(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記液体に溶解した少なくとも1つの酸素含有化合物を含み、前記溶解した酸素含有化合物が、前記液体中の前記硫酸塩成分の溶解を促進させるために十分な量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【発明の概要】
【0003】
本発明の例示的な態様の詳細な説明のためには、以下の添付の図面を参照されたい。
【0004】
表記及び用語
以下の説明及び特許請求の範囲を通じて、特定のシステム要素を指すため、特定の用語が使用される。当業者により理解されることではあるが、複数のコンピュータ会社は、ある要素を異なる名前で呼ぶことがある。本書類では、名前が異なるが機能は異ならない要素間で、これを区別をすることを意図していない。以下の議論及び特許請求の範囲では、「含む」及び「備える」(including、comprising)という語は、制約のない形式で使用され、よって、「含むが、…に限定されることはない」との意味に解釈されるべきである。
【0005】
「約」という語は、数値又は範囲について用いる場合、測定をした場合に生じ得る実験的な誤差からもたらされる値を包含することを意図している。このような測定偏差は、通常、記載されている数値のプラス又はマイナス10パーセント内である。
【0006】
「印刷品質」又は「PQ」という語は、インクジェット印刷された画像について用いる場合には、次の性質、すなわち光学濃度(「印刷密度」)、色域、エッジ明瞭度、ストライクスルー、及び印刷された媒体のインク乾燥時間の1つ以上を指す。
【0007】
「ブラック光学濃度」(KOD)は、反射率の変化の測定値OD=log
10(Ii/Ir)であり、Ii及びIrはそれぞれ、ブラックの色の印刷画像の入射光及び反射光の強さである。KOD値が高いほど、より暗いブラック色の画像が得られる。
【0008】
「色域」は、所定の条件、例えばCIE1976(L
*,a
*,b
*)色空間のような所定の色空間内で、正確に表現することができる色のサブセットを指す。
【0009】
「エッジ明瞭度」又はライン不規則度は、印刷されたライン(線)の最端エッジ及び後端エッジの不規則さの平均を指し、その理想的な位置からのエッジの幾何学的な歪みの現れを評価するものである。
【0010】
「インク乾燥時間」は、インクが乾燥して別の表面へ滲み又は移動しなくなるまでにかかる時間を指す。
【0011】
「画像ストライクスルー」は、印刷媒体の第1の側に印刷された画像が反対の側から見ることができるという画像欠陥を指す。これは、通常、媒体の不十分な不透明性及び/又は反対側への過剰のインク浸透によって起こる。
【0012】
「クラッシング」又は「クラッシュ(若しくはクラッシュアウト)」(crashing、crashesout)は、顔料インクを印刷媒体に塗布した場合、水性溶剤による顔料着色剤の安定化した懸濁が妨げられ、顔料粒子が懸濁液から沈殿することを意味する。
【0013】
「紙」、「紙基材」、「印刷媒体」、「紙ストック」又は「ベースストック」は、従来の紙、例えば木材紙、非木材紙、合成紙、及び再生紙を含む。さらに一般的には、これらの語は、セルロース繊維及び他の公知の紙繊維をベースとする基材を包含することを意味する。基材は、任意の寸法、例えばサイズ又は厚み、又は形態、例えばパルプ紙、湿紙、及び乾紙であってよい。基材は、ロールの及び広げられた形態であってよいし、平らな又はシート状の構造の形態であってよく、様々な寸法であってよい。特に、基材は、普通紙又は非コート紙、筆記用紙、画用紙、写真ベース紙、コート紙、及びこれらに類するものを包含することを意味する。例えば、紙基材は、印刷媒体の所望の最終用途に応じて、約2ミル〜約30ミルの厚さであってよい。
【0014】
「広葉樹パルプ」という語は、カバ、カシ、ブナ、カエデ及びユーカリのような落葉樹(被子植物)の木材料から由来する繊維パルプを指す。
【0015】
「針葉樹パルプ」という語は、様々なモミ、トウヒ及びマツ、例えばテーダマツ、スラッシュパイン、コロラドトウヒ、バルサムモミ、及びダグラスファーといった、針葉樹(裸子植物)の木材料から由来する繊維パルプを指す。
【0016】
温度、比率、濃度、量及び他の数値データは、本明細書では範囲の形式で示されている場合がある。このような範囲の形式は、単に簡便さ及び簡潔さのために使用され、範囲の限界として明記した数値しか含まないというのではなく、この範囲内に含まれる全ての個々の数値又は副次的範囲が、その数値及び副次的範囲が明記されているかのように含むとフレキシブルに解釈されるべきであると理解されたい。例えば、約1〜10Kgの重量範囲は、約1Kg〜約10Kgという明記された限界値ばかりでなく、特定された範囲内での、1〜8Kg、2〜5Kg等のような副次的範囲並びに例えば2Kg、3.5Kg及び5Kgのような部分的な量を含む個々の量を含むと解釈されるべきである。
【0017】
詳細な説明
以下の議論は、本発明の様々な態様に関する。1つ以上のこれらの態様が好ましいものであり得るが、開示の態様は、特許請求の範囲を含む開示の範囲を限定するものとして解釈、或いは使用されるべきではない。加えて、当業者は、以下の記述が広く応用されるものであり、任意の態様の議論はその態様の例示的を意味するにすぎず、また特許請求の範囲を含む開示の範囲はその態様に限定されることを意図するものではないことを理解するであろう。
【0018】
表面処理組成物
開示の組成物及び処理方法の特徴は、塩化物アニオンを含む任意の塩種を、紙表面処理組成物中の着色剤固定剤としてそれのみで使用しないことである。従来の紙強化組成物に対してなされる改善は、紙表面処理組成物中の着色剤固定剤として硫酸イオンを塩化物イオンと組み合わせることによって提供される。様々な組成物では、表面処理組成物中の着色剤固定剤として、硫酸アニオンを有する1つ以上の塩が塩化カルシウムと組み合わせられる。いくつかの例では、表面処理組成物は、硫酸カルシウム及び塩化カルシウムの混合物を、水ベースの溶液又は分散液の形で含有する。多くの態様では、硫酸アニオンを含む塩は、硫酸カルシウムである。様々な別の態様では、硫酸アニオンを含む塩は、硫酸ナトリウム又は硫酸マグネシウムである。
【0019】
多くの場合、塩化カルシウム充填の量は、慣例で使用されている典型的な4〜8Kg/紙1Tの充填の少なくとも半分低減される。いくつかの例では、塩化カルシウム充填は、有利には、印刷された製品の光学濃度を犠牲にすることなく、50%より多く低減される。様々な態様では、塩化物含有固定剤は、約2800ppm〜約5000ppmの量で存在し、硫酸塩含有固定剤は、約70ppm〜約150ppmの量で存在する。多くの用途では、硫酸塩及び塩化カルシウムを含有する表面処理組成物は、処理された紙のインクジェット印刷品質を、唯一の二価塩として塩化カルシウムを含有する表面処理組成物に比べ大幅に高める。同時に、多くの用途で、原紙ベースを表面処理するために開示の表面処理組成物を使用することによって、表面処理組成物中の塩化物の量が著しく低減されるため、ペーパーミルにおける白水の腐食性の制御が助成されることとなる。表面処理組成物中の通常の塩化物含有固定剤の一部を硫酸塩含有着色剤固定剤に代えることの有利な効果を説明するための特定の任意の理論に限定されることを望まず、硫酸塩は、表面上で塩化Ca塩がより有効となることを促し、よって、同じ充填量で、より高い/より良い印刷品質を達成することができると考えられる。
【0020】
表面サイズ剤
多くの場合、表面処理組成物は、硫酸イオン及び塩化物イオン並びに水の上記組合せに加え、慣用の表面サイズ剤を含む。表面サイズ剤は、液体の紙基材への浸透に対する抵抗を構築することを助成し、紙表面の滑らかさも改善する。いくつかの適した表面サイズ剤は、非限定的に、澱粉及び澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース(CMC);メチルセルロース;アルギン酸塩;ワックス;ワックスエマルジョン;アルキルケテン二量体(AKD);アルキルコハク酸無水物(ASA);アルケニルケテン二量体エマルジョン(AnKD);カチオン性澱粉を含むASA又はAKDのエマルジョン;ミョウバンを加えたASA;水溶性ポリマー材料、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アクリルアミドポリマー、アクリルポリマー又はコポリマー、ビニルアセテートラテックス、ポリエステル、塩化ビニリデンラテックス、スチレンブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、スチレンアクリルコポリマー及びコポリマー、並びにこれらの薬剤の様々な組合せを含む。多くの用途では、いくつかのタイプの澱粉が、表面サイズ剤として使用される。適切な澱粉の例は、コーン澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、サゴ澱粉及びジャガイモ澱粉である。これらの澱粉種は、未加工澱粉、酵素加工澱粉、熱及び熱化学的に加工された澱粉、並びに化学的に加工された澱粉であってよい。化学的に加工された澱粉の例は、転化澱粉、例えば酸流動性澱粉(acid fluidity starches)、酸化澱粉及びピロデキストリン;誘導体化澱粉、例えばヒドロキシアルキル化澱粉、シアノエチル化澱粉、カチオン性澱粉エーテル、アニオン性澱粉、澱粉エステル、澱粉グラフト、及び疎水性澱粉である。
【0021】
表面サイズ剤は、一般に、製紙の分野で慣例の濃度レベルで使用される。いくつかの例では、表面サイズ剤は、澱粉及び合成サイズ剤の両方を含む。例えば、澱粉のピックアップ量は、0.5〜6グラムパー平方メートル(gsm)/紙の片側であってよく、合成表面サイズ剤の量は、0〜6Kg/紙面1Tの範囲であってよい。内部サイジング及び表面サイジングによって、塗布されたインクに関する紙の吸収能力及び吸収速度が制御される。サイズ処理の程度は、主として、特定の用途に使用されるサイズ剤の種類及び量によって決定される。水性溶剤の吸収は、例えば、Cobbサイズ値及びBristow Wheel吸収率によって特徴付けることができる。最適な結果を得るために、Cobb値は典型的には、60秒で20〜50gsmの範囲、好ましくは約25〜35gsmの範囲である。Bristow Wheel Dynamic Sorption Testerによって測定される吸収率は、1.25mm/秒のホイール速度で5ml/m
2/秒〜50ml/m
2/秒の範囲である。
【0022】
他の成分
所要の硫酸塩及び塩化物成分に加えて、処理組成物は、上記のサイズ剤に代えて又はこれに加えて、1つ以上の他の成分含んでいてよい。これらの成分は、顔料、分散剤、光学光沢剤、蛍光染料、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、顔料、バインダ、pH制御剤、コーティングリリース剤、及び当分野で知られ且つ硫酸塩含有成分及び塩化カルシウムと適合性のある任意の他の適した表面処理剤を含む。いくつかの例では、硫酸塩含有成分のための溶解度向上剤が、上述の硫酸塩濃度範囲の上限を増大させるために、表面処理組成物中に含まれる。例えば、グリセロールを添加することによって、可溶化される硫酸カルシウムの濃度を、20℃での溶液中の硫酸Ca約5重量%まで増大させることができ、これは、グリセロールなしの場合の溶液中の硫酸Ca約0.25重量%までと比較される。
【0023】
表面処理組成物の製造方法
多くの場合、硫酸塩−塩化物表面処理組成物は、まず水中に約2.8〜約5g/100mlの塩化物成分を溶解することによって作られる。次に、硫酸塩成分約0.2〜約4.76g/100mlを、塩化物溶液中に溶解するまで(どの硫酸塩が使用されるかに依存する)混合する。塩化物成分は、1つ以上の塩化物含有化合物を含有していてよい。適した塩化物成分のいくつかの非限定的な例は、塩化カルシウム及び塩化ナトリウムである。硫酸塩成分は、1つ以上の硫酸塩含有化合物を含有していてよい。適した硫酸塩含有化合物のいくつかの非限定的な例は、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム及び硫酸マグネシウムである。塩化カルシウム及び硫酸カルシウムを含有する大抵の組成においては、その濃度は、約2.8〜約5g/100mlの塩化カルシウム及び約0.2〜約4.76g/100mlの硫酸カルシウムの範囲である。処理組成物の調製は一般に、室温で又は約25℃で行われる。任意の適切な混合装置を、組成物の形成及び混合のために使用することができる。
【0024】
いくつかの例では、硫酸塩成分の溶解度を増大させるために、酸素含有化合物、例えばポリビニルアルコール又はグリセロールを、硫酸塩成分の混合及び溶解の前に、塩化カルシウム溶液中に溶解させる。多くの場合、塩化物−硫酸塩溶液中に1つ以上のサイズ剤を溶解させる。上記の1つ以上の他の成分も、塩化物−硫酸塩溶液中に溶解又は分散させることができる。いくつかの態様で、澱粉がサイズ剤として使用される場合、処理組成物の他の成分と合わせる前に、水中で予加熱する。澱粉を希釈するために、加熱された澱粉に水が添加され、続いて、硫酸塩が希釈された澱粉に添加され、その後、塩化物塩が添加される。
【0025】
ベース紙ストック
インクジェット印刷可能な紙又は印刷媒体を作るために使用される紙ベース、ストック又は基材は、任意の種類のセルロース繊維、又は製紙のための使用のために知られた繊維の組合せを含む。例えば、基材は、製紙用繊維での使用のために提供される広葉樹、針葉樹又は広葉樹と針葉樹との組合せから得られたパルプ繊維から作ることができ、当該パルプ繊維は、公知の分解、精製及び漂白操作、例えば、通例用いられる機械的、熱機械的、化学的及び半化学的なパルプ化又は他の公知のパルプ化プロセスによって得られる。いくつかの用途では、パルプ繊維の全て又は一部が、非木材草本植物、例えばケナフ、麻、黄麻、亜麻、サイザル及びアバカから得られる。漂白された又はされていないパルプ繊維を、印刷媒体に適した紙ベースを準備する際に使用することができる。再生パルプ繊維も使用に適している。いくつかの用途では、紙ベースは、広葉樹繊維30%〜約100重量%と針葉樹繊維約0%〜約70重量%とを合わせることによって作られる。
【0026】
任意の多数の充填材が、基材の形成の際に、様々な量で紙パルプ中に含まれていてよく、これにより、ユーザの特定の要求に応じて、最終の基材の物理的な特性が制御される。いくつかの適した充填材は、いくつか挙げてみると、重質炭酸カルシウム(粉砕炭酸カルシウム)、沈降炭酸カルシウム、二酸化チタン、カオリンクレー、及びシリケートであり、これらを、パルプに加えることができる。多くの紙ベースの配合に関し、パルプの充填材含有量は、乾燥繊維パルプで約0%〜約40重量%の範囲である。これらの用途のいくつかにおいては、充填材は、乾燥繊維パルプ約10%〜約20重量%となっている。例示的なインクジェット印刷媒体は、ベースストック、例えばセルロース紙、及びベースストックの片面又は両面に塗布された表面処理組成物を含む。セルロースベース紙は、例えば、充填材を約0.5〜35重量%で含み、約35〜250gsmの坪量を有していてよい。
【0027】
紙ストックの内部サイジング
多くの用途では、パルプ懸濁液には、少なくとも1つのサイズ剤が、紙ウェブ又は基材に変換される前に添加され、これにより、基材の内部サイジングが得られる。この内部サイズ処理は、得られる基材において、使用時の液体に対する抵抗の向上を助成する。製紙プロセスのさらなる段階において、内部サイジングは、その後に塗布される任意の表面サイジングが、最終的に得られたシート中に染みこむことも防止し、それにより、表面サイジングが、最高の効率を有する場所である表面上に留まることができる。この目的のために適切に使用される内部サイズ剤は、製紙機械のウェットエンドで通例使用される任意のものを含む。例えば、ロジン;ミョウバン(Al
2(SO
4)
3)によって沈殿されたロジン;アビエチン酸及びアビエチン酸同族体、例えば、ネオアビエチン酸及びレボピマール酸;ステアリン酸及びステアリン酸誘導体;炭酸アンモニウムジルコニウム;シリコーン及びシリコーン含有化合物;一般構造CF
3(CF
2)
n[式中、Rはアニオン性、カチオン性又は別の官能基である]のフルオロ化学物質;澱粉及び澱粉誘導体;メチルセルロース;カルボキシメチルセルロース(CMC);ポリビニルアルコール;アルギン酸塩;ワックス;ワックスエマルジョン;アルキルケテン二量体(AKD);アルケニルケテン二量体エマルジョン(AnKD);アルキルコハク酸無水物(ASA);カチオン性の澱粉を含むASA又はAKDのエマルジョン;ミョウバンを加えたASA;並びに他の公知の内部サイズ剤、並びにこれらの組合せである。内部サイズ剤は、製紙分野の当業者に知られている濃度レベルで一般に使用される。例えば、いくつかの用途では、内部サイズ剤の量は、ベース紙ストックの約0.3Kg/T〜20Kg/Tの範囲である。
【0028】
ベースストックの表面処理
硫酸及び塩化物イオンの組合せ、並びに任意に、硫酸塩可溶化剤及び/又は1つ以上の従来の表面サイジング成分を含有する、水性溶液又は分散液の形態での開示の表面処理組成物を、任意の適切な表面サイズプレスプロセス、例えば、パドルサイズプレス及びフィルムサイズプレス、又は製紙の分野で知られたこれらに類するプロセスによってベース紙ストックに塗布する。パドルサイズプレスは、水平の、垂直の、又は傾斜したローラを有するように構成されていてよい。フィルムサイズプレスは、計量システム、例えばゲートロール計量、ブレード計量、マイヤーロッド計量又はスロット計量を備えていてよい。いくつかの態様では、ショートドゥエルブレード計量器(short dwell blade metering)を備えたフィルムサイズプレスが、表面処理組成物を塗布するための塗布ヘッドとして使用される。いくつかの用途では、表面処理組成物の塗布重量は、紙ストックの片側につき1平方メートル当たり約0.5〜6グラム(gsm)(乾燥重量)の範囲で制御される。この全量のいくつかの例では、塩化カルシウムの塗布重量は、約1〜約8Kg/Tの範囲であり、いくつかの例では約2Kg/T〜約4Kg/Tであり、硫酸カルシウムの塗布重量は、0より大きく約0.5Kg/Tまでの範囲であり、いくつかの例では約2g/T〜約150g/Tである。表面処理組成物を乾燥させた後、表面の滑らかさ及び光沢を向上させるためにカレンダー処理プロセスを用いることができる。
【0029】
いくつかの用途では、上述のように、表面サイズ剤及び硫酸塩−塩化物組成物を別々に塗布することが、1つの表面処理組成物中に共存する上記薬剤を塗布することに代えて、望ましいと云える。このような例では、硫酸塩−塩化物組成物、及び表面サイズ剤(例えば、澱粉)を含有する組成物を、上述の繊維ウェブ(紙ストック)に連続して塗布し、その際、塗布工程の間に繊維ウェブを乾燥させ又は乾燥させない。多くの場合、表面処理された印刷媒体は、顔料インクと共に使用する場合、極めて良好な印刷品質を提供する。多くの場合、得られた印刷媒体は、従来の塩化カルシウム含有系に匹敵する又はそれより良い優れた性能を示し、同時に、いくつかの種類の製紙装置の腐食のリスクの低減も提供し、表面処理組成物の製造及び塗布の際にも低発熱性である。
【0030】
いくつかの態様では、1つ以上の塩含有硫酸アニオンは、有利には、従来のCaCl
2表面処理組成物のいくらか又は全ての代用として使用される。例えば、硫酸カルシウムは、非腐食性で且つ生分解性であり、多くの場合、印刷媒体の製造時に塩化物塩の使用と関連し得るペーパーミル装置の腐食の問題の回避において潜在的な利点を提供する。いくつかの態様では、着色剤固定剤として、低減された量の塩化カルシウムと組み合せて、金属(例えば、カルシウム又はナトリウム)の硫酸塩含有塩を使用する別の潜在的な利点は、より小さい発熱ポテンシャルであり、これにより、通例では、ペーパーミルにおいて塩混合に伴い発生する潜在的な高温の問題を改善し又は排除することができる。いくつかの態様では、典型的に、インクジェット印刷媒体中に含有する塩化カルシウムの一部と置き換えて金属の硫酸塩含有塩を使用する別の潜在的な利点は、多くの種類の従来のCaCl
2含有印刷媒体と比較した場合の、より迅速なインク乾燥時間である。
【0031】
本明細書に記載の多くの硫酸塩−塩化物含有組成物及び処理方法の潜在的な利点は、Cl
−アニオンを有する任意の塩種を、表面処理組成物中で単独で使用しないことであり、それにより、いくつかの例で、Cl
−による腐食のリスクが低減される。
【0032】
表面処理されたベース紙
いくつかの例では、組成物中の硫酸塩及び塩化カルシウムの相対量が計算され、所望の量の組成物が原ベース紙に塗布された場合、硫酸塩 対 塩化カルシウムの重量比が、組み合わせられた塩の乾燥重量で約1:28という得られる。いくつかの例では、その重量比は約1:40である。いくつかの例では、全塩化カルシウムの充填は、約2〜約4Kg/紙1Tであり、硫酸カルシウムの充填は0.1Kg/紙1Tである。
【0033】
多くの場合、表面処理された紙ストックは、顔料インクと共に使用した場合、極めて良好な印刷品質を提供する。多くの場合、得られる印刷媒体は、従来の塩化カルシウム含有系と同等の又はそれより良好な優れた性能を示し、同時に、いくつかの種類の製紙装置の腐食のリスクの低減も提供し、また、表面処理組成物の製造及び塗布時の発熱がより低い。
【0034】
向上した印刷品質を有する印刷媒体
上記の硫酸塩−塩化物組成物で処理された紙基材を有する紙ベースの印刷媒体は、組み合わされた塩化カルシウム及び硫酸カルシウム充填を約1〜約9Kg/紙1T(つまり処理された紙基材)の範囲で含有する。大抵の場合、乾燥させた紙上の合わされた硫酸塩及び塩化物塩の全量の濃度は、約1〜約6g/m
2の範囲である。大抵の場合、合わされた塩の約1〜約4Kg/Tが塩化カルシウムである。多くの用途では、硫酸カルシウムの量は、約3〜約4Kg/T全塩の範囲である。多くの用途では、紙基材の両面が硫酸塩−塩化物組成物で表面処理されており、この場合、合わされた硫酸塩及び塩化物塩充填は、片側当たり上述の全量の約半分である。
【0035】
硫酸塩−塩化物処理された紙上でのインクジェット印刷
得られた処理された印刷媒体は、ドロップオンデマンド式又はコンティニュアス式インクジェット技術、例えば、サーマル式インクジェット又は圧電式インクジェット技術用に、顔料インクを使用するために構成された任意のインクジェットプリンタにより使用することが適している。顔料インクジェットインクは当分野で公知であり、典型的には、液体ビヒクル、顔料着色剤、並びに追加的な成分を含有し、これには、1つ以上の染料、湿潤剤、洗剤、ポリマー、緩衝剤、防腐剤、及び別の成分が含まれる。得られるインクに色を付与するために、1種の顔料又は任意の数の顔料ブレンドが、インクジェットインク配合物に添加されていてよい。顔料は、得られるインクジェットインク全体に分散されている任意の数の所望の顔料であってよい。より詳細には、本願のインクジェットインク中に含まれる顔料は、非限定的に、さらに以下に説明するように、自己分散性の(表面修飾された)顔料、又は分散剤と結合した顔料を含み得る。
【0036】
上記の硫酸塩−塩化物処理された紙基材と共に使用することができる顔料インクジェットインクは、ブラック顔料、ホワイト顔料、シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料、及びこれらに類するものを含む任意の適切な有機又は無機の顔料粒子を含有していてよい。
【0037】
様々な態様では、硫酸塩−塩化物処理された紙上に印刷するために使用されるインクは、任意の広範な種類の顔料を含有していてよいが、いくつかの種類の顔料は、その他の種類のものより塩の「クラッシュ」作用に大きく依存する。一般に、任意の種類の顔料インクが、開示の硫酸塩−塩化物処理された紙上に印刷された場合に印刷品質が改善され、未処理の紙上の印刷と比較して相違があるが、この相違は、主に改善の度合いの相違である。
【0038】
硫酸塩−塩化物処理された紙上に印刷するために使用されるインクジェットインクは、1つ以上の異なる種類の顔料を含有していてよい。多くの態様では、顔料粒子の質量平均直径は約10nm〜約10μmであり、いくつかの例では、平均直径は約10nm〜約500nmの範囲にあるが、選択された顔料が、インク組成物中に分散された状態を維持し得且つ顔料粒子が適切な色特性を提供するのであれば、これらの範囲外のサイズも使用することができる。いくつかの態様では、顔料は、インクジェットインク組成物の約1%〜約20重量%の範囲の量を有し、特定の例では、インクジェットインク組成物の約2%〜約6重量%の範囲の量を有する。
【0039】
本明細書に記載の表面処理された印刷媒体と共に使用するのに適した顔料インクジェットインクは、加えて、インクジェットインクの調製の分野で知られた任意の適切なビヒクル又は添加剤含む。そのうちのいくつかは、水、有機の共溶剤、染料ベースの着色剤、pH緩衝剤、粘度調整剤、抗菌剤、及び界面活性剤を含む。顔料インクジェットインクは典型的には、10cp未満の粘度を有する。
【0040】
硫酸塩−塩化物強化紙の印刷
硫酸塩−塩化物処理された印刷媒体は、任意の適切なインクジェットプリンタ及びインクジェット印刷プロセス、例えばデスクトップインクジェット印刷又は高速の商業用インクジェット印刷を使用して、記録シートの表面上にマーク又は画像を生成することによって印刷され得る。いくつかの用途では、本明細書に記載の処理された紙又は印刷媒体が、水性インクを収容するインクジェット印刷装置に提供され、インクの滴が、印刷媒体上に画像のパターンで吐出せしめられ、それにより、印刷媒体のインク受容表面上に画像又は英数字が生成される。コンティニュアス式及びドロップオンマンド式(例えば、圧電式及びサーマル式)インクジェットプロセス及び装置は、当分野で公知である。
【0041】
多くの用途では、上記の硫酸塩−塩化物組成物により表面強化さている開示の印刷媒体の使用は、4〜8、又は12Kg/紙1Tまでの充填がされた従来の塩化カルシウム処理された紙と比較して、より高いPQ向上及び添加剤の全重量当たりのより高い感度を潜在的に提供する。多くの用途では、開示の表面処理組成物の使用は、ペーパーミルにおいて白水の腐食性を制御することを潜在的に助成する。同時に、多くの用途では、改善された処理組成物は、唯一の着色剤固定剤として塩化カルシウムを含有するサイジング組成物と比較して、インクジェット印刷品質を大きく向上させる。
【0042】
インクジェット印刷は、本明細書に記載の表面処理された紙の多くの用途で使用されるが、本明細書に開示の印刷媒体は、画像を形成するために使用されるトナー又はインクが当該印刷媒体と適合性があるのであれば、別の用途において、有利には、他の種類の印刷又は画像形成プロセス、例えば、ペン作図装置による印刷、カラーレーザープリンタ又はコピー機による画像形成、インクペンによる手書き、オフセット印刷プロセス、又はこれらに類するものにおいても使用することができることを理解されたい。
【0043】
本明細書に開示の多くの硫酸塩−塩化物含有組成物及び製造方法は、製紙の際の従来のCaCl
2含有表面処理と比べ、表面処理組成物に曝されるいくつかの種類の製紙装置に対する腐食作用を低減するという追加的な利点も提供する。CaCl
2を、ColorLok(商標)紙(6〜7KgCaCl
2/T)に対して現在推奨されている充填量の半分未満に低減させるという能力によって、ColorLok(商標)で得られる性質が処理された紙で容易に得られる。典型的には、本明細書に記載のように処理された多くの紙は、≧1.30KODの性能を示すが、含有されるCaCl
2は6Kg/T未満である(
図1中に示す)。この特徴は、多くの製紙/表面処理用途で、いくつかの種類の製紙機(抄紙機)の腐食のリスクを低減させるので有利である。ColorLok(商標)標準に現在従っているペーパーミルにおいては、開示の硫酸塩−塩化物処理方法の使用によって、多くの場合、いくつかの種類の装置(例えば、製紙プロセス中に塩と接触する非ステンレス鋼−腐食抵抗等級の部品を含む)の酸化型の腐食のリスクを増大させることなく、新鮮水の消費の低減が可能となる。
【0044】
いくつかの態様では、原紙を表面処理するための組成物は、水性液体;及びその液体中に溶解させた着色剤固定剤を含む。着色剤固定剤は、二価の塩化物塩を含む塩化物成分;及び相乗効果を生ずる量の硫酸アニオンを有する塩を含む硫酸塩成分を含む。相乗効果を生ずる量の硫酸塩成分は、硫酸塩成分を含まないこと以外は同じ組成物で表面処理された紙ベースと比較して、組成物で表面処理された紙ベースの少なくとも1つの印刷品質パラメータを相乗的に増大させる。
【0045】
いくつかの態様では、硫酸アニオンを有する塩は、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム及び硫酸マグネシウムからなる群から選択される。いくつかの態様では、組成物は、約2800ppm〜約5000ppmの塩化カルシウム及び約70ppm〜約150ppmの硫酸カルシウムを含む。
【0046】
いくつかの態様では、開示の組成物は、液体中に溶解した少なくとも1つの酸素含有化合物(例えば、ポリビニルアルコール又はグリセロール)を含み、この溶解した酸素含有化合物は、液体中の硫酸塩成分の溶解を増大させるのに十分な量で存在する。
【0047】
いくつかの態様では、開示の組成物は、約2800ppm〜約5000ppmの塩化カルシウム及び150ppmを超える硫酸塩成分を含む。
【0048】
いくつかの態様では、開示の組成物は、水性液体中に溶解又は分散されたサイズ剤も含有する。
【0049】
いくつかの態様では、インクジェット印刷可能な媒体を製造する方法が、上記の表面処理組成物を紙ベースの表面へ塗布し、得られた表面処理された紙ベースを乾燥させることを含み、これにより、1トン当たり、約1Kg/T〜約8Kg/Tの塩化物成分及び約0.01Kg/T〜約0.5Kg/Tの硫酸塩成分を含むインクジェット印刷可能な媒体が得られる。いくつかの態様では、印刷可能媒体1トン当たり、塩化物成分は約2Kg/T〜約4Kg/Tの量の塩化カルシウムであり、硫酸塩成分は約2g/T〜約150g/Tの量の硫酸カルシウムである。
【0050】
いくつかの態様では、インクジェット印刷可能な媒体は、紙ベース及び紙ベース上の表面コーティングを含む。表面コーティングは、塩化カルシウム及び相乗効果を生ずる量の硫酸塩を含む。印刷可能媒体がブラック顔料インクジェットインクで印刷した場合、印刷された媒体のKOD値は、媒体1トン当たり4〜12kg塩化カルシウム/Tを含み且つ硫酸塩を含まない表面コーティングを含有する比較のインクジェット印刷された媒体と同等又はそれより大きい。いくつかの態様では、硫酸塩の相乗効果を生ずる量は、印刷可能媒体1トン当たり約0.01Kg/T〜約0.3Kg/Tである。いくつかの態様では、表面コーティングは、印刷可能媒体1トン当たり塩化カルシウム約2Kg/T〜約4Kg/Tを含む。いくつかの態様では、硫酸塩は、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム若しくは硫酸マグネシウム、又はこれらの任意の組合せである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
実施例
印刷品質を評価するための以下の一般的な方法を、次の実施例で使用している。
【0053】
印刷濃度
ブラック光学濃度を、反射濃度計を使用して光学濃度(「OD」)の単位で測定した。この方法は、シート上にカラーのベタ印字ブロックを印刷し、印刷された画像の光学濃度を測定することを含む。使用される特定のプリンタ、選択される印刷モード並びに濃度計モード及びカラー設定に依存して、ODにはいくらか変動がある。本明細書に記載の試験で使用されるプリンタは、市販されていないパイロット規模のプリンタであって、HP T300プリンタ用のHPブラック顔料インクジェットを使用するものである。印刷モードは、紙の種類及び選択される印刷品質によって決定される。本願のテストのためには、普通紙タイプのデフォルト設定及びほぼ通常の印刷品質印刷モードが選択された。使用された濃度計は、6mmアパーチャを有するX−RITEモデル938分光濃度計である。密度測定設定は、ビジュアルカラー、ステータスT、及び絶対密度モードであった。一般に、顔料ブラック(「KOD」)のためのターゲットの光学濃度は、標準の(普通紙、通常)印刷モードで1.30以上であり、これは、最も一般的なブラック顔料インク(HP T300プリンタのためのHPブラック顔料インクと同等)を使用するHPデスクトップインクジェットプリンタ用である。好ましくは、KODは約1.40以上である。いくつかの例では、KODは約1.50以上である。いくつかの例では、KODは約1.60以上である。
【0054】
例1:硫酸カルシウム及び低減された量の塩化カルシウムを含有する印刷媒体のブラック光学濃度
様々な量の塩化カルシウム及び硫酸カルシウムを含有する表面処理組成物を、100rpmでBrookfield撹拌機を使用して準備した。塩化カルシウムを、室温で、水及び硫酸カルシウムの1L混合物中に溶解し、0.25重量%の硫酸カルシウム並びに450ppm、600ppm又は700ppmの塩化カルシウムの最終濃度とした(
図1に示す3つのCaCl
2充填量(つまり、約2750g/T、3500g/T及び4000g/T媒体)に対応)。当該溶液を、実験室でマイヤーロッド#2及びハンドドローダウン法を使用してベース紙を表面処理するために使用した。処理された紙は、顔料インク(ブラック)により40%及び/又は62%インク密度でHPプリンタを使用する、印刷試験のために使用された。ブラック光学濃度は、X−riteにより販売されているSpectro−densitometer Model 938によって測定した。使用された設定は、ANSIステータスAであった。結果を、3つの測定値からの平均として報告する。
【0055】
硫酸Caを含有しない比較組成物も、硫酸カルシウムを省くこと以外同様に準備した。表面処理されたインクジェット印刷媒体を、Georgia Pacific木材不含ボンド紙による紙ベースに組成物を塗布することによって準備した。配合物固体成分及びロッドサイズを制御することによって、表面処理組成物の有効なピックアップ重量が達成された。処理されたシートは、手持ち式のドライヤで乾燥させた。試料を、Hewlett−Packard Co.によって製造された顔料ブラックインクにより、上述のラボプリンタを使用して一般的な方法で印刷した。
【0056】
図1に、約2〜8Kg/紙1TのCaCl
2充填範囲にわたる、硫酸Caの存在あり及びなしの場合でのCaCl
2充填に対するKOD応答を示す。硫酸Caの量は、0.1Kg硫酸Ca/紙1Tであり、これは、水溶液中の25℃での硫酸Caの溶解度によって抑制されている。CaCl
2溶液のみ(ベタ塗り三角)と、CaCl
2+硫酸Ca(べた塗り四角)との差(Δ)は、印刷品質をより大きく向上させているというばかりでなく、グラフの傾斜も変化させるという点で極めて顕著である。KODのみについて
図1で明らかにされているが、色域も、KODと同じ傾向の線グラフを示すことが予想される。
【0057】
驚くべきことに、硫酸カルシウムの塩化カルシウム表面処理組成物への添加が、処理された紙における印刷品質及び塩化カルシウムの乾燥時間の作用を単に追加するばかりでなく、代わりに、顔料のクラッシング及びインクジェット印刷された画像の品質の改善についての塩化カルシウムの効果を著しく増大させるための相乗効果を生ずるように作用することが見出された。
図1に示すように、OD対CaCl
2充填のグラフは、CaSO
4充填が0.1Kg/紙1Tである場合に、紙は、CaCl
2充填が2〜3Kg/紙1Tにおいて、≧1.30のKODを示す。同じCaSO
4充填で、CaCl
2充填が約3.5Kg/紙1Tである場合に、KODは約1.38まで増大する。同じ0.1Kg/TCaSO
4充填で、CaCl
2充填を約4Kg/紙1Tに増大させたとき、KODは約1.46に増大する。これに対して、固定剤としてのCaCl
2のみの4Kg/紙1T充填は、約1.2KODを示す処理紙をもたらし、この値は、添加された0.1Kg/TのCaSO
4を含有する対応する紙より少なくとも30%低い。約6〜8Kg/紙1TのCaCl
2充填である対照の紙は、約1.30〜1.35を超えてKODを示すことはできず、CaCl
2を4Kg/T未満及びCaSO
4を0.1Kg/T含有する紙は、約1.45〜1.50までのKODを示した。よって、CaCl
2の通例の量の半分で充填された紙は、潜在的に、6〜8Kg/紙1TのCaCl
2で充填された市販の紙と同様又はそれより良好に機能する。同様の相乗効果を生ずる作用が、硫酸Na及び硫酸Mgを含む硫酸アニオンを含有する同様量の他の塩で予想される。
【0058】
図1にまとめた結果は、硫酸カルシウム及び塩化カルシウムの複数塩のブラック光学濃度を向上させる性能の、線形的な作用ではなく、相乗的な作用の極めて驚くべき結果を示す。
図1では、約1.325ODでの水平方向の点線は、ブラック光学濃度(KOD)に関し、印刷品質の、ユーザに認識される優良の一般的な範囲を示す。一般的な塩充填(つまり、6300g/T)の半分の時に1.325KODが達成されることが容易に理解できる。多くの用途で、この結果は、コスト及び腐食リスクの著しい低減を示す。
【0059】
例2:硫酸ナトリウム又は硫酸カルシウム及び塩化カルシウムを含有する印刷媒体のブラック光学濃度
硫酸Na/塩化Ca及び硫酸Ca/塩化Ca処理された媒体シートを、準備し、例1で述べたように試験した。KODは、62%インク密度で、HPブラック顔料インクを用いて測定された。
図2は、塩化Caの量の増大に伴う、硫酸Na/塩化Ca処理、及び硫酸Ca/塩化Ca処理された媒体シートのKOD値を示すKOD値を示すグラフである。低Na
2SOは、溶液中0.7%重量のものである。高Na
2SO
4は、溶液中2.8%重量のものである。CaSO
4は、溶液中0.25%重量であった。このデータは、硫酸塩含有塩によるブラック光学濃度の上昇が、硫酸ナトリウムと硫酸カルシウムとの間でも十分匹敵することを示す。したがって、いくつかの用途では、硫酸ナトリウムを、硫酸カルシウムの代わりに使用され、匹敵する性能が達成される。
【0060】
以上の議論は、本発明の原理及び様々な態様の例示とされたものである。上記開示が完全に認識された上で、多数の変形及び変更が当業者には明らかであろう。以下の特許請求の範囲が、全てのそのような変形及び変呼応を包含すると解釈されることが意図されている。