特許第5787904号(P5787904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5787904排気ガスターボチャージャーのウェイストゲートバルブなどの弁機構用の作動機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5787904
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】排気ガスターボチャージャーのウェイストゲートバルブなどの弁機構用の作動機構
(51)【国際特許分類】
   F02B 37/18 20060101AFI20150910BHJP
【FI】
   F02B37/12 301D
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-552259(P2012-552259)
(86)(22)【出願日】2010年12月4日
(65)【公表番号】特表2013-519813(P2013-519813A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】EP2010007380
(87)【国際公開番号】WO2011098105
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2013年11月27日
(31)【優先権主張番号】102010007600.7
(32)【優先日】2010年2月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505448822
【氏名又は名称】アイ・エイチ・アイ チャージング システムズ インターナショナル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(74)【代理人】
【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子
(72)【発明者】
【氏名】キーラト,ジャロズロウ
(72)【発明者】
【氏名】ブルメステル,ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンテル,クリスティアン
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102009015899(DE,A1)
【文献】 実開昭60−131633(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第102006021185(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 33/00−41/10
F02B 47/08−47/10
F02M 25/06−25/07
F16K 1/00− 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスターボチャージャーのウェイストゲートバルブとして構成された弁機構用の作動機構であって、レバー部材(12)と、該レバー部材を介して移動操作される弁体部材(14)とを備え、前記弁体部材は流通開口を閉塞するための閉塞面(16)を有し、前記レバー部材(12)と前記弁体部材(14)とは少なくともそれら部材の各々に設けられた当接面(20、22)を介して互いに協働するようにしてあり、それら当接面の各々は、少なくとも前記弁体部材(14)の軸方向(18)に対して直交する平面から湾曲した湾曲面として形成されており、以上において、前記湾曲した当接面(20、22)は互いに同心的に配置され、それら当接面に共通する中心点(30)が、少なくとも実質的に前記弁体部材(14)の前記閉塞面(16)の表面の高さ位置に位置し、前記当接面(20、22)は球面であることを特徴とする作動機構(10)。
【請求項2】
前記レバー部材(12)と前記弁体部材(14)とは、少なくとも1つの連結部材(32、38)を介して連結されていることを特徴とする請求項1記載の作動機構(10)。
【請求項3】
前記レバー部材(12)と前記連結部材(32、38)とは、それら部材の各々に設けられた当接面(42、44)を介して互いに協働するようにしてあり、それら複数の当接面は、前記軸方向(18)に対して直交する平面から湾曲した湾曲面として形成されていることを特徴とする請求項2記載の作動機構(10)。
【請求項4】
前記連結部材(32、38)は、リベット接合法及び/または溶接法により前記弁体部材(14)に接合されていることを特徴とする請求項2又は3記載の作動機構(10)。
【請求項5】
前記連結部材(32、38)は、実質的に座金形部材(32)として形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の作動機構(10)。
【請求項6】
前記座金形部材(32)は、前記弁体部材(14)に溝部(40)として形成された嵌装部(40)に少なくとも部分的に嵌装されていることを特徴とする請求項5記載の作動機構(10)。
【請求項7】
前記連結部材(32、38)は、実質的に軸部材(38)として形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の作動機構(10)。
【請求項8】
前記レバー部材(12)と前記弁体部材(14)とは、更に、前記弁体部材(14)の径方向(46)に対して直交する平面から湾曲した湾曲面として形成された少なくとも1つの当接面(44)を介して協働するようにしてあることを特徴とする請求項2乃至7の何れか1項記載の作動機構(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載した種類の、例えば排気ガスターボチャージャーのウェイストゲートバルブなどの弁機構用の作動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許公報第DE 10 2006 022 482 A1号には、内燃機関の排気タービン式過給機(ターボチャージャー)のための排気流量制御用フラップ弁が開示されている。この排気流量制御用フラップ弁は、揺動アームと、この揺動アームに取付けられた弁板部材とを備えており、排気ガスターボチャージャーのタービンハウジングに設けられたバイパス開口に弁板部材が着座することでバイパス開口が閉塞され、バイパス開口から弁板部材が離座することでバイパス開口が開放される。この排気流量制御用フラップ弁の弁板部材を揺動させるために用いられている作動機構は、揺動アームに弁板部材を取付けている取付構造を、バイパス開口に対する弁板部材の相対的な角度が調節されるような構造としたものであり、その取付構造は、揺動アームと弁板部材とが当接する当接領域を凸球面と凹球面とで構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ特許公報第DE 10 2006 022 482 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この公知の排気流量制御用フラップ弁には、大きな摩耗が発生し易く、そのため機能障害を生じるおそれがあるという問題があった。従って本発明の目的は、例えば排気ガスターボチャージャーのウェイストゲートバルブなどの弁機構用の作動機構であって、高度の機能確実性を備えた作動機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1に記載した特徴を備えた、例えば排気ガスターボチャージャーのウェイストゲートバルブなどの弁機構用の作動機構により達成される。本発明の好適且つ非自明な修正を加えた有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明に係る弁機構用の作動機構は、例えば排気ガスターボチャージャーのウェイストゲートバルブなどの弁機構を作動させるための弁機構用の作動機構であって、レバー部材と、該レバー部材を介して移動操作される弁体部材とを備え、前記弁体部材は流通開口を閉塞するための閉塞面を有し、前記レバー部材と前記弁体部材とは少なくともそれら部材の各々に設けられた当接面を介して互いに協働するようにしてあり、それら当接面の各々は、少なくとも前記弁体部材の軸方向に対して直交する平面から湾曲した湾曲面として形成されており、以上において、前記湾曲した当接面は互いに同心的に配置され、それら当接面に共通する中心点が、少なくとも実質的に前記弁体部材の前記閉塞面の表面の高さ位置に位置することを特徴とする。
【0007】
前記当接面の各々が、前記閉塞面から離れる方向へ膨出するように湾曲した湾曲面として形成されており、しかもそれら当接面が、互いに同心的な位置関係にある構成とすることで、前記弁体部材が固着するおそれが払拭ないし低減され、また、それら当接面に大きな摩耗が発生することが防止されるため、この作動機構は高度の機能信頼性を備えたものとなる。また、かかる構成は極めて大きな負荷に耐えることができ、例えば高温や極低温に対する耐性にも優れていることから、非常に長い供用期間に亘ってメンテナンスに要する時間と費用とが低く抑えられ、また、メンテナンスの頻度も低く抑えられる。
【0008】
本発明に係る作動機構では前記弁体部材が移動可能とされており、即ち、前記当接面どうしが互いに当接した状態で相対的に摺動することにより前記弁体部材が揺動することができ、それによって角度補償がなされるようになっている。この角度補償によって弁機構の流通開口の閉塞状態が極めて良好になると共に、製造誤差や堆積物質の付着に対する補償も行われる。流通開口を閉塞するためには、前記弁体部材が弁座に密着状態で着座する必要があるが、もし製造誤差や堆積物質の付着に対する補償が行われなければ、前記弁体部材の着座の密着状態が毀損されるおそれがあるのである。この角度補償のための前記弁体部材の移動即ち揺動は、各々の前記当接面に共通する中心点である前記共通中心点を中心とした揺動であり、例えば前記弁体部材の弁板部や前記弁体部材それ自体に力が、例えば閉塞力が作用することによって、前記共通中心点を中心とした回転モーメントが発生する。そのため、もし前記共通中心点が前記閉塞面の表面からかなりの離隔距離に位置するならば、そのように作用する力のモーメントの腕の長さが離隔距離に応じて長くなり、ひいては前記共通中心点を中心とした回転モーメントが大きなものとなるために、前記当接面に作用する摩擦力が大となり、それによって前記当接面に大きな摩耗が発生し、また前記弁体部材が固着することによって弁機構が機能障害を生じるおそれがある。
【0009】
本発明に係る作動機構によれば以上のことが防止される。即ち、本発明に係る作動機構によれば、前記弁体部材が移動即ち揺動していない状態にあるときにも、つまり前記弁体部材が角度補償のなされていない角度位置にあるときにも、複数の前記当接面に共通する前記共通中心点が、少なくとも実質的に前記閉塞面の表面の高さ位置に位置している。更に、本発明に係る作動機構は、前記弁体部材を前記レバー部材に連結する自在継手としての機能を提供しており、それによって製造誤差や堆積物質の付着に対する補償がなされるため、弁機構の閉塞機能が極めて良好なものとなる。また本発明に係る作動機構によれば、製造誤差並びに堆積物質の付着に対する補償を可能にするための構成部材の遊びの大きさを最小限に抑えることができ、それによって弁機構の閉塞機能が更に良好なものとなる。
【0010】
また、本発明に係る作動機構によれば、前記弁体部材が反作用力で逆方向に回転しようとすることに対する抵抗モーメントを提供する前記当接面が、球面や円錐面などの形状の湾曲面として形成されていることにより、その高度の機能確実性がより一層増強されている。更に、前記当接面が湾曲面として形成されていることにより、この作動機構の容積を小さなものとしつつ、前記当接面の面積を大きく取れるという利点が得られており、これによって摩耗低減効果が更に高められている。
【0011】
以上に加えて更に、本発明に係る作動機構は騒音特性にも優れており、これは、上述したように遊びの大きさを最小限に抑えることができるため、構成部材のガタ付きによって騒音が発生することが殆どないからである。このことは、本発明に係る作動機構を用いた排気ガスターボチャージャーを装備した自動車の運転快適性に良好な影響をもたらすものであって、それは、本発明に係る作動機構が自動車の乗員が不快と感じる騒音を発生しないからである。
【0012】
本発明の更なる利点、特徴、及び細部構成については、以下に示す好適な実施の形態についての説明を参照し、また添付図面を参照することにより明らかとなる。以上の説明中で言及した様々な特徴及びそれら特徴の組合せ、並びに、添付図面に関連した以下の説明中で言及し、及び/または、図面中に示す様々な特徴及びそれら特徴の組合せは、それら説明ないし図面に示した通りの組合せで利用し得るばかりでなく、それとは異なる組合せで利用することもでき、また、個々の特徴を単独で利用することも可能なものであって、そのような特徴を利用した場合でも本発明の範囲から逸脱するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る作動機構の断面図である。
図2】本発明の別の実施の形態に係る作動機構の断面図である。
図3】本発明の更に別の実施の形態に係る作動機構の断面図である。
図4】本発明の更に別の実施の形態に係る作動機構の断面図である。
図5】本発明の更に別の実施の形態に係る作動機構の平面図である。
図6図5に示した本発明の実施の形態に係る作動機構の側面図である。
図7図5に示した本発明の実施の形態に係る作動機構のB−B線に沿った断面図である。
図8図5に示した本発明の実施の形態に係る作動機構のA−A線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示したのは、排気タービン式過給機(ターボチャージャー)のウェイストゲートバルブを作動させるための弁機構用の作動機構10であり、このウェイストゲートバルブによって、排気ガスターボチャージャーのタービンの羽根車に作用する圧力を制御することができる。作動機構10は、レバー部材12と、このレバー部材12を介して移動操作される弁体部材14とを備えている。弁体部材14は閉塞面16を有しており、この閉塞面16によって流通開口を閉塞することができる。更に、弁体部材14によって、流通開口であるバイパス開口は少なくとも部分的に閉塞され、または少なくとも部分的に開放されることができ、それによって、排気ガスターボチャージャーを装備した内燃機関の排気全量のうち所望量の排気を、羽根車を通過させずにバイパスさせ、もって、その所望量の排気が羽根車に作用せず、羽根車の駆動に関与しないようにするものである。
【0015】
レバー部材12と弁体部材14とは、それら部材の各々に設けられた当接面20、22を介して互いに協働するようにしてあり、それら当接面20、22は、弁体部材14の軸方向(図中に矢印18で示した方向)に対して直交する平面から湾曲した湾曲面として形成されている。それら当接面20、22によって一種のボールジョイントが構成されており、このボールジョイントによって弁体部材14が角度調整のために揺動可能とされている。この弁体部材14の揺動によって角度補償が行われ、その角度補償により、製造誤差の補償、及び/または、弁体部材14が着座する弁座への堆積物質の付着に対する補償が行われる。図1に示した弁体部材14の状態は、この弁体部材14が中立位置にある状態であり、即ち、角度補償のための移動が行われていない状態、つまり揺動していない状態である。そのため、閉塞面16に対して直交する方向であって弁体部材14の軸方向(図中に矢印18で示した方向)に対して平行な方向に延在している軸24が、弁体部材14に一体形成された軸部28がその中を貫通して延在しているレバー部材12の貫通孔26の軸方向と平行になっている。閉塞面16から離れる方向へ膨出するように湾曲した湾曲面として形成されている当接面20と当接面22とは、互いに同心的な位置関係にあり、それら当接面20、22に共通する共通中心点30が、少なくとも実質的に弁体部材14の閉塞面16の表面の高さ位置に位置するようにしてある。これによって作動機構10は、発生摩耗量の小さなものとなっており、また、弁体部材14の固着が防止されることによって高度の機能信頼性を備えたものとなっている。
【0016】
図1から明らかなように、レバー部材12と弁体部材14は、連結部材である座金形部材32を介して連結されており、この座金形部材32は、リベット接合法及び/または溶接法を用いて弁体部材14又は軸部28に接合される。図中に矢印18で示した方向に応じた軸方向に平行な方向のうち、一方の方向に関しては当接面20と当接面22が協働してストッパとしての機能を提供し、その他方の方向に関しては座金形部材32がストッパとしての機能を提供しており、この構成とすることで、作動機構10における遊びの大きさを最小限に抑えることができる。座金形部材32とレバー部材12とは、それら部材の各々に設けられた当接面34、36を介して互いに協働するようにしてあり、それら当接面34、36は、閉塞面16から離れる方向へ膨出するように湾曲した湾曲面として形成されている。尚、座金形部材32の湾曲面は、図1に示したような球面形状のものとする代わりに、屋根形とすることも可能であることに留意すべきであり、そうした場合には、座金形部材32とレバー部材12との当接形態が線接触となる。
【0017】
作動機構10を組立てる際には、例えば座金形部材32と弁体部材14の軸部28との嵌め合い公差を締り嵌めとしておき、両者を嵌合した上で、アーク溶接法、加圧溶接法、レーザ溶接法、それにリベット接合法などの、適宜の接合法を適用して座金形部材32を弁体部材14の軸部28に接合する。これによって遊びの大きさを極めて小さなものとすることができるが、実際に遊びの大きさがどれほどになるかは、適用する接合法によって異なる。遊びの大きさが所定の目標値になるようにすることが必要な場合には、軸部28に肩部を形成するとよく、その場合に、軸部28を、従って弁体部材14を鋳造部品として製作するのであれば、その鋳造工程において肩部を形成するようにすればよい。
【0018】
図2に示したのは別の実施形態に係る作動機構10であり、図1の作動機構10に関して上で説明した事項はこの図2の作動機構10にも略々同様に該当する。
【0019】
図2の作動機構10では、連結部材である軸部材38がレバー部材12に連結されている。この軸部材38は、弁体部材14とは別に形成された部材であって、レバー部材12の貫通孔26を貫通して延在し、更に弁体部材14の嵌合孔に嵌合している。また、弁体部材14と軸部材38とは、例えばリベット接合法及び/または溶接法などにより接合される。
【0020】
図1と比較すると、軸部28が軸部材38に置き換えられていることがわかる。
【0021】
図3に示したのは更に別の実施の形態に係る作動機構10であり、図1及び図2の作動機構10に関して上で説明した事項はこの図3の作動機構にも略々同様に該当する。図3の作動機構10では、弁体部材14に軸部28が一体形成されている。軸部28は、方向(図中に矢印18で示した方向)に、閉塞面16とは反対側へ延出しており、レバー部材12の貫通孔26を貫通して突出している。また、軸部28は、嵌装部である溝部40を有しており、この溝部40に座金形部材32が嵌装されている。
【0022】
この図3の作動機構10でも、座金形部材32は溶接法及び/またはリベット接合法により弁体部材14に接合され、それによって、前述した他方の方向に関するストッパ部が構成される。
【0023】
図3の作動機構10において、当接面20及び22は、閉塞面16へ近付く方向へ膨出するように湾曲した湾曲面として形成され、一方、当接面34及び36は、閉塞面16から離れる方向へ膨出するように湾曲した湾曲面として形成されており、それら湾曲面は互いに同心的な位置関係にある。そして、それら湾曲面に共通する共通中心点30が、少なくとも実質的に閉塞面16の表面上に位置するようにしてあり、これによって、発生摩耗量が小さく抑えられ、高度の機能確実性が得られ、更には、遊びの大きさが小さく抑えられてガタ付き音の発生が防止されるようにしている。
【0024】
また更に、図3から明らかなように、レバー部材12は、当接面42及び44を介して弁体部材14と協働するようにしてある。レバー部材12の当接面44は、弁体部材14の径方向(図中に矢印46で示した方向)に対して直交する平面から湾曲した湾曲面として形成されている。また、この当接面44は、軸部28へ(従って弁体部材14へ)近付く方向へ膨出するように湾曲した湾曲面として形成されている。
【0025】
図4は本発明の更に別の実施の形態に係る作動機構10を示した図であり、この作動機構10は加圧溶接法を用いて製作されるものである。図2の実施の形態と異なる点は、軸部材38が弁体部材14の途中までしか嵌入しておらず、貫通していないことである。軸部材38は弁体部材14に加圧溶接されている。ただし、加圧溶接に替えてロウ付け法などを用いて接合してもよい。
【0026】
図5図6図7、及び図8は、本発明の更に別の実施の形態に係る作動機構10の平面図、側面図、及び断面図を示したものである。この作動機構10は、端面形状を楕円形とした連結軸部材38を介して接続された円形の弁体部材14を備えている。この実施の形態において、連結軸部材38の全体のうちの弁体部材14に完全に嵌入する部分は、円形の横断面形状を有する形状に形成されており、一方、この連結軸部材38の全体のうちの(弁体部材14をレバー部材12に連結するために)弁体部材14が連結される部分は、楕円形の外周形状を有する形状に形成されている。この実施の形態では、弁体部材14の連結構造の形状を球面形とは異なる形状としているため、弁板部材などの弁体部材14がその長手方向軸を中心として回転することが防止されるという利点が得られている。即ち、もし弁体部材14が回転したならば、それによって部材どうしが擦れ合うために騒音が発生し、また摩耗が進行するおそれがあるが、この実施の形態によれば、回転防止のための部品を付加することなく弁体部材14の回転を防止することができるのである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8