特許第5788424号(P5788424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788424
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】店舗システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20150910BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   G07G1/01 301D
   G07G1/00 311D
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-42157(P2013-42157)
(22)【出願日】2013年3月4日
(65)【公開番号】特開2014-170403(P2014-170403A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2014年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】福田 正嗣
【審査官】 太田 良隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−202945(JP,A)
【文献】 特開2012−053786(JP,A)
【文献】 特開2010−160221(JP,A)
【文献】 特開2010−139751(JP,A)
【文献】 特開平09−319966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00−1/14
G09G 5/00/5/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像窓を介して光学的に撮像する撮像装置と、
前記撮像窓が設けられている側とは反対側に設けられ、横置きと縦置きとに選択的に配置可能であって、表示データを表示する客側表示装置と、
前記客側表示装置が縦置きであるか横置きであるかを判定する判定手段と、
前記撮像装置で撮像した画像に応じて売上登録処理を実行する売上登録手段と、
前記客側表示装置に対する前記売上登録手段による売上登録処理の表示データを、前記判定手段による判定結果に応じて変更させる表示内容変更手段と、
を備え
前記表示内容変更手段は、前記判定手段による判定結果が縦置きである場合、前記売上登録処理に応じた取引明細の電子イメージを生成して前記客側表示装置に表示させる、
ことを特徴とする店舗システム。
【請求項2】
前記表示内容変更手段は、前記判定手段による判定結果が横置きである場合、前記売上登録処理を実行した商品の情報を前記客側表示装置に表示させる、
ことを特徴とする請求項記載の店舗システム。
【請求項3】
前記客側表示装置は、振動型ジャイロスコープを有しており、
前記判定手段は、前記振動型ジャイロスコープからの出力により前記客側表示装置が縦置きであるか横置きであるかを判定する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の店舗システム。
【請求項4】
前記撮像装置と、前記客側表示装置と、を有する画像読取装置と、
前記判定手段と、前記売上登録手段と、前記表示内容変更手段と、を有する商品販売データ処理装置と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の店舗システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、店舗システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等では、買物客が、陳列されている商品の現物を買い物籠やカート等に収納し、レジカウンタまで持って来る。このレジカウンタでは、チェックアウト業務が店員によって行なわれる。
【0003】
レジカウンタの中央付近客側通路寄りには、画像読取装置の一例であるバーコードスキャナが立設されている。そして、レジカウンタの出口側には、買物客との代金決済処理を行なうPOS(Point Of Sales)端末等の商品販売データ処理装置が設置されている。画像読取装置および商品販売データ処理装置は、チェックアウト業務で使用される。
【0004】
バーコードスキャナは、商品に付されているバーコードを光学的に読み取るスキャナを内蔵している。該スキャナの正面には、読取窓が設けられている。店員は、商品の読取時、読取窓の正面に立つ。また、読取窓が設けられている側の裏側(買物客の立ち位置側)には、客用の表示器が設けられている。
【0005】
店員は、レジカウンタを挟んで買物客と対向する位置に立ち、買物客が持って来た商品の現物を順次読取窓に翳し、各商品に付されているバーコードを読み取らせていく。このとき、表示器には、各商品から読み取ったバーコードに基づいて特定される商品名や商品価格等の情報が表示される。買物客は、客用の表示器に表示された商品名や商品価格等の情報と、読取窓に翳された商品の現物との整合性を確認する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の客用の表示器は、製造コストが比較的安価な蛍光表示管(VFD:Vacuum Fluorescent Display)で構成されていることが多い。しかしながら、このような蛍光表示管が用いられた表示器は、その表示画面に表示される情報が限られてしまう。すなわち、従来の客用の表示器においては、レシートのような取引明細情報を表示させることが困難となっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の店舗システムは、撮像装置と、客側表示装置と、判定手段と、売上登録手段と、表示内容変更手段と、を備える。前記撮像装置は、撮像窓を介して光学的に撮像する。前記客側表示装置は、前記撮像窓が設けられている側とは反対側に設けられ、横置きと縦置きとに選択的に配置可能であって、表示データを表示する。前記判定手段は、前記客側表示装置が縦置きであるか横置きであるかを判定する。前記売上登録手段は、前記撮像装置で撮像した画像に応じて売上登録処理を実行する。前記表示内容変更手段は、前記客側表示装置に対する前記売上登録手段による売上登録処理の表示データを、前記判定手段による判定結果に応じて変更させる。そして、前記表示内容変更手段は、前記判定手段による判定結果が縦置きである場合、前記売上登録処理に応じた取引明細の電子イメージを生成して前記客側表示装置に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態にかかるPOSシステムの全体構成を示す斜視図である。
図2図2は、画像読取装置を撮像窓が設けられている側とは反対側から見た状態を示す斜視図である。
図3図3は、画像読取装置の電気的接続を示すブロック図である。
図4図4は、POS端末の電気的接続を示すブロック図である。
図5図5は、POS端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
図6図6は、売上登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、客側ディスプレイが縦置きである場合の表示例を示す正面図である。
図8図8は、客側ディスプレイが横置きである場合の表示例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。ここで、図1は実施形態にかかるPOSシステム1の全体構成を示す斜視図である。
【0010】
図1に示すように、店舗システムであるPOS(Point Of Sales)システム1は、縦型スキャナである画像読取装置11と、画像読取装置11で撮像した画像に応じて売上登録処理を実行する商品販売データ処理装置であるPOS端末12とを備える。画像読取装置11は、買物カゴ等が載置されるサッカー台10上の略中央部に立設する。また、POS端末12は、サッカー台10の一方の端部付近に設けられる。これら画像読取装置11とPOS端末12とは、図示しない伝送路によって相互通信可能に接続されている。すなわち、画像読取装置11とPOS端末12とは、店舗システムを構成する。
【0011】
POS端末12は、買物客が購入した商品の各種データに基づく会計処理を含む売上登録処理等を実行する。POS端末12は、硬貨及び紙幣を出し入れ自在に収納するドロワ121の上に設置されている。POS端末12は、オペレータ用と客用との二つの表示器122(122a、122b)と、キーボードや鍵キーを含む入力装置123と、レシートプリンタ124と、を備えている。表示器122及び入力装置123は、ユーザによる情報入力機能とユーザに対する情報出力機能とを有するユーザインタフェースを構成する。
【0012】
画像読取装置11は、撮像装置17、キーボード21、LCD(Liquid Crystal Display)で構成されたタッチパネル付きのディスプレイ19、LCDで構成された客側表示装置である客側ディスプレイ20等を備えている。撮像装置17は、筐体11aに開口していてオペレータに対面する撮像窓16を介して、商品に付されたコードシンボル(バーコードや二次元コード等)の画像や商品の全体または一部のオブジェクト画像を光学的に撮像する。キーボード21は、コードシンボルやオブジェクト画像で登録不能な商品の登録を行うための各種キー等を配設する。ディスプレイ19は、POS端末12による売上登録処理に応じ、オペレータに対して登録された商品の品名、価格等を表示する。
【0013】
ここで、オブジェクト認識について説明する。オブジェクト認識とは、撮像装置17にて撮像した物品(オブジェクト)の外観から得られる特徴量からその物品を特定(認識)する技術である。POS端末12は、撮像装置17で撮像された撮像画像(オブジェクト画像)から被写体となった商品の外観上の特徴を特徴量として抽出し、抽出した特徴量を、予め用意された基準商品の特徴量(照合用データ)と比較することで、被写体となった商品を特定(認識)する。商品の外観上の特徴とは、形状、色合い、表面の凹凸等である。
【0014】
客側ディスプレイ20は、筐体11aの撮像窓16が設けられている側とは反対側に設けられ、POS端末12による売上登録処理に応じ、買物客に対して登録された商品の品名、価格等を表示する。
【0015】
図2は、画像読取装置11を撮像窓16が設けられている側とは反対側(買物客の立ち位置側)から見た状態を示す斜視図である。図2(a)および図2(b)に示すように、画像読取装置11は、矩形状の客側ディスプレイ20を、買物客から見て横置きと縦置きとに選択的に配置することができる。図2(a)は、客側ディスプレイ20を買物客から見て横置きに配置した例を示し、図2(b)は、客側ディスプレイ20を買物客から見て縦置きに配置した例を示す。ここで、縦置きとは、縦の長さが横の長さより長い置き位置と定義する。横置きとは、横の長さが縦の長さより長い置き位置と定義する。以下の説明では、回動により、縦置き、横置きが可能な客側ディスプレイ20として説明する。
【0016】
画像読取装置11の電気的接続について説明する。図3は、画像読取装置11の電気的接続を示すブロック図である。図3に示すように、画像読取装置11は、制御の主体となるCPU(Central Processing Unit)51を搭載する。このCPU51には、バス52を介してROM(Read Only Memory)53と、RAM(Random Access Memory)54と、通信インタフェース(I/F)55と、撮像装置17と、キーボード21と、ディスプレイ19と、客側ディスプレイ20とが接続される。通信インタフェース(I/F)55には、POS端末12が接続される。
【0017】
また、客側ディスプレイ20は、当該客側ディスプレイ20が縦置きなのか横置きなのかを判別するためのセンサSを備える。このセンサSは、例えば、物体の角度や角速度を検出する計測器である振動型ジャイロスコープ(gyroscope)を適用できる。
【0018】
次に、POS端末12の電気的接続について説明する。図4は、POS端末12の電気的接続を示すブロック図である。図4に示すように、POS端末12には、マイクロコンピュータ301が備えられており、このマイクロコンピュータ301が各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ301は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)302に、バスライン303を介して制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM(Read Only Memory)304と、各種データを書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)305とが接続される。したがって、マイクロコンピュータ301は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。RAM305は、その全部又は一部が不揮発性メモリである。
【0019】
マイクロコンピュータ301には、バスライン303を介して、表示/キーボードコントローラ306とHDD307と通信インタフェース308とプリンタコントローラ309とスキャナコントローラ310とが接続されている。
【0020】
HDD307には、各種データが保存されている。例えば、基本OS312、POS端末12における各種処理用のプログラム311、商品マスタファイル313、及び、売上データファイル314である。商品マスタファイル313は、商品コードに対応付けて売価や商品名等を記憶する。また、売上データファイル314は、取引番号および取引種別とともに一取引分の売上データを記憶する。
【0021】
表示/キーボードコントローラ306は、画像データに基づいて表示器122を駆動制御し、画像データに応じた画像を表示器122に表示させ、また、入力装置123からの入力信号をマイクロコンピュータ301に取り込む。通信インタフェース308は、LANケーブル108を介して他の機器との間でのデータ通信を可能とする。
【0022】
プリンタコントローラ309は、印字データに基づいてレシートプリンタ124を駆動制御し、印字データに応じた画像をレシートプリンタ124に印字させる。
【0023】
また、スキャナコントローラ310は、画像読取装置11からの入力信号をマイクロコンピュータ301に取り込むとともに、画像データに基づいてディスプレイ19および客側ディスプレイ20を駆動制御し、画像データに応じた画像をディスプレイ19および客側ディスプレイ20に表示させる。
【0024】
続いて、POS端末12のマイクロコンピュータ301が基本OS312及びプログラム311に従って実行する各種の処理のうち、売上登録処理について説明する。
【0025】
POS端末12のマイクロコンピュータ301は、基本OS312及びプログラム311に従うことにより、図5に示すように、判定手段3011と、売上登録手段3012と、表示内容変更手段3013と、として機能する。
【0026】
判定手段3011は、客側ディスプレイ20が縦置きであるか横置きであるかを判定する。例えば、判定手段3011は、客側ディスプレイ20が有しているセンサSからの出力により客側ディスプレイ20が縦置きであるか横置きであるかを判定する。
【0027】
売上登録手段3012は、撮像装置17で撮像した画像(商品に付されたコードシンボルの画像や商品の全体または一部のオブジェクト画像など)に応じて売上登録処理を実行する。
【0028】
表示内容変更手段3013は、客側ディスプレイ20に対する売上登録手段3012による売上登録処理の表示データを、判定手段3011による判定結果に応じて変更させる。例えば、表示内容変更手段3013は、判定手段3011による判定結果が縦置きである場合、売上登録処理に応じた取引明細の電子イメージを生成して客側ディスプレイ20に表示させる。取引明細は、例えば商品の品名、価格、合計金額等である。売上登録処理をしてから、少なくとも取引が確定されるまで、表示内容変更手段3013は取引明細の電子イメージを客側ディスプレイ20に表示する。判定手段3011による判定結果が縦置きであり、読み取る商品が複数ある場合、表示内容変更手段3013は複数の商品の商品名、及び複数の商品に対応する価格を、取引の確定時まで客側ディスプレイ20に表示する。取引明細の表示は、1つの取引が終了するまで表示するようにしても良い。
【0029】
表示内容変更手段3013は、判定手段3011による判定結果が横置きである場合、売上登録処理を実行した商品の情報を客側ディスプレイ20に表示させる。表示内容変更手段3013は、判定手段3011による判定結果が横置きである場合、例えば売上登録処理を行った1つの商品の商品名及び価格の情報を客側ディスプレイ20に表示させる。表示内容変更手段3013は、判定手段3011による判定結果が横置きであり、読み取る商品が複数ある場合、売上登録処理を行った1つの商品の商品名及び価格の情報だけでなく、合計金額を表示しても良い。
【0030】
なお、本実施形態のPOS端末12で実行される基本OS312及びプログラム311は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0031】
さらに、本実施形態のPOS端末12で実行される基本OS312及びプログラム311を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末12で実行される基本OS312及びプログラム311をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0032】
図6は、POS端末12の売上登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。図6のフローチャートに基づいて、売上登録処理の一例について説明する。
【0033】
POS端末12のマイクロコンピュータ301(判定手段3011)は、客側ディスプレイ20が縦置きであるか否かを判定する(ステップS1)。客側ディスプレイ20が縦置きであるか否かは、客側ディスプレイ20が縦置きなのか横置きなのかを判別するためのセンサSからの出力により判定可能である。
【0034】
客側ディスプレイ20が縦置きであると判定した場合(ステップS1のYes)、POS端末12のマイクロコンピュータ301(売上登録手段3012)は、画像読取装置11から撮像した画像(商品に付されたコードシンボルの画像や商品の全体または一部のオブジェクト画像など)が送られてくると(ステップS2のYes)、画像に応じた商品を商品マスタファイル313のデータとの照合により特定し、特定された商品毎の売上登録処理を実行する(ステップS3)。
【0035】
次いで、POS端末12のマイクロコンピュータ301(表示内容変更手段3013)は、売上登録処理に応じた取引明細(商品の品名、価格、合計金額等)の電子イメージを生成し(ステップS4)、画像読取装置11の客側ディスプレイ20に対してステップS4で生成された電子イメージである取引明細(商品の品名、価格、合計金額等)を表示する(ステップS5)。
【0036】
図7は、客側ディスプレイ20が縦置きである場合の表示例を示す正面図である。図7に示すように、縦置きの客側ディスプレイ20は、売上登録処理に応じた取引明細(商品の品名、価格、合計金額等)Aを表示する。商品の品名、価格、合計金額の他、例えば、店舗名、店舗の連絡先、伝票番号、会員番号、取引年月日、各種メッセージを表示しても良い。なお、商品の品名、価格等の表示方法としては、単一色、単一の大きさに限るものではなく、表示する情報によって文字の色、大きさ、背景色を変更するようにしても良い。
【0037】
すなわち、買物客は、取引確定前に取引明細を確認することができる。ここで、買物客は、誤って購入した商品に気づいた場合、もしくはオペレータの誤操作によって購入対象外の商品が登録されたことに気づいた場合には、オペレータに対して取引訂正する旨を告げる。
【0038】
キーボード21の取引訂正キー(図示せず)が操作されて取引訂正が宣言されたと判断すると(ステップS6のYes)、POS端末12のマイクロコンピュータ301は、オペレータの操作に従って売上登録処理に応じた取引明細(商品の品名、価格等)を訂正し(ステップS7)、訂正後の取引明細(商品の品名、価格等)の電子イメージを作成する(ステップS4)。
【0039】
POS端末12のマイクロコンピュータ301は、キーボード21の締めキー(図示せず)が操作されて取引確定されるまで(ステップS8のYes)、ステップS2〜S7の処理を繰り返す。
【0040】
POS端末12のマイクロコンピュータ301は、キーボード21の締めキー(図示せず)が操作されて取引確定が宣言されると(ステップS8のYes)、縦置きの客側ディスプレイ20に表示された取引明細と同じ取引明細(レシート)をレシートプリンタ124から印字出力し(ステップS9)、処理を終了する。
【0041】
一方、客側ディスプレイ20が横置きであると判定した場合(ステップS1のNo)、POS端末12のマイクロコンピュータ301(売上登録手段3012)は、画像読取装置11から撮像した画像(商品に付されたコードシンボルの画像や商品の全体または一部のオブジェクト画像など)が送られてくると(ステップS10のYes)、画像に応じた商品の商品マスタファイル313のデータとの照合により特定し、特定された商品毎の売上登録処理を実行する(ステップS11)。
【0042】
次いで、POS端末12のマイクロコンピュータ301(表示内容変更手段3013)は、売上登録処理された商品の品名、価格等の情報を画像読取装置11の客側ディスプレイ20に対して表示する(ステップS12)。
【0043】
図8は、客側ディスプレイ20が横置きである場合の表示例を示す正面図である。図8に示すように、横置きの客側ディスプレイ20は、売上登録処理を実行した商品の品名、価格等のデータBを表示する。商品の品名、価格の他、各種メッセージを表示しても良い。なお、商品の品名、価格等の表示方法としては、単一色、単一の大きさに限るものではなく、表示する情報によって文字の色、大きさ、背景色を変更するようにしても良い。
【0044】
図6に戻り、POS端末12のマイクロコンピュータ301は、キーボード21の締めキー(図示せず)が操作されて取引確定が宣言されるまで(ステップS13のYes)、ステップS10〜S12の処理を繰り返す。
【0045】
POS端末12のマイクロコンピュータ301は、キーボード21の締めキー(図示せず)が操作されて取引確定が宣言されると(ステップS13のYes)、取引明細(レシート)をレシートプリンタ124から印字出力し(ステップS14)、処理を終了する。
【0046】
このように本実施形態によれば、会計前に取引明細を確認したい顧客に対して、あらかじめ取引明細を表示することで商品返品手続きの手間を減らすとともに、オペレータの誤登録の事前発見を行うことができる。また、客側ディスプレイ20の置き方を変えることで商品毎の情報表示に切り替えることにより、店舗が明細イメージ表示装置と商品毎情報表示装置の2つの装置を購入することなく、1つの表示装置で両方の表示を行うことができる。
【0047】
なお、本実施形態においては、客側ディスプレイ20が縦置きであるか否かを、センサSからの出力により判定するようにしたが、これに限るものではない。設定者は、客側ディスプレイ20が縦置きであるか否かを目視で判断し、基本OS312またはプログラム311が有している“画面の表示方法”の設定を変更するようにしても良い。例えば、“画面の表示方法”の設定の画面(図示せず)にて、客側ディスプレイ20が縦置きか横置きかを選択するボタンを表示し、設定者は、客側ディスプレイ20が縦置きであるか否かの目視での判断結果に応じ、ボタンを選択する。この場合、POS端末12のマイクロコンピュータ301(判定手段3011)は、設定で縦置き、横置き、どちらが選択されているかで、客側ディスプレイ20が縦置きであるか否かを判定する。なお、この手動での設定変更と、客側ディスプレイ20が縦置きなのか横置きなのかを判別するためのセンサSを併用しても良い。
【0048】
上記説明において、回動により、縦置き、横置きが可能な客側ディスプレイ20として説明したが、これに限らない。客側ディスプレイ20は、固定位置(図示せず)から取り外しが可能であっても良い。客側ディスプレイ20の角度を変更する際は、固定位置から客側ディスプレイ20を取り外し、角度を変更した状態で、固定部材で固定しても良い。固定部材は例えば、ネジ、ボルトである。
【0049】
また、上記説明において、縦置きと横置きで表示を変更する客側ディスプレイ20を縦型スキャナである画像読取装置11に搭載した説明をしたが、これに限らない。縦置きと横置きで表示を変更する客側ディスプレイ20を商品販売データ処理装置であるPOS端末12に搭載するようにしても良い。
【0050】
さらに、本実施形態のPOSシステム1は、縦型スキャナである画像読取装置11と、画像読取装置11で撮像した画像に応じて売上登録処理を実行する商品販売データ処理装置であるPOS端末12とを別体で構成したが、これに限るものではない。縦型スキャナである画像読取装置11と、画像読取装置11で撮像した画像に応じて売上登録処理を実行する商品販売データ処理装置であるPOS端末12とを一体化したPOSシステム1であっても良い。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1 店舗システム
11 画像読取装置
11a 筐体
12 商品販売データ処理装置
16 撮像窓
17 撮像装置
20 客側表示装置
3011 判定手段
3012 売上登録手段
3013 表示内容変更手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】特開平2−83685号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8