(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1トランジスタがターンオフされ、前記第2及び第3トランジスタがターンオンされると、前記データ電圧及び前記基準電圧によって前記有機発光ダイオードが発光することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の有機発光ダイオード表示装置。
前記第2トランジスタは、ソース電極が、高電位電源電圧が印加される第3ノードと接続され、ドレイン電極が前記第2ノードと接続され、前記第2ノードと前記第3ノードとの間に前記第2キャパシタが接続されることを特徴とする、請求項9ないし11のいずれか一項に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の構成を概略的に示す図である。
【0014】
図1に示されたように、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置100は、パネル110、タイミング制御部120、スキャン駆動部130、及びデータ駆動部140を含む。
【0015】
パネル110は、マトリクス状に配置されたサブピクセルSPを含む。パネルに含まれたサブピクセルSPは、スキャン駆動部130から多数のスキャンラインSL1〜SLmを介して供給されるスキャン信号、及びデータ駆動部140から多数のデータラインDL1〜DLnを介して供給されるデータ信号によって発光する。また、サブピクセルSPの発光は、スキャン信号とデータ信号だけでなく、スキャン駆動部130から多数の第1発光制御ライン(図示せず)を介して供給される第1発光制御信号、及び多数の第2発光制御ライン(図示せず)を介して供給される第2発光制御信号によって制御可能である。
【0016】
そのために、一つのサブピクセルには、有機発光ダイオードとこれを駆動するための多数のトランジスタ及びキャパシタが形成されている。このようなサブピクセルSPの細部構成については、
図2で詳細に説明する。
【0017】
タイミング制御部120は、外部から、垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、データイネーブル信号(DE)、クロック信号(CLK)、映像信号が供給される。また、タイミング制御部120は、外部から入力される映像信号をフレーム単位で整列して、デジタル形態の映像データ(R、G、B)を生成する。
【0018】
例えば、タイミング制御部120は、垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、データイネーブル信号(DE)、クロック信号(CLK)などのタイミング信号を用いて、スキャン駆動部130及びデータ駆動部140の動作タイミングを制御する。
【0019】
そのために、タイミング制御部120は、スキャン駆動部130の動作タイミングを制御するためのゲート制御信号(GCS)、及びデータ駆動部140の動作タイミングを制御するためのデータ制御信号(DCS)を生成する。
【0020】
スキャン駆動部130は、タイミング制御部120から供給されるゲート制御信号(GCS)に応じて、パネル110に含まれたサブピクセルSPに含まれたトランジスタが動作可能なように、スキャン信号Scanを生成し、生成されたスキャン信号ScanをスキャンラインSLを介してパネル110に供給する。また、スキャン駆動部130は、スキャン信号の一種として第1及び第2発光制御信号Em,Hを生成し、生成された第1及び第2発光制御信号Em,Hを第1及び第2発光制御ライン(図示せず)を介してパネル110に供給する。以下では、スキャンラインのうち第n番目のスキャンラインを介して印加されるスキャン信号をScan[n]と仮定する。
【0021】
データ駆動部140は、タイミング制御部120から供給されるデジタル形態の映像データ(R、G、B)及びデータ制御信号(DCS)を用いてデータ信号を生成し、生成されたデータ信号をデータラインDLを介してパネル110に供給する。
【0022】
以下では、サブピクセルの細部構成について、
図1及び
図2を参照して詳細に説明する。
【0023】
図2は、
図1に示されたサブピクセルの等価回路を概略的に示す図である。
【0024】
図2に示されたように、各サブピクセルSPは、第1乃至第3トランジスタT1〜T3と駆動トランジスタTdr、第1及び第2キャパシタC1,C2及び有機発光ダイオードOLEDを含むことができる。
【0025】
第1乃至第3トランジスタT1〜T3及び駆動トランジスタTdrは、
図2に示されたように、PMOSタイプのトランジスタが適用されているが、他の実施例として、NMOSタイプのトランジスタも適用可能である。この場合、PMOSタイプのトランジスタをターンオンさせる電圧は、NMOSタイプのトランジスタをターンオンさせる電圧と反対の極性を有する。
【0026】
まず、第1トランジスタT1のソース電極にデータ電圧Vdataまたは基準電圧Refが印加され、ゲート電極にスキャン信号Scan[n]が印加され、ドレイン電極は、駆動トランジスタTdrのゲート電極である第1ノードN1と接続される。ここで、スキャン信号Scan[n]は、複数のスキャンラインのうち第n番目のスキャンラインを介して印加される第n番目のスキャン信号であり得る。
【0027】
例えば、データラインDLを介してデータ電圧Vdataまたは基準電圧Refが第1トランジスタT1のソース電極に印加され、第1トランジスタT1の動作は、スキャンラインSLを介して供給されるスキャン信号Scan[n]によって制御可能である。
【0028】
したがって、第1トランジスタT1はスキャン信号Scanによってターンオンされ、データ電圧Vdataまたは基準電圧Refを第1ノードN1に供給することができる。
【0029】
ここで、基準電圧Refは、一定の大きさの直流電圧であり、データ電圧Vdataは、3水平周期(3H)毎に互いに異なる連続した電圧であってもよい。例えば、第1トランジスタT1のソース電極に、1水平周期(1H)の間に第n−1番目のデータ電圧Vdata[n−1]が印加される場合、次の2水平周期(2H)の間に基準電圧が印加された後、次の1水平周期(1H)の間には第n番目のデータ電圧Vdata[n]が印加され、続いて、3水平周期毎に次番目のデータ電圧が連続して印加されてもよい。
【0030】
一方、第1ノードN1に基準電圧Refが印加される場合には、基準電圧Refは、駆動トランジスタTdrのゲート電極である第1ノードN1を基準電圧Refに初期化させる役割を果たす。
【0031】
次に、第2トランジスタT2のソース電極である第3ノードN3に高電位電源電圧VDDが印加され、ゲート電極に第1発光制御信号Em[n]が印加され、ドレイン電極は、駆動トランジスタTdrのソース電極である第2ノードN2と接続される。
【0032】
例えば、第3ノードN3に高電位電源電圧VDDが印加され、第1発光制御ラインを介して供給される第1発光制御信号Em[n]に応じて第2トランジスタT2がターンオンされると、第3ノードN3と第2ノードN2とが接続されて、第2ノードN2に高電位電源電圧VDDを印加することができる。
【0033】
次に、第1キャパシタC1は、第1ノードN1と第2ノードN2との間に接続される。
【0034】
例えば、第1キャパシタC1は、駆動トランジスタTdrの閾値電圧(Vth)をセンシングする役割を果たし、具体的に、第1キャパシタC1には、駆動トランジスタの閾値電圧を保存することができる。
【0035】
次に、第2キャパシタC2は、高電位電源電圧VDDが印加される第3ノードN3と第2ノードN2との間に接続される。
【0036】
例えば、第1発光制御信号Em[n]によって第2トランジスタT2がターンオフされ、第3ノードN3と第2ノードN2との接続が切れる場合に、第2キャパシタC2の一端に継続して高電位電源電圧VDDを印加することができる。
【0037】
次に、駆動トランジスタTdrのゲート電極は第1ノードN1と接続され、ソース電極は第2ノードN2と接続され、ドレイン電極は第4ノードN4と接続される。
【0038】
一方、後述する有機発光ダイオードOLEDに流れる電流量は、駆動トランジスタTdrのソース電極とゲート電極との間の電圧Vsgと、駆動トランジスタTdrの閾値電圧(Vth)との和(Vsg+Vth)によって決定され、補償回路によって、最終的にデータ電圧Vdataと基準電圧Refによって決定され得る。
【0039】
したがって、有機発光ダイオードOLEDに流れる電流の量は、データ電圧Vdataの大きさに比例するので、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、各サブピクセルSP毎に様々な大きさのデータ電圧Vdataを印加して、互いに異なる階調を表示することによって、映像をディスプレイする。
【0040】
次に、第3トランジスタT3のゲート電極に第2発光制御信号H[n]が印加され、ソース電極は、駆動トランジスタTdrのドレイン電極である第4ノードN4と接続され、ドレイン電極は、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極である第5ノードN5と接続される。
【0041】
例えば、第2発光制御ラインを介して供給される第2発光制御信号H[n]によって第3トランジスタT3がターンオンされると、第4ノードN4と第5ノードN5とが接続されて、有機発光ダイオードOLEDの発光を制御することができる。
【0042】
仮に、第3トランジスタT3が第2発光制御信号H[n]によってターンオフされると、有機発光ダイオードOLEDの発光はオフされ、第3トランジスタT3がターンオンされると、スキャン信号Scan[n]及び第1発光制御信号Em[n]によって有機発光ダイオードOLEDの発光を制御することができる。
【0043】
一方、第2発光制御信号H[n]は、第1発光制御信号Em[n]と異なる別途の発光制御信号であってもよく、第1発光制御信号が第n番目の第1発光制御信号Em[n]である場合、第2発光制御信号H[n]は第n+1番目の第1発光制御信号(Em[n+1])であってもよい。
【0044】
次に、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極は第5ノードN5と接続され、カソード電極に低電位電源電圧VSSが印加される。
【0045】
以下では、
図3及び
図5A乃至
図5Dを参照して、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置に含まれた各サブピクセルの動作について詳細に説明する。
【0046】
図3は、
図2に示された等価回路に供給される制御信号の一実施例によるタイミング図であり、
図5A乃至
図5Dは、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の駆動方法を説明するための図である。
【0047】
図3に示されたように、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、初期化(Initial)期間t1、センシング(Sensing)期間t2、サンプリング(Sampling)期間t3、及び発光(Emission)期間t4に区分されて動作し、初期化期間t1、センシング期間t2及びサンプリング期間t3は、それぞれ、1水平周期1Hであることがわかる。
【0048】
一方、以下では、
図5A乃至
図5Dに示されたように、第3ノードN3に印加される高電位電源電圧は、高電位電源電圧が印加される配線抵抗によって発生するIR Dropによって、それぞれの期間の間に、高電位電源電圧の値が変わるようになるので、それぞれの期間の間の高電位電源電圧VDD1、VDD2、VDD3、VDD4は、それぞれ異なる値を有するものと仮定する。
【0049】
まず、初期化期間t1の間に、
図3に示されたように、ローレベルのスキャン信号Scan[n]及び第1及び第2発光制御信号Em[n],H[n]が印加され、第1トランジスタT1のソース電極にデータラインを介して基準電圧Refが印加される。
【0050】
これによって、
図5Aに示されたように、第1トランジスタT1はローレベルのスキャン信号Scan[n]によってターンオンされ、第2トランジスタT2はローレベルの第1発光制御信号Em[n]によってターンオンされ、第3トランジスタT3はローレベルの第2発光制御信号H[n]によてターンオンされる。
【0051】
また、第1トランジスタT1がターンオンされるので、第1トランジスタT1のソース電極にデータラインを介して基準電圧Refが供給され、第1ノードの電圧は、基準電圧Refに初期化される。そして、第2トランジスタT2がターンオンされるので、第2トランジスタT2のソース電極である第3ノードN3に印加される高電位電源電圧VDD1が、駆動トランジスタTdrのソース電極である第2ノードN2に供給される。また、第3トランジスタT3がターンオンされることによって、第4ノードN4と第5ノードN5とが接続される。
【0052】
例えば、初期化期間t1の間に、第4ノードN4と第5ノードN5とが接続されることによって、有機発光ダイオードOLEDには電流が流れるが、初期化期間t1が1水平期間1Hだけの非常に短い期間であるため、有機発光ダイオードOLEDが発光することは視聴者の目には認識されない。単に、駆動トランジスタTdrのゲート電極である第1ノードN1の電圧を基準電圧Refに初期化することができる。
【0053】
結局、初期化期間t1の間に、第3トランジスタT3がターンオンされることによって、有機発光ダイオードに電流が流れるが、第1トランジスタT1がターンオンされることによって、駆動トランジスタTdrのゲート電極である第1ノードN1の電圧は、一定の直流電圧である基準電圧Refに初期化される。
【0054】
次に、センシング(Sensing)期間t2の間に、
図3に示されたように、ローレベルのスキャン信号Scan[n]及び第2発光制御信号H[n]と、ハイレベルの第1発光制御信号Em[n]とが印加される。
【0055】
これによって、
図5Bに示されたように、第1トランジスタT1はローレベルのスキャン信号Scan[n]によってターンオンされ、第2トランジスタT2はハイレベルの第1発光制御信号Em[n]によってターンオフされ、第3トランジスタT3はローレベルの第2発光制御信号H[n]によってターンオンされ、第1トランジスタT1のソース電極にデータラインを介して基準電圧Refが印加される。
【0056】
また、第1トランジスタT1がターンオン状態を維持することによって、第1トランジスタT1のソース電極にデータラインを介して基準電圧Refが供給され、第1ノードの電圧は基準電圧Refを維持する。そして、第2トランジスタT2がターンオフされるので、第2ノードN2と第3ノードN3との間の直接的な接続は切れるようになるが、高電位電源電圧VDD2は、第2キャパシタC2の一端である第3ノードN3に供給される。また、第3トランジスタT3がターンオン状態を維持することによって、第4ノードN4と第5ノードN5とは接続状態を維持する。
【0057】
例えば、センシング期間t2の間に、第1ノードの電圧は基準電圧Refを維持するが、第2トランジスタT2がターンオフされることによって、第2ノードN2と第3ノードN3との間の直接的な接続が切れるようになり、初期化期間t1の間に第1及び第2キャパシタC1,C2に保存された電荷が放電されながら、第2ノードN2の電圧は、初期化期間t1の間の第2ノードN2の電圧である高電位電源電圧VDD1よりも小さい電圧に次第に減少するようになる。
【0058】
結局、センシング期間t2の間に、第2ノードN2の電圧は、高電位電源電圧VDD1よりも小さい電圧に次第に減少し、駆動トランジスタTdrのゲート電極である第1ノードN1の電圧である基準電圧Refより駆動トランジスタTdrの閾値電圧(Vth)の絶対値(|Vth|)だけ大きい電圧(Ref+|Vth|)まで減少するようになる。したがって、センシング期間t2が完了する時点に、第1キャパシタC1には駆動トランジスタの閾値電圧が保存されるようになる。
【0059】
これは、駆動トランジスタTdrがソースフォロアー方式で接続されているため、駆動トランジスタTdrのソース電極である第2ノードN2の電圧が減少する途中、駆動トランジスタTdrがターンオフされるまでの電圧である駆動トランジスタTdrのゲート電極の電圧である基準電圧Refより駆動トランジスタ閾値電圧(Vth)の絶対値(|Vth|)だけ大きい電圧(Ref+|Vth|)まで減少するからである。
【0060】
したがって、センシング期間t2の間に、第1キャパシタC1は、駆動トランジスタの閾値電圧(Vth)をセンシングする役割を果たす。
【0061】
次に、サンプリング(Sampling)期間t3の間に、
図3に示されたように、ローレベルのスキャン信号Scan[n]と、ハイレベルの第1及び第2発光制御信号Em[n]、H[n]とが印加される。
【0062】
これによって、
図5Cに示されたように、第1トランジスタT1はローレベルのスキャン信号Scan[n]によってターンオンされ、第2及び第3トランジスタT2、T3はハイレベルの第1及び第2発光制御信号Em[n]、H[n]によってターンオフされ、第1トランジスタT1のソース電極にデータラインを介してデータ電圧Vdata[n]が印加される。
【0063】
また、第1トランジスタT1がターンオンされることによって、第1トランジスタT1のソース電極にデータラインを介してデータ電圧Vdata[n]が供給される。そして、第2トランジスタT2がターンオフ状態を維持するので、高電位電源電圧VDD3は、第2キャパシタC2の一端である第3ノードN3に継続して供給される。また、第3トランジスタT3がターンオフされることによって、第4ノードN4と第5ノードN5とは接続が切れるようになり、それによって、有機発光ダイオードOLEDの発光がオフされる。
【0064】
例えば、センシング期間t2の間に、第1キャパシタC1の一端である第1ノードN1に基準電圧Refが供給され、その後、サンプリング期間t3の間に、第1ノードN1にデータ電圧Vdata[n]が供給されることによって、第1キャパシタC1の他端である第2ノードN2の電圧もまた変わるようになる。しかし、第1キャパシタC1の両端に保存された電圧が一定に維持され、第1及び第2キャパシタが直列接続されているので、第1及び第2キャパシタの静電容量(c1+c2)の比率によって第2ノードN2の電圧が決定される。したがって、第2ノードの電圧は、センシング期間t2の間の第2ノードの電圧(Ref+|Vth|)と第1ノードの電圧の変化量(Vdata[n]−Ref)と第1及び第2キャパシタの静電容量(c1+c2)の比率(c1/(c1+c2))によって、“Ref+|Vth|+{c1/(c1+c2)}(Vdata[n]−Ref)”で表すことができる。したがって、第1キャパシタC1の両端には、“Vdata[n]−[Ref+|Vth|+{c1/(c1+c2)}(Vdata[n]−Ref)]”だけの電圧(VC1)が保存されるようになる。整理すると、第1キャパシタC1の両端に保存される電圧(VC1)は、“{c2/(c1+c2)}(Vdata[n]−Ref)−|Vth|”となる。
【0065】
これは、第1キャパシタ及び第2キャパシタの静電容量の比率が、後述する有機発光ダイオードOLEDに流れる電流Ioledに影響を与えるので、有機発光ダイオードOLEDに流れる電流Ioledがピークである時、静電容量の比率が影響を与えない場合よりさらに大きいデータ電圧が必要であるので、データ電圧による有機発光ダイオードに流れる電流Ioledの分解能を向上させることができる。
【0066】
結局、サンプリング期間t3の間に、第1キャパシタは、発光期間t4の間に有機発光ダイオードOLEDが発光するのに必要なデータ電圧をサンプリングする役割を果たす。
【0067】
一方、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置に含まれた有機発光ダイオードは、毎フレームごとにそれぞれのスキャンラインのサンプリングが完了した後、直ちに、発光を開始する。
【0068】
言い換えると、各スキャンライン毎にスキャンを完了した後、直ちに発光を開始するもので、
図4を参照してより詳細に説明する。
【0069】
図4は、
図3に示されたタイミング図を具体化した図である。本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置のスキャンラインの個数がm個であると仮定すると、第1番目、第n番目及び第m番目のスキャンラインのそれぞれには、スキャン信号として、Scan[1]、Scan[n]及びScan[m]が印加され、それぞれのスキャンラインと交差する一つのデータラインに、第1番目のデータ電圧Vdata[1]から第m番目のデータ電圧Vdata[m]まで印加されることがわかる。
【0070】
ここで、データ電圧が印加されるスキャン(Scan)期間には、各スキャンライン別に初期化(Initial)期間t1、センシング(Sensing)期間t2、サンプリング(Sampling)期間t3、発光(Emission)期間t4を含むことができる。
【0071】
したがって、各スキャンライン別に該当のデータ電圧のサンプリングが完了した後、直ちに有機発光ダイオードOLEDが発光を開始する。
【0072】
次に、発光(Emission)期間t4の間に、
図3に示されたように、ハイレベルのスキャン信号Scan[n]と、ローレベルの第1及び第2発光制御信号Em[n]、H[n]とが印加される。
【0073】
これによって、
図5Dに示されたように、第1トランジスタT1はハイレベルのスキャン信号Scan[n]によってターンオフされ、第2及び第3トランジスタT2,T3はローレベルの第1及び第2発光制御信号Em[n],H[n]によってターンオンされ、第1トランジスタT1のソース電極にデータラインを介して基準電圧Refが印加されるが、第1トランジスタは、ハイレベルのスキャン信号によってターンオフされるので、第1ノードの電圧には何らの影響も与えない。また、第2トランジスタT2がターンオンされるので、高電位電源電圧VDD4は第3ノードN3に直接供給され、第3トランジスタT3がターンオンされることによって、第4ノードN4と第5ノードN5とが接続されて、有機発光ダイオードOLEDの発光が開始される。
【0074】
したがって、有機発光ダイオードOLEDに流れる電流Ioledは、駆動トランジスタTdrに流れる電流によって決定され、駆動トランジスタに流れる電流は、駆動トランジスタのゲート電極とソース電極との間の電圧(Vgs)及び駆動トランジスタの閾値電圧(Vth)によって決定され、下記の数学式1のように定義することができる。一方、サンプリング期間t3の間に第1キャパシタC1の両端に保存された電圧(VC1)によって、駆動トランジスタTdrのゲート電極である第1ノードN1の電圧は、“VDD4+{c2/(c1+c2)}(Vdata[n]−Ref)−|Vth|”となり得る。
【0076】
ここで、“K”は、比例定数として、駆動トランジスタTdrの構造と物理的特性によって決定される値で、駆動トランジスタTdrの移動度(mobility)、及び駆動トランジスタTdrのチャネル幅(W)とチャネル長さ(L)との比である“W/L”などによって決定され得る。また、有機発光ダイオード表示装置に含まれたトランジスタがPMOSタイプのトランジスタである場合、駆動トランジスタの閾値電圧は負の値を有する。一方、駆動トランジスタTdrの閾値電圧(Vth)は、常に一定の値を有するものではなく、駆動トランジスタTdrの動作状態によってばらつきが発生し得る。
【0077】
言い換えると、数学式1から見ると、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、発光期間t4の間に有機発光ダイオードOLEDに流れる電流Ioledが、駆動トランジスタTdrの閾値電圧(Vth)の影響を受けず、単に、データ電圧Vdataと基準電圧Refとの差によって決定され得る。また、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、高電位電源電圧が印加される配線抵抗によって発生するIR Dropによる高電位電源電圧の影響を受けない。
【0078】
一方、
図3では、第1乃至第3トランジスタは、スキャン信号Scan[n]及び別個の第1及び第2発光制御信号Em[n],H[n]のような制御信号によって動作が制御され、データ電圧が3水平周期(3H)毎に印加されるものと説明したが、他の実施例において、第2発光制御信号H[n]は、第1発光制御信号Em[n]の次番目の第1発光制御信号Em[n+1]であってもよく、データ電圧もまた2水平周期毎に印加可能である。
【0079】
以下では、
図6を参照して、他の実施例に係る制御信号について説明する。
【0080】
図6は、
図2に示された等価回路に供給される制御信号の他の実施例によるタイミング図である。
【0081】
図6に示されたように、データ電圧は、
図4に示されたデータ電圧とは異なり、2水平周期(2H)毎に次番目のデータ電圧が印加され、基準電圧Refもまた2水平周期(2H)毎に印加されることがわかる。また、第2発光制御信号H[n]は、第n+1番目の第1発光制御信号Em[n+1]であることがわかる。
【0082】
一方、
図6に示されたように、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、
図5と同様に、初期化(Initial)期間t1、センシング(Sensing)期間t2、サンプリング(Sampling)期間t3、及び発光(Emission)期間t4に区分されて動作するが、サンプリング期間t3のみ1水平周期(1H)であり、初期化期間t1及びセンシング期間t2を合わせた期間が1水平周期であることがわかる。
【0083】
したがって、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、駆動トランジスタの動作状態による閾値電圧のばらつき及びIR Dropによる高電位電源電圧のばらつきを補償することによって、有機発光ダイオードに流れる電流を一定に維持して、画質の低下を防止することができる。
【0084】
また、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、補償回路を構成するトランジスタ及びキャパシタの個数が少ないので、大面積に適する。
【0085】
図7は、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の閾値電圧のばらつきによる電流の変化を説明するための図である。
【0086】
図7に示されたように、有機発光ダイオードOLEDに流れる電流Ioledの大きさはデータ電圧Vdataに比例するが、同一のデータ電圧Vdataでは、閾値電圧(Vth)のばらつきdVthによって大きく変化しないことがわかる。
【0087】
本発明の属する技術分野における当業者は、上述した本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施できるということが理解されるであろう。
【0088】
したがって、以上記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導かれる全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に属するものと解釈しなければならない。