特許第5788063号(P5788063)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788063
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】移動通信方法及び無線基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20150910BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20150910BHJP
【FI】
   H04W24/10
   H04W16/18
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-131647(P2014-131647)
(22)【出願日】2014年6月26日
(62)【分割の表示】特願2010-254326(P2010-254326)の分割
【原出願日】2010年11月12日
(65)【公開番号】特開2014-171269(P2014-171269A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2014年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】岩村 幹生
(72)【発明者】
【氏名】ウリ アンダルマワンティ ハプサリ
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−177762(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/085477(WO,A1)
【文献】 特開2003−309516(JP,A)
【文献】 Radio measurement collection for Minimization of Drive Tests(MDT),3GPP TS 37.320 V1.0.0,3GPP,2010年 8月,P.8-13,URL,http://www.3gpp.org/ftp/specs/archive/37_series/37.320/37320-100.zip
【文献】 Study on Minimization of drive-tests in Next Generation Networks,3GPP TR 36.805 V9.0.0,3GPP,2009年12月,P.11,URL,http://www.3gpp.org/ftp/specs/archive/36_series/36.805/36805-900.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局が、配下のセルにおいて接続状態にある移動局に対して、所定パラメータを含むLogged Measurement Configuration メッセージを送信する工程Aと、
前記移動局が、アイドル状態にある場合に、前記セルにおける無線品質及び前記所定パラメータを用いて、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定する工程Bとを有し、
前記無線基地局が、前記移動局の能力情報及び加入者プロファイル情報の少なくとも一方に基づいて決定された前記所定パラメータの値を前記移動局に対して通知することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記工程Bにおいて、前記所定パラメータの値が、絶対値である場合、前記移動局は、前記無線基地局から、所定閾値を含む報知情報を受信した場合であっても、該所定閾値を用いることなく、前記周辺セル測定を行うべきか否かについて判定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
前記工程Bにおいて、前記所定パラメータの値が、前記無線基地局から受信した報知情報に含まれる所定閾値に対するオフセット値である場合、前記移動局は、前記セルにおける無線品質と前記所定パラメータと前記所定閾値とを用いて、前記周辺セル測定を行うべきか否かについて判定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項4】
前記所定パラメータの値は、前記所定閾値よりも大きくなるように設定されることを特徴とする請求項2又は3に記載の移動通信方法。
【請求項5】
無線基地局であって、
配下のセルにおいて接続状態にある移動局に対して、Logged MDTモードにおける周辺セル測定用の所定パラメータを含む個別情報を送信するように構成されている個別情報送信部を備え、
前記個別情報送信部は、前記移動局の能力情報及び加入者プロファイル情報の少なくとも一方に基づいて決定された前記所定パラメータの値を前記移動局に対して通知することを特徴とする無線基地局。
【請求項6】
前記セルにおいて、所定閾値を含む報知情報を送信するように構成されている報知情報送信部を具備し、
前記個別情報送信部は、前記所定パラメータの値を、前記所定閾値よりも大きくなるように設定することを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式では、「MDT(Minimisation of Drive Tests)」が規定されている。「MDT」とは、従来、オペレータが電波測定車等を用いて行っていたエリア品質測定を、移動局UEからの測定報告で代用するコンセプトである。
【0003】
かかるMDTのうち、Logged MDTモードでは、移動局UEは、在圏中セル(サービングセル)及び周辺セルの無線品質についての測定処理を行い、かかる測定結果をメモリにログとして保存しておき、後で、無線基地局eNBと接続状態になった際に、無線基地局eNBに対して、かかる測定結果をまとめて報告する(すなわち、かかるログを報告する)ように構成されている。
【0004】
また、移動局UEは、位置情報があれば、かかる位置情報についても、上述の測定結果と共にログしておき、無線基地局eNBに対して、上述の測定結果と共に報告する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS37.320
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のLogged MDTモードでは、移動局UEは、在圏中セルで報知される周辺セル測定用のパラメータに従った測定しか行わず、かかる測定により得られた測定結果を、指定されたログ方法に従ってログするのみであった。
【0007】
ここで、報知されるパラメータには、在圏中セルの受信レベル(RSRP:Reference Signal Received Level)又は受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)に対する所定閾値Ssearchが含まれる。
【0008】
移動局UEは、RSRP(又は、RSRQ)が、所定閾値Ssearch以下の場合にのみ、周辺セル測定を行う必要がある。これにより、バッテリ消耗を抑えることができる。
【0009】
かかる所定閾値Ssearchは、報知されるパラメータであり、セル内の全移動局UEに対して一律に適用されるパラメータである。所定閾値Ssearchの値は、バッテリ消耗を抑えるために、セル端でのみ周辺セル測定が行われるように通常低い値に設定される。
【0010】
しかしながら、MDTでは、広範に渡って様々なセルの伝搬状況を把握できることが望ましく、セル端に限らずより広い範囲で周辺セル測定を行った結果のログが取得できることが望ましい。ここで、所定閾値Ssearchの値が低く設定された場合、MDTによる十分なログが得られないという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、Logged MDTモードにおいて、移動局UEのバッテリ制約を考慮した上で、十分な測定結果のログを得ることができる移動通信方法及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、 無線基地局が、配下のセルにおいて接続状態にある移動局に対して、所定パラメータを含むLogged Measurement Configuration メッセージを送信する工程Aと、 前記移動局が、アイドル状態にある場合に、前記セルにおける無線品質及び前記所定パラメータを用いて、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定する工程Bとを有し、 前記無線基地局が、前記移動局の能力情報及び加入者プロファイル情報の少なくとも一方に基づいて決定された前記所定パラメータの値を前記移動局に対して通知することを要旨とする。
【0014】
本発明の第2の特徴は、無線基地局であって、配下のセルにおいて接続状態にある移動局に対して、Logged MDTモードにおける周辺セル測定用の所定パラメータを含む個別情報を送信するように構成されている個別情報送信部を備え、前記個別情報送信部は、前記移動局の能力情報及び加入者プロファイル情報の少なくとも一方に基づいて決定された前記所定パラメータの値を前記移動局に対して通知することを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、Logged MDTモードにおいて、移動局UEのバッテリ制約を考慮した上で、十分な測定結果のログを得ることができる移動通信方法及び無線基地局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられるSIB3のフォーマットの一例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「RRC Connection Release」のフォーマットの一例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「Logged Measurement Configuration」のフォーマットの一例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0018】
本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式の移動通信システムであって、図1に示すように、無線基地局eNB#1〜eNB#3を具備している。ここで、セル#1〜#3は、無線基地局eNB#1〜eNB#3配下にある。
【0019】
なお、無線基地局eNB#1〜#3の機能は、基本的に同一であるため、以下、無線基地局eNB#1〜#3をまとめて「無線基地局eNB」と記す。
【0020】
図1に示すように、無線基地局eNBは、決定部10と、報知情報送信部11と、個別情報送信部12とを具備している。
【0021】
報知情報送信部11は、無線基地局eNB配下のセルにおいて、MIB(Master Information Block)やSIB(System Information Block)1〜3等の報知情報を送信するように構成されている。
【0022】
例えば、報知情報送信部11は、図3に示すように、所定閾値SSearchを含むSIB3を送信するように構成されている。
【0023】
ここで、本実施形態に係る移動通信システムが、LTE(Rel-9)方式の移動通信システムである場合、所定閾値SSearchとして、SIntraSearchRSRP図3における「s-IntraSearchP-r9」)や、SNonIntraSearchRSRP図3における「s-NonIntraSearchP-r9」)や、SIntraSearchRSRQ図3における「s-IntraSearchQ-r9」)や、SNonIntraSearchRSRQ図3における「s-NonIntraSearchQ-r9」)を設定することができる。
【0024】
一方、本実施形態に係る移動通信システムが、LTE(Rel-8)方式の移動通信システムである場合、所定閾値SSearchとして、SIntraSearchRSRPや、SNonIntraSearchRSRPを設定することができる。
【0025】
個別情報送信部12は、無線基地局eNB配下のセルにおいて接続状態(Connected状態)の移動局UEに対して、「RRC Connection Release」や「Logged Measurement Configuration」等の個別情報を送信するように構成されている。
【0026】
例えば、個別情報送信部12は、図4に示すように、無線基地局eNB配下のセルにおいて接続状態の移動局UEに対して、「RRC Connection Release」によって、所定パラメータSSearch/Dedicated図4における「s-Search-r10」)を通知するように構成されていてもよい。
【0027】
ここで、かかる所定パラメータSSearch/Dedicatedとしては、SIntraSearchRSRP図4における「s-IntraSearchP-v10x0」)や、SIntraSearchRSRQ図4における「s-IntraSearchQ-v10x0」)や、SNonIntraSearchRSRP図4における「s-NonIntraSearchP-v10x0」)や、SNonIntraSearchRSRQ図4における「s-NonIntraSearchQ-v10x0」)を設定することができる。
【0028】
同様に、個別情報送信部12は、図5に示すように、無線基地局eNB配下のセルにおいて接続状態の移動局UEに対して、「Logged Measurement Configuration」によって、所定パラメータSSearch/Dedicated図5における「s-Search-r10」)を通知するように構成されていてもよい。
【0029】
ここで、かかる所定パラメータSSearch/Dedicatedとしては、SIntraSearchRSRP図5における「s-IntraSearchP-v10x0」)や、SIntraSearchRSRQ図5における「s-IntraSearchQ-v10x0」)や、SNonIntraSearchRSRP図5における「s-NonIntraSearchP-v10x0」)や、SNonIntraSearchRSRQ図5における「s-NonIntraSearchQ-v10x0」)を設定することができる。
【0030】
なお、かかる「RRC Connection Release」や「Logged Measurement Configuration」に含まれている所定パラメータSSearch/Dedicatedの値は、絶対値であってもよいし、SIB3に含まれている所定閾値SSearchに対するオフセット値(差分値)であってもよい。
【0031】
移動局UEは、アイドル状態にある場合には、複数のセルを跨って移動するので、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値を、所定閾値SSearchに対するオフセット値にしておくと、セル形状の違い等が理由でセル毎に報知される所定閾値SSearchが異なる場合に、セル毎の所定閾値SSearchの違いを反映することができる。
【0032】
決定部10は、移動局UEの「UE Capability」及び「SPID(Subscriber Profile Identifier for RAT/frequency priority)」に基づいて、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値を決定するように構成されている。
【0033】
ここで、決定部10は、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値を、所定閾値SSearchよりも大きくなるように設定してもよい。
【0034】
例えば、決定部10は、バッテリ制約の少ない移動局UE(例えば、車載型移動局UEや自販機搭載移動局UE等)用の所定パラメータSSearch/Dedicatedの値を、所定閾値SSearchよりも大きく設定することができる。
【0035】
また、決定部10は、MDTを設定する移動局UE用の所定パラメータSSearch/Dedicatedの値を、所定閾値SSearchよりも大きく設定することができる。かかる場合、個別情報送信部12が、MDTを行う移動局UEに対してのみ、所定パラメータSSearch/Dedicatedを通知し、MDTを行わない移動局UEに対しては、所定パラメータSSearch/Dedicatedを通知しないで、所定閾値SSearchを利用させることによって、MDTを行わない移動局UEのバッテリの消費を減らすことができる。
【0036】
LTE方式では、「UE Capability」は、移動局UEのAttach時に、移動局UEから無線基地局eNBE#1を介して移動管理ノードMMEに対して通知され、移動局UEがアイドル状態にある場合には、移動管理ノードMMEが、かかる「UE Capability」を保持する。
【0037】
そして、移動局UEが接続状態になる際に、移動管理ノードMMEが、無線基地局eNBに対して、かかる「UE Capability」を通知する。
【0038】
ここで、無線基地局eNBは、移動管理ノードMMEから「UE Capability」を取得することができない場合には、移動局UEから「UE Capability」を取得することができる。
【0039】
また、「SPID」は、移動局UEが接続状態になる際に、移動管理ノードMMEが、無線基地局eNBに対して通知される情報である。ここで、「SPID」は、端末種別や契約種別等、オペレータが定義して使用することができるインデックスである。
【0040】
図6に示すように、移動局UEは、報知情報受信部21と、個別情報受信部22と、判定部23と、測定部24と、Logged MDT実施部25とを具備している。
【0041】
報知情報受信部21は、移動局UEがアイドル状態(Idle状態)にあるセルにおいて、報知情報、例えば、所定閾値SSearchを含むSIB3を受信するように構成されている。
【0042】
個別情報受信部22は、移動局UEが接続状態にあるセルを管理する無線基地局eNB#1から、個別情報、例えば、所定パラメータSSearch/Dedicatedを含む「RRC Connection Release」や「Logged Measurement Configuration」を受信するように構成されている。
【0043】
判定部23は、移動局UEがアイドル状態にあるセルにおける無線品質(例えば、RSRPやRSRQ等)とSIB3に含まれている所定閾値SSearchを用いて、周辺セル測定(すなわち、周辺セルサーチ及び検出された周辺セルの受信レベル・受信品質測定)を行うべきか否かについて判定するように構成されている。
【0044】
具体的には、移動局UEがアイドル状態にあるセルにおけるRSRPが、SIB3に含まれているSIntraSearchRSRPを下回る場合にのみ、かかるセルと同一の周波数が用いられている周辺セルを、周辺セル測定の対象とするべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0045】
或いは、移動局UEがIdle状態にあるセルにおけるRSRQが、SIB3に含まれている所定閾値SIntraSearchRSRQを下回る場合にのみ、かかるセルと同一の周波数が用いられている周辺セルを、周辺セル測定の対象とするべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0046】
また、移動局UEがIdle状態にあるセルにおけるRSRPが、SIB3に含まれている所定閾値SNonIntraSearchRSRPを下回る場合にのみ、かかるセルと異なる周波数(RAT:Radio Access Technology)が用いられている周辺セルを、周辺セル測定の対象とするべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0047】
さらに、移動局UEがIdle状態にあるセルにおけるRSRQが、SIB3に含まれている所定閾値SNonIntraSearchRSRQを下回る場合にのみ、かかるセルと異なる周波数(RAT)が用いられている周辺セルを、周辺セル測定の対象とするべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0048】
かかる構成によれば、無線基地局eNB配下のセルにおいてIdle状態にある移動局UEは、無線基地局eNBによって報知されている所定閾値よりも、かかるセルにおける無線品質が下回る場合にのみ、周辺セル測定を行うように構成されているため、移動局UEのバッテリの消費を減らすことができる。
【0049】
また、判定部23は、個別情報受信部22によって所定パラメータSSearchが取得された場合には、移動局UEがIdle状態にあるセルにおける無線品質(例えば、RSRP/RSRQ)及び所定パラメータSSearch/Dedicatedを用いて、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定するように構成されている。
【0050】
ここで、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値が、絶対値である場合、判定部23は、所定閾値SSearchを用いることなく、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0051】
一方、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値が、所定閾値SSearchに対するオフセット値である場合、判定部23は、セル#1における無線品質RSRP/RSRQと所定パラメータSSearch/Dedicatedと所定閾値SSearchとを用いて、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0052】
具体的には、移動局UEがアイドル状態にあるセルにおけるRSRPが、「RRC Connection Release/Logged Measurement Configuration」に含まれている所定パラメータSIntraSearchRSRPを下回る場合にのみ、かかるセルと同一の周波数が用いられている周辺セル(例えば、セル#2)を、周辺セル測定の対象とするべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0053】
或いは、移動局UEがアイドル状態にあるセルにおけるRSRQが、「RRC Connection Release/Logged Measurement Configuration」に含まれている所定パラメータSIntraSearchRSRQを下回る場合にのみ、かかるセルと同一の周波数が用いられている周辺セル(例えば、セル#2)を、周辺セル測定の対象とするべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0054】
また、移動局UEがアイドル状態にあるセルにおけるRSRPが、「RRC Connection Release/Logged Measurement Configuration」に含まれている所定パラメータSNonIntraSearchRSRPを下回る場合にのみ、かかるセルと異なる周波数(RAT)が用いられている周辺セル(例えば、セル#3)を、周辺セル測定の対象とするべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0055】
さらに、移動局UEがアイドル状態にあるセルにおけるRSRQが、「RRC Connection Release/Logged Measurement Configuration」に含まれている所定パラメータSNonIntraSearchRSRQを下回る場合にのみ、かかるセルと異なる周波数(RAT)が用いられている周辺セル(例えば、セル#3)を、周辺セル測定の対象とするべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0056】
測定部24は、判定部23の判定結果に基づいて、周辺セル測定を行うように構成されている。また、測定部24は、セル#1の無線品質を測定するように構成されている。
【0057】
Logged MDT実施部25は、測定部24による測定結果に基づいて、Logged MDTを実施するように構成されている。
【0058】
例えば、Logged MDT実施部25は、測定部24によって測定されたセル#1及び周辺セル#2〜#3の無線品質(例えば、RSRP/RSRQ)についての測定結果をログとして保存し、セル#1において接続状態になった際に、無線基地局eNb#1に対してログを報告するように構成されている。
【0059】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、移動局UEが、アイドル状態にあるセルにおける無線品質及び「RRC Connection Release」及び「Logged Measurement Configuration」に含まれている所定パラメータSSearch/Dedicatedを用いて、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定するように構成されているため、すなわち、アイドル状態にあるセルにおける無線品質が良好な場合には、周辺セル測定(すなわち、Logged MDT)を行う必要がないため、バッテリの消費を減らすことができる。
【0060】
また、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおいて、「RRC Connection Release/Logged Measurement Configuration」内の所定パラメータSSearch/Dedicatedの値をSIB3内の所定閾値SSearchの値よりも大きくすることによって、周辺セル測定を行う地理的範囲を拡大することができ、より多くのLogged MDT測定結果を取得することができる。
【0061】
これは、周辺セル測定は、その性質上、移動局UEがアイドル状態にあるセルにおける無線品質が良好な場合には、行われなくても不具合は生じないが、Logged MDTは、その性質上、本来であれば、移動局UEがアイドル状態にあるセルにおける無線品質の良悪に関わらず行われることが好ましいことを、その理由とする。
【0062】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0063】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局eNB#1が、配下のセル#1において接続状態にある移動局UEに対して、所定パラメータSSearch/Dedicatedを含むRRCメッセージ(個別情報)を送信する工程Aと、移動局UEが、アイドル状態にある場合に、セル#1における無線品質RSRP/RSRQ及び所定パラメータSSearch/Dedicatedを用いて、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定する工程Bとを有することを要旨とする。
【0064】
本実施形態の第1の特徴において、工程Bにおいて、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値が、絶対値である場合、移動局UEは、無線基地局eNB#1から、所定閾値SSearchを含むSIB3(報知情報)を受信した場合であっても、所定閾値SSearchを用いることなく、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定してもよい。
【0065】
本実施形態の第1の特徴において、工程Bにおいて、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値が、無線基地局eNb#1から受信したSIB3に含まれる所定閾値SSearchに対するオフセット値である場合、移動局UEは、セル#1における無線品質RSRP/RSRQと所定パラメータSSearch/Dedicatedと所定閾値SSearchとを用いて、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定してもよい。
【0066】
本実施形態の第1の特徴において、工程Aにおいて、無線基地局eNB#1は、移動局UEに対して、移動局UEとの間のRRCコネクションを開放するためのメッセージである「RRC Connection Release」によって、所定パラメータSSearch/Dedicatedを通知してもよい。
【0067】
本実施形態の第1の特徴において、工程Aにおいて、無線基地局eNB#1は、移動局UEに対して、Logged MDTを行わせるためのメッセージである「Logged Measurement Configuration」によって、所定パラメータSSearch/Dedicatedを通知してもよい。
【0068】
本実施形態の第1の特徴において、無線基地局eNB#1が、「UE Capability(移動局の能力情報)」及び「SPID(加入者プロファイル情報)」の少なくとも一方に基づいて、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値を決定する工程を有してもよい。
【0069】
本実施形態の第1の特徴において、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値は、所定閾値SSearchよりも大きくなるように設定されてもよい。
【0070】
本実施形態の第2の特徴は、移動局UEであって、無線基地局eNB#1から、無線基地局eNB#1配下のセル#1において接続状態にある場合に、所定パラメータSSearch/Dedicatedを含むRRCメッセージを受信するように構成されている個別情報受信部22と、アイドル状態にある場合に、セル#1における無線品質RSRP/RSRQ及び所定パラメータSSearch/Dedicatedを用いて、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定するように構成されている判定部23とを具備することを要旨とする。
【0071】
本実施形態の第2の特徴において、セル#1において、所定閾値SSearchを含むSIB3を受信するように構成されている報知情報受信部21を具備し、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値が、絶対値である場合、判定部23は、所定閾値SSearchを用いることなく、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0072】
本実施形態の第2の特徴において、セル#1において、所定閾値SSearchを含むSIB3を受信するように構成されている報知情報受信部21を具備し、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値が、所定閾値SSearchに対するオフセット値である場合、判定部23は、セル#1における無線品質RSRP/RSRQと所定パラメータSSearch/Dedicatedと所定閾値SSearchとを用いて、周辺セル測定を行うべきか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0073】
本実施形態の第2の特徴において、個別情報受信部22は、上述のRRCメッセージとして、「RRC Connection Release」を受信するように構成されていてもよい。
【0074】
本実施形態の第2の特徴において、個別情報受信部22は、上述のRRCメッセージとして、「Logged Measurement Configuration」を受信するように構成されていてもよい。
【0075】
本実施形態の第3の特徴は、無線基地局eNB#1であって、配下のセル#1において接続状態にある移動局UEに対して、所定パラメータSSearch/Dedicatedを含むRRCメッセージを送信するように構成されている個別情報送信部12と、「UE Capability」及び「SPID」の少なくとも一方に基づいて、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値を決定するように構成されている決定部10とを具備することを要旨とする。
【0076】
本実施形態の第3の特徴において、セル#1において、SSearchを含むSIB3を送信するように構成されている報知情報送信部11を具備し、決定部10は、所定パラメータSSearch/Dedicatedの値を、所定閾値SSearchよりも大きくなるように設定してもよい。
【0077】
なお、上述の無線基地局eNBや移動局UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0078】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0079】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、無線基地局eNBや移動局UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして無線基地局eNBや移動局UE内に設けられていてもよい。
【0080】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0081】
eNB…無線基地局
10…決定部
11…報知情報送信部
12…個別情報送信部
UE…移動局
21…報知情報受信部
22…個別情報受信部
23…判定部
24…測定部
25…Logged MDT実施部
図1
図2
図3
図4
図5
図6