(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体(11)の毛管層により表面(16)上に基板(12)をクランプする為の基板支持構造(13)であって、前記表面が外縁(28)を有しているとともにクランプされる前記基板を受け入れる為の1つ又はそれ以上の基板支持要素(17)を備えていて、
ここにおいては、前記1つ又はそれ以上の基板支持要素が複数の支持位置に前記基板の為の支持を提供するよう配置されており、
ここにおいては、前記基板支持構造がさらに、前記表面を取り囲んでいるとともに密封リムを形成している上表面又は縁(22,24,26)を有している密封構造(21)をさらに備えており、
ここにおいては、前記表面の前記外縁と複数の前記支持位置の最も外側の1つとの間の距離(c)が前記外縁と前記密封リムとの間の距離(d)よりも大きく、そして、
ここにおいては、前記密封リムと前記最も外側の支持位置との間の距離(c+d)が、隣接している支持位置間の最大距離よりも大きい、
基板支持構造。
前記表面の前記外縁と前記最も外側の支持位置との間の前記距離(c)が、前記外縁と前記密封リムとの間の前記距離(d)の2倍よりも大きいか又は2倍に等しい、請求項1の基板支持構造。
前記密封リムと前記最も外側の支持位置との間の前記距離(c+d)が、隣接している支持位置間の前記最大距離の2倍よりも大きいか又は2倍に等しい、請求項1又は2の基板支持構造。
前記表面の前記外縁と前記最も外側の支持位置との間の前記距離(c)が、隣接している支持位置間の前記最大距離の2倍よりも大きいか又は2倍に等しい、請求項1乃至3の何れか1項の基板支持構造。
前記表面の前記外縁と前記最も外側の支持位置との間の前記距離(c)が、複数の支持位置間の公称距離と等しいか又は公称距離よりも大きく、そして、前記外縁と前記密封リムとの間の前記距離(d)がこのような公称距離と等しいか又はこのような公称距離よりも小さい、請求項1乃至3の何れか1項の基板支持構造。
液体(11)の毛管層により表面(16)上に基板(12)をクランプする為の基板支持構造(13)であって、前記表面が外縁(28)を有しているとともにクランプされる前記基板を受け入れる為の1つ又はそれ以上の基板支持要素(17)を備えていて、
ここにおいては、前記1つ又はそれ以上の基板支持要素が複数の支持位置に前記基板の為の支持を提供するよう配置されており、
ここにおいては、前記基板支持構造がさらに、前記表面を取り囲んでいるとともに密封リムを形成している上表面又は縁(22,24,26)を有している密封構造(21)をさらに備えており、そして、
ここにおいては、前記表面の前記外縁と前記最も外側の支持位置との間の距離(c)が複数の支持位置間の公称距離と等しいか又は公称距離よりも大きく、そしてここにおいては、前記外縁と前記密封リムとの間の距離(d)がこのような公称距離と等しいか又はこのような公称距離よりも小さい、
基板支持構造。
前記1つ又はそれ以上の基板支持要素は、相互に等しいピッチで規則的なパターンに配置されている複数の支持位置に前記基板の為の支持を提供していて、前記密封リムと前記密封リムに最も近い支持位置との間の距離が前記ピッチを越えている、請求項1乃至6の何れか1項の基板支持構造。
複数の前記基板支持要素の上面と前記堀(19)の前記段部分(83)との間の高さの差異は、複数の前記基板支持要素の高さの2倍よりも大きいか又は2倍に等しい、請求項9の基板支持構造。
基板支持構造(13)と、液体(11)の毛管層により前記基板支持構造の表面(16)上にクランプされている基板(12)との組み合わせであって、前記表面が前記基板を受け入れる為の1つ又はそれ以上の基板支持要素(17)を備えているとともに1つ又はそれ以上の支持位置で前記基板の為の支持を提供するよう配置されていて、
ここにおいては、前記基板支持構造がさらに、前記表面の回りで密封リムを形成している上表面又は縁(22,24,26)を有している密封構造(21)を備えており、そして、
ここにおいては、前記密封リムと最も外側の前記支持位置との間の距離(c+d)が、隣接している支持位置間の最大距離よりも大きい、
組み合わせ。
前記密封リムと前記最も外側の支持位置との間の距離(c+d)が、隣接している支持位置間の最大距離の2倍よりも大きいか又は2倍に等しい、請求項11乃至13の何れか1項の組み合わせ。
前記毛管液体層の周縁部と前記最も外側の支持位置との間の距離(a)が、前記毛管液体層の周縁部と前記密封リムとの間の距離(b)よりも大きい、請求項11乃至14の何れか1項の組み合わせ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下は、例示にのみにより与えられ、そして前記図面を参照した、この発明の種々の実施形態の記載である。
【0024】
図1は、第1基板2、例えばウェファー、と、第2基板3、例えばウェファーテーブルの如き基板支持構造と、の間の液体の層1を概略的に図示している断面図である。リソグラフィー処理(lithographic processing)に関係している複数の適用における使用の為に適切な液体は水である。第1基板2と、
図1中に示されているように、液体層1、更にはクランプ層として引用される、により共にクランプされた第2基板3とを備えている配置は、これ以降「クランプ」として引用される。
【0025】
クランプ層の厚さは一般的に非常に小さく、そして、この場合には、毛管力(capillary force)が重要なので、クランプ層はまた毛管層(capillary layer)として引用されて良い。第1及び第2基板2,3は実質的に平坦な表面5,6を夫々有している。第1及び第2基板2,3の対面している表面5,6間の公称距離(nominal distance)は、高さhにより与えられている。クランプ層1は、第1基板2及び第2基板3に対する液体の粘着連結のお蔭により略凹面形状にされている外側液体表面8、またメニスカス(meniscus)として引用されている、を有している。水がクランプ液体として使用された場合、H
2O分子の双極配置(dipolar arrangement)から生じているファンデルワールス力(Van der Waals force)が複数の分子を互いに接着させる(表面張力)とともに他の表面に接着させる(接着:adhesion)。
【0026】
外側液体表面8の凹面、またメニスカス曲面として引用されている、は、外側液体表面8と第1基板2の表面5との間の接触角と、外側液体表面8と第2基板3の表面6との間の接触角と、に従っている。個々の接触角は、クランプ層1中に使用されている液体に従うばかりでなく2つの基板2,3の材料特性にも従う。さらには、メニスカス曲面は、外側液体表面8に渡り圧力差を提供する。より高度なメニスカス湾曲、即ち更に凹んだ外側表面、は、より高い圧力差を提供する。実質的に平坦な対向表面を伴っている2つの構造を共に保持しているクランプ層に関する更なる詳細は、国際特許出願WO2009/011574中に提供されていて、その全体がここに組み込まれている。
【0027】
図2A及び2Bは、
図1を参照して記載されている如き方法でクランプ層11により基板12をクランプするのに適した基板支持構造13の断面図及び上面図を概略的に示している。基板支持構造13は、1つ又はそれ以上の基板支持要素17が設けられている表面16を備える。
【0028】
複数の基板支持要素17は、基板12と基板支持構造13との間の距離を規定し維持するよう配置されている。追加的に又は代わりに、複数のスペーサ―、例えばガラス粒,SiO
2粒,又はそれらと同様なものが、複数の基板支持要素として機能するよう表面16上に均一に分散されて良い。
【0029】
複数の基板支持要素17は、クランプ層11により負荷されているクランプ力により生じた基板の変形を減少させるよう配置されることが出来る。それらの存在は例えば基板の弓なりの発生を減少させる。さらには、複数の基板支持要素17の存在が、基板12の裏側15上の複数の粒子による汚染の影響を減少出来る。
【0030】
基板支持要素17のピッチは、クランプ層のクランプ力により生じた最大基板振れを設定する為の要求に基づいて良い。基板支持要素17当たりの接触面積は、それが適用されたクランプ圧力の下での変形及び/又は破壊に耐えるのに十分である。好ましくは、接触要素の縁は、例えば清掃操作の間の、粒子汚染の可能性を減少させるよう丸められている。円接触面積を伴った粒子(burl)の直径の為の典型的な値は、10〜500ミクロンの範囲、例えば200ミクロン、である。複数の粒子(burl)のピッチの典型的な値は、1〜5mmの範囲、例えば3mm、である。
【0031】
複数の基板支持要素17の公称高さ(nominal height)が、基板12と基板支持構造13の表面16との間の距離を決定する。公称高さ(nominal height)はさらに、獲得可能なクランプ圧力に影響を有する。複数の基板支持要素17の公称高さ(nominal height)の選択は一般に、所望のクランプ圧力と複数の粒子による歪みの妥当な危険性との間の取り引きになる。
【0032】
より低い高さは一般的に、獲得可能なクランプ圧力を上昇させる。より高いクランプ圧力は一般にクランプの安定性を向上させる。更には、より低い公称高さ(nominal height)はクランプ層の厚さを減少させ、そして、結果として、基板12と基板支持構造13との間の熱交換を向上させる。
【0033】
他方では、真空システム中に多くはない動き回る粒子が存在するとはいうものの、基板支持構造表面上におけるそれらの存在は、特にもしそれらの寸法が複数の基板支持要素17の公称高さ(nominal height)を越えているのであれば、重大な局所的不安定を生じさせる。結果として、より高い高さは、このような否定的な影響に直面する機会を減少させる。
【0034】
所望のクランプ圧力を得る為に変えて良い他のパラメータは、基板12の材料特性,基板支持構造13の表面16の材料特性,表面16の表面積,複数の基板支持要素17の形状及び数,基板支持要素ピッチ,そして、クランプ層11を形成する為に使用される液体の型を含む。特別な対策として、基板12及び基板支持構造13の複数の接触表面の一方又は両方を、表面処理したり、又はクランプ層11を形成している液体と関係している接触表面との間の接触角に影響する材料で被覆したり、して良い。
【0035】
基板支持構造13の表面16は、堀(moat)又は通路(channel)19又は同様な構造により取り囲まれて良い。堀(moat)19は、クランプを設定する為の手続きにおいて使用することが出来る。この目的の為に、堀(moat)19は、液体状態調節システム及び/又はガス状態調節システムに連結されて良い。クランプを設定する手順においては、クランプ液体の供給,過剰な液体の除去,そして乾燥ガスの分配を含んでいる1つ又はそれ以上の動作が、堀(moat)19を介して行われて良い。ガス分配動作は好ましくは、クランプの設定を可能にする為に過剰なクランプ液体の更なる除去を可能にするよう基板支持構造表面の外表面の円周に沿い乾燥ガスを分配することを含む。ガス分配動作において使用する為の適切な乾燥ガスは、他のガスも使用されて良いが、窒素、及びアルゴンのような不活性ガスを含む。
【0036】
液体状態調節システムは、基板支持構造表面に対し液体を供給するよう、及び/又は、液体層の上面上への基板の載置後に、クランプ層の形成を可能にするよう基板の下の液体を除去するよう、構成されていて良い。液体の外部供給を使用することによるクランプ層の形成及び堀(moat)を使用した液体除去システムに関する詳細は、米国特許出願12/708,543中に記載されていて、その内容はその全体が、参照によりここに組み込まれる。
【0037】
次には、堀(moat)19が、クランプ層11及び堀(moat)19から周囲環境への蒸気の漏れを限定する為に、密封構造21により取り囲まれていて良い。好ましくは、密封構造21の上面側は、複数の基板支持要素17の公称高さ(nominal height)と高さにおいて同じ水準を有している。
【0038】
前に記載されていた如く、堀(moat)19は、例えば1つ又はそれ以上のガス入口23及び1つ又はそれ以上のガス出口25を介し、ガス分配システムと接続されて良い。もし密封構造21が存在しているのであれば、ガス流れが、液体層が設けられている基板支持構造表面16と密封構造21との間に設定されて良く、従って、点線による矢印により
図2B中に示されている如き通路流れを形成している。
【0039】
1つ又はそれ以上のガス入口23及び1つ又はそれ以上のガス出口25が、対称状態で堀(moat)19に沿い設けられて良い。
図2Bの実施形態においては、2つのガス入口23及び2つのガス出口25がある。複数のガス入口23及び複数のガス出口25は、2つのガス入口23を連結することにより形成されている第1仮想線27、及び、2つのガス出口25を連結することにより形成されている第1仮想線29、が、互いに実質的に直角である。
【0040】
図面中に示されている複数の実施形態の幾つかにおいては、堀(moat)19,密封構造21,又は関連している要素は示されていない。しかしながら、これら複数の実施形態はまたこれらの特徴を含んで良く、そして、堀(moat)及び/又は密封構造はまた、これらの特徴を有して示されている複数の実施形態から省かれていて良い。
【0041】
図3は、液体クランプ層1からの蒸発工程を概略的に図示している。液体層界面でのこの蒸発、即ち凹んだ液体表面での蒸発、は、クランプの安定性に不利な影響を有している。蒸発のお蔭により、外側液体表面8´を形成するよう、外側液体表面8の位置が新たな位置に向かい内方に移動する。この移動の結果として、液体クランプ層1により覆われている表面積が減少し、そして、従って、表面2及び3をともにクランプするよう使用されている表面積が減少される。結果として、クランプの安定性及び強度が減少する。もしもクランプ層1により覆われている表面積が余りにも小さくなると、クランプは破綻し、そして表面2及び3はもはや共に保持されない。
【0042】
クランプの失敗の発生を調査している間に、発明者等は、クランプの破壊を誘起する主要な仕組みの1つが基板剥がれとしてここに引用されている機構であることを特定した。
図4は、基板剥がれの概念を概略的に図示している。理論により規制されることを望むことなく、液体クランプ層11の外側表面に沿った蒸発の割合における変動のお蔭で、基板12の縁は、液体クランプ層の後退のお蔭によるより高い蒸発を伴った地点で基板支持構造13から持ち上りを開始すると信じられている。持ち上がりの移動は、矢印71により
図4中に概略的に提示されている。この剥がれのお蔭で蒸気は、液体クランプ層11からより容易に漏れ出る(矢印72により示されている)。さらには、液体クランプ層11の外側液体表面18の表面積が増大し、蒸発率における増大を導く。さらには、局所的な剥がれは、クランプ層11を剥がれが生じた領域からさらに後退させ、さらなる剥がれとクランプ解除とを導く。このようにして、局所的な剥がれは、クランプ強度の寿命を制限する。
【0043】
特に、適用に関連しているリソグラフィー中での使用の為に、クランプの平均寿命を延長することは望ましく、その結果、クランプは、クランプされた基板の幾たびかの長い処理の間に、維持されることが出来るとともに基板はクランプされた位置に保持されることが出来る。クランプの寿命は種々の処置を使用して延出されることが出来る。これらは、例えば、クランプ液体表面に対面している周方向開口を実質的に閉じる為にクランプ液体周りに密封構造を含むこと、基板と基板支持構造の密封構造又は表面との間の周方向開口の実質的な閉鎖を達成するよう基板の為に片持ち梁配置を提供すること、毛管層を特定の場所に位置づけする為の異なった毛管潜在力を伴った複数の領域を含むよう基板支持構造の表面を変更すること、そして、クランプ液体の周りの領域中への犠牲的な蒸発の為の液体の溜りを含むこと、を含む。さらには、クランプ液体層中への泡の伝搬を避ける為に基板支持構造の表面を複数の区画に分割して良く、そして、クランプ液体層への悪影響を避けるよう濃縮された複数の液滴を吸収する為の段付き部分を伴って表面の輪郭の周りに堀(moat)が使用されて良い。
【0044】
真空環境において使用されるクランプの為のもう1つの問題は、真空中へのクランプ液体の過剰な漏れを避けることである。これは、真空室中で行われる帯電された粒子リソグラフィーの如き適用の為には重要な考慮すべきことであり、ここでは前記室内の過剰な水がリソグラフィー処理に対し有害である。個々の単独での、又は他の処置との組み合わせにおける、密封構造及び/又は片持ち梁配置の使用は、クランプの寿命を長くすることと同様にクランプ液体層からの蒸気漏れの減少の為に役立つことが出来る。
【0045】
[密封構造(Sealing structure)]
上に記載されている如く、クランプ液体表面に対面している周方向開口を実質的に閉塞する為に、上に記載されたクランプ液体周りの蒸気制限リング形状構造又はリム21の如き、密封構造が含まれて良い。
図4Aは、高くされているリムの形状である密封構造21を伴っている基板支持構造13を示している。密封構造の上縁22は好ましくは、複数の基板支持要素17と高さにおいて対応している同じ水準を有しており、その結果として密封構造は基板の輪郭の近くで基板に接触するか、又は、密封構造と基板との間に狭い隙間を形成する。このような配置は、蒸気漏れを減少させる為に、クランプ液体表面に対面している周方向開口を実質的に閉鎖するよう機能する。クランプ液体の周りの閉じられている空間の形成(この場合には、リム21,堀(moat)19,クランプ液体11,そして基板12の底表面により形成されている)もまた、クランプ液体及びその蒸気が分圧に達することを許容することによりクランプ液体からの蒸発率を減少させることにより、クランプの寿命を延ばすことの手助けをする。
【0046】
密封構造21は、硬い上面22を備えて良く、又は、1つ又はそれ以上の、例えばヴァイトン(Viton)又はゴムで形成された、O−リング又はC−リングの如き弾性変形可能要素が、基板に対し蒸気密封を形成する手助けとなるよう上表面に使用されて良い。密封構造中の凹所内に配置されているO−リング24が
図4Bの実施形態中に示されていて、その結果としてO−リングの上部が複数の基板支持要素の水準に設定されている。O−リングには、半径方向側、例えば基板支持構造13の中心に向いている半径方向側に切り込み(incision)が設けられていて良く、これによりO−リングは過度な力を伴うことなく基板支持構造13と基板12との間で圧縮されることが出来るが、蒸気の漏れを制限するには十分である。代わりに又は追加的に、硬い峰(hard ridge)又はナイフエッジ(例えば
図7B中に示されている峰26)が、外側密封リングを形成するよう上方に延出している密封構造21の上面中に形成されていて良い。
【0047】
狭い密封リム(即ち、密封構造の狭い上面)は、粒子又は汚染物質が密封リムの上面上に捕らわれたり、基板とリムとの間に捕らわれたり、そして、そこを通って蒸気が漏れることが出来る隙間を創出する、機会を減少させる。しかしながら、より幅の広い密封リムは、蒸気漏れの為のより長い逃げ通路を創出し、蒸気の逃げに対するさらなる抵抗を提供する。従って、(例えば、以下に記載された
図7A及び7Bを比較して)狭い及び広い密封リム間には兼ね合いがある。より幅の広い密封リムは、基板がそれに正しく接触した時、より長く制限されている漏れ流路を創出し、密封を介した蒸気漏れの為の流れ抵抗を増大させて漏れ率を減少させる。しかしながら、幅の広い密封リムはまた、基板と密封リムとの間にもし捕えられたならば基板の局所的な振れ及び漏れやすい密封を生じさせる小さな粒子に対し影響されやすい領域を増加させる。最適な密封リム幅は従って、環境の清潔さ及び密封を邪魔する粒子の可能性に従っている。
【0048】
密封構造の上面又は外側密封リングの上縁は、前記リングと基板の底表面との間の望まれていない隙間を避けるよう非常に滑らかに形成されることが出来る。
【0049】
好ましくは、密封構造21の上面22,上面弾性変形可能要素24,又は峰26の上縁は、複数の基板支持要素の上面の水準又はこの水準以下に位置されている。複数の基板支持要素の上面よりも上方の上表面又は上縁は、毛管クランプの寿命を減少させる基板の剥がれを誘起する傾向にある。
【0050】
基板に対し狭い隙間又は密封を達成する為の上に記載された如き密封構造の使用は、幾つかの問題を有することが分かっている。蒸気圧力により生じた持ち上げ効果、及び、基板の弓なり,撓み,又は変形により生じた隙間は、この構造において補償されない。さらには、密封性能が、基板中のこのような歪みの予測できない性質により、予測不可能である。さらには、蒸気の幾分かのわずかな漏れ(nominal leak)が、この設計に於いては通常存在する。強固な密封構造は基板に対し形成された狭い隙間を介した僅かな漏れ(nominal leak)を許容し、そして、O−リング又はC−リングの如き変形可能密封構造はわずかの漏れも許容するある程度の粗さ(約100nm又はそれ以上)を有している。
【0051】
図6は、基板縁持ち上がり又は弓なりによる蒸気漏れを概略的に示している。液体クランプ層から蒸発した蒸気は、点で描かれた領域により指摘されている如き、堀(moat)19を含んでいる、クランプ液体の周りの空間において放出される。この空間中の圧力が或る閾値を超えると、基板は僅かに持ち上げられ(上方を指摘している矢印により表わされている)、基板の残りの部分は下方に向い引っ張られる(下方を指摘している矢印により表わされている)。基板と密封構造との間の隙間は増大し、そして蒸気は周囲へ「逃げる」、矢印74により概略的に表わされている。基板の縁のこの持ち上げ及び隙間の拡大はまた、基板における弓なり又は基板形状における他の歪みによる結果である。これは、非常に薄い基板が含まれている時の特定の問題であることが出来る。
【0052】
これは、真空環境がこの構造を取り囲んでいる時の特定の問題であって良い。減少された圧力環境中で行われたリソグラフィー適用においては、真空環境中への蒸気排出の程度を最小に保つことが望まれている。
【0053】
[片持ち梁構造(Cantilever arrangement)]
上で述べられていた問題を処理する為に、片持ち梁構造が使用されて良い。これは、基板支持構造の表面16の輪郭から或る最小距離で基板支持要素を離すことにより、基板の縁での張り出しを増加させることにより、達成されて良く、その結果として、基板はその縁を下方に向かい移動させて、クランプ液体表面に対面している周方向開口を実質的に閉鎖し、そして、液体クランプ層から蒸発された蒸気の、取り巻いている環境に向かう放出をさらに制限する。密封構造は、基板に対する密封を向上させるよう、基板の輪郭において又はその近くで使用されて良い。この処置は、基板支持構造の複数の実施形態の幾つかの為に使用されて良い。
【0054】
図7Aは、
図6の表面の外側基板支持要素が移動されて基板の縁と最も外側の基板支持構造17との間の距離が増大されている状況を概略的に図示している。結果として、最後の基板支持要素から延出している基板部分が増大し、片持ち梁部分を形成している。基板のこの片持ち梁部分は、毛管クランプ層により負荷されたクランプ力(下方を指している複数の矢印により示されている)のお蔭により、密封構造21に向かい下方に引かれていて、クランプ液体の周りの空間中の蒸気圧力及び基板における弓なりのお蔭による上方に向かう力を打ち消す。基板における弛み(sag)は基板と密封構造との間の隙間を減少させ、そして好ましくは基板において隙間を実質的に閉じる結果となる。基板の輪郭は好ましくは、密封構造に対し押しつけられ、基板中に幾つかの弓なりがある時にでさえ、基板と密封構造との間の隙間に接触し閉じることを確実にしている。片持ち梁密封は従って、基板を密封リムから遠ざけるよう押している蒸気圧力の力を打ち消すことが出来、そして、基板中の弓なりの或る量(プラス又はマイナスの何れか)を克服することが出来、一般には密封の予想性を大きく向上させる。
【0055】
効果的な密封を創出するよう基板の周縁部上に十分な下方に向かう力を生じさせる為には、基板の片持ち梁部分は十分に大きくなければならないし、そして、片持ち梁部分上に作用しているクランプ液体層の領域は十分に大きくなければならない。これは、最も外側の基板支持構造17からクランプ液体層の周縁部(即ち、クランプ液体層の外側表面上に形成されたメニスカスの位置)までに十分に大きな距離を配置することにより達成されることが出来る。これは
図7B中に距離「a」として図示されている。片持ち梁部分の下の大きなクランプ領域は対応している大きな下方に向かう力を負荷し、密封構造21又は峰26の密封リムに対し良好な密封を形成するよう基板を下に引く。
【0056】
クランプ液体層のメニスカスと密封構造との間の空間中の蒸気圧力は、その周縁部の近くで基板上に上向きの力を負荷する。良好な密封を形成する為に、基板の片持ち梁部分上にクランプ層により負荷された下向きの力は、蒸気圧力により負荷されている上向きの力を打ち消し基板を密封リムに接触させるのに十分大きくなければならない。これを確実にする為に、片持ち梁部分の下のクランプ領域は、上方に向かう蒸気圧力に対し露出されている基板の領域との比較において十分大きくなければならない。1つの実施形態においては、距離aは、
図7B中に距離「b」として示されている、クランプ液体層のメニスカスから密封リムまでの距離よりも非常に大きい。例えば、距離aは距離bよりも2又はそれ以上の倍数大きくて良い。これは、片持ち梁基板部分上の力の釣り合いが下方に、密封リムに向かい、付勢されることを、確実にしている。
【0057】
クランプ液体層のメニスカスの位置は変えることが出来るので、基板支持構造体の形状は、クランプ表面16の周縁部、即ち、その上にクランプ液体層が形成されている表面の外縁28(
図7B中に指摘されている)、を参照して種々に規定されて良い。
【0058】
外縁28は、例えば、(
図7B中に示されている実施形態中の如く)堀(moat)19の内壁の半径方向位置,周方向リム41(
図9)の外縁又は第2部分52(
図11A,12),段付き部分83(
図16B,17B)の内壁,通路43(
図18A)の内壁,又はクランプ表面の外側縁を創出している如何なる他の構造、により、規定されて良い。従って、基板支持構造体は好ましくは、最も外側の基板支持構造体からクランプ表面16の周縁部(外縁28)までに十分大きな距離、
図7B中で距離「c」として図示されている、を有している。同様に、距離cは好ましくは、クランプ表面16の周縁部から密封構造21又は峰26の密封リムまでの距離、
図7B中では距離「d」として図示されている、よりも非常に大きい。1つの実施形態においては、距離cは距離dよりも2倍又はそれ以上の倍数大きくて良い。これは、片持ち梁基板部分上の力の釣り合いが下方に、密封リムに向かい、付勢されることを確実にする。
【0059】
さらには、実際の距離a及びcは好ましくは、基板の片持ち梁部分のわずかに下方に向かう振れが生じるのに十分大きく、その結果として基板における如何なる弓なり又はそり(例えば、基板の周縁部近くの上方への振れ)を無くすことが出来る。複数の基板支持要素17は好ましくは、複数の支持位置間における基板の顕著な下方への振れ(弛み(sag))を避けるよう、十分に互いに接近した複数の位置に基板の為の支持を提供するよう配置されている。複数の基板支持要素は、複数の支持位置間における基板の顕著な弛み(sag)を避けるよう寸法決めされている複数の支持位置間のピッチを伴い、規則的なパターンで配置されていて良い。幾つかの実施形態においては、距離cは複数の支持位置間の公称距離(nominal distance)と実質的に等しいかそれよりも大きく、距離dはこのような公称距離(nominal distance)と実質的に等しいかそれよりも小さい。好ましくは、距離a及びcは、複数の基板支持要素の支持位置間の公称(nominal)又は最大距離よりも十分に大きい。例えば、シリコン基板0.775mm厚の為には、複数の支持位置間に3mm又はそれ以下のピッチが使用されて良く、そして5mm又はそれ以上の距離aが適切である。1つの実施形態においては、距離a及び/又はcは、複数の基板支持位置間の最大距離の2倍に等しいか又は2倍より大きい。
【0060】
基板の片持ち梁部分上に負荷されている圧力は、最も外側の支持部材位置から作用しているトルク,下方に向かい作用している片持ち梁部分の下でのクランプ力,そして、上方に向かい作用している蒸気圧力、と関係されていて良い。もしもクランプ液体層が上記層の周縁部の周りの如何なる位置に於いても基板支持構造の中心に向かい引っ込むのであれば(例えば、クランプ液体の蒸発により)、下方に向かうクランプ力が、より小さなクランプ領域及び短縮されたトルク腕のお蔭で、減少される。しかしながら、上方に向かう力は一定のままであるか、又は、メニスカスと上記で充たされている密封リムとの間のより大きな領域のお蔭で増大する。従って、上方に向かう力と下方に向かう力との間の釣り合いが移動し、その結果として、十分な密封を提供するのに十分な下向きの圧力がもはやなくなり、そして、蒸気漏れは後退しているメニスカスの領域において増加する。以下に記載されたクランプ位置決め処置が、メニスカスの後退の発生を阻止又は減少させて、より長く続くとともにより強い片持ち梁蒸気密封という結果になるよう、使用されて良い。
【0061】
基板の底表面と密封構造の上面との間に接触が設定されたことにより、蒸気密封の強度は2つの表面の粗さ及び2つの表面間に引っかかり複数の隙間を生じることが出来る複数の粒子の存在により制限される。それに対し基板が接触する密封構造の上縁は、基板と密封構造との間の望まれていない複数の隙間を避け、そして、蒸気漏れ率を大きく減少させる(
図6中における矢印74と比較してより小さな矢印75により概略的に示されている)よう、非常に滑らかに、好ましくは10nm又はそれ以下にまで減少された粗さで、形成されて良い。
【0062】
密封構造21は、(例えば
図4A及び
図4Bの議論において)上に記載されている如く、例えば、硬い表面22又は弾性的に変形可能な要素24を含んでいる上表面、又は、密封リムを形成するよう
図7B中に示されている如く上方に向かい延出している狭い峰26により、形成されて良い。以前に記載されていた如く、
図7A中に示されている如き幅の広い密封リムと
図7B中に示されている如き幅の狭い密封リムとの間には交換関係がある。より幅の広い密封リムは、基板が密封リムに正確に接触した時には、密封を介した蒸気漏れの為のより高い流れ抵抗を伴うより長い流れ通路を創出するが、また、複数の小さな粒子が漏れ密封の結果となる基板の局所的な振れを生じさせる可能性がより大きくなる。密封リムの最適な幅は従って、クランプされた基板が使用される環境の清浄の度合いに従っている。
【0063】
好ましくは、密封リム(即ち、密封構造の上面,弾性的に変形可能な要素,又は狭い峰)は、複数の基板支持要素の上面と略同じ水準に、又はこの水準の僅かに上又は下に、位置されている。片持ち梁構造により生じられた基板の下方に向かう押しにより、上面又は縁の相対位置におけるより大きな許容範囲があり、そして、密封構造が複数の基板支持要素の水準の僅かに上であったとしても、基板の剥がれが少ない。さらには、以下に記載されている周方向の抗剥がれリムの包含がさらに、この剥がれが生じる傾向をさらに減少され、そして、より高い密封構造が、基板と基板支持構造との間のより大きな密封力を誘起し、そしてより良い密封を提供するのに、役立つことが出来る。
【0064】
片持ち梁密封は、クランプ耐久性と蒸気漏れの減少の両方を向上させ、そして、追加のクランプ準備工程を必要としない。それはまた比較的単純で実行するのに安く、そして、幾つかの他の解決方法とは異なり、基板支持構造の嵩を増大させない。
【0065】
片持ち梁密封は、クランプ寿命を延ばすとともに蒸気漏れを減少させる為のここに記載されている他の処置を必要としないのに十分である。もしも片持ち梁密封が完全に働いたならば、蒸気漏れが何ら生ぜず、そして、毛管層配置の如き更なる処置の必要が無い。しかしながら、もし密封が(それが通常であるように)不完全であれば、以下に記載された基板剥がれ機構が依然として生じ、1つの位置における密封を破壊出来、そして、クランプ液体層からの蒸気漏れ及びより早い蒸発を許容する。従って、基板剥がれを最小にしクランプを安定させるよう、以下に記載された毛管層配置及び/又は他の処置を任意に使用することが好適である。
【0066】
[毛管層配置(Capillary layer localization)]
上に述べられている如く、基板支持構造の表面は、境界領域に置けるクランプを強化するようクランプ液体の動きに影響するよう異なった毛管潜在力を伴った複数の領域を含むよう変更されて良い。毛管潜在力は、毛管圧力により液体を引き付ける潜在力として規定されることが出来る。高い毛管潜在力を伴っている表面部分はクランプ液体を引き付け、より低い毛管潜在力を伴っている表面部分は低い引き付けである。この特性は、蒸発液体が境界位置に再び満たされることを確実にするような所定の方向へのクランプ液体の流れを創出するよう使用されることが出来る。
【0067】
詳細には、この発明者等は、異なった毛管潜在力を伴った複数の部分を備えている表面が設けられている基板支持構造が、平均してより長い時間続くクランプという結果になることが出来ることを発見した。複数の異なった表面部分は、クランプ層中に予測可能な毛管流れが設定されるよう配置されなければならない。毛管流れは、低い毛管潜在力を伴っている地点からより高い毛管潜在力を伴っている地点、特に、高い蒸発率を伴っている外表面における地点、へのクランプ層内の液体の動きにより引き起こされて良い。特定の状況では、毛管流れは、基板支持構造の表面上の複数の異なった表面部分の適切な配置により予測可能な方向に向けられて良い。
【0068】
表面部分の毛管潜在力は幾つかの方法で作用されて良い。この記載を通して、この発明の複数の実施形態は、異なった高さ水準の使用を参照して記載される。異なった高さ水準の使用は、異なった毛管潜在力を伴った複数の部分を得るための強固な方法である。より低い高さ水準を伴っている表面部分は、基板と表面部分との間に比較的厚いクランプ液体層を収容する。この表面部分の毛管潜在力は、より高い高さ水準及び比較的薄いクランプ液体層を伴っている表面部分に比べ比較的低い。
【0069】
複数の表面部分の為の異なった毛管潜在力を達成する他の方法は、それに限定されないが、表面処理,個々の表面部分の為の異なった材料の選択,そして複数の表面部分上への1つ又はそれ以上の被覆の提供を含む。水の場合には、例えば、1つの表面部分が実質的に親水性に形成されて良く、又は1つの表面部分が実質的に疎水性に形成されて良く、又は両方の技術が組み合わされて良い。表面に対し適用された水は、従って、比較的より親水性の表面部分に引き付けられる。
【0070】
図8Aは、基板剥がれの概念を示している。この場合においては、基板は右手側で持ち上がり、この位置ではクランプ層11の外表面が拡大している。基板12の持ち上がりのお蔭で、持ち上げられた基板領域近傍でより多くの蒸気が取り囲んでいる真空システム中に漏れる。蒸気の損失を補う為に、クランプ液体の蒸発が増加する。さらには、基板持ち上がりは、基板12の持ち上げられた領域の近傍での外表面22の延びを生じさせる。この延びは、メニスカス湾曲における減少、即ち、より少ない凹面状の外表面、を誘起する。先に述べられていた如く、より少ない凹面状の外表面は、その表面に渡るより小さな圧力差に対応する。蒸気圧は外表面に沿い略同じに維持されるので、クランプ層11内で圧力差が上昇する。
図8A中では、右外表面でのクランプ層内の圧力は、左外表面でのクランプ層内の圧力よりも高くなる。又は、言い換えると、左外表面での毛管潜在力は右外表面での毛管潜在力よりも高く、そして結果として、白い矢印により概略的に指摘されている、右から左に向かう毛管流れがクランプ層内に誘起されている。この毛管流れは、左側で外表面18がその当初の位置を維持することを可能にしている。或いは、もし左外表面が外表面18´を形成するよう既に引き込められていたならば、毛管流れは外表面がその当初の位置に戻ることを許容する。引き及び戻り動作は両方向矢印により概略的に指摘されている。
図8A中のクランプの右手側では、毛管流れが、クランプ層11の外表面22を矢印により概略的に指摘されている如く引き込ませる。基板12の下の液体の除去のお蔭により、クランプ層11により覆われていた領域が減少する。右手側でのクランプ力の欠如は基板12の縁のさらなる持ち上がりを生じさせ、クランプのさらなる劣化という結果となり、そして、ひいてはクランプ失敗を導く。
【0071】
図8Bは、この発明の幾つかの実施形態において使用された概念を概略的に示している。発明者等は、異なった高さ水準を伴った複数の部分を備えている表面を伴っている基板支持構造13を形成することにより、メニスカス湾曲における同様の異なりが誘起されることが出来ることを実現している。
図8Bにおいては、要素50が、表面の残りに比べて上昇された高さ水準を伴っている基板支持構造表面の一部分を提供している。
【0072】
平衡において、左手側上及び右手側上のメニスカスは実質的に同じ湾曲を有している。蒸発の結果として、両側の外表面18は僅かに後退する。容易に見ることが出来るように、要素50により覆われた領域内の複数の位置での基板12と基板支持構造13との間の液体クランプ層11の高さは、要素50により覆われていない複数の位置での液体クランプ層11の高さよりも小さい。左手側での外表面18の引き込みは、メニスカス高さの減少とその湾曲の増大という結果になる。右手側では、外表面の引き込みはメニスカスの寸法及び形状に重大な影響を有さない。結果として、(白い矢印により表わされている)毛管流れが、
図8Aを参照して議論したのと同様にして誘起される。毛管流れは、外表面18がその位置を再獲得するよう左手側でのクランプ層の外辺部での液体の補充を許容し、右手側での外表面は位置22からより内方位置に向かい後退する。
【0073】
図9は、この発明の一実施形態に従っている、基板12を支持している基板支持構造13の断面図である。
図9の基板支持構造13は、周方向の反引き剥がし又はクランプ配置リム41を備える。周方向リム41は、基板支持構造13と基板12との間のより小さな距離を提供する。
図1においては高さhとして引用されている、基板支持構造13と基板12との間の公称距離(nominal distance)は、典型的には略3〜10ミクロンである。周方向リム41と基板12との間の距離は、典型的には500nm乃至1.5ミクロンの範囲内にある。好適には、周方向リム41は、基板支持構造13の表面16上に設けられている複数の接触要素の公称高さ(nominal height)よりも小さな1ミクロン以下の高さを有する。
【0074】
理論により規制されることを望まないが、周方向リム41は、クランプ層が設けられている基板支持の上面を示している
図10A乃至
図10Cを参照しながら記載される方法で基板剥がれを規制すると信じられている。周方向リム41の存在が
図9を参照して議論されていたが、このような周方向リム41の使用はこの実施形態に限定されず、ここに記載された他の実施形態のいずれとも使用されて良い。
【0075】
最初に、液体が外表面8から蒸発した時、それは周方向リム41と基板12との間の小さな隙間中に後退する。不均一な蒸発のお蔭で、外表面8は、
図10A中に概略的に示されている如くさらに内方に局所的に後退する。周方向リム41と基板12との間のより小さな隙間に渡る圧力差は、主クランプ領域中の圧力差よりも大変大きく、例えば夫々略1バール(bar)対略200mバール(mbar)である。他言すれば、周方向リム41での毛管潜在力は主クランプ領域における毛管潜在力よりも高い。蒸発のお蔭により、外表面8が周方向リム41の内側表面に達した時、前記表面は基板12と基板支持構造13との間のより大きな距離に遭遇する。この領域におけるより低い圧力差は、
図10B中に概略的に示されている如く、周方向リム41と基板12との間の隙間中に液体の少量を流入させる。この流れは、周方向リム41と基板12との間の隙間が
図10C中に示されている如く完全に満たされるまで続く。空洞(void)が主クランプ領域中に残される。この空洞(void)は、液体層により全体的に取り囲まれている。実質的には、蒸発のお蔭による失われた毛管クランプ領域は内方に移動されている。
【0076】
外方毛管表面は同じ位置に残る。結果として、基板縁は容易に剥がれず、そしてクランプ寿命は延ばされる。剥がれを避ける又は減少させることにより、周方向リム41はまた、基板と基板支持構造の外辺部の密封構造との間に隙間を導入すること又は隙間の寸法を増大させることを避けることにより、上記の漏れを減少させる。
【0077】
図11Aは、この発明の一実施形態に従っている基板支持構造の表面16の上面図を概略的に示している。明確さの理由の為に、存在して良い幾つかの追加の構造、例えば、他の図中に示されている複数の基板支持要素,堀(moat)及び/又は密封構造、は
図11A中に示されていない。この実施形態においては、前記表面が2つの異なった高さ水準の部分を備えている。第1高さ水準を有している前記表面の部分は、斜線が引かれている領域(上方左から下方右への車線方向)により表わされていて、これ以降は第1部分51として引用される。第2高さ水準を有している前記表面の部分は斜線が引かれていない領域により表わされていて、これ以降は第2部分52として引用される。第1部分51の高さ水準は、第2部分52の高さ水準よりも低い。もし液体クランプ層が基板支持構造表面16の上に形成されたならば、第2部分52の上の液体クランプ層の厚さは第1部分51の上のその厚さよりも薄く、例えば夫々が、2乃至4ミクロン,好ましくは3ミクロン,対3乃至10ミクロン,好ましくは5ミクロン,である。
【0078】
図11Bは、クランプ液体層(下方左から上方右までの斜線を伴う斜線が引かれた輪郭により概略的に表わされている)により覆われている
図11Aの基板支持構造表面16の上面図を概略的に示している。明確さの為に、基板は示されていない。液体クランプ層の外表面は、より高い水準、即ち第2部分52、を伴っている基板支持構造表面16の部分に主に接触している。しかしながら、単一位置、即ち参照番号54により指摘されている位置、では、前記外表面はより低い高さ水準、即ち第1部分51、を伴っている表面16の部分と接触している。
図8Bを参照して説明される如く、前記外表面の引っ込みはこの隙間位置、さらには犠牲隙間(sacrificial gap)として引用される、に集中される。
【0079】
図11Bにおいては、クランプ液体の外表面が通路55内で大きな黒い矢印の方向に引っ込んでいる。
図8A及び
図8Bを参照して説明されていた如く、毛管流れ(
図11B中に白い矢印により概略的に示されている)が、クランプ層内に誘起される。毛管流れは、第2部分52に接触する液体クランプ層の外表面への液体の供給を許容して、第2部分52に接触する外辺部における蒸発(複数の小さな黒い矢印)の故のクランプ液体層の外表面の引っ込みを制限する。
【0080】
第1部分51の高さ水準と第2部分52の高さ水準との間の高さの差異は、流れ抵抗が毛管圧力差異により克服されることが出来ることである。さらには、第2部分52に接触する液体クランプ層の外辺部での外表面の引っ込みを阻止する為に、毛管流れ流量は、それがクランプ層の外表面でのクランプ液体の蒸発量と歩調を合わせることが出来るよう調整されて良い。
【0081】
特定の所定の位置、即ち、第1部分51と接触して配置された外表面の位置、での外表面の引っ込みを許容するとともに、外表面の残り、即ち、第2部分52と接触した外表面の位置、からのクランプ液体の蒸発を補償することにより、液体クランプ層の外表面の大部分はクランプ工程の間に所定の場所に維持される。
【0082】
この実施形態においては、通路55は、クランプ液体層の外辺部での外表面からの蒸発による液体損失を補給する為の液体の犠牲源(sacrificial source)として作用する。液体は毛管流れにより通路から引かれ、そして液体は第2(より低い)部分52上に流れて基板支持構造の外辺部の周りの第1(より高い)部分51で液体を補給する。より蒸発が生じることにより、通路中の液体の外表面は通路の長さに沿い後退し、外辺部の周りの第1部分51でクランプ層を補給するよう通路を徐々に空にする。結果として、クランプの寿命を延長させることが出来る。
【0083】
第1部分51及び第2部分52の分布の設計は、1つ又はそれ以上の犠牲隙間(sacrificial gap)54の位置及び数とともに、クランプ寿命をどの程度延ばすことが出来るかを決定できる。
図11A及び
図11B中に示されている設計は、1つのより低い高さ水準、即ち、犠牲隙間(sacrificial gap)を作る為の単一の選択、による、基板支持構造表面の外辺部に沿った単一の配置を示している。単一の犠牲隙間(sacrificial gap)を介したクランプ層の外表面の引けのみがある間の時間を長くする為に、第1部分51は1つの通路55の形状をした1つの部分を備える。好ましくは、このような通路の幅は、複数の基板支持要素、例えば複数のこぶ(burl)、のピッチよりも。例えば、複数のこぶ(burl)のピッチが略3mmであったならば、通路の幅は略0.5−3mm、例えば1.5mm、であることが出来る。
【0084】
クランプの寿命をさらに長くする為に、通路は湾曲された部分を備えて良い。さらなる実施形態においては、通路は螺旋の形状であって良く、その一例が
図12中に概略的に示されている。このような通路の長さは非常に大きく出来る。例えば、300mmの直径及び全面積の20%の液体クランプ層内の可能空隙面積(allowable void area)を伴っている基板の場合には、1.5mmの通路幅を伴っている通路は6000mmの長さに達することが出来る。このように長い通路長さは、クランプ層の外表面での特定の所定の位置で蒸発が行われる期間を増大させる。
【0085】
図11A,11Bの実施形態においては、通路は、より低い高さ水準を伴って周辺部に沿う所定の位置54から延出している。所定の位置54は、クランプ層の外側表面が通路と接触を最初に設定されるとして配置されている。
【0086】
図12の実施形態における通路は基板支持構造表面の周辺部で出発せず、そこから僅かに半径方向内方の位置から出発する。このような位置は、その外側表面が基板支持構造表面の周辺部から小さな半径方向距離に配置されているのと同様に、液体クランプ層が安定することを許容する。結果として、後で議論される、濃縮に関係している影響とともに縁影響(edge influence)を減少させることが出来る。
【0087】
2つの異なった高さ水準を備えている表面を伴っている実験モデル基板支持構造は、1つ又はそれ以上の通路に関係しているより低い高さ水準を伴っている表面部分の割合を、液体クランプ層の全面積の25%以下、好ましくは20%以下、を覆う表面積へ限定することが有利であることを示した。もしも、1つ又はそれ以上の通路がさらなる空間を覆うのであれば、異なった高さ水準を伴った基板支持構造表面の使用により生じた向上されたクランプ性能は低下されるかもしれない。
【0088】
液体クランプ層を準備する為に使用されたクランプ液体中にもしも予め存在している泡があったならば、真空環境中へのクランプの導入は、
図13A及び
図13B中に概略的に示されている如く、クランプ層内のこのような泡の膨張を導く。
図13A中に示されている如き最初は小さな泡61の寸法は、もし周囲の圧力が、クランプ液体が水であった場合における液体クランプ層の外表面の周辺における蒸気圧力の為の典型的な値を、例えば1バール(bar)から20〜40ミリバール(mbar)へと、減少したならば、
図13B中に示されている如き複数倍の大きさまで成長出来る。容易に見ることが出来る如く、
図13B中の泡61の寸法の泡は、少なくとも局所的に、クランプ強度に重大に影響し、そして、クランプの安定性に負の影響をもたらす。
【0089】
クランプの不安定性を導くもう1つの機構は、例えば、クランプ層中における液体キャビテーション(cavitation)により又は溶かされている(dissolved)ガスの沈殿(precipitation)により生じさせられた、自然な空隙形成である。キャビテーション(cavitation)により形成された空隙は、もしクランプが真空環境中に持ち込まれたならば、予め存在している泡に関して前に議論されたのと同じようにして成長することが出来る。結果としての空隙は、クランプ安定性に負の影響をもたらす。
【0090】
図2A中に示されているもののような基板支持構造13の実施形態は、キャビテーション(cavitation)効果が最小にされるよう設計されることが出来る。理論により規制されることを望まないが、空洞の臨界半径(critical radius)が存在していることを理解している。もし空洞の半径がこの臨界半径(critical radius)よりも大きくなると、空洞は大きく成長する。この臨界半径(critical radius)よりも小さな最も寸法、即ち厚さh、を伴ったクランプ層の形成を可能にする基板支持構造13を設計することにより、キャビテーション(cavitation)は非常に限定されることが出来る。実験は、3〜10ミクロンの大きさの最大厚さhを伴った水のクランプ層はキャビテーション(cavitation)を経験することを見せないことを示した。
【0091】
[区画(Compartment)]
図14は、幾つかの実施形態において使用されることが出来る空隙閉じ込めの概念を概略的に図示している。これ等の実施形態においては、表面にさらに、複数の区画(compartment)を形成する為の持ち上げられた構造63が設けられている。もし小さな泡61、例えば
図10A中に示されている如き泡、がクランプ層の準備の間に現れたならば、
図10B中に示されている如く周囲の圧力減少(ambient pressure decrease)の故に大きな空隙に向かい膨張する代わりに、泡61の膨張は持ち上げられている構造63により限定されることが出来る。膨張した泡の最大寸法は従って、泡を閉じ込めている区画の寸法により決定されている。さらには、泡61の膨張を限定すること以外にも、持ち上げられている構造63により形成された区画は、泡61を閉じ込めるよう配置されていることが出来る。泡の動きを阻止することは、クランプの安定性を向上させる。持ち上げられている構造63の存在により、自然な(spontaneous)空隙の発展及び/又はキャビテーション(cavitation)の影響は従って減少され、クランプの向上された信頼性及び安定性を導くことが出来る。
【0092】
図15は、この発明のまたさらに1つの実施形態に従っている基板支持構造の上面図である。この実施形態においては、
図12中に示されている実施形態と同様に、より低い高さ水準を伴っている部分51の少なくとも1つの部位が、螺旋形状の通路の形状を取っている。
図12中に示されている実施形態と対比して、この螺旋形状は、より低い高さ水準を伴っている表面部分51が基板支持構造表面16上に均等に展開されている。さらに、表面16には、
図14を参照して記載されていた如き方法で泡の制限を許容する為の複数の区画65を形成している複数の持ち上げられている構造が設けられている。
【0093】
[段をつけられている堀(Stepped moat)]
図16Aは、液体クランプ層を使用している基板支持構造に於いて濃縮により引き起こされた効果を概略的に描いている。蒸気がその露点まで冷却された時に濃縮が生じる。露点は、温度,量(volume),そして圧力のようなパラメータに従っている。外側クランプ表面18を取り囲んでいる堀(moat)に沿った領域19中に存在している蒸気は、もし基板12の温度が蒸発温度よりも十分に冷たくなったならば、基板12上に濃縮することが出来る。このように形成された濃縮小滴81は、点線矢印で概略的に描かれている如く基板表面に沿い動くことが出来る。もし濃縮小滴81がクランプ層11の外表面18に向かい移動したならば、小滴81はクランプ層11により吸収されることが出来、クランプ層内の液体含有量の増加という結果になる。蒸発を参照して正に議論した如く、追加された液体はクランプ層を通して均等に拡散する。
【0094】
しかしながら、もしクランプ層が両側に等しく凹面を伴っている外表面を有しているとともに、吸収される小滴が十分に大きいならば、液体の均等な拡散は基板に局所的な変形を一時的に生じさせる、即ち、波が基板の下を移動し、そして基板がそれに従い反応する。
【0095】
濃縮した小滴を吸収した結果としてのこのような一時的な局所的な変形を制限する為に、基板支持構造13の表面16は、
図16B中に概略的に示されているような方法で修正されることが出来る。基板支持構造13は、僅かに低くなった高さを有している表面の円周に段付き部分83を備えている。表面の残りは
図16B中に示されている如く単一の高さ水準を有することが出来るが、異なった高さ水準を伴う、例えば
図11A,11B,12,15,そして17A中に示されていて、これらを参照して議論されている如き輪郭を伴う、複数の部分もまた有することが出来る。
【0096】
低く段を付けられた部分83の存在のお蔭で、小滴吸収により、クランプ層の外表面は層がより大きな厚さを有している領域中に拡大する。結果として、小滴の吸収により引き起こされた液体の流れは弱められる。低く段を付けられた部分を覆っている間のクランプ層のメニスカス曲率(meniscus curvature)は、液体クランプ層の外表面に沿った複数の他の位置でのメニスカス曲率(meniscus curvature)に比べて減少されているので、毛管流れは、
図16A中に示されている如き位置に向かう外表面の引けを許容するよう誘起される。この弱化のお蔭により、
図16Aを参照して議論された如き基板12の一時的で局所的な変形が制限される。
【0097】
実験は、段が付けられていて取り囲んでいる部分83の高さ水準と主要クランプ表面との間の適切な高さの差異は、基板支持構造17の公称高さ(nominal height)に対応していることを示した。他言すれば、基板支持構造17の高さ及び取り巻いている部分83の深さは好ましくは等しい。取り巻いている部分83は、基板支持構造の複数の実施形態のいずれの為にもクランプ液体を緩衝する為に使用されることが出来る。
【0098】
[曲がりくねった通路(Serpentine channel)]
図17Aは、この発明のさらにもう1つの実施形態に従っている基板支持構造の上面図である。この実施形態においては、以前の実施形態を参照して既に議論されたたくさんの特徴が組み込まれている。
図17Bは、
図17Aの基板支持構造の一部分の断面図であり、そして
図17Cは、この構造の種々の要素の為の可能な高さ変化を示している基板支持構造の一部の断面図である。
【0099】
図17Aの実施形態においては、表面16に複数のより高い部分52の間に形成された通路55が設けられている。通路は、外辺部における犠牲隙間(sacrificial gap)から内方に中心に向かい向けられていて、そして次には中心から外方に基板支持構造の外辺部に向かい向けられている。この実施形態に於いては、通路は曲がりくねった形状である。クランプ液体が外辺部から蒸発するにつれ、液体が上に述べられていた如き通路から引かれる。通路は、通路の長さに沿った方向において犠牲隙間(sacrificial gap)で空が始まり中心に向かい、そして次に外辺部に向かい戻る。これは、クランプ液体層の外表面での蒸発が通路から液体を引くことにより、外辺部に近い通路の最外方部位が最後に空になるという結果になる。より長い期間に渡り液体の充満を残すことにより、通路の最外方部位は、より長い期間に渡り外辺部でのクランプ液体層の最も臨界の部位(critical part)を補給でき、従ってさらにクランプの寿命を延ばす。
【0100】
クランプ液体層における流れ抵抗は液体が流れる距離により増大し、この流れ抵抗に打ち勝つ毛管圧力は流れ距離とは独立して同じに維持される。
図17A中に示されているものと同様の曲がりくねった通路形状は、実質的な蒸発が生じていて通路が部分的に空になっている時の状況下でクランプ液体層の外表面へと液体を補給する為に毛管流れが移動を必要としている距離を減少させる。実質的な蒸発の後でさえ、通路の外方部分は依然として、クランプ液体層の外表面に接近する毛管流れの為の液体源を提供する。さらには、この設計は、その周りで液体が外表面に到達するよう流れなければならない、クランプ層の外表面の近くに通路の空部分を有することを避ける。クランプ層の外辺部で外表面に補給する為のより短い流れ距離のお蔭で、この設計は流れ抵抗の負の影響に対する反応が少ない。
【0101】
図17Bは、上で議論された種々の要素を示している
図17Aの設計の一部分の斜め切り欠き図であり、外側密封リング26を伴っている周方向密封構造21,クランプ液体を緩衝する為に使用された段付きの取り囲んでいる部分83を伴っている堀(moat)19,そこでクランプ液体層の外表面が形成される周方向リム41,複数の区分している持ち上げられた構造63を伴っている複数の区画65,複数の通路55を境界付けしている(bounding)複数の第1部分52b,そして、基板を支持する為の複数の基板支持要素17を含んでいる。
【0102】
図17Cは、種々の要素の為の複数の高さ水準の1つの変化を伴っている構成を示している。この設計は、少なくとも5つの高さ水準h
1〜h
5を備えている。クランプ動作上への実際の影響を全く有さない第1高さ水準は堀(moat)19の底の高さh
1である。基板支持構造の最も低い高さは、例えば濃縮の場合において、クランプ液体を緩衝する為に使用された、取り囲んでいる部分83の高さ水準h
2である。この実施形態における高さ水準h
3は、複数の通路55及び複数の区画65を含む、表面の残りの低い高さ水準51である。この実施形態においては、高さ水準h
4は、通路55を境界付けしているより高い複数の部分52の高さ水準及び空隙の位置付けの為の複数の区画65及び先に説明されていたものと同様なものを作り出している複数の持ち上げられている構造65の高さ水準はもちろん、周方向リム21の高さ水準である。最後に、この特定の実施形態における高さ水準h
5は、複数の基板支持要素17及び密封構造21の高さ水準に対応している。
【0103】
[液体溜り(Liquid reservoir)]
液体の溜りもまた、クランプ層からの蒸発を減少させる為にクランプ液体の周りの領域中への蒸発の為に設けられていることが出来る。
図18A中に示されている基板支持構造13はさらに、液体溜り40を備えている。液体溜り40は、液体、例えば水、の或る量を格納するよう、そしてさらにはその液体の蒸気を貯蔵するよう、構成されている。さらには、液体溜りは、存在した時に、例えば1つ又はそれ以上の通路43を介して、蒸気を毛管クランプ層11へと提供するよう配置されている。溜りは、液体溜り40として引用されて良い。好ましくは、溜り41中の溜り液体は、クランプ層11内の液体と同じである。溜り液体及びクランプ層の両方の為に適切な液体は、水である。
【0104】
液体溜りの存在は、そこから上記が発生される液体のもう1つの源を提供することにより、クランプ層11からの液体の蒸発をさらに減少させる為の方法を提供する。溜り中の液体の自由表面面積は好ましくは、クランプ層11の凹形状外表面18の自由表面面積よりも大きい。示されている複数の実施形態に於いては、溜りは、基板支持構造の表面16の下の全てに延出している大きな空間を形成している。溜りは、例えば、表面16の下の小さな距離を内側縁で延出しているその幅を有しているリング形状空洞の形に、ある程度より限定されていて良い。或いは、溜りは、表面の下を全く延出していなくとも良く、例えば、他の実施形態の幾つかにおいて示されている堀(moat)19に限定されている。
【0105】
液体の個々の源により与えられている外表面18に隣接した空間中の蒸気の量は、空間中の液体の自由表面面積の相対寸法に従っている。溜り中に貯蔵されている液体のより大きな自由表面面積は、表面18の周囲を湿らせる為に十分な量の蒸気を入手可能にし、クランプ層11からの蒸発を減らすという結果になる、ことを確実にする。
【0106】
液体は、溜りを完全に満たして良く、又は、
図18A及び
図18B中に示されている如く液体の上方に蒸気空間を残して溜りに部分的に満たして良い。蒸気は、液体溜り40からクランプ層11の液体外表面18に向かい、1つ又はそれ以上のガス入口43により、移動されて良い。このような場合には、ガス分配システム中における使用の為のガスは、液体を液体溜り40へと提供する為にも使用されている弁45を介して基板支持構造へと提供されて良い。
【0107】
或いは、ガスは、1つ又はそれ以上の別のガス連結ユニットを介し提供されて良い。もしこのようなガス連結ユニットが毛管層に対し蒸気を提供する為に使用された1つ又はそれ以上の通路43を介しガス流れを提供するよう構成されていたならば、1つ又はそれ以上の通路43には、溜り40から由来している蒸気からガス連結ユニットを介したガス流れを分離するよう構成されている流れ制御ユニット44が設けられて良い。さらにもう1つの代わりの実施形態に於いては、ガス分配システムが、蒸気溜り40からクランプへと蒸気を提供する為の1つ又はそれ以上の要素から全く分離している。
【0108】
より高い温度(例えば、30℃)では、溜りは濃縮問題を引き起こす。これは、基板支持構造を熱的に調節することにより緩和されることが出来る。溜りはまた、(例えば、溜りが満たされることを確実にする為に)追加の準備工程を要求し、そして基板支持構造に嵩を追加する。しかしながら、溜りは、(例えば、密封構造又は片持ち梁密封と溜りとの組み合わせが要求されてよい)非常に長いクランプ寿命が要求されている、又は(例えば、基板の底表面が十分なクランプ寿命を確実にする為の適切な密封を許容するのには粗すぎる状況において)効果的な密封を形成することが困難となるような、適用の為に役立つことが出来る。溜りはまた、(例えば、溜りが密封構造に代わり使用されることが出来る)より高い蒸気漏れ量が許容されることが出来る時、又はより低い温度で(例えば、濃縮問題が最小である20℃で)運転する時、役立つことが出来る。
【0109】
上の記載から明らかになる如く、基板を保持する為のクランプ層が設けられている基板支持構造表面の高さの異なりを使用することにより毛管流れを誘起することは、異なった目的、例えば、蒸発制御,密封リムに対する蒸気密封を維持すること,そして濃縮制御、の為に働くことが出来る。この発明は、これらの目的に限定されず、液体クランプ層の安定性及び信頼性に関係している他の問題の解決を提供するよう適用されて良い、ことを理解すべきである。
【0110】
記載を通して、参照は表現「クランプ層」に対して行われていた。表現「クランプ層」は、その周囲の圧力以下の圧力を有している凹状メニスカス形状(concave meniscus shape)を伴っている液体の薄い層を参照することを理解すべきである。
【0111】
この発明は、上で議論された複数の或る実施形態を参照することにより記載されていた。これらの実施形態は、この発明の精神及び範囲から離れることなく、当該技術分野において習熟した人々に良く知られている種々の変形例及び代わりの形態が考えられる。従って、特定の実施形態が記載されているが、これ等は例示のみであり、添付の特許請求の範囲中に規定されているこの発明の範囲を限定しない。
なお、本願の明細書には、以下の発明も含まれている。
1.液体(11)の毛管層により表面(16)上に基板(12)をクランプする為の基板支持構造(13)であって、前記表面が外縁(28)を有しているとともにクランプされる前記基板を受け入れる為の1つ又はそれ以上の基板支持要素(17)を備えていて、
ここにおいては、前記1つ又はそれ以上の基板支持要素が複数の支持位置に前記基板の為の支持を提供するよう配置されており、
ここにおいては、前記基板支持構造がさらに、前記表面を取り囲んでいるとともに密封リムを形成している上表面又は縁(22,24,26)を有している密封構造(21)をさらに備えており、そして、
ここにおいては、前記表面の前記外縁と複数の前記支持位置の最も外側の1つとの間の距離(c)が前記外縁と前記密封リムとの間の距離(d)よりも大きい、
基板支持構造。
2.前記密封リムと前記最も外側の支持位置との間の距離(c+d)が、隣接している支持位置間の最大距離よりも大きい、上記1.の基板支持構造。
3.前記表面の前記外縁と前記最も外側の支持位置との間の前記距離(c)が、前記外縁と前記密封リムとの間の前記距離(d)の2倍よりも大きいか又は2倍に等しい、上記1.又は2.の基板支持構造。
4.前記密封リムと前記最も外側の支持位置との間の前記距離(c+d)が、隣接している支持位置間の前記最大距離の2倍よりも大きいか又は2倍に等しい、上記1.乃至3.の何れか1つの基板支持構造。
5.前記表面の前記外縁と前記最も外側の支持位置との間の前記距離(c)が、隣接している支持位置間の前記最大距離の2倍よりも大きいか又は2倍に等しい、上記1.乃至4.の何れか1つの基板支持構造。
6.前記表面の前記外縁と前記最も外側の支持位置との間の前記距離(c)が、複数の支持位置間の公称距離と等しいか又は公称距離よりも大きく、そして、前記外縁と前記密封リムとの間の前記距離(d)がこのような公称距離と等しいか又はこのような公称距離よりも小さい、上記1.乃至5.の何れか1つの基板支持構造。
7.液体(11)の毛管層により表面(16)上に基板(12)をクランプする為の基板支持構造(13)であって、前記表面が外縁(28)を有しているとともにクランプされる前記基板を受け入れる為の1つ又はそれ以上の基板支持要素(17)を備えていて、
ここにおいては、前記1つ又はそれ以上の基板支持要素が複数の支持位置に前記基板の為の支持を提供するよう配置されており、
ここにおいては、前記基板支持構造がさらに、前記表面を取り囲んでいるとともに密封リムを形成している上表面又は縁(22,24,26)を有している密封構造(21)をさらに備えており、そして、
ここにおいては、前記表面の前記外縁と前記最も外側の支持位置との間の距離(c)が複数の支持位置間の公称距離と等しいか又は公称距離よりも大きく、そしてここにおいては、前記外縁と前記密封リムとの間の距離(d)がこのような公称距離と等しいか又はこのような公称距離よりも小さい、
基板支持構造。
8.前記1つ又はそれ以上の基板支持要素は、相互に等しいピッチで規則的なパターンに配置されている複数の支持位置に前記基板の為の支持を提供していて、前記密封リムと前記密封リムに最も近い支持位置との間の距離が前記ピッチを越えている、請求項1.乃至7.の何れか1つの基板支持構造。
9.前記密封リムが前記基板支持要素の上面と実質的に同じ水準である、上記1.乃至8.の何れか1つの基板支持構造。
10.前記表面(16)はさらに、クランプ中に、前記液体クランプ層内に所定の毛管流れを誘起する為の異なった毛管潜在力を伴っている部分(41,51,52,83)を備えている、上記1.乃至9.の何れか1つの基板支持構造。
11.異なった毛管潜在力を伴っている前記複数の部分は、前記基板支持構造の前記受け入れ表面の周縁部の少なくとも一部に設けられている、上記10.の基板支持構造。
12.前記液体クランプ層内の前記所定の毛管流れは、前記液体クランプ層の前記周縁部に向かう方向である、上記10.又は11.の基板支持構造。
13.前記表面(16)の回りに堀(19)が設けられていて、前記堀は前記表面の前記外辺部により高い段部分(83)を備えている、上記1.乃至12.のいずれか1つの基板支持構造。
14.複数の前記基板支持要素の上面と前記堀(19)の前記段部分(83)との間の高さの差異は、複数の前記基板支持要素の高さの2倍よりも大きいか又は2倍に等しい、上記13.の基板支持構造。
15.前記表面には、複数の区画(65)を形成する為の複数の立ち上げられている構造(63)が設けられている、上記1.乃至14.の何れか1項の基板支持構造。
16.複数の前記立ち上げられている構造(63)の高さは複数の前記基板支持要素の高さよりも低い、上記15.の基板支持構造。
17.液体を前記表面に対し周方向に移動させる為の液体移動システム(23,25)をさらに備えている、上記1.乃至16.の何れか1つの基板支持構造。
18.前記液体移動システムはガス分配システムを備えている、上記17.の基板支持構造。
19.基板支持構造(13)と、液体(11)の毛管層により前記基板支持構造の表面(16)上にクランプされている基板(12)との組み合わせであって、前記表面が前記基板を受け入れる為の1つ又はそれ以上の基板支持要素(17)を備えているとともに1つ又はそれ以上の支持位置で前記基板の為の支持を提供するよう配置されていて、
ここにおいては、前記基板支持構造がさらに、前記表面の回りで密封リムを形成している上表面又は縁(22,24,26)を有している密封構造(21)を備えており、
ここにおいては、前記密封リムと最も外側の前記支持位置との間の距離(c+d)が、前記基板のクランプ中に、前記基板が前記密封リムと前記基板の底表面との間の隙間を減少又は無くすよう下方に折れ曲がるのに十分大きい、
組み合わせ。
20.前記基板のクランプの間に、前記隙間が、前記基板の前記底表面が前記密封リムに接触するよう減少されている、上記19.の組み合わせ。
21.前記密封リムが複数の前記基板支持要素の上面と実質的に同じ水準である、上記19.又は20.の組み合わせ。
22.前記密封リムと前記最も外側の支持位置との間の距離(c+d)が、隣接している支持位置間の最大距離の2倍よりも大きいか又は2倍に等しい、上記19.乃至21.の何れか1つの組み合わせ。
23.前記毛管液体層の周縁部と前記最も外側の支持位置との間の距離(a)が、前記毛管液体層の周縁部と前記密封リムとの間の距離(b)よりも大きい、上記19.乃至22.の何れか1つの組み合わせ。
24.前記表面(16)がさらに、クランプ中に、前記液体クランプ層内に所定の毛管流れを誘起する為の異なった毛管潜在力を伴っている複数の部分(41,51,52,83)を備えている、上記19.乃至23.の何れか1つの組み合わせ。
25.前記液体クランプ層内の前記所定の毛管流れは前記液体クランプ層の前記周縁部に向かう方向である、上記24.の組み合わせ。