特許第5788172号(P5788172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788172
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】多機能豆乳器
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/044 20060101AFI20150910BHJP
   B02C 18/08 20060101ALI20150910BHJP
   B02C 18/10 20060101ALI20150910BHJP
   B02C 18/16 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   A47J43/044
   B02C18/08 B
   B02C18/10
   B02C18/16 A
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-503341(P2010-503341)
(86)(22)【出願日】2008年4月17日
(65)【公表番号】特表2010-524523(P2010-524523A)
(43)【公表日】2010年7月22日
(86)【国際出願番号】CN2008070736
(87)【国際公開番号】WO2008128467
(87)【国際公開日】20081030
【審査請求日】2011年2月2日
【審判番号】不服2014-2488(P2014-2488/J1)
【審判請求日】2014年2月10日
(31)【優先権主張番号】200710098337.0
(32)【優先日】2007年4月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505362528
【氏名又は名称】九陽股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】王旭寧
(72)【発明者】
【氏名】左奉輝
【合議体】
【審判長】 紀本 孝
【審判官】 小野 孝朗
【審判官】 佐々木 正章
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第1613410(CN,A)
【文献】 特開平2−228920(JP,A)
【文献】 特表2007−532277(JP,A)
【文献】 特開2007−14522(JP,A)
【文献】 米国特許第6398403(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J42/00-44/02
A23L1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機頭(1)と、モーター(2)と、カップ体(4)と、カッターシャフト(5)と、粉砕カッター(6)と、制御回路基板(15)とを備え、
機頭(1)は上からカップ体(4)に係合し、
モーター(2)は機頭(1)内に固定設置され、
機頭(1)は、上蓋(21)と機頭下蓋(3)を含み、
カッターシャフト(5)は下方に向かってカップ体(4)に伸び、
粉砕カッター(6)はカッターシャフト(5)の先端に固定される、多機能豆乳器であって、
機頭下蓋(3)の下部に接続体(8)が配置され、接続体(8)はカップ体(4)内に伸び、前記接続体(8)は機頭下蓋(3)と一体に構成され、前記接続体(8)の下端に豆が上向きに旋回して流れることを横方向に阻止することができる乱流曲面体が固定設置され、前記乱流曲面体は、前記カップ体(4)の底部から離間して、粉砕カッター(6)の上方に配置されていることを特徴とする、多機能豆乳器。
【請求項2】
前記乱流曲面体は横方向の乱流板(12)であることを特徴とする、請求項1に記載の多機能豆乳器。
【請求項3】
前記乱流曲面体は乱流カバー(13)であり、乱流カバー(13)の開口は下に向いていることを特徴とする、請求項1に記載の多機能豆乳器。
【請求項4】
前記乱流カバー(13)の側面にはさらに切欠き(17)が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の多機能豆乳器。
【請求項5】
前記カッターシャフト(5)はモーター(2)のモーターシャフト(7)であることを特徴とする、請求項1に記載の多機能豆乳器。
【請求項6】
前記カッターシャフト(5)の上端はカプリングを介してモーターシャフト(7)と接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の多機能豆乳器。
【請求項7】
さらに加熱装置が設けられ、加熱装置の電熱管(10)の上端が、機頭下蓋(3)の下端面に固定設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の多機能豆乳器。
【請求項8】
さらに加熱装置が設けられ、カップ体(4)は加熱装置の電気加熱トレイ(11)に設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の多機能豆乳器。
【請求項9】
さらに加熱装置が設けられ、加熱装置の電熱リング(22)はカップ体(4)の下部を囲んでいることを特徴とする、請求項1に記載の多機能豆乳器。
【請求項10】
さらに電磁加熱装置が設けられ、カップ体(4)の下部に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の多機能豆乳器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は台所用品に係わり、具体的には多機能豆乳器に係わる。
【背景技術】
【0002】
現在、市場で販売されている家庭用の多機能豆乳器は、豆を砕いて製乳(砕豆製乳)する動作原理によって三つの種類に分けられる。第1類の豆乳器は、カップ体内に網かごを設けて、大豆を網かごに入れ、その中に伸びたカッターで砕豆製乳を行い、砕かれた豆乳は網かごの孔からカップ体に流れ出す。該第1類の豆乳器の欠点は網かごの装着が不便なことである。そして、実際の使用状況から見れば、網かごの洗浄も非常に不便である。同時に、網かごの容積が限られ、網かごに入れる大豆の量が限られ、豆乳の濃度に影響する上に、製造コストも増加する。
【0003】
第2類の豆乳器は、網かごが取りはずされ、直接に大豆をカップ体内に入れ、カッターの高速回転により砕豆製乳が行われるものである。しかし、実際の使用時において、カッターの高速回転で水流を動かし渦流を形成することにより、同一方向に回転する渦流に沿って大豆は順に回転する。そして、この順回転する大豆はカッターとの接触率が非常に小さく、カッターが大豆を砕くことに対して不利益である。これにより、直接的なカッターの豆粉砕効率が高くなく、製乳効果がよくなく、製乳効率が低いのが問題である。
【0004】
第3類の豆乳器は、例えば国家知識産権局に2005年9月7日に公開した、公開番号:CN2722791Y、名称を「多機能全自動豆乳器」とする発明特許のようなものである。その公開された方案は、桶体の底部に折流板が設けられ、モーターシャフトに固定されたカッターリフが折流板の上縁に抵接するものである。折流板により、桶体内の空間は不規則な形状となり、流体の循環方向を変えることにより、カッターリフの径方向の作用を受けて桶壁に向かって流れた物料がさらにカッターリフの付近まで戻され、さらに粉砕される。
【0005】
また、国家知識産権局に2005年8月31日に公開された、公開番号:CN2720964Y、名称を「豆乳、米乳両用機」とする発明特許がある。その公開された方案は、カップ体の下部に、カップ体の側壁に固く貼り付けて止流突起物が設けられたものである。また、国家知識産権局に2006年11月8日に公開された、公開番号:CN2834367Y、名称を「多機能豆乳器」とする発明があり、その公開された案は、ポット内にリブが若干設けられ、リブはポットの内壁に設置されるものである。
【0006】
上述の第3類の豆乳器は機能が大体同じであり、いずれもカップ体の底部又は側壁に設置された乱流部材により流体を乱し、流体の回転流動方向を乱し、材料をより十分にカッターリフと接触させ、豆を砕く効率を向上させている。折流板を設置して桶体空間の形状を変更することで流体の循環方向を乱すことにより、豆を十分に砕けない問題はある程度解決されるが、まだ以下のような欠点が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
まず、豆乳器の乱流部材はカップ体の底部又は側壁に配置されているので、カップ体の底部又は側壁には死角が多くある。そのため、使用後、桶体の清浄に非常に不便である。
【0008】
また、その乱流部材は、流体の水平方向における流動方向のみを変更し、及び乱す。このような流動方向の変更過程において大量な泡が生じることがあり、カップ体から溢れ易く、又は溢れ防止の電極に間違って接触して機器停止になり易い。
【0009】
さらに、その乱流部材は、流体の水平方向における流動方向の変更及び乱すことのみの機能を果たすが、流体の垂直方向の流動方向に対しては良好な乱流制御がないので、乱流を形成する効果はやはり十分理想的ではない。同時に、該乱流部材は互いに平行且つ垂直に桶体内に設置されており、モーターが回転してカッターリフにより水流が流動し始める際に、非常に流体が上方に湧きやすいことに加え、製乳の過程において大量の泡沫が生じ、カップ体から溢れ易く、又は溢れ防止の電極に間違って接触して機器停止になり易い。
【0010】
これから分かるように、従来の豆乳器はまだ以下の問題が存在する。即ち、粉砕効果をさらに改善する必要があり、構造が複雑で使用後の清浄に不便であり、及び製乳の過程に多くの泡ができ、騒音が大きいという問題である。
【0011】
本発明は、構造が簡単で、製乳過程における泡が少なく、運行騒音が小さく、清浄し易い、問題を解決した多機能豆乳器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の技術的課題を解決するために、本発明は機頭と、モーターと、カップ体と、カッターシャフトと、粉砕カッターと、制御回路基板とを備え、機頭はカップ体の上にかぶせられ、モーターは機頭内に固定設置され、機頭は、上蓋と機頭下蓋を含み、カッターシャフトはカップ体に向かって下方に伸び、粉砕カッターはカッターシャフトの先端に固定されている、多機能豆乳器を提供する。該多機能豆乳器の特徴は、機頭下蓋の下部に接続体が配置され、該接続体はカップ体内に伸び、接続体の下端に乱流曲面体が設けられ、カッターシャフトの先端に粉砕カッターが固定装着され、粉砕カッターは乱流曲面体の下方に配置されていることである。
【発明の効果】
【0013】
上記の技術案からわかるように、本発明は、回転する粉砕カッターの上方に乱流曲面体が配置されており、豆が上向きに旋回して流れることを横方向に阻止し、それにその旋回流を乱流とする積極的な効果を生み出すことができ、大豆が粉砕カッターに砕かれ、摩擦される機会を増加し、粉砕効果に優れる。機頭下蓋の下部に接続体が設置され、接続体はカップ体内に伸び、接続体の下端に乱流曲面体が設けられ、カッターシャフトの先端に乱流曲面体が設けられ、カッターシャフトの先端に粉砕カッターが固定装着され、粉砕カッターは乱流曲面体の下方に配置されていることにより、本発明の技術案によれば、製乳過程に生じる泡が少なく、乳を沸かす場合により多くの有効な沸乳時間が得られ、豆乳をさらに十分に沸かすことができ、豆乳の口当たり品質が向上する。フィルタ網かごを設置しなくても、本発明の多機能豆乳器は、フィルタ網かご無しで製乳目的を実現すると共に、モーター運行が安定しており、運行騒音も小さく、製乳により発生する泡も少なく、清浄し易いという積極的な効果も実現される。本発明の多機能豆乳器は、果物や野菜の汁、重湯や野菜スープなどを作ることにも好適に使用できる。
【0014】
以下、図面と合わせて、本発明及びその実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と、接続体と、乱流板の三体が接続され、電熱管により加熱される。
図2】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と、接続体と、乱流カバーの三体が接続され、電気加熱トレイにより加熱される。
図3】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と接続体は一体となり、且つ乱流板と接続され、電熱管により加熱される。
図4】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と、接続体と、乱流板の三体が全体として、電熱管により加熱される。
図5】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と接続体は接続され、接続体の下端は乱流板であり、電熱管により加熱される。
図6】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と、接続体と、乱流カバーの三体が接続され、電熱管により加熱される。
図7】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と接続体は接続され、接続体の下端は乱流カバーであり、電熱管により加熱される。
図8】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と、接続体と、乱流カバーとが全体として、電熱管により加熱される。
図9】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と接続体は一体として、下端には乱流カバーが設けられ、電熱管により加熱される。
図10】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と、接続体と、乱流カバーの三体が接続され、電熱管により加熱され、カプリングによりカッターシャフトとモーターシャフトが接続される。
図11】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、機頭下蓋と接続体とは接続され、接続体の下端は乱流カバーであり、電熱管により加熱され、カプリングによりカッターシャフトとモーターシャフトが接続される。
図12】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、電磁加熱装置が設けられる。
図13】本発明の多機能豆乳器の乱流カバーの一実施例の正面概略図である。
図14図13の上面概略図である。
図15】本発明の多機能豆乳器の乱流カバーの一実施例の正面概略図である。
図16図15の上面概略図である。
図17】本発明の多機能豆乳器の乱流カバーの一実施例の正面概略図である。
図18図17の上面概略図である。
図19】本発明の多機能豆乳器の乱流カバーの一実施例の正面概略図である。
図20図19の上面概略図である。
図21】本発明の多機能豆乳器の全自動豆乳器の一実施例の構造断面概略図であって、カップ体の下部に電熱リングが設けられる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
豆乳器の構造をさらに簡単化し、粉砕効果が良好で、清浄に便利であり、製乳過程の泡が多い及び騒音が大きいという欠陥を克服するために、本発明者はさらに研発して、本発明の多機能豆乳器のような新規の技術案をまとめた。該技術案は豆乳、重湯、野菜スープなどを作るのに適している。
【0017】
本発明を具体的に実施する場合、粉砕製乳のプロセスでは主な部材は、粉砕カッター、カップ体、機頭下蓋、接続体及び乱流曲面体である。機頭下蓋、接続体及び乱流曲面体は順に一体に接続してもよいし、機頭下蓋と接続体が接続され、接続体の下端自身が乱流曲面体であってもよく、接続体と機頭下蓋が一体に製成され、下端に乱流曲面体が設けられてもよく、接続体が機頭下蓋と一体に製成され、その下端は乱流曲面体であってもよい。乱流曲面体は横方向の乱流板でもよく、乱流カバーでもよく、乱流カバーの開口は下向きである。
【0018】
現在、従来常用のモーター上置き式の粉砕カッター家庭用豆乳器は、カッターシャフトにより粉砕カッターが水中で高速回転すると、桶形カップ体内に、カップの壁に沿って縦方向に上方向に昇る旋回流が形成され、水中の豆も該旋回流と共に上方向に昇って流動することが考えられる。このような流動形式は、豆と粉砕カッターとの接触確率を低下させ、豆の粉砕製乳に対して不利である。従って、豆の流れを抑制するフィルタ網かごを設けた構造を備える豆乳器にして、豆を相対的に小さな空間内のみにおいて流動させ、豆と粉砕カッターとが接触する確率を高め、製乳目的を実現し、さらに粉砕カッターによりフィルタ網かごに高速回転による圧力差が生じ、フィルタ網かご内外の液体を循環交換させ、豆乳液がフィルタ網かごからカップ体に流れ出す。現在、従来のこの豆乳器は製乳の問題を解決しているが、同時にモーター動作の負荷が大きく、且つ安定しておらず、動作騒音が大きく、製乳過程で多くの乳泡が生じ、フィルタ網の清浄が困難であるなどの顕著な問題をもたらしている。
【0019】
そのため、本発明の構想の出発点は如何にしてフィルタ網かごを設けないことを前提に、製乳の目的も実現できるかということである。本発明者は従来の豆乳器の粉砕カッター動作時に液体に対する上昇旋回流の作用が製乳効果に対して利益と弊害が共存していることに注目した。弊害を克服するために、本発明では粉砕カッターの上方に乱流曲面体を設置した技術案を提供する。乱流曲面体と粉砕カッターは、豆乳器製乳の主な動作部材として、いずれもカップ体の液体中にあることは言うまでもなく、粉砕カッターは液面下で回転し、フィルタ網かごが設置されないことにより、粉砕、攪拌のチェンバー(空間)が大きく取れ、材料の流動が十分になり、従来のフィルタ網技術と比較して、モーターの負荷が低下し且つ安定し、必要とされるモーターの仕事率が低下し、作動中のモーターの運行が安定して、騒音が小さく、モーターの信頼性が相対的により高い。本発明では、回転する粉砕カッターの上方に乱流曲面体が設置されたので、豆が上向きに旋回して流れることを横方向に阻止することができ、旋回流を乱流とする積極的な効果を生じることができる。また、豆が粉砕カッターにより粉砕、摩擦される機会を増加するとともに、空気が乳液に混合される機会も減少させる。従って、製乳過程において生じる乳泡が少ない。従来の技術では、乳泡を溢れ防止の動作媒体としているが、乳泡が多いと、加熱の時間に影響を与え、豆乳を程よく沸かす効果がよくない。本発明の技術案では、製乳過程において生じる乳泡が少ないので、乳を沸かす際により多くの有効な沸乳時間が得られる。これにより、豆乳をより十分に沸かすことができ、豆乳の口当たり品質を向上できる。従って、本発明は、フィルタ網かごが設置されない場合に、フィルタ網かご無しで製乳の目的を実現できると共に、モーターを安定に運行させ、運行騒音を小さくさせることができ、製乳による乳泡も少なく、清浄し易いという積極的な効果を実現することができる。また、本発明の多機能豆乳器は、豆乳を作ることができる以外に、さらに野菜汁、重湯や野菜スープなどを作ることに全く好適に使用することもできる。
【0020】
当業者の理解の便利のために、図面と実施例を組み合わせて詳細な説明をする。
【0021】
図1〜21に示すように、本発明の多機能豆乳器の実施例として、本発明の多機能豆乳器は、機頭1と、モーター2と、カップ体4と、カッターシャフト5と、粉砕カッター6と、制御回路基板15とを備え、制御回路基板15はモーター2の動作を制御することができ、機頭1はカップ体4の上にかぶせられ、モーター2は機頭1内に固定設置され、機頭1は、上蓋21と機頭下蓋3を含み、カッターシャフト5は下方に向かってカップ体7に伸び、粉砕カッター6はカッターシャフト5の先端に固定され、機頭下蓋3の下部に接続体8が配置され(本実施例では固定設置を例とするが、これに限らず、さらに接続体8と機頭下蓋3が一体に構成されているなどでもよい)、該接続体8はカップ体4内に伸び、接続体8の下端に乱流曲面体が固定設置されており、乱流曲面体は粉砕カッター6の上方に位置する。乱流曲面体は、横方向乱流板12が粉砕カッター6の上方において横方向に遮断するものであってもよく、その開口が下向きに粉砕カッター6の上方にかぶさる乱流カバー13でもよい。一部の実施例では、図13〜20を参照して、乱流カバー13の側面にはさらに切欠き17が設けられており、液流を乱流にして豆の運動方向を変更することを有利に強化し、製乳効率を向上させる。
【0022】
接続体8は乱流曲面体の固定基部であり、実施例として、図1〜12に示すように、機頭下蓋3、接続体8及び乱流曲面体12又は13の順に固定接続してもよいし、接続体8の上端が機頭下蓋3と固定接続され、接続体8下端自身は乱流曲面体12又は13である形状としてもよい。また、接続体8と機頭下蓋3が一体に構成され、下端に乱流曲面体12又は13が設置されてもよい。さらに、接続体8と機頭下蓋3が一体に構成され、下端自身は乱流曲面体12又は13である形状としてもよい。
【0023】
本発明の多機能豆乳器の実施例として、図1〜12に示すように、カッターシャフト5はモーター2のモーターシャフト7であってもよい。即ち粉砕カッター6はモーター2の長軸先端に直接に固定されてもよい。また、カッターシャフト5は下カプリング18と上カプリング9との接合によりモーターシャフト7と接続されてもよい。これにより、モーター2の技術的な性能に対する要求を低下することができる。
【0024】
従来技術を適用して、本発明の多機能豆乳器では、さらに加熱装置が設けられてもよい。加熱装置の電熱管10の上端は機頭下蓋3の下端面に固定設置される。図1,3〜11に示すように、カップ体4が加熱装置の加熱トレイ11上に置かれ、或いは、電熱リング22がカップ体4の下部を囲むように構成される。また、電磁加熱装置を設置してもよい。図2と12に示すように、前記電磁加熱装置はカップ体4の下部に置かれ、カップ体と接触して、全自動豆乳器とされ、制御回路基板15は電熱管10の動作を制御することができる。実施例の構造は本明細書の図1〜12及び部材の名称の説明を参照すること。該実施例では、従来技術に係わる部分は、当業者にとって公知技術であるので、ここでは重複して説明しない。
【0025】
上記は本発明の実施例が提供する禁止領域内の接続処理方法及び装置であり、且つ上記は単に本発明の好ましい実施様態であり、当業者にとって、本発明の原理を離脱しないことを前提として、さらに改善及び装飾されてもよく、これらの改善及び装飾も本発明の保護範囲に属するとみなされるべきである。
【0026】
本出願は2007年4月20日に中国特許庁に提出された、出願番号200710098337.0、発明の名称「多機能豆乳器」の中国専利出願の優先権を主張する。その全ての内容は引用により本出願に取り込まれる。
【符号の説明】
【0027】
1 機頭
2 モーター
3 機頭下蓋
4 カップ体
5 カッターシャフト
6 粉砕カッター
7 モーターシャフト
8 接続体
9 上カプリング
10 電熱管
11 電加熱トレイ
12 横方向乱流板
13 乱流カバー
14 溢れ防止電極
15 制御回路基板
16 ハンドル
17 切欠き
18 下カプリング
19 パネル
20 電磁コイルトレイ
21 上蓋
22 電熱リング
23 液面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16
図17
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図20
図21