(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ゴルフは難しい。平均的なゴルファーがゴルフクラブをスイングするとき、そのゴルフクラブスイングは劇的な変動があり、この結果、多くが、芯からはずれた打撃となり、真ん中に当たったときと較べると減殺したパーフォーマンスにしかならない。しかしながら、この顕著に困難なゲームをより楽しいものにするための試みとして、ゴルフクラブ設計者は、完璧なゴルフスイングに較べようがない厳しい現実を緩和するユニークなゴルフクラブデザインを工夫してきた。
【0003】
1つの初期の例において、米国特許第4,523,759号(イガラシ)は周囲に重み付けされた空洞のゴルフアイアンを開示し、これは、発泡コアを具備し、実行打撃領域をモーメントの中心へと位置づけ、ゴルフゲームをより容易にすることに役立つように試みるものである。ゴルフクラブの重量を周囲に分散することにより、ゴルフクラブヘッドの慣性モーメント(MOI)を増大させることができ、ゴルフクラブヘッドがゴルフボールと衝突するときにゴルフクラブヘッドが好ましくなくツイストすることを抑制する。
【0004】
米国特許第4,809,977号(Doran等)は、ゴルフクラブヘッドのヒールおよびトウ部分に付加的な重量を配置してゴルフクラブヘッドの慣性モーメントを大きくさせる試みの他の例を示す。このようにトウおよびヒール重み付けにより実現可能な慣性モーメントの増大は、ゴルフクラブがヒールおよびトウ方向にツイストするのも抑制でき、これにより、意図した起動からゴルフボールが外れていくという好ましくない結果も緩和される。
【0005】
平均的なゴルファーのためにゴルフクラブの寛容性および競技性を向上させるという当初の試みは見事であるけれども、種々の材料をゴルフクラブヘッドの種々の部分に採用することにより実現可能な顕著な寛容性の利点は利用されていない。一例において、米国特許第5,885,170号(タケダ)は、複数材料を使用して質量特性をより顕著に調整する利点を説明する。より具体的には、米国特許第5,885,170号は、1つの材料から形成されたフェースを具備する本体を教示し、ここではホーゼルはヘッド本体の比重と異なる比重を伴う他の材料から形成される。米国特許第6,434,811号(Helmstetter等)は、複数の材料を使用してゴルフクラブヘッドの性能を改善することを教示し、ここでは、ゴルフクラブヘッド全体が形成された後に組み込まれる重み付けシステムをゴルフクラブヘッドに提供する。
【0006】
より最近では、ゴルフクラブヘッドに複数材料を組み込む際の改良も、異なる特性を伴う多くの複数の材料を、ゴルフクラブヘッド中にキャビティを機械加工して組み込むことで、顕著に、成熟している。より具体的には、米国特許第7,938,739号(Cole等)は、ゴルフクラブヘッドに一体のキャビティを具備するゴルフクラブヘッドを開示し、ここでは、キャビティはヒール領域からトウ領域に伸び、これが、ゴルフクラブヘッドのバックファースの下側部分に沿って伸び、打撃フェースとほぼ平行して延び、ゴルフクラブヘッドをヒール領域およびトウ領域の間で二分割する中心線のまわりでほぼ対称となる。
【0007】
しかしながら、本体が完成した後に複数材料を導入するので、異なる材料の間のインターフェースの精度が、潜在的に、ゴルフクラブヘッドのフィーリングを変えてしまうという好ましくない副作用をもたらすかもしれない。米国特許第6,095,931号(Hettinger等)は、複数の異なる部品を使用することによりフィーリングを犠牲にするという、具体的に好ましくない、副作用があることを見いだしている。米国特許第6,095,931号は、ゴルフクラブヘッドと、打撃前面セクションを有する主本体部分との間に隔離層を設けてこの問題に対処する。
【0008】
米国特許第7,828,674号(クボタ)は、この問題の深刻さを認識し、粘弾性要素を具備する空洞ゴルフクラブヘッドは上手なゴルファーに対して軽量で空洞であるというフィーリングを与え、このため上手なゴルファーはこのようなゴルフクラブを好まないと述べている。米国特許第7,828,674号は、このような多材料ゴルフクラブの不備を、マグネシウムブロックをメタルのみで形成されたリセス中に埋め込み、またはプレスフィットして一体化し、金属カバーで被覆することにより対処している。
【0009】
先の試みはすべてゴルフクラブヘッドの性能を改善させ、ゴルフクラブヘッドのフィーリングにおける犠牲を最小化しようとするものであるけれども、すべての手法は、二次的な材料を一体化させるためにクラブヘッド中にキャビティおよびリセスを形成するための、顕著な量の事後製造操作を必要とする。このようなタイプの二次的な操作は高価であるだけでなく、種々な部品間の厳密な許容誤差を維持できるようにする性能の限界故に、一体に形成されるゴルフクラブヘッドに関連するソリッドなフィーリングの維持が顕著に難しくなる。
【0010】
したがって、以上から理解できるように、慣用的なゴルフクラブヘッドに関連するフィーリングを犠牲にすることなくより寛容性のあるゴルフクラブヘッドを製造するためのすべての開発行為にもかかわらず、悪いフィーリングを引き起こす深刻な後製造機械加工を利用することなくそのようなクラブを製造する事は、現時点では実現できない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明は、この発明を現状で最も良く考えられた態様で実現するものである。この記載は限定的な意図で把握されるのでなく、単に、この発明の全体的な原理を説明する目的でなされ、この発明の範囲は添付の特許請求の範囲の記載により最も良く規定される。
【0019】
以下の説明される種々の発明の特徴は、各々、相互に独立して採用でき、また他の特徴と組みあわされて採用できる。ただし、いずれの1つの発明の特徴も上述した問題のいずれかまたはすべてに対処するものでなくともよく、上述した問題の1つに対処するものであってもよい。さらに上述の問題の1つまたはそれ以上が以下で説明されるいずれの特徴によっても充分に対処されなくとも良い。
【0020】
添付図面の
図1は、この発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッド100の斜視図を示す。
図1に示されるゴルフクラブヘッド100は、全般的には本体部分102およびホーゼル部分104を有してよく、この本体部分102は、複数の個々に識別可能な要素、例えば、トップライン部分106、ソール部分108、ヒール部分110、およびトウ部分112を具備する。この発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッド100は、少なくとも1つのウエイト調整部分を全体的に有して良く、このウエイト調整部分はゴルフクラブヘッド100の本体部分102中に包まれる。好ましい実施例において、ウエイト調整部分は本体部分102中にモノリシックに包み込まれ、この発明の範囲および内容を逸脱しない範囲でウエイト調整部分が本体部分102内に確実に固着されるようになっていてよい。ウエイト調整部分はゴルフクラブヘッド100の本体部分102内にモノリシックに包まれるので、添付図面の
図1においては、ウエイトを見ることができない。しかしながら、これらのウエイト調整部分は後の図面において、異なる見方が滞京されるときに示されることになる。
【0021】
後続の図面に進む前に、このゴルフクラブヘッド100は1つの鍛造プロセスを利用して形成され、ウエイトはそのような事後仕上げ機械加工操作を伴うことなしに組み込まれることを強調することは重要である。これは実現する上で重要な相違である。なぜならば、モノリシックにウエイト調整部分を包み込むという同一の効果は、代替的な製造プロセス、例えば鋳造を用いて実現することは困難であるからである。この出願において、「モノリシックな包み込み」は、全般的には、特定の内部部品が個別の外部部品の内部に、完成品において結合部またはつなぎ目を伴うことなく配置されることとして定義されてよい。この発明との関連では、ウエイト調整部分がゴルフクラブヘッド100の本体部分102内に「モノリシックに包まれる」とは、全般的には、ウエイト調整部分がゴルフクラブヘッド100の本体部分102の内部に、一般的には事後製造プロセス例えばミリング、溶接、ロウ付け、接着、カシメを必要とする、結合部またはつなぎ目を伴うことなく配置されることとして定義されて良い。
【0022】
また、この発明のこの定義において、「モノリシックに包まれる」ウエイトは、この発明の範囲および内容から逸脱することなくウエイト調整部分の存在を図説するために完成品において内部ウエイトが露出している所定の側面を潜在的に有することに留意すべきである。より具体的には、「モノリシックに包み込まれる」ということは最終製品を上述のように製造するために用いる手法を指し、必ずしもウエイト調整部材の視覚的な遮蔽に限定されなくてよい。
【0023】
図2A〜2Dは、この発明の事例的な実施例に従う共鍛造ゴルフクラブヘッド200を製造するのに用いる手法を図説する。より具体的には、
図2A〜2Dは、基礎的なビレット201の形状からゴルフクラブヘッド200の最終製品へとゴルフクラブヘッドを鍛造する際に行われるステップを示す。
【0024】
図2Aは、この発明の事例的な実施例に従うプレフォームのビこの発明の事例的な実施例に従うビレット201を示す。
図2Aから理解できるように、プレフォームのビレット201は全般的には第1の材料から製造された筒状の棒体として開始され、これはゴルフクラブヘッド200の鍛造では一般的である。ゴルフクラブヘッド200の本体部分202内にモノリシックに包み込まれることができるウエイト調整部分215を形成するために、1または複数のキャビティ216がプレフォームのビレット201内に機械加工される。
図2Aに示されるこの事例的な実施例において、2つのキャビティ216がプレフォームのビレット201の末端部に機械加工される。キャビティ216のプレフォームのビレット201内の位置および幾何形状は重要である。なぜならば、これは鍛造後のゴルフクラブヘッド200におけるウエイト調整部分215の最終的な位置に直接に関係するからである。
【0025】
図2Bに移ると、キャビティ216がマシン加工されると、キャビティ216が、第1の材料の密度と異なる密度の第2の材料によって充填されウエイト調整部分215を形成することが理解できる。先の検討と同様に、ウエイト調整部分215の位置、寸法、および形状はキャビティ216の位置、寸法および形状と同様に厳密である、なぜならば、プレフォームのビレット201内のウエイト調整部分215はゴルフクラブヘッド内のウエイト調整部分215の最終はいちいちと関連するからである。
【0026】
最後に、
図2Cは、プレフォームのビレット201の最終段階を示し、キャビティ216の残りの容積が第1の材料で充填され、伝統的な連結方法、例えば、溶接、ロウ付け、およびカシメにより封止される。キャビティ216が封止されるので、ウエイト調整部分215はプレフォームのビレット201内にモノリシックに包まれることになり、鍛造プロセスの終了後には、同位置のウエイト調整部分215がゴルフクラブヘッド200の本体202内にモノリシックに包まれることになる。キャビティ216が充填された後には、プレフォームのビレット201に対してゴルフクラブヘッド200の鍛造に関連する通常の鍛造プロセスが施される。この発明を理解する上でゴルフクラブヘッド200の鍛造に関連する基本ステップは重要であるけれども、それは比較的古くて確立した技術であり、この出願では詳細に説明したに。ウエイト調整部分をモノリシックに筒も無い基本的なゴルフクラブヘッドの鍛造に関連するステップに関するより多くの情報は、米国特許第3,825,991号(Cornell)、および米国特許第6,666,779号(イワタ等)に見出すことができ、これらの開示内容は参照してここに組み入れる。
【0027】
ここに組み入れて参照した、ゴルフクラブの鍛造に関するさきの検討は、現実の鍛造プロセスを記述する上で良好であるけれども、鍛造プロセスにおいて2つの異なる材料が関連する、この発明の共鍛造プロセスに関する付加的な課題については言及していない。より具体的には、ウエイト調整部分215は、プレフォームのビレット201の残りの部分を形成するのに用いる第1の材料と異なって良い第2の材料から製造されるので、異なる材料が一緒に鍛造されてゴルフクラブヘッド200が形成されることを確実にするために特別な配慮が必要である。したがって、一緒に共鍛造が可能な付着性のある2つの材料を選択するために、第1の材料および第2の材料は、一般的には、流動応力および膨張係数に関する特別な材料特性要件をもってよい。2つの材料が鍛造において一貫性をもって柔軟性の材料特性を同一にすることが最優先であるけれども、同一の材料を使用すると、この発明の基本で要求されるウエイト調整の利点を何ら実現しなくなる。
【0028】
第1に、金属材料が一緒に共鍛造できる能力を保持するためには、各材料の流動応力が適切に考慮される必要がある。材料の流動応力は一般的には材料を継続して変形させる(すなわち金属を流し続ける)ために必要な応力の瞬間値として定義され、2つの異なる材料から付着性のある鍛造部品を形成するには、それら材料が、鍛造プロセスの応力が加わったときに、比較的同一の速度で流れる必要がある。材料の流動応力は一般的には降伏応力の関数であることが知られており、材料の流動応力は一般的には下記の式(1)にまとめられて良い。
Y
f=Ke
n
ただし、Y
f=流動応力(MPa)
K=歪み係数(MPa)
N=歪み硬化指数(Strain Hardening Exponent)
【0029】
先の式に加えて、材料の流動応力は真空で把握されるものではなく、むしろ、材料の鍛造温度に左右されることを述べることも重要である。したがって、この発明の事例的な実施例において、第1の材料の第1の鍛造温度における第1の流動応力は、第2の材料の第2の鍛造温度における第2の流動応力に実質的に類似であるが同一ではなく、ここで、第1の鍛造温度と第2の鍛造温度は実質的に類似である。より具体的には、より詳細な
実施例において、第1の材料は1025スチールであってよく、これは約1200°Cの鍛造温度で約10ksi(キロポンド平方インチ)の第1の流動応力を伴い、他方、第2の材料はニオブ材料であってよく、これは約1100°Cの鍛造温度で約12ksiの流動応力を伴う
。
【0030】
この発明の上述した事例的な実施例においては第1の材料は1025スチールであってよく、第2の材料はニオブ材料であってよいけれども、類似の
鍛造温度で類似の流体応力を伴う限り、種々の他の材料を、この発明の範囲および内容から逸脱しない範囲で、採用してもよい。代替的に言及すると、第2の流動応力が第1の流動応力に較べ20%大またはそれ以下、または20%小かまたはそれ以上であれば、任意の2つの材料をこの共鍛造プロセスに使用して良い。
【0031】
さきに述べたように、流動応力の他に、第1の材料および第2の材料の熱膨張係数も、2つの個別の材料の適切な共鍛造には重要である。より具体的には、第1の材料の第1の熱膨張係数は一般的には第2の材料の第2の熱膨張係数より大きいか、少なくとも同一である必要がよってよい。熱膨張係数は鍛造後の材料の収縮にも関連するので、第2の材料をモノリシックに包み込む第1の材料の熱膨張係数は、両材料の界面部分にギャップが形成されないようにするために、より大きいことが重要である。この発明のより詳細な実施例において、第1の材料は1025スチールでよく、その熱膨張係数は約8.0μin/in°Fであり、他方、第2の材料はニオブであり、その第2の熱膨張係数は約3.94μin/in°Fである。
【0032】
先の事例的な実施例においては第2の熱膨張係数は第1の熱膨張係数より小さいけれども、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、両値を同一として2つの材料が完全に係合するようにしてよい。実際、この発明の1つの事例的な実施例において、第1の材料と第2の材料とが同一の熱膨張係数を持つことが好ましい。なぜならば、外側材料が内側材料に対して過剰に収縮
すると両材料の界面部分に付加的な応力を潜在的に形成するからである。
【0033】
代替的には、異なるウエイト付け特性を実現する試みとして、第2の材料を6−4チタン材料から製造してウエイト調整部分216の重量を減少させることができる。チタン材料は一般的に約1100°Cの鍛造温度で約10ksiの流動応力を伴い、約6.1μin/in°Fの熱膨張係数を伴う。
【0034】
ここで、鍛造プロセス、および異なる材料の共鍛造プロセスに関連する考慮点を説明したが、添付図面の
図2Dは上述の共鍛造プロセスを用いて形成された完成品のゴルフクラブヘッド200の斜視図を示し、ゴルフクラブヘッド200は少なくとも1つのウエイト調整部分215を本体部分202内にモノリシックに包む。より具体的には、この発明のこの事例的な実施例において、ウエイト調整部分215はゴルフクラブヘッド200のヒール部分210およびトウ部分212の近くに配置される。ウエイト闘性部分をヒール部分210およびトウ部分212の近くに配置することにより、何ら二次的な付加操作を伴うことなしに、ゴルフクラブヘッド200の慣性モーメント(MOI)を増加させることができ、これによりゴルフボールの衝撃時のフィーリングを一貫的にすることができる。
【0035】
この発明の異なる実施例について検討する前に、ゴルフクラブヘッド200の本体部分202内のウエイト調整部分215の正確な位置は個々のゴルフクラブヘッドごとに異なり、これはこの発明の共鍛造プロセスが異なる
材料を用いることの結果であることに留意することは重要である。より具体的には、個々のゴルフクラブヘッド200ごとにウエイト調整部分215の正確な位置は異なって良い。なぜならば、第1の材料および第2の材料の流動応力がウエイト調整部分215の最終位置を決定するのに作用するからである。この点に加え、ゴルフクラブヘッド200のウエイト調整部分215と本体部分202との間の界面は一般的には不規則な界面であって良く、この
境界のぎざぎざが全体のゴルフクラブヘッド200が共鍛造されたことを示す。これは、事後的な機械加工の第2の操作、例えば、ミリング、ドリル開けにより形成された、一般的に2つの異なる材料の間にきれいな分岐線を伴う、キャビティと劇的に異なる。
【0036】
添付図面の
図3A〜3Dはこの発明の代替的な実施例を示し、ここでは、2つの個別のウエイト調整部分314および315がプレフォームのビレット3−1の異なる部分に配置されて、異なる性能基準を伴うゴルフクラブヘッド300を形成する。より具体的には、
図3Dに示されるゴルフクラブヘッド300はゴルフクラブヘッド300のトップライン306の近くに軽量ウエイト調整部分314を具備し、ゴルフクラブヘッド300のソール308の近くに重量ウエイト調整部分314を具備してゴルフクラブヘッド300の重心(CG)を下方にシフトさせこの発明のゴルフクラブヘッド300の打ち上げおよびスピン特性を支援してよい。
【0037】
図3A〜3Cは、先の場合と同様に、この発明のゴルフクラブヘッド300の製造プロセスを示し、これはプレフォームビレット301から開始される。より具体的には、
図3Aはこの発明の事例的な実施例に従うプレフォームのビレット301の斜視図を示し、ここでは、複数のキャビティ316がビレット301内で先着的な位置でドリル穴あけされる。この事例的な実施例においては、複数のキャビティ316はプレフォームのビレット301の端部の各々に替えて、そのトップ部分および底部部分の近くでドリル穴明されることに留意されたい。なぜならば、この特定の実施例は、ゴルフクラブヘッド300のトップライン部分306から重量を除去し、これをゴルフクラブヘッド300のソール部分308に移動させることにより、ゴルフクラブヘッド300のCGを下方に移動させることに焦点が当たられているからである。
【0038】
添付図面の
図3Bは、
図3Aにおいて形成されたキャビティ316の内部に配される2つのウエイト調整部分314および315を示す。CGの位置を下がることが望まれるときには一般的にゴルフクラブヘッド300のトップ部分の近くの重量を最小化することが望ましいけれども、頂部のキャビティ316はこの発明のこの実施例において完全にブランクのままに残すことはできない。なぜならば、プレフォームのビレット301の全体は実際にはゴルフクラブヘッド300の形状へと鍛造され、どのような空っぽのキャビティ316も壊れてしまうからである。したがって、この発明のこの事例的な実施例においては、トップのキャビティ316は軽量なウエイト調整部分314で充填されてよく、他方、下方のキャビティ316は重量のウエイト調整部分315によって充填されてよい。軽量のウエイト調整部分314は全般的には第3の密度の第3の材料から形成されて良く、また、重量のウエイト調整部分315は全般的には第2の密度の第2の材料から形成されて良い。この発明の1つの事例的な実施例において、第3の密度は一般的には約7.0g/cc未満であって良く、ここで、第2の密度は一般的には約7.8g/ccより大きくて良く、他方、ゴルフクラブヘッド300の本体部分302を形成するために採用される第1の材料の第1の密度は約7.8g/ccであって良い。
【0039】
添付図面の
図3Cは、プレフォームのビレット201の最終段階を示し、ビレット316は、その内部のキャビティ316内にウエイト調整部分314および315をモノリシックに包み込む。より具体的には、
図3Cに示されるプレフォームのビレットの形成には、キャビティ316の残りの容積を第3の材料で充填してウエイト調整部分315および316をプレフォームのビレット301内に包み込むことを含む。先に検討した場合と同様に、プレフォームのビレット301は、その後、鍛造されて、
図3Dに示すようにゴルフクラブヘッド300を形成する。ここでは、ウエイト調整部分314および315はゴルフクラブヘッド300の本体部分302内にモノリシックに包まれている。
【0040】
先に説明した手法と同様に、第1の材料内に形成された第3の材料を共鍛造するためには、第3の材料の第3の流動応力は一般的には第1の材料の第1の流動応力と類似のものでなければならず、第3の材料の第3の熱膨張係数は第1の材料の第1の熱膨張係数より小さくなくてはならない。より具体的には、第3の材料は6−4チタンであってよく、その第3の流動応力は約1100°Cの鍛造温度で約10ksiであり、第3の熱膨張係数は約6.1μin/in°Fである。
【0041】
図2A〜2Dおよび
図3A〜3Dは高MOIおよび低CGをそれぞれ実現するために採用されるこの発明の異なる実施例を示すけれども、これらの特徴はお互いに排他的なものではない。実際、
図4A〜4Dに示される他の代替的な実施例において、先に検討した実施例の双方から特徴を取り出して、この発明の範囲および内容から逸脱することなしに、高MOIであるとともに低CGの共鍛造のゴルフクラブヘッドを形成して良い。より具体的には、
図4A〜4Dに示すように、ゴルフクラブヘッド400のトップ部分406の近くに軽量のウエイト調整部分414を組み込むとともに、ゴルフクラブヘッド400のトウ部分412およびヒール部分410の近くに2またはそれ以上の重量のあるウエイト調整部分415を組み込み高MOIで低CGのゴルフクラブを形成するステップが必要になる。
【0042】
添付図面の
図5A〜5Dはこの発明の他の代替的な実施例を示し、ここでは、ゴルフクラブヘッド500の本体部分502がモノリシックに包み込まれたウエイト調整部分514を有する。この発明のこの事例的な実施例において、ウエイト調整部分514はサイズが大きく、このため、鍛造プロセスが終了すると、この部分がゴルフクラブヘッド500の本体部分502の大部分と置き換わる。この発明のこの事例的な実施例において、モノリシックに包み込まれるウエイト調整部分514は全般的には第3の密度の第3の材料から製造されて良く、第3の密度はゴルフクラブヘッド500の本体部分502を形成するために使用される第1の材料の第1の密度に較べて顕著に小さく、このため、ゴルフクラブヘッド500の本体部分502から重量を取り除くことができる。ウエイト調整部分514を形成するために採用される軽量の第3の材料は全般的には第1の材料に較べて比較的に柔らかであるので、ウエイト調整部分514をゴルフクラブヘッド500の内部本体内にモノリシックに包み込むことが好ましく、これによりフィーリングを犠牲にすることなく、顕著な重量を節約できる。
【0043】
より詳細には添付図面の
図5Aは先に説明した図面と類似のプレフォームのビレット501を示す。ただし、この事例的な実施例において、キャビティ506は、プレフォームのビレット501自体の内部において顕著に大きい。そして、この大きなキャビティ506はゴルフクラブヘッド500の重量、密度、および全体のフィーリングを調整するためにウエイト調整部分514で充填されて良い。
図5Cにおいて、先に説明した場合と同様に、ゴルフクラブヘッド500を製造するために鍛造プロセスを全体のプレフォームのビレット501に行う前に、キャビティ506の残りの容積をオリジナルの第1の材料で充填する。
【0044】
この事例的な実施例において、ゴルフクラブヘッド500のホーゼル部分504は意図的に慣用的な第1の材料で形成されることが重要である。なぜならば、ウエイト調整部分514を形成するために使用される第2の
材料の曲げ特性は一般的にはアイアンタイプのゴルフクラブヘッド500の曲げ要求に適していないからである。より具体的には、ウエイト調整部分514を形成するために使用される第3の材料は軽量の鉄−アルミニウム材料であって良く、これの密度は約7.10g/cc、より好ましくは約7.05g/cc、最も好ましくは約7.00g/ccであり、これは、すべて、この発明の範囲および内容から逸脱しない範囲でなければならない。ただし、多くの他の材料を、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、第3の材料の密度が先に説明した範囲内であれば、ウエイト調整部分514を形成するための第3の材料としても採用してよい。
【0045】
作業例における他の事柄、または、とくに明言しなくとも、すべての数値範囲、量、値、百分率、例えば材料の量、慣性モーメント、重心位置、ロフト、ドラフト角、種々の性能比についてのこれら、および明細書中の他のものは、たとえ、その値、量または範囲に関連して用語「約」が表示されていなくとも、「約」がその前に配置されているように読むことができる。したがって、そうでないと示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に表される数のパラメータは近似的であり、これは、この発明により得られることが企図される所望の特性に応じて変化する。最低限でも、もちろん均等論の適用を制約するものではないが、各数のパラメータは記録されている有効数字の数や通常の丸め処理に照らして解釈されるべきである。
【0046】
この発明の広範な範囲を示す数的範囲およびパラメータは近似的であるけれども、具体例において示された数値は可能な限り正確に記録した。任意の数値は、それでも、それぞれのテスト計測に見いだされる標準偏差に必然的に起因する誤差を含む。さらに、種々のスコープの数値範囲が示される場合には、例示された値を含めた値の任意の組み合わせが利用できると理解されたい。
【0047】
もちろん、先のものはこの発明の事例の実施例に関するものであり、特許請求の範囲に記載されたこの発明の趣旨および範囲から逸脱しない範囲で修正を行うことができることに留意されたい。
以下、ここで説明された技術的な特徴を列挙する。
[技術的特徴1]
打撃フェースを含み第1の材料から製造される本体部分と、
上記本体部分内に包まれる、第2の材料から製造される少なくとも1つのウエイト調整部分とを有し、
上記少なくとも1つのウエイト調整部分は、どのような他の結合操作を行うことなしに、上記本体部分内にモノリシックに包み込まれることを特徴とする鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴2]
上記少なくとも1つのウエイト調整部分と上記本体部分との間の界面は不規則な界面を形成する技術的特徴1記載の鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴3]
上記少なくとも1つのウエイト調整部分は、上記クラブヘッドのソールの近くに配置される技術的特徴2記載の鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴4]
上記少なくとも1つのウエイト調整部分は、上記クラブヘッドの上記ソールのヒール部分の近くに配置される技術的特徴3記載の鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴5]
上記少なくとも1つのウエイト調整部分は、上記クラブヘッドの上記ソールのトウ部分の近くに配置される技術的特徴3記載の鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴6]
上記第1の材料は第1の鍛造温度で第1の流動応力を伴い、上記第2の材料は第2の鍛造温度で第2の流動応力を伴い、
上記第1の流動応力および上記第2の流動応力は相互に実質的に類似であり、
上記第1の鍛造温度および上記第2の鍛造温度は相互に実質的に類似である技術的特徴1記載の鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴7]
上記第1の流動応力および上記第2の流動応力は相互に異なる技術的特徴6記載の鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴8]
上記第1の流動応力は68.95MPa(10ksi)であり、上記第1の鍛造温度は1200°Cであり、上記第2の流動応力は68.95MPa(10ksi)であり、上記第1の鍛造温度は1100°Cである技術的特徴6記載の鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴9]
上記第1の材料は第1の熱膨張係数を伴い、上記第2の材料は第2の熱膨張係数を伴い、
上記第1の熱膨張係数は上記第2の熱膨張係数より大きいか等しい技術的特徴1記載の鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴10]
上記第1の熱膨張係数は14.4×10
−6/℃(8.0μin/in°F)であり、上記第2の熱膨張係数は11.0×10
−6/℃(6.1μin/in°F)である技術的特徴9記載の鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴11]
ゴルフクラブヘッドを鍛造する方法において、
第1の材料から製造される筒状のビレットを形成するステップと、
上記筒状のビレット内に1または複数のキャビティを機械加工して形成するステップと、
上記1または複数のキャビティを第2の材料で部分的に充填してウエイト調整部分を形成するステップと、
上記1または複数のキャビティの残りの容積を上記第1の材料で充填して上記ウエイト調整部分を包み込むステップと、
上記筒状のビレットを鍛造して上記ゴルフクラブヘッドの本体部分を形成するステップとを有し、
上記本体部分が上記ウエイト調整部分を、どのような他の結合操作を行うことなしに、上記本体部分内にモノリシックに包みこむことを特徴とする上記ゴルフクラブヘッドを鍛造する方法。
[技術的特徴12]
上記本体部分と上記少なくとも1つのウエイト調整部分との間の界面は不規則な界面を形成する技術的特徴11記載のゴルフクラブヘッドを鍛造する方法。
[技術的特徴13]
上記第1の材料は第1の鍛造温度で第1の流動応力を伴い、上記第2の材料は第2の鍛造温度で第2の流動応力を伴い、
上記第1の流動応力および上記第2の流動応力は相互に実質的に類似であり、
上記第1の鍛造温度および上記第2の鍛造温度は相互に実質的に類似である技術的特徴11記載のゴルフクラブヘッドを鍛造する方法。
[技術的特徴14]
上記第1の流動応力および上記第2の流動応力は相互に異なる技術的特徴13記載のゴルフクラブヘッドを鍛造する方法。
[技術的特徴15]
上記第1の流動応力は6.895MPa(10ksi)であり、上記第1の鍛造温度は1200°Cであり、上記第2の流動応力は6.895MPa(10ksi)であり、上記第1の鍛造温度は1100°Cである技術的特徴13記載のゴルフクラブヘッドを鍛造する方法。
[技術的特徴16]
上記第1の材料は第1の熱膨張係数を伴い、上記第2の材料は第2の熱膨張係数を伴い、
上記第1の熱膨張係数は上記第2の熱膨張係数より大きいか等しい技術的特徴11記載のゴルフクラブヘッドを鍛造する方法。
[技術的特徴17]
上記第1の熱膨張係数は14.4×10
−6/℃(8.0μin/in°F)であり、上記第2の熱膨張係数は11.0×10
−6/℃(6.1μin/in°F)である技術的特徴16記載のゴルフクラブヘッドを鍛造する方法。
[技術的特徴18]
打撃フェースを含み第1の材料から製造される本体部分と、
上記本体部分内に包まれる、第2の材料から製造される少なくとも1つのウエイト調整部分とを有し、
上記少なくとも1つのウエイト調整部分は、どのような他の結合操作を行うことなしに、上記本体部分内にモノリシックに包み込まれ、
上記第1の材料は第1の鍛造温度で第1の流動応力を伴い、上記第2の材料は第2の鍛造温度で第2の流動応力を伴い、
上記第1の流動応力および上記第2の流動応力は相互に実質的に類似であり、
上記第1の鍛造温度および上記第2の鍛造温度は相互に実質的に類似であり、
上記第1の材料は第1の熱膨張係数を伴い、上記第2の材料は第2の熱膨張係数を伴い、
上記第1の熱膨張係数は上記第2の熱膨張係数より大きいか等しいことを特徴とする鍛造ゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴19]
上記本体部分と上記少なくとも1つのウエイト調整部分との間の界面は不規則な界面を形成する技術的特徴18記載の鍛造ゴルフクラブヘッド。