環境を改善するのを助け、そして鳥、昆虫、又は他の小動物のような動物のための生息環境として役立ち得る。当該構造体はまたユニークな媒体を提供し、これにより組織は地球にやさしい方法で、それ自体が特定の組織は「グリーン」で、環境を壊さず利用可能なビジネス手法を支援し、そして環境を壊さず利用可能な政策ないしはイニシアチブを実践しているという感覚を改善し、又はそれに貢献できるであろう情報を表示し得る。
【0008】
1つの模範的な構造体において、自立の垂直構造体は、当該構造体を垂直に固定する土台、及び当該土台から垂直に延びている少なくとも1つの壁で囲われたエレメントを含んでいる。複数の草木モジュールが当該壁で囲われたエレメントの少なくとも一部に除去可能に固定されている。当該壁で囲われたエレメントに除去可能に固定されている草木モジュールの各々は、複数の生きた水耕栽培の草木を保持ないしは支えるべく構成されている。壁で囲われたエレメントはさらに、当該壁で囲われたエレメントの少なくとも一部に除去可能に固定された非植物性メディアを含んでいる。当該非植物性メディアは、自立の垂直構造体のそばを通る人々に容易に観察される情報を表示すべく、壁で囲われたエレメント上に構成されている。さらなる実施例においては、複数の生きた水耕栽培の草木の少なくとも一部が、通行人によって容易に観察される情報を表示するべく当該壁で囲われたエレメント上に構成されている。
【0009】
本開示のもう1つの態様では、情報を伝達するための自立の垂直構造体は、 土台から垂直に延びていて、ほぼ中空の自立の構造体を形成しているいる少なくとも1つの壁で囲まれた構造体を含み、壁で囲まれた構造体は当該壁で囲まれた構造体に除去可能に固定される複数の生きた水耕栽培の草木を含んでいる。壁で囲まれた構造体はさらに、当該壁で囲まれた構造体の少なくとも一部に除去可能に固定された非植物性メディアを含む。当該非植物性メディアは、通行人によって容易に知覚される情報を伝達すべく構成されている。当該自立の垂直構造体はさらに、複数の草木に水及び栄養素を供給するかんがいシステムを含んでいる。
【0010】
さらに模範的な解決手段では、情報を伝達するための自立の垂直な塔が、構造体を垂直に固定する土台、及び当該土台から垂直に延び、ほぼ中空の塔を形成している壁を含んでいる。複数の草木モジュールが当該壁に除去可能に固定される。各草木モジュールは、草木パネル内に保持された複数の生きた水耕栽培の草木を含んでいる。当該草木は、当該壁からほぼ水平方向の外方に生長すべく構成されている。当該壁はまた、当該壁の少なくとも一部に除去可能に固定された非植物性メディアを含み、当該非植物性メディアは通行人によって容易に知覚される情報を伝達すべく当該壁上に構成されている。一実施例においては、複数の草木の少なくとも一部が通行人に容易に観察される植物性メディア情報を表示するべく構成されている。
【0011】
他の実施例において、当該自立の垂直構造体は、互いの上に積み重ねられる少なくとも2つの壁で囲われたエレメントを含み得る。もう1つの実施例において、当該壁構造体は平坦なパネルを備えてもよい。当該壁構造体はまた、断面においてほぼ円形又は三角形であってもよい。当該自立の垂直構造体はまた、ほぼ中空の円筒状の塔又はほぼ中空の多角形の形態をとってもよい。もう1つの実施例において、複数の草木及び/又は非植物性メディアは、第1の方向から見られたとき第1の情報セットを、及び第2の方向から見られたとき第2の情報セットを表示するべく構成されている。他の実施例において、当該壁構造体及び壁エレメントは、予め成型されたコンクリート、現場打ちのコンクリート、金属、合金、又は木材の少なくとも1つから成ってもよい。
【0012】
さらなる利点及び新規な特徴は、以下の説明で部分的に述べられ、及び部分的に添付図面の検査のとき当業者には明らかになるであろうし、又は実施例の生産又は運営によって学習され得よう。本教示の利点は、以下に詳述される詳細な実施例で述べられる方法、手段、及び組合せの種々の態様の実践すなわち使用によって、実現されそして成就され得よう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本教示に従う1つ以上の実施形態を、限定ではなく、ほんの一例として描写している。図において、同一の参照番号は、同一又は同様なエレメントを意味している。加えて、高さ、幅、又は長さのような寸法への言及は、単に、模範的なものであり、示されたもの以外の他の適切な寸法が用いられてもよく、そして当業者には理解され得よう。
【0014】
本教示を理解すべく、ここに、添付の図面を参照してほんの一例として説明される。
【0015】
図1】本開示の一実施例に従う、三角形断面の壁で囲まれた2つの構造体を有する自立の構造体の正面図を図解している。
図2図1に示された構造体による自立の構造体の一実施例の正面切除図を図解している。
図3図2に示された当該構造体の断面図である。
図4図1に示された構造体による、自立の構造体の他の実施例の正面及分解切除図を図解している。
図5】本開示に従い、ほぼ三角形の断面を有する自立の構造体の正面の一実施例を図解している。
図6図5に示された構造体の断面図である。
図7】本開示に従い、ほぼ三角形の断面を有する自立の構造体の正面の他の実施例を図解している。
図8図7に示された構造体の断面図である。
図9】本開示に従い、ほぼ四角形の断面を有する自立の構造体の正面を図解している。
図10図9に示された構造体の断面図である。
図11】本開示に従い、ほぼ円形の断面を有する自立の構造体の正面を図解している。
図12図11に示された構造体の断面図である。
図13】本開示に従い、平面壁から成る自立の構造体の正面図である。
図14】本開示に従い、ジグザグに構成された自立の構造体の正面図である。
図15図14の断面図である。
図16】本開示に従う、壁構造体の一形態の正面図である。
図17図16に示された構造体の左側立面図である。
図18図16に示された構造体の右側立面図である。
図19】本開示に従う、自立の構造体の他の実施例の正面図である。
図20図19に示された構造体の断面図である。
図21】本開示に従う、自立の構造体の他の実施例である。
図22】周囲環境に一体化された図1に示される模範的な構造体の裏面図を図解している。
図23】本開示に従う、模範的な壁構造体及びパネルモジュールの断面図である。
図24】本開示に従う、模範的なパネルモジュールを示している立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明において、関連する教示の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細がほんの一例として述べられる。ここに記載されている本開示及び教示は多くの異なる形態での実施形態を受け入れる余地があるが、本開示はここに論じられる原理及び教示の例示とみなされ、開示された開示及び教示の広範な範囲を制限するようには意図されていないという理解でもって、好ましい実施形態が図面に示され、そして詳細に説明される。しかしながら、本教示はかかる詳細がなくても実施できることは当業者にとっては明らかであろう。他の例では、本教示の不必要に曖昧な態様を避けるため、周知の方法、手順及び/又は構成要素は、詳細にではなく比較的高いレベルで説明されている。
【0017】
ここに開示される実施例は、情報を伝達するための自立の垂直構造体を提供し、それは当該構造体に除去可能に固定された複数の生きた草木を含んでいる。当該自立の構造体は、当該構造体のそばを、自動車、バス、列車、オートバイ、スクーター、自転車、スケートボード、移動歩道、又は徒歩で通過する人々によって容易に知覚できる情報を、都合よく表示しかつ伝達すべく、種々の形態をとることができる。複数の生きた草木は、当該構造体の少なくとも一部を覆ってもよい。当該草木はまた、当該構造体のそばを通る人々に容易に認識され得る情報を表示するべく構成されてもよい。当該草木の構成によって伝達される情報は、ロゴ、文字、プリント、イメージ、グラフィックスの形態をとってもよく、又は、単一の草木、又は花及び苔のような他の植生の形態を含む異なる草木の組合せ、及びこれらの全ての組合せを用いて創造され得る他のタイプの情報であってもよい。当該草木は如何なるタイプであってもよく、そして当該構造体が存在する環境及び気候に対する適合性に基づいて選択される。
【0018】
加えて、当該構造体は、当該構造体のそばを通る人々によって容易に知覚できる情報を伝達する伝統的なメディア、例えば、芸術作品、グラフィックデザイン、又は広告用材料のような非植物性メディアの形態の情報を含んでもよい。当該非植物性メディアは、芸術作品、ロゴ、文字、プリント、イメージ、グラフィックス、ビデオ、又は現在知られている又は将来開発される他のタイプの情報を、限定されるわけではなく含むグラフィックメディアエレメントの形態をとってもよい。複数の草木は、非植物性メディアとの組合せで情報を表示すべく構成されてもよく、及び/又は非植物性メディアのための背景ないしはフレーミングとして作用し、それと共同して、環境を壊さず利用可能な構造体から環境を益する方法で情報を表示し伝達する、植物性メディアとここに称される、新しいメディア形態を創造する。
【0019】
当該自立の垂直構造体は、生きた草木及び当該生きた草木を保持する不活性の生育培地のような環境を壊さずに利用可能な材料を用いる、情報を伝達する環境にやさしい「グリーン」構造体を提供する。当該構造体は、都市に配置されると、ヒートアイランド現象、大気環境を改善するのに役立ち、そして、鳥、昆虫、他の小動物が生きる可能性がある生息環境のみならず、当業者には容易に認められる他の便宜を創造する。結果として、ここに記載されている自立の垂直構造体は、広告用掲示板や他の広告構造体のような従来の広告用構造体に対する環境にやさしい代替物として作用しつつ、広告、マーケティング情報、又は他の情報を伝達するのに有用である。本開示の構造体は防音壁、公園及び/又は庭園を造るための壁及び他の構造体として用いられてもよく、そして広告又はマーケティング情報に加えて、又はその代替として芸術的表現及び情報を伝達してもよい。
【0020】
本開示の自立の構造体は、約数フィート、例えば、約10フィートから約100フィートまでの範囲の高さまで延在してもよい。好ましくは、当該構造体は約15から約80フィートの高さまで延在している。加えて、図示はしないが、ここに記載されている自立の垂直構造体は、当該構造体の内部への出入り口のようなアクセスを含むであろうことが企図されている。当該構造体の内部は、ここに記載されているかんがい排水システム、及び図22に示されたライトのように当該構造体に又はその近傍に位置された照明システムのような種々の機械式及び/又は電気式システムを含み得る。
【0021】
本開示の自立の垂直構造体の一実施例が図1に示されている。土台10が第1の壁構造体20及び第2の壁構造体30を垂直に固定している。第1の壁構造体20及び第2の壁構造体30は、土台10から垂直に当該土台10の上方の位置まで延在している。土台10は、一つの壁構造体、図1に示されるような二つの壁構造体、又は三つ以上の壁構造体を支持するように構成され、かつ寸法が決められてもよい。壁構造体20は、例えば、溶接によって壁構造体に固定された金属板のような適切な連結具を用いて当該土台10に固定されている。第1及び第2の壁構造体20、30は、単一の壁エレメント又は図2及び4に示され、かつ以下に説明されるもののような複数の壁エレメントすなわちパネルから成ってもよい。
【0022】
垂直に延びている壁構造体20、30は、それぞれ、第1の側面22、32、第2の側面24,34、及び第3の側面26、36を含んでいる。図1に示されるように、当該壁20の第1の側面22、32は第1の側面22、32に除去可能に固定された複数の草木40を含んでいる。当該第1の側面22はまた、ビデオ、グラフィックス、プリント、オーディオ、イメージ、ロゴ、又は他のメディア情報のような情報を伝達する非植物性メディア50を含んでいる。当該非植物性メディアは壁構造体20のそばを通る人々によって容易に認識されるべく構成されている。第2の側面24、34及び第3の側面26、36もまた、複数の草木40及び/又は非植物性メディア50及びそれらの組合せを含んでもよい。一般に、非植物性メディア50の形式を含んでいない当該壁20、30の側面が複数の草木40を含む。
【0023】
図2は、本開示の自立の垂直構造体を形成する一実施例を図解している。図2に示されるように、第1及び第2の壁構造体20、30は土台10に垂直に固定された複数の壁パネル12から成ってもよい。壁パネル12は当該土台から垂直に延在し、そして各壁構造体の第1、第2及び第3の側面を形成すべく互いに隣り合って位置されている。当該壁の側面を形成するのに、如何なる数の壁パネル12が互いに隣り合って位置されてもよい。当該壁パネル12は当該構造体の上側部分の近傍でチューブ14によって共に固定されている。チューブ14は、壁パネル12が溶接されるか、ボルト又は他の適切な物理的、機械式又は化学的な連結によって固定される金属又は他の適切な構造体から形成されてもよい。当該パネル12は中空の垂直構造体を創造するようにチューブ14に固定されている。当該パネル12は当該構造体に強度及び安定性をもたらすのに必要な適切な寸法の厚みを有してもよい。一実施例では、当該パネルは約10インチの厚さであるが、約8から約12インチの厚さの範囲に亘ってもよい。
【0024】
図2及び3はさらに、壁構造体20、30に複数の草木40を取付ける一実施例を図解している。以下により詳しく説明されるように、レール220が壁パネル12に固定され、そして垂直に延びて支持用構造フレームを形成している。防水の背板240がレール220に固定され、支持用構造フレームの追加部分として作用している。当該背板240は、水が背板240を通り抜けて壁パネル12に接触するのを防止する。排水マット242がさらに背板240に取付けられ、それは、水がそれを通過して当該草木40から排水するのを可能にする。複数の草木40は、背板240及び排水マット242がそれらの間に位置された状態でレール220によって壁構造体に固定されている。非植物性メディア50はまた、レール220及び/又は背板240に固定され、又は壁パネル12に直接に固定されてもよい。
【0025】
図4に示されるように、自立の垂直構造体を形成するもう一つの実施例は、第1の壁構造体20及び第2の壁構造体30を垂直に固定している土台10を含む。当該第1の壁構造体20及び第2の壁構造体30は、土台10上に位置すべく当該土台10から垂直に延在している。土台10は、1つの壁構造体、図4に示されるような2つの壁構造体、又は3つ以上の壁構造体を支持するべく構成されかつ寸法決めされてもよい。壁構造体20は、壁構造体に、例えば、溶接によって固定された金属板のような適切な連結具を用いて当該土台10に固定される。図4に示されるように、第1及び第2の壁構造体20、30は中空の内部を有し、他の上に垂直に積み重ねられる複数の壁エレメント16から成ってもよい。例えば、図4に示されるように、壁構造体20は分解された構成要素図として示され、壁構造体20、30を形成すべく他の上に垂直に積み重ねられた壁で囲われたエレメント16を含んでいる。当該壁で囲われたエレメント16は、例えば壁構造体に溶接された金属板、又は隣り合う壁で囲われたエレメントを共に固定する他の適切な物理的、機械式又は化学的な連結によって、共に固定されてもよい。構造体の所望の高さに達する壁構造体20、30を創造するためには、いくつもの壁で囲われたエレメント16が利用されてもよい。第2の壁構造体30は、図4に示されるように、当該壁30の2つの部分に除去可能に固定されている複数の草木40を含んでいる。非植物性メディア50もまた当該壁構造体30に除去可能に固定されている。情報を伝達及び表示するためには、如何なる構成の草木40及び非植物性メディア50が壁構造体20、30上に含まれてもよい。
【0026】
本開示の自立の垂直構造体のもう1つの実施例が、図5〜8に示されている。垂直に延びている壁構造体20は第1の側面22、第2の側面24及び第3の側面26を含んでいる。当該壁20の第1の側面22は、第1の側面22に除去可能に固定されている複数の草木40を含んでいる。第1の側面22はまた、ビデオ、グラフィックス、プリント、オーディオ、イメージ、ロゴ、又は他の全ての情報のような情報を伝達する非植物性メディア50を含んでいる。当該非植物性メディアは壁構造体20のそばを通る人々によって容易に認識されるべく構成されている。当該第1の側面22及び第2の側面24はさらに、追加のメディアエレメント60を含んでもよい。当該メディアエレメント60は、ブランド、ロゴ、プリント、イメージ、グラフィック、又は他の同様なメディアエレメントの形式を採ることができる。当該メディアエレメント60は、メディアエレメント60を創造するために複数の草木40の一部(サブセット)を構成することによって形成されてもよい。草木の当該サブセットは、花又は葉の色のような特性について選ばれ、そしてメディアエレメント60を創造すべくアレンジされてもよい。メディアエレメント60はまた、上述したもののような非植物性メディア、又は複数の草木のサブセットと非植物性メディアとの組合せを用いて創造され得る。一実施例においては、当該メディアエレメントは発光ダイオードのような光源によってバックライトされる艶消しアルミニウムから作られている。当該第2の側面24もまた、複数の草木40及びメディアエレメント60(図6及び8に示されているのみ)を含む。第2の側面24上のメディアエレメント60は、第1の側面22上に含まれているメディアエレメントと同一又は異なってもよい。非植物性メディア情報を含んでいない、側面22、24及び26の部分は、複数の草木40を含んでいる。図5〜8に示された三角形の自立の垂直構造体の寸法は模範的なものであり、適切な側面、角度、長さ、高さ又は幅の寸法が、本開示の構造体を形成するべく用いられてもよい。
【0027】
図5〜8に示されるように、第1の壁構造体20は断面において三角形の形状であってもよい。壁構造体20の中心部分は中空である。壁構造体20は、中空の三角形の断面を創造すべく構成されているパネル(複数)12から形成されている。代わりに、壁構造体20はまた、図4に示されるように、壁で囲われたエレメント16から形成され得る。当該三角形状の構造体20は、通行人が多くの異なる角度から当該構造体を観測し、そしてそれから伝達される情報に気付くことを許容する。当該構造体から伝達される情報は、当該構造体の周りの約360°から観測され得る。例えば、このようにして、当該構造体のそばを通る人々が、当該構造体周り360°に延びている視角からの同じ情報に異なる方向から容易に気付くように、同じ情報が当該構造体の各側面から表示され及び/又は伝達され得る。もう1つの実施例においては、見込みの通行人に応じた構造体の配置位置に依存して、異なる情報が表示され、及び/又は当該構造体の各側面から伝達され得る。
【0028】
三角形状の構造体に加えて、壁構造体は、円形状及び三角形以外の他の多角形の断面を有する壁構造体のような、本開示の自立の垂直構造体を創造するための形状ないし構成を取ってもよい。例えば、図9及び10に示されるように、矩形状の壁構造体80が図解されている。当該壁構造体80は、4つの側面82、84、86及び88を有している。当該構造体80は、上述のように、草木40、非植物性メディア50及び/又はメディアエレメント60の組合せの全てを含んでもよい。当該壁構造体80は、好ましくは、4つの側面の全て及び(図10に示されるように)非植物性メディアを含まない壁の部分に草木40を含んでいる。図示されるように、非植物性メディアは側面82に、及びメディアエレメント60は当該構造体80の少なくとも側面82、84に含まれている。当該構造体から伝達される情報は、上述のように、当該構造体の周りの約360°から観測され得る。
【0029】
当該矩形状の構造体80は、単一の壁エレメント、又は他の上に垂直に積み重ねられる複数の壁エレメント(図9)、又は(図2に示された実施例のような)並んで垂直に配列されたパネル(複数)から成ってもよい。例えば、図9に示されるように、壁構造体80は、中空の壁構造体を形成すべく他の上に垂直に積み重ねられる壁で囲われたエレメント90を含んでいる。当該壁で囲われたエレメントは、互いに及び当該壁で囲われたエレメントに対して溶接された金属板、又は隣り合う壁で囲われたエレメントを共に固定する他の適切な連結具によって共に固定されてもよい。構造体の所望の高さに達すべく壁構造体80を創造するためには、いくつもの壁で囲われたエレメント90が用いられてもよい。当該壁構造体80は土台(不図示)から垂直に延在し得る。図9及び10に示された当該自立の垂直構造体の寸法は模範的であり、適切な側面、角度、長さ、高さ又は幅の寸法が、本開示の構造体を形成すべく用いられてもよい。
【0030】
本開示の自立の垂直構造体のもう1つの実施例は、図11及び12に示されるように、ほぼ円形状の構造体100である。当該壁構造体100は、円形であり、草木40、非植物性メディア50、及び/又はメディアエレメント60及びそれらの組合せを含んでもよい。図示のように、壁構造体は(図12に示されるように、及び図11に部分的に示されるように)壁構造体100の周囲周りの草木、壁構造体100の一部の周りの非植物性メディア50、及びメディアエレメントを含んでいる。当該ほぼ円形状の構造体は、単一の壁エレメント、又は他の上に垂直に積み重ねられる複数の壁エレメントから成ってもよい。例えば、図11に示されるように、壁構造体100は、中空の壁構造体を形成すべく他の上に垂直に積み重ねられた壁で囲われたエレメント102を含んでいる。当該構造体から伝達される情報は、当該構造体の周りの約360°から観測され得る。当該壁で囲われたエレメントは、金属板を壁で囲われたエレメント又は隣り合う壁で囲われたエレメントを共に固定する他の適切な連結具に溶接することによって、共に固定されてもよい。構造体の所望の高さに達する壁構造体80を創造するためには、いくつもの壁で囲われたエレメントが用いられてもよい。壁構造体80は土台(不図示)から垂直に延在すべく固定されている。図11及び12に示された自立の垂直構造体の寸法は模範的なものであり、適切な直径、周囲、高さ又は幅の寸法が、本開示の構造体を形成すべく用いられてもよい。
【0031】
本開示の自立の垂直構造体のさらなる実施例が図13〜15に示されており、ここでは複数の平面壁構造体120が互いに対して直角に位置されている。土台10は、当該壁構造体120が土台10の上方に垂直に延在するように、壁構造体120を固定している。当該土台10は、当該壁構造体120を垂直に固定する単一の構造体、又は図13に示されるように、複数の構造体を含み得る。当該土台部材10は、付け柱18を垂直に固定する円筒状支柱(ピア)を含んでいる。壁構造体120を垂直に固定するためには、如何なる適切な土台10が用いられてもよい。当該付け柱18は、各々、それらが取り付けられるそれぞれの土台10から垂直に延在している。当該付け柱18の各々は、1つの壁構造体120又は複数の壁構造体120を受け入れるべく構成されているチャンネル19を含んでいる。当該付け柱18は、単一の壁構造体120又は複数の壁構造体120を受け入れるべく構成されている。当該壁構造体120は、前面122、後面124(不図示)、及び2つの側部面126及び128を含んでいる。当該チャンネル19は、側部面126、128を受け入れそして固定すべく構成されている。面122及び124の各々は、草木40、非植物性メディア50、及び/又はメディアエレメント60(不図示)、及び上述のように、それらの組み合わせを含み得る。図13に示されるように、前面は、草木40、非植物性メディア50及びメディアエレメント60を含む。好ましくは、非植物性メディア50又はメディアエレメント60を含んでいない、面122、124、126及び128の部分が草木40を含む。
【0032】
本開示の自立の垂直構造体のもう1つの実施例において、複数の平面壁構造体120は、図14及び15に示されるように、ジグザグ形態に構成されている。当該平面壁構造体120は、個々が単一の土台又は複数の土台10(不図示)によって垂直に固定されて、付け柱18によって共に直角に固定されている。当該平面壁構造体120は、(図15に示されるように、そして図14に部分的に示されるように)草木40、非植物性メディア50及びメディアエレメント60を含んでいる。当該非植物性メディア50は、マルチイメージ効果を創造しかつ伝達すべく壁構造体上に構成されている。当該壁構造体120は、第1の情報のセットの部分52又は第2の情報のセットの部分54を含んでいる。当該壁構造体は、第1の方向から見られたとき、第1の情報のセット52を伝達し、そして第2の方向から見られたとき、第2の情報のセット54を伝達する。当該第1及び第2の情報のセットは、(下記に説明される図16〜18に示されるような)マルチイメージ効果を創造するために、同じ又は異なる情報のセットであってもよい。当該メディアエレメント60もまた、第1の方向から見られたとき(図16〜18に示されるように)第1の情報セット62を、そして第2の方向から見られたとき(同じく図16〜18に示されるように)第2の情報セット64を伝達すべ区構成されてもよい。図13〜15に示された自立の垂直構造体の寸法は模範的なものであり、適切な側面、角度、長さ、高さ又は幅の寸法が本開示の構造体を形成すべく用いられてもよい。
【0033】
マルチイメージ効果を創造するもう1つの実施例において、三角形の壁構造体20は、例えば図16〜18に示されるように、他のものの次に置かれ得る。当該壁構造体20は、第1の情報セット52を含んでいる第1の側面22及び第2の情報セット54を含んでいる第2の側面を含む。当該壁構造体はまた、第3の側面26(不図示)を含んでいる。第1の方向から見られたとき、当該壁構造体は第1の情報セット52を伝達し(図18)、そして第2の方向から見られたとき、第2の情報セット54を伝達する(図17)。マルチイメージ効果を創造しそして伝達するためには、いくつもの数の壁構造体20が互いに隣り合って位置されてもよい。当該壁構造体はまた、複数の草木40を含んでもよい。当該壁構造体はまた、第1の方向から見られたとき第1の情報セット62を、第2の方向から見られたとき第2の情報区分64を伝達すべく構成されたメディアエレメント60を含んでもよい。
【0034】
本開示の自立の垂直構造体はまた、図19及び20に示されるように、互いに列状に隣り合って構成される平面壁120を含んでもよい。土台10(不図示)が当該壁構造体120を垂直に固定している。付け柱18が土台10によって垂直に固定され、そして各付け柱18はそれらが固定されているそれぞれの土台10から垂直に延在している。適切な土台及び付け柱の構成が利用可能であり、又は付け柱無しで壁構造体120を垂直に固定する適切な土台が用いられてもよい。付け柱18は、上述のように、壁構造体120を受け入れるべく構成されたチャンネル19を含んでいる。図19及び20に示されるように、当該壁構造体は離間されてもよいが、所望の長さの連続する平面壁構造体を形成すべく互いに対して当接されてもよい。図19及び20に示された自立の垂直構造体の寸法は模範的であり、本開示の構造体を形成するのに、適切な側面、角度、長さ、高さ、又は幅の寸法が利用されてもよい。
【0035】
当該壁構造体120は、前面122、後面124、及び2つの側部面126及び128を含む。当該前面及び後面の各々は、上述のように、(図20に示され、及び図19に部分的に示されるように)草木40、非植物性メディア50、及び/又はメディアエレメント60、及びそれらの組合せを含み得る。当該側部面は、当該自立の垂直構造体の端部に置かれるときに、草木を含み得る。図19及び20に示されるように、前面は当該構造体120の部分上に、上述のように、草木40、非植物性メディア50、及びメディアエレメント60を含む。非植物性メディア50を含まない当該壁構造体120の残部が、図20に示され、図19に部分的に示されるように、草木40を含んでいる。
【0036】
図1〜12及び16〜18に示されるように、当該自立の垂直構造体は、好ましくは、実質的に中空の内部を有している壁で囲われたエレメントから構成されるか、又は実質的に中空の自立の構造体を形成するパネルから構成される。当該壁で囲われたエレメント及びパネルは、構造体が1つの場所で組立てられ、分解されて異なる場所へ移送され、そしてその後、新しい場所で再組立され得るように、当該構造体が運搬可能であることを許容する。当該壁で囲われたエレメント及びパネルはまた、当該構造体20が低コストで構成されることを可能にしている。当該壁で囲われたエレメント及びパネルは、予め成型したコンクリート、現場打ちのコンクリート、木材、タイル、金属、鋼鉄、アルミニウム、合金、それらの組合せ、又は、当該自立の垂直構造体が分解され、構成部品として移送されるのを許容する他の適切な材料又は材料の組合せから作られてもよい。好ましくは、当該壁で囲われたエレメント及びパネルは予め成型した又は現場打ちのコンクリートから作られる。
【0037】
本開示の自立の垂直構造体のもう1つの実施例が図21に示されている。当該自立の構造体150は、土台又は他の支持構造体を用いないで自立するように構成されていて、自立の構成を達成すべき適切な寸法及び厚さとされている。当該構造体150は複数の側面152を含み、それらはここに記載されるように、複数の草木40、非植物性メディア50及びメディアエレメント60を含み得る。図21に示されるように、壁構造体150は第1の情報セット52及び第2の情報セット54を含む。第1の方向から見られたとき、壁構造体150は第1の情報セット52を伝達し、そして第2の方向から見られたとき第2の情報セット54を伝達する。当該壁構造体はまた、複数の草木40を含む。当該壁構造体はまた、第1の方向から見られたとき第1の情報セットを、及び第2の方向から見られたとき第2の情報区分を伝達するべく構成されたメディアエレメント60(不図示)を含んでもよい。図21に示された自立の垂直構造体の寸法は模範的であり、本開示の構造体を形成するのに、適切な側面、角度、長さ、高さ、又は幅の寸法が利用されてもよい。
【0038】
図22は、公園のような周囲の環境に溶け込まされた、図1に示されるような自立の構造体の一実施例を図解している。自立の構造体20、30は、(図1に示された)第1の側面22,32、第2の側面24、34及び第3の側面26、36をそれぞれ含んでいる。図22に示されるように、当該壁20、30の第2の側面24、34及び第3の側面26、36は、それらに除去可能に固定された複数の草木40を含んでいる。公園300が当該構造体20、30に隣接して形成されている。当該自立の構造体は周囲の環境内の何処にも置かれ得、そし図22に示された公園300のような周囲の環境を創造すべく利用され得ることが企図されている。図示のように、公園300は、木、花、茂み、草、ベンチ、散歩道、噴水、灯、又は他の構造体、草木又は公園で見出されるエレメントを含んでもよい。第1の側面22、32(不図示)は、好ましくは、ビデオ、グラフィックス、プリント、、オーディオ、イメージ、ロゴ、又は他の全てのメディア情報のような情報を伝達する非植物性メディアを含むことが理解されるであろう。当該非植物性メディアは、壁構造体20、30のそばを通る人々によって容易に認識されるべく構成されている。
【0039】
複数の草木40は、壁で囲まれた構造体に除去可能に固定されている。一実施例においては、図23及び24に見られるように、当該草木40は、複数の草木をその中に保持する複数の草木モジュール200を利用することによって、壁に除去可能に固定される。図23及び24に示されるように、レール220がここに記載されている壁構造体のような壁構造体230に固定され、そして草木モジュール200のための支持構造体を提供している。これらのレール220は集団で、壁構造体230に固定されるか、さもなければ隣接して取り付け又は配置される支持用の構造フレームを提供する。レール220に取付けられ、そして支持用構造フレームの追加の部分として作用しているのは、防水の背板240である。複数の草木モジュール200は、防水の背板240に除去可能に固定されるか、さもなければ防水の背板240上に複数のアンカー250によって設置される。これらのアンカー250は、好ましくは、ステンレススチールのような防食材料、代替的には、少なくとも高い耐食材料から作られる。これらの草木モジュール200は、草木を支えるかさもなければ保持し、そしてまた、当該草木の給水用かんがいシステムの支持体を提供する。草木モジュール200はまた、当該かんがいシステムによって供給された水が当該モジュール200から排水するのを許容する排水マット242を含んでいる。
【0040】
草木モジュール200は直方体の箱として示されているが、如何なる形状ないしは構成であってもよい。草木モジュール200は、一本の草木又は複数本の草木を受け入れるための開口210を含んでいる。当該開口及び草木は、当該草木が開口210内にぴったりと受け入れられる、すなわち、当該草木が開口210から容易に落下しない、ないしは除去されないように受け入れられるべく、寸法決めされている。当該草木モジュールは腐食しないか、時間とともに緩やかに腐食する不活性の生育培地を含んでもよい。使用され得る模範的な不活性生育培地は、Gro/danTM(登録商標)のような鉱物繊維ベースの材料であり、30年を越えて草木成長用に商業的に用いられている、ロックウールの高密度園芸形式である。当該不活性生育培地は、水及び栄養素が当該草木の根に配達かつ分配されるように、かんがいシステムによってパネルに供給される水及び栄養素を吸収しかつ蓄える能力を有している。当該不活性生育培地はまた、長期間に亘り大量の水を吸収しかつ蓄えるその能力によって、草木の成長及び維持のために必要とされる水の量を軽減する。当該草木モジュールは、壁構造体との関連で用いられている草木が土壌を使用すること無く天然の栄養素溶液によって給水され、かつ栄養が与えられることを可能にしている。限定するわけではないが、「BioTecture Ltd.」(The Glasshouse, Street End Road, Sidlesham W. Sussex PO20 7QD, England)によって供給されている「BioTecture Living Wall」を含む、適切な水耕可能なモジュールが用いられてもよい。
【0041】
上に示唆したように、かんがいシステムは栄養素及び水を当該草木に提供する水耕供給システムと排水システムを備えている。かかる水耕供給システムの一実施例が図23及び24に示されている。かんがいパイプ260が、隣り合う垂直に配列されたパネルモジュール200の間を、当該モジュール200に水及び栄養素を届けるために延在している。当該不活性生育培地は、水及び栄養素を吸収し、そして当該水及び栄養素を開口210内に保持されている個々の草木に配達かつ分配する。水及び栄養素は、公共水道及び/又は貯水器に接続され得る適切なポンプ装置によって供給されてもよい。当該かんがいシステムはまた、栄養素を水に混合する適切な設備を含んでいる。この適切な水耕能力のある支持構造体のさらなる詳細は、上記のウエブサイトで見出すことができ、「BioTecture Living Wall」についての情報は、「BioTecture Ltd.」の公式ウエブサイト、biotecture.uk.comから得ることができる。このウエブサイトのホームページは、上部左側にメニューを含んでいる。「BioTecture BiowallTM」と題されたタブにアクセスすると、ユーザーは本明細書の図23及び24に示されたシステムの詳細な図面にアクセスすることができる。
【0042】
再度、この図23及び24のシステムは、複数の草木をかんがいし栄養を与えるために用いられ得る1つの適切な水耕能力のある支持構造体に過ぎないことが理解されるべきである。他の製造者がここに記載されている自立の垂直構造体と共に用いるための機能的に同等の水耕能力のある支持構造体を提供していることは知られている。加えて、水耕能力のない草木モジュールがここに記載されたような壁構造体に設置された草木のために用いられ得ることも理解されよう。これにより、当該草木のためのシステムは必ずしも水耕供給システムである必要はないことが意味されている。
【0043】
草木モジュールを用いると、個々のモジュールが取外され、置き換えられ、そして壁構造体上で再配列されるのが可能である。このようにして、仮に草木が生き残れなければ、個々のモジュールが壁構造体全体を置き換えること無く置き換えられればよい。加えて、個々の草木はまた、モジュール全体を除去すること無くモジュールから除去され得る。他の実施例においては、当該壁構造体は、パネルモジュールを用いること無く、直接に当該草木を受け入れて保持するための開口ないしは他の領域を含でいる。さらに他の実施例においては、草木モジュールと当該壁構造体に形成された領域との組合せが壁構造体に垂直に草木を保持すべく利用されている。同様に、イメージ、グラフィックス、ワード、ロゴ、商標、又は他のイメージのような、当該草木の配列及び構成によって創造される情報を表示するような方法で、草木モジュール及び壁構造体に保持される当該草木を配列かつ構成することによって、異なるメディア情報が当該壁構造体に設けられてもよい。
【0044】
ここに、いくつかの代替的な実施形態及び実施例が説明かつ図解された。当業者は、個々の実施形態の特徴、及び構成要素の可能な組合せ及び変更を理解するであろう。当業者はさらに、実施形態及び実施例のいずれもここに開示された他の実施形態及び実施例に組合せられて提供され得ることを理解するであろう。
【0045】
以上、ベストモード及び/又は他の実施例とみなされるものが説明されたが、種々の修正がなされ得ること、ここに開示された主題は種々の形式及び実施例で実践され得ること、及びそのいくつかのみがここに記載されている教示は多数の用途に適用され得ることが理解されよう。下記の請求項によって、本教示の真の範囲内に入る如何なる及び全ての用途、修正及び変更を主張することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24